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2025-211M 「ブラックバッグ」☆☆☆★★

Sblack_bag原題:Black Bag
邦題:ブラックバッグ
時間:94分
公開:2025-09-26
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:パルコ
製作総指揮:デビッド・コープ
製作:ケイシー・シルバー グレゴリー・ジェイコブズ
監督:スティーブン・ソダーバーグ
脚本:デビッド・コープ
原作:
撮影:ピーター・アンドリュース
音楽:デビッド・ホームズ
出演:ケイト・ブランシェット、マイケル・ファスベンダー、マリサ・アベラ、トム・バーク、ナオミ・ハリス、レゲ=ジャン・ペイジ、ピアース・ブロスナン

なかなかハードボイルドな「熱量」より「冷凍力」が強いかな。ソダーバーグ監督のシニカルな人間不信芸風を強調したようなスパイもの。魅せるなあ。

 

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2025-210M 「F1(R) エフワン」☆☆☆★★★

Sf1原題:F1: The Movie
邦題:F1(R) エフワン
時間:155分
公開:2025-06-27
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:ダニエル・ルピ
製作:ジェリー・ブラッカイマー ジョセフ・コシンスキー ルイス・ハミルトン ブラッド・ピット ジェレミー・クライナー デデ・ガードナー チャド・オマン
監督:ジョセフ・コシンスキー
脚本:アーレン・クルーガー
原作:
撮影:クラウディオ・ミランダ
音楽:ハンス・ジマー
出演:ブラッド・ピット(ソニー・ヘイズ)、ダムソン・イドリス(ジョシュア・ピアス)、ケリー・コンドン(ケイト・マッケンナ)、ハビエル・バルデム(ルーベン・セルバンテス)

モータースポーツの最高峰である「F1(R)」に挑むレーサーたちの姿を、ブラッド・ピット主演で描いたエンタテインメント大作。監督のジョセフ・コシンスキー、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー、脚本のアーレン・クルーガーら「トップガン マーヴェリック」を手がけたスタッフが集い、F1(R)の全面協力を得て、グランプリ開催中の本物のサーキットコースを使って撮影を敢行。世界チャンピオンにも輝いた現役F1(R)ドライバーのルイス・ハミルトンもプロデューサーとして参加している。

かつて世界にその名をとどろかせた伝説的なカリスマF1(R)ドライバーのソニーは、最下位に沈むF1(R)チーム「エイペックス」の代表であり、かつてのチームメイトでもあるルーベンの誘いを受け、現役復帰を果たす。常識破りなソニーの振る舞いに、チームメイトである新人ドライバーのジョシュアやチームメンバーは困惑し、たびたび衝突を繰り返すが、次第にソニーの圧倒的な才能と実力に導かれていく。ソニーはチームとともに過酷な試練を乗り越え、並み居る強敵を相手に命懸けで頂点を目指していく。

主人公ソニーをブラッド・ピットが演じ、ドラマ「スノーフォール」で注目を集め、プラダのブランドアンバサダーも務める若手俳優のダムソン・イドリスが、ソニーのチームメイトでルーキーF1(R)レーサーのジョシュア役を担当。チームを支えるピットクルーのリーダー、ケイト役を「イニシェリン島の精霊」のケリー・コンドン、ソニーをF1(R)の世界に呼び戻すチームの代表ルーベン役はハビエル・バルデムが務めた。

レース映画は大画面の迫力が必要。というのは、その昔父親に連れて行かれた、テアトル東京のシネラマで「グラン・プリ」を観た時の刷り込み。で、今回も勿論IMAXのチョイスとなる。数年後には「フォーミュラ・ワン」もあったな。
ともあれ、2時間半、十分に堪能した。ストーリーラインは王道の、老兵と新兵の出会い、葛藤、反発、理解、融和、勝利というシンプルな流れ。あとは、レースの迫力を楽しむ。で、IMAXだったというわけだ。こんなもの、配信なんかで観てはいけない。

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2025-209M 「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」☆☆☆

Slupin3ketsuzoku 邦題:LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族
時間:分
公開:2025-06-27
製作年度:2025
製作国:日本
配給:TOHO NEXT
製作総指揮:
製作:
監督:小池健
脚本:高橋悠也
原作:モンキー・パンチ
撮影:
音楽:ジェイムス下地
出演:栗田貫一(ルパン三世)、大塚明夫(次元大介)、浪川大輔(石川五ェ門)、沢城みゆき(沢城みゆき)、山寺宏一(銭形警部)、片岡愛之助(ムオム)、森川葵(サリファ)、鈴木もぐら(ルウオ)、水川かたまり(フウア)

モンキー・パンチ原作の人気アニメ「ルパン三世」シリーズの劇場版。ハードボイルドな作風とスタイリッシュな演出で知られる小池健監督による「LUPIN THE IIIRD」シリーズの劇場版で、「ルパン三世」シリーズとしては、1996年に公開された「ルパン三世 DEAD OR ALIVE」以来となる2D劇場版アニメーションの完全新作。

ルパン三世と仲間たちは、彼らに刺客を送り続けてきた黒幕の正体と隠された莫大な財宝を暴き出すため、世界地図に存在しない島を目指す。しかし島に近づいたとき、乗っていた飛行機が何者かに狙撃され、撃墜されてしまう。一行が不時着したその島は、朽ち果てた兵器や核ミサイルが山のように積まれ、かつて兵器として使われ捨てられた“ゴミ人間”たちが徘徊する、まるで世界の終わりのような場所だった。霧に覆われたその島には、24時間以内に死をもたらす毒が充満し、逃げ場はない。島を支配する謎の男ムオムは“不老不死”を掲げ、選別と排除によって世界の支配をもくろんでいた。銃も刀も通じない“死なない敵”を前に、ルパンは過去と誇り、そして盗人としての矜持を懸け、知略を尽くした戦いに挑む。

ルパン三世役の栗田貫一、次元大介役の大塚明夫、石川五ェ門役の浪川大輔、峰不二子役の沢城みゆき、銭形警部役の山寺宏一らレギュラーキャストに加え、不死身の男ムオム役で片岡愛之助、ムオムに仕える謎の少女サリファ役で森川葵がゲスト声優として参加。主題歌は「B'z」による書き下ろしの新曲「The IIIRD Eye」。

久しぶりの劇場版ルパン三世。しかし何故だろう、英語表記なのは。という疑問を作品は解決してくれるのか?それともカッコ付けだけなのか?キービジュアルの作画が令和風にしてるのか?というより、小池監督版の本作は、昭和生まれにとっては『マルチバースのルパン三世』なのだな。

 

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2025-208M 「親友かよ」☆☆☆★

Sshinyukayo原題:Not Friends
邦題:親友かよ
時間:130分
公開:2025-06-13
製作年度:2023
製作国:タイ
配給:インターフィルム
製作総指揮:ジナー・オーソットシン ブッサバー・ダオルアン パイプーン・ダムロンチャイタム アモーン・ニンテープ
製作:ワンリディー・ポンシティサック バズ・プーンピリヤ
監督:アッター・ヘムワディー
脚本:アッター・ヘムワディー
原作:
撮影:パシット・タンデチャヌラット
音楽:ウィチャヤー・ワタナサップ
出演:アンソニー・ブイサレート、ピシットポン・エークポンピシット、ティティヤー・ジラポーンシン

映画づくりを通して成長していく高校生たちのかけがえのない日々をつづったタイ発の青春ドラマ。

高校3年生のペーは転校先の学校で人懐っこいジョーと隣の席になるが、ジョーは不慮の事故で亡くなってしまう。ペーはジョーの遺品の中に彼が書いたエッセイを見つけ、それがコンテストで受賞していたことを知る。ある日、短編映画のコンテストに入賞すれば学科試験なしで大学の映画学科に入学できると知ったペーは、自分はジョーの親友だと偽り、ジョーのエッセイを利用して彼を偲ぶ短編映画を制作することに。ジョーの本当の親友であるボーケーや映画オタクたちも加わり、学校全体を巻き込んで映画撮影が進んでいくが、やがてペーはジョーの思いがけない秘密を知る。

「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」のアンソニー・ブイサレートとティティヤー・ジラポーンシンが再共演を果たした。「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」のバズ・プーンピリヤ監督が製作を手がけ、CMやMVを手がけてきたアッター・ヘムワディー監督が長編映画初メガホンをとった。

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2025-207M 「突然、君がいなくなって」☆☆☆★

Stotsuzenkimigainaku原題:When the Light Breaks
邦題:原題:When the Light Breaks
邦題:突然、君がいなくなって
時間:80分
公開:2025-06-20
製作年度:2024
製作国:アイスランド・オランダ・クロアチア・フランス
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:クラウディア・ハウスフェルド リリャ・オスク・スノラドッティル ソルズル・ヨンソン
製作:ヘザー・ミラード ルーナ・ルーナソン
監督:ルーナ・ルーナソン
脚本:ルーナ・ルーナソン
原作:
撮影:ソフィーア・オルソン
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:エリン・ハル(ウナ)、ミカエル・コーバー(グンニ)、カトラ・ニャルスドッティル(クララ)、バルドゥル・エイナルソン(ディッディ)、アゥグスト・ウィグム(バッシ)、グンナル・フラプン・クリスチャンソン(シッギ)

