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2025-359M 「盤上の向日葵」☆☆☆★★

Sbanjonohimawari邦題:盤上の向日葵
時間:123分
公開:2025-10-31
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、松竹
製作総指揮:
製作:高橋敏弘 門屋大輔 野村英章 堤天心 舛田淳 佐々木利正 坂本裕寿 安部順一 奥村景二 井田寛
監督:熊澤尚人
脚本:熊澤尚人
原作:柚月裕子
撮影:江原祥二
音楽:富貴晴美
出演:坂口健太郎(上条桂介)、渡辺謙(東明重慶)、佐々木蔵之介(石破剛志)、土屋太鳳(宮田奈津子)、高杉真宙(佐野直也)、音尾琢真(上条庸一)、柄本明(兼埼元治)、渡辺いっけい(角舘銀次郎)、尾上右近(壬生芳樹)、木村多江(唐沢美子)、小日向文世(唐沢光一朗)

「孤狼の血」で知られる作家・柚月裕子の同名小説を、坂口健太郎と渡辺謙の初共演で実写映画化したヒューマンミステリー。昭和から平成へと続く激動の時代を背景に、過酷な人生を生きる天才棋士の光と闇をドラマチックに描く。

山中で身元不明の白骨死体が発見される。現場には、この世に7組しか現存しない希少な将棋駒が残されていた。駒の持ち主は、将棋界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった天才棋士・上条桂介であることが判明。さらに捜査を進めていくと、桂介の過去を知る重要人物として、賭け将棋で圧倒的な実力を誇った裏社会の男・東明重慶の存在が浮上する。やがて、謎に包まれていた桂介の生い立ちが明らかになる。

主人公の天才棋士・上条桂介を坂口、桂介に大きな影響を与えた賭け将棋の真剣師・東明重慶を渡辺が演じ、事件の真相を追う刑事役で佐々木蔵之介と高杉真宙、桂介の恩師役で小日向文世、桂介の父役で音尾琢真、東北一の真剣師役で柄本明が共演。さらに映画版オリジナルのキャラクターである桂介の元婚約者・宮田奈津子を土屋太鳳が演じた。「ユリゴコロ」「隣人X 疑惑の彼女」の熊澤尚人が監督・脚本を手がけた。

『砂の器』的なモチーフの経年型因縁型の人生波乱の主人公。その点ではしっかりした原作に支えられている。かつての丹波哲郎が佐々木蔵之介にのりうつったような<濃い演技>を堪能したい。

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2025-358M 「爆弾」☆☆☆★★

Sbakudan邦題:爆弾
時間:137分
公開:2025-10-31
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:
製作:臼井裕詞 高島祐一郎 山田邦雄
監督:永井聡
脚本:八津弘幸 山浦雅大
原作:呉勝浩
撮影:近藤哲也
音楽:Yaffle
出演:山田裕貴、伊藤沙莉、染谷将太、坂東龍汰、寛一郎、片岡千之助、中田青渚、加藤雅也、正名僕蔵、夏川結衣、渡部篤郎、佐藤二朗

「このミステリーがすごい!2023年版」で1位を獲得した呉勝浩の同名ベストセラー小説を実写映画化したリアルタイムサスペンス。東京のどこかに“爆発予定の爆弾”が仕掛けられたという前代未聞の事態のなか、取調室での攻防と都内各地での爆弾捜索の行方を同時進行で描き出す。

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。やがてその言葉通りに都内で爆発が起こり、スズキはこの後も1時間おきに3回爆発すると言う。スズキは尋問をのらりくらりとかわしながら、爆弾に関する謎めいたクイズを出し、刑事たちを翻弄していくが……。

スズキとの交渉に挑む刑事・類家役で山田裕貴が主演を務め、スズキタゴサク役で佐藤二朗、爆弾捜索に奔走する巡査・倖田役で伊藤沙莉、スズキの過去を探る刑事・等々力役で染谷将太、類家の上司・清宮役で渡部篤郎、倖田巡査の相棒・矢吹役で坂東龍汰、スズキの見張り役を務める刑事・伊勢役で寛一郎が共演。「キャラクター」「帝一の國」の永井聡監督がメガホンをとった。ロックバンド「エレファントカシマシ」の宮本浩次が主題歌を担当。

前評判は高いのだが、果たしてどうだろうか。と、悲観アブソーバーをかけつつ、封切作品は観ることにしている。
本作は昨年2月に原作を読んだもの。ラスト1行が驚愕の小説だったと記憶している。山田役に佐藤二朗をキャスティングしたというだけで、物語の世界観が最高の広がりを魅せた。ただ、小説の最終行のカタルシスは、映画では難しかったか。文字の持つ力かもしれない。

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2025-357M 「てっぺんの向こうにあなたがいる」☆☆☆★

Steppennomukoh邦題:てっぺんの向こうにあなたがいる
時間:130分
公開:2025-10-31
製作年度:2025
製作国:日本
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:木下直哉
製作:武部由実子
監督:阪本順治
脚本:坂口理子
原作:田部井淳子
撮影:笠松則通
音楽:安川午朗
出演:吉永小百合(多部純子)、のん(多部純子(青年期))、木村文乃(多部教恵)、若葉竜也(多部真太郎)、工藤阿須加(多部正明(青年期))、茅島みずき(北山悦子(青年期))、和田光沙(新井涼子)、円井わん(岩田広江)、安藤輪子(清水理佐子)、中井千聖(丸山かおる)、長内映里香、三浦誠己、金井勇太、カトウシンスケ、森優作、濱田マリ、浅見小四郎、天海祐希(北山悦子)、佐藤浩市(多部正明)

吉永小百合の124本目となる映画出演作で、女性で初めて世界最高峰エベレストの登頂に成功した登山家・田部井淳子をモデルに、人生のすべてを懸けて“てっぺん”に挑み続けた女性登山家の姿を描いたドラマ。

1975年、エベレスト日本女子登山隊の副隊長兼登攀隊長として、世界最高峰エベレストの女性世界初登頂に成功した多部純子。その偉業は世界中を驚かせ、純子自身や友人、家族たちに光を与えたが、同時に深い影も落とすこととなった。登山家としての挑戦はその後も続き、晩年には闘病生活を送りながら、余命宣告を受けた後もなお、純子は笑顔で周囲を巻き込み、山に登り続けた。

キャストには、田部井淳子をモデルにしたキャラクター、多部純子を演じる吉永のほか、夫・正明役に佐藤浩市、エベレスト登頂の相棒で純子の盟友・北山悦子役に天海祐希、青年期の純子役にのんが名を連ねる。吉永主演の「北のカナリアたち」でもメガホンを取った阪本順治が監督を務め、同作以来13年ぶりに吉永とタッグを組んだ。

登山家田部井淳子をモデルにした作品。吉永小百合は80歳。怪物である。

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2025-356M 「ミーツ・ザ・ワールド」☆☆☆★

Smeetstheworld邦題:ミーツ・ザ・ワールド
時間:126分
公開:2025-10-24
製作年度:2025
製作国:日本
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:藤本款 和田佳恵 津嶋敬介 大好誠
監督:松居大悟
脚本:國吉咲貴 松居大悟
原作:金原ひとみ
撮影:塩谷大樹
音楽:クリープハイプ
出演:杉咲花(三ツ橋由嘉里)、南琴奈(鹿野ライ)、板垣李光人(アサヒ)、くるま(奥山譲)、加藤千尋(高藤恵美)、和田光沙(堺万奈)、安藤裕子(鵠沼の母)、中山祐一朗(鵠沼の父)、佐藤寛太(シュン)、渋川清彦(オシン)、筒井真理子(由嘉里の母)、蒼井優(ユキ)

芥川賞作家・金原ひとみが新宿・歌舞伎町を舞台に描き、第35回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説を、松居大悟監督、杉咲花主演で映画化。二次元の世界を愛し、自己肯定感の低い主人公が、キャバクラ嬢との思いがけない出会いをきっかけに、新たな世界の扉を開いていく姿を描く。

擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛しながらも、自分のことが好きになれない27歳の由嘉里。同世代のオタク仲間たちが結婚や出産で次々と趣味の世界から離れていく現実を前に、仕事と趣味だけの生活に不安と焦りを感じた彼女は、婚活を開始する。しかし、参加した合コンで惨敗し、歌舞伎町の路上で酔いつぶれてしまう。そんな彼女を助けたのは、美しいキャバクラ嬢のライだった。ライとの出会いをきっかけに、愛されたいと願うホスト、毒舌な作家、街に寄り添うバーのマスターなど、さまざまな人たちと知り合い、関わっていくことで、由嘉里は少しずつ新たな世界を広げていく。

主人公・由嘉里役を杉咲が演じるほか、キャバ嬢・ライ役をモデル・女優として活躍する南琴奈、ホストのアサヒ役を板垣李光人、作家・ユキ役を蒼井優、バーのマスター役を渋川清彦がそれぞれ演じる。

前職テレビ東京の出資作品。「アフロ田中」「バイプレーヤーズ」など松居大悟監督作品への出資が多いな。

 

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2025-355M「次元を超える」☆☆★★

Sjigenwokoeru_20251101061801 邦題:次元を超える
時間:96分
公開:2025-10-17
製作年度:2025
製作国:日本
配給:スターサンズ
製作総指揮:豊田利晃
製作:村岡伸一郎 行実良
監督:豊田利晃
脚本:豊田利晃
原作:
撮影:槇憲治
音楽:Sons of Kemet Mars89 中込健太 住吉佑太 ヤマジカズヒデ
出演:窪塚洋介(山中狼介)、松田龍平(新野風)、千原ジュニア(阿闍梨)、芋生悠(野々花)、渋川清彦(鉄平)、東出昌大(ヤス)、板尾創路(高嶋博士)、祷キララ(渡邊助手)、飯田団紅(団吉)、マメ山田(ミスター・ケルマン)、窪塚愛流(ラジオの声)

豊田利晃監督が、長編フィクション映画としては「泣き虫しょったんの奇跡」以来7年ぶりに手がけた作品。2019年に発表した短編「狼煙が呼ぶ」にはじまり、「破壊の日」「全員切腹」など近年の「狼蘇山シリーズ」と呼ばれる作品群の集大成となる長編で、窪塚洋介と松田龍平を主演に、行方不明になった修行者とその捜索を依頼された暗殺者が繰り広げる、時空を超える壮大な追跡劇を描く。

