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2025-175M 「犬の裁判」☆☆☆

Sinunosaihan原題:Le proces du chien
邦題:犬の裁判
時間:81分
公開:2025-05-30
制作年度:2024
製作国:スイス・フランス
配給:オンリー・ハーツ
製作総指揮:
製作:リオネル・バイエル アグニェシュカ・ラム トマ・ベルアエジュ マチュー・ベルアエジュ
監督:レティシア・ドッシュ
脚本:レティシア・ドッシュ アン=ソフィー・バイリー
原作:レティシア・ドッシュ
撮影:アレクシ・カビルシーヌ
音楽:ダビッド・シュタンク
出演:レティシア・ドッシュ、フランソワ・ダミアン、ジャン=パスカル・ザディ、アンヌ・ドルヴァル、コディ、マチュー・ドゥミ、アナベラ・モレイラ、ピエール・ドゥラドンシャン

犬が被告となった前代未聞の裁判の行方を、実話に着想を得て描いたフランス発の法廷コメディ。

裁判に負けてばかりで事務所から解雇寸前の弁護士アヴリルは、次の事件では絶対に勝訴しようと決意する。しかし新たに舞い込んできた依頼は、またしても勝ち目のない裁判だった。依頼人の男性にとってかけがえのない伴侶である愛犬コスモスが、3人の人間に噛みついたのだという。法律では犬は“物”と見なされ、飼い主に罰金1万フランとコスモスの安楽死が言い渡されるが、犬が“物”ではないというアヴリルの主張が認められ、犬が被告という前代未聞の裁判が始まる。

「シンプルな情熱」「ACIDE アシッド」などの俳優でダンサー・作家・演劇監督としても活動するレティシア・ドッシュが初監督を務め、主人公の弁護士アヴリルを自ら演じた。サーカス犬のコディがコスモス役で名演を見せ、2024年・第77回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドッグ賞を受賞。

 

 

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2025-174M 『か「」く「」し「」ご「」と「』☆☆☆

Skakushigoto邦題:か「」く「」し「」ご「」と「
時間:115分
公開:2025-05-30
製作年度:2025
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:吉田繁暁 高橋正尚
製作:
監督:中川駿
脚本:中川駿
原作:住野よる
撮影:伊藤弘典
音楽:蓮沼執太 増田義基 犬養奏 藤井心
出演:奥平大兼(大塚京)、出口夏希(三木直子)、佐野晶哉(高崎博文)、菊池日菜子(黒田文)、早瀬憩(宮里望愛)、ヒコロヒー(朝倉先生)

「君の膵臓をたべたい」などで知られる作家・住野よるの同名小説を、「MOTHER マザー」の奥平大兼と「赤羽骨子のボディガード」の出口夏希の共演で映画化した青春ラブストーリー。“少しだけ人の気持ちが見えてしまう”という能力をそれぞれ隠し持つ高校生の男女5人が織りなす、もどかしくも切ない日々を描く。

引っ込み思案で自分に自信が持てない高校生・大塚京は、ヒロインではなくヒーローになりたいというクラスの人気者・ミッキーこと三木直子が気になって仕方ないが、マイペースなパラこと黒田文と一緒に楽しそうにしている彼女のことを遠くから見つめるだけの日々を送っていた。京の親友で三木の幼なじみでもあるヅカこと高崎博文の存在を通して、卒業まで“友だちの友だち”として過ごすはずだった。そんなある日、内気なエルこと宮里望愛が学校に来なくなったことをきっかけに、5人の思いが動きだす。

京を奥平、ミッキーを出口が演じ、アイドルグループ「Aぇ! group」の佐野晶哉がヅカ役、「月の満ち欠け」の菊池日菜子がパラ役、「違国日記」の早瀬憩がエル役で共演。「少女は卒業しない」の中川駿が監督・脚本を手がけた。

原作は7年前の5月に読んでいる。ずいぶん時が経つのは早いものだ。
超能力教室の青春恋愛モノなのだが、映画的にうまく処理しているものの、肝心なポイントで能力を「なぜココで使わない!?」と突っ込みたくなる。まあ、ジュブナイルならそのあた。はグダグダでいいのかな。

 

 

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2025-173M 「ヴィクラム」☆☆☆★

Svicram原題:Vikram
邦題:ヴィクラム
時間:171分
公開:2025-05-30
製作年度:2022
製作国:インド
配給:ツイン
製作総指揮:
製作:
監督:ローケーシュ・カナガラージ
脚本:ローケーシュ・カナガラージ
原作:
撮影:
音楽:
出演:カマル・ハーサン、ヴィジャイ・セードゥパティ、ファハド・ファーシル、ガーヤトリ

インドの国民的スター俳優カマル・ハーサンが製作・主演を務め、「JAWAN ジャワーン」のビジャイ・セードゥパティと「プシュパ 覚醒」のファハド・ファーシルと共演したクライムアクション。麻薬組織のボスと無職の中年男性、特殊工作員が繰り広げる三つどもえの戦いを壮絶なアクションで描く。

チェンナイで覆面姿の集団による3件の連続テロ事件が発生。特殊工作員アマルは、街のギャングを牛耳る麻薬王サンダナムが事件に関与していると考える。一方、サンダナムは縄張り内で消えた2トンものコカイン原料を探していた。捜査を進めていくうちに、アマルは2番目に殺害された無職の男カルナンのことが妙に気になりはじめる。カルナンには警察官である義理の息子がいたが、彼も同じテロリストたちに殺されていた。

「マスター 先生が来る!」「囚人ディリ」のローケーシュ・カナガラージが監督・脚本を手がけ、インド映画界で活躍する双子のスタントマン、アンバリブ(アンブマニ&アリブマニ)がアクション監督を担当。

 

 

 

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2025-172M 「夕陽のガンマン」☆☆☆★★

Syuhinogunman原題:Per qualche dollaro in meno
邦題:夕陽のガンマン
時間:132分
公開:1967-01-20
製作年度:1966
製作国:イタリア・スペイン・西ドイツ
配給:アーク・フィルムズ
製作総指揮:
製作:アルベルト・グリマルディ
監督:セルジオ・レオーネ
脚本:ルチアーノ・ビンチェンツォーニ セルジオ・レオーネ
原作:
撮影:マッシモ・ダラマーノ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、ジャン・マリア・ヴォロンテ

「荒野の用心棒」で世界中に“マカロニ・ウエスタン”ブームを巻き起こしたセルジオ・レオーネ監督と主演のクリント・イーストウッド、音楽のエンニオ・モリコーネが再結集し、2人の賞金稼ぎの共闘と友情をスタイリッシュに活写した西部劇アクション。

凶悪犯エル・インディオが刑務所から脱獄し、1万ドルの賞金が懸けられた。インディオ一味を追う若き賞金稼ぎ・モンコと商売敵のモーティマー大佐は、一味全員の賞金を山分けすることを条件に手を組むことに。2人は反発し合いながらも次第に絆を深め、インディオを追い詰めていくが、大佐にはある別の目的があった。

「真昼の決闘」のリー・バン・クリーフがモーティマー大佐を存在感たっぷりに演じた。同じくレオーネ監督とイーストウッド、モリコーネがタッグを組んだ「荒野の用心棒」「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」とあわせて「ドル3部作」と呼ばれる。

テレビ放映(たぶん放送時間に合わせてズタズタなショートバージョン)が初体験。その後、雨の降りまくったフィルム上映の名画座。レンタルビデオやDVD。コンディションの良い映像音声で、大スクリーンで堪能するのは初体験。セルジオ・レオーネの洒脱な演出、エンニオ・モリコーネの血湧き肉躍る圧巻の口笛テーマ曲。そしてクリント・イーストウッド、リー・バン・クリーフ、ジャン・マリア・ヴォロンテ!映画ってコレだよねえ。

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2025-171M 「骨なし灯籠」☆☆☆

Shonenashitoro邦題:骨なし灯籠
時間:108分
公開:2025-05-16
製作年度:2023
製作国:日本
配給:熊本やまが映画プロジェクト
製作総指揮:
製作:木庭民夫
監督:木庭撫子
脚本:木庭撫子
原作:
撮影:萩原章 山野道郎
音楽:志娥慶香
出演:水津聡、まひろ玲希、高山陽平、たむらもとこ、にしやうち良、知江崎ハルカ、草野遥、政木ゆか、山本直人、杉本凌士

熊本豊前街道の温泉町・山鹿(やまが)を舞台に、妻を亡くして深い喪失感を抱いた男の再生を描いたドラマ。和紙と糊だけで作られた山鹿の伝統工芸品である「山鹿灯籠」(別名:骨なし灯籠)の世界に出合った男が、山鹿の人々や自然との触れ合いを通じて、徐々に癒やされていく姿を描く。

元美術教師の市井祐介は亡き妻ゆかりの骨壺を抱え、死に場所を探してさまよい、古き時代のたたずまいを残す、熊本豊前街道の温泉町・山鹿にたどり着く。町には夏に行われる「山鹿灯籠まつり」のポスターが貼られており、そこに描かれた「灯籠娘」に妻の面影を見る祐介。やがて灯籠師見習いの直樹に誘われて働き始めた祐介だったが、1年が過ぎ、妻の三回忌を迎えても喪失感と孤独感が拭われることはなかった。町を出ようと決めた祭りの日、そんな祐介の前に、ゆかりの双子の妹だという、あかりという女性が現れる。

主演は、脚本家の倉本聰が開設したライター・俳優養成施設「富良野塾」の出身で、倉本作品に多く出演してきた水津聡。映画「棚の隅」ほか数多くの映画やドラマ、CMで活躍するまひろ玲希が、ゆかりとあかりの2役を演じた。富良野塾出身で脚本家(浅野有生子)や放送作家(木庭有生子)、作詞家としても活躍し、2021年から熊本県山鹿市に暮らす木庭撫子が、初監督作品として撮り上げた。

