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2025-028M 「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」☆☆☆★

Sroomnextdoor原題:La habitacion de al lado
邦題:ザ・ルーム・ネクスト・ドア
時間:107分
公開:2025-01-31
製作年度:2024
製作国:スペイン
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:
製作:アグスティン・アルモドバル エステル・ガルシア
監督:ペドロ・アルモドバル
脚本:ペドロ・アルモドバル
原作:シーグリッド・ヌーネス
撮影:エドゥ・グラウ
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ティルダ・スウィントン(マーサ)、ジュリアン・ムーア(イングリッド)、ジョン・タートゥーロ、アレッサンドロ・ニヴォラ、ファン・ディエゴ・ボト、ラウール・アレバロ、ビクトリア・ルエンゴ、アレックス・ホイ・アンデルセン、エスター・マクレガー、アルヴィーゼ・リゴ、メリーナ・マシューズ

スペインの名匠ペドロ・アルモドバルによる初の長編英語劇で、2024年・第81回ベネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞したヒューマンドラマ。ティルダ・スウィントンとジュリアン・ムーアという当代きっての演技派の2人が共演し、病に侵され安楽死を望む女性と、彼女に寄り添う親友のかけがえのない数日間を描く。

重い病に侵されたマーサは、かつての親友イングリッドと再会し、会っていなかった時間を埋めるように、病室で語らう日々を過ごしていた。治療を拒み、自らの意志で安楽死を望むマーサは、人の気配を感じながら最期を迎えたいと願い、“その日”が来る時にはイングリッドに隣の部屋にいてほしいと頼む。悩んだ末にマーサの最期に寄り添うことを決めたイングリッドは、マーサが借りた森の中の小さな家で暮らし始める。マーサはイングリッドに「ドアを開けて寝るけれど、もしドアが閉まっていたら私はもうこの世にはいない」と告げ、マーサが最期を迎えるまでの短い数日間が始まる。

「フィクサー」でアカデミー助演女優賞を受賞し、アルモドバルの短編英語劇「ヒューマン・ボイス」にも主演したティルダ・スウィントンがマーサを演じ、「アリスのままで」でアカデミー主演女優賞を受賞したジュリアン・ムーアが親友イングリッド役を務めた。

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2025-027M 「遺書、公開。」☆☆☆★

Sishokokai邦題:遺書、公開。
時間:119分
公開:2025-01-31
製作年度:205
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:
監督:英勉
脚本:鈴木おさむ
原作:陽東太郎
撮影:
音楽:未知瑠
出演:吉野北人(池永柊夜)、宮世琉弥(千蔭清一)、志田彩良(廿日市くるみ)、松井奏(赤崎理人)、高石あかり(御門凜奈)、堀未央奈(姫山椿)、忍成修吾(甲斐原誠)、上村海成、川島鈴遥、荒井啓志、松本大輝、星乃夢奈、榊原有那、藤堂日向、菊地姫奈、大峰ユリホ、阿佐辰美、兼光ほのか、日高麻鈴、大東立樹、金野美穂、鈴川紗由、浅野竣哉、青島心、楽駆

ダンス&ボーカルグループ「THE RAMPAGE from EXILE TRIBE」の吉野北人が主演を務め、陽東太郎による同名コミックを実写映画化した学園ミステリー。

新学期の春、私立灰嶺学園の2年D組に、生徒24人と担任教師をあわせた全員の明確な順位を記した「序列」が届けられる。犯人がわからないまま半年が過ぎたある日、誰もが羨む人気者だった序列1位の姫山椿が、校内で謎の死を遂げる。数日後、クラスの全員に姫山から遺書が届いたことをきっかけに、彼らのドス黒い本性が次々とあぶりだされていく。

主人公・池永柊夜を吉野が演じ、クラスメイト役には「恋わずらいのエリー」の宮世琉弥、「かそけきサンカヨウ」の志田彩良、男性アイドルグループ「IMP.」の松井奏、「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの髙石あかり、元「乃木坂46」の堀未央奈ら注目の若手キャストが集結。「リリイ・シュシュのすべて」の忍成修吾が担任教師を演じた。「東京リベンジャーズ」シリーズの英勉監督がメガホンをとり、Netflixドラマ「極悪女王」の鈴木おさむが脚本を担当。

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2025-026M 「顔だけじゃ好きになりません」☆☆☆

Skaodakejasukini邦題:顔だけじゃ好きになりません
時間:104分
公開:2025-03-07
製作年度:2025
製作国:日本
配給:アスミック・エース
製作総指揮:豊島雅郎 冨岡幸雄
製作:
監督:耶雲哉治
脚本:三浦希紗
原作:安斎かりん
撮影:豊納正俊
音楽:遠藤浩二
出演:宮世琉弥、久間田琳加、中島颯太、米倉れいあ

白泉社「花とゆめ」連載の安斎かりんによる人気コミックを、「恋わずらいのエリー」の宮世琉弥主演で実写映画化したラブコメディ。

整った顔が大好きなオタク女子・才南(さな)の“推し”は、学校一顔が良い青髪の奏人(かなと)先輩。ある日、校内で奏人と遭遇した才南は、授業をさぼりすぎて退学寸前に陥った奏人から、SNS運営を手伝ってほしいと依頼される。学校公式アカウントのフォロワー数10万人を達成すれば奏人の退学が撤回されると知った才南は、自分が“中の人”だとバレないよう極秘ミッションに挑むことに。奏人の“こじらせかわいい”素顔を知り、思いを募らせていく才南だったが、クラスメイトの土井垣にふたりの関係を気づかれてしまい……。

「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」の久間田琳加がヒロイン・才南を演じ、ダンス&ボーカルグループ「FANTASTICS」の中島颯太、ドラマ「十角館の殺人」の米倉れいあが共演。「ライアー×ライアー」「映画刀剣乱舞」の耶雲哉治監督がメガホンをとった。

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2025-025M 「ザ・チェイサー 追撃者」☆☆☆

Scheicer原題:Damaged
邦題:ザ・チェイサー 追撃者
時間:92分
公開:2025-01-24
製作年度:2024
製作国:/アメリカ・イギリス
配給:「ザ・チェイサー 追撃者」上映委員会
製作総指揮:ロマン・ビアリ グレッグ・シナイコ ルーク・テイラー マシュー・ヘルダーマン
製作:ポール・アニエロ ジャンニ・カパルディ ロマン・コペレビッチ
監督:テリー・マクドナフ
脚本:コウジ・スティーブン・サカイ ジャンニ・カパルディ ポール・アニエロ
原作:ポール・アニエロ ジャンニ・カパルディ
撮影:マティアス・ポエッチ
音楽:アンドレア・リドルフィ
出演:サミュエル・L・ジャクソン、ヴァンサン・カッセル、ジャンニ・カッパルディ、ケイト・ディッキー

サミュエル・L・ジャクソンとバンサン・カッセルが初共演し、連続殺人鬼を追う刑事たちの戦いを描いたアクションスリラー。

スコットランドのハイランド地方で連続殺人事件が発生した。その残忍な手口は5年前にシカゴで起きた未解決事件に酷似しており、当時その事件を担当していた刑事ダン・ローソンと元同僚ブラボーが捜査に乗りだす。情報が錯綜し犠牲者が増えていくなか、刑事たちは巧妙に仕掛けられた罠に引きずり込まれていく。