孤高の修行者・山中狼介が、危険な宗教家・阿闍梨の家に赴いたのを最後に消息を絶つ。暗殺者・新野風は、山中の恋人・野々花から捜索を依頼され、山中の行方を追う。やがて2人は法螺貝に導かれて狼蘇山で対面し、次元を超えて鏡の洞窟で対峙する。過去から現在、そして未来を駆けめぐる2人は、日本から地球、さらに宇宙へとたどり着く。

修行者・山中役を窪塚、暗殺者・新野役を松田、阿闍梨役を千原ジュニア、野々花役を芋生悠がそれぞれ演じるほか、渋川清彦、東出昌大、板尾創路、祷キララらが顔をそろえる。

まあ、映画の体をなしていない。学生の妄想。屑。

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2025-354M 「恋に至る病」☆☆☆

Skoiniitaruyamai邦題:恋に至る病
時間:109分
公開:2025-10-24
製作年度:2025
製作国:日本
配給:アスミック・エース
製作総指揮:豊島雅郎
製作:宇田川寧 原尭志
監督:廣木隆一
脚本:加藤正人 加藤結子
原作:斜線堂有紀
撮影:鍋島淳裕
音楽:加藤久貴
出演:長尾謙杜(宮嶺望)、山田杏奈(寄河景)、醍醐虎汰朗(根津原あきら)、中井友望(善名美玖利)、中川翼(木村民雄)、上原あまね(緒野江美)、小林桃子(氷山麻那)、井本彩花(大関華)、真弓孟之(井出翔太)、忍成修吾(宮嶺義彦)、河井青葉(宮嶺久美子)、前田敦子(入見遠子)

SNSを中心に反響を呼んだ斜線堂有紀による同名恋愛小説を、「なにわ男子」の長尾謙杜と「ゴールデンカムイ」の山田杏奈の共演で映画化。内気な男子高校生とクラスの人気者女子の不器用な初恋を軸に、同級生の不審死や恋人への恐ろしい疑惑が入り混じる、ピュアで刺激的なラブストーリー。

他人と深い関係を結ばないように生きてきた内気な性格の高校生・宮嶺望は、転校先の学校で、誰からも好かれるクラスの人気者・寄河景と出会う。周囲との距離を保とうとする宮嶺に対して、景は持ち前の明るさで距離を縮め、2人は次第に一緒に過ごす時間が増えていく。そんなある日、同級生の根津原が近所で遺体となって発見される。さらに、その後も同級生の不審死が相次ぐ中、宮嶺は大切な景が事件に関わっているのではないかという疑惑を抱きはじめる。それでも彼女を思う気持ちを抑えることができず……。

宮嶺の両親を忍成修吾と河井青葉、連続不審死事件を捜査する刑事を前田敦子が演じ、宮嶺や景と同じ高校に通う学生役で醍醐虎汰朗、中井友望、中川翼、上原あまね、小林桃子、井本彩花、真弓孟之(AmBitious)が出演。「月の満ち欠け」の廣木隆一監督がメガホンをとった。

 

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2025-353M 「ブラックフォン 2」☆☆☆

Sblackphon2原題:Black Phone 2
邦題:ブラックフォン 2
時間:114分
公開:2025-11-21
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:ジョー・ヒル アダム・ヘンドリックス ライアン・テュレック
製作:ジェイソン・ブラム スコット・デリクソン C・ロバート・カーギル
監督:スコット・デリクソン
脚本:スコット・デリクソン C・ロバート・カーギル
原作:ジョー・ヒル
撮影:
音楽:
出演:イーサン・ホーク、メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウ、デミアン・ビチル、ミゲル・モラ、ジェレミー・デイヴィス、アリアーナ・リバス

「ドクター・ストレンジ」「エミリー・ローズ」のスコット・デリクソン監督がジョー・ヒルの短編小説「黒電話」を映画化した2022年のスリラー「ブラック・フォン」の続編。前作で殺人鬼に監禁されながらも生還した少年とその妹が、死者となって再び現れた殺人鬼に立ち向かう姿を描く。

子どもの失踪事件が多発するコロラド州の町で、連続殺人鬼グラバーに誘拐され地下室に監禁された少年フィニーは、断線した黒電話に届く「死者からのメッセージ」と、妹グウェンの不思議な力に助けられ生還を果たした。4年後、フィニーは17歳になった現在も事件のトラウマに苦しんでおり、グウェンは意志の強い15歳の少女へと成長していた。3人の子どもが殺される悪夢を見るようになったグウェンは兄を説得し、現場となったウィンターキャンプの地へ向かう。そこで彼らが突き止めたのは、殺人鬼グラバーと自分たちの家族を結びつける、あまりにもおぞましい真実だった。

前作に引き続きイーサン・ホークが殺人鬼グラバーを怪演し、メイソン・テムズがフィニー役、マデリーン・マックグロウがグウェン役を続投。

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2025-352M 「シネマ歌舞伎 刺青奇偶」☆☆☆★★

Sirezumichohan邦題:シネマ歌舞伎 刺青奇偶
時間:88分
公開:2009-02-28
製作年度:2009
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:
監督:寺崎裕則
脚本:
原作:長谷川伸
撮影:
音楽:
出演:中村勘三郎、坂東玉三郎、片岡亀蔵、市川高麗蔵、片岡仁左衛門

歌舞伎の舞台公演をスクリーンで上映する「シネマ歌舞伎」の第10作。2008年4月に歌舞伎座で上演され大好評を得た、「瞼の母」「一本刀土俵入」の長谷川伸の代表作。出演は中村勘三郎、坂東玉三郎ほか。生来の博打好きで江戸を追われた半太郎が身投げした酌婦のお仲を助けたことで、2人は晴れて夫婦となるが、半太郎は一向に博打を止めることができず……。

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2025-351M 「グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡・合宿編」☆☆☆

Skuniokagreen邦題:グリーンバレット 最強殺し屋伝説国岡「合宿編」
時間:105分
公開:2022-08-26
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ラビットハウス
製作総指揮:
製作:
監督:阪元裕吾
脚本:阪元裕吾
原作:
撮影:今宮健太 関将史
音楽:東京初期衝動
出演:和泉芳怜(山田ふみか)、山岡雅弥(今井美香)、天野きき(神里はるか)、辻優衣(東雲唯)、大島璃乃(鹿目梨紗)、内藤花恋(沖田響)、伊能昌幸(国岡昌幸)、板尾創路(浜辺悠仁)

「ベイビーわるきゅーれ」「ある用務員」の阪元裕吾監督が、殺し屋たちの日常を描いたモキュメンタリー「最強殺し屋伝説国岡 完全版」の続編。ミスマガジン2021に選ばれた6人、和泉芳怜、山岡雅弥、天野きき、辻優衣、大島璃乃、内藤花恋が全員殺し屋を演じるアクションエンタテインメント。

プロの殺し屋を目指す山田ふみか、今井美香 、神里はるか 、東雲唯、鹿目梨紗、沖田響の6人は、京都最強の殺し屋・国岡がインストラクターを務める殺しの訓練合宿に参加することに。しかし、女子6人の個性がさく裂する合宿は破綻をきたし、その結果起こったある事故により、「フォックスハンター」という凶暴かつ最悪な殺し屋集団が国岡と6人の命を狙って合宿所に向ってくることになる。

ミスマガジン2021の6人が殺し屋見習い役を、「最強殺し屋伝説国岡 完全版」に続いて伊能昌幸が国岡役を演じる。

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2025-350M 「最強殺し屋伝説国岡 完全版」☆☆☆★

Skunioka1邦題:最強殺し屋伝説国岡 完全版
時間:93分
公開:2021-10-08
製作年度:2021
製作国:日本
配給:キングレコード
製作総指揮:
製作:阪元裕吾
監督:阪元裕吾
脚本:
原作:
撮影:滝源裕仁、藤井愛稀、茶谷優太、伊能昌幸、吉井健吾
音楽:
出演:伊能昌幸、上のしおり、吉井健吾、松本卓也、でん一徳、申昇容、海道力也、藍海斗、中村銀次郎

「ベイビーわるきゅーれ」「黄龍の村」など、バイオレンス、アクション、ホラージャンルの作品で注目を集める阪元裕吾監督が、あるひとりの殺し屋の日常や仕事の様子を描いたフェイクドキュメンタリー。「ベイビーわるきゅーれ」のシナリオ作りに励んでいた阪本監督は、「関西殺し屋協会」なる殺し屋ビジネスネットワークの存在を知り、協会の紹介で京都最強と呼ばれるフリー契約の殺し屋・国岡昌幸と出会う。国岡の密着取材で彼と行動をともにする阪元監督は、友人や恋人と過ごす国岡のプライベートや、仕事として殺人の依頼を受け、淡々と対象人物を殺めていく姿を包み隠さずカメラに捉えていく。そんな阪本監督の熱心な密着取材が続く中で、殺し屋と依頼元との連絡ミスが良からぬ事態へと転じていく一幕があった。そのトラブルはやがて肥大化し、国岡は大殺戮を繰り広げることとなる。

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2025-349M 「ワーキングマン」☆☆☆★

Shouseofdynamite原題:A Working Man
邦題:ワーキングマン
時間:116分
公開:2026-01-02
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:クロックワークス
製作総指揮:テディ・シュワルツマン マイケル・ハイムラー マイク・シャンクス ジル・シルフェン ボロディミル・アルテメンコ エフゲン・ストゥプカ アレクシス・ガルシア レイチェル・コール トーマス・ザドラ
製作:クリス・ロング ジェイソン・ステイサム ジョン・フリードバーグ デビッド・エアー シルベスター・スタローン ビル・ブロック ケビン・キング・テンプルトン
監督:デビッド・エアー
脚本:シルベスター・スタローン デビッド・エアー
原作:チャック・ディクソン
撮影:ショーン・ホワイト
音楽:ジェレッド・マイケル・フライ
出演:ジェイソン・ステイサム、デビッド・ハーバー、マイケル・ペーニャ、ジェイソン・フレミング、メラーブ・ニニッゼ、マクシミリアン・オシンスキー

