2022-086m「流浪の月」☆☆☆★★

Srurohnotuki邦題:流浪の月
時間:150分
公開:2022-05-13
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ギャガ
製作総指揮:宇野康秀
製作:依田巽,森田篤
監督:李相日
脚本:李相日
原作:凪良ゆう
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:原摩利彦
出演:広瀬すず(家内更紗)、松坂桃李(佐伯文)、横浜流星(中瀬亮)、多部未華子(谷あゆみ)、趣里(安西佳菜子)、三浦貴大(湯村店長)、白鳥玉季(10歳時の更紗)、増田光桜(安西梨花)、内田也哉子(佐伯音葉)、柄本明(阿方)

2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説を、「怒り」の李相日監督が広瀬すずと松坂桃李の主演で映画化。ある日の夕方、雨の公園でびしょ濡れになっていた10歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文が傘をさしかける。伯母に引き取られて暮らす更紗は家に帰りたがらず、文は彼女を自宅に連れて帰る。更紗はそのまま2カ月を文の部屋で過ごし、やがて文は更紗を誘拐した罪で逮捕される。“被害女児”とその“加害者”という烙印を背負って生きることとなった更紗と文は、事件から15年後に再会するが……。更紗の現在の恋人・中瀬亮を横浜流星、心の傷を抱える文に寄り添う看護師・谷あゆみを多部未華子が演じる。「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当。
原作を刊行当時読んでいる作品の映画化。USENの宇野康秀氏が自身の製作会社で制作、そして依田巽氏のギャガが配給。六本木の有線ギャガ時代の豪華すぎる天空の試写室に、思いを馳せる。時間は、甘美で残酷で、その激流はすべてを漂白していく。
広瀬すずを見つめる2時間。ヒロインの子供時代の少女も存在感があって良い。李相日監督は、うまい。

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2022-043M 「Ribbon」☆☆☆★★★

Sribbon邦題:Ribbon
時間:115分
公開:2022-02-25
製作年度:2021
製作国:日本
配給:イオンエンターテイメント
製作総指揮:福田淳
製作:中林千賀子
企画:のん
監督:のん
脚本:のん
特撮:樋口真嗣
原作:
撮影:彦坂みさき
音楽:ひぐちけい
出演:のん(浅川いつか)、山下リオ(平井)、渡辺大知(公演で出会う男)、小野花梨(まい)、春木みさよ(いつかの母)、菅原大吉(いつかの父)

YouTubeで配信された映画「おちをつけなんせ」で監督デビューした女優のんが、劇場公開の長編映画で初メガホンをとり、自ら主演・脚本も務めた青春ドラマ。コロナ禍の2020年。美大生のいつかは大学の卒業制作展が中止となり、1年かけて制作した作品を持ち帰ることに。様々な感情が渦巻いて何も手につかない彼女は、心配してくれる両親とも衝突してしまう。妹のまいもコロナに過剰反応し、普段は冷静な親友の平井も苛立ちを募らせている。そんな中、絵を描くことに夢中になるきっかけをくれた田中との再会や、平井との本音の衝突によって心を動かされたいつかは、自分の未来を切り開くため立ち上がる。「シン・ゴジラ」の監督・特技監督の樋口真嗣と准監督・特技統括の尾上克郎が特撮チームとして参加し、主人公の様々な感情の流れをカラフルなリボンで表現した。
とてつもなく久しぶりにテアトル新宿。かつては名画座、インディ邦画(ダンカン初監督作品みたいな微妙な面々)、アニメの聖地を目指したり、様々なポジションを模索しつつ、とりあえず現在の姿か。中学の頃からの付き合いなので、愛着ある同志のような劇場だ。
企画、脚本、監督、主演がのん。という一見独りよがりの珍作に遭遇する恐怖もあったが、なんとも爽やかなオンナノコ青春映画だった。スマホが無いと生きていけないコロナ下ならではの、いまこの瞬間の日常で無ければ、描けない秀作。数年後にコロナが収束してからでは、ここまでヴィヴィッドに「現在進行系」の、【想像もしなかった日常】を表現できないだろう。まったくもう、今年の掘り出し物作品であった。

