2025-015M 「満ち足りた家族」☆☆☆★★★

Smichitaritakazoku原題:A Normal Family
邦題:満ち足りた家族
時間:109分
公開:2025-01-17
製作年度:2024
製作国:韓国
配給:日活、KDDI
製作総指揮:
製作:キム・ウォングク
監督:ホ・ジノ
脚本:パク・ウンギョ パク・ジュンソク
原作:
撮影:コ・ラクソン
音楽:チョ・ソンウ
出演:ソル・ギョング(ジェワン)、チャン・ドンゴン(ジェギュ)、キム・ヒエ(ヨンギョン)、クローディア・キム(ジス)

「八月のクリスマス」「危険な関係」などで知られる韓国の名匠ホ・ジノ監督が、1つの事件をきっかけに、ある兄弟とその家族が崩壊していく様を描いたサスペンス。

弁護士の兄ジェワンと小児科医の弟ジェギュ。ジュワンは道徳よりも物質的な利益を優先し、年下の2人目の妻ジス、10代の娘らと豪華なマンションに暮らしている。一方、常に道徳的で良心的が信条の弟のジェギュは年長の妻ユンギョンと10代の息子と暮らし、痴呆気味になった母の介護にも献身的だ。兄弟でありながら正反対な信念を持つ2人は、それぞれの妻とともに4人で月に一回高級レストランの個室でディナーをともにしている。あるディナーの夜、事件が発生した。この事件により、4人は家族に関するある秘密に直面することとなる。

兄ジェワンを「オアシス」のソル・ギョング、弟ジェギュを約5年ぶりの映画出演となるチャン・ドンゴンがそれぞれ演じ、ドラマ「夫婦の世界」のキム・ヒエ、「アベンジャーズ エイジオブウルトロン」のクローディア・キムらが顔をそろえる。

オリジナルストーリーでここまで仕上げる韓国映画界は、相変わらず凄い。こいつなら、ハリウッドからリメイクのオファーが殺到するのではないかな。普遍的な倫理の問題『命の価値』『子ゆえの闇』『繕われる本音』が錯綜し、入り乱れ、逆転し、観る者を挑発する。

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2024-345M 「モアナと伝説の海2」☆☆☆★★

Smoana2原題:Moana 2
邦題:モアナと伝説の海2
時間:100分
公開:2024-12-06
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ディズニ
製作総指揮:ジャレッド・ブッシュ
製作:ジェイソン・ハンド デイナ・ルドゥー・ミラー
監督:デイブ・デリック・Jr.
脚本:ジャレッド・ブッシュ
原作:
撮影:
音楽:マーク・マンシーナ
出演:アウリイ・クラヴァーリョ、ドウェイン・ジョンソン

海に選ばれた少女モアナが繰り広げる冒険を描いたディズニー・アニメーション・スタジオによる2016年製作の長編ミュージカルアニメ「モアナと伝説の海」の続編。

モアナが壮大な冒険の末に故郷の島を救ってから3年。妹シメアが生まれて少し大人になったモアナは、愛する家族や島の仲間たちに囲まれながら、以前は禁じられていた海へと航海に繰り出す日々を送っていた。そんなある日、「かつて人々は海でつながっていたが、人間を憎む神によって引き裂かれてしまった。海の果てにある島にたどり着けば呪いが解け、世界は再びひとつになる」という伝説を知ったモアナは、人々の絆を取り戻すため立ちあがることを決意。風と海を司る半神半人のマウイや島の新たな仲間たちとともに、危険に満ちた冒険の旅に出る。

監督は、前作にストーリーアーティストとして参加したデイブ・デリック・Jr.。英語オリジナル版では前作と同じくアウリー・クラバーリョがモアナ、ドウェイン・ジョンソンがマウイの声を演じ、日本語吹き替え版でも屋比久知奈がモアナ役、尾上松也がマウイ役を続投。