ジェイソン・ステイサムが主演を務め、特殊部隊を退き建築現場の監督として平穏に暮らしていた男が、巨大犯罪組織相手に立ち向かう姿を描いたアクション。ステイサム主演の「ビーキーパー」と同じデビッド・エアーが監督を務め、シルベスター・スタローンが製作・共同脚本として参加。

元特殊部隊員のレヴォン・ケイドは、危険な世界から退き、現在は建築現場の監督として穏やかな生活を送っていた。そんなある日、恩人でもある上司の娘ジェニーが姿を消してしまう。ジェニーを捜索する中で、レヴォンは人身売買を生業とする世界的な犯罪組織の存在を突き止める。自分を支えてくれる大事な「家族」を取り戻すため、レヴォンは封印していた特殊部隊時代のスキルを解き放ち、建設現場で使い慣れた工事用具や特殊部隊時代の銃火器を手に、犯罪組織を相手にひとり戦いに身を投じていく。

レヴォン役をステイサムが演じるほか、「アントマン」シリーズのマイケル・ペーニャ、「サンダーボルツ*」のデビッド・ハーバー、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のジェイソン・フレミングが出演。

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2025-348M 「ハウス・オブ・ダイナマイト」☆☆☆★★★

Shouseofdynamite原題:A House of Dynamite
邦題:ハウス・オブ・ダイナマイト
時間:112分
公開:2025-10-10
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:Netflix
製作総指揮:ブライアン・ベル サラ・ブレムナー
製作:グレッグ・シャピロ キャスリン・ビグロー ノア・オッペンハイム
監督:キャスリン・ビグロー
脚本:ノア・オッペンハイム
原作:
撮影:バリー・アクロイド
音楽:フォルカー・ベルテルマン
出演:イドリス・エルバ、レベッカ・ファーガソン、ガブリエル・バッソ、ジェイソン・クラーク、グレタ・リー、ジャレッド・ハリス、トレイシー・レッツ、アンソニー・ラモス、モーゼス・イングラム、ジョナ・ハウアー=キング

女性監督として初めてアカデミー監督賞を受賞した「ハート・ロッカー」や、アカデミー賞5部門にノミネートされた「ゼロ・ダーク・サーティ」で知られるキャスリン・ビグローが手がけたポリティカルスリラー。

ごくありふれた一日になるはずだったある日、出所不明の一発のミサイルが突然アメリカに向けて発射される。アメリカに壊滅的な打撃を与える可能性を秘めたそのミサイルは、誰が仕組み、どこから放たれたのか。ホワイトハウスをはじめとした米国政府は混乱に陥り、タイムリミットが迫る中で、どのように対処すべきか議論が巻き起こる。

「デトロイト」以来8年ぶりとなるキャスリン・ビグロー監督作。イドリス・エルバ、レベッカ・ファーガソンを筆頭に、ガブリエル・バッソ、ジャレッド・ハリス、トレイシー・レッツ、アンソニー・ラモス、モーゼス・イングラム、ジョナ・ハウアー=キング、グレタ・リー、ジェイソン・クラークら豪華キャストが集結した。脚本は「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」やNetflixドラマ「ゼロデイ」を手がけたノア・オッペンハイム。撮影は「ハート・ロッカー」「デトロイト」のバリー・アクロイド、音楽は「西部戦線異常なし」「教皇選挙」のフォルカー・ベルテルマンが担当。2025年・第82回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。Netflixで2025年10月24日から配信。それに先立つ10月10日から一部劇場で公開。

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2025-347M 「愚か者の身分」☆☆☆★★

Sorokamononomibun邦題:愚か者の身分
時間:130分
公開:2025-10-24
製作年度:2025
製作国:日本
配給:THE SEVEN、ショウゲート
製作:菅井龍夫 小山洋平 菊野浩樹 山田覚 柴田三穂子 岡﨑剛之 池田元信 滝沢淳一 鎌田和樹 金尾雅彦
プロデューサー:森井輝 木幡久美 下村和也
監督:永田琴
脚本:向井康介
原作:西尾潤
撮影:江﨑朋生
音楽:出羽良彰
出演:北村匠海(松本タクヤ)、林裕太(柿崎マモル)、山下美月(希沙良)、矢本悠馬(江川春翔(谷口ゆうと))、木南晴夏(由衣夏)、田邊和也(ジョージ(市岡譲治))、嶺豪一(佐藤秀人)、加治将樹(海塚)、松浦祐也(前田トシオ(轟))、綾野剛(梶谷剣士)

第2回大藪春彦新人賞を受賞した西尾潤の同名小説を、北村匠海主演、綾野剛と林裕太の共演で映画化。愛を知らずに育った3人の若者たちが闇ビジネスから抜け出そうとする3日間の出来事を、3人それぞれの視点を交差させながら描き出す。

タクヤとマモルはSNSで女性を装い、身寄りのない男たちから言葉巧みに個人情報を引き出して戸籍売買を行っている。劣悪な環境で育ち、気づけば闇バイトを行う組織の手先となっていた彼らだったが、時には馬鹿騒ぎもする普通の若者だった。タクヤは自分が闇ビジネスの世界に入るきっかけとなった兄貴的存在の梶谷の手を借り、マモルとともに裏社会から抜け出そうとするが……。

犯罪に手を染めながらも被害者を気にかける一面も持つ主人公・タクヤを北村、かつてタクヤに戸籍売買の仕事を教えた梶谷を綾野、兄のように慕うタクヤに誘われ、軽い気持ちで裏社会に足を踏み入れてしまったマモルを林がそれぞれ演じ、山下美月、矢本悠馬、木南晴夏が共演。Netflixドラマ「今際の国のアリス」シリーズなどのプロデューサー集団「THE SEVEN」による初の劇場作品で、「Little DJ 小さな恋の物語」の永田琴が監督を務め、「ある男」の向井康介が脚本を手がけた。

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2025-346M 「星と月は天の穴」☆☆☆★

Shoshitotukihatennnoana邦題:星と月は天の穴
時間:分
公開:2024-12-19
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:小西啓介
製作:清水真由美 田辺隆史
監督:荒井晴彦
脚本:荒井晴彦
原作:吉行淳之介
撮影:川上皓市 新家子美穂
音楽:下田逸郎
出演:綾野剛、咲耶、岬あかり、吉岡睦雄、MINAMO、原一男、柄本佑、宮下順子、田中麗奈

「ヴァイブレータ」「共喰い」などの脚本や「火口のふたり」などの監督作で知られる荒井晴彦が、「花腐し」でもタッグを組んだ綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介による同名小説を映画化。過去の恋愛経験から女を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこじらせる40代の小説家の滑稽で切ない愛の行方を、エロティシズムとペーソスを織り交ぜながら描き出す。

1969年。妻に逃げられ独身のまま40代を迎えた小説家の矢添克二は、心に空いた穴を埋めるように娼婦の千枝子と体を交え、妻に捨てられた過去を引きずりながら日々をやり過ごしていた。その一方で、誰にも知られたくない自分の秘密にコンプレックスを抱えていることも、彼が恋愛に尻込みする一因となっていた。そんな矢添は、執筆中の恋愛小説の主人公に自分自身を投影して「精神的な愛の可能性」を自問するように探求することを日課にしている。しかしある日、画廊で出会った大学生・瀬川紀子と彼女の粗相をきっかけに奇妙な情事へと至ったことで、矢添の日常と心は揺れはじめる。

大学生の紀子を咲耶、娼婦の千枝子を田中麗奈が演じ、柄本佑、岬あかり、MINAMO、宮下順子が共演。

斎藤晴彦監督による「atg映画」である。テイストも。芸風は吉田喜重や松本俊夫監督だろう。久しぶりの綾野剛であるが、一昔前なら豊川悦司がはまり役かな。地面師つながりってわけじゃないが。18禁作品である。

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2025-345M 「五十年目の俺たちの旅」☆☆☆

Soretachinotabi邦題:五十年目の俺たちの旅
時間:分
公開:2026-01-09
製作年度:2026
製作国:日本
配給:ナカチカピクチャーズ
製作総指揮:志賀司 中山良夫
製作:松岡周作
監督:中村雅俊
脚本:鎌田敏夫
原作:鎌田敏夫
撮影:上野彰吾
音楽:小林洋平
出演:中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々、前田亜季、水谷果穂、左時枝

昭和の青春を象徴する名作ドラマシリーズ「俺たちの旅」を初映画化。1975年に日本テレビ系列で連続ドラマとして放送開始され、その後も主人公たちの人生の節目ごとにスペシャルドラマが制作されてきた同シリーズの20年ぶりとなる続編で、主演の中村雅俊が映画初監督を務めた。

カースケこと津村浩介と、大学時代の同級生のオメダこと神崎隆夫、カースケの小学校の先輩であるグズ六こと熊沢伸六の3人は70代を迎え、すでに50年以上の付きあいとなった。カースケは小さな町工場を経営し、オメダは鳥取県の米子市長、グズ六は介護施設の理事長として、それぞれ平穏な日々を過ごしている。そんなある日、カースケの工場にオメダが訪ねてくるが、オメダは思いつめた様子ですぐに帰ってしまう。また別の日、カースケの工場で製作中のポットが大量に割られる事件が起きる。その中に懐かしい砂時計を見つけたカースケは、20年前に病死した元恋人・洋子との思い出を懐かしむが、グズ六から彼女が生きているという驚きの情報を聞かされる。

カースケ役の中村雅俊、グズ六役の秋野太作、オメダ役の田中健、オメダの妹・真弓役の岡田奈々らオリジナルキャストに加え、オメダの娘・真理役で前田亜季、カースケの工場の従業員・紗矢役で水谷果穂、青年・克史役で福士誠治、オメダの妻・小枝子役で左時枝が出演。

