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2025-102M 「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」☆☆☆★

Sbabywaru2邦題:ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー
時間:101分
公開:2023-03-24
製作年度:2023
製作国:日本
配給:渋谷プロダクション
製作総指揮:
製作:奥村雄二 人見剛史 松原憲 小林未生和
監督:阪元裕吾
脚本:阪元裕吾
原作:
撮影:伊集守忠
音楽:SUPA LOVE
出演:高石あかり(杉本ちさと)、伊澤彩織(深川まひろ)、水石亜飛夢、中井友望、飛永翼、橋野純平、安倍乙、新しい学校のリーダーズ、渡辺哲、丞威、濱田龍臣

殺し屋女子2人組の活躍を描いた、阪元裕吾監督の青春アクションエンタテインメント「ベイビーわるきゅーれ」の第2弾。

組織からの依頼で殺しを請け負っている、ちさととまひろの2人は、ジムの会費、保険のプラン変更など、日々のお金に頭を悩ませ、いつものように途方に暮れていた。一方、殺し屋協会アルバイトの兄・ゆうりと弟・まことの兄弟もまた、お金の悩みを抱えていた。上からの指令ミスでバイト代はもらえず、正社員ではないため働いても満足した生活ができない。そんな現実を前に、お金が欲しい兄弟は、「ちさととまひろのポストを奪えば正規のクルーに昇格できる」という噂を聞きつけ、ちさととまひろの前にたちはだかる。

ちさと、まひろ役を前作同様に高石あかりと伊澤彩織が演じるほか、ゆうり役を「燃えよデブゴン TOKYO MISSION」の丞威、まこと役を「ウルトラマンジード」の濱田龍臣がそれぞれ演じる。

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2025-101M 「ベイビーわるきゅーれ」☆☆☆★★

Sbabywaru1邦題:ベイビーわるきゅーれ
時間:95分
公開:2021-07-30
製作年度:20211
製作国:日本
配給:渋谷プロダクション
製作総指揮:
製作:
監督:阪元裕吾
脚本:阪元裕吾
原作:
撮影:伊集守忠
音楽:SUPA LOVE
出演:高石あかり(杉本ちさと)、伊澤彩織(深川まひろ)、三元雅芸(渡部)、秋谷百音(浜岡ひまり)、うえきやサトシ(浜岡かずき)、福島雪菜(姫子)、本宮泰風(浜岡一平)、水石亜飛夢(田坂さん)、辻凪子(凪子)、飛永翼(須佐野)、大水洋介(コンビニの店長)、仁科貴(和菓子屋の店主)

社会不適合者な殺し屋の少女たちが、社会になじむため奮闘する姿を描いた異色青春映画。高校卒業を目前に控えた女子高生殺し屋2人組のちさととまひろ。組織に委託された人殺し以外、何もしてこなかった彼女たちは、高校を卒業したらオモテの顔として社会人をしなければならない現実を前に、途方に暮れていた。2人は組織からルームシェアを命じられ、コミュ障のまひろは、バイトもそつなくこなすちさとに嫉妬し、2人の仲も徐々に険悪となっていった。殺し屋の仕事は相変わらず忙しく、ヤクザから恨みを買ったことから面倒なことに巻き込まれてしまい……。ちさと役を高石あかり、まひろ役を伊澤彩織がそれぞれ演じる。監督は「ファミリー☆ウォーズ」「ある用務員」の阪元裕吾。

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2025-100M 「リライト」☆☆☆★★

Srewright邦題:リライト
時間:120分
公開:2025-06-13
製作年度:2025
製作国:日本
配給:バンダイナムコフィルムワークス
製作総指揮:
製作:河野聡 菊池貞和 後藤利一 垰義孝 村松秀信 牧田英之 早川浩
監督:松居大悟
脚本:上田誠
原作:法条遥
撮影:塩谷大樹
音楽:森優太
出演:池田エライザ、安達慶、久保田紗友、倉悠貴、山谷花純、大関れいか、森田想、福永朱梨、マキタスポーツ、津田寛治、尾美としのり、石田ひかり、橋本愛

「ちょっと思い出しただけ」の監督・松居大悟と「サマータイムマシン・ブルース」の脚本家・上田誠が初タッグを組み、法条遥の同名小説を原作にオール尾道ロケで映画化したSF青春ミステリー。

高校3年の夏、美雪の学校に保彦という少年が転校してくる。ある小説に憧れて300年後からタイムリープしてきたという保彦と秘密を共有することになった美雪は、彼に恋をする。7月21日、美雪は保彦にもらった薬を使い、10年後の自分に会うためタイムリープする。未来の美雪は過去の自分に、自身の著書だという本を見せるが、それは未来で保彦が出会う小説だった。過去に戻ってきた美雪は、この夏の保彦と自分の物語を書いて時間のループを完成させることを約束し、未来へ帰る保彦を見送る。10年後、ようやく本を出版した美雪は、過去からタイムリープしてくるはずの自分を待つが、なぜか一向に現れない。謎を探るなかで同窓会に参加した彼女は、同級生から驚きの真実を知らされる。

池田エライザが主人公・美雪の高校時代とその10年後を演じ、阿達慶が保彦役で映画初出演。物語のキーパーソンとなる美雪のクラスメイト・友恵役を橋本愛が務め、そのほか久保田紗友、倉悠貴、前田旺志郎、山谷花純、大関れいか、森田想、福永朱梨同級生役で久が共演。尾道ロケ作品として有名な「ふたり」の石田ひかり、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の尾美としのりらベテラン俳優が脇を固める。

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2025-099M 「秘顔 ひがん」☆☆☆★

Shigan 原題:Hidden Face
邦題:秘顔 ひがん
時間:115分
公開:2025-06-20
製作年度:2024
製作国:韓国
配給:シンカ、ショウゲート
製作総指揮:
製作:
監督:キム・デウ
脚本:ノ・ドク ホン・ウンミ
原作:
撮影:キム・ドンヨン
音楽:イ・ジェジン
出演:ソン・スンホン、チョ・ヨジョン、パク・ジヒョン

 

 

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2025-098M 「バーラ先生の特別授業」☆☆☆★

Sbarasensei原題:Vaathi
邦題:バーラ先生の特別授業
時間:134分
公開:2025-04-11
製作年度:2023
製作国:インド
配給:SPACEBOX
製作総指揮:
製作:スーリヤデーバラ・ナーガ
監督:ベンキー・アトゥルーリ
脚本:ベンキー・アトゥルーリ
原作:
撮影:J・ユバラージ
音楽:G・V・プラカーシュ・クマール
出演:ダヌーシュ、サムユクタ、サムティラカニ、タニケッラ・バラニ、サーイ・クマール、ラージェーンドラン、ハリーシュ・ペーラディ、スマント、バーラティラージャー

1990年代のインドを舞台に、地方の公立学校に着任した新人教師が、生徒たちの平等な教育の機会のために情熱をささげる姿を、実話をモデルに描いたドラマ。タミル語映画界で俳優、プロデューサー、監督などマルチに活躍し、「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」「グレイマン」などインド国外の作品にも出演しているダヌーシュが主演を務めた。

経済自由化と教育制度の改革により、インドでは多くの私立教育機関や予備校が設立され、高い授業料に応じた質の高い授業が提供されるようになった。しかしその一方で、公立学校は有能な教員が私立校に引き抜かれ、低階層の生徒は家計を助けるために授業を放棄するなど、教室が成立しない状況だった。チョーラワラム村の公立校に赴任してきた数学教師バーラは、さまざまな障害に立ち向かいながらも、受け持ちの生徒たちが共通試験で良い成績を収めることができるよう奮闘する。

監督は、これが長編4作目のベンキー・アトゥルーリ。インド・テランガーナ州の僻地にある公立校で教育の状況を改善し、インド政府から教員向けの国家賞を授与されたランガイヤ・カデルラ氏の半生にヒントを得て作られた。

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2025-097M 「秋が来るとき」☆☆☆★★

Sakigakurutoki原題:Quand vient l'automne
邦題:秋が来るとき
時間:103分
公開:2025-05-30
製作年度:2024
製作国:フランス
配給:ロングライド、マーチ
製作総指揮:
製作:フランソワ・オゾン
監督:フランソワ・オゾン
脚本:フランソワ・オゾン フィリップ・ピアッツォ
原作:
撮影:ジェローム・アルメーラ
音楽:エフゲニー・ガルペリン サーシャ・ガルペリン
出演:エレーヌ・ヴァンサン、ジョジアーヌ・バラスコ、リュディヴィーヌ・サニエ、ピエール・ロタン

「横浜フランス映画祭 2025」(25年3月20~23日=横浜みなとみらい21地区)上映作品。自然豊かなブルゴーニュで、穏やかな老後を過ごすミシェル。休暇で孫と帰省した娘ヴァレリーがキノコ中毒で病院に運ばれたこときっかけに、登場人物たちの過去や人間模様が紐解かれていく。冒頭の教会の説教「マグダラのマリア」が通奏低音となっている。
オゾン監督らしい、けれんみのある作風ではなく、しっとりと落ち着いたヒューマンドラマに仕上がっている。

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2024-096M 「レイブンズ」☆☆☆★

Sravens原題:Ravens
邦題:レイブンズ
時間:116分
公開:2025-03-28
製作年度:2024
製作国:フランス・日本・ベルギー・スペイン
配給:アークエンタテインメント
製作総指揮:
製作:
監督:マーク・ギル
脚本:マーク・ギル
原作:
撮影:フェルナンド・ルイス
音楽:テオフィル・ムッソーニ ポール・レイ
出演:浅野忠信、瀧内公美、ホセ・ルイス・フェラー、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀

「イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語」で知られるイギリスのマーク・ギル監督が浅野忠信を主演に迎え、世界的に高い評価を受け続ける写真家・深瀬昌久の波瀾万丈な人生と、彼の最愛の妻にして被写体であった洋子との物語を、実話とフィクションを織り交ぜながら描いたダークファンタジーラブストーリー。

北海道の高校を卒業した深瀬昌久は、父の写真館を継がずに上京する。さまよう日々のなかで、深瀬は美しく力に満ちた女性・洋子と恋に落ちる。洋子は深瀬の写真の主題となり、2人はパーソナルでありながら革新的な作品を生みだしていく。家族愛に憧れる深瀬は洋子の夢を支えるため懸命に働くが、ついに彼女の信頼を裏切ってしまう。深瀬の心の闇は異形の“鴉の化身”へと転生し、哲学的な知性で彼を芸術家の道に導こうとする。

天才写真家の狂気と純粋さを浅野が繊細かつワイルドに演じ、「火口のふたり」の瀧内公美が洋子を存在感たっぷりに演じた。

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2025-095M 「BETTER MAN ベター・マン」☆☆☆☆

Sbetterman原題:Better Man
邦題:BETTER MAN ベター・マン
時間:137分
公開:2025-03-28
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
製作総指揮:ロビー・ウィリアムズ マーカス・バーメットラー フィリップ・リー トーステン・シューマッハー ラース・シルベスト クラウディア・シュミエヤ デビッド・ラベル
製作:ポール・カリー マイケル・グレイシー ココ・シャオルー・マー クレイグ・マクマホン ジュールズ・ダリー
監督:マイケル・グレイシー
脚本:シモン・グリーソン オリバー・コール マイケル・グレイシー
原作:
撮影:エリック・ウィルソン
音楽:バトゥ・セレナ
出演:ロビー・ウィリアムス、ジョノ・デイビス、スティーブ・ペンバートン、アリソン・ステッドマン、デイモン・ヘリマン、ケイト・マルバニー、ラシェル・パンノ、フレイザー・ハドフィールド、トム・バッジ、ジェイク・シマンス、ジェシー・ハイド、リアム・ヘッド、チェイス・ボレンワイダー、アンソニー・ヘイズ、カリーナ・バンノ

「グレイテスト・ショーマン」のマイケル・グレイシー監督が、イギリスの世界的ポップ歌手ロビー・ウィリアムズの波乱に満ちた人生を、斬新な映像表現でミュージカル映画化。主人公ロビー・ウィリアムズを猿の姿で表現するという奇想天外なアイデアと幻想的な世界観、そして圧巻のミュージカルシーンでダイナミックに描きだす。

イギリス北部の街に生まれ、祖母の大きな愛に包まれながら育ったロビー・ウィリアムズ。1990年代初頭にボーイズグループ「テイク・ザット」のメンバーとしてデビューし、ポップスターの道を駆けあがっていく。グループ脱退後もソロアーティストとして活躍し、イギリスのポップス界を代表する存在へと成長。しかしその裏には、名声と成功がもたらす大きな試練が立ちはだかっていた。

「グレイテスト・ショーマン」のアシュレイ・ウォーレンが振付を担当。本作のために制作された楽曲「Forbidden Road」をはじめ、ウィリアムズの名曲の数々が物語を彩る。2025年・第97回アカデミー賞で視覚効果賞にノミネート。

歌手ロビー・ウィリアムスには何の興味も思い入れもないが、日比谷でロングランを続ける『グレーテスト・ショーマン』(2017年)のマイケル・グレイシー監督作品ということで期待度マックスだ。主人公のロビー・ウィリアムスを「猿」の姿で描くという冒険への不安も確かにあった。しかし、圧倒的なミュージカルシーンに打ちのめされ、心躍らされた。特殊効果マンとして映像界キャリアをスタートさせたマイケル・グレイシーだけに、凄まじいまでの映像魔法を見せてくれる。特にロンドン市街でワンカットで見せきる群舞シーンや雨中の高速ドライブシーンからの一連。音楽と映像のリズムとキレが一体となってスクリーンを輝かせる。脱帽だ。物語はロビー・ウィリアムスの自叙伝だが、クライマックスはしっかり劇場内を感動で包み込む。まあ、あの歌は卑怯だよね。あっという間の137分だった。
それにしてもいつも思うが、欧米のスターは酒とドラッグに溺れていくのだろう。

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2024-094M 「ミッキー17」☆☆☆★★

Smicky17原題:Mickey 17
邦題:ミッキー17
時間:137分
公開:2025-03-28
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:ブラッド・ピット ジェシー・アーマン ピーター・ドッド マリアンヌ・ジェンキンス
製作:デデ・ガードナー ジェレミー・クライナー ポン・ジュノ チェ・ドゥホ
監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ
原作:エドワード・アシュトン
撮影:ダリウス・コンジ
音楽:チョン・ジェイル
出演:ロバート・パティンソン(ミッキー・バーンズ)、ナオミ・アッキー(ナーシャ)、スティーヴン・ユァン(ティモ)、アナマリア・ヴァルトロメイ(カイ・キャッツ)、トニ・コレット(イルファ)、マーク・ラファロ(ケネス・マーシャル)

「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督がロバート・パティンソンを主演に迎え、エドワード・アシュトンの小説「ミッキー7」を原作にブラックユーモアたっぷりに描いたSFエンタテインメント。

失敗だらけの人生を送ってきた男ミッキーは、何度でも生まれ変われる“夢の仕事”で一発逆転を狙おうと、契約書をよく読まずにサインしてしまう。しかしその内容は、身勝手な権力者たちの命令に従って危険な任務を遂行し、ひたすら死んでは生き返ることを繰り返す過酷なものだった。文字通りの使い捨てワーカーとして搾取され続ける日々を送るミッキーだったが、ある日手違いによりミッキーの前に彼自身のコピーが同時に現れたことから、彼は反撃に出る。

共演は「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」のナオミ・アッキー、「NOPE ノープ」のスティーブン・ユァン、「ヘレディタリー 継承」のトニ・コレット、「アベンジャーズ」シリーズのマーク・ラファロ。

まずは『パラサイトの監督が…』という、監督バリューに頼るキャッチフレーズが宣伝の迷いを示してるような、ちょいと不安感がある品。どうやらトレーラーを観る限り、ディストピア系のアクションコメディらしい。
ディストピア設定の新惑星。移民船と惑星探査で『人体実験の道具』として生きるミッキーの物語。だがしかし、なぜに王蟲の群れが!ボンジュノ監督はナウシカのファンだったのか?

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2025-093M 「マリリン・モンロー 私の愛しかた」☆☆☆★★

Smonroeaisikata原題:Dream Girl: The Making of Marilyn Monroe
邦題:マリリン・モンロー 私の愛しかた
時間:120分
公開:2025-05-30
製作年度:2022
製作国:フランス
配給:彩プロ
製作総指揮:
製作:エリック・エレナ
監督:イアン・エアーズ
脚本:イアン・エアーズ
原作:
撮影:
音楽:
出演:マリリン・モンロー、トニー・カーティス、ジョージ・チャキリス、ジョー・ディマジオ、ジェリー・ルイス、ジェーン・ラッセル

クライマックスの死の真相の部分は凄い。知らなかった。

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2025-092M 「わたのまち、応答セヨ」☆☆☆★★

Swatanomachi邦題:わたのまち、応答セヨ
時間:99分
公開:2025-05-02
製作年度:2024
製作国:日本
配給:鈴正、JAYMEN TOKYO
製作総指揮:
製作:土屋敏男
監督:岩間玄
脚本:岩間玄
原作:
撮影:岩間玄
音楽:
出演:岸井ゆきの

「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」の岩間玄監督と、バラエティ番組「電波少年」シリーズのプロデューサー・土屋敏男がタッグを組み、繊維産業の街として知られる愛知県三河・蒲郡市にスポットをあてたドキュメンタリー。

1200年前、日本に初めて綿花がもたらされた街・蒲郡市。戦後、衣類が不足するなかで空前の好景気が訪れ、街の至るところで織機の音が鳴り響いていたが、いつしかその活気は失われてしまった。蒲郡市から「街の繊維産業に光を当てる映画を作ってほしい」と依頼され現地を訪れた岩間監督は、街の構造的な問題と人々の諦めムードを目の当たりにする。映画制作が難航を極めるなか、わたを種から育て紡ぐ80歳の職人との出会いをきっかけに、奇跡のような展開が訪れる。舞台は蒲郡市からロンドンへと移り、日本のモノ作りの本気が海を越えて人々の心をつかんでいく。

「ケイコ 目を澄ませて」などの俳優・岸井ゆきのが語りを担当。

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2025-091M 「光る川」☆☆☆★

Shikarukawa邦題:光る川
時間:108分
公開:2025-03-22
製作年度:2024
製作国:日本
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
製作総指揮:
製作:松本光司 片山武志
監督:金子雅和
脚本:金子雅和 吉村元希
原作:松田悠八
撮影:山田達也
音楽:高木正勝
出演:華村あすか(お葉)、葵揚(朔)、有山実俊(ユウチャ/枝郎)、足立智充(ハルオ)、山田キヌヲ(アユミ)、高橋雄祐、松岡龍平、堀部圭亮(紙芝居屋)、根岸季衣(バッチャ)、渡辺哲(木地屋の長)、安田顕(常吉)

「アルビノの木」「リング・ワンダリング」で国内外から注目を集めた金子雅和監督が、松田悠八の小説「長良川 スタンドバイミー一九五〇」を原作に、岐阜県長良川流域の土地・民話・伝承からインスピレーションを受けて撮りあげた長編第3作。

