2024-330M 「カルキ 2898-AD」☆☆☆★

Skalki2898原題:Kalki 2898 AD
邦題:カルキ 2898-AD
時間:180分
公開:2025-01-31
製作年度:2024
製作国:インド
配給:ツイン
製作総指揮:
製作:
監督:ナーグ・アシュウィン
脚本:
原作:
撮影:ジョルジェ・ストイリコビッチ
音楽:サントーシュ・ナーラーヤナン
出演:プラバース、ディーピカー・パードゥコーン、アミターブ・バッチャン

「バーフバリ」シリーズのプラバースが主演を務め、インド神話の神々が未来の地球の命運をかけて戦う姿を壮大なスケールで活写したSFアクションファンタジー。

西暦2898年。世界は荒廃し、地上に残された最後の都市カーシーは、200歳の支配者スプリーム・ヤスキンと空に浮かぶ巨大要塞コンプレックスに支配されていた。ある日、コンプレックスに囚われていた奴隷の女性スマティが、宇宙の悪を滅ぼす「運命の子」を身ごもる。スマティは反乱軍に助けられてコンプレックスを脱出するも巨額の懸賞金をかけられ、特殊部隊と賞金稼ぎたちから追われる身となってしまう。コンプレックスと反乱軍の激戦が繰り広げられるなか、一匹狼の賞金稼ぎバイラヴァもスマティを追うが、6000年もの間「運命の子」の出現を待ち続けていた不死身の戦士アシュヴァッターマンがスマティを守るべく立ちあがる。

プラバースが賞金稼ぎバイラヴァ、「トリプルX 再起動」のディーピカー・パードゥコーンが運命の子を身ごもるスマティ、ボリウッドを代表する俳優アミターブ・バッチャンが不死身の戦士アシュヴァッターマンを演じた。

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2024-329M 「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」☆☆☆

Sstera原題:Stella. Ein Leben.
邦題:ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女
時間:121分
公開:2025-02-07
製作年度:2023
製作国:ドイツ・オーストリア・スイス・イギリス
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:マイケル・レーマン カトリン・ゲッター
監督:キリアン・リートホーフ
脚本:キリアン・リートホーフ
原作:
撮影:ベネディクト・ノイエンフェルス
音楽:ペーター・ヒンデルトゥール
出演:パウラ・ペーア、ヤニス・ニーブナー、カーチャ・リーマン、ルーカス・ミコ、ジョエル・バズマン、ダミアン・ハルドン、ベキム・ラティフィ、ゲルディ・ツィント


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2024-328M 「L.A.コンフィデンシャル」☆☆☆★★★

Slacon2原題:L.A. Confidential
邦題:L.A.コンフィデンシャル
時間:138分
公開:1998-07-18
製作年度:1997
製作国:アメリカ
配給:日本ヘラルド映画
製作総指揮:デビッド・L・ウォルパー ダン・コルスラッド
製作:アーノン・ミルチャン カーティス・ハンソン マイケル・ネイサンソン
監督:カーティス・ハンソン
脚本:ブライアン・ヘルゲランド カーティス・ハンソン
原作:ジェームズ・エルロイ
撮影:ダンテ・スピノッティ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ケビン・スペイシー、ラッセル・クロウ、ガイ・ピアース、ジェームズ・クロムウェル、デビッド・ストラザーン、キム・ベイシンガー、ダニー・デビート、ロン・リフキン、ポール・ギルフォイ、マット・マッコイ

1953年、ロサンゼルス。元刑事を含めた6人の男女が惨殺された事件の捜査にあたっていたロス市警の刑事バドは、やがて売春組織の娼婦リンにたどり着く。一方、殉職した刑事を父に持つ野心家のエド、そしてテレビの刑事ドラマでアドバイザーをしているジャックも動き出す。刑事たちはぶつかり合いながらも、やがて手を組み、警察内部の汚職に立ち向かうことに……。作家ジェームズ・エルロイが著した「L.A.4部作」のひとつを映画化したクライムサスペンス。