僕らの世代が大学2年の1975年秋にスタートした日本テレビのドラマ。日曜8時だったので、大河ドラマと裏表でチャンネルの主導権の争いが勃発。ともあれ、主演のカースケが、学校の3年先輩でもある中村雅俊。にわかに日吉のキャンパスを下駄で闊歩する男どもが出現した。彼らにとっては黒歴史かな。ドラマ終了後に10年目、20年目、30年目とスペシャルドラマが製作された。そして今回50年目で劇場映画化である。我が家は父親が『大河ドラマ』派で、75年の忠臣蔵『元禄太平記』、76年の平将門『風と雲と虹と』がブラウン管を支配していた。そんなこともあり、シリーズへの思い入れもなく、10年ごとのスペシャルドラマも未見である。したがって、相当に過去のエピソードの回収や説明や結末を編みこんだ本作は、ひとつ心を寄せられなかった。シリーズファンにとっては、そうとうに<涙無くしては追えない>物語なのだろうが、いたしかたない。『俺立ちシリーズファン』には必見だろう、と言っておく。若い八千草薫が素敵だぞ。

 

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2025-344M 「さよならはスローボールで」☆☆☆

Sslowball_20251021080101原題:Eephus
邦題:さよならはスローボールで
時間:98分
公開:2025-10-17
製作年度:2024
製作国:アメリカ・フランス
配給:トランスフォーマー
製作総指揮:ブライアン・クラーク ジム・クリスマン
製作:カーソン・ランド タイラー・タオルミーナ
監督:カーソン・ランド
脚本:ネイト・フィッシャー カーソン・ランド
原作:
撮影:グレッグ・タンゴ
音楽:
出演:キース・ウィリアム・リチャーズ(エド)、ビル・“スペースマン”・リー(リー)、クリフ・ブレイク、フレデリック・ワイズマン(ラジオアナウンサー)

取り壊しの決まった野球場で、地元の草野球チームが最後の試合に臨む姿を、オフビートな笑いとノスタルジックな映像で描く中年男たちの青春ドラマ。

地元で長く親しまれてきた野球場「ソルジャーズ・フィールド」が、中学校建設のため取り壊されることになった。草野球チームの仲間たちは、週末ごとに通い続けた球場に別れを告げるために集まり、言葉にならない思いを胸に最後の試合を始める。

ビール片手にヤジを飛ばしながら野球を楽しむ、粗野で乱暴ながらどこか憎めない田舎町の男たちを、個性豊かなキャスト陣がリアリティたっぷりに演じる。ラジオアナウンサーの声を、ドキュメンタリー映画界の巨匠フレデリック・ワイズマンが担当。監督は、本作が長編デビュー作となるカーソン・ランド。2024年・第77回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に選出された。

 

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2025-343M 「ストロベリームーン 余命半年の恋」☆☆☆★

Sstroberymoon_20251021080101邦題:ストロベリームーン 余命半年の恋
時間:127分
公開:2025-10-17
製作年度:2025
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:桑原勇蔵 郷司雅通 徳留慶太郎 松本拓也 桑原佳子 渡辺勝也
監督:酒井麻衣
脚本:岡田惠和
原作:芥川なお
撮影:市橋織江
音楽:富貴晴美
出演:當真あみ(桜井萌)、齋藤潤(佐藤日向)、杉野遥亮(佐藤日向(13年後))、中条あやみ(高遠麗(13年後))、池端杏慈(高遠麗)、黒崎煌代(フーヤン)、吉澤要人(カワケン)、伊藤健太郎(カワケン)、泉澤祐希(フーヤン)、池津祥子(高遠晴美)、橋本じゅん(佐藤修)、田中麗奈(桜井美代子)、ユースケ・サンタマリア(桜井康介)

余命半年と宣告された少女が、高校1年生の春に体験する一生分の恋を描いた、芥川なおの純愛小説「ストロベリームーン」を映画化。脚本をNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」や映画「余命10年」など数々のヒット作を手がけてきた岡田惠和が担当し、監督を「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく「恋を知らない僕たちは」の酒井麻衣が務めた。

病弱な体のため、学校にも通えず毎日ひとり家の中で過ごしてきた桜井萌。そんな彼女の密かな夢は、自分の誕生日に好きな人と一緒に見ると永遠に結ばれるという、6月の満月 「ストロベリームーン」を見ることだった。15歳の冬、医師から余命が残りわずかであることを宣告された萌は、夢をかなえるために「運命の相手」を見つけようと心に決め、高校に通うことを決意する。入学式の日、萌は出会ったばかりの同級生・佐藤日向に突然告白し、人生初の「お付き合い」をスタートさせる。互いの距離を少しずつ縮めていく萌と日向は、萌の誕生日である6月4日に「ストロベリームーン」を見に行く。しかし、その日を境に萌は学校から姿を消し、日向は萌と連絡が取れなくなってしまう。

主人公・萌役を「おいしくて泣くとき」の當真あみが長編映画初主演で務め、日向役を「カラオケ行こ!」の齋藤潤が演じる。そのほかの共演に杉野遥亮、中条あやみ、ユースケ・サンタマリア、田中麗奈ら。

 

 

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2025-342M 「オオムタアツシの青春」☆☆☆★

Soomutaatsushi邦題:オオムタアツシの青春
時間:106分
公開:2025-09-26
製作年度:2025
製作国:日本
配給:フリック
製作総指揮:
製作:宮崎逸郎 瀬木直貴
監督:瀬木直貴
脚本:松本稔
原作:
撮影:宗大介
音楽:田上和由
出演:筧美和子、福山翔大、林田麻里、佐藤寛太、芹澤興人、陣内孝則

昭和風情が残る福岡県大牟田市を舞台に、人生につまずいた3人の大人たちが、病気を抱えながらも前向きに生きる少女との出会いを通して再生していく姿を描いた人間ドラマ。

炭鉱文化の名残ある町・大牟田市。パティシエの亜美は洋菓子店をオープンさせるためこの町にやって来たが、共同経営するはずだった友人に見放され、途方に暮れてしまう。そんなある日、下校途中の少女・日菜子が怪我をしたところに居合わせた亜美は、同じく偶然通りかかった青年・司と初老の男性・静男とともに日菜子を病院へ連れていく。この出会いをきっかけに、亜美はお店の内装の手伝いを彼らに依頼する。開店に向けて順調に準備が進んでいるように思えたが、司と静男には、それぞれ誰にも話していない過去があった。

筧美和子が亜美役で長編映画初主演を果たし、過去を隠して見知らぬ土地に来た青年・司を福山翔大、車上生活を送る男性・静男を陣内孝則が演じた。「いのちスケッチ」「ラーメン侍」など地域やグルメをモチーフにした作品を手がけてきた瀬木直貴監督がメガホンをとり、瀬木監督の過去作に出演した小野塚勇人(劇団EXILE)、佐藤寛太、芹澤興人が特別出演。

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2025-341M 「おーい、応為」☆☆☆★

Sohioi_20251021080101邦題:おーい、応為
時間:122分
公開:2025-10-17
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東京テアトル、ヨアケ
製作総指揮:
製作:吉村知己
監督:大森立嗣
脚本:大森立嗣
原作:飯島虚心 杉浦日向子
撮影:辻智彦
音楽:大友良英
出演:長澤まさみ(お栄/葛飾応為)、高橋海人(善次郎/渓斎英泉)、大谷亮平(初五郎/魚屋北渓)、篠井英介(元吉)、奥野瑛太(津軽の侍)、寺島しのぶ(こと)、永瀬正敏(鉄蔵/葛飾北斎)

江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の弟子であり娘でもあった葛飾応為の人生を、長澤まさみ主演で描く。飯島虚心の 「葛飾北斎伝」(岩波文庫刊)と杉浦日向子 の「百日紅」(筑摩書房刊)を原作に、「日日是好日」「星の子」の大森立嗣が監督・脚本を務めた。

浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄は、ある絵師に嫁ぐが、かっこばかりの夫の絵を見下したことで離縁される。北斎のもとに戻ったお栄は、父娘として、そして師弟として、北斎と生涯をともにすることになる。2人が暮らす貧乏長屋は画材や絵で散らかり放題で、茶も入れられず針仕事もできないお栄だが、絵の才能だけは父親譲り。北斎から「おーい、筆!」「おーい、飯!」と何かと頼まれることから、「応為(おうい)」という号を授かったお栄は、当時としては珍しい女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。

北斎の娘であり右腕であり、やがて類まれな絵の才能を開花させていく主人公・お栄/葛飾応為を、「MOTHER マザー」以来の大森監督とのタッグとなる長澤が演じた。北斎役を永瀬正敏、応為の良き理解者となる浮世絵師・渓斎英泉を「King & Prince」の髙橋海人が務めた。

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2025-340M 「ボディビルダー」☆☆☆★

Sbodybuilder原題:Magazine Dreams
邦題:ボディビルダー
時間:123分
公開:2025-12-19
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:トランスフォーマー
製作総指揮:モーガン・アーネスト ジョナサン・メジャース トム・オーテンバーグ レミュエル・プラマー L・J・プラマー ジェイソン・L・トルバート
製作:ジェニファー・フォックス ダン・ギルロイ ジェフリー・ソロス サイモン・ホースマン ルーク・ロジャース
監督:イライジャ・バイナム
脚本:イライジャ・バイナム
原作:
撮影:アダム・アーカポー
音楽:ジェイソン・ホール
出演:ジョナサン・メジャース、ヘイリー・ベネット、テイラー・ペイジ、ハリソン・ペイジ、ハリエット・サンソム・ハリス、マイク・オハーン

世界一のボディビルダーを目指す孤独な男の純粋な夢が狂気へと変わっていく様を描いたヒューマンドラマ。

アメリカの田舎町で、病気の祖父を介護しながら暮らす青年キリアン・マドックス。低収入で友人も恋人もおらず孤独な毎日を過ごす彼には、一流ボディビルダーとなり雑誌の表紙を飾るという揺るぎない夢があった。過酷なトレーニングと食事制限に打ち込むキリアンだったが、身体は悲鳴をあげ、社会の不条理と孤立が彼の精神を蝕んでいく。そしてある事件をきっかけに、キリアンは狂気の世界へと突き進んでいく。