日本が高度経済成長期に突入したばかりの1958年。少年ユウチャは大きな川の上流に位置する山間の集落で、林業に従事する父と病床の母、老いた祖母と暮らしている。まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化する台風による洪水に脅かされている。ある日、集落に紙芝居屋の男が現れ、集まった子どもたちを前に、古くから土地に伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋の物語を披露する。かなわぬ思いに絶望したお葉は山奥の淵に入水し、それから数十年に一度の割合で洪水が起きるようになったという。物語と現実の奇妙な符合を感じたユウチャは、お葉の魂を解放して洪水を防ごうと山奥の淵へ向かう。

Netflix映画「シティーハンター」の華村あすかがお葉、NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」の葵揚が朔、子役の有山実俊がユウチャとお葉の弟・枝郎を1人2役で演じた。

岐阜県&長良川のご当地ファンタジー。とても真面目に丁寧に作られている。新鮮味は無いが。

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2025-090M 「朝の火」☆☆☆

Sasanohi邦題:朝の火
時間:82分
公開:2025-04-26
製作年度:2024
製作国:日本
配給:マイナーリーグ、boid
製作総指揮:
製作:
監督:広田智大
脚本:広田智大
原作:
撮影:鈴木余位
音楽:寺尾紗穂
出演:笠島智、山本圭将、福本剛士、須森隆文、小磯松美、鈴木余位、安藤朋子、真千せとか、立脇実季、坂爪健

平成から令和へ移行する時代を背景に、社会から孤立した人たちの狂気が共鳴し合うさまを描いたドラマ。ごみ処理施設で働く二人の男性が、団地で年老いた母親と暮らす女性と出会う。監督は、なら国際映画祭NARA-wave部門で上映された『ひこうせんより』などの広田智大。団地で暮らす女性を『王国(あるいはその家について)』などの笠島智、ごみ処理施設で働く青年を『背中』などの山本圭将と『はるねこ』などの福本剛士が演じる。平成が終わり、新元号が令和に決まる。そのころ、ごみ処理施設で働く次郎(福本剛士)は、日課である宝探しのために穴を掘っており、同僚の祐一(山本圭将)は、そんな次郎の様子を眺めていた。二人はある日、粗大ごみの回収のため、年老いた母親と娘のユキコ(笠島智)が暮らす団地の部屋を訪れる。孤独な3人はやがて胸の内に秘めていた狂気を共鳴させていく。

若い監督は知っているのかな?ベケットの不条理劇からインスパイアされて、和風の『言葉=代名詞』で構築した異世界なる、別役実の恍惚たる舞台劇を。でも、そんな懐かしき匂いがする。

 

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2025-089M 「We Live in Time この時を生きて」☆☆☆★

Sweliveintime原題:We Live in Time
邦題:We Live in Time この時を生きて
時間:108分
公開:2025-06-06
製作年度:2024
製作国:フランス・イギリス
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:ベネディクト・カンバーバッチ オリー・マッデン ダニエル・バトセック デビッド・キンバンギ アナ・マーシュ ロン・ハルパーン ジョー・ナフタリン
製作:アダム・アクランド リア・クラーク ガイ・ヒーリー
監督:ジョン・クローリー
脚本:ニック・ペイン
原作:
撮影:スチュアート・ベントリー
音楽:ブライス・デスナー
出演:フローレンス・ピュー、アンドリュー・ガーフィールド

「ブルックリン」のジョン・クローリー監督が、限りある時間を大切に生きる男女のかけがえのない日々を、時間軸を交錯させながら描いたラブストーリー。

新進気鋭のシェフであるアルムートと、離婚して失意の底にいたトビアスは、運命的な出会いを果たし恋に落ちる。自由奔放なアルムートと慎重派のトビアスは幾度もの危機を乗り越えながら、やがて一緒に暮らしはじめ、娘が生まれ、家族としての絆を深めていく。そんなある日、自分の余命がわずかであることを知ったアルムートは、トビアスに驚きの決意を告げる。

「ミッドサマー」のフローレンス・ピューがアルムート、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのアンドリュー・ガーフィールドがトビアスを演じた。「ベロニカとの記憶」のニック・ペインが脚本を手がけ、俳優ベネディクト・カンバーバッチが製作総指揮に名を連ねる。

主人公が『不治の病で残された人生の使い方』に向き合う。というモチーフのバリエーション作品。お約束の結末までの過程に、どこまでオリジナリティがあるかが勝負だ。

 

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2025-089M 「We Live in Time この時を生きて」☆☆☆★

Sweliveintime原題:We Live in Time
邦題:We Live in Time この時を生きて
時間:108分
公開:2025-06-06
製作年度:2024
製作国:フランス・イギリス
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:ベネディクト・カンバーバッチ オリー・マッデン ダニエル・バトセック デビッド・キンバンギ アナ・マーシュ ロン・ハルパーン ジョー・ナフタリン
製作:アダム・アクランド リア・クラーク ガイ・ヒーリー
監督:ジョン・クローリー
脚本:ニック・ペイン
原作:
撮影:スチュアート・ベントリー
音楽:ブライス・デスナー
出演:フローレンス・ピュー、アンドリュー・ガーフィールド

「ブルックリン」のジョン・クローリー監督が、限りある時間を大切に生きる男女のかけがえのない日々を、時間軸を交錯させながら描いたラブストーリー。

新進気鋭のシェフであるアルムートと、離婚して失意の底にいたトビアスは、運命的な出会いを果たし恋に落ちる。自由奔放なアルムートと慎重派のトビアスは幾度もの危機を乗り越えながら、やがて一緒に暮らしはじめ、娘が生まれ、家族としての絆を深めていく。そんなある日、自分の余命がわずかであることを知ったアルムートは、トビアスに驚きの決意を告げる。

「ミッドサマー」のフローレンス・ピューがアルムート、「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのアンドリュー・ガーフィールドがトビアスを演じた。「ベロニカとの記憶」のニック・ペインが脚本を手がけ、俳優ベネディクト・カンバーバッチが製作総指揮に名を連ねる。

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2025-088M 「お嬢と番犬くん」☆☆☆★

Sojotobanken邦題:お嬢と番犬くん
時間:106分
公開:2025-03-14
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:市川南
監督:小林啓一
脚本:政池洋佑
原作:はつはる
撮影:柳田裕男
音楽:森いづみ
出演:福本莉子(瀬名垣一咲)、ジェシー(宇藤啓弥)、櫻井海音(田貫幹男)、香音、松井遥南、井上想良、ぐんぴぃ、葵揚、岩瀬洋志、佐々木希、飯田基祐、杉本哲太

講談社「別冊フレンド」にて2018年より連載され、23年にはテレビアニメ化もされたはつはるによる人気コミックを、「今夜、世界からこの恋が消えても」の福本莉子と男性アイドルグループ「SixTONES」のジェシーの共演で実写映画化した恋愛コメディ。

幼くして両親を亡くし、瀬名垣組組長である祖父のもとで育てられた瀬名垣一咲。極道一家の孫という立場から友だちができなかったことがトラウマになっている彼女は、高校ではその素性を隠して普通の恋と青春を送ることを決意する。しかし一咲の世話役を務める瀬名垣組の若頭・宇藤啓弥は、過保護すぎるがゆえに年齢詐称して同じ高校に裏口入学し、一咲の“番犬”としてボディガードをすると宣言。一咲はそんな彼に戸惑いながらも、憧れの高校生活を守りぬこうと奔走するが……。

瀬名垣組の兄弟分である田貫組組長の孫で、一咲や啓弥と同じ高校に転入してくる田貫幹男役に、実写版「【推しの子】」の櫻井海音。「恋は光」の小林啓一が監督を務め、「ハケンアニメ!」の政池洋佑が脚本を担当。

アニメではコンプリートしているが、鑑賞予定ではなかった。夕方からの時間が空くのと、妙にレビュー評価点が高いようなのでチェケラ。まあ、何ていうこともない普通の学園ラブコメでしかなかった。

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2025-087M 「早乙女カナコの場合は」☆☆☆★

Ssaotomekanako邦題:早乙女カナコの場合は
時間:119分
公開:2025-03-14
製作年度:2024
製作国:日本
配給:日活、KDDI
製作総指揮:
製作:石井紹良 髙橋紀行 宮西克典
監督:矢崎仁司
脚本:朝西真砂 知愛
原作:柚木麻子
撮影:石井勲
音楽:田中拓人
出演:橋本愛(早乙女カナコ)、中川大志(長津田啓士)、山田杏奈(本田麻衣子)、根矢涼香、久保田紗友、平井亜門、吉岡睦雄、草野康太、のん、臼田あさ美(鷹野亜依子)、中村蒼(吉沢洋一)

柚木麻子の小説「早稲女、女、男」を、橋本愛を主演に迎え、「三月のライオン」「ストロベリーショートケイクス」の矢崎仁司監督が映画化。自意識過剰で不器用な主人公カナコの10年にわたる恋愛模様を中心に、彼女と周囲の人々が自分を見つめ直していく姿を描く。

男勝りで過剰な自意識から素直に甘えられない不器用な早乙女カナコ。大学進学と同時に友達と2人暮らしをスタートさせた彼女は、入学式で知り合った演劇サークルで脚本家を目指す長津田とそのまま付き合うこととなった。就職活動でカナコは念願の大手出版社に就職が決まるが、3年の付き合いとなった長津田は口ばかりで脚本を最後まで書きあげることはなく、大学を卒業する気もなさそうな状態だった。カナコと長津田の口ゲンカが絶えない日々が続く中、カナコは内定先の先輩・吉沢から告白される。編集者になる夢に向かって着実に進んでいくカナコと長津田の生き方に、徐々にすれ違いがうまれていく。

