2025-100M 「リライト」☆☆☆★★

Srewright邦題:リライト
時間:120分
公開:2025-06-13
製作年度:2025
製作国:日本
配給:バンダイナムコフィルムワークス
製作総指揮:
製作:河野聡 菊池貞和 後藤利一 垰義孝 村松秀信 牧田英之 早川浩
監督:松居大悟
脚本:上田誠
原作:法条遥
撮影:塩谷大樹
音楽:森優太
出演:池田エライザ、安達慶、久保田紗友、倉悠貴、山谷花純、大関れいか、森田想、福永朱梨、マキタスポーツ、津田寛治、尾美としのり、石田ひかり、橋本愛

「ちょっと思い出しただけ」の監督・松居大悟と「サマータイムマシン・ブルース」の脚本家・上田誠が初タッグを組み、法条遥の同名小説を原作にオール尾道ロケで映画化したSF青春ミステリー。

高校3年の夏、美雪の学校に保彦という少年が転校してくる。ある小説に憧れて300年後からタイムリープしてきたという保彦と秘密を共有することになった美雪は、彼に恋をする。7月21日、美雪は保彦にもらった薬を使い、10年後の自分に会うためタイムリープする。未来の美雪は過去の自分に、自身の著書だという本を見せるが、それは未来で保彦が出会う小説だった。過去に戻ってきた美雪は、この夏の保彦と自分の物語を書いて時間のループを完成させることを約束し、未来へ帰る保彦を見送る。10年後、ようやく本を出版した美雪は、過去からタイムリープしてくるはずの自分を待つが、なぜか一向に現れない。謎を探るなかで同窓会に参加した彼女は、同級生から驚きの真実を知らされる。

池田エライザが主人公・美雪の高校時代とその10年後を演じ、阿達慶が保彦役で映画初出演。物語のキーパーソンとなる美雪のクラスメイト・友恵役を橋本愛が務め、そのほか久保田紗友、倉悠貴、前田旺志郎、山谷花純、大関れいか、森田想、福永朱梨同級生役で久が共演。尾道ロケ作品として有名な「ふたり」の石田ひかり、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の尾美としのりらベテラン俳優が脇を固める。

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2024-096M 「レイブンズ」☆☆☆★

Sravens原題:Ravens
邦題:レイブンズ
時間:116分
公開:2025-03-28
製作年度:2024
製作国:フランス・日本・ベルギー・スペイン
配給:アークエンタテインメント
製作総指揮:
製作:
監督:マーク・ギル
脚本:マーク・ギル
原作:
撮影:フェルナンド・ルイス
音楽:テオフィル・ムッソーニ ポール・レイ
出演:浅野忠信、瀧内公美、ホセ・ルイス・フェラー、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀

「イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語」で知られるイギリスのマーク・ギル監督が浅野忠信を主演に迎え、世界的に高い評価を受け続ける写真家・深瀬昌久の波瀾万丈な人生と、彼の最愛の妻にして被写体であった洋子との物語を、実話とフィクションを織り交ぜながら描いたダークファンタジーラブストーリー。

北海道の高校を卒業した深瀬昌久は、父の写真館を継がずに上京する。さまよう日々のなかで、深瀬は美しく力に満ちた女性・洋子と恋に落ちる。洋子は深瀬の写真の主題となり、2人はパーソナルでありながら革新的な作品を生みだしていく。家族愛に憧れる深瀬は洋子の夢を支えるため懸命に働くが、ついに彼女の信頼を裏切ってしまう。深瀬の心の闇は異形の“鴉の化身”へと転生し、哲学的な知性で彼を芸術家の道に導こうとする。

天才写真家の狂気と純粋さを浅野が繊細かつワイルドに演じ、「火口のふたり」の瀧内公美が洋子を存在感たっぷりに演じた。

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2025-092M 「わたのまち、応答セヨ」☆☆☆★★

Swatanomachi邦題:わたのまち、応答セヨ
時間:99分
公開:2025-05-02
製作年度:2024
製作国:日本
配給:鈴正、JAYMEN TOKYO
製作総指揮:
製作:土屋敏男
監督:岩間玄
脚本:岩間玄
原作:
撮影:岩間玄
音楽:
出演:岸井ゆきの