「クリード 過去の逆襲」のジョナサン・メジャースがハードな肉体改造を重ねて主演を務め、強靭な肉体と脆く危うい心を併せ持つ主人公キリアンを熱演。「Swallow スワロウ」のヘイリー・ベネット、「Zola ゾラ」のテイラー・ペイジが共演。「HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ」のイライジャ・バイナムが監督・脚本を手がけ、製作には「ナイトクローラー」の監督ダン・ギルロイとプロデューサーのジェニファー・フォックスが名を連ねた。IFBB(国際ボディビルディング・フィットネス連盟)プロボディビルダーの山岸秀匡が日本語字幕監修を担当。

12月封切予定。悲惨な生い立ち、孤独な黒人ボディビルダーの物語。静かに狂ってゆく人生、暗すぎる。ここまで救いが無いのも、どうかと思う。筋肉を作ることのみに人生を費やす日々。『タクシードライバー』の孤独より、さらに追い詰められていくアメリカの底辺。

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2025-339M 「ホウセンカ」☆☆☆★★

Shousenka邦題:ホウセンカ
時間:90分
公開:2025-10-10
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ポニーキャニオン
製作総指揮:
製作:伊藤絹恵 松尾亮一郎
監督:木下麦
脚本:此元和津也
原作:此元和津也
撮影:星名工 本台貴宏
音楽:cero
出演:小林薫(阿久津実(現在))、戸塚純貴(阿久津実(過去))、満島ひかり(永田那奈(過去))、宮崎美子(永田那奈(現在))、安元洋貴(堤)、斉藤壮馬(若松)、村田秀亮(林田)、中山功太(小西)、ピエール瀧(ホウセンカ)

2021年のオリジナルテレビアニメ「オッドタクシー」のクリエイター、木下麦(監督・キャラクターデザイン)と此元和津也(原作・脚本)が再タッグを組み、“大逆転”に人生を懸けたある男の愛の物語を描くアニメーション映画。

独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の老人・阿久津に、人の言葉を話すホウセンカが声をかける。ホウセンカとの会話の中で、阿久津は自身の過去を思い起こしていく。1987年、夏。ヤクザの阿久津は兄貴分である堤の世話で、6歳年下の那奈とその息子・健介とともに、庭にホウセンカが咲くアパートで暮らしはじめる。幸せな日々を過ごす阿久津だったが、ある日突然、大金を用意しなければならなくなり、堤と共に組の金庫から3億円の強奪を企てる。

主人公・阿久津の現在と過去の声を小林薫と戸塚純貴がそれぞれ演じ、阿久津のパートナー・那奈役で満島ひかりと宮崎美子、言葉を話すホウセンカ役でピエール瀧が共演。さらに声優の安元洋貴、斉藤壮馬、お笑い芸人の村田秀亮(とろサーモン)、中山功太が声の出演。「映画大好きポンポさん」「夏へのトンネル、さよならの出口」のアニメーション制作スタジオ・CLAPが企画・制作を手がけ、3人組のバンド「cero」が音楽を担当。

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2025-338M 「グランドツアー」☆☆★★

Sgrandtour原題:Grand Tour
邦題:グランドツアー
時間:129分
公開:2025-10-10
製作年度:2024
製作国:ポルトガル・イタリア・フランス・ドイツ・日本・中国
配給:ミモザフィルムズ
製作総指揮:
製作:フィリッパ・レイス
監督:ミゲル・ゴメス
脚本:マリアナ・リカルド テルモ・シューロ モーレン・ファゼンデイロ ミゲル・ゴメス
原作:
撮影:ルイ・ポッサス サヨムプー・ムックディプローム グオ・リャン
音楽:
出演:ゴンサーロ・ワヂントン、クリスタ・アルファイアチ、クラウジョ・ダ・シウヴァ、ラン=ケー・トラン

「熱波」などで知られるポルトガルの鬼才ミゲル・ゴメス監督が、4年の歳月をかけて完成させた長編第6作。ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、日本、中国のアジア7カ国でロケを敢行し、逃げる男と追う女が繰り広げる時空を超えた大旅行の行方を、過去と現代、現実と幻想、カラーとモノクロを混在させながら描き出す。

1918年、ビルマのラングーン。大英帝国の公務員エドワードは、ロンドンから長い船旅を経てやって来る婚約者モリーを迎え、結婚することになっていた。しかし優柔不断なエドワードは、花婿衣装で花束を抱えた状態でもなお、結婚することに迷いがあり、モリーの到着直前に衝動的にシンガポール行きの船に飛び乗ってしまう。こうして、逃げるエドワードと追いかけるモリーによる壮大なイタチごっこが幕を開ける。

タイトルの「グランドツアー」とは、20世紀初頭に欧米人のあいだで、インドのイギリス領から出発して極東へ向かうアジアの長旅が流行したことから生まれた言葉。ゴメス監督は文豪サマセット・モームによるグランドツアーの象徴的作品「パーラーの紳士」に着想を得て、自身もグランドツアーを体験してから脚本に取り組んだ。「大いなる不在」の近浦啓監督がアソシエイトプロデューサーとして参加。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて監督賞を受賞。

監督賞受賞って、冗談か。いったい何を描きたいのかさっぱりキャッチできず、ひたすら睡魔と戦う2時間であった。映画を作るってスポンサーから資金調達し、それれで<ロケハン、シナハン>と称してアジア諸国漫遊をした結果の、意味不明フィルムを仕上げてイッチョ上がり。と思われても仕方がない凡庸以下の謎作品。まあいつも思うのだが、欧州の映画祭における『賞』ほどあてにならないものは無い。

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2025-337M 「トロン:アレス」☆☆☆★★

Storonalez原題:Tron: Ares
邦題:トロン:アレス
時間:119分
公開:2025-10-10
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:トレント・レズナー アティカス・ロス ラッセル・アレン ジョセフ・コシンスキー
製作:ショーン・ベイリー ジャレッド・レト エマ・ラドブルック
監督:ヨアヒム・ローニング
脚本:ジェシー・ウィガトウ
原作:デビッド・ディジリオ ジェシー・ウィガトウ
撮影:ジェフ・クローネンウェス
音楽:ナイン・インチ・ネイルズ
出演:ジャレッド・レトー、グレタ・リー、エヴァン・ピーターズ、ジョディ・ターナー=スミス、ジェフ・ブリッジス

長編映画として世界で初めて本格的にCGを導入したことでも知られるSF映画「トロン」のシリーズ第3作。

1982年に公開された第1作「トロン」では、天才プログラマーのケヴィン・フリンがデジタル世界に送り込まれ、命を懸けたゲームに挑む姿を描き、その画期的な設定と映像技術で話題を呼んだ。28年後の2010年には続編の「トロン:レガシー」が公開され、当時最先端の映像とダフト・パンクが手がけた音楽でも注目を集めた。そして本作「トロン:アレス」では、これまでの「現実世界の人間がデジタル世界へ足を踏み入れる」構図が逆転。デジタル世界から現実世界へと現れた超高度AIプログラムのアレスが、現実世界と人類を脅かす存在として描かれる。

未来を変えるミッションを遂行するため現実社会に送られてきた、戦うためだけに開発された人型AIのアレスを、「スーサイド・スクワッド」「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャレッド・レトが演じる。監督は「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」「マレフィセント2」を手がけたヨアヒム・ローニング。音楽を「ソーシャル・ネットワーク」「ソウルフル・ワールド」でアカデミー賞受賞歴を持つトレント・レズナーとアティカス・ロスが率いるバンド「ナイン・インチ・ネイルズ」が担当。バンド名義での映画音楽の担当は本作が初となる。

ゴーストバスターズのように、オリジナルの『トロン』へのリスペクトがたっぷり。80年代のCG再現も、テクノロジーの進化を再認識させられるよいアイデア。キワモノかなと腰が引けていたが、強引な科学理論も映画の世界観的にアリと納得させられ、充分に楽しんでしまった佳作であった。

 

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2025-335M 「ホーリー・カウ」☆☆☆

Sholycow原題:Holy Cow
邦題:ホーリー・カウ
時間:92分
公開:2025-10-10
製作年度:2024
製作国:フランス
配給:ALFAZBET
製作総指揮:
製作:ミュリエル・メナール
監督:ルイーズ・クルボワジエ
脚本:ルイーズ・クルボワジエ テオ・アバディ
原作:
撮影:エリオ・バレゾー
音楽:リンダ・クルボワジエ シャルリ・クルボワジエ
出演:クレマン・ファヴォー、ルナ・ガレ、マティス・ベルナール、ディミトリ・ボードリ、マイウェン・バルテレミ、アルマン・サンセ・リシャール、リュカ・マリリエ、イザベル・クラジョー

「フランスで最も愛されるチーズ」と言われるコンテチーズの生産地・ジュラ地方を舞台に、無軌道に過ごしてきた青年がチーズ職人だった父の死をきっかけに、幼い妹と生きていくためチーズづくりに挑む姿を描いた青春ドラマ。

ジュラ地方で暮らす18歳のトトンヌは、仲間と酒を飲み、パーティに明け暮れる気ままな日々を過ごしていた。ある日、チーズ職人の父が不慮の事故で亡くなり、トトンヌは7歳の妹の面倒を見ながら、生計を立てる方法を見つけなければならなくなってしまう。そんな中、チーズのコンテストで金メダルを獲得すれば3万ユーロの賞金をもらえることを知った彼は、伝統的な製法で最高のコンテチーズをつくることを決意する。

ジュラ地方出身の新鋭ルイーズ・クルボワジエが監督を務め、美しいだけではない農村の暮らしを圧倒的なリアリティで描き出す。キャストには地元の演技未経験者を起用し、農場を営むクルボワジエ監督の家族が音楽や美術スタッフとして参加。2024年・第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にてユース賞、2025年・第50回セザール賞にて最優秀新人監督賞を受賞し、小規模作品ながらフランスでは約100万人を動員する大ヒットを記録した。

 

 

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2025-335M 「秒速5センチメートル(2025)」☆☆☆★

Sbyosoku5cm2025邦題:秒速5センチメートル
時間:121分
公開:2025-10-10
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:臼井裕詞 川口典孝 市川南
監督:奥山由之
脚本:鈴木史子
原作:新海誠
撮影:今村圭佑
音楽:江﨑文武
出演:松村北斗(遠野貴樹)、高畑充希(篠原明里)、森七菜(澄田花苗)、青木柚(遠野貴樹(高校生))、木竜麻生(水野理紗)、宮崎あおい(輿水美鳥)、吉岡秀隆(小川龍一)