カナコ役を橋本愛、長津田役を中川大志がそれぞれ演じ、山田杏奈、臼田あさ美、中村蒼らが共演。また、本作と同じ柚木麻子原作の映画「私にふさわしいホテル」でのんが演じた主人公の作家・有森樹李が登場する。

原作が『早稲女、女、男』(柚木麻子著)。何年もグダグダ卒業せずに演劇サークルを率いている、という設定のカレ。映画では、どこかも分からない大学の設定だが、ココは思いっきり『早稲田』であるべきだった。でないと、長津田のキャラクターが、単にFランの怠け者クズになってしまう。原作通りに早稲田であれば、こういう大器晩成の、生活破綻型の天才が、熟成を待っている、という環境に納得ができるだろう。さらに、自意識過剰な地方女子高出身のワセジョを幾人か知っているが、まさに本作の早乙女のような早稲田ならではの女子大生だった。とはいえ、原作者の柚木麻子は立教OGなんだな。
思い切り『慶應義塾』のカーストを残酷に描いた「あのこは貴族」(2021年 岨手由貴子監督)は、そのヒエラルキー描写の見事さで、腑に落ちた。それは舞台が慶應である前提が故だからだ。本作では、どこに忖度したか、許可が下りなかったか、プロデュースの力不足か、大隈講堂をバックにした映画になり切れなかったところが、中途半端な普通のこじらせ恋愛ドラマに成り下がった理由だろう。

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2025-086M 「ネムルバカ」☆☆☆★★★

Snemurubaka邦題:ネムルバカ
時間:106分
公開:2025-03-20
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ポニーキャニオン
製作総指揮:
製作:寺田悠輔 藤井宏二
監督:阪元裕吾
脚本:皐月彩 阪元裕吾
原作:石黒正数
撮影:渡邊雅紀
音楽:立山秋航
出演:久保史緒里(入巣柚実)、平祐奈(鯨井ルカ)、綱啓永(田口)、樋口幸平(伊藤)、兎(仲崎)、儀間陽柄(ジャガー・モリィ)、高尾悠希(DAN)、長谷川大(岩徹)、志田こはく、伊能昌幸(荒比屋)、山下徳久、水澤紳吾、吉沢悠(粳間)

「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの阪元裕吾監督が、漫画家・石黒正数の同名青春コミックを実写映画化。

大学の女子寮で同じ部屋に住む後輩・入巣柚実と先輩・鯨井ルカ。ルカはインディーズバンド「ピートモス」のギター&ボーカルとして夢を追っているが、入巣は特に夢や目標のないまま、古本屋で何となくアルバイトする日々を過ごしている。2人は安い居酒屋で飲んだり、暇つぶしに古い海外ドラマを観たりと、緩く心地よい同居生活を送っていた。そんなある日、ルカに大手音楽レコード会社から声が掛かったことで、2人の日常は大きく変わりはじめる。

アイドルグループ「乃木坂46」の久保史緒里が入巣役、「恋は光」の平祐奈がルカ役でダブル主演を務め、入巣の大学の同級生・田口を綱啓永、田口の友人・伊藤を樋口幸平、入巣のアルバイト先の先輩・仲崎をお笑いコンビ「ロングコートダディ」の兎が演じる。原作者・石黒正数が主題歌「ネムルバカ」の歌詞を手がけ、原作にも登場する歌詞を踏まえつつ新たな歌詞を書きおろした。

『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの阪元裕吾監督作品。登場人物の若者たちのオフビートな会話のリズム感は、坂元監督の独特な個性。役者の『台詞演出の名人』には大森立嗣監督がいるが、彼より26歳若い坂元監督が後を継ぐ。大学女子寮に同居する二人の、なんてことの無い、未来が混沌としているモラトリアムな日常が描かれる。しかし不覚にもクライマックスでほろりとさせられていまう。上手いなあ。

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2025-085M 「アークエンジェル」☆☆★★★

Sguy0011090x1536原題:Archangel
邦題:アークエンジェル
時間:78分
公開:2025-03-15(1992-01-31)
製作年度:1990
製作国:カナダ
配給:リスキット
製作総指揮:
製作:
監督:ガイ・マディン
脚本:ガイ・マディン ジョージ・トールズ
原作:
撮影:ガイ・マディン
音楽:ガイ・マディン
出演:ダニエル・クレイグ、エカテリーナ・レドニコワ、ガブリエル・マクト、レフ・プリグノフ

長編デビュー作「ギムリ・ホスピタル」でカルト的人気を集めたカナダの異才ガイ・マディン監督が1990年に手がけた長編第2作。第1次世界大戦末期のロシアを舞台に、ひとりの兵士を中心に繰り広げられる倒錯した愛を、モノクロ・サイレントの表現主義的技法で描きだす。

第1次世界大戦下、革命期のロシア。片足のカナダ人中尉ジョン・ボウルズは、英米が組織した革命干渉軍に参加するため、北極海に近い町アルハンゲリスクにやって来る。他界した元恋人アイリスを忘れられずにいる彼は、アイリスにそっくりなロシア人看護師ヴェロンカに出会い恋をするが、ヴェロンカにはベルギー人パイロットのフィルビンという夫がいた。

マディン監督が脚本・撮影・編集・美術も手がけ、眼帯姿の兵士役で出演。タイトルの「アークエンジェル」は舞台となるアルハンゲリスクの英語名で、「大天使」の意味も持つ。日本では1992年に劇場初公開後、2025年3月に4K版を劇場公開。

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2024-084M 「ギムリ・ホスピタル」☆☆★★

Sguy0011090x1536原題:Tales from the Gimli Hospital
邦題:ギムリ・ホスピタル
時間:72分
公開:2025-03-15
製作年度:1988
製作国:カナダ
配給:リスキット
製作総指揮:
製作:
監督:ガイ・マディン
脚本:ガイ・マディン
原作:
撮影:ガイ・マディン
音楽:
出演:カイル・マクローチ、マイケル・ゴッリ、アンジェラ・ヘック、マーガレット・アン・マクラウド、ヘザー・ニール

カナダの異才ガイ・マディン監督が1988年に発表した長編デビュー作。奇妙な病院を舞台に繰り広げられる2人の患者の不思議な因縁を、モノクロ・サイレントの表現主義的技法と80年代的グロテスクを織り交ぜて描く。

19世紀末、カナダの寒村にある不気味な病院。天然痘を患い入院した孤独な漁師エイナーは、同じく入院している陽気な患者グンナーとは仲の良い友人だったが、天性の魅力で看護師たちの人気を集める彼に嫉妬を感じるように。ある日、ひとりの女性を巡るそれぞれの秘密が発覚し、エイナーとグンナーは敵同士となってしまう。

マディン監督が脚本・撮影・編集も手がけ、医者役で出演。撮影直前に「恐怖・嫉妬・憎しみ・後悔・悲しみ・忘却・あこがれ・恥辱・復讐・愛」という10種類の感情を出演者に指示するのみという演出手法で撮りあげた。日本では1992年に劇場公開後、東京フィルメックスで特別上映されたのみだったが、2025年3月に4K版を劇場公開。

こんなカルト作品がスクリーンで観られる時代は、幸福なのか醜悪なのか混沌なのか、まあ地獄でないことは確かだ。これは長編第一作目。

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2025-083M 「Flow」☆☆☆★★

Sfow2原題:Straume
邦題:Flow
時間:85分
公開:2024-03-14
製作年度:2024
製作国:ラトビア・フランス・ベルギー
配給:ファインフィルムズ
製作総指揮:
製作:
監督:ギンツ・ジルバロディス
脚本:ギンツ・ジルバロディス マティス・カジャ
原作:
撮影:
音楽:ギンツ・ジルバロディス リハルズ・ザリュペ
出演:

2024年・第37回東京国際映画祭アニメーション部門上映作品。

洪水に呑まれゆく世界を舞台に、1匹の猫の旅路を描いたラトビア発のアニメーション映画。

世界が大洪水に見舞われ街が消えていくなか、1匹の猫が旅立つことを決意する。流れてきたボートに乗り込んだ猫は、一緒に乗りあわせた動物たちとともに、想像を超える出来事や危機に襲われる。時に運命に抗い、時には流され漂ううちに、動物たちの間には少しずつ友情が芽生えはじめる。

監督・製作・編集・音楽を1人で手がけた長編デビュー作「Away」で世界的に注目されたラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督が、5年の年月をかけて多くのスタッフとともに完成させた長編第2作。2024年アヌシー国際アニメーション映画祭にて審査員賞・観客賞を含む4部門を受賞し、2025年・第82回ゴールデングローブ賞ではラトビア映画史上初の受賞となるアニメーション映画賞を、第52回アニー賞では長編インディペンデント作品賞、脚本賞を受賞。第97回アカデミー賞でも長編アニメーション賞と国際長編映画賞の2部門にノミネートされ、長編アニメーション賞を受賞した。

昨年12月に配信試写で観た。あまりに良く出来たアニメに感動した。だが、なにせPCモニターで音響もイマイチ。これはぜひ劇場で再見したいと思っていたら、なんとオスカー受賞。僕的には、今回のアカデミー賞で一番納得した受賞だ。というわけで、劇場のスクリーン、音響で本作を堪能したい。