共演は「トランスフォーマー 最後の騎士王」のローラ・ハドック、「プロメテウス」のケイト・ディッキー。テレビドラマ「ブレイキング・バッド」シリーズのテリー・マクドナフ監督がメガホンをとった。「未体験ゾーンの映画たち2025」(25年1月3日~、ヒューマントラストシネマ渋谷)上映作品。

まさかの続編可能性を残しつつ、のビデオムービーレベルのC級シリアルキラークライムドラマ。

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2025-024M 「今日の海が何色でも」☆☆★★★

Skyonoumigananiiro原題:Solids by the Seashore
邦題:今日の海が何色でも
時間:93分
公開:2025-01-17
製作年度:2023
製作国:タイ
配給:Foggy
製作総指揮:
製作:
監督:パティパン・ブンタリク
脚本:パティパン・ブンタリク
原作:
撮影:
音楽:
出演:アイラダ・ビツワン、ラウィバ・スリサングアン

タイ南部の海辺の町で出会ったふたりの女性がひかれあう姿を、環境問題をテーマにしたアートを交えながら美しい映像でつづったドラマ。

イスラム教徒が多く暮らすタイ南部の町ソンクラー。かつてこの町には美しい砂浜があったが、高潮によって侵食され、現在は護岸用の人工の岩に置き換えられている。保守的なイスラム教徒の家庭に生まれ育ったシャティは親から結婚を急かされているが、親が決めた相手と結婚させられることに疑問を抱いていた。そんなある日、シャティは町で防波堤をテーマにした美術展を開くため都会からやって来たビジュアルアーティストのフォンと出会い、彼女を手伝うことに。正反対の環境に生まれ育った対照的なふたりは、互いを深く理解していくなかでひかれあうようになるが……。

本作が長編劇映画デビュー作となるパティパン・ブンタリクが監督・脚本を手がけた。2023年・第28回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門にてNETPAC賞(最優秀アジア映画賞)を受賞。

久しぶりに『睡眠系』だった。何度か意識が飛んだ。

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2025-023M 「マッド・マウス ミッキーとミニー」☆☆★★

Smadmause原題:The Mouse Trap
邦題:マッド・マウス ミッキーとミニー
時間:94分
公開:2025-03-07
製作年度:2024
製作国:カナダ
配給:ハーク
製作総指揮:
製作:ジェイミー・ベイリー サイモン・フィリップス
監督:ジェイミー・ベイリー
脚本:サイモン・フィリップス
原作:
撮影:ジェイミー・ベイリー
音楽:ダーレン・モルゼ
出演:ソフィ・マッキントッシュ、マッケンジー・ミルズ、サイモン・フィリップス、カラム・シウィック

1928年に公開されたウォルト・ディズニー社の短編アニメ「蒸気船ウィリー」が、2024年1月1日に公開から95年経ったため、著作権が切れてパブリックドメイン化したことを受け、「蒸気船ウィリー」に登場したミッキーマウスを凶悪な殺人鬼として描いたサバイバルスリラー。

21歳の誕生日を迎えるアレックスは、アルバイト先のゲームセンターで店長から残業を頼まれ、夜遅くまで働くことに。ひとりきりの店内で不気味な人影を目撃し恐怖心を募らせるアレックスだったが、旧友たちが彼女のために企画してくれた誕生日祝いのサプライズパーティだと知り安堵する。しかし楽しい時間もつかの間、怪しげな人物が彼女たちを襲い、まるでアトラクションを楽しむかのように次々と血祭りにあげていく。

主人公アレックス役に「エア・ロック 海底緊急避難所」のソフィー・マッキントッシュ。「デスNS インフルエンサー監禁事件」などでもタッグを組んだジェイミー・ベイリーが監督、サイモン・フィリップスが脚本を手がけ、フィリップスが殺人鬼役で出演。

まあ、際物の最たるものだし、ストーリーもエピソードも相関ないものが並行しているし、何がなんやら。ミッキーを殺人鬼にするという発想のみで、同様に著作権切れたプーさんが殺人鬼となるのと同じ発想。プーさんは続編まで作られるというジョークに冷笑。こいつも、ミニーが登場してボニーとクライドみたいな続編ができるのかな?

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2025-022M 「サスカッチ・サンセット」☆☆☆★

Ssasquatch-sunset原題:Sasquatch Sunset
邦題:サスカッチ・サンセット
時間:88分
公開:2025-05-23
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:アリ・アスター ガス・ディアードフ リジー・シャピロ アンドリュー・カーペン ケント・サンダーソン ライリー・キーオ ジーナ・ガンメル ジェフ・ハル マイケル・クロファイン ジョン・モンタギュー デビッド・エクルズ ミネット・ネルソン トッド・トレイナ フレッド・ベネンソン トファー・リン ウィリー・ホール デビッド・タイラー・ピアソン コリーン・バトラー ジェニファー・8・リー
製作:ラース・クヌードセン タタイラー・カンペローネ ネイサン・ゼルナー デビッド・ゼルナー ジョージ・ラッシュ ジェシー・アイゼンバーグ デビッド・ハラリ
監督:デビッド・ゼルナー ネイサン・ゼルナー
脚本:デビッド・ゼルナー
原作:
撮影:マイケル・ジオラキス
音楽:The Octopus Project
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、ライリー・キーオ

雄大な自然の中で暮らす毛むくじゃらの生物・サスカッチ(ビッグフット)の冒険を、圧倒的映像美と幻想的な音楽によりドキュメンタリータッチで描いた異色作。

北米の霧深い森で暮らす4頭のサスカッチ。寝床をつくり、食料を探し、交尾をするという営みを繰り返しながら、仲間がどこかにいると信じて旅を続けている。絶えず変化していく世界に直面しながら、生き残りをかけて必死に戦うサスカッチたちだったが……。

「リアル・ペイン 心の旅」「ソーシャル・ネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグが主演を務め、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のライリー・キーオが共演。「ミッドサマー」のアリ・アスター監督が製作総指揮に名を連ね、菊地凛子主演映画「トレジャーハンター・クミコ」やテレビドラマ「THE CURSE ザ・カース」などで知られるデビッド&ネイサン・ゼルナー兄弟監督が10年以上の歳月をかけて完成させた。

いったい僕ばなにを「見させられている」のだろう。という浮遊感に襲われる。雪男=ビッグフット=サスカッチを主人公にドキュメンタリー風に映画にしよう、という狂気に付き合わされているのだろうか。

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2025-021M 「雪の花 ともに在りて」☆☆☆

Syukihohana 邦題:雪の花 ともに在りて
時間:117分
公開:2025-01-24
製作年度:2024
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:木下直哉
製作:髙??敏弘 渡部秀一
監督:小泉堯史
脚本:齋藤雄仁 小泉堯史
原作:吉村昭
撮影:上田正治
音楽:加古隆
出演:松坂桃李(笠原良策)、芳根京子(千穂)、三浦貴大(半井元冲)、宇野祥平(与平)、沖原一生(桐山元中)、坂東龍汰(日野桂州)、三木理紗子(はつ)、新井美羽(お愛)、串田和美、矢島健一、渡辺哲、益岡徹(中根雪江)、山本學(大庄屋の主人)、吉岡秀隆(大武了玄)、役所広司(日野鼎哉)

