2025-168M 「娼生」☆☆☆★

Sshosei原題:鳳姐 A Girl Out of the Country
邦題:娼生
時間:100分
公開:2025-05-23
製作年度:2023
製作国:台湾
配給:ライツキューブ
製作総指揮:ジーン・カオ リウ・フォンチー
製作:
監督:ブルース・チウ
脚本:
原作:
撮影:
音楽:ジーン・カオ
出演:ジーン・カオ、ホアン・グァンジー

台湾で児童売春や人身売買が横行していた時代を背景に、娼館で働く人々の現実を描いた人間ドラマ。夢を捨て娼婦として生きる覚悟を決めた姉と、そんな姉がどこかで夢をかなえていると信じて探していた弟の再会と、彼らに待ち受ける運命を描いた。

歌手になる夢をかなえるため、祖母の反対を無視して台北へ出たフォンだったが、騙されて娼婦として日本に売り飛ばされてしまう。数年後、台湾に戻った彼女は、年老いた祖母が認知症を患っていることを知る。罪悪感に苛まれたフォンは、家に戻らず娼婦の仕事を続け、ひそかに仕送りをして贖罪に励むことにする。一方、フォンの弟ユーミンは警察官となり、台北でフォンを探していた。いつか売れっ子歌手になった姉と会えると思っていたユーミンは、娼婦になった姉と再会する。

映画「呪葬」などに出演たジーン・カオがフォン役を体当たりで演じ、製作総指揮や主題歌も担当。監督は、これが初長編作品となるブルース・チウ。

80年代から97年の公娼制廃止ごろまでの台北。モグリの茶館の売春婦を主人公にしたドラマ。雰囲気は溝口健二監督の『赤線地帯』(1956年)。それぞれの事情を抱える女たちの群像劇。田舎から歌手に憧れ、騙されて日本に娼婦として売られていった主人公を軸に、東映映画のようなテイストで描かれる。どちらかというと、ポスタービジュアルに惹かれ、期待もしてなかったが、結構な佳作だった。

 

 

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2025-151M 「新世紀ロマンティクス」☆☆☆★

Sshinseikiroman原題:風流一代 Caught by the Tides
邦題:新世紀ロマンティクス
時間:111分
公開:2025-05-09
製作年度:2024
製作国:中国
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:ジャ・ジャンクー タン・ヤン ドン・ピン チュウ・ウェイチエ
製作:キャスパー・リャン・ジアヤン 市山尚三
監督:ジャ・ジャンクー
脚本:ジャ・ジャンクー ワン・ジアファン
原作:
撮影:ユー・リクウァイ エリック・ゴーティエ
音楽:リン・チャン
出演:チャオ・タオ(チャオ)、リー・チュウビン(ビン)、パン・ジアンリン(パン)、ラン・チョウ(黄毛)、チョウ・ヨウ(チョウ)、レン・クー(スーパー前のシンガー)、マオ・タオ(スーパー前のギタリスト)

中国の名匠ジャ・ジャンクーが製作期間に22年をかけ、21世紀初頭から劇的な変化を遂げた中国の街を、ひとりの女性の人生の変遷とともにとらえたドラマ。

2001年、炭鉱産業が廃れ失職者で溢れかえる山西省・大同。2006年、三峡ダム建設のため100万人以上が移住を余儀なくされた長江・奉節。コロナ禍の2022年、マカオに隣接する経済特区として発展する珠海と、すっかり都会となった大同。チャオは大同を出て戻ってこない恋人ビンを探して奉節へ向かい、ビンは仕事を求めて珠海を訪れる。時は流れ、ふたりはまた大同にたどり着く。

主人公チャオ役に、これまでもジャ・ジャンクー監督作で主演を務めてきた妻チャオ・タオ。同監督の過去作「青の稲妻」「長江哀歌」などの本編映像や未使用映像、ドキュメンタリー映像なども使用しながら、実際の24歳・29歳・45歳のチャオの姿と共に、変化していく街の景色を映しだす。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第25回東京フィルメックスでオープニング作品として上映。

2001年からコロナ禍の2022年までの急成長中国が舞台。その疾走は人間の成長を超えて、途方もなく抗えない洪水の如くで、主人公たちは諦念とともに流れに身を投じざる得ない。立ち止まることが許されない現実を描くが、大丈夫か?監督!

