邦題:万事快調 オール・グリーンズ
時間:119分
公開:2026-01-16
製作年度:2026
製作国:日本
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
製作総指揮:後藤哲
製作:崔相基 小林敏之 飯窪成幸
監督:児山隆
脚本:児山隆
原作:波木銅
撮影:斉藤領
音楽:荘子it
出演:南沙良(朴秀美)、出口夏希(矢口美流紅)、吉田美月喜(岩隈真子)、羽村仁成(藤木漢)、黒崎煌代(ジャッキー)、金子大地(佐藤幸一)
当時21歳の現役大学生だった波木銅が、第28回松本清張賞を満場一致で受賞し話題を呼んだ青春小説「万事快調 オール・グリーンズ」を映画化。
ラッパーを夢見ながらも、学校にも家にも居場所を見いだせずにいる朴秀美。陸上部のエースで社交的、スクールカースト上位に属しながらも家庭に問題を抱える映画好きの矢口美流紅。大好きな漫画を自己形成の拠り所としている、斜に構えた毒舌キャラ・岩隈真子。未来の見えない田舎町で、欝々とした日々を送る3人の高校生は、自分たちの夢をかなえ、この町を抜け出すためには一獲千金を狙うしかないと考え、同好会「オール・グリーンズ」を結成。ある禁断の課外活動を始めるが……。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「光る君へ」や映画「愛されなくても別に」で注目を集めた南沙良が朴秀美役を、「赤羽骨子のボディガード」の出口夏希がもうひとり主人公・矢口美流紅役を演じる。2人とともに「オール・グリーンズ」を結成する岩隈真子を、「ルックバック」の吉田美月喜が担当。監督・脚本は「猿楽町で会いましょう」の児山隆。
まったく情報がないままの鑑賞。少なくともタイトルだけでは、意味不明で平凡で、なんら牽引力が無い。原作は松本清張賞どそうだ。ということは、ミステリーかな?ティーン女優たちの群像劇のようなビジュアルだが。
まったく情報がないままの鑑賞。少なくともタイトルだけでは、意味不明で平凡で、なんら牽引力が無い。原作は松本清張賞だそうだ。ということは、ミステリーかな?ティーン女優たちの群像劇のようなビジュアルだが。と、ここまでが鑑賞前の印象。
蓋を開けたら、茨城県東海村のド底辺高校に通う、将来が見通せない惰性にまみれた日常に窒息しながら、日々閉塞感に押しつぶされそうな、3人の女子高生が主人公。ひょんな事から大麻を育てて売るという犯罪を、学校屋上で始めるが、それに巻き込まれる男子3人。その点では、高校群像劇の構造ではある。ところが、なんやかや物語が完結しても、なんら閉塞感を突破する爽快感もない。相変わらず、だらだらと同じ日常と、真っ暗な未来が横たわる中に生き続け中ればならない彼ら彼女らが溜息をつく。
原作が4年前に出版された、松本清張賞作品。おなじ茨城県を舞台にした20年前の映画。「下妻物語」(中島哲也監督)は、その下妻という巨大スーパーでしか文化を享受できないド田舎ぶり、ド底辺ぶり、閉塞感たっぷりな女子高生バディを描いていた。しかし、そのクライマックスは、彼女たちを爆発させ、突破させ、少なくとも映画のなかにあったステージからズドンと飛翔させて解放感を与えた。
日本はこの20年で、天井がここまで厚くなってしまったのか。本作の登場人物らは、天井に亀裂は入れられても、結局は跳ね返されて、もとの薄汚れたカーペットに叩きつけられて泣き笑いを強いられている。学園コメディの佇まいだが、真っ暗な未来に背筋が凍る作品となっている。