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2025-082M 「白雪姫」☆☆★★★

Ssnowwhite原題:Snow White
邦題:白雪姫
時間:109分
公開:2025-03-20
製作年度:2025
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:
製作:マーク・プラット
監督:マーク・ウェブ
脚本:エリン・クレシダ・ウィルソン
原作:
撮影:マンディ・ウォーカー
音楽:ベンジ・パセック ジャスティン・ポール
出演:レイチェル・ゼグラー(白雪姫)、ガル・ガドット(女王)、アンドリュー・バーナップ(ジョナサン)、パトリック・ペイジ(魔法の鏡)

世界中で愛され続けてきたディズニー初の長編アニメ映画「白雪姫」を実写化したミュージカル映画。

かつて優しさと光であふれていた王国は、現在は邪悪な女王によって闇に支配されていた。雪のように純粋な心を持つ白雪姫は、人々が幸せに暮らす王国を取り戻したいと願うが、外見の美しさと権力に執着する女王の嫉妬を買ってしまう。女王に命を狙われた白雪姫は、不思議な森で暮らす7人のこびとや、ジョナサンという青年に助けられる。

「ウエスト・サイド・ストーリー」のレイチェル・ゼグラーが主演を務め、「ワンダーウーマン」のガル・ギャドットが女王、トニー賞受賞俳優アンドリュー・バーナップがジョナサンを演じる。監督は「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのマーク・ウェブ。アニメ版の名曲の数々に加え、「グレイテスト・ショーマン」のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールによる新曲が物語を彩る。日本語吹き替え版では、俳優の吉柳咲良が白雪姫、元宝塚歌劇団の月城かなとが女王、ボーイズグループ「JO1」の河野純喜がジョナサンの声を担当。

ポリコレ、多様性に振り切ったハリウッドが、典型的な白人至上主義、ルッキズム満開の原作を、今の時代にどう料理するのか興味津々だ。
民主党左派の理想とするお花畑的な平和平等王国を取り戻すため、SDGs的なフワッとした市民運動が、恐怖の独裁者(王国簒奪の女王)を打ち倒すミュージカル。想像通りにポリコレなメッセージ性が強かった。ラテン系の白雪姫にキスして眠りを覚ますのは、王子様ではなくてレジスタンスの頭目なんだもの。アメリカでは大コケと聞いたが、トランプを大統領に選ぶだけあって、大甘の理想郷は存在しないというリアリストが、作品を拒否しているのだろう。グレタさんの年収が3億円という報道で、ビジネス環境運動に辟易した人も多かろう。

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2025-081M 「悪い夏」☆☆☆★

Swaruinatsu邦題:悪い夏
時間:114分
公開:2025-03-20
製作年度:2025
製作国:日本
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:藤本款 遠藤徹哉 久保田修
監督:城定秀夫
脚本:向井康介
原作:染井為人
撮影:渡邊雅紀
音楽:遠藤浩二
出演:北村匠海(佐々木守)、河合優実(林野愛美)、伊藤万理華(宮田有子)、毎熊克哉(高野洋司)、箭内夢菜(莉華)、竹原ピストル(山田吉男)、木南晴夏(古川佳澄)、窪田正孝(金本龍也)

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した染井為人の同名小説を北村匠海主演で映画化し、真面目に生きてきた気弱な公務員が破滅へと転落していく姿を描いたサスペンス。

市役所の生活福祉課に勤める佐々木守は、同僚の宮田から「職場の先輩・高野が生活保護受給者の女性に肉体関係を強要しているらしい」との相談を受ける。面倒に思いながらも断りきれず真相究明を手伝うことになった佐々木は、その当事者である育児放棄寸前のシングルマザー・愛美のもとを訪ねる。高野との関係を否定する愛美だったが、実は彼女は裏社会の住人・金本とその愛人の莉華、手下の山田とともに、ある犯罪計画に手を染めようとしていた。そうとは知らず、愛美にひかれてしまう佐々木。生活に困窮し万引きを繰り返す佳澄らも巻き込み、佐々木にとって悪夢のようなひと夏が始まる。

シングルマザーの愛美を河合優実、犯罪計画の首謀者・金本を窪田正孝、佐々木の同僚・宮田を伊藤万理華が演じる。「ビリーバーズ」「アルプススタンドのはしの方」などの城定秀夫監督がメガホンをとり、「ある男」の向井康介が脚本を担当。

『ワルしか出てこない』というキャッチフレーズは『アウトレイジ』(監督・北野武)がオリジナルなのだが、臆面もなく使うからには、自信があるのだろうな?と。
ピンク、Vシネのキャリアある城定監督の、手慣れたゲス社会描写が上手い。もちろん先日の日本アカデミー賞で栄冠に輝いた河合優実のヒロインとあって、そちらも見どころではあった。がしかし、『あんのこと』『ナミビアの砂漠』と微妙に被るキャラクター。すなわち「心ここにあらず、本心隠蔽」なメンタル謎な女性像だ。今後はもっとヴァリエーションある、幅広い役柄を期待したい。この作品では、ワルの中心人物を演じる窪田正孝がピカピカに光っていたことを覚えておこう。

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2025-080M 「ジェリーの災難」☆☆☆★★

Sjerrytruble原題:Starring Jerry as Himself
邦題:ジェリーの災難
時間:75分
公開:2025-03-20
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ナカチカピクチャーズ
製作総指揮:ジョン・シュー ロー・チェン ミカエル・ジェンティル
製作:ジョン・シュー ロー・チェン
監督:ロー・チェン
脚本:ジェリー・シュー ロー・チェン
原作:
撮影:ロー・チェン ティンクス・チャン
音楽:
出演:ジェリー・シュー、キャシー・シュー、ジョシュア・シュー、ジェシー・シュー、ジョン・シュー、ニック・ベイリー

定年退職後の男性が1本の電話をきっかけにスパイに仕立てあげられ、違法行為に加担させられた実在の事件を、その被害者であるジェリー・シューが自ら脚本・主演を務めて映画化。

長年アメリカで暮らしてきた69歳の中国人男性ジェリーは、妻と離婚して定年退職を迎え、3人の息子たちとも離れて独り暮らしを送っていた。ある日、彼のもとに中国警察から電話が掛かってきて、自分が国際的なマネーロンダリング事件の第一容疑者になっていると告げられる。ジェリーがフロリダに持つ銀行口座を通して、128万ドルが違法に移動されているというのだ。逮捕して中国に強制送還すると言われたジェリーは、中国警察のスパイとして捜査に協力することに。その後の数週間にわたり、銀行を監視して写真を撮ったり、極秘の送金をしたり、さらには隠しマイクを着けて窓口係を探ったりと、中国警察の指示通りに潜入捜査を手伝うジェリーだったが……。

ブルックリンを拠点に活動するロー・チェン監督が長編初メガホンをとった。

特殊詐欺で100万ドルを失った実話を、被害者一家が本人出演で再現ドラマに仕立てた作品。相当な珍品だが、掘り出し物。詐欺の設定が、被害者にとってリアルな『恐怖』だけに、周到に仕掛けた詐欺犯のスキルも高いのだろう。

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2025-079M 「ドマーニ! 愛のことづて」☆☆☆★★

Sdomani_20250318224101原題:C'e ancora domani
邦題:ドマーニ! 愛のことづて
時間:118分
公開:2025-03-14
製作年度:2023
製作国:イタリア
配給:スモモ
製作総指揮:
製作:マリオ・ジャナーニ ロレンツォ・ガンガロッサ
監督:パオラ・コルテッレージ
脚本:フリオ・アンドレオッティ ジュリア・カレンダ パオラ・コルテッレージ
原作:
撮影:
音楽:レーレ・マルキテッリ
出演:パオラ・コルテッレージ、ヴァレリオ・マスタンドレア、ジョルジョ・コランジェリ、ヴィニーチョ・マルキオーニ

戦後ローマでたくましく生きる市井の人々と権利を渇望する女性たちの姿を描き、2023年のイタリア国内興行収入第1位を記録したドラマ。「ジョルダーニ家の人々」などで知られるイタリアのコメディアンで俳優のパオラ・コルテッレージが初メガホンをとり、自ら主演を務めた。

1946年5月。ローマにある半地下の家で家族と暮らすデリアは、夫イヴァーノの暴力に悩まされながらも意地悪な義父の介護や家事をこなし、さらに複数の仕事を掛け持ちして家計を助けている。過酷な毎日を送る彼女にとって、市場で青果店を営む友人マリーザや自動車工のニーノと過ごす時間だけが心休まるときだった。母の生き方に不満を感じている長女マルチェッラは、裕福な家の息子ジュリオからプロポーズされ、彼の家族を自宅に招いて昼食会を開くことに。そんなある日、デリアのもとに1通の謎めいた手紙が届く。

夫イヴァーノ役に「おとなの事情」のバレリ・オマスタンドレア。「イタリア映画祭2024」では「まだ明日がある」のタイトルで上映。

予告では、ビットリオ・デ・シーカやロベルト・ロッセリーニの香りのする古き良きイタリア映画、というイメージ。ついソフィア・ローレンやマルチェロ・マストロヤンニをスクリーンに探してしまいそうな雰囲気だった。邦題の副題がイマイチ練れていない。もっと牽引力あるタイトルを考えればよいのに。

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2025-078M 「逃走」☆☆☆★

Stoso_20250318224101邦題:逃走
時間:110分
公開:2025-03-15
製作年度:2025
製作国:日本
配給:太秦
製作総指揮:
製作:平野悠
監督:足立正生
脚本:足立正生
原作:
撮影:山崎裕
音楽:大友良英
出演:古舘寛治(桐島聡)、杉田雷麟(若き桐島聡)、タモト清嵐(宇賀神寿一)、吉岡睦雄(若き桐島・同僚)、松浦祐也(隣家の男)、川瀬陽太(キャバクラの客)、足立智充(若き桐島・同僚)、中村映里子(リエ)