「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」の岩間玄監督と、バラエティ番組「電波少年」シリーズのプロデューサー・土屋敏男がタッグを組み、繊維産業の街として知られる愛知県三河・蒲郡市にスポットをあてたドキュメンタリー。

1200年前、日本に初めて綿花がもたらされた街・蒲郡市。戦後、衣類が不足するなかで空前の好景気が訪れ、街の至るところで織機の音が鳴り響いていたが、いつしかその活気は失われてしまった。蒲郡市から「街の繊維産業に光を当てる映画を作ってほしい」と依頼され現地を訪れた岩間監督は、街の構造的な問題と人々の諦めムードを目の当たりにする。映画制作が難航を極めるなか、わたを種から育て紡ぐ80歳の職人との出会いをきっかけに、奇跡のような展開が訪れる。舞台は蒲郡市からロンドンへと移り、日本のモノ作りの本気が海を越えて人々の心をつかんでいく。

「ケイコ 目を澄ませて」などの俳優・岸井ゆきのが語りを担当。

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2025-081M 「悪い夏」☆☆☆★

Swaruinatsu邦題:悪い夏
時間:114分
公開:2025-03-20
製作年度:2025
製作国:日本
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:藤本款 遠藤徹哉 久保田修
監督:城定秀夫
脚本:向井康介
原作:染井為人
撮影:渡邊雅紀
音楽:遠藤浩二
出演:北村匠海(佐々木守)、河合優実(林野愛美)、伊藤万理華(宮田有子)、毎熊克哉(高野洋司)、箭内夢菜(莉華)、竹原ピストル(山田吉男)、木南晴夏(古川佳澄)、窪田正孝(金本龍也)

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した染井為人の同名小説を北村匠海主演で映画化し、真面目に生きてきた気弱な公務員が破滅へと転落していく姿を描いたサスペンス。

市役所の生活福祉課に勤める佐々木守は、同僚の宮田から「職場の先輩・高野が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしい」との相談を受ける。面倒に思いながらも断りきれず真相究明を手伝うことになった佐々木は、その当事者である育児放棄寸前のシングルマザー・愛美のもとを訪ねる。高野との関係を否定する愛美だったが、実は彼女は裏社会の住人・金本とその愛人の莉華、手下の山田とともに、ある犯罪計画に手を染めようとしていた。そうとは知らず、愛美にひかれてしまう佐々木。生活に困窮し万引きを繰り返す佳澄らも巻き込み、佐々木にとって悪夢のようなひと夏が始まる。

シングルマザーの愛美を河合優実、犯罪計画の首謀者・金本を窪田正孝、佐々木の同僚・宮田を伊藤万理華が演じる。「ビリーバーズ」「アルプススタンドのはしの方」などの城定秀夫監督がメガホンをとり、「ある男」の向井康介が脚本を担当。

『ワルしか出てこない』というキャッチフレーズは『アウトレイジ』(監督・北野武)がオリジナルなのだが、臆面もなく使うからには、自信があるのだろうな?と。
ピンク、Vシネのキャリアある城定監督の、手慣れたゲス社会描写が上手い。もちろん先日の日本アカデミー賞で栄冠に輝いた河合優実のヒロインとあって、そちらも見どころではあった。がしかし、『あんのこと』『ナミビアの砂漠』と微妙に被るキャラクター。すなわち「心ここにあらず、本心隠蔽」なメンタル謎な女性像だ。今後はもっとヴァリエーションある、幅広い役柄を期待したい。この作品では、ワルの中心人物を演じる窪田正孝がピカピカに光っていたことを覚えておこう。

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2025-076M 「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」☆☆☆★

Smononokehinezumi邦題:劇場版モノノ怪 第二章 火鼠
時間:74分
公開:2025-03-14
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ツインエンジン、ギグリーボックス
製作総指揮:
製作:佐藤公章 須藤雄樹
監督:中村健治、鈴木清崇
脚本:
原作:
撮影:
音楽:岩崎琢
出演:神谷浩史(薬売り)、戸松遥(大友ボタン)、日笠陽子(時田フキ)、梶裕貴(時田三郎丸)、細見大輔(坂下)、黒沢ともよ(アサ)、チョー(時田良路)、堀内賢雄(老中大友)