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2025-170M 「デビルズ・バス」☆☆☆★

Sdevilsbath原題:Des Teufels Bad
邦題:デビルズ・バス
時間:121分
公開:2025-05-23
製作年度:2024
製作国:オーストリア・ドイツ
配給:クロックワークス
製作総指揮:ウルリヒ・ザイドル ベティーナ・ブロケンパー
製作:ウルリヒ・ザイドル
監督:ベロニカ・フランツ セベリン・フィアラ
脚本:ベロニカ・フランツ セベリン・フィアラ
原作:
撮影:マルティン・ゲシュラハト
音楽:ソープ&スキン
出演:アーニャ・プラシュク、ダーヴィド・シャイト、マリア・ホーフスタッター

「グッドナイト・マミー」で世界的に注目を集めたオーストリアの監督コンビ、ベロニカ・フランツ&セベリン・フィアラが監督・脚本を手がけ、実在の裁判記録に着想を得て、宗教とタブーに支配された歴史の暗部を美しくも残酷な映像表現で描いたオーストリア・ドイツ合作映画。

18世紀半ば、オーストリア北部。古くからの伝統が残る小さな村に嫁いできたアグネスは、夫の育った閉鎖的な世界や村の住人たちになじむことができず、憂うつな日々を過ごしていた。アグネスは彼らの無神経な言動やおぞましい儀式、何かの警告のように放置された腐乱死体など異様な光景を日常的に目撃し、精神的に追い詰められていく。極限状態のなかで現実と幻想の区別がつかなくなった彼女を、村人たちは狂人あつかいするようになる。やがてアグネスは、この世界から自由になることを求めて驚くべき行動に出る。

「ソープ&スキン」の名でミュージシャン、歌手、作曲家としても活動するオーストリアのアーニャ・プラシュクがアグネス役で主演を務め、音楽も手がけた。2024年・第74回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(芸術貢献賞)、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭にて最優秀作品賞を受賞した。

18世紀を舞台のコスチュームもの。グロテスク、メンタル崩壊、宗教的狂乱、閉鎖的因習、捕らわれる村。キーワードだけでキワモノっぽいが、時々『薔薇の名前』のような傑作が出現するジャンルでもある。
本作は史劇で鬱病を描く珍作。とっても真面目に地味に淡々と、新妻が鬱を拗らせ、遂には『自殺』は教会が許してくれないので、殺人を犯して死刑になる事を企図するに至るお話。邦題では『浴室スプラッタホラー』なイメージとなるが、死を望むほどの鬱状態を『悪魔の浴槽』と欧米では呼ぶそうだ。邦題のミスリードを期待してるのか?絶叫ホラーと勘違いして来る客いるかも。

 

 

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2025-169M 「VENUS ヴィーナス」☆☆☆

Svenasu原題:VENUS
邦題:VENUS ヴィーナス
時間:101分
公開:2025-05-09
製作年度:2022
製作国:スペイン
配給:クロックワークス
製作総指揮:アラセリ・ペレス=トリージャ
製作:カロリーナ・バング アレックス・デ・ラ・イグレシア
監督:ジャウマ・バラゲロ
脚本:ジャウマ・バラゲロ フェルナンド・ナバーロ
原作:H・P・ラブクラフト
撮影:パブロ・ロッソ
音楽:バネッサ・ガルデ
出演:エステル・エクスポシト、イネス・フェルナンデス、アンヘラ・クレモンテ、マグイ・ミラ、フェルナンド・バルディビエルソ

怪奇小説の先駆者として知られる20世紀アメリカの小説家H・P・ラブクラフトの短編「魔女屋敷で見た夢」を原案に、「REC レック」のジャウマ・バラゲロ監督がメガホンをとったホラーエンタテインメント。

スペインのマドリード。ナイトクラブで働くダンサーのルシアは、雇い主の犯罪組織から大量のドラッグを盗んで逃亡する。疎遠になっていた姉ロシオと幼い姪が暮らす、「ヴィーナス」と名付けられた郊外の老朽化したアパートへ身を隠したルシアだったが、ロシオが置き手紙を残して姿を消してしまう。犯罪組織の手が迫る中、世界では異例の日食が起こり、人々が恐れおののいていた。そして、日食と連動するかのようにアパートでは未曾有の怪異が目を覚ましつつあった。ルシアは残された姪を守りながら、恐怖の一夜を生き延びようとする。

「気狂いピエロの決闘」「ベネシアフレニア」などで知られるスペインの異才アレックス・デ・ラ・イグレシアが製作を担当。主演はNetflixドラマ「エリート」で注目を集めたエステル・エクスポシト。

 

 

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2025-168M 「娼生」☆☆☆★

Sshosei原題:鳳姐 A Girl Out of the Country
邦題:娼生
時間:100分
公開:2025-05-23
製作年度:2023
製作国:台湾
配給:ライツキューブ
製作総指揮:ジーン・カオ リウ・フォンチー
製作:
監督:ブルース・チウ
脚本:
原作:
撮影:
音楽:ジーン・カオ
出演:ジーン・カオ、ホアン・グァンジー

台湾で児童売春や人身売買が横行していた時代を背景に、娼館で働く人々の現実を描いた人間ドラマ。夢を捨て娼婦として生きる覚悟を決めた姉と、そんな姉がどこかで夢をかなえていると信じて探していた弟の再会と、彼らに待ち受ける運命を描いた。

歌手になる夢をかなえるため、祖母の反対を無視して台北へ出たフォンだったが、騙されて娼婦として日本に売り飛ばされてしまう。数年後、台湾に戻った彼女は、年老いた祖母が認知症を患っていることを知る。罪悪感に苛まれたフォンは、家に戻らず娼婦の仕事を続け、ひそかに仕送りをして贖罪に励むことにする。一方、フォンの弟ユーミンは警察官となり、台北でフォンを探していた。いつか売れっ子歌手になった姉と会えると思っていたユーミンは、娼婦になった姉と再会する。

映画「呪葬」などに出演たジーン・カオがフォン役を体当たりで演じ、製作総指揮や主題歌も担当。監督は、これが初長編作品となるブルース・チウ。

80年代から97年の公娼制廃止ごろまでの台北。モグリの茶館の売春婦を主人公にしたドラマ。雰囲気は溝口健二監督の『赤線地帯』(1956年)。それぞれの事情を抱える女たちの群像劇。田舎から歌手に憧れ、騙されて日本に娼婦として売られていった主人公を軸に、東映映画のようなテイストで描かれる。どちらかというと、ポスタービジュアルに惹かれ、期待もしてなかったが、結構な佳作だった。

 

 

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2025-167M 「ゴッドマザー コシノアヤコの生涯」☆☆☆

Skoshinoayako邦題:ゴッドマザー コシノアヤコの生涯
時間:117分
公開:2025-05-23
製作年度:2025
製作国:日本
配給:日活、東京テアトル
製作総指揮:瀬古口精良
製作:井内徳次 友田ゆうき
監督:曽根剛
脚本:池田テツヒロ
原作:
撮影:曽根剛
音楽:宅見将典
出演:大地真央、黒谷友香、鈴木砂羽、水上京香、寺田光、菊地麻衣、板垣樹、浅田芭路、永尾柚乃、江原璃莉、矢田亜希子、大西礼芳、庄野崎謙、堀田眞三、上西雄大、川崎麻世、辰巳琢郎、温水洋一、木村祐一、市川右團次

日本のファッションデザイナーの草分け的存在であるコシノアヤコの波瀾万丈な人生を映画化。

危篤状態に陥り病院に搬送されたコシノアヤコ。3人の娘たちが駆けつけるなか、アヤコの前に天使が姿を現わす。天使は天国行きか地獄行きかの審判が下される場所へ、アヤコを案内しなければならないという。アヤコは洋装店の開業や、戦病死で夫を亡くした後の初めての恋、74歳の時に立ち上げたブランドなど、ファッションの世界に生きた自らの人生を振り返っていく。

大地真央がコシノアヤコ役で映画初主演を果たし、アヤコの娘でそれぞれ世界的デザイナーとして活躍するコシノヒロコ、ジュンコ、ミチコの三姉妹を黒谷友香、鈴木砂羽、水上京香が演じた。そのほか、岸和田で呉服店を営んでいたアヤコの父・甚作役を木村祐一、アヤコの前に現れる天使役を温水洋一、アヤコの恋人役を市川右團次が担当した。「カメラを止めるな!」の撮影監督や「永遠の1分。」などの監督として知られる曽根剛が監督・撮影を手がけ、俳優・脚本家の池田テツヒロが脚本を担当。

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2025-166M 「父と僕の終わらない歌」☆☆☆

Schichitobokuno邦題:父と僕の終わらない歌
時間:93分
公開:2025-05-23
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:
製作:永山雅也 門屋大輔 菊池貞和 桑原勇蔵 長瀬俊二郎 坂本裕寿 松本光司 嶋田充郎
監督:小泉徳宏
脚本:三嶋龍朗 小泉徳宏
原作:サイモン・マクダーモット
撮影:柳田裕男
音楽:横山克
出演:寺尾聰(間宮哲太)、松坂桃李(間宮雄太)、佐藤栞里(志賀聡美)、副島淳(ダニエル)、大島美幸(田所)、齋藤飛鳥(海野由梨)、ディーン・フジオカ(亮一)、三宅裕司(藤岡治)、石倉三郎(門松大介)、佐藤浩市(医師)、松坂慶子(間宮律子)

