2025-138M 「IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー」☆☆☆
原題:C'est pas moi
邦題:IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー
時間:42分
公開:2025-04-26
製作年度:2024
製作国:フランス
配給:ユーロスペース
製作総指揮:
製作:シャルル・ジリベール レオス・カラックス
監督:レオス・カラックス
脚本:レオス・カラックス
原作:
撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
音楽:
出演:ドニ・ラヴァン、エカテリーナ・ユスピナ、ナースチャ・ゴルベワ・カラックス、ロレタ・ユオカイテ、アンナ=イザベル・シーフケン、ペトル・アネフスキー、ビアンカ・マッダルーノ、ジュリエット・ビノシュ、ミシェル・ピッコリ、ジャン=フランソワ・バルメ、カテリーナ・ゴルベワ
「アネット」「ホーリー・モーターズ」などの鬼才レオス・カラックスが初めて自ら編集を手がけ、圧倒的なビジュアルセンスで記憶と思考をコラージュしたセルフポートレート映画。
カラックス監督がパリの現代美術館ポンピドゥー・センターからの委任で構想するも、予算が膨らみすぎたため実現しなかった展覧会の代わりとして制作。「いま君はどこにいる?」というポンピドゥー・センターからの問いかけを根源的に捉え直し、自分がどこから来てどこへ行くのかという答えのない謎に、地の底から響くような低い声で口ごもりながら語る。
ジャン=リュック・ゴダール監督の後期のエッセイスタイルへオマージュを込めながら、家族について、映画について、20世紀の独裁者と子どもたちについて、死者たちについて、そして哲学者ベルクソンが提唱した「エラン・ヴィタル(生の飛躍、生命の躍動)」について、ホームビデオから映画、音楽、写真などさまざまなジャンルやフォーマットの映像を、夢の断片のようにコラージュしていく。
ゴダールが晩年は、観客の精神を試すが如くな、メンタルインタレーション的作品を提示し続けた。映像作家として、『自分は何者か?』を観客に問いかけ、宣言する行為を、自由気儘にイメージの洪水によって追求してきた。そして、それを支えるパトロンがい続けた。幸せな生涯だったろう。そんな理想的な作品発表は、近年ではアルノー・デプレシャン監督の「映画を愛する君へ」が記憶に新しい。そこで本作のレオス・カラックス監督作品である。これまたイメージが、大噴火の溶岩のように迸り出る(観客置いてけ堀=独りよがり)の、映像と音楽のコラージュによる自慰的快楽の追求。それも良いだろう。映画監督として、理想的な境地に達しているのだから。この42分間に、きちんと向き合って、付き合ってやろうじゃないか。という心の豊かさを大いに発揮した覚悟を強いられる作品である。
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