最愛の人を失いながらも、その悲しみを誰にも打ち明けられない女性が行き場のない気持ちに翻弄される姿を描いた、アイスランド製の人間ドラマ。

レイキャビクの美術大学に通うウナには、ディッディという大切な恋人がいる。しかし彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人クララがいるため、ウナとの関係は周囲に隠している。ある日、ディッディはクララに別れを告げにいくと家を出るが、その途中で事故に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、愛する人を失った悲しみをひとり抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れる。

短編映画「Two Birds」がアカデミー賞にノミネートされるなど世界的に注目を集めるアイスランドの俊英ルーナ・ルーナソンが監督・脚本を手がけ、誰もが経験しうる身近な人の不在、そして集団のなかにおける個と個のはかなくも美しいつながりを真っすぐに描き出す。エリーン・ハットルが主人公ウナを繊細かつ力強く演じ、第75回ベルリン国際映画祭でヨーロッパ・シューティングスター賞を受賞。第77回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門のオープニング作品として上映された。


時間:80分
公開:2025-06-20
製作年度:2024
製作国:アイスランド・オランダ・クロアチア・フランス
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:クラウディア・ハウスフェルド リリャ・オスク・スノラドッティル ソルズル・ヨンソン
製作:ヘザー・ミラード ルーナ・ルーナソン
監督:ルーナ・ルーナソン
脚本:ルーナ・ルーナソン
原作:
撮影:ソフィーア・オルソン
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演:エリン・ハル(ウナ)、ミカエル・コーバー(グンニ)、カトラ・ニャルスドッティル(クララ)、バルドゥル・エイナルソン(ディッディ)、アゥグスト・ウィグム(バッシ)、グンナル・フラプン・クリスチャンソン(シッギ)

最愛の人を失いながらも、その悲しみを誰にも打ち明けられない女性が行き場のない気持ちに翻弄される姿を描いた、アイスランド製の人間ドラマ。

レイキャビクの美術大学に通うウナには、ディッディという大切な恋人がいる。しかし彼には遠距離恋愛をしている長年の恋人クララがいるため、ウナとの関係は周囲に隠している。ある日、ディッディはクララに別れを告げにいくと家を出るが、その途中で事故に巻き込まれ帰らぬ人となってしまう。誰にも真実を語ることができないまま、愛する人を失った悲しみをひとり抱えるウナの前に、何も知らないクララが現れる。

短編映画「Two Birds」がアカデミー賞にノミネートされるなど世界的に注目を集めるアイスランドの俊英ルーナ・ルーナソンが監督・脚本を手がけ、誰もが経験しうる身近な人の不在、そして集団のなかにおける個と個のはかなくも美しいつながりを真っすぐに描き出す。エリーン・ハットルが主人公ウナを繊細かつ力強く演じ、第75回ベルリン国際映画祭でヨーロッパ・シューティングスター賞を受賞。第77回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門のオープニング作品として上映された。

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2025-206M 「年少日記」☆☆☆★

Snenshonikki 原題:年少日記 Times Still Turns the Pages
邦題:年少日記
時間:95分
公開:2025-06-06
製作年度:2023
製作国:香港
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:
監督:ニック・チェク
脚本:ニック・チェク
原作:
撮影:
音楽:
出演:ロー・ジャンイップ、ロナルド・チェン、ショーン・ウォン

痛みと後悔を抱える高校教師が少年時代の日記をきっかけに記憶をたどっていく姿を通し、苛烈な競争社会における子どもたちの痛切な現実を浮き彫りにした香港発のドラマ。

高校教師のチェンが勤める学校で、自殺をほのめかす遺書が見つかった。そこに記されていた「私はどうでもいい存在だ」という言葉は、少年時代のチェンが日記につづったものと同じだった。遺書を書いた生徒を探すなかで、チェンは自身のつらい記憶をよみがえらせていく。厳格な父のもとで育った、出来の悪い兄と優秀な弟。親の期待に応える弟とは違い、勉強もピアノもできない兄はいつも叱られ、しつけという名の体罰を受けていた。家族に疎外感を抱く兄は、日記をつづりながら自分の将来に不安を募らせる。

主演は「ある殺人、落葉のころに」などに出演し、監督・撮影監督としても活躍するロー・ジャンイップ。本作が長編デビューとなるニック・チェク監督が巧みな構成と細やかな表現で描き、2023年・第60回金馬奨にて観客賞と新人監督賞を受賞した。

 

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2025-205M 「ラスト・ブレス」☆☆☆★

Slastbless原題:Last Breath
邦題:ラスト・ブレス
時間:93分
公開:2025-09-26
製作年度:2025
製作国:アメリカ・イギリス
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:ダリル・カッツ クロエ・カッツ ポール・マルカッチョ アレックス・パーキンソン ジョニー・パーシー ダン・クリフトン リチャード・ダ・コスタ ジャレッド・D・アンダーウッド アンドリュー・C・ロビンソン ダニー・マンデル アラステア・バーリンガム ゲイリー・ラスキン ミッチェル・ラフォーチュン
製作:デビッド・ブルックス ポール・ブルックス ハル・サドフ ノーマン・ゴライトリー ジェレミー・プラーガー スチュワート・ル・マレシャル アル・モロウ アナ・モア=ピーチュ
監督:アレックス・パーキンソン
脚本:ミッチェル・ラフォーチュン アレックス・パーキンソン デビッド・ブルックス
原作:
撮影:ニック・レミー・マシューズ
音楽:ポール・レナード=モーガン
出演:ウッディ・ハレルソン、シム・リウ、フィン・コール、クリフ・カーティス

北海の潜水事故から生還した実話の映画化。

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2025-204M 「タンゴの後で」☆☆☆★

Stangonoatode原題:Maria
邦題:タンゴの後で
時間:102分
公開:2025-09-05
製作年度:2024
製作国:フランス
配給:トランスフォーマー
製作総指揮:
製作:
監督:ジェシカ・パルー
脚本:ジェシカ・パルー
原作:
撮影:
音楽:
出演:アナマリア・バルトロメイ、マット・ディロン、ジョゼッペ・マッジョ、イバン。・アタル、マリー・ジラン

大胆な性描写と心理描写が大きな反響を呼んだ1972年のベルナルド・ベルトルッチ監督作「ラストタンゴ・イン・パリ」の舞台裏にあった出演女優の葛藤と怒りを描き、エンタテインメント業界における権力勾配や搾取といった問題に鋭く切り込んだドラマ。

19歳のマリア・シュナイダーは気鋭の若手監督ベルナルド・ベルトルッチと出会い、「ラストタンゴ・イン・パリ」への出演でまたたく間にトップスターに上りつめる。しかし48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンの撮影は彼女に強烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落とすことになる。

ベルトルッチ監督作「ドリーマーズ」でインターンとして働いた経験を持つジェシカ・パルーが監督を務め、マリアのいとこであるジャーナリストのバネッサ・シュナイダーの著作「あなたの名はマリア・シュナイダー:『悲劇の女優』の素顔」をもとに映画化。映画の撮影現場での問題について声をあげた最初の女性の1人であるシュナイダーの波乱に満ちた人生に焦点を当てて描き出す。

「あのこと」のアナマリア・バルトロメイが主人公マリアを演じ、マット・ディロンがマーロン・ブランド役で共演。


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2025-203M 「青春ゲシュタルト崩壊」☆☆☆

Sseigeshu邦題:青春ゲシュタルト崩壊
時間:105分
公開:2025-06-13
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ナカチカピクチャーズ
製作総指揮:加藤幸二郎 中島隆介
製作:長濱薫 小金澤剛康 菊地修一 中村直樹 奥村景二 佐藤康文
監督:鯨岡弘識
脚本:三浦希紗
原作:丸井とまと
撮影:玉田詠空
音楽:牧戸太郎
出演:佐藤新(朝比奈聖)、渡邉美穂(間宮朝葉)、田辺桃子(金守杏里)、新井美羽(中条月加)、水橋研二(桑野仁)、濱田龍臣(間宮夕利)、藤本洸大(山下祈)、河村ここあ、福室莉音、愛来、戸田菜穂(間宮葉子)、瀬戸朝香(雨村叶乃)

アイドルグループ「IMP.」の佐藤新と「あたしの!」の渡邉美穂がそれぞれ主演を務め、丸井とまとの同名青春小説を実写映画化。個性を押し殺しすぎて自分の顔が認識できなくなる「青年期失顔症」になった少女が、新たな出会いを通して成長していく姿を描く。