 

 

 

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2025-146M 「スンブ 二人の棋士」☆☆☆★

So0446063915551591387原題:The Match
邦題:スンブ 二人の棋士
時間:115分
公開:2025-05-08
製作年度:2023
製作国:韓国
配給:netflix
製作総指揮:
製作:
監督:キム・ヒョンジュ
脚本:キム・ヒョンジュ
原作:
撮影:
音楽:
出演:イ・ビョンホン、ユ・アイン、コ・チャンソク、ヒョン・ボンシク、ムン・ジョンヒ

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2025-141M 「サンダーボルツ*」☆☆☆

Sthandrbolts原題:Thunderbolts*
邦題:サンダーボルツ*
時間:127分
公開:2025-05-02
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:ルイス・デスポジート ブライアン・チャペック ジェイソン・タメス
製作:ケビン・ファイギ
監督:ジェイク・シュライアー
脚本:エリック・ピアソン ジョアンナ・カロ
原作:エリック・ピアソン
撮影:アンドリュー・ドロス・パレルモ
音楽:サン・ラックス
出演:フローレンス・ピュー(エレーナ)
デヴィッド・ハーバー(レッド・ガーディアン/アレクセイ)、セバスチャン・スタン(ウィンター・ソルジャー/バッキー)、ワイアット・ラッセル(USエージェント/ジョン・ウォーカー)、オルガ・キュリレンコ(タスクマスター)、ハナ・ジョン=カーメン(ゴースト)、ジュリア・ルイス=ドレイファス(ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ)

マーベルコミックのヒーローたちが活躍するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の各作品で悪役やならず者として登場した6人のキャラクターがチームを結成し、己の過去と向き合いながら世界の脅威に立ち向かっていく姿を描いたアクションエンタテインメント。

ある時、ニューヨークの街に突如として大きな黒い影が出現。瞬く間に市民を消し去っていく謎の敵により、世界は再び大きな脅威に直面するが、そんな人類の危機にも、数々の敵から世界を救ってきたヒーローチームの「アベンジャーズ」は姿を現さない。CIA長官のヴァレンティーナは、誰がこの脅威から世界を救うのかを問いかけるが、そこで立ち上がったのが、かつてヒーローたちと対立したことのあるバッキー・バーンズだった。バッキーは、エレーナ、ジョン・ウォーカー、レッド・ガーディアン、ゴースト、そしてタスクマスターという、全員が過去に悪事を犯したことのあるならず者たちに声をかけ、「サンダーボルツ*」というチームを結成する。そんな彼らの前に、バッキーの強力な武器でもある義手すらも簡単に打ち砕く、謎の敵が現れる。

フローレンス・ピュー、デビッド・ハーバー、セバスチャン・スタン、ワイアット・ラッセル、オルガ・キュリレンコ、ハナ・ジョン=カーメン、ジュリア・ルイス=ドレイファスら、これまでのMCU作品でそれぞれのキャラクターを演じてきたキャスト陣が結集。監督は、映画「ペーパータウン」やテレビシリーズ「BEEF ビーフ」で知られるジェイク・シュライアー。脚本は「ブラック・ウィドウ」「マイティ・ソー バトルロイヤル」のエリック・ピアソン。

 

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2025-124M 「シンシン SING SING」☆☆☆★

Ssingsing原題:Sing Sing
邦題:シンシン SING SING
時間:107分
公開:2025-04-11
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ギャガ
製作総指揮:テディ・シュワルツマン マイケル・ハイムラー コールマン・ドミンゴ ラウル・ドミンゴ ラリー・カラス ラリー・ケリー ナンシー・シェイファー クラレンス・マクリン ジョン・“ディバイン・G”・ウィットフィールド
製作:モニーク・ウォルトン クリント・ベントレー グレッグ・クウェダー
監督:グレッグ・クウェダー
脚本:クリント・ベントレー グレッグ・クウェダー
原作:クリント・ベントレー グレッグ・クウェダー クラレンス・マクリン ジョン・“ディバイン・G”・ウィットフィールド
撮影:パット・スコーラ
音楽:ブライス・デスナー
出演:コールマン・ドミンゴ、クラレンス・“ディヴァイン・アイ”・マクリン、ショーン・サン・ホセ、ポール・レイシー、デヴィッド・“ダップ”・ジローディ、パトリック・“プリム”・グリフィン、モーシ・イーグル、ジェイムズ・“ビッグE”・ウィリアムズ、ショーン・“ディノ”・ジョンソン、コーネル・ネイト・オルストン、カミーロ・“カーマイン”・ロヴァッコ、ダリオ・ペーニャ、ペドロ・コットー、ミゲル・ヴァランタン、ジョン=エイドリアン・“JJ”・ベラスケス、ジョン・デヴァイン・G・ウィットフィールド、シャロン・ワシントン、ジョニー・シモンズ、ブレント・ビュエル、マイケル・キャプラ、ジョアンナ・チャン、セシリー・リン、キャスリン・ヴォキンズ、レイナルド・ゲイル