「雨あがる」「博士の愛した数式」「峠 最後のサムライ」などで人間の美しい在り方を描いてきた名匠・小泉堯史監督が、吉村昭の小説「雪の花」を映画化。江戸時代末期の福井藩を舞台に、数年ごとに大流行して多くの人命を奪う疫病から人々を救おうと奔走した実在の町医者の姿を描く。

江戸時代末期、有効な治療法がなく多くの人の命を奪ってきた痘瘡(天然痘)。福井藩の町医者・笠原良策は、その痘瘡に有効な「種痘(予防接種)」という予防法が異国から伝わったことを知り、京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請い、私財を投げ打って必要な種痘の苗を福井に持ち込んだ。しかし、天然痘の膿をあえて体内に植え込むという種痘の普及には、さまざまな困難が立ちはだかる。それでも良策は、妻・千穂に支えられながら疫病と闘い続ける。

主人公の笠原良策を松坂桃李、良策の妻・千穂を芳根京子、良策を導く蘭方医・日野鼎哉を役所広司が演じる。そのほか吉岡秀隆、三浦貴大、宇野祥平らが共演。

天然痘の蔓延から子供たちを救おうと、福井藩の町医者が、京の蘭方医から学んだジェンナーの種痘を、艱難辛苦の末に成功させるまでの物語。吉村昭の原作。江戸時代の医療系プロジェクトXを企図したのだろうが、いかんせん脚本が一本調子で、艱難辛苦を画期的な発明工夫で突破する、ドラマティックな要素がない。新療法を邪魔するお役所仕事や、免疫持つ子供と吹雪の峠越えなど、壁にするため脚本的に用意した壁にすぎない。そんなこんなで、深く染みる感動もなく、安易な伏線回収のクライマックスも平凡。

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2025-020M 「おんどりの鳴く前に」☆☆☆★

Sondorinonakumaehi原題:Oameni de treaba
邦題:おんどりの鳴く前に
時間:106分
公開:2025-01-24
製作年度:2022
製作国:ルーマニア・ブルガリア
配給:カルチュアルライフ
製作総指揮:
製作:アナマリア・アントチ パウル・ネゴエスク
監督:パウル・ネゴエスク
脚本:ラドゥ・ロマニュク オアナ・トゥドル
原作:
撮影:アナ・ドラギチ
音楽:マリウス・レフタラチェ
出演:ユリアン・ポステルニク、ヴァシレ・ムラル、アンゲル・ダミアン、クリナ・セムチウク

ルーマニアの辺境の村を舞台に、狭いコミュニティ内で起きた殺人事件を通して人間の醜悪さを生々しく描いたサスペンス映画。

ルーマニア北東部モルドバ地方の自然に囲まれた静かな村。野心を失い鬱屈とした日々を過ごす中年警察官イリエは、果樹園を営みながらひっそりと第2の人生を送ることを願っていた。そんなある日、平和なはずのこの村で、斧で頭を割られた惨殺死体が発見される。捜査を任されたイリエは、美しい村に潜んだ闇を次々と目の当たりにしていき、やがて驚くべき結末にたどりつく。

ルーマニアの若手監督パウル・ネゴエスクが、欲望と正義の狭間で揺れる主人公の葛藤を、社会風刺を交えながら巧みに表現。ルーマニアのアカデミー賞にあたるGOPO賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など6冠に輝いた。

 

 

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2025-019M 「アンダーニンジャ」☆☆☆★

Sunderninja邦題:アンダーニンジャ
時間:123分
公開:2025-01-24
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:矢延隆生 角田真敏 市川南 細野義朗
監督:福田雄一
脚本:福田雄一
原作:花沢健吾
撮影:工藤哲也、各務真司
音楽:瀬川英史
出演:山崎賢人(雲隠九郎)、浜辺美波(野口彩花)、間宮祥太朗(加藤)、白石麻衣(鈴木)、岡山天音(猿田)、山本千尋(山田美月)、宮世琉弥(蜂谷紫音)、坂口涼太郎(瑛太)、平田満(主事)、ムロツヨシ(大野)、木南晴夏(川戸愛)、長谷川忍(担任)、佐藤二朗(吉田昭和)

「アイアムアヒーロー」などで知られる漫画家・花沢健吾が、現代社会に潜む忍者たちの姿を描いた人気コミック「アンダーニンジャ」を実写映画化。「銀魂」「聖☆おにいさん」など数々の話題作を手がける福田雄一が監督・脚本、「キングダム」「ゴールデンカムイ」の山﨑賢人が主演を務めた。

太平洋戦争終結後、日本へ進駐したGHQが最初に命じたのは「忍者」組織の解体だった。それにより、忍者の存在は消滅したかに見えた。しかし彼らは世界中のあらゆる機関に潜伏し、現代社会でも暗躍を続けていた。忍者組織「NIN(ニン)」の末端に所属する忍者の雲隠九郎は、暇を持て余していたある日、重大な任務を言い渡される。それは、戦後70年以上にわたり地下に潜り続けている、「アンダーニンジャ」と呼ばれる組織の動向を探るというものだったが……。

主人公の雲隠九郎を山﨑が演じ、忍者たちの戦いに巻き込まれていくヒロインの女子高校生・野口彩花役を浜辺美波が務めた。そのほか間宮祥太朗、白石麻衣、岡山天音、山本千尋、宮世琉弥、坂口涼太郎、平田満、木南晴夏、長谷川忍らに加えて、福田作品常連のムロツヨシ、佐藤二朗も変わらず参加。

 

 

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2025-018M 「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」☆☆☆★★

Sgoldfinger2025原題:金手指 The Goldfinger
邦題:ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件
時間:126分
公開:2025-01-24
製作年度:2023
製作国:香港・中国
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
製作総指揮:アルバート・ヤン ジェン・ジーハオ アレックス・ヤン
製作:ロナルド・ウォン
監督:フェリックス・チョン
脚本:フェリックス・チョン
原作:
撮影:アンソニー・プン
音楽:デイ・タイ
出演:トニー・レオン(チン・ヤッイン)、アンディ・ラウ(ラウ・カイユン)、シャーリーン・チョイ(チュン・カーマン)、サイモン・ヤム(ツァン・ギムキウ)、カルロス・チェン(ホー・ホウワン(ロバート))、マイケル・ニン(ヤム・チュン)、フィリップ・キョン(ムシャラ・ハファ)、アレックス・フォン(ケビン)、タイ・ポー(ン)、チン・ガーロウ(ウィン)、キャサリン・チャウ(スン・ウェイ)、カーキ・サム(ジョニー)、アニタ・ユン(1996年 裁判官)

トニー・レオンとアンディ・ラウが「インファナル・アフェア」シリーズ以来、およそ20年ぶりに共演した作品で、1980年代の香港バブル経済時代を舞台に巨額の金融詐欺事件を描いた。

イギリスによる植民地支配の終焉が近づいた1980年代の香港。海外でビジネスに失敗し、身ひとつで香港にやってきた野心家のチン・ヤッインは、悪質な違法取引を通じて香港に足場を築く。チンは80年代株式市場ブームの波に乗り、無一文から資産100億ドルの嘉文世紀グループを立ち上げ、一躍時代の寵児となる。そんなチンの陰謀に狙いを定めた汚職対策独立委員会(ICAC)のエリート捜査官ラウ・カイユンは、15年間の時間をかけ、粘り強くチンの捜査を進めていた。