高校2年生の間宮朝葉は青年期失顔症を発症するが、その事実を周囲に知られることを恐れ、1人で悩んでいた。そんな彼女の異変に唯一気づいたのは、派手な見た目と乱暴な態度で教師から目をつけられている同級生・朝比奈聖だった。朝葉は聖に振り回されながらも、少しずつ自分自身を見つめ直していく。一方の聖も彼女と一緒に過ごすうちに、ずっと抱えていた“あること”と向きあうようになる。

朝葉と聖が通う高校の保健室の先生役で瀬戸朝香、朝葉が所属する女子バスケットボール部の顧問役で水橋研二、朝葉の母役で戸田菜穂、兄役で濱田龍臣が共演。「顔だけじゃ好きになりません」の三浦希紗が脚本を手がけ、「終点は海」「Kay」などの短編作品で知られる鯨岡弘識が監督を務めた。

妙にレビュー評価が良いのでチェックの邦画。元職(映像事業担当常務)のテレビ東京メディアネットの出資作品。

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2025-202M 「罪人たち」☆☆☆★★

Sainintachi原題:Sinners
邦題:罪人たち
時間:137分
公開:2025-06-20
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:ルドウィグ・ゴランソン ウィル・グリーンフィールド レベッカ・チョー
製作:ジンジ・クーグラー セブ・オハニアン ライアン・クーグラー
監督:ライアン・クーグラー
脚本:ライアン・クーグラー
原作:
撮影:オータム・デュラルド・アーカポー
音楽:ルドウィグ・ゴランソン
出演:マイケル・B・ジョーダン、ヘイリー・スタインフェルド、マイルズ・ケイトン、ジャック・オコンネル、ウンミ・モサク、ジェイミー・ローソン、オマー・ベンソン・ミラー、デルロイ・リンドー

「ブラックパンサー」「クリード チャンプを継ぐ男」のライアン・クーグラー監督が、これまでの長編作品でも数多くタッグを組んできたマイケル・B・ジョーダンを主演に迎えて描いたサバイバルスリラー。

1930年代、信仰深い人々が暮らすアメリカ南部の田舎町。双子の兄弟スモークとスタックは、かつての故郷であるこの地で一獲千金を狙い、当時禁止されていた酒や音楽を振る舞うダンスホールを開店する。オープン初日の夜、欲望が渦巻く宴に多くの客が熱狂するが、招かれざる者たちの出現により事態は一変。ダンスホールは理不尽な絶望に飲み込まれ、人知を超えた者たちの狂乱の夜が幕を開ける。

主人公の双子をジョーダンが1人2役で演じ、「バンブルビー」のヘイリー・スタインフェルド、「フェラーリ」のジャック・オコンネル、「ザ・ファイブ・ブラッズ」のデルロイ・リンドーが共演。クーグラー監督が脚本・製作も務め、スタッフにも美術デザイナーのハンナ・ビークラー、作曲家のルドウィグ・ゴランソン、衣装デザイナーのルース・ E・カーターら「ブラックパンサー」のチームが再結集した。

なんの前知識もなく選択した本作。1930年代のアメリカ南部を舞台にした、驚愕のヴァンパイアものだった。しかもブルース音楽が復活させちまうという世界観。その後の阿鼻叫喚ぶりはタランティーノの香りさえする。よくできた三題噺のように、なかなか牽引力あるシナリオで、今年の拾い物の一本だ。黒人映画だし、ヴァンパイアだし、監督や出演もほぼマニア好みで、日本じゃ公開されたことが奇跡かもね。

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2025-201M 「ルノワール」☆☆☆★

Srenoir邦題:ルノワール
時間:122分
公開:2025-06-20
製作年度:2025
製作国:日本・フランス・シンガポール・フィリピン
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:小西啓介 水野詠子 國實瑞恵 木下昌秀 小林栄太朗 ジョセット・カンポ=アタイデ マリア・ソフィア・アタイデ=マルード フラン・ボルジア
製作:水野詠子 ジェイソン・グレイ 小西啓介 クリストフ・ブリュンシェ フラン・ボルジア
監督:早川千絵
脚本:早川千絵
原作:
撮影:浦田秀穂
音楽:レミ・ブーバル
出演:鈴木唯(沖田フキ)、石田ひかり(沖田詩子)、中島歩(御前崎透)、河合優実(北久里子)、坂東龍汰(濱野薫)、リリー・フランキー(沖田圭司)、Hana Hope、高梨琴乃、西原亜希、谷川昭一朗、宮下今日子、中村恩恵

長編初監督作「PLAN 75」が第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門でカメラドール(新人監督賞)の次点に選ばれるなど、国内外で高い評価を得た早川千絵監督の長編監督第2作。日本がバブル経済のただ中にあった1980年代後半の夏を舞台に、闘病中の父と、仕事に追われる母と暮らす11歳の少女フキの物語を描く。2025年・第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、早川監督にとってデビューから2作連続でのカンヌ映画祭出品となった。

1980年代後半。11歳の少女フキは、両親と3人で郊外の家に暮らしている。ときに大人たちを戸惑わせるほどの豊かな感受性を持つ彼女は、得意の想像力を膨らませながら、自由気ままに過ごしていた。そんなフキにとって、ときどき覗き見る大人の世界は、複雑な感情が絡み合い、どこか滑稽で刺激的だった。しかし、闘病中の父と、仕事に追われる母の間にはいつしか大きな溝が生まれていき、フキの日常も否応なしに揺らいでいく。

マイペースで想像力豊かなフキが空想にふけりながらも、周囲の大人たちの人生に触れていく様子を通して、人生のままならなさや人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアをもって描く。フキ役はオーディションで選出され、撮影時は役柄同様に11歳だった鈴木唯。フキの母・詩子を石田ひかり、父・圭司をリリー・フランキーが演じるほか、中島歩、河合優実、坂東龍汰らが顔をそろえた。

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2025-20M 「国宝」☆☆☆☆

Skokuho_20250624063101邦題:国宝
時間:175分
公開:2025-06-06
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:岩上敦宏 伊藤伸彦 荒木宏幸 市川南 渡辺章仁 松橋真三
監督:李相日
脚本:奥寺佐渡子
原作:吉田修一
撮影:ソフィアン・エル・ファニ
音楽:原摩利彦
出演:吉沢亮(立花喜久雄)、横浜流星(大垣俊介)、高畑充希(福田春江)、寺島しのぶ(大垣幸子)、森七菜(彰子)、三浦貴大(竹野)、見上愛(藤駒)、黒川想矢(少年・喜久雄)、越山敬達(少年・俊介)、永瀬正敏(立花権五郎)、嶋田久作(梅木)、宮澤エマ(立花マツ)、中村鴈治郎(吾妻千五郎)、田中泯(小野川万菊)、渡辺謙(花井半二郎)

二回目の鑑賞。TOHO渋谷。

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2025-199M 「脱走」☆☆☆★

Sdasso原題:Escape
邦題:脱走
時間:94分
公開:2025-06-20
製作年度:2024
製作国:韓国
配給:ツイン
製作総指揮:
製作:パク・ウンギョン
監督:イ・ジョンピル
脚本:クァク・ソンフル キム・ウグン
原作:
撮影:キム・ソンアン
音楽:タル・パラン
出演:イ・ジェフン、ク・ギョファン、ホン・サビン、ソン・ガン

2日間という限られた時間のなかで命懸けの脱北に挑む軍人の闘いを、緊迫感たっぷりに活写した韓国映画。

軍事境界線を警備する北朝鮮の部隊。もうすぐ兵役を終える軍曹ギュナムは韓国への脱走を計画していたが、ついに決行しようとした矢先、部下の下級兵士ドンヒョクに先を越され失敗してしまう。さらにギュナムの幼なじみである保衛部少佐ヒョンサンが、脱走兵ドンヒョクを捕まえた英雄としてギュナムを祭り上げ、前線から平壌へ異動させようとする。タイムリミットがあと2日に迫るなか、ギュナムはヒョンサンの目を盗んで決死の脱出を試みるが、思わぬ困難が立ちはだかる。

テレビドラマ「シグナル」のイ・ジェフンが脱北に挑む主人公ギュナム、Netflixドラマ「D.P. 脱走兵追跡官」のク・ギョファンが彼を追撃する軍少佐ヒョンサンを演じ、「このろくでもない世界で」のホン・サビン、テレビドラマ「ナビレラ それでも蝶は舞う」のソン・ガンが共演。「サムジンカンパニー1995」のイ・ジョンピル監督がメガホンをとった。韓国のシンガーソングライター、Zion.Tが挿入歌を担当。