米ニューヨークで最も厳重なセキュリティが施されたシンシン刑務所で行われている収監者更生プログラムの舞台演劇を題材に、無実の罪で収監された男と収監者たちとの友情を描いた実話を映画化。主演を、「ラスティン ワシントンの『あの日』を作った男」でアカデミー賞にノミネートされたコールマン・ドミンゴが務めた。

無実の罪で収監された男、ディヴァインGは、刑務所内更生プログラムである「舞台演劇」のグループに所属し、収監者仲間たちと日々演劇に取り組むことで、わずかながらの生きる希望を見いだしていた。そんなある日、刑務所で一番の悪人として恐れられている男、通称ディヴァイン・アイことクラレンス・マクリンが演劇グループに参加することに。そんな中で演劇グループは、次の公演に向けた新たな演目の準備に取り掛かるが……。

主人公ディヴァインGを演じたコールマン・ドミンゴは、第97回アカデミー主演男優賞にノミネートされ、「ラスティン ワシントンの『あの日』を作った男」に続いて2度目の主演男優賞ノミネートを果たした。そのほかのキャストには、シンシン刑務所の元収監者で、舞台演劇プログラムの卒業生及び関係者である俳優たちが多数参加している。監督は「ザ・ボーダーライン 合衆国国境警備隊」などの作品を手がけてきたグレッグ・クウェダー。

実話を基にした刑務所の演劇プログラムの物語。クライマックスはショーシャンクのそれに匹敵する開放感がある。

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2025-122M 「政党大会 陰謀のタイムループ」☆☆☆★★

Sseitotaikai原題:Maanaadu
邦題:政党大会 陰謀のタイムループ
時間:147分
公開:2025-05-02
製作年度:2021
製作国:インド
配給:SPACEBOX
製作総指揮:
製作:スレーシュ・カーマーッチ
監督:ベンカト・プラブ
脚本:ベンカト・プラブ
原作:
撮影:リチャード・M・ナーダン
音楽:ユバン・シャンカル・ラージャー
出演:シランバサラン、SJスーリヤー、カリヤニ・プリヤダルシャン、SAチャンドラシェーカル、YGマヘーンドラン、アラビンド・アーカーシュ、カルナーカラン、プレームジ・アマラン

政党大会の会場で要人暗殺テロの犯人に仕立て上げられてしまった青年が、テロを阻止するためタイムループを繰り返す姿を描くインド・タミル語映画のSFポリティカルアクション。

ドバイ在住の裕福なタミル人ムスリムのアブドゥル・カーリクは、友人の結婚式に参列するためインドに帰ってくる。しかし、偶然出会った警察官のダヌシュコディに拘束され、その日の夜に開かれる与党の政治集会でテロ行為を行うよう強要される。逆らうことができずにテロの犯人に仕立て上げられたカーリクは、現行犯として射殺されるが、気が付くとその日の朝に戻っていた。タイムループが起きていることを理解したカーリクはテロを止めるために奔走し、失敗しては朝に引き戻されるというタイムループを何度も繰り返していくが……。

主演は、長年にわたりタミル語映画界のスターのひとりとして活躍しながら、日本での出演作の公開はこれが初となるシランバラサン。カーリクを陥れる警察官ダヌシュコディを、「ジガルタンダ・ダブルX」などで知られるS・J・スーリヤーが演じた。