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2022-023M 「やがて海へと届く」☆☆☆

Syagateumihetoodoku邦題:やがて海へと届く
時間:126分
公開:2022-04-01
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:和田丈嗣 小林智
製作:小川真司 伊藤整
監督:中川龍太郎
脚本:中川龍太郎 梅原英司
原作:彩瀬まる
撮影:大内泰
音楽:小瀬村晶
出演:岸井ゆきの、浜辺美波、杉野遥亮、中崎敏、鶴田真由、中嶋朋子、新谷ゆづみ、光石研

彩瀬まるの小説を原作に描くヒューマンドラマ。突然消息を絶った親友の不在を受け入れられずにいる女性が、親友が最後に旅した場所を訪れる。監督と脚本を務めるのは、『わたしは光をにぎっている』『静かな雨』などの中川龍太郎。『愛がなんだ』などの岸井ゆきのと、『君の膵臓をたべたい』などの浜辺美波が親友を演じ、共演には杉野遥亮、中崎敏、新谷ゆづみ、光石研らが名を連ねる。
引っ込み思案の真奈(岸井ゆきの)と、自由奔放なすみれ(浜辺美波)は親友同士だったが、一人旅に出たすみれはそのまま行方知れずになる。親友がいなくなって5年が過ぎても、真奈は彼女の不在を受け入れられずにいた。そんな折、真奈はすみれと以前付き合っていた遠野から、すみれが大事にしていたビデオカメラを渡され、そこに残されていた彼女の秘密を知る。

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2022-010M 「真夜中乙女戦争」☆☆★★★

Sayonakaotomesensou邦題:真夜中乙女戦争
時間:113分
公開:2022-01-21
製作年度:2022
製作国:日本
配給:KADOKAWA
製作総指揮:
製作:堀内大示 藤島ジュリーK. 小川悦司 中田しげる 田中祐介 五十嵐淳之
監督:二宮健
脚本:二宮健
原作:F
撮影:堤裕介
音楽:堤裕介
出演:永瀬廉(私)、池田エライザ(先輩)、篠原悠伸(田中)、安藤彰則(松本)、山口まゆ(カナ)、佐野晶哉(佐藤)、成河(高橋)、渡辺真起子(教授)、柄本佑(黒服)


若者を中心に圧倒的支持を集める作家Fの小説「真夜中乙女戦争」を、「弱虫ペダル」の永瀬廉(King&Prince)主演で実写映画化。上京して1人暮らしを始めた大学生の“私”は、友達も恋人もできず鬱屈とした日々を送っていた。そんな中、「かくれんぼ同好会」で出会った冷酷で聡明な“先輩”に惹かれていく。さらに、圧倒的カリスマ性で他人の心を一瞬で掌握してしまう謎の男“黒服”との出会いにより、退屈だった私の日常は一変。始めは他愛のないイタズラを繰り返す彼らだったが、ささやかだった反逆は次第に過激さを増し、「真夜中乙女戦争」という名の東京破壊計画へと発展していく。“先輩”を「貞子」の池田エライザ、“黒服”を「アルキメデスの大戦」の柄本佑が演じる。監督・脚本は「チワワちゃん」の二宮健。

2018年秋に原作読んだ時、川村元気あたりが映画化狙いそうと書いたが、KADOKAWAだった。ともあれ、中2病こじらせた原作なので、映画も観客に高難度な共感と感情移入を要求するものになっていた。早い話が、高齢者の僕にはムリというものだ。

 

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2021-235M 「老後の資金がありません!」☆☆☆★

Srohgonoshikingaarimasen邦題:老後の資金がありません!
時間:115分
公開:2021-10-30
製作年度:2021
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:
製作:平野隆
監督:前田哲
脚本:斉藤ひろし
原作:垣谷美雨
撮影:佐光朗
音楽:富貴晴美
出演:天海祐希(後藤篤子)、松重豊(後藤章)、新川優愛(後藤まゆみ)、瀬戸利樹(後藤勇人)、加藤諒(松平琢磨)、柴田理恵(神田サツキ)、石井正則(桜井秀典)、若村麻由美(桜井志津子)、友近(本間)、クリス松村(城ケ崎君彦)、高橋メアリージュン(レイナ)、佐々木健介(松平金造)、北斗晶(松平美和)、荻原博子(荻原博子)、竜雷太(太平)、藤田弓子(波子)、哀川翔(天馬)、毒蝮三太夫(大泉健三)、三谷幸喜(森口)、草笛光子(後藤芳乃)