若き日に諦めたレコードデビューの夢をかなえようとするアルツハイマー型認知症の男性と、彼を支える家族の姿を描いたヒューマンドラマ。2016年にイギリスで1本の動画をきっかけに80歳にしてCDデビューを果たした男性の奇跡の実話をもとに、舞台を日本に置き換えて映画化した。

かつてミュージシャンとしてレコードデビューを目指しながらも、息子・雄太のために夢を諦めた間宮哲太。音楽とユーモアをこよなく愛する彼は、生まれ育った横須賀で楽器店を営みながら、時々地元のステージで歌声を披露しては喝采を浴びてきた。そんなある日、哲太はアルツハイマー型認知症と診断されてしまう。すべてを忘れゆく哲太をつなぎ止めたのは、彼を信じて支え続けた息子・雄太と強く優しい母・律子、固い絆で結ばれた仲間たち、そして彼が愛する音楽だった。

寺尾聰が父・哲太、松坂桃李が息子・雄太を演じ、松坂慶子、ディーン・フジオカ、佐藤栞里、佐藤浩市が共演。「タイヨウのうた」「ちはやふる」シリーズの小泉徳宏監督がメガホンをとり、実写版「シティーハンター」の三嶋龍朗が小泉監督と共同で脚本を手がけた。

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2025-165M 「岸辺露伴は動かない 懺悔室」☆☆☆★

Skishibezangeshitu邦題:岸辺露伴は動かない 懺悔室
時間:110分
公開:2025-05-23
製作年度:2025
製作国:日本
配給:アスミック・エース
製作総指揮:豊島雅郎
製作:牟田口新一郎 中村高志 和田佳恵 平賀大介 瓶子吉久
監督:渡辺一貴
脚本:小林靖子
原作:荒木飛呂彦
撮影:山本周平 田島茂
音楽:菊地成孔 新音楽制作工房
出演:高橋一生(岸辺露伴)、飯豊まりえ(泉京香)、玉城ティナ(マリア)、戸次重幸(ソトバ)、大東駿介(水尾)、井浦新(田宮)

荒木飛呂彦の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのスピンオフ「岸辺露伴は動かない」を高橋一生主演で実写化したテレビドラマの映画版第2作。原作漫画「岸辺露伴は動かない」シリーズの最初の作品「懺悔室」を基に、映画オリジナルエピソードを加えながら、邦画初となる全編ベネチアロケで映画化した。

人気漫画家の岸辺露伴はベネチアの教会で、仮面をかぶった男の恐ろしい懺悔を聞く。それは、かつて誤って浮浪者を殺した男がかけられた「幸せの絶頂を迎えた時に“絶望”を味わう」という呪いについての告白だった。男は幸福から必死に逃れようとしてきたが、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て「心からの幸せ」を感じてしまう。その瞬間、死んだはずの浮浪者が現れ、男はある試練に挑むことになる。そんな男の奇妙な告白にのめりこむ露伴は、相手の心や記憶を本にして読む特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を使用するが、やがて自身にも呪いが襲いかかっていることに気づく。

岸辺露伴役の高橋一生、担当編集者・泉京花役の飯豊まりえらレギュラー陣に加え、井浦新、玉城ティナ、戸次重幸、大東駿介が新たに参加。

今週は、MIファイナルに全部持ってかれそうなので、地味めなニッチ作品が初日を迎える。で、荒木飛呂彦原作の劇場版2作目。テレビ東京の出資作品だ。

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2025-164M 「ロストブレット3」☆☆☆★

Slb3原題:Balle Perdue 3
邦題:ロストブレット3
時間:93分
公開:2025-05-07
製作年度:2020
製作国:フランス
配給:Netflix
製作総指揮:ジャック=アンリ・ブロンカール
製作:レミ・レオティエ
監督:ギョーム・ピエレ
脚本:ギョーム・ピエレ アルバン・ルノワール
原作:
撮影:
音楽:
出演:アルバン・ルノワール、ニコラ・デュヴォシェル、ラムジー・ベディア、ステフィ・セルマ、ロッド・パラド、セバスティアン・ララン、パスカル・アルビロ

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2025-163M 「ロストブレット2」☆☆☆★

Slb2原題:Balle Perdue 2
邦題:ロストブレット2
時間:93分
公開:2022-11-10
製作年度:2020
製作国:フランス
配給:Netflix
製作総指揮:
製作:
監督:ギョーム・ピエレ
脚本:ギョーム・ピエレ アルバン・ルノワール
原作:
撮影:
音楽:ロマン・トルイエ
出演:アルバン・ルノワール、ニコラ・デュヴォシェル、ラムジー・ベディア、ステフィ・セルマ、ロッド・パラド、セバスティアン・ララン、パスカル・アルビロ

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2025-162M 「ロストブレット 窮地のカーチェイス」☆☆☆★

Slb1原題:Balle Perdue
邦題:ロストブレット 窮地のカーチェイス
時間:93分
公開:2020-06-19
製作年度:2020
製作国:フランス
配給:Netflix
製作総指揮:
製作:
監督:ギョーム・ピエレ
脚本:ギョーム・ピエレ アルバン・ルノワール
原作:
撮影:
音楽:
出演:アルバン・ルノワール、ニコラ・デュヴォシェル、ラムジー・ベディア、ステフィ・セルマ、ロッド・パラド、セバスティアン・ララン、パスカル・アルビロ

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2025-161M 「バロウズ」☆☆☆★

Sburroughs原題:Burroughs: The Movie
邦題:バロウズ
時間:90分
公開:2025-05-09
製作年度:1983
製作国:アメリカ
配給:コピアポア・フィルム
製作総指揮:
製作:ハワード・ブルックナー アラン・イエントフ
監督:ハワード・ブルックナー
脚本:
原作:
撮影:トム・ディチロ ジェームズ・ルボビッツ マイク・サウソン リチャード・L・キャンプ アントニー・バルチ
音楽:
出演:ウィリアム・S・バロウズ、フランシス・ベーコン、モーティマー・バロウズ、ウィリアム・S・バロウズ Jr.、ルシアン・カー、ジャッキー・カーティス、アレン・ギンズバーグ、ジョン・ジョルノ、ジェームズ・グラウアーズ

20世紀アメリカ文学を代表する作家ウィリアム・S・バロウズの謎に包まれた姿を、バロウズ本人の全面協力によりとらえたドキュメンタリー。

アレン・ギンズバーグやジャック・ケルアックとともにアメリカのビート・ジェネレーションをけん引し、「裸のランチ」などの実験小説を発表、晩年には画家や俳優としても活躍し、その存在自体がひとつのカルトアイコンとなったバロウズ。内縁の妻を射殺した事件の真相や文学のスタイル、自身の著作の朗読、人生の思い出などをバロウズ本人が語るほか、アレン・ギンズバーグ、フランシス・ベーコン、ブライオン・ガイシンら作家や芸術家の仲間たち、バロウズの兄や息子も登場。型破りで奔放なバロウズの人生に迫り、ひとりの男の複雑な人生の様相を浮き彫りにしていく。

ニューヨーク出身のハワード・ブルックナー監督がニューヨーク大学映画学科の卒業制作として1978年に本作の制作を開始。ブルックナー監督の友人であるジム・ジャームッシュが音響、トム・ディチロが撮影を手がけ、5年の歳月をかけて完成させた。1983年に初公開されて以降は上映がかなわずにいたが、2011年に監督の甥アーロン・ブルックナーがプリントを発見しデジタルリマスター化が実現。日本では2025年5月にデジタルリマスター版をリバイバル上映。

ある時期のサブカルのアイコン、フロントライン。狂気の天才小説家。彼が何かをしでかした!ということの度、カルチャーの傾向が変容していったと言われている。ホントか?本作は1984年に公開されたようだが、27歳のテレビマンの下っ端は日々忙しすぎて、映画なんぞ観る隙もなく、未見だった。

 

 

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2025-160M 「かくかくしかじか」☆☆☆★

Skakukakushikajika邦題:かくかくしかじか
時間:126分
公開:2025-05-16
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:
製作:矢延隆生 山田邦男 細野義朗 東村アキコ
監督:関和亮
脚本:東村アキコ 伊達さん
原作:東村アキコ
撮影:矢部弘幸
音楽:宗形勇輝
出演:永野芽郁(林明子)、大泉洋(日高健三)、見上愛、畑芽育、鈴木仁、神尾楓珠、津田健次郎、有田哲平、MEGUMI、大森南朋

「海月姫」「東京タラレバ娘」など数々のヒット作を生み出してきた人気漫画家・東村アキコが自伝的作品として描き、第8回マンガ大賞および第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した漫画「かくかくしかじか」を実写映画化。漫画家を目指す少女と恩師である絵画教師との9年間にわたる軌跡を描く。

宮崎県に暮らす、お調子者でぐうたらな女子高生の林明子は、幼い頃から漫画が大好きで、将来は漫画家になりたいという夢を抱いている。その夢をかなえるべく美大進学を志す明子は、受験に備えて地元の絵画教室に通うことになった。そこで出会ったのが、竹刀片手に怒号を飛ばすスパルタ絵画教師の日高先生だった。何があっても、どんな状況でも、生徒たちに描くことをやめさせない日高。一方の明子は、次第に地元の宮崎では漫画家になる夢をかなえることはできないと思うようになっていき、日高とすれ違っていくが……。

原作者の東村アキコが自ら脚本を手がけ、製作にも名を連ねた。主人公の明子を永野芽郁が演じて主演を務め、日高先生役を大泉洋が務めた。そのほか、見上愛、畑芽育、鈴木仁、神尾楓珠、津田健次郎、有田哲平、MEGUMI、大森南朋ら豪華キャストが共演。監督は、「地獄の花園」でも永野芽郁とタッグを組んだ関和亮。