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2024-327M 「ココでのはなし」☆☆☆

Skokodenohanashi邦題:ココでのはなし
時間:96分
公開:2024-11-08
製作年度:2023
製作国:日本
配給:イーチタイム
製作総指揮:笠井出穂
製作:渡邊健悟 小林紀美子 小原拓真
監督:こささりょうま
脚本:敦賀零 こささりょうま
原作:
撮影:岩渕隆斗
音楽:田中拓人
出演:山本奈衣瑠(戸塚詩子)、結城貴史(飯友博文)、三河悠冴(湯島存)、生越千晴(ワン・シャオルー)、宮原尚之(外村道夫)、中山雄斗(山門勝吉)、伊島空(坂田国助)、小松勇司、笹丘明里、三戸大久、モト冬樹(戸塚平良)、吉行和子(三園泉)

都内に佇むゲストハウスに集う人々の交流や心の機微を、優しく温かなまなざしで描いたドラマ。ミュージックビデオなどで映像制作に携わってきた、こささりょうまの初長編監督作品で、「SUPER HAPPY FOREVER」「夜のまにまに」など出演作が続く山本奈衣瑠が主演を務めた。

オリンピックが催された2021年の東京。ゲストハウス「ココ」では、住み込みでアルバイトとして働く詩子が、元旅人でオーナーの博文と、SNSでライフハック動画を配信することにハマっている泉さんとともに、慎ましくも満ち足りた生活を送っている。ココにやってくるのは、人生の目標を失い、くすぶっている青年・存(たもつ)や、声優の夢をあきらめて就職しようとするも、両親から帰国を促されている中国人のシャオルーなど、悩みを抱える若者たち。そして、そんな彼らを笑顔で迎える詩子にも、故郷を飛び出してきた訳ありの過去があった。日々に疲れてしまった人々の心を、ココでの生活が少しずつ解きほぐしていく。

主人公の詩子を山本が演じたほか、泉さん役を日本映画界に欠かせないベテランの吉行和子が務めた。そのほか結城貴史、三河悠冴、生越千晴、モト冬樹らが共演する。

下町のゲストハウスに訪れる人々のスケッチ。オフビートなスローライフな雰囲気に、皆それぞれドンヨリとした事情あれど、先送りしつつ、自らが決断を下す時を待つ。という物語。

 

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2024-326M 「山逢いのホテルで」☆☆☆

Syamaainohotel原題:Laissez-moi
邦題:山逢いのホテルで
時間:92分
公開:2024-11-29
製作年度:2023
製作国:スイス・フランス・ベルギー
配給:ミモザフィルムズ
製作総指揮:
製作:ガブリエラ・ブスマン ヤン・デコペ カミーユ・ジュノー
監督:マキシム・ラッパズ
脚本:マキシム・ラッパズ マリオン・ベルノー
原作:
撮影:ブノワ・デルボー
音楽:アントワーヌ・ボドソン
出演:ジャンヌ・バリバール、トーマス・サルバッハー、ピエール=アントワーヌ・デュベ、ヴェロニク・メルムー

「ボレロ 永遠の旋律」「バルバラ セーヌの黒いバラ」などで知られるフランスの俳優ジャンヌ・バリバールが主演を務めた大人のラブストーリー。スイスの壮麗な山々と湖畔に囲まれた実在のホテルを舞台に、息子への献身的な愛と現実逃避の夢の間で揺れ動く女性を描く。

スイスアルプスをのぞむ小さな町で仕立て屋として働く女性クローディーヌは、障がいのある息子をひとりで育てている。毎週火曜日になると彼女は白いワンピースをまとって山の上のリゾートホテルを訪れ、一人旅の男性客を選んではその場限りの関係を楽しんでいた。もう真剣に恋をすることなどないと思っていたクローディーヌだが、ある男性との出会いによって彼女の人生は大きく揺さぶられる。

ファッションデザイナーとして活躍してきたスイス出身のマキシム・ラッパズが長編初メガホンをとった。「トリとロキタ」「その手に触れるまで」などダルデンヌ兄弟監督作を手がけたブノワ・デルボーが撮影を担当。