垣谷美雨の同名ベストセラー小説を「狗神」(2001)以来20年ぶりとなる天海祐希の単独主演作として映画化。家計に無頓着な夫の章、フリーターの娘まゆみ、大学生の息子・勇人と暮らす平凡な主婦・後藤篤子は、あこがれのブランドバッグも我慢して、夫の給料と彼女がパートで稼いだお金をやり繰りし、コツコツと老後の資金を貯めてきた。しかし、亡くなった舅(しゅうと)の葬式代、パートの突然の解雇、娘の結婚相手が地方実業家の御曹司で豪華な結婚式を折半で負担、さらには夫の会社が倒産と、節約して貯めた老後の資金を目減りさせる出来事が次々と降りかかる。そんな中、章の妹・志津子とのやりとりの中で、篤子は夫の母・芳乃を引き取ることを口走ってしまう。芳乃を加えた生活がスタートするが、芳乃の奔放なお金の使い方で予期せぬ出費がかさみ、篤子はさらなる窮地に立たされてしまう。監督は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の前田哲。
鑑賞予定ではなかったが、時間が余ったので。三谷幸喜のシーンが抱腹絶倒。SKD草笛とヅカ天海のクライマックスのデュエットが素敵。結末のまとめ方は楽天的すぎるので嫌。

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2021-230M 「土竜の唄 FINAL」☆☆☆

Smogura3邦題:土竜の唄 FINAL
時間:128分
公開:2021-11-19
製作年度:2021
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:小川晋一 久保雅一 藤島ジュリーK. 松岡宏泰 奥野敏聡
監督:三池崇史
脚本:宮藤官九郎
原作:高橋のぼる
撮影:北信康
音楽:遠藤浩二
出演:生田斗真(菊川玲二)、鈴木亮平(轟烈雄)、岡村隆史(猫沢一誠)、菜々緒(胡蜂)、滝沢カレン(沙門夕磨)、仲里依紗(若木純奈)、堤真一(日浦匡也)、吹越満(酒見路夫)、遠藤憲一(赤桐一美)、皆川猿時(福澄独歩)、岩城滉一(轟周宝)

高橋のぼるの人気コミック「土竜の唄」を、三池崇史監督&宮藤官九郎脚本、生田斗真主演で実写映画化したアクションコメディシリーズの完結編。潜入捜査官「モグラ」として、凶悪な犯罪組織・数寄矢会に潜り込んだ菊川玲二が、洋上の豪華客船を舞台に組織トップの轟周宝逮捕に向けて奔走する。モグラとして潜るところまで潜った玲二の最後の任務は、過去最大級の取引となる6000億円の麻薬密輸を阻止すること。そんな玲二の前には、轟周宝の長男で最悪の敵となる轟烈雄が現れる。さらには、謎のフェロモン美女・沙門にハメられた玲二は、恋人である純奈との修羅場を迎えるハメになり……。玲二役の生田のほか、堤真一、仲里依紗、吹越満、遠藤憲一、皆川猿時、岩城滉一といったシリーズおなじみのメンバーに加え、1作目に出演の岡村隆史、2作目に出演の菜々緒も登場。新キャストとして烈雄役の鈴木亮平、沙門役の滝沢カレンが顔をそろえる。

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2021-206M 「燃えよ剣」☆☆☆★

Smoeyoken邦題:燃えよ剣
時間:146分
公開:2021-10-15
製作年度:2021
製作国:日本
配給:東宝、アスミック・エース
製作総指揮:
製作:市川南 佐野真之
監督:原田眞人
脚本:原田眞人
原作:司馬遼太郎
撮影:柴主高秀
音楽:土屋玲子
出演:岡田准一(土方歳三)、柴咲コウ(お雪)、鈴木亮平(近藤勇)、山田涼介(沖田総司)、尾上右近(松平容保)、山田裕貴(一橋慶喜)、たかお鷹(井上源三郎)、坂東巳之助(孝明帝)、安井順平(山南敬助)、谷田歩(永倉新八)、金田哲(藤堂平助)、松下洸平(斎藤一)、村本大輔(山崎烝)、村上虹郎(岡田以蔵)、阿部純子(糸里)、ジョナ・ブロケ(ジュール・ブリュネ)、大場泰正(七里研之助)、坂井真紀(佐藤のぶ)、山路和弘(佐藤彦五郎)、酒向芳(外島機兵衛)、松角洋平(新見錦)、石田佳央(久坂玄瑞)、淵上泰史(桂小五郎)、渋川清彦(中島登)、マギー(大沢逸平)、三浦誠己(宮部鼎蔵)、吉原光夫(伊東甲子太郎)、森本慎太郎(市村鉄之助)、高嶋政宏(清河八郎)、柄本明(丸十店主)、市村正親(本田覚庵)、伊藤英明(芹沢鴨)