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2025-082M 「白雪姫」☆☆★★★

Ssnowwhite原題:Snow White
邦題:白雪姫
時間:109分
公開:2025-03-20
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:
製作:マーク・プラット
監督:マーク・ウェブ
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
原作:
撮影:マンディ・ウォーカー
音楽:ベンジ・パセック ジャスティン・ポール
出演:レイチェル・ゼグラー(白雪姫)、ガル・ガドット(女王)、アンドリュー・バーナップ(ジョナサン)、パトリック・ペイジ(魔法の鏡)

世界中で愛され続けてきたディズニー初の長編アニメ映画「白雪姫」を実写化したミュージカル映画。

かつて優しさと光であふれていた王国は、現在は邪悪な女王によって闇に支配されていた。雪のように純粋な心を持つ白雪姫は、人々が幸せに暮らす王国を取り戻したいと願うが、外見の美しさと権力に執着する女王の嫉妬を買ってしまう。女王に命を狙われた白雪姫は、不思議な森で暮らす7人のこびとや、ジョナサンという青年に助けられる。

「ウエスト・サイド・ストーリー」のレイチェル・ゼグラーが主演を務め、「ワンダーウーマン」のガル・ギャドットが女王、トニー賞受賞俳優アンドリュー・バーナップがジョナサンを演じる。監督は「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのマーク・ウェブ。アニメ版の名曲の数々に加え、「グレイテスト・ショーマン」のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールによる新曲が物語を彩る。日本語吹き替え版では、俳優の吉柳咲良が白雪姫、元宝塚歌劇団の月城かなとが女王、ボーイズグループ「JO1」の河野純喜がジョナサンの声を担当。

ポリコレ、多様性に振り切ったハリウッドが、典型的な白人至上主義、ルッキズム満開の原作を、今の時代にどう料理するのか興味津々だ。
民主党左派の理想とするお花畑的な平和平等王国を取り戻すため、SDGs的なフワッとした市民運動が、恐怖の独裁者(王国簒奪の女王)を打ち倒すミュージカル。想像通りにポリコレなメッセージ性が強かった。ラテン系の白雪姫にキスして眠りを覚ますのは、王子様ではなくてレジスタンスの頭目なんだもの。アメリカでは大コケと聞いたが、トランプを大統領に選ぶだけあって、大甘の理想郷は存在しないというリアリストが、作品を拒否しているのだろう。グレタさんの年収が3億円という報道で、ビジネス環境運動に辟易した人も多かろう。

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2025-080M 「ジェリーの災難」☆☆☆★★

Sjerrytruble原題:Starring Jerry as Himself
邦題:ジェリーの災難
時間:75分
公開:2025-03-20
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ナカチカピクチャーズ
製作総指揮:ジョン・シュー ロー・チェン ミカエル・ジェンティル
製作:ジョン・シュー ロー・チェン
監督:ロー・チェン
脚本:ジェリー・シュー ロー・チェン
原作:
撮影:ロー・チェン ティンクス・チャン
音楽:
出演:ジェリー・シュー、キャシー・シュー、ジョシュア・シュー、ジェシー・シュー、ジョン・シュー、ニック・ベイリー

定年退職後の男性が1本の電話をきっかけにスパイに仕立てあげられ、違法行為に加担させられた実在の事件を、その被害者であるジェリー・シューが自ら脚本・主演を務めて映画化。

長年アメリカで暮らしてきた69歳の中国人男性ジェリーは、妻と離婚して定年退職を迎え、3人の息子たちとも離れて独り暮らしを送っていた。ある日、彼のもとに中国警察から電話が掛かってきて、自分が国際的なマネーロンダリング事件の第一容疑者になっていると告げられる。ジェリーがフロリダに持つ銀行口座を通して、128万ドルが違法に移動されているというのだ。逮捕して中国に強制送還すると言われたジェリーは、中国警察のスパイとして捜査に協力することに。その後の数週間にわたり、銀行を監視して写真を撮ったり、極秘の送金をしたり、さらには隠しマイクを着けて窓口係を探ったりと、中国警察の指示通りに潜入捜査を手伝うジェリーだったが……。

ブルックリンを拠点に活動するロー・チェン監督が長編初メガホンをとった。

特殊詐欺で100万ドルを失った実話を、被害者一家が本人出演で再現ドラマに仕立てた作品。相当な珍品だが、掘り出し物。詐欺の設定が、被害者にとってリアルな『恐怖』だけに、周到に仕掛けた詐欺犯のスキルも高いのだろう。