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2025-198M 「28年後...」☆☆☆★★

S28nengo原題:28 Years Later
邦題:28年後...
時間:115分
公開:2025-06-20
製作年度:2025
製作国:イギリス・アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:キリアン・マーフィ
製作:アンドリュー・マクドナルド ピーター・ライス バーナード・ベリュー ダニー・ボイル アレックス・ガーランド
監督:ダニー・ボイル
脚本:アレックス・ガーランド
原作:
撮影:
音楽:
出演:ジョディ・カマー、アーロン・テイラー=ジョンソン、ジャック・オコンネル、アルフィー・ウィリアムズ、レイフ・ファインズ

人間を凶暴化させるウイルスが蔓延した世界を舞台に繰り広げられる死闘を描いたサバイバルホラー。「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督、「シビル・ウォー アメリカ最後の日」のアレックス・ガーランドによる脚本でスマッシュヒットを記録した第1作「28日後…」、その続編である第2作「28週後…」に続くシリーズ第3作となり、第1作以来ダニー・ボイル監督×脚本アレックス・ガーランドのタッグが復活した。

人間を凶暴化させるウイルスが大都会ロンドンで流出し、多くの死者を出した恐怖のパンデミックから28年後。生き延びるために海を隔てた小さな孤島に逃れた人々は、見張り台を建て、武器を備え、身を潜めて暮らしていた。ある日、島で暮らすジェイミーと、島を一度も出たことのない12歳の息子スパイクは、ある目的のために島の外へと向かい、本土に渡る。彼らはそこで、人間が人間でなくなった感染者だらけの恐怖の世界を目の当たりにする。

「TENET テネット」「クレイヴン・ザ・ハンター」のアーロン・テイラー=ジョンソンがジェイミー役を務め、「教皇選挙」のレイフ・ファインズ、「最後の決闘裁判」のジョディ・カマーらが共演。シリーズ第1作「28日後…」で主人公を演じ、「オッペンハイマー」でアカデミー主演男優賞を受賞した俳優のキリアン・マーフィも製作総指揮として参加した。

なんとなく、忘れた頃に出てくる『28』シリーズ最新作。28日が2002年、28週が2007年。そして本作というわけだ。第一作のダニー・ボイル監督が復活している。
ボイル監督のエグい描写を堪能。それにしても、ほぼ確実に3部作くらいの企画じゃないだろうか。続編を待望しておこう。

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2025-197M 「Mr.ノボカイン」☆☆☆

Smobokain原題:Novocaine
邦題:Mr.ノボカイン
時間:110分
公開:2025-06-20
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
製作総指揮:ポール・バルボー グレン・バスナー ジョシュ・アドラー ラース・ジェイコブソン アリソン・コーエン
製作:ドリュー・サイモン トーリー・タネル ジョビー・ハロルド サム・スパイサー マット・シュワルツ ジュリアン・ローゼンバーグ
監督:ダン・バーク ロバート・オルセン
脚本:ラース・ジェイコブソン
原作:
撮影:ジャック・ジューフレ
音楽:ローン・バルフェ アンドリュー・カフチンスキ
出演:ジャック・クエイド(ネイサン・カイン/ネイト)、アンバー・ミッドサンダー(シェリー)、レイ・ニコルソン(サイモン)、ベッティ・ガブリエル(ミンシー)、マット・ウォルシュ(コルトレーン)、ルー・ベティ・Jr(アール)、エヴァン・ヘンクスト(ベン)、コンラッド・ケンプ(アンドレ)、ジェイコブ・バタロン(ロスコー)

生まれつき全く痛みを感じないが、それ以外には何も特別なものをもたない男が、銀行強盗の人質に取られてしまった恋人を助けるため奮闘する姿を描いたアクションコメディ。

生まれつきどんな痛みも感じない体を持つネイトは、気弱で真面目な銀行員としてごく普通の人生を歩んできた。しかしある日、大切な恋人シェリーが銀行強盗の人質にとられてしまう。“戦闘力ゼロ”のネイトが彼女を助け出すために使える武器は、“痛みゼロ”の特殊な体だけ。生まれて初めて無痛の体が役に立つ時がきたネイトだったが、痛みを感じないというだけで不死身というわけではなく……。

無痛の体を生かして普通ならありえない方法で戦う主人公のネイト役を、デニス・クエイドの息子でテレビシリーズ「ザ・ボーイズ」で知られるジャック・クエイドが務めた。また、ネイトが立ち向かう強盗サイモンにはジャック・ニコルソンの息子レイ・ニコルソンが扮し、大物俳優を父に持つ二世俳優が共演。そのほかの出演は、ネイトの恋人シェリー役に「プレデター ザ・プレイ」のアンバー・ミッドサンダー、ネイトの親友ロスコー役に「スパイダーマン ホームカミング」シリーズのジェイコブ・バタロン。監督は、「ヴィランズ」「ステイク・ランド 戦いの果て」などの作品を手がけてきたダン・バーク&ロバート・オルセン。

肩の凝らなそうなアクションコメディ。この手のタイプ(アメリカンなエモーションでの頭悪そうなコメディ)の映画が日本のマーケットで商売になるのか、予告レベルでは疑問大。まあ、配信レベルのノーネーム作品。メジャーのパラマウントがよく製作したものだ。昔なら日本では、ビデオストレートとなるレベルだ。

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2023-196M 「ヒットマン リサージェンス」☆☆☆★

Shitmanresergence原題:Hitman 2
邦題:ヒットマン リサージェンス
時間:119分
公開:2025-06-13
製作年度:2025
製作国:韓国
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:
製作:
監督:チェ・ウォンソプ
脚本:チェ・ウォンソプ
原作:
撮影:
音楽:
出演:クォン・サンウ、チョン・ジュノ、ファンウ・スルヘ、イ・イギョン、キム・ソンオ、イ・ジウォン、チェ・ジウ

クォン・サンウが元凄腕暗殺者の漫画家を演じた2020年のアクション映画「ヒットマン エージェント:ジュン」の続編。

かつてNIS(大韓民国国家情報院)の暗殺者だった漫画家ジュンは、自分の過去を漫画化した「暗殺要員 ジュン」を大ヒットさせたものの、その後のシリーズは酷評続きで編集長からダメ出しされる日々を送っていた。妻や娘にも愛想を尽かされ窮地に追いこまれた彼は、もしも自分が悪役だったらという視点で漫画を描きネット上に公開するが、その数時間後、漫画の内容を模倣したテロ事件が発生してしまう。当局から事件への関与を疑われたジュンは、愛する家族と祖国を守るべく、再びペンを銃に持ち替え戦いに身を投じていく。

NISの鬼教官ドッキュ役のチョン・ジュノ、ジュンの妻ミナ役のファンウ・スルヘ、エージェント・チョル役のイ・イギョンら前作のキャストに加え、「ソウルの春」のキム・ソンオが主人公ジュンの新たな敵ピエール・ジャン役で出演。さらに、ドラマ「天国の階段」のチェ・ジウがカメオ出演。前作に引き続きチェ・ウォンソプ監督がメガホンをとった。

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2025-195M 「ヒットマン エージェント:ジュン」☆☆☆★

Shitmanjun原題:Hitman: Agent Jun
邦題:ヒットマン エージェント:ジュン
時間:110分
公開:2020-09-25
製作年度:2020
製作国:韓国
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:
製作:
監督:チェ・ウォンソプ
脚本:チェ・ウォンソプ
原作:
撮影:
音楽:
出演:クォン・サンウ(ジュン)、チョン・ジュノ(ドッキュ)、ファンウ・スルヘ、イ・イギョン、イ・ジウォン、ホ・ソンテ

クォ・サンウが元暗殺者の売れない漫画家を演じるアクション。国家情報院に拾われ、暗殺要員として育てられた孤児少年は「ジュン」と名付けられ、またたく間に対テロ保安局のエースとなった。しかし、幼い頃からの夢であった漫画家になる夢を捨てられず、任務中に死を偽装して姿を消す。15年後、ジュンは憧れであった漫画家になったものの、まったく売れずにバイトと妻の稼ぎでなんとか生活をしのぐ日々を送っていた。自暴自棄になったジュンは酔った勢いで暗殺要員時代の国家機密をネタにした漫画を配信し、その漫画が大ヒットしてしまう。しかし、漫画を読んだ国家情報院とテロリストにジュンが生きていたことがバレてしまい、命を狙われる事態となってしまう。

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2025-194M 「レッド・ツェッペリン:ビカミング」☆☆☆★

Sledzep原題:Becoming Led Zeppelin
邦題:レッド・ツェッペリン:ビカミング
時間:121分
公開:2025-09-26
製作年度:2025
製作国:イギリス・アメリカ
配給:ポニーキャニオン
製作総指揮:アレックス・タートルトーブ マイケル・B・クラーク シンシア・ヒューシング デビッド・キステンブローカー デューク・エリクソン サイモン・モラン ジェド・ドハーティ
製作:アリソン・マクガーティ バーナード・マクマホン
監督:バーナード・マクマホン
脚本:バーナード・マクマホン アリソン・マクガーティ
原作:
撮影:
音楽:アリソン・マクガーティ
出演:レッド・ツェッペリン