新選組副長・土方歳三の生涯を描き、過去に映画化、ドラマ化もされてきた司馬遼太郎の歴史小説を、「関ヶ原」の原田眞人監督&岡田准一主演の再タッグで新たに映画化。江戸時代末期。黒船の来航により、外国から日本を守るため幕府の権力を回復させようとする佐幕派と、天皇を中心にした新政権を目指す討幕派の対立が深まりつつあった。武州多摩の農家に生まれた土方歳三は「武士になりたい」という思いで、近藤勇、沖田総司ら同志とともに京都へ向かう。芹沢鴨を局長に、徳川幕府の後ろ盾で新選組を結成し、土方は「鬼の副長」と恐れられながら、討幕派の制圧のため京都の町で活躍を見せるが……。土方歳三役の岡田のほか、土方と生涯愛を貫くお雪役を柴咲コウ、近藤勇役を鈴木亮平、沖田総司役を山田涼介、芹沢鴨役を伊藤英明がそれぞれ演じる。
会話シーンにつける舞踊のような動き。平板なやり取りになる会話にリズムが生まれる良い手法だ。まと、説明セリフの描き方が上手い。香道しつつの情勢説明など秀逸。

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2021-189M 「マスカレード・ナイト」☆☆☆★

Smasukaredonaito邦題:マスカレード・ナイト
時間:129分
公開:2021-09-17
製作年度:2021
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:小川晋一 瓶子吉久 藤島ジュリーK. 松岡宏泰
監督:鈴木雅之
脚本:岡田道尚
原作:東野圭吾
撮影:江原祥二
音楽:佐藤直紀
出演:木村拓哉(新田浩介)、長澤まさみ(山岸尚美)、小日向文世(能勢)、梶原善(本宮)、泉澤祐希(関根)、東根作寿英(久我)、石川恋(川本)、中村アン(奥田真由美)、田中みな実(秋山久美子)、石黒賢(氏原祐作)、沢村一樹(日下部篤哉)、勝村政信(曽野昌明)、木村佳乃(曽野万智子)、凰稀かなめ(狩野妙子)、麻生久美子(仲根緑)、高岡早紀(貝塚由里)、博多華丸(浦辺幹夫)、鶴見辰吾(田倉)、篠井英介(尾崎)、石橋凌(藤木)、渡部篤郎(稲垣)

東野圭吾のベストセラー小説を木村拓哉と長澤まさみの共演で映画化した「マスカレード・ホテル」のシリーズ第2弾。原作小説のシリーズ第3作をもとに、ホテル・コルテシア東京に再び潜入した刑事・新田浩介と優秀なホテルウーマン・山岸尚美が難事件に挑む姿を描く。警察に届いた1通の匿名ファックス。その内容は、都内マンションで起きた殺人事件の犯人が、大みそかにホテル・コルテシア東京で開催されるカウントダウンパーティ「マスカレード・ナイト」に現れるというものだった。パーティ当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した警視庁捜査一課の刑事・新田浩介は、コンシェルジュに昇進した山岸尚美の協力を得て捜査を進めていくが、500人の参加者は全員が仮装して顔を隠していた。限られた時間の中、素顔のわからない殺人犯を捕まえるべく奔走する彼らだったが……。前作に続き「HERO」の鈴木雅之監督がメガホンをとった。

 

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2021-180M 「護られなかった者たちへ」☆☆☆★★

Smamorarenakattamonotachihe_20210921200401邦題:護られなかった者たちへ
時間:134分
公開:2021-10-01
製作年度:2021
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:高橋敏弘 千葉伸大
製作:
監督:瀬々敬久
脚本:林民夫 瀬々敬久
原作:中山七里
撮影:鍋島淳裕
音楽:村松崇継
出演:佐藤健(利根泰久)、阿部寛(笘篠誠一郎)、清原果耶(円山幹子)、林遣都(蓮田智彦)、永山瑛太(三雲忠勝)、緒形直人(城之内猛)、岩松了(楢崎肇)、波岡一喜(鈴木将)、奥貫薫(笘篠紀子)、井之脇海(菅野健)、宇野祥平(宮原)、黒田大輔(支倉)、西田尚美(宮園真琴)、千原せいじ(国枝)、原日出子(春子)、鶴見辰吾(東雲)、三宅裕司(櫛谷貞三)、吉岡秀隆(上崎岳大)、倍賞美津子(遠島けい)