凄腕詐欺師チン・ヤッイン役をトニー・レオンが、執念の捜査官ラウ・カイユン役をアンディ・ラウがそれぞれ演じる。監督、脚本を「インファナル・アフェア」3部作の脚本を手がけたフェリックス・チョンが務めた。香港で興行ランキング5週連続1位となるなど大ヒットを記録し、香港のアカデミー賞と言われる第42回香港電影金像奨で12部門にノミネートされ、トニー・レオンの主演男優賞など6部門を受賞した。

 

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2025-017M 「サンセット・サンライズ」☆☆☆★★

Ssunsetsunrise邦題:サンセット・サンライズ
時間:139分
公開:2025-01-17
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:
製作:石井紹良 神山健一郎 山田邦雄 竹澤浩 角田真敏 渡邊万由美 小林敏之 渡辺章仁
監督:岸善幸
脚本:宮藤官九郎
原作:楡周平
撮影:今村圭佑
音楽:網守将平
出演:菅田将暉(西尾晋作)、井上真央(関野百香)、竹原ピストル(倉部健介)、山本浩司(山城進一郎)、好井まさお(平畑耕作)、藤間爽子、茅島みずき、白川和子、ビートきよし、半海一晃、宮崎吐夢、少路勇介、松尾貴史、三宅健(高森武)、池脇千鶴(持田仁美)、小日向文世(大津誠一郎)、中村雅俊(関野章男)

「正欲」「あゝ、荒野」の岸善幸監督が脚本家・宮藤官九郎とタッグを組み、小説家・楡周平の同名小説を映画化したヒューマンコメディ。菅田将暉が主演を務め、都会から宮城県南三陸に移住したサラリーマンが住民たちと織りなす交流を、コロナ禍や地方の過疎化、震災などの社会問題を盛り込みながらユーモアたっぷりに描く。

新型コロナウイルスのパンデミックにより世界中がロックダウンや活動自粛に追い込まれた2020年。東京の大企業に勤める釣り好きの西尾晋作はリモートワークをきっかけに、南三陸に見つけた4LDKで家賃6万円の物件に“お試し移住”することに。仕事の合間には海に通って釣り三昧の日々を過ごす晋作だったが、地元住民たちはよそ者の彼のことが気になって仕方ない。晋作は一癖も二癖もある住民たちの距離感ゼロの交流に戸惑いながらも、持ち前のポジティブな性格と行動力で次第に溶け込んでいくが……。

町のマドンナ的存在で晋作の移住先の大家でもある関野百香を井上真央が演じるほか、中村雅俊、三宅健、池脇千鶴、小日向文世が共演。

 

予告編だけではクドカンテイストがピンとこない。楡周平原作、宮藤官九郎脚本の作品。原作ものなので芸風を発揮して、そう派手に逸脱は出来ないだろうと想像。楡周平もスリラー&ハードボイルドの作品群のイメージだったが、この作品は<震災10年後>の三陸を舞台にしたもの。もちろん震災と津波の被害で、大事なものや人を喪失した傷を残しているストーリーだ(主人公が思いを寄せる女性は津波で夫と二人の子供を失っている)。となると、楡が岩手県一関市出身という因縁。宮藤の大ブームとなった朝ドラ「あまちゃん」の因縁。それぞれの作者における<その後>を清算しようということだろう。
まさに舞台はコロナ発生から収束までの三陸に生きる人々の、ディザスターまみれの日本を見つめるものになっている。

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2025-016M 「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」☆☆☆★★

Stwilightwarriars原題:九龍城寨之圍城 Twilight of the Warriors: Walled In
邦題:トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦
時間:125分
公開:2025-01-17
製作年度:2024
製作国:香港
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:ジョン・チョン ウィルソン・イップ
監督:ソイ・チェン
脚本:アウ・キンイー チャン・タイリー サム・クァンシン ジャック・ライチュン
原作:
撮影:チェン・シウキョン
音楽:川井憲次
出演:ルイス・クー(ロンギュンフォン)、レイモンド・ラム(チャン・ロッグワン)、テレンス・ラウ(ソンヤッ)、フィリップ・ン(ウォンガウ)、トニー・ウー(サップイー)、ジャーマン・チョン(セイジャイ)、リッチー・レン(秋兄貴)、ケニー・ウォン(虎兄貴)、サモ・ハン(大ボス)、アーロン・クォック(陳占)

黒社会が覇権を争う九龍城砦で男たちが繰り広げる死闘を描き、香港で大ヒットを記録したアクション映画。

1980年代。香港に密入国した青年チャンは、黒社会のルールを拒んで己の道を選んだために組織から目をつけられてしまう。追い詰められた彼は運命に導かれるように、黒社会に生きる者たちの野望が渦巻く九龍城砦に逃げ込み、そこで出会った3人の仲間たちと深い友情を育んでいく。しかし九龍城砦を巻き込む抗争は激化の一途をたどり、チャンたちはそれぞれの信念を胸に命をかけた戦いに身を投じる。

「SPL 狼たちの処刑台」のルイス・クーが主演を務め、サモ・ハン、アーロン・クォック、リッチー・レンら豪華キャストが集結。「ドラゴン×マッハ!」のソイ・チェン監督がメガホンをとり、5000万香港ドル(約9億円)をかけて制作した九龍城砦のセットで撮影。「るろうに剣心」シリーズの谷垣健治がアクション監督を務め、「イップ・マン」シリーズの川井憲次が音楽を手がけた。

予告でかつての香港ノワール&カンフーバリバリな雰囲気だったコイツ。大昔に香港訪問で、外から九龍城を眺めた思い出もあり。オスカーの外国語映画賞にノミネートされている。
主人公役のレイモンド・ラムが20代の松方弘樹にそっくりで、東映極道ものを観ている気分にさせられた。アクションは超人的スキルのぶつかり合い、おいう王道の香港映画であった。

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2025-015M 「満ち足りた家族」☆☆☆★★★

Smichitaritakazoku原題:A Normal Family
邦題:満ち足りた家族
時間:109分
公開:2025-01-17
製作年度:2024
製作国:韓国
配給:日活、KDDI
製作総指揮:
製作:キム・ウォングク
監督:ホ・ジノ
脚本:パク・ウンギョ パク・ジュンソク
原作:
撮影:コ・ラクソン
音楽:チョ・ソンウ
出演:ソル・ギョング(ジェワン)、チャン・ドンゴン(ジェギュ)、キム・ヒエ(ヨンギョン)、クローディア・キム(ジス)

「八月のクリスマス」「危険な関係」などで知られる韓国の名匠ホ・ジノ監督が、1つの事件をきっかけに、ある兄弟とその家族が崩壊していく様を描いたサスペンス。

弁護士の兄ジェワンと小児科医の弟ジェギュ。ジュワンは道徳よりも物質的な利益を優先し、年下の2人目の妻ジス、10代の娘らと豪華なマンションに暮らしている。一方、常に道徳的で良心的が信条の弟のジェギュは年長の妻ユンギョンと10代の息子と暮らし、痴呆気味になった母の介護にも献身的だ。兄弟でありながら正反対な信念を持つ2人は、それぞれの妻とともに4人で月に一回高級レストランの個室でディナーをともにしている。あるディナーの夜、事件が発生した。この事件により、4人は家族に関するある秘密に直面することとなる。