漫画家東村アキコさんの自伝的作品の映画化。東村さん自身が脚本に関わり、彼女の事務所も製作委員会に入っている。たぶん超々思い入れの強くて深い作品なんだろう。恩師への尽きない感謝がスクリーンからビンビン伝わってくる。
が、東村さん。映画のメイン幹事がフジテレビ、そして東村さん本人役を永野芽郁が演じている。思いっきりタイミングが悪いよねえ。同情する。

 

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2025-159M 「美しい夏」☆☆☆★

Sutsukushinatsu原題:La bella estate
邦題:美しい夏
時間:110分
公開:2025-08-01
製作年度:2023
製作国:イタリア
配給:ミモザフィルムズ
製作総指揮:
製作:ジョバンニ・ポンピリ ルカ・レニャーニ
監督:ラウラ・ルケッティ
脚本:ラウラ・ルケッティ
原作:チェーザレ・パベーゼ
撮影:ディエゴ・ロメロ
音楽:フランチェスコ・チェラージ
出演:イーレ・ピアネッロ、ディーバ・カッセル、ニコラ・マウバ、アンドレア・ポスカ、

20世紀イタリア文学の巨匠チェザーレ・パベーゼが1940年に執筆した名作小説「美しい夏」を、イタリアの女性監督ラウラ・ルケッティが映画化。戦争の足音が迫るトリノを舞台に、年上の女性との出会いを通して少しずつ大人になっていく少女の姿をみずみずしく描き出した。

1938年。トリノの洋裁店でお針子として働く田舎町出身の16歳の少女ジーニアは、3歳上の美しく自由な女性アメーリアと運命的な出会いをする。ジーニアは画家のモデルとして生計を立てるアメーリアに誘われて芸術家たちが集う魅惑的な世界へと飛び込み、大人の階段をのぼっていく。思春期のジーニアと、すでに自立した女性としてたくましく生きるアメーリアは、互いの姿に自分の未来と過去を重ねながら、徐々にひかれ合っていく。

「墓泥棒と失われた女神」「天空のからだ」などアリーチェ・ロルバケル監督作への出演で知られるイーレ・ビアネッロがジーニアを演じ、モニカ・ベルッチとバンサン・カッセルの実娘でモデルとして活躍するディーバ・カッセルがアメーリア役で本格演技に初挑戦した。

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2025-158M 「ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング」☆☆☆☆

Smifinalrec原題:Mission: Impossible - The Final Reckoning
邦題:ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング
時間:169分
公開:2025-05-23
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
製作総指揮:デビッド・エリソン ダナ・ゴールドバーグ ドン・グレンジャー クリス・ブロック
製作:トム・クルーズ クリストファー・マッカリー
監督:クリストファー・マッカリー
脚本:クリストファー・マッカリー エリック・ジェンドレセン
原作:ブルース・ゲラー
撮影:フレイザー・タガート
音楽:マックス・アルジ アルフィ・ゴッドフリー
出演:トム・クルーズ(イーサン・ハント)、ヘイリー・アトウェル(グレース)、ヴィング・レイムス(ルーサー)、サイモン・ペッグ(ベンジー)、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス(ガブリエル)、ポム・クレメンティエフ(パリス)、マリエラ・ガリガ、ヘンリー・ツェーニー、ホルト・マッキャラニー、ジャネット・マクティア、ニック・オファーマン、ハンナ・ワディンガム、アンジェラ・バセット、シェー・ウィガム、グレッグ・ターザン・デイヴィス(ドガ)、チャールズ・パーネル、フレデリック・シュミット

トム・クルーズの代表作で、1996年の第1作から約30年にわたり人気を博してきた大ヒットスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第8作。

前作「ミッション:インポッシブル デッドレコニング」とあわせて2部作として製作され、「デッドレコニング」から続く物語が展開。前作のラストで世界の命運を握る鍵を手にしたイーサン・ハントと、その鍵によって導かれていくイーサンの運命が描かれる。また、これまでほとんど語られてこなかったイーサンの過去などが明かされる。シリーズおなじみとなったトム・クルーズ本人によるスタントシーンも健在で、今作では飛び回る小型プロペラ機にしがみつく空中スタントなどが見どころとなる。

スパイ組織「IMF」に所属する主人公イーサン・ハント役のトム・クルーズ、「M:i:III」で登場して以降、イーサンの盟友となっているベンジー・ダン役のサイモン・ペッグ、シリーズ全作に登場しているルーサー・スティッケル役のビング・レイムスらおなじみのメンバーはもちろん、前作「デッドレコニング」から登場したグレース役のヘイリー・アトウェル、パリス役のポム・クレメンティエフ、ガブリエル役のイーサイ・モラレスも続投。トム・クルーズ主演作で監督や脚本、製作を数多く担ってきたクリストファー・マッカリーが、今作でもメガホンをとった。

完結編。まあ、絶対のハッピーエンドを約束されて、そこに至るドキドキハラハラを楽しむ最高の娯楽作品。メジャースタジオの底力だねえ!

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2025-157M 「無名の人生」☆☆☆★★

Smumeinojinsei邦題:無名の人生
時間:93分
公開:2025-05-16
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ロックンロール・マウンテン
製作総指揮:
製作:岩井澤健治
監督:鈴木竜也
脚本:鈴木竜也
原作:鈴木竜也
撮影:鈴木竜也
音楽:鈴木竜也
出演:ACE COOL、田中偉登、宇野祥平、猫背椿、鄭玲美、鎌滝恵利、西野諒太郎、中島歩、毎熊克哉、大橋未歩、津田寛治

独学で制作した短編アニメ「MAHOROBA」が国内の自主映画祭で数々の賞を獲得した鈴木竜也監督が、個人制作で1年半かけて完成させた長編アニメーション監督デビュー作。

仙台の団地で暮らす、いじめられっ子の孤独な少年。ある転校生との出会いをきっかけに、父親の背中を追ってアイドルを夢見るようになり、思いがけず成りあがっていく。生まれてから死ぬまでに源氏名や蔑称などさまざまな呼称で呼ばれながらも「誰からも本当の名前を呼ばれることのなかった男」の波乱万丈な100年の生涯を、高齢ドライバーや芸能界の闇、若年層の不詳の死、戦争といった社会問題を背景に、それぞれ主人公の「別名」を冠した10章で描く。

ラッパーのACE COOLが主人公役で声優に初挑戦。鈴木監督が原案・作画監督・美術監督・撮影監督・色彩設計・キャラクターデザイン・音楽・編集を兼任し、脚本をあえて用意せず、章ごとにタッチや色彩を変化させながら変幻自在に描きだす。「音楽」で注目を集めたアニメーション監督・岩井澤健治がプロデュースを担当。

鈴木竜也監督がほぼ一人で作り上げたアニメ。ジャンルとしては、世界で絶賛されたコマ撮りアニメ『JUNK HEAD』(堀貴秀監督)のカルトっぷりに匹敵する、狂気に満ちた逸品である。少年期から世捨て人のような、無口なセイちゃんが、様々な流転の人生を歩む大河ドラマ?だが、ストーリーと舞台は想像を絶するスケールに拡散してゆく。『2001年宇宙の旅』をも連想させる驚異の展開。主人公の人生の行き着く鈴木監督の世界観は、観客を釘付けにする。

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2025-156M 「6時間後に君は死ぬ」☆☆☆★

Srokujikangonikimihashinu原題:You Will Die in 6 Hours
邦題:6時間後に君は死ぬ
時間:90分
公開:2025-05-16
製作年度:2024
製作国:韓国・日本
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:
監督:イ・ユンソク
脚本:
原作:高野和明
撮影:
音楽:
出演:チョン・ジェヒョン、パク・ジュヒョン、クァク・シヤン

日本ではドラマ化もされた高野和明の小説を、韓国で映画化。ある男に死を予言された女性が、6時間のタイムリミットの中で殺人犯を見つけ出し、運命を変えようとする姿を描く。

30歳の誕生日を翌日に控えるジョンユンは、アルバイトを掛け持ちしながら生きることに精いっぱいの日々を送り、未来に希望を見いだせずにいた。そんなある日、道ですれ違った男に声をかけられ、「君は6時間後に殺される」と告げられる。男は「自分には予知能力がある、君が殺される未来を見た」と言う。ジョンユンにはかつてストーカー被害にあったこともあり、半信半疑ながらも、「君を助けたい」という男と行動をともにし、犯人を探し出そうとする。一方、ジョンユンの知り合いの刑事はその話を聞き、最近起こっている連続殺人との結びつきを調べ始め、死を予言したその男こそが犯人だと確信するが……。

人気K-POPグループ「NCT」のジェヒョンが、死を予知するというミステリアスな男ジュヌを演じ、スクリーンデビューを果たした。死を予告されるジョンユン役に「炎上ドライブ」のパク・ジュヒョン、殺人犯を追う刑事ギフン役に「夜間飛行」のクァク・シヤン。

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2025-155M 「レオ ブラッディ・スウィート」☆☆☆★

Sleo原題:Leo
邦題:レオ ブラッディ・スウィート
時間:161分
公開:2025-06-20
製作年度:2023
製作国:インド
配給:SPACEBOX
製作総指揮:
製作:
監督:ローケーシュ・カナガラージ
脚本:ローケーシュ・カナガラージ ラトナ・クマール ディーラジ・バイディ
原作:
撮影:マノージ・パラマハムサー
音楽:アニルド
出演:ビジャイ、サンジャイ・ダット

