2025-078M 「逃走」☆☆☆★
邦題:逃走
時間:110分
公開:2025-03-15
製作年度:2025
製作国:日本
配給:太秦
製作総指揮:
製作:平野悠
監督:足立正生
脚本:足立正生
原作:
撮影:山崎裕
音楽:大友良英
出演:古舘寛治(桐島聡)、杉田雷麟(若き桐島聡)、タモト清嵐(宇賀神寿一)、吉岡睦雄(若き桐島・同僚)、松浦祐也(隣家の男)、川瀬陽太(キャバクラの客)、足立智充(若き桐島・同僚)、中村映里子(リエ)
「赤軍 PFLP 世界戦争宣言」「REVOLUTION+1」の足立正生が監督・脚本を手がけ、半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した東アジア反日武装戦線の元メンバー・桐島聡を描いたドラマ。元日本赤軍メンバーという経歴を持つ足立監督が、自身の半生と重ねあわせながら、桐島の苦悩と決意を描きだす。
社会運動が高揚していた1970年代の日本。新左翼過激派集団である東アジア反日武装戦線「さそり」のメンバー・桐島聡は、重要指名手配され逃亡の日々を送っていた。いつ逮捕されるかわからない緊張感のなかで日雇い仕事を転々とし、やがて「内田洋」という偽名で神奈川県藤沢市の工務店に住み込みで働くように。1960~70年代のブルースやロックを好む彼は、近所のライブバーに通い趣味を楽しむ一方で、かつての仲間たちの姿を思い浮かべては日本社会の欺瞞や凋落を見つめ続けていた。2024年、70歳となった彼は末期がんと診断され、病院のベッドで生死の狭間をさまよう。
国内外で活躍するベテラン俳優・古舘寛治が主演を務め、青年時代の桐島を杉田雷麟、桐島の恋人となる女性を中村映里子、桐島とともに逃亡する宇賀神寿一をタモト清嵐が演じた。
連続企業爆破事件の指名手配犯で、死ぬ間際に正体を明かした桐島聡の物語。まあ、昨年の事件だったこともあり、際物と呼ぶ類の、速成映画化だ。その点では『電車男』以来のタイムリーイメージ。だがしかし、元日本赤軍の足立正生監督作品ということで、相当に角度がついている。大きな流れの真実は、日雇い仕事で転々と逃走(闘争)した、という事なのだろう。そこを、様々なエピソードで膨らませ、死にゆく霧島の妄想として、かつての仲間との闘争の総括闘論のシーンなどが描かれる。このあたりは、足立監督のアジテーションなのだろう。あまりに諦観的、自省的、しかし闘い続けるしかない霧島の心象風景を監督は創造している。かなり感傷的に。そう、同じ戦場で闘争した『戦友』の死を悼むかのように。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 2025-137M 「来し方 行く末」☆☆☆(2025.04.28)
- 2025-136M 「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」☆☆☆★(2025.04.28)
- 2025-135M 「けものがいる」☆☆☆(2025.04.28)
- 2025-134M 「新幹線大爆破(Netflix)」☆☆☆★★(2025.04.27)
- 2025-133M 「#真相をお話しします」☆☆☆★★(2025.04.25)
「邦画たなは行」カテゴリの記事
- 2025-132M 「パリピ孔明 THE MOVIE」☆☆☆★(2025.04.25)
- 2025-119M 「シネマ歌舞伎 野田版 鼠小僧」☆☆☆★★★(2025.04.08)
- 2025-117M 「陽が落ちる」☆☆☆★★(2025.04.08)
- 2025-112M 「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」☆☆☆(2025.04.03)
- 2025-106M 「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」☆☆☆★(2025.04.01)
コメント