兄ジェワンを「オアシス」のソル・ギョング、弟ジェギュを約5年ぶりの映画出演となるチャン・ドンゴンがそれぞれ演じ、ドラマ「夫婦の世界」のキム・ヒエ、「アベンジャーズ エイジオブウルトロン」のクローディア・キムらが顔をそろえる。

オリジナルストーリーでここまで仕上げる韓国映画界は、相変わらず凄い。こいつなら、ハリウッドからリメイクのオファーが殺到するのではないかな。普遍的な倫理の問題『命の価値』『子ゆえの闇』『繕われる本音』が錯綜し、入り乱れ、逆転し、観る者を挑発する。

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2025-014M 「敵」☆☆☆★★

Steki邦題:敵
時間:108分
公開:2025-01-17
製作年度:20223
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ、ギークピクチュアズ
製作総指揮:小澤祐治
製作:
監督:吉田大八
脚本:吉田大八
原作:筒井康隆
撮影:四宮秀俊
音楽:千葉広樹
出演:長塚京三、瀧内公美、河合優実、黒沢あすか、中島歩、カトウシンスケ、高畑遊、二瓶鮫一、高橋洋、唯野未歩子、戸田昌宏、松永大輔、松尾諭、松尾貴史

筒井康隆の同名小説を、「桐島、部活やめるってよ」「騙し絵の牙」の吉田大八監督が映画化。穏やかな生活を送っていた独居老人の主人公の前に、ある日「敵」が現れる物語を、モノクロの映像で描いた。

大学教授の職をリタイアし、妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋にひとり暮らす、渡辺儀助77歳。毎朝決まった時間に起床し、料理は自分でつくり、衣類や使う文房具一つに至るまでを丹念に扱う。時には気の置けないわずかな友人と酒を酌み交わし、教え子を招いてディナーも振る舞う。この生活スタイルで預貯金があと何年持つかを計算しながら、日常は平和に過ぎていった。そんな穏やかな時間を過ごす儀助だったが、ある日、書斎のパソコンの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。

主人公の儀助役を12年ぶりの映画主演になる長塚京三が演じるほか、教え子役を瀧内公美、亡くなった妻役を黒沢あすか、バーで出会った大学生役を河合優実がそれぞれ演じ、松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが脇を固める。2024年・第37回東京国際映画祭コンペティション部門に出品され、東京グランプリ/東京都知事賞、最優秀監督賞(吉田大八)、最優秀男優賞(長塚京三)の3冠に輝いた。

箱入りの初版原作本に、とある番組ゲストで来局した筒井康隆さんにサインを入れてもらったのは、相当に昔の思い出だ。
小説と同じで、老いてボケてゆくインテリ教授の、ボケの『無自覚な進行の主観』を客観的に描いている。原作では、ボケとの対比で、様々な情景や行動描写が、狂気に近いほど細密に表現されていた。その緻密な文章が映画でどこまで再現できるかに、興味があった。結論として『映画は映画として』在るに過ぎない、ということだ。

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2025-013M 「室町無頼」☆☆☆★★★

Smuromachiburai邦題:室町無頼
時間:135分
公開:2025-01-17
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:須藤泰司
製作:
監督:入江悠
脚本:入江悠
原作:垣根涼介
撮影:大塚亮
音楽:池頼広
出演:大泉洋、長尾謙杜、松本若菜、遠藤雄弥、前野朋哉、阿見201、般若、武田梨奈、水澤紳吾、岩永丞威、吉本実憂、ドンペイ、川床明日香、稲荷卓央、芹澤興人、中村蒼、矢島健一、三宅弘城、柄本明、北村一輝、堤真一

垣根涼介の時代小説を大泉洋主演で実写映画化した戦国アクション。「22年目の告白 私が殺人犯です」の入江悠が監督・脚本を手がけ、日本の歴史において初めて武士階級として一揆を起こした室町時代の人物・蓮田兵衛の知られざる戦いをドラマチックに描く。

1461年、応仁の乱前夜の京。大飢饉と疫病によって路上には無数の死体が積み重なり、人身売買や奴隷労働も横行していた。しかし時の権力者は無能で、享楽の日々を過ごすばかり。そんな中、己の腕と才覚だけで混沌の世を生きる自由人・蓮田兵衛はひそかに倒幕と世直しを画策し、立ち上がる時を狙っていた。一方、並外れた武術の才能を秘めながらも天涯孤独で夢も希望もない日々を過ごしていた青年・才蔵は、兵衛に見出されて鍛えられ、彼の手下となる。やがて兵衛のもとに集った無頼たちは、巨大な権力に向けて暴動を仕掛ける。そんな彼らの前に、兵衛のかつての悪友・骨皮道賢率いる幕府軍が立ちはだかる。

大泉が本格的な殺陣・アクションに初挑戦し、剣の達人である蓮田兵衛を熱演。アイドルグループ「なにわ男子」の長尾謙杜が才蔵、堤真一が骨皮道賢を演じるほか、柄本明、北村一輝、松本若菜が共演。

ここ数年、意欲的な大作時代劇が、製作され続けている。誠に良きことかな。以下、ざっくりとした印象。
①少年ジャンプを思わせる友情・努力・勝利。『用心棒』へのリスペクトを感じさせる対立構造と巨悪。『七人の侍』へのリスペクトを感じさせる連帯。このあたりはジャンプ的、ワンピース的でもある。
②音楽がマカロニ・ウエスタンすぎる?いつ太陽を背にイーストウッドが登場するか『待ち望む気分』にさせられた。
③戦闘シーン、とりわけ殺陣のカメラワークが凄い。斬新。武器の主観で回転までする。どんな絵コンテ描いたのだろう、入江悠監督は。
④結論。スッゲー面白かった。娯楽時代劇として堪能した。メインの二人の決着も腑に落ちた。

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2025-012M 「どうすればよかったか?」☆☆☆★

Sdousurebayokatta邦題:どうすればよかったか?
時間:101分
公開:2024-12-07
製作年度:2024
製作国:日本
配給:東風
製作総指揮:
製作:淺野由美子
監督:藤野知明
脚本:
原作:
撮影:藤野知明 淺野由美子
音楽:
出演:

ドキュメンタリー監督の藤野知明が、統合失調症の症状が現れた姉と、彼女を精神科の受診から遠ざけた両親の姿を20年にわたって自ら記録したドキュメンタリー。

面倒見がよく優秀な8歳上の姉。両親の影響から医師を目指して医学部に進学した彼女が、ある日突然、事実とは思えないことを叫びだした。統合失調症が疑われたが、医師で研究者でもある父と母は病気だと認めず、精神科の受診から彼女を遠ざける。その判断に疑問を感じた藤野監督は両親を説得するものの解決には至らず、わだかまりを抱えたまま実家を離れる。

姉の発症から18年後、映像制作を学んだ藤野監督は帰省するたびに家族の様子を記録するように。一家全員での外出や食卓の風景にカメラを向けながら両親と対話を重ね、姉に声をかけ続けるが、状況はさらに悪化。ついに両親は玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めるようになってしまう。

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2025-011M 「The Girl with the Needle」☆☆☆★★

Sharimotuonnna原題:Pigen med nalen
邦題:The Girl with the Needle
時間:115分
公開:2025-05
製作年度:2024
製作国:デンマーク・ポーランド・スウェーデン
配給:トランスフォーマー
製作総指揮:
製作:
監督:マグヌス・フォン・ホーン
脚本:マグヌス・フォン・ホーン
原作:
撮影:ミハウ・ディメク
音楽:
出演:ビクトリア・カルメン・ゾンネ、トリーヌ・ディルホム、テッサ・ホーダー