欧州映画的なるメロドラマだな。若き美男美女でなく中年の出会い。

 

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2024-325M 「ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US」☆☆★★★

Sfutarideowarase原題:It Ends with Us
邦題:ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US
時間:130分
公開:2024-11-22
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:スティーブ・サロウィッツ トッド・ブラック アンドレア・アジェミアン ジョン・ローガン・ピアソン ブレイク・ライブリー ロブ・サリバン
製作:アレックス・サックス ジェイミー・ヒース クリスティ・ホール
監督:ジャスティン・バルドーニ
脚本:クリスティ・ホール
原作:コリーン・フーバー
撮影:バリー・ピーターソン
音楽:ロブ・シモンセン ダンカン・ブリッケンスタッフ
出演:ブレイク・ライヴリー(リリー・ブルーム)、ジャスティン・バルドーニ(ライル・キンケイド)、ジェニー・スレイト(アリッサ)、ブランドン・スクレナー(アトラス・コリガン)、イザベラ・フェレール(10代のリリー)、アレックス・ニューステッター(10代のアトラス)

アメリカの作家コリーン・フーバーが自身の体験をもとに執筆し、全世界で発行部数1000万部を記録するベストセラーとなった恋愛小説「イット・エンズ・ウィズ・アス ふたりで終わらせる」を映画化。

理想のフラワーショップを開くという夢を実現すべく、ボストンにやってきた若い女性リリー。そこで彼女はクールでセクシーな脳神経外科医のライルと知り合い、情熱的な恋に落ちる。幸せな日々を過ごす2人だったが、彼らはそれぞれ過去に秘密を抱えていた。リリーに対するライルの愛は次第に望まぬ方向へと加速していき、それによってリリーは、自身のうちに封じていた過去のある記憶を呼び覚ます。自分の信じる未来を手にするため、リリーは過去の自分自身と向き合い、ある決意を胸にする。

人気ドラマ「ゴシップガール」や映画「ロスト・バケーション」などで知られるブレイク・ライブリーが主人公リリーを演じたほか、プロデューサーも務めた。「ファイブ・フィート・アパート」のジャスティン・バルドーニがメガホンをとり、ライル役として出演もしている。

全米でベストセラーになった恋愛小説の映画化だそうだ。翻訳も出版されているが、評判は聞かなかったな。
まあキャストも監督もB級なノーネームで、原作の知名度だけが頼りのラジー賞候補になりそうな、古風な今彼元彼トライアングル。にしても、ヒロインが出す結果を、決断するメンタルは前世紀には共感され辛かったろうな。

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2024-324M 「雨の中の慾情」☆☆☆★

Samenonakanoyokujoh邦題:雨の中の慾情
時間:132分
公開:2024-11-29
製作年度:2024
製作国:日本・台湾
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
製作総指揮:英田理志 中西一雄
製作:厨子健介 筒井史子 劉士華
監督:片山慎三
脚本:片山慎三
原作:つげ義春
撮影:池田直矢
音楽:高位妃楊子
出演:成田凌(義男)、中村映里子(福子)、森田剛(伊守)、足立智充(須山)、中西柚貴(夢子)、松浦祐也(靴屋)、梁秩誠、李沐薰、伊島空(兵士)、李杏(シェンメイ)、竹中直人(尾弥次)

「さがす」「岬の兄妹」の片山慎三が監督・脚本を手がけ、漫画家・つげ義春の同名短編を独創性あふれるラブストーリーとして映画化。ほぼ全編台湾でロケを敢行し、2人の男と1人の女の切なくも激しい性愛と情愛を描き出す。

貧しい北町に住む売れない漫画家の義男は、アパート経営のほかに怪しい商売をしている大家の尾弥次から、自称小説家の伊守とともに引っ越しの手伝いに駆り出される。そこで離婚したばかりの福子と出会った義男は艶めかしい魅力をたたえた彼女にひかれるが、彼女にはすでに恋人がいる様子。伊守は自作の小説を掲載するため、裕福な南町で流行っているPR誌を真似て北町のPR誌を企画し、義男がその広告営業を手伝うことに。やがて福子と伊守が義男の家に転がり込んできて、3人の奇妙な共同生活が始まる。