「囚人ディリ」「ヴィクラム」のローケーシュ・カナガラージ監督が、「マスター 先生が来る!」に続いて人気俳優ビジャイとタッグを組んだクライムアクション。

インド北部の静かな町テオグ。カフェを経営する動物保護活動家のタミル人パールティバンは、妻や2人の子どもたちとともに平穏に暮らしていた。そんなある日、シャンムガム率いる強盗団が町を荒らしまわり、パールティバンのカフェに侵入する。レジの現金を渡してその場を収めようとするパールティバンだったが、娘や女性スタッフにまで危害が及びそうになると、驚異的な身体能力で瞬く間に5人の敵を返り討ちにする。この事件は大きく報道され話題となるが、事件を知った複数の闇の勢力がパールティバンを標的に動きはじめる。その中には、彼を「レオ」と呼んで付け狙う謎の男たちの姿もあった。

「PS1 黄金の河」「PS2 大いなる船出」のトリシャー・クリシュナンがパールティバンの妻役、「K.G.F: CHAPTER 2」「PK」のサンジャイ・ダットがレオを追うギャング役で共演。

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2025-154M 「金子差入店」☆☆☆★★

Skanekosashiireten邦題:金子差入店
時間:125分
公開:2025-05-16
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ショウゲート
製作総指揮:
製作:英田理志 小山洋平 中村浩子 鶴丸智康
監督:古川豪
脚本:古川豪
原作:
撮影:江﨑朋生
音楽:ベンジャミン・ベドゥサック
出演:丸山隆平(金子真司)、真木よう子(金子美和子)、三浦綺羅(金子和真)、川口真奈(二ノ宮佐知)、北村匠海(小島高史)、村川絵梨(徳山詩織)、甲本雅裕(久保木)、根岸季衣(小島こず江)、岸谷五朗(横川哲)、名取裕子(金子容子)、寺尾聰(星田辰夫)

「SUPRE EIGHT」の丸山隆平が「泥棒役者」以来8年ぶりに映画主演を務め、刑務所や拘置所への差し入れを代行する「差入屋」を家族で営む一家が、ある事件をきっかけにその絆が揺らいでいく姿を描いたヒューマンサスペンス。

金子真司は刑務所や拘置所に収容された人への差し入れを代行する「差入屋」を一家で営んでいる。ある日、息子の幼なじみの女の子が殺害されるという凄惨な事件が発生する。一家がショックを受ける中、犯人の母親が「差し入れをしたい」と店を訪れる。差入屋としての仕事をまっとうし、犯人と向き合いながらも、金子は疑問と怒りが日に日に募っていく。そんなある日、金子は一人の女子高生と出会う。彼女は毎日のように拘置所を訪れ、なぜか自分の母親を殺した男との面会を求めていた。この2つの事件と向き合う中で、金子の過去が周囲にあらわとなり、家族の絆を揺るがしていく。

主人公・真司役を丸山が演じ、真木よう子、寺尾聰らが顔をそろえる。「東京リベンジャーズ」シリーズなどの助監督を務め、本作が長編初監督作となる古川豪が自らのオリジナル脚本でメガホンをとった。

オリジナル脚本だそうだ。しかし映画の佇まいは、差入店を舞台にした連作短編小説を上手にまとめたような、文芸作品の香りがする。ノベライズしたら良い小説として出版できるのでは?と思ってしまう。主人公にからむ、それぞれのベテラン俳優が、みな良い味で存在感を出している。

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2025-153M 「ノスフェラトゥ」☆☆☆★★

Snosferatow原題:Nosferatu
邦題:ノスフェラトゥ
時間:133分
公開:2025-05-16
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:パルコ
製作総指揮:バーナード・ベリュー
製作:ジェフ・ロビノフ ジョン・グラハム クリス・コロンバス エレノア・コロンバス ロバート・エガース
監督:ロバート・エガース
脚本:ロバート・エガース
原作:
撮影:ジェアリン・ブラシュケ
音楽:ロビン・キャロラン
出演:ビル・スカルスガルド、ニコラス・ホルト、リリー=ローズ・デップ、アーロン・テイラー=ジョンソン、エマ・コリン、ラルフ・アイネソン、サイモン・マクバーニー、ウィレム・デフォー

「ライトハウス」「ノースマン 導かれし復讐者」の鬼才ロバート・エガース監督が、吸血鬼映画の原点とも言われ、自身も多大な影響を受けたという1922年のサイレント映画「吸血鬼ノスフェラトゥ」に、独自の視点を取り入れて描いたゴシック・ロマンスホラー。

不動産業者のトーマス・ハッターは、仕事のため自身の城を売却しようとしているオルロック伯爵のもとへ出かける。トーマスの不在中、彼の新妻であるエレンは夫の友人宅で過ごすが、ある時から、夜になると夢の中に現れる得体の知れない男の幻覚と恐怖感に悩まされるようになる。そして時を同じくして、夫のトーマスやエレンが滞在する街にも、さまざまな災いが起こり始める。

夜な夜な夢の中で正体不明の男に怯える主人公エレン役を、ジョニー・デップの娘でもあるリリー=ローズ・デップが務め、オルロック伯爵を「IT イット」シリーズのペニーワイズ役で知られるビル・スカルスガルドが演じた。そのほか、ロバート・エガース監督とは3度目のタッグとなるウィレム・デフォーや、ニコラス・ホルト、アーロン・テイラー=ジョンソンといった豪華キャストが共演。第97回アカデミー賞で撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4部門でノミネートされた。

19世紀ヨーロッパを舞台にしたコスチュームもの。相当に凝った撮影、美術、衣装、メイクで、クソ真面目に仕立て上げたゴシックホラーの秀作。流石に褒めたポイントはオスカーノミネートされていた。吸血鬼伝説の原点的なストーリーで、伸びた犬歯やニンニクなどの後世にドラキュラ映画で発明されたツールは出てこない。どちらかというと、少女の夢想で眠りを覚まされた悪魔が戻ってくるというお話。ヒロインはジョニー・デップの娘さんらしいが、残念ながら適役だとは思えない。

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2025-152M 「季節はこのまま」☆☆☆★

Skisetsuhakonomama原題:Hors du temps
邦題:季節はこのまま
時間:105分
公開:2025-05-09
製作年度:2024
製作国:フランス
配給:Bunkamura
製作総指揮:シルビー・バルテ
製作:オリビエ・デルボス オリビエ・アサイヤス
監督:オリビエ・アサイヤス
脚本:オリビエ・アサイヤス
原作:
撮影:エリック・ゴーティエ
音楽:
出演:ヴァンサン・マケーニュ(ポール)、ミシャ・レスコー(エティエンヌ)、ニーネ・ドゥルソ(モルガン)、ノラ・アムザウィ(キャロル)、モード・ウィラー、ドミニク・レイモン、マグダレナ・ラフォン、

フランスの名匠オリビエ・アサイヤスが、パンデミックのためロックダウンされた2020年の春の出来事を描いたロマンスコメディ。

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大により世界中で外出が制限されていた。映画監督のポールと弟で音楽ジャーナリストのエティエンヌは、それぞれ本格的な交際を始めたばかりのモルガンとキャロルとともに、幼い頃に暮らしていた郊外の家に閉じこもって生活することに。何もかもが変わり、全てが止まってしまった時間のなかで、ポールたちは不安を抱えながらも確かにそこにある光や愛を発見し、人生を見つめ直していく。

アサイヤス監督が実際に弟とともに幼少期とロックダウン期間を過ごした両親の家で撮影を行い、劇中にもロックダウン中の実体験や自伝的要素を盛り込んだ。「冬時間のパリ」などでもアサイヤス監督と組んだバンサン・マケーニュが主人公ポール、「グッバイ・ゴダール!」のミーシャ・レスコが弟エティエンヌ、「オークション 盗まれたエゴン・シーレ」のノラ・ハムザウィがエティエンヌの恋人キャロル、モデルとして活躍するナイン・ドゥルソがポールの恋人モルガンを演じた。2024年・第74回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品。

本作もコロナ禍が舞台。まあ、製作から海外のマーケットを経て、諸作業の末に日本で封切となると、昨年くらいから立て続けに出てきてるのは、そういうタイミングだな。

 

 

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2025-151M 「新世紀ロマンティクス」☆☆☆★

Sshinseikiroman原題:風流一代 Caught by the Tides
邦題:新世紀ロマンティクス
時間:111分
公開:2025-05-09
製作年度:2024
製作国:中国
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:ジャ・ジャンクー タン・ヤン ドン・ピン チュウ・ウェイチエ
製作:キャスパー・リャン・ジアヤン 市山尚三
監督:ジャ・ジャンクー
脚本:ジャ・ジャンクー ワン・ジアファン
原作:
撮影:ユー・リクウァイ エリック・ゴーティエ
音楽:リン・チャン
出演:チャオ・タオ(チャオ)、リー・チュウビン(ビン)、パン・ジアンリン(パン)、ラン・チョウ(黄毛)、チョウ・ヨウ(チョウ)、レン・クー(スーパー前のシンガー)、マオ・タオ(スーパー前のギタリスト)

中国の名匠ジャ・ジャンクーが製作期間に22年をかけ、21世紀初頭から劇的な変化を遂げた中国の街を、ひとりの女性の人生の変遷とともにとらえたドラマ。

2001年、炭鉱産業が廃れ失職者で溢れかえる山西省・大同。2006年、三峡ダム建設のため100万人以上が移住を余儀なくされた長江・奉節。コロナ禍の2022年、マカオに隣接する経済特区として発展する珠海と、すっかり都会となった大同。チャオは大同を出て戻ってこない恋人ビンを探して奉節へ向かい、ビンは仕事を求めて珠海を訪れる。時は流れ、ふたりはまた大同にたどり着く。

主人公チャオ役に、これまでもジャ・ジャンクー監督作で主演を務めてきた妻チャオ・タオ。同監督の過去作「青の稲妻」「長江哀歌」などの本編映像や未使用映像、ドキュメンタリー映像なども使用しながら、実際の24歳・29歳・45歳のチャオの姿と共に、変化していく街の景色を映しだす。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第25回東京フィルメックスでオープニング作品として上映。

2001年からコロナ禍の2022年までの急成長中国が舞台。その疾走は人間の成長を超えて、途方もなく抗えない洪水の如くで、主人公たちは諦念とともに流れに身を投じざる得ない。立ち止まることが許されない現実を描くが、大丈夫か?監督!