2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

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2025-010M 「サラリーマン金太郎【暁】編」☆☆☆

Ssarakin1邦題:サラリーマン金太郎【暁】編
時間:110分
公開:2025-01-10
製作年度:2025
製作国:日本
配給:ライツキューブ、ティ・ジョイ
製作総指揮:
製作:
監督:下山天
脚本:田中眞一
原作:本宮ひろ志
撮影:
音楽:BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE
出演:鈴木伸之(矢島金太郎)、城田優(鷹司誠士)、石田ニコル(美鈴)、文音(秀麗)、影山優佳(一美)、竹島由夏(栄子)、米倉れいあ(千尋)、山口大地、斎藤さらら、前田瑞貴、川合智己、佳久創、橋本じゅん(大島社長)、尾美としのり(黒川専務)、浅野温子(加代)、榎木孝明(大和守之助)

これまでも高橋克典や永井大の主演で映像化されてきた、本宮ひろ志の名作マンガ「サラリーマン金太郎」を、「東京リベンジャーズ」シリーズの鈴木伸之主演で新たに映画化する前後編2部作の前編。元暴走族のヘッドでマグロ漁師からサラリーマンの世界に飛び込んだ不屈の男・矢島金太郎が、持ち前の度胸や腕っぷしの強さを武器に令和の社会で大暴れする姿を描く。

金太郎のライバルとなる鷹司役を城田優、金太郎の最大の理解者である大和建設会長・大和守之助役を榎木孝明、金太郎と敵対する2代目社長・大島役を橋本じゅん、サラリーマンの矜持を厳しく教える専務・黒川役を尾美としのり、金太郎に好意を寄せる高級クラブのママ・美鈴役を石田ニコル、半グレグループのリーダー・李秀麗役を文音、金太郎を会社で支える社員・一美役を影山優佳、物語の鍵を握る老女・加代役を浅野温子が演じる。

「ALIVEHOON アライブフーン」の下山天が監督を務め、テレビドラマ「GTO」シリーズの田中眞一が脚本を手がけた。7人組ダンス&ボーカルグループ「BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE」が主題歌を担当。

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2025-009M 「グランメゾン・パリ」☆☆☆★

Sgrandmaisonparis邦題:グランメゾン・パリ
時間:117分
公開:2024-12-30
製作年度:2024
製作国:日本
配給:東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:
製作:
監督:塚原あゆ子
脚本:黒岩勉
原作:
撮影:
音楽:木村秀彬
出演:木村拓哉(尾花夏樹)、鈴木京香(早見倫子)、オク・テギョン(リック・ユアン)、正門良規(小暮佑)、玉森裕太(平古祥平)、寛一郎(芹田公一)、吉谷彩子(松井萌絵)、中村アン(久住栞奈)、冨永愛(リンダ・真知子・リシャール)、及川光博(相沢瓶人)、沢村一樹(京野陸太郎)

木村拓哉主演による2019年放送のテレビドラマ「グランメゾン東京」の続編となる映画版。

レストラン「グランメゾン東京」が日本で三つ星を獲得してから時が過ぎた。尾花夏樹と早見倫子はフランス料理の本場パリに新店舗「グランメゾン・パリ」を立ち上げ、アジア人初となるミシュラン三つ星獲得を目指して奮闘していたが、異国の地のシェフにとっては満足のいく食材を手に入れることすら難しく、結果を出せない日々が続いていた。そんなある日、ガラディナーでの失態が原因で、尾花はかつての師と「次のミシュランで三つ星を獲れなければ、店を辞めフランスから出ていく」という約束をしてしまう。

尾花役の木村、早見役の鈴木京香をはじめテレビドラマのキャストが再結集するほか、韓国のアイドルグループ「2PM」のオク・テギョン、アイドルグループ「Aぇ! group」の正門良規が新キャストとして参加。テレビドラマ「アンナチュラル」の塚原あゆ子が監督、「キングダム」シリーズの黒岩勉が脚本を手がけ、実際にアジア人初となるフランスの三つ星を獲得した「Restaurant KEI」の小林圭シェフが料理監修を担当。

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2025-008M 「劇映画 孤独のグルメ」☆☆☆★

Skodokunogrumet邦題:劇映画 孤独のグルメ
時間:110分
公開:2025-01-10
製作年度:2025
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:浅野太 吉見健士
製作:小松幸敏 佃敏史 古郡真也
監督:松重豊
脚本:松重豊 田口佳宏
原作:久住昌之、谷口ジロー
撮影:赤松比呂志
音楽:Kan Sano The Screen Tones
出演:松重豊(井之頭五郎)、内田有紀(志穂)、磯村勇斗(中川)、村田雄浩(滝山)、ユ・ジェミョン(韓国入国審査官)、塩見三省(松尾一郎)、杏(松尾千秋)、オダギリジョー(店主)

原作・久住昌之、作画・谷口ジローによる同名漫画を実写化し、グルメドキュメンタリードラマの代名詞的存在として長年にわたり人気を集めるテレビドラマ「孤独のグルメ」シリーズの劇場版。主演の松重豊が自ら監督を務め、主人公・井之頭五郎が究極のスープを求めて世界を巡る姿を描く。

輸入雑貨の貿易商・井之頭五郎は、かつての恋人である小雪の娘・千秋からある依頼を受けてフランスへ向かう。パリに到着するといつものように空腹を満たし、依頼者である千秋の祖父・一郎のもとを訪れる。一郎は子どもの頃に飲んだスープをもう一度飲みたいと願っており、五郎にそのレシピと食材を探してほしいと依頼。わずかなヒントを頼りに、究極のスープを求めてフランス、韓国、長崎、東京を駆け巡る五郎だったが、行く先々でさまざまな人物や事件に遭遇し、次第に大きな何かに巻き込まれていく。

韓国領の島で暮らす女性・志穂を内田有紀、スープ探しを手伝うことになる青年・中川を磯村勇斗、五郎をフランスに呼ぶ千秋を杏、千秋の祖父・一郎を塩見三省、中華ラーメン店「さんせりて」の店主をオダギリジョー、五郎の同業者・滝山を村田雄浩が演じ、ドラマ「梨泰院クラス」のユ・ジェミョンが韓国入国審査官役で特別出演。

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2025-007M 「オークション 盗まれたエゴン・シーレ」☆☆☆★

Sauctionegon原題:Le tableau vole
邦題:オークション 盗まれたエゴン・シーレ
時間:91分
公開:2025-01-10
製作年度:2023
製作国:フランス
配給:オープンセサミ、フルモテルモ
製作総指揮:
製作:サイード・ベン・サイード
監督:パスカル・ボニゼール
脚本:パスカル・ボニゼール
原作:
撮影:ピエール・ミロン
音楽:アレクセイ・アイギ
出演:アレックス・ルッツ(アンドレ)、レア・ドリュッケール(ベルティナ)、ノラ・アムザウィ(エゲルマン弁護士)、ルイーズ・シュヴィヨット(オロール)、アルカディ・ラデフ(マルタン)、ロランス・コート(シーヌ)、オリヴィエ・ラブルダン(エルベ・カン)、アラン・シャンフォー(オロールの父親)、マリサ・ボリーニ(X夫人)、マチュー・ルッキ(パコ)、イリエス・カドリ(カメル)、ヴィンセント・ネメス(フランシス・ヴィエルヴィル)、アレクサンドル・スタイガー(アンリ・ダンブルーズ)、ダグ・ランド(ボブ・ワルベルグ)、ピーター・ボンク(サムソン・コーナー)、アドリアン・ドゥ・ヴァン(ロシュブール弁護士)