2017年に前作を封切で観て以来の続編。前作も満足したので、この続編は外せない。アメリカではメガヒットしているらしい。

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2024-216M 「めくらやなぎと眠る女」☆☆☆★

Smekurayanagiwonemuruonnna原題:Saules Aveugles, Femme Endormie
邦題:めくらやなぎと眠る女
時間:109分
公開:2024-07-26
製作年度:2022
製作国:フランス・ルクセンブルク・カナダ・オランダ
配給:ユーロスペース、インターフィルム、ニューディアー
製作総指揮:
製作:
監督:ピエール・フォルデス
脚本:ピエール・フォルデス
原作:村上春樹
撮影:
音楽:
出演:ライアン・ボンマリート、ショシャーナ・ワイルダー、マルセロ・アロヨ、スコット・ハンフリー、アーサー・ホールデン、ピエール・フォルデス

音楽家・アニメーション作家のピエール・フォルデスが監督・脚本を手がけ、村上春樹の6つの短編小説「かえるくん、東京を救う」「バースデイ・ガール」「かいつぶり」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」「UFOが釧路に降りる」「めくらやなぎと、眠る女」を翻案して描いたアニメーション映画。

2011年、東日本大震災から5日後の東京。テレビで震災の被害を伝えるニュースを見続けたキョウコは、夫・小村に置き手紙を残して姿を消す。妻の突然の失踪に呆然とする小村は、ひょんなことから中身の知れない小箱を、ある女性に届けるため北海道へ向かうことになる。同じ頃、小村の同僚・片桐が帰宅すると2本脚で立ってしゃべる巨大なカエルが待ち受けていた。「かえるくん」と名乗るその生き物は、次の地震から東京を救うために片桐のもとにやってきたという。大地震の余波は遠い記憶や夢に姿を変えながら、小村やキョウコ、片桐の心に忍び込んでいく。

フォルデス監督が「ライブ・アニメーション」と名づける実写撮影をベースにした制作技法により、村上作品の不思議で生々しいリアリティを再現。アヌシー国際アニメーション映画祭2022で審査員特別賞、第1回新潟国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞した。日本語版は「淵に立つ」の深田晃司が演出、俳優の磯村勇斗、玄理らが声優を担当した。

村上春樹の短編を、音楽家・アニメーション作家のピエール・フォルデスがアニメ化したもの。不思議な陶酔感があるものの、ネコのワタナベ以外、何らエピソードが完結しているようには思えない。

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2024-201M 「密輸 1970」☆☆☆★

Smitsuyu1970原題:Smugglers
邦題:密輸 1970
時間:129分
公開:2024-07-12
製作年度:2023
製作国:韓国
配給:KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
製作総指揮:
製作:
監督:リュ・スンワン
脚本:リュ・スンワン キム・ジョンヨン チェ・チャウォン
原作:
撮影:チェ・ヨンファン
音楽:
出演:キム・ヘス(チュンジャ)、ヨム・ジョンア(ジンスク)、チョ・インソン(クォン軍曹)、パク・ジョンミン(ドリ)、キム・ジョンス(ジャンチュン)、コ・ミンシ(オップン)

海を舞台に巨額の金塊を巡って繰り広げられる騙し合いの行方を実話に着想を得て描き、2023年・第44回青龍映画賞で最優秀作品賞など4冠に輝いたクライムアクション。

1970年代半ば。韓国の漁村クンチョンでは海が化学工場の廃棄物で汚染され、海女たちは失業の危機に瀕していた。リーダーのジンスクは仲間たちの生活を守るため、海底から密輸品を引きあげる仕事を請け負うことに。しかし作業中に税関の摘発に遭ってジンスクは逮捕され、親友チュンジャだけが現場から逃亡する。2年後、ソウルからクンチョンに戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ちかける。密輸王クォン、チンピラのドリ、税関のジャンチュンらさまざまな者たちの思惑が入り乱れるなか、海女たちは人生の再起をかけた大勝負に身を投じる。

「国家が破産する日」のキム・ヘスがチュンジャ役、「完璧な他人」のヨム・ジョンアがジンスク役を務め、「モガディシュ 脱出までの14日間」のリュ・スンワンが監督を務めた。

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2024-200M 「メイ・ディセンバー ゆれる真実」☆☆☆