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2025-077M「スイート・イースト 不思議の国のリリアン」☆☆☆★

Sthe-sweet-east原題:The Sweet East
邦題:スイート・イースト 不思議の国のリリアン
時間:104分
公開:2025-03-14
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:デビッド・カプラン
製作:クレイグ・ブッタ アレックス・ココ アレックス・ロス・ペリー
監督:ショーン・プライス・ウィリアムズ
脚本:ニック・ピンカートン
原作:
撮影:ショーン・プライス・ウィリアムズ
音楽:ポール・グリムスタッド
出演:タリア・ライダー(リリアン/アナベル)、サイモン・レックス(ローレンス)、ジェイコブ・エローディ(イアン)、アール・ケイヴ(ケイレブ)、ジェレミー・O・ハリス(マッシュ)、アヨ・エデビリ(モーリー)、リッシュ・シャー(モハマド)

物憂げな少女リリアンが繰り広げる、現代アメリカの闇を巡る奇妙な旅を描いたドラマ。

サウスカロライナ州の高校3年生リリアンは、恋人トロイや親友テッサ、アナベルら同級生たちと一緒に、修学旅行でワシントンD.C.を訪れる。どこか物憂げなリリアンは、はしゃぐ同級生たちを冷めた目で眺める。夜、皆でカラオケバーへ繰りだした彼女たちは、陰謀論に取り憑かれた男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。派手なパンクファッションのケイレブに導かれて店のトイレに逃げ込んだリリアンは、大きな鏡の裏にある“秘密の扉”から地下通路を通って旅に出る。

「17歳の瞳に映る世界」のタリア・ライダーが主演を務め、「レッド・ロケット」のサイモン・レックス、「プリシラ」のジェイコブ・エロルディ、「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」のアール・ケイブが共演。「神様なんかくそくらえ」などニューヨークのインディペンデント映画界で20年以上にわたり活躍してきた撮影監督ショーン・プライス・ウィリアムズが長編初メガホンをとった。

ジャケ買い。予告に何度か遭遇して、気にならされてしまった作品。
『なんにも考えず、あらゆる事がどーでもイイという価値観の少女』の、その場限りの嘘とハッタリで凌いで進む、ぶっ飛んだロードムービー。てな感じ。

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2025-068M 「ジュ・テーム、ジュ・テーム」☆☆☆

Sjetaime原題:Je t'aime, je t'aime
邦題:ジュ・テーム、ジュ・テーム
時間:96分
公開:2025-02-28
製作年度:1968
製作国:フランス
配給:コピアポア・フィルム
製作総指揮:
製作:
監督:アラン・レネ
脚本:ジャック・ステルンベール
原作:
撮影:クシシュトフ・ペンデレツキ
音楽:ジャン・ボフティ
出演:クロード・リッシュ、オルガ・ジョルジュ=ピコ、アヌーク・フェルジャック、バニア・ビレール、バン・ドード

「去年マリエンバートで」「二十四時間の情事」などで知られるフランスの巨匠アラン・レネが、1968年に手がけたSFラブストーリー。タイムトラベル実験の失敗により時間の中に閉じ込められ、かつて愛し合った恋人との記憶をランダムに追体験することになった男を描く。

「時間」を研究するクレスペル研究所で、タイムトラベル実験への参加を依頼されたクロード。1年前へ旅だった彼の目の前には夏の真っ青な海が広がっており、そしてそこには、かつて破滅的なまでに愛し合った恋人カトリーヌがいた。しかしマシンの故障により過去に閉じ込められてしまったクロードは、ばらばらに散らばった思い出を追体験していくのだが……。

1968年のカンヌ国際映画祭に出品されたものの、五月革命の余波を受けて映画祭自体が中止となり、その後の興行も芳しいものではなかったことなどから、日本では長らく特集上映などで上映されるのみだった。時を経て再評価が高まり日本でも2024年2月に初の劇場公開が実現。

1968年の、5月革命で中止となったカンヌ映画祭に出品される予定だった、アラン・レネ監督のSF作品。コイツはスクリーンで観られるのは貴重だ。タイムリープものだが、いかにも60年代映画、フランス映画、アラン・レネ映画、基本的に『わけがわからん』ものになっている。時間跳躍の実験で、過去に閉じ込められた主人公が、ひたすら失った彼女との記憶の断片を繰り返していく物語。

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