ナチスドイツに略奪されたエゴン・シーレの絵画「ひまわり」を巡って美術オークションの世界で繰り広げられる駆け引きの行方を、実話にインスパイアされて描いたフランス映画。

パリのオークションハウスで働く競売人アンドレ・マッソンは、エゴン・シーレ作と思われる絵画の鑑定を依頼され、元妻で相棒のベルティナとともにフランス東部の工業都市ミュルーズを訪れる。絵があるのは、化学工場に勤める青年マルタンが父亡き後に母と2人で暮らす家だった。シーレほどの著名作家の絵画はここ30年ほど市場に出ておらず、当初は贋作を疑うアンドレだったが、現物を見てシーレの傑作であることを確信。思いがけず発見された名画を巡り、さまざまな思惑を秘めたドラマが動きだす。

小説家・映画監督・コメディアンとして活躍するアレックス・ルッツが競売人アンドレ、「ジュリアン」のレア・ドリュッケールが相棒ベルティナを演じた。監督・脚本は、ジャック・リベット監督作の脚本や「華麗なるアリバイ」などの監督作で知られるパスカル・ボニゼール。

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2025-006M 「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」☆☆☆★★

Snamonakimono原題:A Complete Unknown
邦題:名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN
時間:142分
公開:2025-02-28
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:マイケル・ベダーマン ブライアン・カバナー=ジョーンズ アンドリュー・ローナ
製作:フレッド・バーガー ジェームズ・マンゴールド アレックス・ハインマン ボブ・ブックマン ピーター・ジェイセン アラン・ガスマー ジェフ・ローゼン ティモシー・シャラメ
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェームズ・マンゴールド ジェイ・コックス
原作:
撮影:フェドン・パパマイケル
音楽:ニック・バクスター
出演:ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルック、ダン・フォグラー、ノーバート・レオ・バッツ、スクート・マクネイリー

2016年に歌手として初めてノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランの若い日を描いた伝記ドラマ。「デューン 砂の惑星」「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」のティモシー・シャラメが若き日のボブ・ディランを演じ、「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」「フォードvsフェラーリ」などを手がけてきた名匠ジェームズ・マンゴールドがメガホンをとった。

1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った青年ボブ・ディラン。恋人のシルヴィや音楽上のパートナーである女性フォーク歌手のジョーン・バエズ、そして彼の才能を認めるウディ・ガスリーやピート・シーガーら先輩ミュージシャンたちと出会ったディランは、時代の変化に呼応するフォークミュージックシーンの中で、次第にその魅了と歌声で世間の注目を集めていく。やがて「フォーク界のプリンス」「若者の代弁者」などと祭り上げられるようになるが、そのことに次第に違和感を抱くようになるディラン。高まる名声に反して自分の進む道に悩む彼は、1965年7月25日、ある決断をする。

ミネソタ出身の無名のミュージシャンだった19歳のボブ・ディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく様子を描いていく。ボブ・ディラン役のティモシー・シャラメのほか、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルックらが共演。

原作がイライジャ・ウォルドの著書『Dylan Goes Electric』である。故に、ニューポートフェスでエレキバンドをバックにトリをとって物議をかもしたシーンをクライマックスとしている。というわけで本作は、アコースティック時代のボブ・ディランを描いた作品だ。ディラン役のティモシー・シャラメが製作にも入っての渾身の演技。そして歌唱シーンは多くのシンガー映画と違い、シャラメ自身が歌っている。しかも声も良く、上手い。それだけで、このギター演奏も含めて、ハイレベルに至る鍛錬を想像すると、大きな賞を与えたくなる気分は理解できる。2時間半ちかい長尺だが、この手の音楽伝記では『楽曲をきちんと聞かせる』必要がある結果で、大筋だけなら100分もあればいいだろう。だが、クオリティの高いボブ・ディランやジョーン・バエズらの歌唱シーンも十分に満足できるので、長尺も気にならない。フォークシンガー(アコースティック)時代のディランの1962年から1965年頃までの物語なので、おそらく団塊の世代の諸氏には刺さる作品だろう。応援上映的なイベント性を持たせても面白い興行になるかもしれない。

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2025-005M 「私にふさわしいホテル」☆☆☆★★

Swatashinifusawashiihotel邦題:私にふさわしいホテル
時間:98分
公開:2024-12-27
製作年度:2024
製作国:日本
配給:日活、KDDI
製作総指揮:
製作:石井紹
監督:堤幸彦
脚本:川尻恵太
原作:柚木麻子
撮影:唐沢悟
音楽:野崎良太
出演:のん(中島加代子)、田中圭(遠藤道雄)、滝藤賢一(東十条宗典)、田中みな実(明美)、服部樹咲(有森光来)、高石あかり(東十条美和子)、橋本愛(書店員)、橘ケンチ(俳優)、光石研(ホテルの支配人)、若村麻由美(東十条千恵子)

堤幸彦監督がのんを主演に迎え、文壇を舞台に不遇な新人作家の逆襲を描いた柚木麻子の同名小説を映画化。

新人賞を受賞したものの大物作家・東十条宗典から酷評され、華々しいデビューを飾るどころか小説を発表する場すら得られなかった新人作家・加代子。憧れの「山の上ホテル」に宿泊した彼女は、憎き東十条が上階に泊まっていることを知る。加代子は大学時代の先輩でもある担当編集者・遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を落とさせることに成功。しかし加代子にとって、ここからが本当の試練の始まりだった。文壇への返り咲きを狙う加代子と彼女に原稿を落とされたことを恨む東十条の因縁の対決は、予測不能な方向へと突き進んでいく。

編集者・遠藤を田中圭、大物作家・東十条を滝藤賢一が演じ、田中みな実、服部樹咲、髙石あかり、橋本愛が共演。

数多くの『舞台(ライブ)』をこなしている「のん」の、『演じる女』を演じる演技が秀逸。どこに主人公のリアルが描かれるか、ワクワクする。という入れ籠構造の、脚本も上手い。これが、演劇のステージでも、相当に面白い芝居になるだろうが、映画空間では、シークェンスの転換に、ならではの手法でリズムを出している。さすが堤幸彦監督の手練の技だ。

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2025-004M 「ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い」☆☆☆★

Slordoftheringlohan原題:The Lord of the Rings: The War of the Rohirrim
邦題:ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い
時間:134分
公開:2024-12-27
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:フラン・ウォルシュ ピーター・ジャクソン サム・レジスター キャロリン・ブラックウッド トビー・エメリッヒ
製作:フィリッパ・ボウエン ジェイソン・デマルコ ジョセフ・チョウ
監督:神山健治
脚本:ジェフリー・アディス ウィル・マシューズ フィービー・ギッティンズ アーティ・パパイョルイウ
原作:J・R・R・トールキン
原案:ジェフリー・アディス ウィル・マシューズ フィリッパ・ボウエン
撮影:
音楽:スティーブン・ギャラガー
出演:市村正親(ヘルム王)、小芝風花(王女ヘラ)、津田健次郎(ウルフ)、山寺宏一(ターグ将軍)、本田貴子(オルウィン)、中村悠一(フレアラフ)、森川智之(ハレス)、入野自由(ハマ)、田谷隼(リーフ)、斧アツシ(フレカ)、大塚芳忠(ソーン卿)、沢田敏子(老ペニクルック)、村治学(ロット)、飯泉征貴(シャンク)、坂本真綾(エオウィン)