Smaydesenber原題:May December
邦題:メイ・ディセンバー ゆれる真実
時間:117分
公開:2024-07-05
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:マデリン・K・ルーディン トーマス・K・リチャーズ リー・ブローダ ジェフ・ライス ジョナサン・モンテペア サミー・バーチ アレックス・ブラウン トーステン・シューマッハー クレア・テイラー
製作:ナタリー・ポートマン ソフィー・マス パメラ・コフラー クリスティーン・ベイコン グラント・S・ジョンソン タイラー・W・コニー ジェシカ・エルバウム ウィル・フェレル
監督:トッド・ヘインズ
脚本:サミー・バーチ
原作:サミー・バーチ アレックス・メヒャニク
撮影:クリストファー・ブロベルト
音楽:マーセロ・ザーボス
出演:ナタリー・ポートマン(エリザベス)、ジュリアン・ムーア(グレイシー)、チャールズ・メルトン(ジョー)

「キャロル」「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督がメガホンをとり、アメリカで実際にあったスキャンダルを題材に、ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアという実力派俳優が豪華共演を果たしたサスペンスドラマ。

20年前、当時36歳の女性グレイシーは、23歳年下の13歳の少年ジョーと運命的な恋に落ちるが、2人の関係は大きなスキャンダルとなり、連日タブロイド紙を賑わせる。グレイシーは未成年と関係をもったことで罪に問われて服役し、獄中でジョーとの間にできた子どもを出産。出所後に晴れて2人は結婚する。それから20年以上の月日が流れ、いまだ嫌がらせを受けることがあっても、なにごともなかったかのように幸せに過ごすグレイシーとジョー。そんな2人を題材にした映画が製作されることになり、グレイシー役を演じるハリウッド女優のエリザベスが、役作りのリサーチのために彼らの近くにやってくる。エリザベスの執拗な観察と質問により、夫婦は自らの過去とあらためて向き合うことになり、同時に役になり切ろうとするエリザベスも夫婦の深い沼へと落ちていく。

ナタリー・ポートマンがエリザベス、ジュリアン・ムーアがグレイシーをそれぞれ演じ、ジョー役は「バッドボーイズ フォー・ライフ」やテレビシリーズ「リバーデイル」で活躍するチャールズ・メルトンが務めた。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第81回ゴールデングローブ賞では作品賞、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞に、第96回アカデミー賞では脚本賞にノミネートされた。

ふんわりとしていて、何がどうしたかったのか、トッド・ヘインズの意図がキャッチできませんでした。「解った気にさせる」というのがスクリーンの中と観客とへのダブルミーニングな仕掛けならば「解った気になれなかった」僕は置いてけぼりでした。

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2024-197M 「The Moon」☆☆☆★★★

Sthemoon原題:The Moon
邦題:THE MOON
時間:129分
公開:2024-07-05
製作年度:2023
製作国:韓国
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:
監督:キム・ヨンファ
脚本:キム・ヨンファ
原作:
撮影:キム・ヨンファ
音楽:イ・ジェハク
出演:ソル・ギョング(キム・ジェグク)、ド・ギョンス(ファン・ソヌ)、キム・ヒエ(ユン・ムニョン)、チョ・ハンチョル(キム・インシク)、パク・ビョンウン(チョン・ミンギュ)、チェ・ビョンモ(オ・ギュソク)、ホン・スンヒ(カン・ハンビョル)、イ・ソンミン(ファン・ギュテ)、キム・レウォン(イ・サンウォン)、イ・イギョン(チョ・ユンジョン)

「神と共に」シリーズのキム・ヨンファ監督が、たった1人で月面探査ミッションに挑む新人宇宙飛行士の奮闘を描いたSFアドベンチャー。

韓国のロケット「ウリ号」は月面の有人探査をかなえるため、3人のクルーを乗せて宇宙へ飛び立つ。しかし月周回軌道への進入を前に太陽風の影響で地球との通信が途絶え、修理のため船外に出たクルー2人が事故で命を落としてしまう。ひとり残された新人宇宙飛行士ソヌを救出するため、5年前の有人探査機爆発事故の責任を取って組織を去ったジェグクが呼び戻される。一方、仲間の遺志を継ぐことを決意したソヌは、月面への着陸を成功させる。NASAの月周回宇宙ステーションが近づくまで48時間、月面探査を成功させて無事帰還を果たすべく奮闘するソヌだったが……。

人気K-POPグループ「EXO」のド・ギョンスが宇宙飛行士ソヌ役で兵役後初の長編映画出演を果たして話題を集めたほか、「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョング、「ユンヒへ」のキム・ヒエが共演。