「君の名は。」「すずめの戸締まり」の新海誠監督による2007年公開の劇場アニメーション「秒速5センチメートル」を、「SixTONES」の松村北斗主演で実写映画化。

1991年、春。東京の小学校で出会った遠野貴樹と篠原明里は、互いの孤独に手を差し伸べるように心を通わせるが、卒業と同時に明里は引っ越してしまう。中学1年の冬。吹雪の夜に栃木・岩舟で再会を果たした2人は、雪の中に立つ桜の木の下で、2009年3月26日に同じ場所で再会することを約束する。時は流れ、2008年。東京でシステムエンジニアとして働く貴樹は30歳を前にして、自分の一部が遠い時間に取り残されたままであることに気づく。明里もまた、当時の思い出とともに静かに日常を生きていた。

貴樹と心を通わせていくヒロイン・篠原明里役を高畑充希、貴樹に思いを寄せる高校の同級生・澄田花苗役を森七菜、高校時代の貴樹役を青木柚、貴樹の会社の同僚・水野理紗役を木竜麻生が務め、そのほかに宮﨑あおい、吉岡秀隆が共演。「アット・ザ・ベンチ」で注目を集めた映像監督・写真家の奥山由之がメガホンをとり、「愛に乱暴」の鈴木史子が脚本を手がけた。

アニメ版のカットも再現性が高かく、60数分のオリジナルのテイストを損なうことも少なく、120分に仕上げている。なかなかの良作である。アニメ版を知っている観客には。知らないと、主体性のない陰キャ男女の拗れた恋愛サガ物語になってしまう。

 

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2025-334M 「秒速5センチメートル(2007)」☆☆☆★★★

Sbyosoku5cm2007邦題:秒速5センチメートル(2007)
時間:63分
公開:2007-03-03
製作年度:2007
製作国:日本
配給:コミックス・ウェーブ・フィルム
製作総指揮:
製作:
監督:新海誠
脚本:新海誠
原作:新海誠
撮影:新海誠
音楽:天門
出演:水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美

個人制作の短編アニメ「ほしのこえ」が劇場公開されて口コミで評判を呼び、一躍脚光を浴びたアニメーション作家・新海誠が、2007年に手がけた長編第2作。ひかれあっていた男女の時間と距離による変化を、全3話の連絡形式で描いた。互いに思いあっていた貴樹と明里は、小学校卒業と同時に明里の引越しで離ればなれになってしまう。中学生になり、明里からの手紙が届いたことをきっかけに、貴樹は明里に会いにいくことを決意する(第1話「桜花抄」)。やがて貴樹も中学の半ばで東京から引越し、遠く離れた鹿児島の離島で高校生生活を送っていた。同級生の花苗は、ほかの人とはどこか違う貴樹をずっと思い続けていたが……(第2話「コスモナウト」)。社会人になり、東京でSEとして働く貴樹。付き合った女性とも心を通わせることができず別れてしまい、やがて会社も辞めてしまう。季節がめぐり春が訪れると、貴樹は道端である女性に気づく(第3話「秒速5センチメートル」)。主題歌には山崎まさよしの「One more time, One more chance」を起用した。

実写版の公開前に復習として。

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2025-333M 「旅の終わりのたからもの」☆☆☆★

Stabinoowarinotakaramono原題:Treasure
邦題:旅の終わりのたからもの
時間:112分
公開:2026-01-16
製作年度:2024
製作国:ドイツ・フランス
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:マイケル・P・コーエン グレン・バスナー ベン・ブラウニング アンドリュー・カーペン ケント・サンダーソン
製作:ユリア・フォン・ハインツ レナ・ダナム
監督:ユリア・フォン・ハインツ
脚本:ユリア・フォン・ハインツ ジョン・クエスター
原作:リリー・ブレット
撮影:ダニエラ・クナップ
音楽:アントニー・コマサ=ラザルキービッツ
出演:レナ・ダナム、スティーブン・フライ、ズビグニエフ・ザマホフスキ

1990年代初頭のポーランドを舞台に、ホロコーストを生き抜いた父とニューヨークで生まれ育った娘が家族の歴史をたどる旅路を、ユーモラスかつ温かいまなざしでつづったロードムービー。「そして明日は全世界に」で知られるドイツのユリア・フォン・ハインツ監督が、オーストラリアの作家リリー・ブレットが実体験をもとに執筆した小説「Too Many Men」を映画化した。

1991年、ニューヨーク生まれのルーシーは父エデクとともに、両親の故郷であるポーランドのワルシャワにやって来る。ルーシーがこの地を訪れるのは初めてだが、ホロコーストを生き抜いた父にとっては約50年ぶりの帰郷となる。この旅でルーシーは自身のルーツを探りたいと考えていたが、奔放な父に次々と計画を潰され、不満を募らせていく。アウシュビッツ=ビルナケウ強制収容所を訪れ、初めて父の口から恐ろしい記憶を聞かされるも、2人の心の溝は埋まらない。ついに父と別れニューヨークへ帰ると決めたルーシーを、父は思いがけない場所へと連れていく。

ドラマ「GIRLS ガールズ」で製作・脚本・監督・主演を兼任したレナ・ダナムが娘ルーシー、「ホビット」シリーズのスティーブン・フライが父エデクを演じた。

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2025-332M 「ペンギン・レッスン」☆☆☆★

Spenguinlesson原題:The Penguin Lessons
邦題:ペンギン・レッスン
時間:112分
公開:2025-12-05
製作年度:2024
製作国:スペイン・イギリス
配給:ロングライド
製作総指揮:ピーター・カッタネオ ジェフ・ポープ スティーブ・クーガン ジョシュ・バーニー ジョシュア・ホースフィールド リチャード・マンセル オーランド・ウッド トム・ミシェル ニア・バジラーニ トーステン・シューマッハー クレア・テイラー エマ・バーコフスキー
製作:ベン・ピュー ロリー・エイトキン アンディ・ノーブル アドリアン・ゲラ ロバート・ワラク
監督:ピーター・カッタネオ
脚本:ジェフ・ポープ
原作:トム・ミシェル
撮影:シャビ・ヒメネス
音楽:フェデリコ・フシド
出演:スティーブ・クーガン、ビビアン・エル・ジャパー、ビョルン・グルタフソン、アルフォンシーナ・カロッチオ、デビッド・エレロ、ジョナサン・プライス

人生を諦めかけていた英語教師と、重油にまみれた瀕死のペンギンの出会いを描き、世界22カ国で刊行されたベストセラーノンフィクション「人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日」を、「フル・モンティ」のピーター・カッタネオ監督が映画化。

1976年のアルゼンチン。人生に希望を見いだせずにいた英国人の英語教師トムは、名門寄宿学校に赴任する。軍事政権下で混乱する社会、そして手強い生徒たちに苦戦する中、トムは旅先で出会った女性とともに、重油まみれの瀕死のペンギンを救う。しかし女性にはあっさりフラれてしまい、トムのもとにはペンギンだけが残る。海に戻そうとしても不思議と彼のもとに戻ってくるペンギンを「サルバトール」と名付け、奇妙な同居生活が始まる。やがてトムは、サルバトールとの生活を通して、人生にとって本当に大切なものを取り戻していく。

「ロスト・キング 500年越しの運命」のスティーブ・クーガンがトム役を演じ、トムが赴任した学校の校長を「2人のローマ教皇」「未来世紀ブラジル」のジョナサン・プライスが演じる。脚本を「あなたを抱きしめる日まで」でアカデミー賞にノミネートされたジェフ・ポープが担当。

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2025-331M 「モンテ・クリスト伯」☆☆☆★

Smontechrisrt原題:Le Comte de Monte-Cristo
邦題:モンテ・クリスト伯
時間:178分
公開:2025-11-07
製作年度:2024
製作国:フランス
配給:ツイン
製作総指揮:
製作:
監督:アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール マチュー・デラポルト
脚本:アレクサンドル・ド・ラ・パトリエール マチュー・デラポルト
原作:アレクサンドル・デュマ
撮影:ニコラ・ボルデュク
音楽:ジェローム・ルボティエ
出演:ピエール・ニネ、バスティアン・ブイヨン、アナイス・トゥムースティエ、アナマリア・バルトロメイ、ローラン・ラフィット、ピエルフランチェスコ・ファビーノ、パトリック・ミル

19世紀フランスの文豪アレクサンドル・デュマによる傑作小説で、「巌窟王」の名でも知られる復讐劇の金字塔「モンテ・クリスト伯」をフランスで実写映画化。

若き航海士エドモン・ダンテスは船長への昇進が決まり結婚も控えていたが、ある策略により無実の罪で投獄されてしまう。絶望のなかで生きる気力を失っていくダンテスだったが、脱獄を企てる老司祭との出会いにより希望を取り戻していく。司祭は彼に学問と教養を授け、さらにテンプル騎士団の隠し財宝の存在を打ち明ける。囚われの身となってから14年後、奇跡的に脱獄を果たしたダンテスは莫大な財宝を手に入れ、ついに復讐を果たすべく動き出す。謎に包まれた大富豪「モンテ・クリスト伯」としてパリ社交界に姿を現した彼は、自らの人生を奪った3人の男たちに巧妙に近づいていく。

「イヴ・サンローラン」のピエール・ニネが主演を務め、数奇な運命を背負った復讐者ダンテスを優雅かつ繊細に演じた。共演は「12日の殺人」のバスティアン・ブイヨン、「彼は秘密の女ともだち」のアナイス・ドゥムースティエ、「あのこと」のアナマリア・バルトロメイ。2025年・第50回セザール賞にて同年度最多の14部門にノミネートされ、美術賞と衣装デザイン賞を受賞した。

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2025-330M 「By 6 am 夜が明ける前に」☆☆☆

Syogaakerumaeni邦題:By 6 am 夜が明ける前に
時間:76分
公開:2025-10-03
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ギグリーボックス
製作総指揮:
製作:高木雅共
監督:向井宗敏
脚本:YOSHIZAWA
原作:
撮影:平井英二郎
音楽:片寄涼太
出演:武田梨奈(長瀬綾)、駿河太郎(竹中薫)、萩原聖人(原恭一郎)、辻千恵(桜井?織)、平埜生成(長瀬正樹)、丸本凛(松岡咲良)、加藤雅也(秋山真)