 

ベストセラー作家・中山七里の同名ミステリー小説を「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の主演・佐藤健と瀬々敬久監督のコンビ、阿部寛の共演で映画化。東日本大震災から9年後、宮城県内の都市部で全身を縛られたまま放置され餓死させられるという凄惨な連続殺人事件が発生した。被害者はいずれも善人、人格者と言われていた男たちだった。宮城県警捜査一課の笘篠誠一郎は、2つの事件からある共通項を見つけ出す。そんな中、利根泰久が容疑者として捜査線上に浮かび上がる。利根は知人を助けるために放火、傷害事件を起こしたて服役し、刑期を終えて出所したばかりの元模範囚だった。犯人としての決定的な確証がつかめない中、第3の事件が起こってしまう。佐藤が容疑者の利根役、阿部が利根を追う刑事・笘篠役を演じるほか、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都らが脇を固める。
愛する人すべてを一瞬のうちに失ったあの3.11。それぞれに心に癒えない傷を負った人々が寄り添って生きようとしていく。そして家族のようにいたわり合った愛する人を再び失うことで、痛切な事件が起きてしまう。追うものも追われるものも、あの日にたまたま生き残る側になった者だ。そして、生き続けるためのシステムから護られなかった者の慟哭がこの映画の主題だろう。
作品の通奏低音ともいえるあの3.11に起きた全てと、そして「生き残ったことで決着をつけなければいけないものを抱き続けた」登場人物がおりなす、まだ終わっていない惨禍が観客の心を打つ。そしてその終わっていない惨禍の是非が、殺人事件として、世に問われる。真相が明かされる時、観客はその罪を憎むことができるのだろうか。ふたたび別れなければならない家族は、こののち、また再会できるのだろうか。
久しぶりに重厚な人間ドラマを描いた傑作を観た。

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2021-141M 「竜とそばかすの姫」☆☆☆★

Sryutosobakasunohime邦題:竜とそばかすの姫
時間:121分
公開:2021-07-16
製作年度:2021
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:
監督:細田守
脚本:細田守
原作:細田守
撮影:
音楽:岩崎太整 ルドウィグ・フォシェル 坂東祐大
出演:中村佳穂(すず/ベル)、成田凌(しのぶくん(久武忍))、染谷将太(カミシン(千頭慎次郎))、玉城ティナ(ルカちゃん(渡辺瑠果))、幾田りら(ヒロちゃん(別役弘香))、森川智之(ジャスティン)、津田健次郎(イェリネク)、小山茉美(スワン)、宮野真守(ひとかわむい太郎/ぐっとこらえ丸)、森山良子(吉谷さん)、清水ミチコ(喜多さん)、坂本冬美(奥本さん)、岩崎良美(中井さん)、中尾幸世(畑中さん)

「サマーウォーズ」「未来のミライ」の細田守監督が、超巨大インターネット空間の仮想世界を舞台に少女の成長を描いたオリジナル長編アニメーション。高知県の自然豊かな田舎町。17歳の女子高生すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と2人で暮らしている。母と一緒に歌うことが大好きだった彼女は、母の死をきっかけに歌うことができなくなり、現実の世界に心を閉ざすようになっていた。ある日、友人に誘われ全世界で50億人以上が集う仮想世界「U(ユー)」に参加することになったすずは、「ベル」というアバターで「U」の世界に足を踏み入れる。仮想世界では自然と歌うことができ、自作の歌を披露するうちにベルは世界中から注目される存在となっていく。そんな彼女の前に、 「U」の世界で恐れられている竜の姿をした謎の存在が現れる。主人公すず/ベル役はシンガーソングライターとして活動する中村佳穂が務め、劇中歌の歌唱や一部作詞等も務めた。謎の存在「竜」の声は佐藤健が務めた。ベルのデザインを「アナと雪の女王」のジン・キムが担当するなど、海外のクリエイターも参加している。

 

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