気合の入った韓国映画は凄まじく面白い。見事としか言えないエンタテインメントだ。国家をあげて映画人を養成してきた成果が素晴らしい。翻って日本の文化への投資は、国立劇場さえ建てられない貧弱さだ。芸術やエンターテイメントを真に理解して、投資、育成していく思想が、日本の政治家には無いのだろう。票にならないしね。哀しい。

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2024-175M 「モンキーマン」☆☆☆★

Smonkyman原題:Monkey Man
邦題:モンキーマン
時間:121分
公開:2024-08-23
製作年度:2024
製作国:アメリカ・カナダ・シンガポール・インド
配給:パルコ
製作総指揮:ジョナサン・ファーマン アーロン・L・ギルバート アンドリア・スプリング アリソン=ジェーン・ロニー スティーブン・ティボー
製作:デブ・パテル ジョーモン・トーマス ジョーダン・ピール ウィン・ローゼンフェルド イアン・クーパー ベイジル・イワニク エリカ・リー クリスティーン・ヘーブラー アンジェイ・ナグパル
監督:デブ・パテル
脚本:デブ・パテル ポール・アングナウェラ ジョン・コリー
原作:デブ・パテル
撮影:
音楽:
出演:デヴ・パテル

『ゲット・アウト』などのジョーダン・ピールのプロデュースのもと、『スラムドッグ$ミリオネア』などのデヴ・パテルが長編初監督を果たしたリベンジアクション。猿のマスク姿で闇のファイトクラブに立つ青年が、かつて母親を殺害し自分から全てを奪った者たちへの壮絶な復讐(ふくしゅう)に立ち上がる。主演も務めたデヴが構想8年の歳月をかけて完成させたという本作は、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭で観客賞を受賞した。
夜ごと開催される闇のファイトクラブで、猿のマスクをかぶりモンキーマンという名の殴られ屋として生計を立てるキッド(デヴ・パテル)。幼いころに母親を殺されたトラウマに苦しみながら生きる中、彼は母と自分の人生を壊した一味のアジトに潜り込むすべを見つける。長年押し殺してきた怒りが爆発し、復讐(ふくしゅう)の化神・モンキーマンと化したキッドは、すさまじい執念で一味を追い込んでいく。

インドのジョン・ウィックか。編集がキレッキレでリズムがいい。ストーリーは復讐譚で単純だが、娯楽活劇としては上等。デブ・パテルのワンマンショー。8月封切予定。

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2024-148M 「マッドマックス フュリオサ」☆☆☆★★★

Smadmaxfuriosa原題:Furiosa: A Mad Max Saga
邦題:マッドマックス フュリオサ
時間:148分
公開:2024-05-31
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:
製作:ジョージ・ミラー ダグ・ミッチェル
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー ニック・ラザウリス
原作:
撮影:サイモン・ダガン
音楽:トム・ホルケンボルフ
出演:アニャ・テイラー=ジョイ(フュリオサ)、クリス・ヘムズワース(ディメンタス将軍)、チャーリー・フレイザー(メリー・ジャバサ)、トム・バーク(プレトリアン・ジャック)、ラッキー・ヒューム(イモータン・ジョー)、ジョン・ハワード(人食い男爵)、リー・ペリー(武器将軍)、ネイサン・ジョーンズ(リクタス)、ジョシュ・ヘルマン(スクロータス)、アンガス・サンプソン(オーガニック・メカニック)

2015年に公開され、日本でも熱狂的なファンを生んだジョージ・ミラー監督のノンストップカーアクション「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。同作に登場した女戦士フュリオサの若き日の物語を描く。

世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団の手に落ち、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサは、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙することになる。狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」ではシャーリーズ・セロンが演じ、強烈な存在感とカリスマ性で人気を博した女戦士フュリオサを、今作では「クイーンズ・ギャンビット」「ラストナイト・イン・ソーホー」などで人気のアニヤ・テイラー=ジョイが新たに演じた。ディメンタス将軍役で「アベンジャーズ」「タイラー・レイク」シリーズのクリス・ヘムズワースが共演。1979年公開の第1作「マッドマックス」から「マッドマックス 怒りのデス・ロード」まで一貫してメガホンをとっている、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが、今作でも監督・脚本を務めた。