義男を成田凌、福子を中村映里子、伊守を森田剛が演じた。「ドライブ・マイ・カー」の脚本家でドラマ「ガンニバル」でも片山監督と組んだ大江崇允が脚本協力。2024年・第37回東京国際映画祭コンペティション部門出品。

台湾で撮影したという情報しか知らない作品。なんかポスタービジュアルが昭和のB級スリラー映画や日活ロマンポルノの雰囲気がある。ので、ジャケ買いで鑑賞。
で、観たら後者だった。というより、つげ義春が『エロ漫画』を描かねば食えないと、描きためて「夜行」に発表した表題作だそうだ。冒頭のバス停のエピソードが、まさにソレ。となると、ロマンポルノ的なる代物になるのは必定。現実と空想の虚実が交錯し、倒錯し、主人公は一種の解脱へ向かって精神的失踪をするクライマックス。なかなか拾い物である。関係ないけど成田亮が妻夫木聡に見える瞬間があった。ネタバレになるからココまでしか書けないが、132分と長尺。2本立てデフォのロマンポルノなら、もっと整理して85分くらいで仕上げただろうな。

 

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2024-323M 「本心」☆☆☆★

Shonshin邦題:本心
時間:122分
公開:2024-11-08
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:
製作:小西啓介 竹内力 金子保之 カン・サンウク 菅井敬 荒木宏幸 飯窪成幸 飯田雅裕 佐渡島庸平
監督:石井裕也
脚本:石井裕也
原作:平野啓一郎
撮影:浜田毅
音楽:パク・イニョン 河野丈洋
出演:池松壮亮(石川朔也)、三吉彩花(三好彩花)、水上恒司(岸谷)、仲野太賀(イフィー)、田中泯(若松)、綾野剛(中尾)、妻夫木聡(野崎将人)、田中裕子(石川秋子)

「月」「舟を編む」の石井裕也監督が池松壮亮を主演に迎え、平野啓一郎の同名小説を原作にデジタル化社会の功罪を鋭く描写したヒューマンミステリー。

工場で働く石川朔也は、同居する母・秋子から「大切な話をしたい」という電話を受けて帰宅を急ぐが、豪雨で氾濫する川べりに立つ母を助けようと川に飛び込んで昏睡状態に陥ってしまう。1年後に目を覚ました彼は、母が“自由死”を選択して他界したことを知る。勤務先の工場はロボット化の影響で閉鎖しており、朔也は激変した世界に戸惑いながらも、カメラを搭載したゴーグルを装着して遠く離れた依頼主の指示通りに動く「リアル・アバター」の仕事に就く。ある日、仮想空間上に任意の“人間”をつくる技術「VF(バーチャル・フィギュア)」の存在を知った朔也は、母の本心を知るため、開発者の野崎に母を作ってほしいと依頼。その一方で、母の親友だったという三好が台風被害で避難所生活を送っていると知り、母のVFも交えて一緒に暮らすことになるが……。

田中裕子が朔也の母役で生身とVFの2役に挑み、三吉彩花、妻夫木聡、綾野剛、田中泯、水上恒司、仲野太賀と実力派キャストが共演。

昭和のプログラムピクチャーの定番『母モノ』。というか亡母が死の直前、最期に話したかった事を聞きたいがために、最新のバーチャルAIで母親を再現しちまう、近未来のザ・マザコンドラマ。と、断じたら、この作品を気に入った観客や、原作の平野啓一郎ファンに叱られるに違いない。