イギリスのロックバンド「レッド・ツェッペリン」のメンバーが初めて公認したドキュメンタリー。

ギターのジミー・ペイジ、ベース/キーボードのジョン・ポール・ジョーンズ、ドラムスのジョン・ボーナム、ボーカルのロバート・プラントによって1960年代末にイギリスで結成されたレッド・ツェッペリン。1969年リリースのデビューアルバム「レッド・ツェッペリン I」で世界を熱狂させ、約12年間の活動でロックシーンに革命を起こした。その知られざる起源をたどる本作では、1980年に32歳で急逝したジョン・ボーナムの未公開音声をはじめ、メンバーの家族写真やプライベート映像、初期のライブ映像など貴重なアーカイブ素材とともに、オリジナルメンバー自らがバンドの歴史を語る。演奏シーンを部分的ではなく1曲まるごと映し出すことで、当時のライブをリアルタイムで目撃したかのように体感できる。

音楽ドキュメンタリー「アメリカン・エピック」4部作のバーナード・マクマホンが監督を務めた。

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2025-193M 「パトリックとクジラ6000日の絆」☆☆☆★

Spatrick原題:Patrick and the Whale
邦題:パトリックとクジラ6000日の絆
時間:72分
公開:2025-08-29
製作年度:2022
製作国:オーストリア
配給:キングレコード
製作総指揮:ジェームズ・リード アレクサンダー・ナナウ
製作:
監督:マーク・フレッチャ
脚本:
原作:
撮影:ルパート・マーレイ
水中撮影:
ゲイル・ジェンキンソン パトリック・ダイクストラ ロマン・バラッツ
音楽:H・スコット・サリーナス マシュー・アティカス・バーガー
出演:

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2025-192M 「フロントライン」☆☆☆★★★

Sfrontline邦題:フロントライン
時間:129分
公開:2025-06-13
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:
製作:バディ・マリーニ 木下直哉 山本大樹 黒川精一 勝股英夫 弓矢政法 五十嵐淳之
監督:関根光才
脚本:増本淳
原作:
撮影:重森豊太郎
音楽:スティーブン・アーギラ
出演:小栗旬(結城英晴)、松坂桃李(立松信貴)、池松壮亮(真田春人)、森七菜(羽鳥寛子)、桜井ユキ(上野舞衣)、美村里江(河村さくら)、吹越満、光石研(轟)、滝藤賢一(宮田)、窪塚洋介(仙道行義)

日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師や看護師たちの闘いをオリジナル脚本で描いたドラマ。

2020年2月3日、乗客乗員3711名を乗せた豪華客船が横浜港に入港した。香港で下船した乗客1名に新型コロナウイルスの感染が確認されており、船内では100人以上が症状を訴えていた。日本には大規模なウイルス対応を専門とする機関がなく、災害医療専門の医療ボランティア的組織「DMAT」が急きょ出動することに。彼らは治療法不明のウイルスを相手に自らの命を危険にさらしながらも、乗客全員を下船させるまであきらめずに闘い続ける。

対策本部で指揮をとるDMAT指揮官・結城英晴を小栗旬、厚生労働省の役人・立松信貴を松坂桃李、現場で対応にあたるDMAT隊員・真田春人を池松壮亮、医師・仙道行義を窪塚洋介が演じ、森七菜、桜井ユキ、美村里江、吹越満、光石研、滝藤賢一が共演。「劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」の増本淳プロデューサーが企画・脚本・プロデュースを手がけ、「生きてるだけで、愛。」の関根光才が監督を務めた。

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2025-191M 「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」☆☆☆★

Sloveinthebigcity_20250614055501原題:Love in the Big City
邦題:ラブ・イン・ザ・ビッグシティ
時間:118分
公開:2025-06-13
製作年度:2024
製作国:韓国
配給:日活、KDDI
製作総指揮:
製作:
監督:イ・オニ
脚本:
原作:パク・サンヨン
撮影:
音楽:
出演:キム・ゴウン、ノ・サンヒョン、チャン・ヘジン、クァク・ドンヨン、イ・サンイ

映画「破墓 パミョ」やドラマ「トッケビ 君がくれた愛しい日々」で人気のキム・ゴウンと、ドラマ「Pachinko パチンコ」で注目された新鋭俳優ノ・サンヒョンが共演し、“普通”であることになじめない男女が支えあい、生きていく姿を描いたドラマ。

周囲から非難されることも多いが、気高く自由奔放でエネルギッシュなジェヒと、ゲイであることを隠して生きる、繊細で寡黙なフンス。ある時、クラスメイトによってフンスの秘密が暴かれそうになったとき、手を差し伸べたのがジェヒだった。全く正反対の2人は、互いの違いを認め合い、ルームシェアをしながらかけがえのない学生生活を送っていく。世間のルールに縛られず、恋愛や夜遊びなども全力で楽しみながら生きるジェヒに刺激され、閉じこもっていたフンスも徐々に外の世界へと踏み出していく。そんな2人の関係は、大学を卒業してそれぞれの道に進んでも、変わらないはずだった。しかし、社会に出た2人に大きな転機が訪れ、思いがけないかたちで友情が試されることになる。

国際ブッカー賞やダブリン文学賞といった国際的な文学賞にもノミネートされた、韓国の作家パク・サンヨンの連作小説「大都会の愛し方」に収録されている「ジェヒ」を原作に、「アメノナカノ青空」「女は冷たい嘘をつく」のイ・オニ監督がメガホンをとった。

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2025-190M 「JUNK WORLD」☆☆☆★★

Sjunkworld邦題:JUNK WORLD
時間:105分
公開:2025-06-13
製作年度:2025
製作国:日本
配給:アニプレックス
製作総指揮:
製作:堀貴秀
監督:堀貴秀
脚本:堀貴秀
原作:堀貴秀
撮影:堀貴秀
音楽:堀貴秀
出演:堀貴秀

独学で映画づくりを学んだ堀貴秀監督が個人制作で完成させ、ファンタジア国際映画祭最優秀長編アニメーション賞をはじめ数々の賞に輝いたSFストップモーションアニメ映画「JUNK HEAD」のシリーズ第2弾。堀監督が約3年かけて制作し、前作より1042年前の壮大で複雑な地下世界を舞台に、前作ではパートンという名前で登場したロボットのロビンの奮闘を描く。

はるか昔、人類は地上の生息域減少により地下開発を進め、その労働力として人工生命体マリガンを創造した。しかしマリガンは自らのクローンを増やして人類に反乱。第3次停戦協定から230年後の世界では、人類は地上に留まり、地球規模に広がった地下世界をマリガンが支配していた。そんな中、地下世界に異変が起こり、人間とマリガンによる調査チームが派遣される。女性隊長トリス率いる人間チームと、クローンのオリジナルであるダンテ率いるマリガンチームは、ともに地下都市カープバールを目指す途中で、マリガンのカルト教団「ギュラ教」に襲撃される。彼らの標的は、希少種とされる人間の女性トリスだった。調査チームは激しい攻防のなかで次元の歪みを発見し、トリスの護衛を務めるロボットのロビンは彼女を守るため、次元を超えた作戦に乗りだす。

カルトな話題で単館系スクリーンで上映されていた『JUNK HEAD』の第二弾。1000年も前の世界を舞台にしているという。前作の熱狂的評判が高じて、けっこうメジャー扱いされた興行となっている。客の入りも良さそうだ。JUNK三部作の構想で、次回が最終章となるようだ。

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2025-189M 「ドールハウス」☆☆☆

邦題:Sdollhouse_20250614055501
時間:110分
公開:2025-06-13
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:市川南 上田太地
監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
原作:矢口史靖
撮影:高木風太
音楽:小島裕規“Yaffle”
出演:長澤まさみ(鈴木佳恵)、瀬戸康史(鈴木忠彦)、田中哲司(神田)、池村碧彩(鈴木真衣)、本田都々花(鈴木芽衣)、今野浩喜、西田尚美、品川徹、安田顕(山本)、風吹ジュン(鈴木敏子)

「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖監督が長澤まさみを主演に迎え、亡き娘に似た人形に翻弄される家族の恐怖をオリジナル脚本で描いたミステリー映画。

5歳の娘・芽衣を事故で亡くした鈴木佳恵と看護師の夫・忠彦。悲しみに暮れる日々を過ごしていた佳恵は、骨董市で芽衣に似たかわいらしい人形を見つけて購入し、我が子のように愛情を注ぐことで元気を取り戻していく。しかし佳恵と忠彦の間に新たな娘・真衣が生まれると、2人は人形に見向きもしなくなる。やがて、5歳に成長した真衣が人形と遊びはじめると、一家に奇妙な出来事が次々と起こるように。人形を手放そうとしたものの、捨てても供養に出してもなぜか戻ってきてしまう。佳恵と忠彦は専門家の助けを借りながら、人形に隠された秘密を解き明かしていくが……。