 

 

 

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2025-150M 「アメリカッチ コウノトリと幸せな食卓」☆☆☆★★

Samerikatsi原題:Amerikatsi
邦題:アメリカッチ コウノトリと幸せな食卓
時間:121分
公開:2025-06-13
製作年度:2022
製作国:アルメニア・アメリカ
配給:彩プロ
製作総指揮:
製作:
監督:マイケル・グールジャン
脚本:マイケル・グールジャン
原作:
撮影:ガセム・エブラヒミアン
音楽:アンドラニク・ベルベリャン
出演:マイケル・グールジャン、ホヴィク・ケウチケリアン

ソ連統治下のアルメニアを舞台に、無実の罪で収監されたアメリカ人男性が、牢獄の小窓から見える部屋に暮らす夫婦を観察することに幸せを見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。

幼い頃にオスマン帝国でのアルメニア人迫害から逃れアメリカに移住したチャーリーは、1948年、自身のルーツを知るため祖国アルメニアを訪れる。そこはソ連統治下にあっても理想の故郷のように思えたが、チャーリーは身に覚えのないスパイ容疑で逮捕・収監されてしまう。悲嘆に暮れるなか、牢獄の小窓から近くのアパートの部屋が見えることに気づいた彼は、そこに暮らす夫婦の生活を観察しはじめる。チャーリーは想像力を研ぎ澄ませ、まるで夫婦と同じ空間にいるかのように彼らと一緒に食事をし、歌を歌い、会話を楽しむようになる。しかし夫婦仲がこじれて部屋には夫だけが残され、時を同じくしてチャーリーのシベリア行きも決まってしまう。移送の日が迫るなか、チャーリーは夫婦を仲直りさせる作戦に乗り出す。

アルメニア系アメリカ人のマイケル・グールジャンが監督・脚本・主演を務めた。ウッドストック映画祭長編映画賞・審査員賞など、世界各地の映画祭で数々の賞を受賞。

刑務所(収容所)のなかで生きがいを見つけつつ時を経るモチーフでは『終身犯』(ジョン・フランケンハイマー監督 1961年)がマスターピースだと信じているが、脱獄を伴わない流れでは本作は近年では秀作だ。ソビエトスターリン政権下の理不尽なアルメニア支配。そこへアメリカから帰国事業で帰ってきてスパイとして逮捕される主人公。という設定が、すでに<世界は狂っている>という証左だろう。ともあれ、収容所の独房の窓から覗く看守夫婦の生活。娑婆との繋がりを精神的に保っていく主人公、それが生きがいとなってしまう異常性に観客は打ちのめされる。

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2025-149M 「クィア QUEER」☆☆☆★

Squeer原題:QUEER
邦題:クィア QUEER
時間:13分
公開:2025-05-09
製作年度:2024
製作国:イタリア・アメリカ
配給:ギャガ
製作総指揮:エレナ・レッキア ピーター・スピアーズ
製作:ロレンツォ・ミエーリ ルカ・グァダニーノ
監督:ルカ・グァダニーノ
脚本:ジャスティン・クリツケス
原作:ウィリアム・S・バロウズ
撮影:サヨムプー・ムックディプローム
音楽:トレント・レズナー アティカス・ロス
出演:ダニエル・クレイグ(ウィリアム・リー)、ドリュー・スターキー(ユージーン・アラートン)、レスリー・マンヴィル(コッター博士)、ジェイソン・シュワルツマン(ジョー)

「君の名前で僕を呼んで」「ボーンズ アンド オール」のルカ・グァダニーノ監督が「007」シリーズのダニエル・クレイグを主演に迎え、1950年代アメリカのビート・ジェネレーションを代表する作家ウィリアム・S・バロウズの自伝的小説を映画化。

1950年代、メキシコシティ。退屈な日々を酒や薬でやり過ごしていたアメリカ人駐在員ウィリアム・リーは、美しくミステリアスな青年ユージーン・アラートンと出会い、ひと目で恋に落ちる。渇ききっていたリーの心はユージーンを渇望し、ユージーンもそれに気まぐれに応えるが、求めれば求めるほどリーの孤独は募っていく。やがてリーはユージーンと一緒に人生を変える体験をしようと、彼を幻想的な南米の旅に誘い出すが……。

自分を保てないほど一途に相手を求める主人公リーをクレイグが新たな魅力で演じきり、2024年・第96回ナショナル・ボード・オブ・レビューにて主演男優賞を受賞。テレビドラマ「アウターバンクス」のドリュー・スターキーがユージーンを繊細に演じ、「アステロイド・シティ」のジェイソン・シュワルツマン、「ファントム・スレッド」のレスリー・マンビルが共演。2024年・第81回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

ウォン・カーウァイといい、フランソワ・オゾンといい、ペドロ・アルモドバルといい、ルカ・グァダニーノといい…。というベクトル上に本作がある。そしてそれぞれの母国では彼らは名匠とされている。クライマックスはキューブリック的になっている。ともあれ、日本的にいえば、カルトな範疇になる薔薇族映画、ってことか。

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2025-148M 「リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界」☆☆☆★★

Sleemirrer原題:Lee
邦題:リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界
時間:116分
公開:2025-05-09
製作年度:2023
製作国:イギリス
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
製作総指揮:クレア・ハードウィック フィノラ・ドワイヤー トーステン・シューマッハー クレア・テイラー ジュリア・スチュアート ローラ・グランジ レム・ドブス リズ・ハンナ ジョン・コリー ジェイソン・デュアン クリスティーン・ジャン ジョン・ハンツ ビリー・マリガン
製作:ケイト・ソロモン ケイト・ウィンスレット トロイ・ラム アンドリュー・メイソン マリー・サバレ ローレン・ハンツ
監督:エレン・クラス
脚本:リズ・ハンナ マリオン・ヒューム ジョン・コリー
原作:アントニー・ペンローズ
原案:レム・ドブス マリオン・ヒューム ジョン・コリー
撮影:パベウ・エデルマン
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:ケイト・ウィンスレット(リー・ミラー)、アンディ・サムバーグ(デイヴィッド・シャーマン)、アレキサンダー・スカルスガルド(ローランド・ペンローズ)、マリオン・コティヤール(ソランジュ・ダヤン)、ジョシュ・オコナー(若いジャーナリスト)、アンドレア・ライズボロー(オードリー・ウィザーズ)、ノエミ・メルラン(ヌーシュ・エリュアール)

ケイト・ウィンスレットが主演・製作を務め、トップモデルから20世紀を代表する報道写真家へと転身した実在の女性リー・ミラーの数奇な人生を映画化した作品。

1938年、南フランスでアーティスト仲間たちと休暇を過ごしていたリー・ミラーは、芸術家ローランド・ペンローズと出会い恋に落ちる。ほどなくして第2次世界大戦の脅威が迫り、日常のすべてが一変。写真家の仕事を得たリーは、アメリカ「LIFE」誌のフォトジャーナリスト兼編集者デイヴィッド・シャーマンとチームを組む。1945年、リーは従軍記者兼写真家として次々とスクープをつかみ、ヒトラーが自死した当日、ミュンヘンにあるヒトラーのアパートの浴室で自らのポートレイトを撮影して戦争の終わりを伝える。それらの光景はリー自身の心に深く焼きつき、戦後も長きにわたり彼女を苦しめることになる。

リー・ミラーを演じたケイト・ウィンスレットはゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされた。リーの友人ソランジュ・ダヤン役でマリオン・コティヤール、恋人ローランド・ペンローズ役でアレクサンダー・スカルスガルド、編集者デイヴィッド・シャーマン役でアンディ・サムバーグが共演。「エターナル・サンシャイン」などの撮影監督エレン・クラスが長編映画初監督を務めた。

ある種ポリコレ的に「女性の社会での役割の限界」を如実に<戦争>という現場で描いている。そういう意味でのアングル(角度)のある映画である。しかし、それを超えてリー・ミラーという戦場報道カメラマンの圧倒的な、目撃者であることの立場を追求する迫力に脱帽する。

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2025-147M 「未完成の映画」☆☆☆★★

Smikanseinoeiga原題:一部未完成的電影 An Unfinished Film
邦題:未完成の映画
時間:107分
公開:2025-05-02
製作年度:2024
製作国:シンガポール・ドイツ
配給:アップリンク
製作総指揮:
製作:マー・インリー フィリップ・ボベール
監督:ロウ・イエ
脚本:ロウ・イエ マー・インリー
原作:
撮影:ツォン・ジエン
音楽:
出演:チン・ハオ(ジャン・チョン)、マオ・シャオルイ(マオ・シャオルイ)、チー・シー(サン・チー)、ホアン・シュエン(イエ・シャオ)、リャン・ミン(アジェン)、チャン・ソンウェン(タン)、ヨウヨウ(パオパオ)

「天安門、恋人たち」などの名匠ロウ・イエ監督が、中国・武漢に近い都市を舞台に、映画制作に携わる人々の姿を通してコロナ禍の「集団的トラウマの記録」をリアルに描いた作品。