「ハイキック・ガール!」「デッド寿司」などのアクション俳優・武田梨奈が主演を務め、元特殊急襲部隊隊員の主婦が犯罪組織と壮絶な戦いを繰り広げる姿を活写したクライムアクション。

かつて特殊急襲部隊(SAT)の一員として数々の任務を遂行してきた長瀬綾は、ある理由から退職し、現在は6歳の娘と夫と3人で幸せに暮らしていた。そんなある日、刑事時代の後輩・松岡咲良から、失踪した弟・隼人を捜す手伝いをしてほしいと頼まれ、娘と夫が眠っている深夜から朝6時までの間だけ協力することを決める。隼人の家を訪れた綾と咲良は、彼が何らかの事件に巻き込まれている痕跡を発見し、犯罪組織との激しい戦いに身を投じていく。

「ブルーを笑えるその日まで」の丸本凛が咲良役、Netflixドラマ「地面師たち」の駿河太郎が半グレ組織のリーダー役を演じ、萩原聖人、加藤雅也、辻千恵、平埜生成、六平直政が共演。「風のたより」「夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風」の向井宗敏監督がメガホンをとり、ダンス&ボーカルグループ「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の片寄涼太が主題歌を担当。

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2025-329M 「ジュリーは沈黙したままで」☆☆☆

Sjuliekeepsquiet原題:Julie Keeps Quiet
邦題:ジュリーは沈黙したままで
時間:100分
公開:2025-10-03
製作年度:2024
製作国:ベルギー・スウェーデン
配給:オデッサ・エンタテインメント
製作総指揮:レオナルド・バン・デイル ニコラス・カラカトサニス ロクサーヌ・サルコジ ヤン・ナシェフスキ マルチン・ウチャイ フロリアン・ゼレール フェデリカ・セント=ローズ 大坂なおみ スチュアート・デュギッド マルティエン・ウイテンダール オリビエ・モンターニュ ディルク・ド・リール エドガー・ダーンハウワー
製作:ジル・クーリエ ジル・デ・シュリバー バウター・サップ デルフィーヌ・トムソン リュック・ダルデンヌ ジャン=ピエール・ダルデンヌ ニマ・ユーセフィ クリスティーナ・ベルジェソン アンソニー・ミューア
監督:レオナルド・バン・デイル
脚本:レオナルド・バン・デイル ルート・べカール
原作:
撮影:ニコラス・カラカトサニス
音楽:キャロライン・ショウ
出演:テッサ・ヴァン・デン・ブルック(ジュリー)、ルト・ベククアルト(ジュリーの母)、クレール・ボドソン(ソフィー)、ローラン・カロン(ジェレミー)、ピエール・ジェルヴェー(バッキー)、ケーン・デ・ボーウ(ジュリーの父)

指導停止となったコーチに関して沈黙を続ける15歳のテニスプレイヤーの少女の、揺れ動く心情を描いたドラマ。ベルギーの新鋭レオナルド・バン・デイルが長編初監督・脚本を手がけ、スポーツ界で子どもが「小さな大人」として扱われる現実に疑問を投げかけた。

ベルギーのテニスクラブに所属する15歳のジュリーは、その実力で将来を有望視されていた。しかし信頼していたコーチのジェレミーが指導停止となり、彼の教え子であるアリーヌが自ら命を絶った事件をめぐって不穏な噂が立ちはじめる。ベルギー・テニス協会の選抜入りテストが迫るなか、クラブに所属する全選手を対象にジェレミーについてのヒアリングが実施され、彼と最も近しい関係だったジュリーに大きな負担がのしかかる。テニスに支障のないよう、日々のルーティンを崩さず、熱心にトレーニングに励むジュリーだったが、その一方でジェレミーに関する調査にはなぜか沈黙を続ける。

主人公ジュリー役には、実生活でもテニス選手として活躍するテッサ・バン・デン・ブルックを抜てき。ベルギーの映画作家ダルデンヌ兄弟が共同プロデューサー、テニス選手の大坂なおみがエグゼクティブプロデューサーに名を連ねた。

テニスクラブのコーチ解任事件。教え子選手のジュリーは黙して語らない。状態が延々と続く禅問答のような作品。解任に至る事件も映画では説明がされず、ふわっとした匂わせだけ。なんとも背骨が見えない、綿菓子のような、つかみどころのない作品。

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2025-328M 「ムガリッツ」☆☆☆

Smugaritz原題:Mugaritz. Sin pan ni postre
邦題:ムガリッツ
時間:96分
公開:2025-09-19
製作年度:2024
製作国:スペイン
配給:ギャガ
製作総指揮:
製作:パブロ・イスラ カルラ・ペレス・デ・アルベニス
監督:パコ・プラサ
脚本:パコ・プラサ マパ・パストール
原作:
撮影:エイドリアン・ヘルナンデス
音楽:ミケル・サラス
出演:

毎年11月から4月の半年間をメニュー開発に充てるため休業する、スペインの有名レストラン「ムガリッツ」の革新的な料理が生み出される過程を追ったドキュメンタリー。

ミシュランガイドに「レストランを超えた存在」と評され2つ星を獲得した、スペイン・バスク地方の名店「ムガリッツ」。アーティスティックなオブジェだけを乗せたテーブル、カトラリーを使用せず手や舌を直接使って味わう料理など、従来のレストランコードを崩した独自の世界観で、これまでにない食空間を生み出してきた。毎年11月から4月の6カ月間は休業し、スタッフ総出でメニュー開発に専念する。その年に誕生した料理が翌年以降に提供されることはなく、革新的なメニューはつねに更新され続ける。

「REC レック」シリーズをはじめとするホラー作品で知られ、自身もムガリッツの熱心なファンであるパコ・プラサ監督が、その創造の秘密を解き明かすべく厨房に潜入し、研究開発チームやシェフたちによるメニュー開発の舞台裏を映し出す。

まずはスペインの有名レストランのドキュメンタリー。日本の観客は、グルメ番組を見慣れていて、登場する『食い物』について、詳細な説明をされるのがデフォ。そのあたりが不親切極まりないスペインの雑なドキュメンタリーだ。開発した『食い物』をキチンとシズル感たっぷりに物撮影し、素材や狙いや特殊技術を語ったら、食い入るように鑑賞できただろう。しかし残念ながら、本作では、何度か意識を失う瞬間があった。僕ら日本人は、グルメ系番組の<親切すぎる演出=切磋琢磨して完成度を異常にまであげた、グルメプログラムのジャパンクオリティ>に洗脳されてしまってるのだろうか。と、自問自答してしまう、そういうレベルの作品。

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2025-327M 「アフター・ザ・クエイク」☆☆★★★

Saftertheqweik邦題:アフター・ザ・クエイク
時間:132分
公開:2025-10-03
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:
製作:樋口俊一 安川尚宏 定井勇二
監督:井上剛
脚本:大江崇允
原作:村上春樹
撮影:渡邉寿岳
音楽:大友良英
出演:岡田将生(小村)、鳴海唯(順子)、渡辺大知(善也)、佐藤浩市(片桐)、橋本愛(未名)、唐田えりか(シマオ)、吹越満(神栖)、黒崎煌代(啓介)、黒川想矢(2001年の善也)、津田寛治(山賀)、井川遥(善也の母)、渋川清彦(田端)、錦戸亮(クシロ)、堤真一(三宅)、のん(かえるくん)

村上春樹の短編連作小説「神の子どもたちはみな踊る」を、岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市の主演で映像化。原作に収録されている4編をベースにオリジナルの設定を加え、1995年の阪神・淡路大震災以降、それぞれ別の時代・場所で喪失感を抱える4人の人生が交錯し2025年の現代へとつながっていく様子を描き出す。25年4月放送のNHKドラマ「地震のあとで」と物語を共有しつつ、4人の主人公を結ぶ新たなシーンを追加し、映画版として編集した。

1995年、妻が突然姿を消し、失意の中で釧路を訪れた小村は、UFOについての不思議な話を聞く。2011年、家出した少女・順子は、たき火が趣味の男との交流を通して自身を見つめていく。2020年、信仰深い母のもとで「神の子ども」として育てられた善也は、不在の父の存在に疑問を抱く。2025年、警備員の片桐は、漫画喫茶で暮らしながら東京でゴミ拾いを続けていた。そして、人々の悲しみや不幸を食べる“みみずくん”が再び地中でうごめきだした時、人類を救うべく“かえるくん”が帰ってくる。

橋本愛、唐田えりか、吹越満、黒崎煌代、堤真一、黒川想矢、井川遥、渋川清彦、津田寛治、錦戸亮が共演し、物語の鍵を握るかえるくんの声をのんが担当。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の井上剛が監督を務め、「ドライブ・マイ・カー」の大江崇允が脚本を手がけた。

本日のラストは、村上春樹の短編集が原作の邦画。昨年、アニメ作家のピエール・フォルデスが監督・脚本を手がけた『めくらやなぎと眠る女』というアニメ作品を観た。本作は、ほぼ原作が重なるものとなる。まあ、本作を観て『村上春樹は映画化には向かない』という事実を再確認した。『ノルウェイの森』や、村上の主題なのか疑問とってしまう『ドライブ・マイ・カー』を観りゃ解るだろう。というか、映画にしちまうと、特徴的な暗喩や比喩やエロティックな描写で、読者を倒錯させる村上の作品が、実は中味がスカスカで10行で語れてしまうことを何百ページも費やしているということが歴然としてしまうのだ。村上ファンの『活字で夢を見ている』のを醒ましてしてまうのは可哀想だ。

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2025-326M 「ワン・バトル・アフター・アナザー」☆☆☆★

Sonebatle原題:One Battle After Another
邦題:ワン・バトル・アフター・アナザー
時間:162分
公開:2025-10-03
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:ウィル・ワイスク
製作:ポール・トーマス・アンダーソン アダム・ソムナー サラ・マーフィ
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
原作:
撮影:マイケル・バウマン ポール・トーマス・アンダーソン
音楽:ジョニー・グリーンウッド
出演:レオナルド・ディカプリオ(ボブ)、ショーン・ペン(ロックジョー)、ベニチオ・デル・トロ(センセイ)、レジーナ・ホール(革命家仲間)、テヤナ・テイラー(ボブの妻)、チェイス・インフィニティ(ウィラ)