「赤軍 PFLP 世界戦争宣言」「REVOLUTION+1」の足立正生が監督・脚本を手がけ、半世紀におよぶ逃亡生活の末に病死した東アジア反日武装戦線の元メンバー・桐島聡を描いたドラマ。元日本赤軍メンバーという経歴を持つ足立監督が、自身の半生と重ねあわせながら、桐島の苦悩と決意を描きだす。

社会運動が高揚していた1970年代の日本。新左翼過激派集団である東アジア反日武装戦線「さそり」のメンバー・桐島聡は、重要指名手配され逃亡の日々を送っていた。いつ逮捕されるかわからない緊張感のなかで日雇い仕事を転々とし、やがて「内田洋」という偽名で神奈川県藤沢市の工務店に住み込みで働くように。1960~70年代のブルースやロックを好む彼は、近所のライブバーに通い趣味を楽しむ一方で、かつての仲間たちの姿を思い浮かべては日本社会の欺瞞や凋落を見つめ続けていた。2024年、70歳となった彼は末期がんと診断され、病院のベッドで生死の狭間をさまよう。

国内外で活躍するベテラン俳優・古舘寛治が主演を務め、青年時代の桐島を杉田雷麟、桐島の恋人となる女性を中村映里子、桐島とともに逃亡する宇賀神寿一をタモト清嵐が演じた。

連続企業爆破事件の指名手配犯で、死ぬ間際に正体を明かした桐島聡の物語。まあ、昨年の事件だったこともあり、際物と呼ぶ類の、速成映画化だ。その点では『電車男』以来のタイムリーイメージ。だがしかし、元日本赤軍の足立正生監督作品ということで、相当に角度がついている。大きな流れの真実は、日雇い仕事で転々と逃走(闘争)した、という事なのだろう。そこを、様々なエピソードで膨らませ、死にゆく霧島の妄想として、かつての仲間との闘争の総括闘論のシーンなどが描かれる。このあたりは、足立監督のアジテーションなのだろう。あまりに諦観的、自省的、しかし闘い続けるしかない霧島の心象風景を監督は創造している。かなり感傷的に。そう、同じ戦場で闘争した『戦友』の死を悼むかのように。

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2025-077M「スイート・イースト 不思議の国のリリアン」☆☆☆★

Sthe-sweet-east原題:The Sweet East
邦題:スイート・イースト 不思議の国のリリアン
時間:104分
公開:2025-03-14
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:デビッド・カプラン
製作:クレイグ・ブッタ アレックス・ココ アレックス・ロス・ペリー
監督:ショーン・プライス・ウィリアムズ
脚本:ニック・ピンカートン
原作:
撮影:ショーン・プライス・ウィリアムズ
音楽:ポール・グリムスタッド
出演:タリア・ライダー(リリアン/アナベル)、サイモン・レックス(ローレンス)、ジェイコブ・エローディ(イアン)、アール・ケイヴ(ケイレブ)、ジェレミー・O・ハリス(マッシュ)、アヨ・エデビリ(モーリー)、リッシュ・シャー(モハマド)

物憂げな少女リリアンが繰り広げる、現代アメリカの闇を巡る奇妙な旅を描いたドラマ。

サウスカロライナ州の高校3年生リリアンは、恋人トロイや親友テッサ、アナベルら同級生たちと一緒に、修学旅行でワシントンD.C.を訪れる。どこか物憂げなリリアンは、はしゃぐ同級生たちを冷めた目で眺める。夜、皆でカラオケバーへ繰りだした彼女たちは、陰謀論に取り憑かれた男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。派手なパンクファッションのケイレブに導かれて店のトイレに逃げ込んだリリアンは、大きな鏡の裏にある“秘密の扉”から地下通路を通って旅に出る。

「17歳の瞳に映る世界」のタリア・ライダーが主演を務め、「レッド・ロケット」のサイモン・レックス、「プリシラ」のジェイコブ・エロルディ、「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」のアール・ケイブが共演。「神様なんかくそくらえ」などニューヨークのインディペンデント映画界で20年以上にわたり活躍してきた撮影監督ショーン・プライス・ウィリアムズが長編初メガホンをとった。

ジャケ買い。予告に何度か遭遇して、気にならされてしまった作品。
『なんにも考えず、あらゆる事がどーでもイイという価値観の少女』の、その場限りの嘘とハッタリで凌いで進む、ぶっ飛んだロードムービー。てな感じ。

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2025-076M 「劇場版モノノ怪 第二章 火鼠」☆☆☆★

Smononokehinezumi邦題:劇場版モノノ怪 第二章 火鼠
時間:74分
公開:2025-03-14
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ツインエンジン、ギグリーボックス
製作総指揮:
製作:佐藤公章 須藤雄樹
監督:中村健治、鈴木清崇
脚本:
原作:
撮影:
音楽:岩崎琢
出演:神谷浩史(薬売り)、戸松遥(大友ボタン)、日笠陽子(時田フキ)、梶裕貴(時田三郎丸)、細見大輔(坂下)、黒沢ともよ(アサ)、チョー(時田良路)、堀内賢雄(老中大友)

フジテレビ「ノイタミナ」枠で2006年に放送されたオムニバスアニメ「怪 ayakashi」の1編「化猫」から派生して製作されたテレビアニメ「モノノ怪」の劇場版3部作の第2作。天子の世継ぎを巡り謀略が渦巻く大奥を舞台に、葛藤する女たちの情念から生まれたモノノ怪・火鼠に立ち向かう主人公・薬売りの闘いを描く。

モノノ怪・唐傘との闘いからほどなくして、大奥に再び薬売りが姿を現す。大奥では総取締役だった歌山の後任である名家出身の大友ボタンが厳格な差配を行っており、天子の寵愛を一身に受ける町人出身の御中臈・フキとの溝が深まっていた。天子の正室である御台所・幸子が産んだ赤子の後見人選定が進められるなか、状況を一変させる事態がフキに訪れる。やがて、突如として人が燃えあがり消し炭と化す人体発火事件が相次いで発生。モノノ怪の仕業と考えた薬売りは、その三様「形」「真」「理」を突き止めるべく、大奥にうごめく闇へと足を踏み入れていく。

シリーズの生みの親でテレビ版および劇場版第1作の監督を務めた中村健治が総監督を担当。

前作の『唐傘』からシリーズ二作目。モノノ怪の世界観は、特徴的な作画表現がLSDっぽく、ウルトラポップで酩酊感たっぷり。相変わらずの『情報量が飽和状態の画面』が連続し、目眩さえ誘発。しっかりと次回作のタイトルも表示しての、大団円。シュンシュンの名前を観たような。

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2025-075M 「ロングレッグス」☆☆★★★

Slonglegs原題:Longlegs
邦題:ロングレッグス
時間:101分
公開:2025-03-14
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:松竹
製作総指揮:ジェイソン・クロス アンドレア・ブッコー ロニー・エスクレイ ローレンス・ミニコン シーン・クライェスキ デビッド・ジェンドロン リズ・デストロ トム・クイン ジェイソン・ウォルド クリスチャン・パークス テディ・シュワルツマン ジョン・フリードバーグ ローラ・オースティン=リトル ジェシー・サバス フレッド・バーガー
製作:ダン・ケイガン ブライアン・カバナー=ジョーンズ ニコラス・ケイジ デイブ・キャプラン クリス・ファーガソン
監督:オズグッド・パーキンス
脚本:オズグッド・パーキンス
原作:
撮影:アンドレス・アローチ・ティナヘロ
音楽:ジルギ
出演:マイカ・モンロー(リー・ハーカー捜査官)、ニコラス・ケイジ(ロングレッグス)、ブレア・アンダーウッド(カーター捜査官)、アリシア・ウィット(ルース・ハーカー)、ミシェル・チョイ・リー(ブラウニング捜査官)、ダコタ・ダルビー(フィスク捜査官)、ローレン・アカラ(幼いリー・ハーカー)、キーナン・シプカ(キャリー・アン・カメラ)

ニコラス・ケイジが凶悪なシリアルキラー役を強烈なインパクトで演じ、全米で話題を集めたサスペンススリラー。

1990年代のオレゴン州。FBIの新人捜査官リー・ハーカーは、上司から未解決連続殺人事件の捜査を任される。10の事件に共通しているのは、父親が家族を殺害した末に自殺していること。そしてすべての犯行現場に、暗号を使って記された「ロングレッグス」という署名入りの手紙が残されていた。謎めいた手がかりをもとに、少しずつ事件の真相に近づいていくリーだったが……。

「イット・フォローズ」のマイカ・モンローがFBI捜査官リー役で主演を務め、「ディープ・インパクト」のブレア・アンダーウッド、「ルール」のアリシア・ウィット、「レッド・ワン」のキーナン・シプカが共演。「呪われし家に咲く一輪の花」のオズグッド・パーキンスが監督・脚本を手がけた。

ジャンル化認定したニコラス・ケイジの「定番・狂った殺戮者」ネタ。本作はシリアルキラーだそうだ。ただ、ほぼ意味不明な作家の独りよがりな世界観を押し付けてくるサタニストものでガッカリ。

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2025-074M 「Playground 校庭」☆☆☆★

Splaygraund原題:Un monde
邦題:Playground 校庭
時間:72分
公開:2025-03-07
製作年度:2021
製作国:ベルギー
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:
製作:ステファン・ロエスト
監督:ローラ・ワンデル
脚本:ローラ・ワンデル
原作:
撮影:フレデリック・ノワロム
音楽:トーマス・グリム=ランズバーグ
出演:マヤ・ヴァンデルベック(ノラ)、ギュンター・デュレ(アベル)、カリム・ルクルー(父)、ローラ・ファーリンデン(先生)