映画監督シャオルイは10年前に中断された未完成のクィア映画を完成させるため、キャストとスタッフを集めて説得する。2020年1月、撮影が終わりに近づくなか、新種のウイルスに関する噂が広まりはじめる。やがてホテルがロックダウンされ、スタッフたちは部屋に閉じ込められたまま、すべてのコミュニケーションがスマホ画面のみに制限されてしまう。

フェイクドキュメンタリーのスタイルを採りながら、コロナ禍で実際に撮影されたスマホの映像を盛り込んで多層的に描きだす。出演は「スプリング・フィーバー」のチン・ハオ、「二重生活」のチー・シー。2024年・第77回カンヌ国際映画祭では特別招待作品としてドキュメンタリー部門にて上映され、第61回台北金馬奨では劇映画部門の最優秀作品賞・監督賞を受賞した。第25回東京フィルメックスで観客賞を受賞。

10年前の未完成の映画を、追加撮影して完成させようというプロジェクトが、2020年のコロナ禍でとん挫していく様を、記録映像とモキュメンタリーをミックスしながら、2023年以降に完成させた「未完成の映画」。という多重に倒錯したタイトルを主題をもつ珍品。

 

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2025-146M 「スンブ 二人の棋士」☆☆☆★

So0446063915551591387原題:The Match
邦題:スンブ 二人の棋士
時間:115分
公開:2025-05-08
製作年度:2023
製作国:韓国
配給:netflix
製作総指揮:
製作:
監督:キム・ヒョンジュ
脚本:キム・ヒョンジュ
原作:
撮影:
音楽:
出演:イ・ビョンホン、ユ・アイン、コ・チャンソク、ヒョン・ボンシク、ムン・ジョンヒ

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2025-145M 「カウントダウン」☆☆☆★

Scountdown原題:焚城 Cesium Fallout
邦題:カウントダウン
時間:136分
公開:2025-05-02
製作年度:2024
製作国:香港
配給:AMGエンタテインメント
製作総指揮:
製作:ビル・コン アンディ・ラウ アンソニー・プン アイビー・ホー
監督:アンソニー・プン
脚本:マク・ティンシュウ、シャム・クワンシン、ウォン・ウィンイウ、フランシス・トウ、オスカー・フォン
原作:
撮影:アンソニー・プン
音楽:エリオット・レオン
出演:アンディ・ラウ(ファン・ウェイリー)、バイ・ユー(キット)、カレン・モク(セシリア)、ツェー・クワンホウ(イエンチャン)、イヴァナ・ウォン(ワン)、ルイーズ・ウォン(メイエン)、フィッシュ・リュウ(スーイー)、ホー・カイワ(アーシュイ)、ジェフリー・ナイ(シーチュー)、リャン・チョンホン(バオミン)、ケニー・ウォン(リウ)、ロッカー・ラム(フィンガー)、ウェスリー・ウォン(ダービー)

火災と放射能汚染と台風という3つの危機が迫った香港を舞台に、未曽有の事態を回避するため奔走する人々の姿を描いたディザスターパニック大作。

産業廃棄物集積所の火災に端を発し、高濃度セシウムの漏洩という一大事が発生した香港。政府は環境汚染問題の専門家ファンと、精鋭の消防部隊を招集して即座に対策を講じる。しかし、時を同じくして、巨大な熱帯低気圧が香港上空に急接近していた。火災に放射能汚染に大型台風という制御不能な三重の脅威が、人口700万人の大都市・香港を襲う。人々を救うことができるタイムリミットはわずか90分という絶体絶命の中、ファンらは前代未聞の作戦を決行する。

香港映画界を代表する俳優アンディ・ラウがファン役で主演を務め、中国の国民的俳優バイ・ユー、「少林サッカー」のカレン・モク、「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」のケニー・ウォンら豪華キャストが共演。監督は、「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」などで撮影を手がけてきたアンソニー・プン。

 

 

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2025-144M 「うぉっしゅ」☆☆☆

Swash邦題:うぉっしゅ
時間:115分
公開:2025-05-02
製作年度:2023
製作国:日本
配給:ナカチカピクチャーズ
製作総指揮:
製作:
監督:岡﨑育之介
脚本:岡﨑育之介
原作:
撮影:江成隼
音楽:永太一郎
出演:中尾有伽(加那)、研ナオコ(紀江)、中川ゆかり(すみれ)、西堀文(久美)、嶋佐和也(柿谷)、高木直子(名取)、赤間麻里子(古田)、磯西真喜(早苗)

認知症の祖母の介護をすることになったソープ嬢の葛藤と、祖母と孫の結びつきをコミカルに描いた人間ドラマ。永六輔の孫で「安楽死のススメ」で映画監督デビューした岡﨑育之介が、自身の祖母の話をもとにオリジナル脚本で手がけた。

ソープ店で働く加那はある日、母から一週間だけ認知症の祖母の介護を頼まれ、仕事でも祖母の介護でも「人の身体を洗う」というダブルワークの日々がスタートする。祖母・紀江は認知症のため孫の名前すら覚えていない状態のため、2人は会うたびに初対面のようなやりとりを繰り返す。どうせ話をしても忘れてしまう祖母に、親には隠している仕事のことを自由に打ち明けられることに気付いた加那は、そこから徐々に祖母との心の距離が縮まっていく。祖母の介護をする中で、それまで知ることがなかった祖母のこれまでの人生と孤独が垣間見え、加那は自分自身のことを見つめ直すようになる。

加那役を「暁闇」「窓辺にて」の中尾有伽、祖母・紀江役を歌手でコメディエンヌとしても定評のある研ナオコがそれぞれ演じる。

認知症の祖母を介護するソープ嬢。というそそる設定のオリジナル脚本作品。研ナオコが祖母役。

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2025-143M 「6人ぼっち」☆☆★★★

Srokuninbochi邦題:6人ぼっち
時間:85分
公開:2025-05-02
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ギグリーボックス
製作総指揮:野田爽介
製作:熊田泰祐
監督:宗綱弟
脚本:政池洋佑
原作:
撮影:
音楽:坂本秀一
出演:野村康太(加山糸)、吉田晴登(飯島祐太郎)、三原羽衣(馬場すみれ)、松尾潤(五十嵐大輔)、鈴木美羽(新川琴)、中山ひなの(山田ちえ)、小西詠斗(長谷部)、賀屋壮也(島)

修学旅行で同じ班になった、それぞれひとりぼっちな6人の高校生たちの交流を描く青春ドラマ。

クラスに友人がいない加山糸は修学旅行前の班決めで、同じく誰とも組むことができずにいた5人と一緒に班を組まされ、班長まで任されてしまう。メンバーは、自己中心的な馬場すみれ、ガリ勉タイプの新川琴、自慢話ばかりの五十嵐大輔、気が弱すぎる山田ちえ、そして不登校の飯島祐太郎。修学旅行先の広島で、ギクシャクしながらも班行動が始まり、6人それぞれの行きたい場所を順番に周ることに。バッティングセンターやSNS映えするカフェを巡るうちに、彼らの間に少しずつ仲間意識が芽生えはじめる。しかし、あることをきっかけに思わぬ事態が起こり……。

テレビドラマ「その着せ替え人形は恋をする」の野村康太が班長・加山役で主演を務め、吉田晴登、三原羽衣、松尾潤、鈴木美羽、中山ひなのが班員役で共演。「ハケンアニメ!」の脚本家・政池洋佑が企画・脚本を手がけ、俳優の傍ら映画制作を続ける宗綱弟が長編初監督を務めた。

いかにも原作がありそげだが、オリジナルらしい。人物設定がフライヤーだけでもステレオタイプな『イマドキの青春袋小路からの友情覚醒自己肯定へ結論』という凡作になってなければイイナ、というメンタルアブソーバーをかけての鑑賞だ。キャラ立てした役者たちで群像劇としたかったのだろうが、そんなものは過去に腐る程ある。よって、どこまで新機軸と、時代の合わせ鏡となるメッセージ提示ができているかが勝負だな。誰に勝つのかは知らんけど、と僅かな期待。がしかし、想像を超えてくれることは無かった。

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2025-142M 「メガロポリス」☆☆★★★

Smegaropolice原題:Megalopolis
邦題:メガロポリス
時間:138分
公開:2025-06-20
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ハーク、松竹
製作総指揮:アナヒド・ナザリアン
製作:フランシス・フォード・コッポラ バリー・ハーシュ フレッド・ルース マイケル・ベダーマン
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本:フランシス・フォード・コッポラ
原作:
撮影:ミハイ・マライメア・Jr.
音楽:オスバルト・ゴリジョフ
出演:アダム・ドライバー、ジャンカルロ・エスポジート、ナタリー・エマニュエル、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ボイト、ジャイソン・シュワルツマン、タリア・シャイア、クレース・バンダーウォール、ローレンス・フィッシュバーン、キャサリン・ハンター、ダスティン・ホフマン

巨匠フランシス・フォード・コッポラが構想に40年を費やし、アメリカをローマ帝国に見立てた大都市ニューローマを舞台に、理想の新都市メガロポリスを通して未来への希望を描いたSF叙事詩。

21世紀、アメリカの大都市ニューローマでは、富裕層と貧困層の格差が社会問題化していた。新都市メガロポリスの開発を進めようとする天才建築家カエサル・カティリナは、財政難のなかで利権に固執する新市長フランクリン・キケロと対立する。さらに一族の後継を狙うクローディオ・プルケルの策謀にも巻き込まれ、カエサルは絶体絶命の危機に陥る。

コッポラ監督がH・G・ウェルズ原作の映画「来るべき世界」に着想を得て1980年代より脚本を構想し、2001年には撮影準備を進めていたが9・11同時多発テロの影響で中断。そのまま頓挫の危機に陥ったが、2021年にコッポラ監督が私財1億2000万ドルを投じて製作を再始動させ、2024年についに完成させた。「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバーが天才建築家カエサル役で主演を務め、彼と対立する市長キケロ役でテレビドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズのジャンカルロ・エスポジート、キケロの娘ジュリア役でテレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズのナタリー・エマニュエルが共演。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