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2024-322M 「ぼくとパパ、約束の週末」☆☆☆★

Sbokutopapa原題:Wochenendrebellen
邦題:ぼくとパパ、約束の週末
時間:109分
公開:2024-11-15
製作年度:2023
製作国:ドイツ
配給:S・D・P
製作総指揮:リヒャルト・クロプ マルク・ポップ
製作:ユスティナ・ムーシュ クイリン・ベルク マックス・ビーデマン
監督:マルク・ローテムント
脚本:リヒャルト・クロプ
原作:ミルコ・フォン・ユターセンカ ジェイソン・フォン・ユターセンカ
撮影:フィリップ・ペシュロー
音楽:ジョニー・クリメック ハンス・ハフナー
出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ(ミルコ)、セシリオ・アンドレセン(ジェイソン)、アイリン・テツェル(ファティメ)

自分の好きなサッカーチームを決めるため、ドイツ国内のスタジアムを巡る自閉症の少年とその父親の旅を実話に基づいて描き、本国ドイツで100万人を動員するヒットとなったヒューマンドラマ。

幼い頃に自閉症と診断された10歳のジェイソンは、生活に独自のルーティンとルールがあり、それが守られないとパニックを起こしてしまう。ある日、クラスメイトから好きなサッカーチームを聞かれるも答えることができなかった彼は、ドイツ国内の56チームを全て自分の目で見てから好きなチームを決めたいと家族に話す。父ミルコは息子の夢をかなえるべく、ドイツ中のスタジアムを一緒に巡ることを約束し、多忙な仕事の合間を縫って週末ごとに旅をしていく。

父ミルコ役に「100日間のシンプルライフ」のフロリアン・ダービト・フィッツ。「5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生」のマルク・ローテムント監督がメガホンをとった。

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2024-321M 「海の沈黙」☆☆☆

Smichin邦題:海の沈黙
時間:112分
公開:2024-11-22
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:
製作:曳地克之
監督:若松節朗
脚本:倉本聰
原作:倉本聰
撮影:蔦井孝洋
音楽:住友紀人
出演:本木雅弘(津山竜次)、小泉今日子(田村安奈)、清水美砂(牡丹)、仲村トオル(清家)、菅野恵(あざみ)、石坂浩二(田村修三)、萩原聖人(村岡)、村田雄浩(半沢院長)、佐野史郎(桐谷大臣)、田中健、三船美佳、津嘉山正種、中井貴一(スイケン)

「前略おふくろ様」「北の国から」など数々の名作ドラマの脚本を手がけてきた巨匠・倉本聰が長年にわたって構想した物語を映画化。「沈まぬ太陽」「Fukushima 50」の若松節朗監督がメガホンをとり、本木雅弘、小泉今日子、中井貴一、石坂浩二、仲村トオル、清水美砂ら豪華キャストが共演した。

世界的な画家・田村修三の展覧会で作品のひとつが贋作だと判明する事件が起こる。事件の報道が加熱する中、北海道・小樽で女性の死体が発見される。このふたつの事件をつなぐ存在として浮かび上がったのが、新進気鋭の天才画家と称されながら、ある事件をきっかけに人びとの前から姿を消した津山竜次だった。かつての竜次の恋人で、現在は田村の妻である安奈は小樽へ向かい、二度と会うことはないと思っていた竜次と再会を果たすが……。

真の美を求め続ける竜次の思いが、安奈や、竜次に長年仕える謎めいたフィクサーのスイケン、贋作事件を追う美術鑑定の権威・清家、全身刺青の女・牡丹、竜次を慕うバーテンダーのアザミら、それぞれの人びとのドラマと交錯していく。

倉本聰脚本。倉本は、ある時期のテレビドラマ界では、山田太一とともに神のように崇められていた名脚本家だ。『一言一句たりとも現場で脚本の修正は認めない』『重要箇所は、カット割りまで指定されている』などの都市伝説も語られた。そんな彼の長年温めていた作品だそうだ。
さて本作だが、残念ながら登場人物の劇中の人間関係が、演じる俳優たちの年齢差と乖離していて、興醒めとなる。テーマも『美の価値は絶対で、価格ではない』らしいが、夢見たゴッホのエピソードなど散漫。さらに刺青師としてのエピソードも必要なのか?このあたり、もう一つ切実に共感しづらい。ヒューマンドラマとしての情感も同様。

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