小学校に入学したばかりの少女の視点から、不安と恐怖に満ちた子どもたちの過酷な日常を没入感たっぷりに描いたベルギー映画。

7歳の内気な少女ノラは3歳上の兄アベルが通う小学校に入学するが、なかなか友だちができず校内に居場所がない。やがて同じクラスの女の子2人と仲良くなったノラは、ある日、兄が大柄な少年にいじめられている現場を目撃しショックを受ける。ノラは大好きな兄を助けたいと願うも、兄から拒絶されてしまう。その後もいじめは繰り返され、一方的にやられっぱなしの兄の気持ちを理解できないノラは寂しさと苦しみを募らせていく。唯一の理解者だった担任教師が学校を去り、友だちから仲間はずれにされて再びひとりぼっちになったノラは、ある日、校庭で衝撃的な光景を目にする。

出演は「またヴィンセントは襲われる」のカリム・ルクルー、「ハッピーエンド」のローラ・ファーリンデン。本作が長編デビューとなるベルギーの新鋭ローラ・ワンデルが監督・脚本を手がけた。2021年・第74回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。

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2025-073M 「バッドランズ」☆☆☆★

Sbadlands_20250311161101原題:Badlands
邦題:バッドランズ
時間:94分
公開:2025-03-07
製作年度:1973
製作国:アメリカ
配給:コピアポア・フィルム
製作総指揮:エドワード・R・プレスマン
製作:テレンス・マリック
監督:テレンス・マリック
脚本:テレンス・マリック
原作:
撮影:ブライアン・プロビン ステバン・ラーナー タク・フジモト
音楽:ジョージ・アリソン・ティプトン
出演:マーティン・シーン(キット)、シシー・スペイセク(ホリー)、ウォーレン・オーツ(ホリーの父)、ラモン・ビエリ(ケイトー)

「天国の日々」「シン・レッド・ライン」のテレンス・マリック監督が1973年に発表した長編初監督作。1950年代末にアメリカで実際に起きた連続殺人事件を題材に、無計画な犯罪を重ねる若い男女の逃避行を、鮮烈かつ詩情ゆたかな映像で描きだす。

1959年、サウスダコタ州の小さな町。学校ではあまり目立たない15歳の少女ホリーは、ゴミ収集作業員の青年キットと出会い恋に落ちる。しかし交際を認めないホリーの父親をキットが射殺したことから、2人は当てのない逃避行の旅に出る。ツリーハウスで気ままに暮らしたり、金持ちの屋敷に押し入ったりと、無軌道な日々を送る2人。次々と人を殺していくキットの姿を、ただ見つめるだけのホリーだったが……。

「地獄の黙示録」のマーティン・シーンがキット、「キャリー」のシシー・スペイセクがホリーを演じた。日本では1980年に「地獄の逃避行」のタイトルでテレビ放送され、2025年3月に「バッドランズ」のタイトルで劇場初公開。

テレンス・マリック監督の初期作品。50年近く昔に、B級犯罪ロードムービー扱いでテレビ放送のみされたもの。1950年代に実際にあった連続殺人事件をモチーフにしているそうだ。スクリーンでは日本初公開だそうなので、マリック信者ではないか、チェゲラ。この初期作品から、マリック流のポエティックな、静物画風なカットや構図主義的カットや昆虫&植物クローズアップといった『芸風』は芽生えている。

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2025-072M 「ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今」☆☆☆★

Sbrijit2025原題:Bridget Jones: Mad About the Boy
邦題:ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今
時間:125分
公開:2025-04-11
製作年度:2025
製作国:イギリス
配給:東宝東和
製作総指揮:ヘレン・フィールディング レネー・ゼルウィガー アメリア・グレンジャー サラ=ジェーン・ライト
製作:ティム・ビーバン エリック・フェルナー ジョー・ウォレット
監督:マイケル・モリス
脚本:ヘレン・フィールディング ダン・メイザー アビ・モーガン
原作:ヘレン・フィールディング
撮影:スージー・ラベル
音楽:
出演:レネー・ゼルウィガー、キウェテル・イジョフォー、レオ・ウッドール、コリン・ファース、ヒュー・グラント

レネー・ゼルウィガー主演の世界的ヒット作「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズの9年ぶりの続編となる第4作。

4年前、最愛の夫マークがスーダンでの人道支援活動中に命を落とし、深い悲しみを抱えながらシングルマザーとして2人の子どもを育てるブリジット。自分の欲を捨てて全力で子育てに専念してきたが、親友たちや元恋人ダニエルに支えられ、テレビ局の仕事に復帰することに。そんなある日、ブリジットは公園で出会った29歳の男性ロクスターとアプリでつながり、距離を縮めていく。その一方で、厳しい理科教師ミスター・ウォーラカーが息子ビリーに向ける真摯な優しさを知り、どこか気になる存在に。子育てや仕事に追われながら、子どもたちに「いつでもマークが恋しい」と話すブリジットだったが……。

ドラマ「プライム・ターゲット 狙われた数列」のレオ・ウッドールがロクスター、「それでも夜は明ける」のキウェテル・イジョフォーがウォーラカーを演じ、ダニエル役のヒュー・グラントらおなじみの顔ぶれも登場。「To Leslie トゥ・レスリー」のマイケル・モリス監督がメガホンをとった。

東宝東和試写室でスクリーニング。4月封切り予定。
なんと9年ぶりの新作とな。どれだけしゃぶれるのか、ブリジット飴。初作が21世紀のなった2001年だから、はや四半世紀近くなる。あの時32歳独身だった彼女もアラ還に指が引っかかるお歳。果たして、どれだけ彼女のすったもんだに需要があるのだろうか。夫を亡くし4年。子育て邁進のブリジットが、仕事と恋愛に再出発するストーリーだ。まるで同窓会のような、懐かしの面々も大集合なうえ、あのカット、あのシーンへのオマージュ満載。そんなブリジット教の信者にはストライクかもしれない。

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2025-071M 「プレゼンス 存在」☆☆☆★

Ssonzai原題:Presence
邦題:プレゼンス 存在
時間:84分
公開:2025-03-07
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ロングライド
製作総指揮:デビッド・コープ
製作:ジュリー・M・アンダーソン ケン・マイヤー
監督:スティーブン・ソダーバーグ
脚本:デビッド・コープ
原作:
撮影:ピーター・アンドリュース
音楽:ザック・ライアン
出演:ルーシー・リュー、クリス・サリヴァン、カリーナ・リャン、エディ・マディ、ウェスト・マルホランド

「トラフィック」や「オーシャンズ」シリーズ、「コンテイジョン」で知られるスティーブン・ソダーバーグ監督が、ある屋敷に引っ越してきた一家に起こる不可解な出来事を、全編を通して幽霊目線で描いた新感覚のホラー。

崩壊寸前の4人家族が、ある大きな屋敷に引っ越してくる。一家の10代の少女クロエは、家の中に自分たち以外の何かが存在しているように感じられてならなかった。“それ”は一家が引っ越してくる前からそこにいて、“それ”は人に見られたくない家族の秘密を目撃する。クロエは母親にも兄も好かれておらず、そんな彼女に“それ”は親近感を抱く。一家とともに過ごしていくうちに、“それ”は目的を果たすために行動に出る。

「キル・ビル」「チャーリーズ・エンジェル」のルーシー・リューが息子を溺愛する一家の母親レベッカを演じ、父親クリス役は「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のクリス・サリバン、物語のキーマンとなる娘クロエ役はカナダ出身の新鋭カリーナ・リャンがそれぞれ務めた。脚本は「ジュラシック・パーク」「ミッション:インポッシブル」などハリウッドの話題作を数々手がけてきたデビッド・コープ。

シャマランの『シックス・センス』やアメナーバルの『アザーズ』を連想する設定だが、いかにソダーバーグが料理するかが見どころ。それぞれ癖のある、作家性の強い映画監督たちだ。ともあれ、前2作はどちらの側であれ、この世のものでない存在を実体としていたが、本作は主観で描いてゆく。そのため、シーンの繋がりはフェイドアウト、インで『意思』を表現し、基本的にワンカット撮影の積み重ねとなっている。果たして、この演出実験は成功しているか、という点では疑問が残る。ただ、この(霊的なる)世界観を、新機軸で描くとこうなる必然を、ソダーバーグは提示したのだろう。まあ、ストーリーがステレオタイプで凡庸なため、テクニックを体験する、に逗まる作品だ。なお、このソレはクイアなんだろうなあ。

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2025-070M 「雪子 a.k.a.」☆☆☆★

Syukikoaka邦題:雪子 a.k.a.
時間:98分
公開:2025-01-25
製作年度:2024
製作国:日本
配給:パル企画
製作総指揮:
製作:鈴木ワタル 桑原佳子
監督:草場尚也
脚本:鈴木史子
原作:鈴木史子 草場尚也
撮影:寺本慎太朗
音楽:GuruConnect
出演:山下リオ(吉村雪子)、樋口日奈(石井里穂)、占部房子(大迫美香)、渡辺大知(堀田広大)、石田たくみ(谷川修介)、剛力彩芽(古賀まりか)、浅田芭路(前島華)、猪股怜生(森幸太郎)、滋賀練斗(坂下類)、池尻稀春(水川沙羅)、中村映里子(森律子)、池田良(坂下俊介)、ダースレイダー、立仙愛理(エル)、椿(アザミ)、カツヲ(ニシキ)、りゅうと(吉村鉄平)、赤間麻里子(道端和子)、PONEY(田中)、石橋凌(吉村和彦)