佳恵とともに人形の謎に迫る夫・忠彦を瀬戸康史、佳恵と忠彦の前に現れる呪禁師・神田を田中哲司、私服警官・山本を安田顕、忠彦の母・敏子を風吹ジュンが演じる。

『目的達成型の群像劇コメディ』の名手と評価している、矢口史靖監督の久しぶりの作品。なんとホラーらしい。がしかし、語り古された壱岐人形ホラーを新しいストーリーに放り込んでも、新味は出ないという失敗。

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2025-188M 「ザ・コンサルタント2」☆☆☆★

Sconsal2原題:The Accountant 2
邦題:ザ・コンサルタント2
時間:124分
公開:2025-06-05
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:Amazon Prime Video
製作総指揮:ギャビン・オコナー スコット・ラステティ ジェイミー・パトリコフ マット・デイモン マイケル・ジョー ケビン・ハローラン ダニ・バーンフェルド アリソン・ウィンター
製作:ベン・アフレック リネット・ハウエル・テイラー マーク・ウィリアムズ
監督:ギャビン・オコナー
脚本:ビル・ドゥビューク
原作:
撮影:シーマス・マッガーベイ
音楽:ブライス・デスナー
出演:ベン・アフレック、ジョン・バーンサル、シンシア・アダイ=ロビンソン 、 J・K・シモンズ

ベン・アフレックが主演を務め、天才的頭脳を持つ凄腕スナイパーで会計士のクリスチャン・ウルフが活躍するアクションサスペンス「ザ・コンサルタント」のシリーズ第2作。

世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る会計士であり、命中率100%のスナイパーという顔も持つクリスチャン・ウルフ。ある時、旧知の男が殺され、その腕に「会計士を探せ」という謎めいたメッセージが残されていたことから、ウルフは事件に巻き込まれていく。事件解決のために、より極端な手段が必要だと判断したウルフは、疎遠になっていた危険な弟ブラクストンに協力を要請する。米国財務省のメリーベス・メディナ副長官と協力し、彼らは巨大な悪の陰謀を暴こうとするが、その秘密を封印するために手段を選ばない冷酷な殺し屋たちの標的となってしまう。

ベン・アフレックは前作に続き、主演と製作を兼任。盟友マット・デイモンが製作総指揮を務めた。そのほか、監督・製作総指揮のギャビン・オコナー、脚本のビル・ドゥビューク、製作のマーク・ウィリアムズら主要スタッフも前作から続投。キャストも、ウルフの弟ブラクストン役のジョン・バーンサルはじめ、シンシア・アダイ=ロビンソン、J・K・シモンズらが引き続き出演。Amazon Prime Videoで2025年6月5日から配信。

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2025-187M 「九龍ジェネリックロマンス」☆☆☆

Skuroon邦題:九龍ジェネリックロマンス
時間:117分
公開:2025-08
製作年度:2025
製作国:日本
配給:バンダイナムコフィルムワークス
製作総指揮:
製作:
監督:池田千尋
脚本:和田清人 池田千尋
原作:眉月じゅん
撮影:
音楽:小山絵里奈
出演:吉岡里帆、水上恒司、柳俊太郎、梅澤美波、フィガロ・ツェン、花瀬琴音、竜星涼

『恋は雨上がりのように』シリーズの原作などで知られる眉月じゅんの漫画を実写映画化。香港の九龍を舞台に、不動産会社で働く男女が織り成す恋愛模様を描く。『君は放課後インソムニア』などの池田千尋がメガホンを取り、『夜明けのすべて』などの和田清人が池田監督と共同で脚本を担当。『ハケンアニメ!』などの吉岡里帆と『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』などの水上恒司が主演を務めるほか、柳俊太郎、梅澤美波、竜星涼らが共演する。
香港の九龍にある不動産会社で働く鯨井令子(吉岡里帆)は、職場の先輩・工藤発(水上恒司)にひそかに思いを寄せていた。街を知り尽くしている彼は令子をあちこち連れ出してくれるが、二人の間の距離は一向に縮まらない。あるとき令子は、発と立ち寄った喫茶店の店員タオ・グエン(柳俊太郎)から発の恋人に間違われる。さらに偶然見つけた一枚の写真には、発に寄り添う自分と全く同じ容姿の女性が写っていた。

テレビ東京出資作品。

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2025-186M 「ぶぶ漬けどうどす」☆☆☆

Sbubuduke邦題:ぶぶ漬けどうどす
時間:96分
公開:2025-06-06
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東京テアトル
製作総指揮:
製作:清水伸司 太田和宏 佐藤央
監督:冨永昌敬
脚本:アサダアツシ
原作:
撮影:蔦井孝洋
音楽:高良久美子 芳垣安洋
出演:深川麻衣(澁澤まどか)、小野寺ずる(安西莉子)、片岡礼子(竹田梓)、大友律(澁澤真理央)、若葉竜也(中村航)、山下知子、森レイ子、幸野紘子、守屋えみ、尾本貴史、遠藤隆太、松尾貴史(澁澤達雄)、豊原功補(上田太郎)、室井滋(澁澤環)

古都・京都を舞台に、京都愛の強すぎる女性が引き起こす大騒動を描いたシニカルコメディ。

京都の老舗扇子店の長男と結婚し、東京から引っ越してきたフリーライターの澁澤まどか。450年の歴史を誇る老舗の暮らしぶりをコミックエッセイにしようと、義実家や街の女将さんたちの取材を始めるが、「本音と建前」を使い分ける京都の文化を知らず、女将さんたちを怒らせてしまう。京都の正しき伝道師になるべく奮闘するまどかだったが、事態は街中を巻き込んで思わぬ騒動へと発展していく。

「愛がなんだ」「嗤う蟲」の深川麻衣が京都を愛するあまり暴走してしまう主人公まどかを魅力たっぷりに演じ、義母役で室井滋、まどかの仕事仲間の漫画家役で小野寺ずる、老舗料亭の女将役で片岡礼子、まどかの夫役で大友律が共演。「そばかす」の脚本家・アサダアツシが構想に7年をかけて完成させたオリジナル脚本を基に、「白鍵と黒鍵の間に」の冨永昌敬監督がメガホンをとった。タイトルの「ぶぶ漬けどうどす」は、京都の人が早く帰ってほしい客に対して遠回しに言う言葉として知られる。

 

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2025-185M 「我来たり、我見たり、我勝利せり」☆☆☆★★

Swarekitari原題:Veni Vidi Vici
邦題:我来たり、我見たり、我勝利せり
時間:86分
公開:2025-06-06
製作年度:2024
製作国:オーストリア
配給:ハーク
製作総指揮:
製作:ウルリヒ・ザイドル
監督:ダニエル・ヘースル ユリア・ニーマン
脚本:ダニエル・ヘースル
原作:
撮影:ゲラルト・ケルクレッツ
音楽:マニュエル・リーグラー ゲルハルト・ドーラー
出演:ローレンス・ルップ(アモン・マイナート)、ウルシーナ・ラルディ(ヴィクトリア)、オリヴィア・ゴシュラー(パウラ)、キラ・クラウス(ベラ)、タマキ・ウチダ(ココ)、ドミニク・ヴァルタ(フォルカー・カロッタ)、マルクス・シュラインツァー(アルフレート)、ハイモン・マリア・バッテンガー(アイロス)

「狩り」と称して人間を狙撃するエレガントな億万長者の姿を通し、資本主義の終末的世界をシニカルなユーモアで描いたオーストリア映画。

起業家として成功し、莫大な財産を築き、幸福で充実した人生を送るマイナート家。家族を愛する父アマンは趣味の狩りに情熱を注いでいるが、狩りの対象は動物ではない。“上級国民”である一家は何を狩っても許され、アマンは何カ月にもわたって無差別に人間を射殺し続けていた。時にはその様子を目撃する者もいるが、誰も彼を止めることはできない。娘のポーラはそんな父の傍若無人な姿を目の当たりにしながら、上級国民としてのふるまいを着実に身につけていく。そしてある日、ついにポーラは父と一緒に狩りに行きたいと言いだす。

「失恋セラピー」のローレンス・ルップが父アマンを演じ、「さよなら、アドルフ」のウルシーナ・ラルディ、「フィリップ」のゾーイ・シュトラウプが共演。「パラダイス」3部作のウルリヒ・ザイドル監督が製作を手がけ、ダニエル・ヘースル&ユリア・ニーマンが監督を務めた。

懲悪されずに、一切バチが当たらないまま、人非人な行為も止まず、幸せな生活が続く上級富豪一家の物語。ある意味、痛快である。

 