フジテレビ「ノイタミナ」枠で2006年に放送されたオムニバスアニメ「怪 ayakashi」の1編「化猫」から派生して製作されたテレビアニメ「モノノ怪」の劇場版3部作の第2作。天子の世継ぎを巡り謀略が渦巻く大奥を舞台に、葛藤する女たちの情念から生まれたモノノ怪・火鼠に立ち向かう主人公・薬売りの闘いを描く。

モノノ怪・唐傘との闘いからほどなくして、大奥に再び薬売りが姿を現す。大奥では総取締役だった歌山の後任である名家出身の大友ボタンが厳格な差配を行っており、天子の寵愛を一身に受ける町人出身の御中臈・フキとの溝が深まっていた。天子の正室である御台所・幸子が産んだ赤子の後見人選定が進められるなか、状況を一変させる事態がフキに訪れる。やがて、突如として人が燃えあがり消し炭と化す人体発火事件が相次いで発生。モノノ怪の仕業と考えた薬売りは、その三様「形」「真」「理」を突き止めるべく、大奥にうごめく闇へと足を踏み入れていく。

シリーズの生みの親でテレビ版および劇場版第1作の監督を務めた中村健治が総監督を担当。

前作の『唐傘』からシリーズ二作目。モノノ怪の世界観は、特徴的な作画表現がLSDっぽく、ウルトラポップで酩酊感たっぷり。相変わらずの『情報量が飽和状態の画面』が連続し、目眩さえ誘発。しっかりと次回作のタイトルも表示しての、大団円。シュンシュンの名前を観たような。

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2025-070M 「雪子 a.k.a.」☆☆☆★

Syukikoaka邦題:雪子 a.k.a.
時間:98分
公開:2025-01-25
製作年度:2024
製作国:日本
配給:パル企画
製作総指揮:
製作:鈴木ワタル 桑原佳子
監督:草場尚也
脚本:鈴木史子
原作:鈴木史子 草場尚也
撮影:寺本慎太朗
音楽:GuruConnect
出演:山下リオ(吉村雪子)、樋口日奈(石井里穂)、占部房子(大迫美香)、渡辺大知(堀田広大)、石田たくみ(谷川修介)、剛力彩芽(古賀まりか)、浅田芭路(前島華)、猪股怜生(森幸太郎)、滋賀練斗(坂下類)、池尻稀春(水川沙羅)、中村映里子(森律子)、池田良(坂下俊介)、ダースレイダー、立仙愛理(エル)、椿(アザミ)、カツヲ(ニシキ)、りゅうと(吉村鉄平)、赤間麻里子(道端和子)、PONEY(田中)、石橋凌(吉村和彦)

30歳を前に人生に迷った小学校教師の女性が、ラップを通して自分と向きあっていく姿を描いた人間ドラマ。

記号のように過ぎていく毎日に漠然とした不安を抱えている29歳の小学校教師・雪子。不登校児とのコミュニケーションも、恋人からのプロポーズに対しても、本音を口にすることを避け、答えを出せずにいる。好きなラップをしている時だけは本音を言えていると思っていたが、思いがけず参加したラップバトルでそれさえも否定され、立ち尽くしてしまう。いい先生、いいラッパー、いい彼女になりたいかと自問自答を重ねながら、30歳の誕生日を迎える雪子だったが……。

「あのこは貴族」などの山下リオが雪子役で主演を務め、雪子の同僚教師役で樋口日奈と占部房子、恋人役で渡辺大知、友人役で剛力彩芽、父親役で石橋凌が共演。劇中で雪子が披露するリリックを、ラッパーのダースレイダーが書きおろした。「スーパーミキンコリニスタ」でPFFアワード2019日活賞とホリプロ賞をダブル受賞した草場尚也監督の劇場映画初監督作。

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2025-032M 「MR. JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男」☆☆☆★

Smrjimmy原題:Mr. Jimmy
邦題:MR. JIMMY ミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男
時間:114分
公開:2025-01-10
製作年度:2023
製作国:アメリカ・日本
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:ポーラ・ダウド
製作:ピーター・マイケル・ダウド
監督:ピーター・マイケル・ダウド
脚本:
原作:
撮影:アイバン・コバック マシュー・ブルート
音楽:
出演:ジミー桜井