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2025-141M 「サンダーボルツ*」☆☆☆

Sthandrbolts原題:Thunderbolts*
邦題:サンダーボルツ*
時間:127分
公開:2025-05-02
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:ルイス・デスポジート ブライアン・チャペック ジェイソン・タメス
製作:ケビン・ファイギ
監督:ジェイク・シュライアー
脚本:エリック・ピアソン ジョアンナ・カロ
原作:エリック・ピアソン
撮影:アンドリュー・ドロス・パレルモ
音楽:サン・ラックス
出演:フローレンス・ピュー(エレーナ)
デヴィッド・ハーバー(レッド・ガーディアン/アレクセイ)、セバスチャン・スタン(ウィンター・ソルジャー/バッキー)、ワイアット・ラッセル(USエージェント/ジョン・ウォーカー)、オルガ・キュリレンコ(タスクマスター)、ハナ・ジョン=カーメン(ゴースト)、ジュリア・ルイス=ドレイファス(ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ)

マーベルコミックのヒーローたちが活躍するマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の各作品で悪役やならず者として登場した6人のキャラクターがチームを結成し、己の過去と向き合いながら世界の脅威に立ち向かっていく姿を描いたアクションエンタテインメント。

ある時、ニューヨークの街に突如として大きな黒い影が出現。瞬く間に市民を消し去っていく謎の敵により、世界は再び大きな脅威に直面するが、そんな人類の危機にも、数々の敵から世界を救ってきたヒーローチームの「アベンジャーズ」は姿を現さない。CIA長官のヴァレンティーナは、誰がこの脅威から世界を救うのかを問いかけるが、そこで立ち上がったのが、かつてヒーローたちと対立したことのあるバッキー・バーンズだった。バッキーは、エレーナ、ジョン・ウォーカー、レッド・ガーディアン、ゴースト、そしてタスクマスターという、全員が過去に悪事を犯したことのあるならず者たちに声をかけ、「サンダーボルツ*」というチームを結成する。そんな彼らの前に、バッキーの強力な武器でもある義手すらも簡単に打ち砕く、謎の敵が現れる。

フローレンス・ピュー、デビッド・ハーバー、セバスチャン・スタン、ワイアット・ラッセル、オルガ・キュリレンコ、ハナ・ジョン=カーメン、ジュリア・ルイス=ドレイファスら、これまでのMCU作品でそれぞれのキャラクターを演じてきたキャスト陣が結集。監督は、映画「ペーパータウン」やテレビシリーズ「BEEF ビーフ」で知られるジェイク・シュライアー。脚本は「ブラック・ウィドウ」「マイティ・ソー バトルロイヤル」のエリック・ピアソン。

 

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2025-140M 「花まんま」☆☆☆★★

Shanamanma邦題:花まんま
時間:118分
公開:2025-04-25
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:
製作:
監督:前田哲
脚本:北敬太
原作:朱川湊人
撮影:山本英夫
音楽:いけよしひろ
出演:鈴木亮平(加藤俊樹)、有村架純(加藤フミ子)、鈴鹿央士(中沢太郎)、ファーストサマーウイカ(三好駒子)、オール阪神(三好貞夫)、オール巨人(山田社長)、板橋駿谷(加藤恭平)、田村塁希(加藤俊樹(子供時代))、小野美音(加藤フミ子(子供時代))、南琴奈(繁田喜代美)、馬場園梓(チーちゃん)、六角精児(繁田宏一)、キムラ緑子(繁田房枝)、酒向芳(繁田仁)

大阪の下町に暮らす兄妹の不思議な体験を通して、人の哀しみや温かさを繊細な筆致で描き、2005年・第133回直木賞を受賞した朱川湊人の小説「花まんま」を、鈴木亮平と有村架純の初共演で映画化。早くに両親を亡くし、たったひとりの妹の親代わりとして生きる熱血漢の兄・俊樹を鈴木、奇妙な記憶と秘密を抱えた妹・フミ子を有村が演じた。

大阪の下町で暮らす加藤俊樹とフミ子の兄妹。兄の俊樹は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として妹のフミ子を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったのだが、遠い昔に2人で封印したはずの、フミ子のある秘密がよみがえり……。

メガホンをとったのは、「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」「そして、バトンは渡された」などで人の心の揺らぎを繊細かつ真摯なまなざしで描いてきた前田哲監督。フミ子の婚約者で動物行動学者の中沢太郎役で鈴鹿央士、俊樹の幼なじみで、お好み焼き屋「みよし」の看板娘である三好駒子役でファーストサマーウイカ、フミ子の抱える秘密に関係している繁田家の父・仁役で酒向芳、長男・宏一役で六角精児、長女・房枝役でキムラ緑子らが共演。また、結成50周年となった大阪出身のお笑いコンビ「オール阪神・巨人」も出演し、オール阪神が三好駒子の父で「みよし」の大将・三好貞夫、オール巨人が俊樹の勤務先の社長をそれぞれ演じた。タイトルの「花まんま」は、子どものままごと遊びで作った、大切な人に贈る小さな花のお弁当のこと。

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2025-139M 「メイデン」☆☆☆★

Smaiden原題:The Maiden
邦題:メイデン
時間:117分
公開:2025-04-19
製作年度:2022
製作国:カナダ
配給:クレプスキュールフィルム
製作総指揮:ハーランド・ワイス エミリー・ハリス ドノバン・M・ボーデン イシル・ギルダーデイル
製作:ダイバ・ザルニエリウナ ダン・モントゴメール
監督:グラハム・フォイ
脚本:グラハム・フォイ
原作:
撮影:ケリー・ジェフリー
音楽:
出演:ジャクソン・スルイター、マルセル・T・ヒメネス、ヘイリー・ネス、カレブ・ブラウ、シエナ・イー

孤独と喪失感にさいなまれる思春期の少年少女のひと夏の出来事を、16ミリフィルムによるみずみずしい映像美でつづったカナダ発の青春映画。

カルガリー郊外に住む高校生のカイルと親友コルトンは、スケートボードで住宅地を駆け抜けたり渓谷で水遊びをしたりと、気ままな日々を送っていた。夏休みが終わりに近づいたある日、立入禁止の鉄道線路に侵入したカイルを悲劇が襲う。新学期が始まってもその事実を受け止めることができないコルトンは、深い喪失感にかられながら、以前カイルと一緒に戯れた渓谷へ足を運ぶように。その頃、同じ高校に通うホイットニーが行方不明になる。偶然にもコルトンが渓谷で拾った彼女の日記帳には、学校での人間関係に悩む彼女の切実な思いがつづられていた。

カナダの新鋭グラハム・フォイが長編初監督・脚本を手がけた。2022年・第79回ベネチア国際映画祭のベニス・デイズ部門にて「未来の映画賞」を受賞。

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2025-138M 「IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー」☆☆☆

Sitisnotme原題:C'est pas moi
邦題:IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー
時間:42分
公開:2025-04-26
製作年度:2024
製作国:フランス
配給:ユーロスペース
製作総指揮:
製作:シャルル・ジリベール レオス・カラックス
監督:レオス・カラックス
脚本:レオス・カラックス
原作:
撮影:カロリーヌ・シャンプティエ
音楽:
出演:ドニ・ラヴァン、エカテリーナ・ユスピナ、ナースチャ・ゴルベワ・カラックス、ロレタ・ユオカイテ、アンナ=イザベル・シーフケン、ペトル・アネフスキー、ビアンカ・マッダルーノ、ジュリエット・ビノシュ、ミシェル・ピッコリ、ジャン=フランソワ・バルメ、カテリーナ・ゴルベワ

「アネット」「ホーリー・モーターズ」などの鬼才レオス・カラックスが初めて自ら編集を手がけ、圧倒的なビジュアルセンスで記憶と思考をコラージュしたセルフポートレート映画。

カラックス監督がパリの現代美術館ポンピドゥー・センターからの委任で構想するも、予算が膨らみすぎたため実現しなかった展覧会の代わりとして制作。「いま君はどこにいる?」というポンピドゥー・センターからの問いかけを根源的に捉え直し、自分がどこから来てどこへ行くのかという答えのない謎に、地の底から響くような低い声で口ごもりながら語る。

ジャン=リュック・ゴダール監督の後期のエッセイスタイルへオマージュを込めながら、家族について、映画について、20世紀の独裁者と子どもたちについて、死者たちについて、そして哲学者ベルクソンが提唱した「エラン・ヴィタル(生の飛躍、生命の躍動)」について、ホームビデオから映画、音楽、写真などさまざまなジャンルやフォーマットの映像を、夢の断片のようにコラージュしていく。

ゴダールが晩年は、観客の精神を試すが如くな、メンタルインタレーション的作品を提示し続けた。映像作家として、『自分は何者か?』を観客に問いかけ、宣言する行為を、自由気儘にイメージの洪水によって追求してきた。そして、それを支えるパトロンがい続けた。幸せな生涯だったろう。そんな理想的な作品発表は、近年ではアルノー・デプレシャン監督の「映画を愛する君へ」が記憶に新しい。そこで本作のレオス・カラックス監督作品である。これまたイメージが、大噴火の溶岩のように迸り出る(観客置いてけ堀=独りよがり)の、映像と音楽のコラージュによる自慰的快楽の追求。それも良いだろう。映画監督として、理想的な境地に達しているのだから。この42分間に、きちんと向き合って、付き合ってやろうじゃないか。という心の豊かさを大いに発揮した覚悟を強いられる作品である。

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