ベルリン、カンヌ、ベネチアの3大映画祭で受賞歴を誇るポール・トーマス・アンダーソンが、レオナルド・ディカプリオを主演に迎えて手がけた監督作。トマス・ピンチョンの小説「ヴァインランド」からインスピレーションを得た物語で、冴えない元革命家の男が、何者かにひとり娘を狙われたことから次々と現れる刺客たちとの戦いを強いられ、逃げる者と追う者が入り乱れる追走劇を展開する。

かつては世を騒がせた革命家だったが、いまは平凡で冴えない日々を過ごすボブ。そんな彼の大切なひとり娘ウィラが、とある理由から命を狙われることとなってしまう。娘を守るため、次から次へと現れる刺客たちとの戦いに身を投じるボブだが、無慈悲な軍人のロックジョーが異常な執着心でウィラを狙い、父娘を追い詰めていく。

逃げ続ける中で革命家時代の闘争心を次第によみがえらせていくボブを、レオナルド・ディカプリオが演じ、ボブの宿敵であり、娘ウィラに執拗な執着をみせる軍人ロックジョーをショーン・ペンが怪演。ボブのピンチに現れる空手道場の謎のセンセイ(先生)をベニチオ・デル・トロ、ボブの革命家仲間をレジーナ・ホール、妻でカリスマ革命家をテヤナ・テイラーが演じ、新進俳優チェイス・インフィニティが娘ウィラ役を務める。

本日の2本目。この作品が本日のお目当て。『アカデミー賞の呼び声も』の、この時期公開作品の常套句が、どこまでリアルなのかチェゲラ。軽妙に重厚なテーマや世界観を手玉に取る、天才ポール・トーマス・アンダーソン監督の手腕に期待。次から次へとピンチが続くチェイスものの大仰な娯楽作品であるが、根底にあるのがハリウッド左翼の『ディープステートと共和党的なる支配者たちを殲滅する』という妄想。その感動的な成功&達成をドラマティックにエモーショナルに神話創生的に描いている大珍品でもある。

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2025-325M 「火喰鳥を、喰う」☆☆★★

Shikuidoriwokurau邦題:火喰鳥を、喰う
時間:108分
公開:2025-10-03
製作年度:2025
製作国:日本
配給:KADOKAWA、ギャガ
製作総指揮:
製作:依田巽 夏野剛
監督:本木克英
脚本:林民夫
原作:原浩
撮影:藤澤順一
音楽:高石真美
出演:水上恒司、山下美月、森田望智、吉澤健、豊田裕大、麻生祐未、宮舘涼太

第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞した原浩の同名小説を映画化したミステリーサスペンス。「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」「九龍ジェネリックロマンス」の水上恒司が映画単独初主演を務め、「六人の嘘つきな大学生」「山田くんとLv999の恋をする」などで活躍する山下美月、人気アイドルグループ「Snow Man」の宮舘涼太が共演。「超高速!参勤交代」「シャイロックの子供たち」など幅広いジャンルの作品を手がける本木克英監督がメガホンを取った。

信州のとある村に暮らす久喜雄司と夕里子の夫婦のもとに、謎めいた日記が届く。それは雄司の祖父の兄で、太平洋戦争末期に戦死したとされる久喜貞市の遺品だった。日記には異様なほどの生への執着が記され、最後のページには「ヒクイドリ、クイタイ」という文字がつづられていた。その日を境に、墓石の損壊や祖父の失踪など、雄司と夕里子のまわりで不可解な出来事が起こり始める。2人は夕里子の大学時代の先輩で、怪異現象に造詣が深い北斗総一郎に、不可解な現象の解明を依頼する。しかし、存在しないはずの過去が現実を侵食していき、彼らはやがて驚愕の真相にたどり着くが……。

主人公の雄司役を水上、雄司の妻・夕里子役を山下が務め、彼らとともに怪異に対峙することになる、どこか怪しく危険な空気をまとわせた男・北斗を宮舘が演じる。そのほかの共演に森田望智、吉澤健、豊田裕大、麻生祐未。脚本は「ラーゲリより愛を込めて」「ディア・ファミリー」などの林民夫が手がけた。

新宿界隈で3本ハシゴの1本目。この作品は、劇場で一度も予告を観ることがなかった。謎だ。林民夫脚本、木下克秀監督という、破綻しないはずの布陣で『なぜこうなっちまった?』感満点の珍妙な映画。配信でも観る必要もない、時間の無駄なる一品。予告はあえて流さなかったのかもしれないと勘繰ってしまう。

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2025-324M 「プラハの春 不屈のラジオ報道」☆☆☆★

Spurahanoharuradil原題:Vlny
邦題:プラハの春 不屈のラジオ報道
時間:131分
公開:2025-12-12
製作年度:2024
製作国:チェコ・スロバキア
配給:アットエンタテインメント
製作総指揮:
製作:
監督:イジー・マードル
脚本:イジー・マードル
原作:
撮影:マルティン・ジアラン
音楽:
出演:ポイチェフ・ボドホツキー、スタニスラフ・マイエル、タチアナ・バウホーフォバー、おんどれい・すとぅぷかい、マリカ・ソポスカー、ヤン・ネドバル

1968年にチェコスロバキアで起こった民主化運動「プラハの春」で、市民に真実を伝え続けたラジオ局員たちの奮闘を、実話をもとに描いたドラマ。

社会主義国家の政府による検閲に抵抗し、自由な報道を目指して活動しているチェコスロバキア国営ラジオ局の国際報道部。中央通信局で働くトマーシュは、上司からの命令により報道部で働くことになる。それは、学生運動に参加している弟パーヤを見逃す代わりに、報道部と同部長のヴァイナーを監視する国家保安部への協力を強いるものだった。やがて報道部で信頼を得たトマーシュは、さまざまな仕事を任せられるようになる。真実を報道しようとするヴァイナーや局員たちの真摯な姿勢に触れ、弟への思いと良心の呵責との間で葛藤するトマーシュ。そんな中、民主化運動による「プラハの春」が訪れる。国民が歓喜する中、中央通信局に呼ばれたトマーシュは、驚くべきある内容をラジオで報道するよう命じられる。

チェコ本国で年間興行成績および動員数1位となる大ヒットを記録し、チェコとスロバキア両国の映画賞で多数の賞を受賞。第97回アカデミー賞国際長編映画部門のチェコ代表作品にも選出された。

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2025-323M 「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」☆☆☆★★

Snetaniyaf原題:The Bibi Files
邦題:ネタニヤフ調書 汚職と戦争
時間:115分
公開:2025-11-08
製作年度:2024
製作国:イスラエル・アメリカ
配給:トランスフォーマー
製作総指揮:エリン・エデイケン リチャード・ペレロ リン・デイビス・リア マリア・ローガン ジム・スウォーツ ジェマイマ・カーン・ゴールドスミス ニック・シュメイカー
製作:アレックス・ギブニー アレクシス・ブルーム カーラ・エルバーソン
監督:アレクシス・ブルーム
音楽:ウィル・ベイツ
出演:

強硬的な政治姿勢で物議を醸すベンヤミン・ネタニヤフ。彼は在任中に刑事起訴された史上初のイスラエル首相であり、2017年、彼の汚職捜査の過程で秘密裏に制作チームにリークされた未公開の警察尋問映像には、メディアや財界との贈答や利益供与の実態が記録されていた──。
イスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフ自らが公開中止を求めて訴訟を起こそうとした衝撃のドキュメンタリー映画『The Bibi Files』が、邦題を『ネタニヤフ調書 汚職と戦争』として11月8日(土)より緊急公開される.

11月封切予定。これは凄い。アメリカとイスラエルの製作映画なのだが、イスラエルで公開禁止となったのはさもありなん。これほどの映像が流出してしまう状況は、そうとうイスラエル国内がイカれてきてると思われる。

 

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2025-322M 「殺し屋のプロット」☆☆☆★★

Sknoxgoesaway原題:Knox Goes Away
邦題:殺し屋のプロット
時間:115分
公開:2025-12-05
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:カーター・スタントン グレゴリー・ポイリアー ウェイン・カルモナ ウィリアム・V・ブロミリー シャナン・ベッカー ジョナサン・サバ ネス・サバン ローランド・リチャードソン スコット・レイク ニック・ブラスコ エリック・ロンドン アリ・ジャザイェリ デビッド・ジェンドロン マイケル・ハンセン ビビアナ・ザラゴイシャ
製作:トレバー・マシューズ ニック・ゴードン マイケル・シュガー マイケル・キートン
監督:マイケル・キートン
脚本:グレゴリー・ポイリアー
原作:
撮影:マーシャル・アダムス
音楽:アレックス・ヘッフェス
出演:マイケル・キートン、ジェームズ・マースデン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、アル・パチーノ

マイケル・キートンが監督・主演・製作を務め、記憶を失いつつある老ヒットマンが完全犯罪に挑む姿を描いた犯罪ノワール。

2つの博士号を持ち、元陸軍偵察部隊の将校という異色の経歴を持つ殺し屋ジョン・ノックス。ある日、急速に記憶を失う病により、数週間以内にすべてを忘れてしまうという宣告を受けた彼は、殺し屋稼業に終止符を打つ決意を固める。ところがその矢先、長年絶縁状態だった息子のマイルズが現れる。マイルズは娘をレイプした男を殺したことを告白し、その殺人の罪を隠してほしいと涙ながらに懇願してくる。ノックスは息子のため、刻一刻と記憶を失う中で、人生最後の完全犯罪に挑む。

主人公ノックス役をキートンが演じるほか、ノックスの盟友ゼイヴィア役を名優アル・パチーノ、元妻のルビー役を「ポロック 2人だけのアトリエ」でアカデミー賞を受賞したマーシャ・ゲイ・ハーデン、息子のマイルズ役を「X-MEN」シリーズのジェームズ・マースデンがそれぞれ演じる。


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