イギリスのロックバンド「レッド・ツェッペリン」のギタリスト、ジミー・ペイジになりきることをライフワークとする日本人・ジミー桜井を追ったドキュメンタリー。

新潟県十日町で育った桜井昭夫は高校時代にレッド・ツェッペリンのレコードに出会い、ジミー・ペイジのギタープレイの虜となる。やがて上京した彼は、昼は着物のセールスマンとして働き、夜はペイジのギターテクニックと人格を身につけた「ジミー桜井」として活動。35年間にわたり、東京の小さなクラブでレッド・ツェッペリンのビンテージコンサートを完璧に再現してきた。

ある夜、来日中のペイジ本人が桜井の演奏会場をお忍びで訪れたことで、彼の人生は大きく動きはじめる。本物のペイジの喝采に触発された桜井はサラリーマンの仕事を辞め、家族を置いてロサンゼルスに移住し、レッド・ツェッペリンのコピーバンド「Led Zepagain」に加入する。しかしそんな彼を、言葉の壁や過酷を極めるツアー、メンバーとの軋轢など、さまざまな困難が待ち受けていた。

ひたすら、日本人が道を極める努力をすると、紅毛人はついていけなくなる、という証拠ドキュメンタリー。主人公にとっては『ジミー道』を尽きぬ思いで疾走しているにすぎないのだ。

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2025-021M 「雪の花 ともに在りて」☆☆☆

Syukihohana 邦題:雪の花 ともに在りて
時間:117分
公開:2025-01-24
製作年度:2024
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:木下直哉
製作:髙??敏弘 渡部秀一
監督:小泉堯史
脚本:齋藤雄仁 小泉堯史
原作:吉村昭
撮影:上田正治
音楽:加古隆
出演:松坂桃李(笠原良策)、芳根京子(千穂)、三浦貴大(半井元冲)、宇野祥平(与平)、沖原一生(桐山元中)、坂東龍汰(日野桂州)、三木理紗子(はつ)、新井美羽(お愛)、串田和美、矢島健一、渡辺哲、益岡徹(中根雪江)、山本學(大庄屋の主人)、吉岡秀隆(大武了玄)、役所広司(日野鼎哉)

「雨あがる」「博士の愛した数式」「峠 最後のサムライ」などで人間の美しい在り方を描いてきた名匠・小泉堯史監督が、吉村昭の小説「雪の花」を映画化。江戸時代末期の福井藩を舞台に、数年ごとに大流行して多くの人命を奪う疫病から人々を救おうと奔走した実在の町医者の姿を描く。

江戸時代末期、有効な治療法がなく多くの人の命を奪ってきた痘瘡(天然痘)。福井藩の町医者・笠原良策は、その痘瘡に有効な「種痘(予防接種)」という予防法が異国から伝わったことを知り、京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請い、私財を投げ打って必要な種痘の苗を福井に持ち込んだ。しかし、天然痘の膿をあえて体内に植え込むという種痘の普及には、さまざまな困難が立ちはだかる。それでも良策は、妻・千穂に支えられながら疫病と闘い続ける。

主人公の笠原良策を松坂桃李、良策の妻・千穂を芳根京子、良策を導く蘭方医・日野鼎哉を役所広司が演じる。そのほか吉岡秀隆、三浦貴大、宇野祥平らが共演。

天然痘の蔓延から子供たちを救おうと、福井藩の町医者が、京の蘭方医から学んだジェンナーの種痘を、艱難辛苦の末に成功させるまでの物語。吉村昭の原作。江戸時代の医療系プロジェクトXを企図したのだろうが、いかんせん脚本が一本調子で、艱難辛苦を画期的な発明工夫で突破する、ドラマティックな要素がない。新療法を邪魔するお役所仕事や、免疫持つ子供と吹雪の峠越えなど、壁にするため脚本的に用意した壁にすぎない。そんなこんなで、深く染みる感動もなく、安易な伏線回収のクライマックスも平凡。

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2025-013M 「室町無頼」☆☆☆★★★

Smuromachiburai邦題:室町無頼
時間:135分
公開:2025-01-17
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:須藤泰司
製作:
監督:入江悠
脚本:入江悠
原作:垣根涼介
撮影:大塚亮
音楽:池頼広
出演:大泉洋、長尾謙杜、松本若菜、遠藤雄弥、前野朋哉、阿見201、般若、武田梨奈、水澤紳吾、岩永丞威、吉本実憂、ドンペイ、川床明日香、稲荷卓央、芹澤興人、中村蒼、矢島健一、三宅弘城、柄本明、北村一輝、堤真一