30歳を前に人生に迷った小学校教師の女性が、ラップを通して自分と向きあっていく姿を描いた人間ドラマ。

記号のように過ぎていく毎日に漠然とした不安を抱えている29歳の小学校教師・雪子。不登校児とのコミュニケーションも、恋人からのプロポーズに対しても、本音を口にすることを避け、答えを出せずにいる。好きなラップをしている時だけは本音を言えていると思っていたが、思いがけず参加したラップバトルでそれさえも否定され、立ち尽くしてしまう。いい先生、いいラッパー、いい彼女になりたいかと自問自答を重ねながら、30歳の誕生日を迎える雪子だったが……。

「あのこは貴族」などの山下リオが雪子役で主演を務め、雪子の同僚教師役で樋口日奈と占部房子、恋人役で渡辺大知、友人役で剛力彩芽、父親役で石橋凌が共演。劇中で雪子が披露するリリックを、ラッパーのダースレイダーが書きおろした。「スーパーミキンコリニスタ」でPFFアワード2019日活賞とホリプロ賞をダブル受賞した草場尚也監督の劇場映画初監督作。

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2025-069M 「Underground アンダーグラウンド」☆☆★★

Sundergraund_20250304161201邦題:Underground アンダーグラウンド
時間:83分
公開:2025-03-01
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ユーロスペース、スリーピン
製作総指揮:
製作:筒井龍平 杉原永純
監督:小田香
脚本:
原作:
撮影:高野貴子
音楽:細井美裕
出演:吉開菜央、松永光雄、松尾英雅

「鉱 ARAGANE」「セノーテ」など異形の地下世界を題材に映画制作を続けてきた小田香監督が、日本の地下世界にカメラを向けた作品。

地下の暗闇から現れた「シャドウ(影)」はある女の姿を借り、時代も場所も超えた旅に出る。シャドウは地下鉄が走る音を聞き、戦争で多くの人々が命を落としたほら穴の中で死者の声に耳を澄ませる。山奥の寺では、洞窟へと続く壁面に彫られた仏のために読経する僧侶のかたわらに身を寄せる。かつてそこで起きたことをトレースするようになったシャドウは、ふと訪れた映画館で目にした映像に導かれ、湖の底に沈んだ街へと向かう。

小田監督が3年かけて日本各地で取材を行い、その土地に宿る歴史と記憶、土地の人々の声を反映させて描きだす。米津玄師「Lemon」MVでのダンスや映画「Shari」の監督として知られる映画作家・ダンサーの吉開菜央が、女の姿を借りたシャドウを演じた。

ユーロで2本連投という危険な賭け。まずは、予告編から『あやしい、やらかしてるかも』という印象が強かった作品。案の定、マスターベーションの極みのようなフィルムと時間の無駄もの。

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2025-068M 「ジュ・テーム、ジュ・テーム」☆☆☆

Sjetaime原題:Je t'aime, je t'aime
邦題:ジュ・テーム、ジュ・テーム
時間:96分
公開:2025-02-28
製作年度:1968
製作国:フランス
配給:コピアポア・フィルム
製作総指揮:
製作:
監督:アラン・レネ
脚本:ジャック・ステルンベール
原作:
撮影:クシシュトフ・ペンデレツキ
音楽:ジャン・ボフティ
出演:クロード・リッシュ、オルガ・ジョルジュ=ピコ、アヌーク・フェルジャック、バニア・ビレール、バン・ドード

「去年マリエンバートで」「二十四時間の情事」などで知られるフランスの巨匠アラン・レネが、1968年に手がけたSFラブストーリー。タイムトラベル実験の失敗により時間の中に閉じ込められ、かつて愛し合った恋人との記憶をランダムに追体験することになった男を描く。

「時間」を研究するクレスペル研究所で、タイムトラベル実験への参加を依頼されたクロード。1年前へ旅だった彼の目の前には夏の真っ青な海が広がっており、そしてそこには、かつて破滅的なまでに愛し合った恋人カトリーヌがいた。しかしマシンの故障により過去に閉じ込められてしまったクロードは、ばらばらに散らばった思い出を追体験していくのだが……。

1968年のカンヌ国際映画祭に出品されたものの、五月革命の余波を受けて映画祭自体が中止となり、その後の興行も芳しいものではなかったことなどから、日本では長らく特集上映などで上映されるのみだった。時を経て再評価が高まり日本でも2024年2月に初の劇場公開が実現。

1968年の、5月革命で中止となったカンヌ映画祭に出品される予定だった、アラン・レネ監督のSF作品。コイツはスクリーンで観られるのは貴重だ。タイムリープものだが、いかにも60年代映画、フランス映画、アラン・レネ映画、基本的に『わけがわからん』ものになっている。時間跳躍の実験で、過去に閉じ込められた主人公が、ひたすら失った彼女との記憶の断片を繰り返していく物語。

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2025-067M 「プロジェクト・サイレンス」☆☆☆★

Sprojectsilence原題:Project Silence
邦題:プロジェクト・サイレンス
時間:96分
公開:2025-02-28
製作年度:2023
製作国:韓国
配給:ハピネットファントム・スタジオ、ショウゲート
製作総指揮:
製作:
監督:キム・テゴン
脚本:キム・テゴン パク・ジュスク キム・ヨンファ
原作:
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:
出演:イ・ソンギュン(ジョンウォン)、チュ・ジフン(チョバク)、キム・ヒウォン(ヤン博士)、ムン・ソングン、イェ・スジョン、キム・テウ、パク・ヒボン、パク・ジュヒョン、キム・スアン

海に囲まれた空港に渡る大橋を舞台に、さまざまなアクシデントによって崩落寸前となった橋の上で起こる危機を描いた韓国製パニックサスペンス大作。

留学に旅立つ娘を空港へ送るため、海に囲まれた空港へと通じる大橋を渡っていた国家安保室の行政官ジョンウォンは、濃霧による激しい玉突き事故に巻き込まれてしまう。さらにタンクローリーの横転により有毒ガスが蔓延し、電波の喪失で通信障害が発生、救助のヘリコプターも墜落してしまい、その爆発の影響で橋は崩落の危機に陥る。橋の上では116人が孤立状態となるが、そんな最悪な状況の中、国家機密計画「プロジェクト・サイレンス」のために生み出された軍事実験体「エコー」が脱走したことが判明し……。

2023年12月に亡くなった「パラサイト 半地下の家族」「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「神と共に」シリーズのチュ・ジフン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のキム・スアンらが顔をそろえる。監督は「グッバイ・シングル」のキム・デゴン。「新感染 ファイナル・エクスプレス」のパク・ジュスク、「神と共に」シリーズ監督のキム・ヨンファが脚本を担当。

韓国のジャストアイデア作品。こういったシチュエーションドラマは韓国のお手の物だろう。かつては『新幹線大爆破』のように日本映画も頑張っていたのだが、昨今はスケールが小さくて、邦画は寂しい。
タイムリミット系の脱出群像劇だが、人物の構成要素は『新感染 ファイナル・エクスプレス』などと同様だ。ある意味では、この手の群像劇役者配分の黄金比が、韓国映画では完成されているのだろう。

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2025-066M 「シンパシー・フォー・ザ・デビル」☆☆☆★

Ssymphasy原題:Sympathy for the Devil
邦題:シンパシー・フォー・ザ・デビル
時間:90分
公開:2025-02-28
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:AMGエンタテインメント
製作総指揮:クリスチャン・マーキュリー ロマン・ビアリ マーク・ゴールドバーグ デビッド・サリバン サラ・ガブリエル ジェイソン・ソト ティム・ムーア マイケル・ペセル コートニー・チェン ルーク・パラダイス
製作:アラン・アンガー アレックス・ルボビッチ スチュアート・マナシル デビッド・ハリング ニコラス・ケイジ
監督:ユバル・アドラー
脚本:ルーク・パラダイス
原作:
撮影:スティーブン・ホールラン
音楽:イシャイ・アダール
出演:ニコラス・ケイジ(謎の乗客)、ジョエル・キナマン(デイビッド)、アレクシス・ゾリコッファー(ウェイトレス)、キャメロン・リー・プライス(警官)、オリバー・マッカラム(デイビッドの息子)、バーンズ・バーンズトラック(ダイナーのオーナー)、リッチ・ホプキンス(トラック運転手)、ナンシー・グッド(祖母)、カイウィ・ライマン=メルロー(同僚)

ニコラス・ケイジが主演・製作を務め、正体不明の男による動機も目的もわからないカージャック事件の行方を、予測不能な展開とハードなバイオレンス描写で描いたアクションスリラー。

実直な会社員デイビッドは妻の出産に立ち会うため、ラスベガス中心部にある病院へ向かって車を走らせていた。しかし病院の駐車場で、後部座席に見知らぬ男が乗り込んでくる。拳銃を突きつけられて仕方なく車を発進させたデイビッドは、ハイウェイを走行しながら脱出しようと手を尽くすが、非情で狡猾な男にことごとく阻まれてしまう。支離滅裂な言動を連発しデイビッドに異常なほどの悪意を向ける男は暴走をエスカレートさせ、やがてデイビッドとともに立ち寄ったダイナーで大惨事を呼び起こす。

ケイジが狂気に満ちたカージャック男を怪演し、もうひとりの主人公である運転手デイビッドを「スーサイド・スクワッド」のジョエル・キナマンが演じた。監督は「ベツレヘム 哀しみの凶弾」「マヤの秘密」で知られるイスラエル出身のユバル・アドラー。

もう、ニコラス・ケイジは〈ジャンル〉としての存在かもね。

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