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2025-184M 「国宝」☆☆☆☆

Skokuho邦題:国宝
時間:175分
公開:2025-06-06
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:岩上敦宏 伊藤伸彦 荒木宏幸 市川南 渡辺章仁 松橋真三
監督:李相日
脚本:奥寺佐渡子
原作:吉田修一
撮影:ソフィアン・エル・ファニ
音楽:原摩利彦
出演:吉沢亮(立花喜久雄)、横浜流星(大垣俊介)、高畑充希(福田春江)、寺島しのぶ(大垣幸子)、森七菜(彰子)、三浦貴大(竹野)、見上愛(藤駒)、黒川想矢(少年・喜久雄)、越山敬達(少年・俊介)、永瀬正敏(立花権五郎)、嶋田久作(梅木)、宮澤エマ(立花マツ)、中村鴈治郎(吾妻千五郎)、田中泯(小野川万菊)、渡辺謙(花井半二郎)

李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマ。

任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。

主人公・喜久雄を吉沢亮、喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星、喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。脚本を「サマー・ウォーズ」の奥寺佐渡子、撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手がけたソフィアン・エル・ファニ、美術を「キル・ビル」の種田陽平が担当した。2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。

この作品を観るために劇場に来たと行っても過言ではない。7年前に読んで鳥肌が立ちっぱなしの、歌舞伎女形を主人公にした、吉田修一の傑作小説、そして吉田作品の映画化といえば李相日監督。製作発表から待ちに待った作品だ。
日本の映画史に、この作品が刻まれる。それだけの価値ある名作が誕生したと断言する。歌舞伎界という、日本独自の芸能文化の伝統を背景に、ここまでドラマティックな人間模様、歌舞伎役者(表現者)としての神髄を描き切った、みごとな逸品だった。

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2025-183M 「MaXXXine マキシーン」☆☆☆★★

Smaxxxxine原題:MaXXXine
邦題:MaXXXine マキシーン
時間:103分
公開:2025-06-06
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:レン・ブラバトニック ダニー・コーエン ジェレミー・ライツ ピーター・ポーク サム・レビンソン アシュリー・レビンソン
製作:ジェイコブ・ジャフク タイ・ウェスト ケビン・チューレン ハリソン・クライス ミア・ゴス
監督:タイ・ウェスト
脚本:タイ・ウェスト
原作:
撮影:エリオット・ロケット
音楽:タイラー・ベイツ
出演:ミア・ゴス、ケヴィン・ベーコン、ジャンカルロ・エスポジート、エリザベス・デビッキ、モーゼス・サムニー、リリー・コリンズ、ミシェル・モナハン

タイ・ウェスト監督&ミア・ゴス主演によるスリラー映画「X エックス」「Pearl パール」に続くシリーズ第3作。実在の連続殺人鬼ナイト・ストーカーの恐怖に包まれた1985年のハリウッドを舞台に、「X エックス」で描かれたテキサスでの猟奇殺人事件から生還した女優志望のマキシーンが、邪魔する者たちに立ち向かいながらハリウッドの頂点を目指す姿を描く。

テキサスで起きた凄惨な殺人事件の現場から、マキシーンがただひとり生き残ってから6年が過ぎた。ポルノ女優として人気を獲得した彼女は、新作ホラー映画の主演の座をつかみハリウッドスターへの夢を実現させようとしていた。その頃ハリウッドでは連続殺人鬼ナイト・ストーカーの凶行が連日ニュースで報道されており、マキシーンの周囲でも次々と女優仲間が殺されていく。やがてマキシーンの前に、6年前の事件を知る何者かが近づき……。

ミア・ゴスが引き続きマキシーンを演じ、彼女を主演に抜てきする映画監督役でエリザベス・デビッキ、スクリームクイーンとして人気を博す女優役でリリー・コリンズ、6年前の事件を知る私立探偵役でケビン・ベーコンが共演。

タイ・ウエスト監督、ミア・ゴス主演。となると勿論『Xエックス』『Pearl パール』に続くシリーズ最新作、血みどろシリアルキラーもの。
1979年の『Xエックス』から数年。1985年のハリウッドが舞台。実在のロスの連続殺人事件を舞台に、ミアの物語も並行していく。タイ・ウエストの、ディープな映画マニアっぷりが、随所に感じられる、なんとも心地よい血みどろ作品となっている。

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2025-182M 「見える子ちゃん」☆☆★★★

Smierukochan邦題:見える子ちゃん
時間:98分
公開:2025-06-06
製作年度:2025
製作国:日本
配給:KADOKAWA
製作総指揮:
製作:遠藤徹哉 山本大樹 鶴丸智康 小林克彦 中村浩子 下田淳行 荒井ジョースケ 渡辺章仁 五十嵐淳之
監督:中村義洋
脚本:中村義洋
原作:中村義洋
撮影:川島周
音楽:提博明
出演:原菜乃華(四谷みこ)、久間田琳加(百合川ハナ)、なえなの(二暮堂ユリア)、山下幸輝(権藤昭生)、堀田茜(荒井先生)、吉井怜、高岡早紀(四谷透子)、京本大我(遠野善)、滝藤賢一(四谷真守)

霊が見えるようになった女子高生が、ひたすら霊を無視してやり過ごそうとする姿を描く、泉朝樹による青春ホラーコメディ漫画「見える子ちゃん」を実写映画化。

ある日突然、普通の人には見えない霊が見えるようになってしまった女子高生・四谷みこ。いろいろとヤバい霊に囲まれた彼女がとった選択肢は、まさかの「見えていないふり」だった。霊たちに見えていることを悟られては、何が起こるかわからない。そんな恐怖におびえながらも、ひたすら平静を装って無視を決め込むみこ。たとえ親友のハナに霊が取り憑いても、同級生のユリアに霊が見えていることがばれそうになっても、ただひたすらに全力スルーのみこだったが、霊に憑かれた親友ハナはどんどん様子がおかしくなっていき……。

ドラマ&映画シリーズ「【推しの子】」や映画「恋わずらいのエリー」「すずめの戸締まり」などで活躍する原菜乃華が、主人公みこ役で主演。親友ハナ役を務めた「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」「顔だけじゃ好きになりません」の久間田琳加ほか、なえなの、山下幸輝らフレッシュな若手キャストや堀田茜、高岡早紀、京本大我、滝藤賢一らが共演。監督・脚本は「予告犯」「殿、利息でござる!」など多彩なジャンルの作品を手がけてきた中村義洋。

ライトな学園ホラーっぽいコメディ。ライトすぎてネトフリやアマのオリジナルよりレベル(ご予算的に)が低め。中村義洋監督という、ステディな職人の仕事だが、残念。

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2025-181M 「黒い瞳」☆☆☆★

Skuroihitomi原題:Oci ciornie
邦題:黒い瞳 4K修復ロングバージョン
時間:143分
公開:2025-05-30
製作年度:1987
製作国:イタリア
配給:ザジフィルムズ
製作総指揮:
製作:シルビア・ダミーコ・ベンディコ カルロ・クッキ
監督:ニキータ・ミハルコフ
脚本:アレクサンドル・アダバシャン ニキータ・ミハルコフ スーゾ・チェッキ・ダミーコ
原作:アントン・チェーホフ
撮影:フランコ・ディ・ジャコモ
音楽:フランシス・レイ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、シルバーナ・マンガーノ、マルト・ケラー、エレナ・サフォノバ、イザベラ・ロッセリーニ、ピナ・チェイ

ロシアのニキータ・ミハルコフ監督がイタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニを主演に迎え、文豪チェーホフの「犬を連れた奥さん」など4つの短編に着想を得て撮りあげた恋愛ドラマ。

アテネを経てイタリアに向かう客船の食堂。窓際の席に座る初老の男ロマーノは、そこへ現れたロシア人の紳士に自らの人生について語りはじめる。イタリアの田舎町で生まれたロマーノは、大銀行家の娘エリザと結婚し富を得たが、夫婦仲は冷え切っていた。銀行が倒産の危機に陥るなか、ロマーノはひとり家を出て湯治場に身を寄せ、そこで出会ったロシア人女性アンナと恋に落ちる。やがてアンナは1通の手紙を残して姿を消し、ロマーノは彼女を追ってロシアへ向かうが……。

円熟期を迎えた男の悲哀をマストロヤンニが見事に演じ、1987年・第40回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞。「山猫」などの名脚本家スーゾ・チェッキ・ダミーコが脚本に名を連ね、フランシス・レイが音楽を手がけた。2016年、4K修復を施し約25分のシーンを追加した「4K修復ロングバージョン」が制作され、日本では2025年5月に同バージョンを劇場公開。

 

 

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2025-180M 「エレベーション 絶滅ライン」☆☆☆★