垣根涼介の時代小説を大泉洋主演で実写映画化した戦国アクション。「22年目の告白 私が殺人犯です」の入江悠が監督・脚本を手がけ、日本の歴史において初めて武士階級として一揆を起こした室町時代の人物・蓮田兵衛の知られざる戦いをドラマチックに描く。

1461年、応仁の乱前夜の京。大飢饉と疫病によって路上には無数の死体が積み重なり、人身売買や奴隷労働も横行していた。しかし時の権力者は無能で、享楽の日々を過ごすばかり。そんな中、己の腕と才覚だけで混沌の世を生きる自由人・蓮田兵衛はひそかに倒幕と世直しを画策し、立ち上がる時を狙っていた。一方、並外れた武術の才能を秘めながらも天涯孤独で夢も希望もない日々を過ごしていた青年・才蔵は、兵衛に見出されて鍛えられ、彼の手下となる。やがて兵衛のもとに集った無頼たちは、巨大な権力に向けて暴動を仕掛ける。そんな彼らの前に、兵衛のかつての悪友・骨皮道賢率いる幕府軍が立ちはだかる。

大泉が本格的な殺陣・アクションに初挑戦し、剣の達人である蓮田兵衛を熱演。アイドルグループ「なにわ男子」の長尾謙杜が才蔵、堤真一が骨皮道賢を演じるほか、柄本明、北村一輝、松本若菜が共演。

ここ数年、意欲的な大作時代劇が、製作され続けている。誠に良きことかな。以下、ざっくりとした印象。
①少年ジャンプを思わせる友情・努力・勝利。『用心棒』へのリスペクトを感じさせる対立構造と巨悪。『七人の侍』へのリスペクトを感じさせる連帯。このあたりはジャンプ的、ワンピース的でもある。
②音楽がマカロニ・ウエスタンすぎる?いつ太陽を背にイーストウッドが登場するか『待ち望む気分』にさせられた。
③戦闘シーン、とりわけ殺陣のカメラワークが凄い。斬新。武器の主観で回転までする。どんな絵コンテ描いたのだろう、入江悠監督は。
④結論。スッゲー面白かった。娯楽時代劇として堪能した。メインの二人の決着も腑に落ちた。

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2025-005M 「私にふさわしいホテル」☆☆☆★★

Swatashinifusawashiihotel邦題:私にふさわしいホテル
時間:98分
公開:2024-12-27
製作年度:2024
製作国:日本
配給:日活、KDDI
製作総指揮:
製作:石井紹
監督:堤幸彦
脚本:川尻恵太
原作:柚木麻子
撮影:唐沢悟
音楽:野崎良太
出演:のん(中島加代子)、田中圭(遠藤道雄)、滝藤賢一(東十条宗典)、田中みな実(明美)、服部樹咲(有森光来)、高石あかり(東十条美和子)、橋本愛(書店員)、橘ケンチ(俳優)、光石研(ホテルの支配人)、若村麻由美(東十条千恵子)

堤幸彦監督がのんを主演に迎え、文壇を舞台に不遇な新人作家の逆襲を描いた柚木麻子の同名小説を映画化。

新人賞を受賞したものの大物作家・東十条宗典から酷評され、華々しいデビューを飾るどころか小説を発表する場すら得られなかった新人作家・加代子。憧れの「山の上ホテル」に宿泊した彼女は、憎き東十条が上階に泊まっていることを知る。加代子は大学時代の先輩でもある担当編集者・遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を落とさせることに成功。しかし加代子にとって、ここからが本当の試練の始まりだった。文壇への返り咲きを狙う加代子と彼女に原稿を落とされたことを恨む東十条の因縁の対決は、予測不能な方向へと突き進んでいく。

編集者・遠藤を田中圭、大物作家・東十条を滝藤賢一が演じ、田中みな実、服部樹咲、髙石あかり、橋本愛が共演。

数多くの『舞台(ライブ)』をこなしている「のん」の、『演じる女』を演じる演技が秀逸。どこに主人公のリアルが描かれるか、ワクワクする。という入れ籠構造の、脚本も上手い。これが、演劇のステージでも、相当に面白い芝居になるだろうが、映画空間では、シークェンスの転換に、ならではの手法でリズムを出している。さすが堤幸彦監督の手練の技だ。

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