Netflixで嵌った『クイーンズ・ギャンビット』の主役アニヤ・テイラー=ジョイが、前作『マッド・マックス』でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサのビギニングを演じるという、こいつは見逃せない、ご馳走な一編。そして、気持ちよく前作に接続している!お見事!良きお点前です。

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2024-129M 「またヴィンセントは襲われる」☆☆☆★

Svincentosoware原題:Vincent doit mourir
邦題:またヴィンセントは襲われる
時間:109分
公開:2024-05-10
製作年度:2023
製作国:フランス
配給:ナカチカピクチャーズ
製作総指揮:
製作:
監督:ステファン・カスタン
脚本:マチュー・ナールト ドミニク・ボーマール ステファン・カスタン
原作:マチュー・ナールト
撮影:マニュエル・ダコッセ
音楽:
出演:カリム・ルクルー、ヴィマーラ・ポンス

目が合っただけで周囲の人々に襲われるようになった男が生き残りをかけて戦う姿を描き、2023年・第76回カンヌ国際映画祭の批評家週間に選出されたフランス発の不条理サバイバルスリラー。

ある日突然、職場のインターン生から暴行を受けたヴィンセント。怪我から回復する間もなく別の同僚にも襲われるが、加害者たちはいずれも襲撃時の記憶を失っていた。その後もヴィンセントに殺意を向けて襲いかかってくる者は後を絶たず、ついには見ず知らずの他人からも命を狙われるようになってしまう。やがて「自分と目線が合った瞬間に人々が襲いかかってくる」という法則に気づいたヴィンセントは、生き残るための自衛を始めるが……。

「バック・ノール」のカリム・ルクルーが主演を務め、第56回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀主演俳優賞を受賞した。

ちょいとは想像していたが、やはり『ゾンビ』ものの新発想ウルトラ変化球だった。28シリーズに近いかな。

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2024-126M 「胸騒ぎ」☆☆☆★

Smunasawagi原題:Gaesterne
邦題:胸騒ぎ
時間:95分
公開:2024-05-10
製作年度:2022
製作国:デンマーク・オランダ
配給:シンカ
製作総指揮:
製作:ヤコブ・ヤレク
監督:クリスチャン・タフドルップ
脚本:クリスチャン・タフドルップ マッズ・タフドルップ
原作:
撮影:エリク・モルバリ・ハンセン
音楽:スーネ・コルスター
出演:モルテン・ブリアン(ビャアン)、シーゼル・シーム・コク(ルイーセ)、フェジャ・ファン・フェット(パトリック)、カリーナ・スムルダース(カリン)、リーヴァ・フォシュベリ(アウネス)、マリウス・ダムスレフ(アーベル)、イシェーム・ヤクビ(ムハジド)、イェスパ・デュポン(ヨーナス)、リーア・バーストルップ・ラネ(フィーイ)、エードリアン・ブランシャール(デレク)、サリナ・マリア・ラウサ(ハナ)、イラリア・ディ・ライモ(ベビーシッター)

ある善良な家族を襲う悪夢のような週末を描いたデンマーク・オランダ合作によるヒューマンホラー。

休暇でイタリアへ旅行に出かけたデンマーク人の夫妻ビャアンとルイーセ、娘のアウネスは、そこで出会ったオランダ人の夫妻パトリックとカリン、息子のアベールと意気投合する。数週間後、パトリック夫妻から招待状を受け取ったビャアンは、妻子を連れて人里離れた彼らの家を訪問する。再会を喜び合ったのもつかの間、会話を交わすうちに些細な誤解や違和感が生じはじめ、徐々に溝が深まっていく。彼らの“おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を感じながらも、週末が終わるまでの辛抱だと耐え続けるビャアンたちだったが……。

「アフター・ウェディング」など俳優としても活躍するデンマークの鬼才クリスチャン・タフドルップが監督・脚本を手がけた。

北欧イヤミス。動機が理解できないまま、クライマックスは宗教的な暗喩。エンドクレジットのベースや原題にも『善と悪』のテーマを強調されている。ある意味…九条は「純粋な悪意(侵略)」を防御できない、と思い知らされる。だって完全無防備にされて抹殺されてしまうのだから。となると、政治的な映画なのかな、こいつは。

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