Selevation原題:Elevation
邦題:エレベーション 絶滅ライン
時間:91分
公開:2025-07-25
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:アットエンタテインメント
製作総指揮:ジョン・ローゼンバーグ カール・バイヤー アレックス・ジンノ モリーナ・バッカリン マイケル・バウマン ジェイソン・スパイア マシュー・シダリ ミッチェル・ジャン エリック・ゴールド ウォーレン・ゴズ サミュエル・ホール マイケル・ロススタイン
製作:ブラッド・フラー ジョン・グレン ジョージ・ノルフィ ジョエル・ビアテル ジェレミー・キップ・ウォーカー ナタリー・セラーズ アレクサンダー・ブラック アンソニー・マッキー
監督:ジョージ・ノルフィ
脚本:ジョン・グレン ジェイコブ・ローマン ケニー・ライアン
原作:
撮影:シェリー・ジョンソン
音楽:H・スコット・サリーナス
出演:アンソニー・マッキー、モリーナ・バッカリン、マディー・ハッソン

「キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド」のアンソニー・マッキー主演で、謎のモンスターの出現により人類が標高2500メートルを超える山の上へと追いやられた世界を舞台に描くサバイバルスリラー。

「リーパー」と呼ばれる謎のモンスターが突如地下から多数出現し、人類の95%を死滅させてから3年。生き残った人々は、リーパーが侵入してこない標高2500メートル以上の山岳地帯にある孤立したコミュニティで暮らしていた。妻をリーパーに殺された男ウィルは、ロッキー山脈の避難所で幼い息子ハンターとともに生活していた。しかし、肺の病を抱える息子の薬が不足したことから、ウィルは薬を求め、リーパーを倒す方法を研究している元科学者ニーナらとともに、高度2500メートルのラインを越えて山の麓の病院を目指すことを決意する。

監督は「ボーン・アルティメイタム」の脚本や「アジャストメント」で知られるジョージ・ノルフィ。主人公ウィル役をアンソニー・マッキーが務め、「デッドプール」のモリーナ・バッカリン、「マリグナント 狂暴な悪夢」のマディー・ハッソンが共演。製作は「クワイエット・プレイス」「パージ」のプロデューサー、ブラッド・フラー。

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2025-169M 「DROP ドロップ」☆☆☆★★

Sdrop原題:DROP
邦題:DROP ドロップ
時間:95分
公開:2025-07-11
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:ロン・リンチ サム・ラーナー マクダラ・ケレハー
製作:マイケル・ベイ ジェイソン・ブラム ブラッド・フラー キャメロン・フラー
監督:クリストファー・ランドン
脚本:ジリアン・ジェイコブス クリス・ローチ
原作:
撮影:マーク・スパイサー
音楽:ベアー・マクレアリー
出演:メーガン・フェイヒー、ブランドン・スクレナー、バイオレット・ビーン、ジェイコブ・ロビンソン、リード・ダイアモンド、ガブリエル・ライアン、サラ・マコーマック、ジェフリー・セルフ、エド・ウィークス、トラビス・ネルソン

東宝東和試写。七月封切予定。ブラムハウスのサスペンス。
複数ある小さな伏線も、回収しつつのコンパクトにまとめ上げた作品。一見よく出来ているのだが、なぜアレが共犯者でないのか?という映画的都合の瑕疵によって、喉に小骨が引っかかる。

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2025-178M 「NOT BEER」☆☆☆

Snotbeer邦題:NOT BEER
時間:72分
公開:2025-05-30
製作年度:2025
製作国:日本
配給:Go×En
製作総指揮:
製作:川又崇功 谷口航季
監督:中川寛崇
脚本:佐渡ツムジ
原作:
撮影:米澤郁弥
音楽:
出演:玉城裕規、相馬理、永瀬未留、園田あいか、今出舞、田村響華、佐渡ツムジ、石塚みづき、宗綱弟、神田川侑希、金子早苗、伊藤慶徳

劇団オレガユナイテッドが2013年に上演した舞台劇「Not beer but low-molt beer」を映画化したハートフルコメディ。認知症だった女性の通夜に集まった4人が財産を巡って繰り広げる騙しあいの行方を描く。

人のいい詐欺師・鮫島と舎弟の押切は、資産家だった夫の遺産で暮らす老婦人・瀧ハルエから純金入れ歯を買い取る約束を取りつける。しかし約束の日に家を訪れると、ハルエの通夜が行われていた。ハルエの孫・早妃も居あわせるなか、弁護士の辻が遺言書を開封すると、「通夜の日に最後まで残った人物に財産を相続させる」と書かれていることが判明。偶然にも相続権を得た4人による、一夜の騙しあいが幕を開ける。

2.5次元舞台を中心に活躍する玉城裕規が鮫島役で主演を務め、特撮ドラマ「爆上戦隊ブンブンジャー」の相馬理、「夜のまにまに」の永瀬未留、「この街と私」の伊藤慶徳が共演。舞台版の脚本・演出を務めた佐渡ツムジが脚本を手がけ、本作が長編デビューの中川寛崇監督がメガホンをとった。

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2025-177M 「ダーティ・マネー」☆☆☆★

Sdirtymoney原題:Dirty Money
邦題:ダーティ・マネー
時間:100分
公開:2025-05-30
製作年度:2024
製作国:韓国
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:
監督:キム・ミンス
脚本:キム・ミンス ファン・ウンソン
原作:
撮影:パク・ジョンフン
音楽:シン・ミンスプ
出演:チョン・ウ、キム・デミョン、パク・ビョンウン、チョ・ヒョンチョル、チョン・ヘギュン、ペク・スジャン、ユ・テオ

汚職刑事、警察、中国マフィアが入り乱れる三つどもえの争いを描いた韓国製クライムアクション。

刑事仲間として兄弟のような関係性を築いてきたミョンドゥクとドンヒョク。2人は中国マフィアが資金洗浄のために巨額の現金を密輸しようとしているという情報を偶然入手する。ミョンドゥクは病気の娘の治療費、ドンヒョクはギャンブルの借金返済のため、マフィアの金を奪おうと企てるが、邪魔が入ったことで計画は失敗し、銃撃戦で大勢の死者を出してしまう。刑事としてこの事件の捜査を担当することになった2人は、事実を必死にごまかしながら捜査を進めるが、証拠が増えるにつれて嫌疑が彼らに向けられ、徐々に追い詰められてゆく。

主人公ミョンドゥク役を「善惡の刃」「野獣の血」のチョン・ウ、相棒で弟分のドンヒョク役を「ゴールデンスランバー」「国際捜査!」のキム・デミョンがそれぞれ演じる。監督、脚本は「キングメーカー 大統領を作った男」の脚本を手がけたキム・ミンス。

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2025-176M 「紅楼夢 運命に引き裂かれた愛」☆☆☆

Skoromu原題:紅楼夢之金玉良縁 A Dream of Red Mansions
邦題:紅楼夢 運命に引き裂かれた愛
時間:116分
公開:2025-05-30
製作年度:2023
製作国:中国
配給:ムーランプロモーション、亜太メディアジャパン、上海金徳影業有限公司
製作総指揮:
製作:
監督:フー・メイ
脚本:ホー・イェンジャン
原作:
撮影:
音楽:
出演:ベン・チェン、チャン・ミャオイー、リン・ポン、ルー・イェン、ヤン・トンシュー

清朝の貴族社会で繰り広げられるな荘厳な人間ドラマをつづった中国の名作古典文学「紅楼夢」を、「孔子の教え」などの女性監督フー・メイが映画化。運命に翻弄される3人の若き男女の美しくもはかない愛と悲劇を、壮大なスケールと映像美で描き出す。

祖先の勲功により代々高官を輩出する賈家一族に生まれた青年・賈宝玉(か・ほうぎょく)は、家長である賈母・史太君の寵愛を受け、何不自由なく遊び暮らしていた。しかし賈家は華やかな暮らしを続ける一方で、宮廷からこれまでの債務を取り立てられ返済方法に困っていた。ある日、江南の塩政大臣・林如海が、莫大な財産とひとり娘の林黛玉(りん・たいぎょく)を残して他界する。黛玉は母方の祖母である賈母を頼り、栄国府での暮らしを始める。宝玉と黛玉は強くひかれ合いながらも素直になれず、すれ違いを繰り返す。一方、宝玉の叔母である薛夫人一家も、訳あって賈家を頼り栄国府を訪れる。その娘・薛宝釵(せつ・ほうさ)が身につける金鎖には、宝玉の持つ「通霊宝玉」と対になる句が刻まれていた。

中国文学の「四大名著」として知られる傑作は『西遊記』、『水滸伝』、『三国志演義』 と『紅楼夢』。これらはすべて明朝と清朝の作品だ。そんな名著?の映画化だが、公開規模も含め、キワモノ扱いのイメージが強いのは何故だろう。

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