J・R・R・トールキンの名作小説をピーター・ジャクソン監督が実写映画化したファンタジー大作「ロード・オブ・ザ・リング」3部作の前日譚を描く長編アニメーション。小説「指輪物語 追補編」に書かれた騎士の国ローハン最強のヘルム王についての記述をふくらませたオリジナルストーリーで、実写版3部作の183年前に起こった伝説の戦いを描く。

誇り高き騎士の国ローハンは偉大なるヘルム王に護られてきたが、突然の攻撃を受け平和は崩れ去ってしまう。王国の運命を託された若き王女ヘラは国民の未来を守るべく、かつてともに育った幼なじみでもある最大の敵・ウルフとの戦いに身を投じていく。

監督には日本から「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズの神山健治が抜てきされ、「攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争」のStudio Sola Entertainmentがアニメーション制作を担当。実写3部作を手がけたピーター・ジャクソンやフラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエンがプロデューサーとして参加。日本語版では市村正親がヘルム王、小芝風花が王女ヘラ、津田健次郎が最大の敵ウルフの声を担当。

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2025-003M 「神は銃弾」☆☆☆★★

Skamihajudan原題:God Is a Bullet
邦題:神は銃弾
時間:156分
公開:2024-12-27
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:クロックワークス
製作総指揮:ナタリー・ペロッタ ジェイミー・フォックス チャック・パチェコ シドニー・キンメル ポール・ヨハンソン ジム・スティール サンティアゴ・ガルシア・ガルバン ネイト・ボロティン ニック・スパイサー アラム・ターツァキアン
製作:マイケル・メンデルソーン ドナルド・V・アレン
監督:ニック・カサベテス
脚本:ニック・カサベテス
原作:ボストン・テラン
撮影:ケンジ・カトリ
音楽:アーロン・ジグマン
出演:ニコライ・コスター=ワルドー、マイカ・モンロー、ジェイミー・フォックス、カール・グルスマン、ジャニュアリー・ジョーンズ、ポール・ヨハンセン、ブレンダン・セクストン三世、ギャレット・ウェアリング

「ジョンQ 最後の決断」「きみに読む物語」の名匠ニック・カサベテスがメガホンをとり、カルト教団に元妻を殺され、娘を拉致された男の怒りの追走劇を描いたノワールアクション。「このミステリーがすごい!」2002年版海外編で第1位を獲得するなど、日本でも高く評価されたボストン・テランのベストセラー小説「神は銃弾」を映画化した。

クリスマスの夜、刑事ボブ・ハイタワーの元妻とその夫が惨殺され、娘のギャビもこつ然と姿を消してしまう。その背後には、悪魔のようなカルト教団「左手の小径」の影がうごめいていた。絶望と怒りにさいなまれたボブは、かつてそのカルト教団に誘拐されたものの生還を果たした経験を持つ女性、ケース・ハーディンと出会う。ケースは心に深い傷を負っていたが、ボブの苦悩と覚悟に動かされ、彼に手を貸すことを決める。法の力も及ばず、正義の限界を悟ったボブも、刑事の職を捨て、その忌まわしい世界へと足を踏み入れることを決意。2人は痛みと怒りを武器に進んでいく。

主人公ボブを「ゲーム・オブ・スローンズ」のニコライ・コスター=ワルドー、ボブとともにカルト教団の闇に挑むケースを「HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ」「グレタ GRETA」のマイカ・モンローが演じた。そのほか、「Ray レイ」「コラテラル」のオスカー俳優ジェイミー・フォックスが共演。

「誘拐された娘を取り戻す父親」という『96時間』を連想するモチーフだが、相手は質の悪い狂信カルト集団。そのためディテールは生理的に嫌な気分になっていく。元秘密工作員のリーアム・ニーソンではなく、警察の内勤事務方のさえない役柄のニコライ・コスター=ワルドー。しかしカルト集団から離脱したマイカ・モンローとバディとなっての、娘追跡ロードムービーが展開されるなかでタフに変貌していく。結局は暴力でしか解決できないことがある、というキリスト教的正義をふりかざす欧米社会へのアンチテーゼになっているようだ。
それにしても途中で語られるから理解できるが、邦題はイマイチ腑に落ちない。というか乱暴な気がする。まあ、ボストン・テランの原作小説の原題を直訳した邦題がソレなのだから致し方ないだろう。だが、どれほど原作を読んだ者がいるのだろう。

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2025-002M 「I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ」☆☆☆★

Silikemovies原題:I Like Movies
邦題:I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ
時間:99分
公開:2024-12-27
製作年度:2022
製作国:カナダ
配給:イーニッド・フィルム
製作総指揮:ビクトリア・リーン マイケル・ソロモン
製作:リンジー・ブレア・ゲルドナー エバン・デュビンスキー チャンドラー・レバック
監督:チャンドラー・レバック
脚本:チャンドラー・レバック
原作:
撮影:リコ・モラン
音楽:マレー・ライトバーン
出演:アイザイア・レーティネン、ロミーナ・ドゥーゴ、クリスタ・ブリッジス、パーシー・ハインズ・ホワイト

レンタルDVD全盛期の2003年カナダを舞台に、他人との交流が苦手でトラブルばかり起こしてしまう映画好きな高校生の奮闘を描いた青春コメディ。

カナダの田舎町で暮らす高校生ローレンスは映画が生きがいで、ニューヨーク大学でトッド・ソロンズ監督から映画を学ぶことを夢見ている。社交性に乏しい彼は唯一の友人マットと毎日つるみながらも、そんな日常が大学で一変することを願っていた。高額な学費を貯めるために地元のビデオ店「Sequels」でアルバイトを始めたローレンスは、かつて女優を目指していた店長アラナらさまざまな人たちと出会い、奇妙な友情を育んでいく。そんなある日、ローレンスは自分の将来に対する不安から、大事な人を決定的に傷つけてしまう。

監督・脚本は、本作が長編デビューとなるチャンドラー・レバック。監督の自伝的ストーリーながら、主人公の性別をあえて男性に変更して撮りあげた。主演はラッパーとしても活動する若手俳優アイザイア・レティネン。

父の自殺でパニック障害の病歴のあるエキセントリックな映画オタクの高校三年生が主人公。自己価値観のみを信じて、他人は(唯一の友人でさえ)まったく共感をしない。そんな彼が目指すのはニューヨーク大学の映画専攻。しかし、なかなか自分の思う通りに世の中はできていない。という、かつて青年だった者が全員持つトラウマを刺激するコメディ。こんな奴は友達になんかなりたくないのだが、でも放っておけない感じの主人公を、見事に演じるアイザイア・レティネンに拍手。

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2025-001M 「陪審員2番」☆☆☆★★★

Sbaishinin2原題:Juror #2
邦題:陪審員2番
時間:114分
公開:2024
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:U-NEXT配信
製作総指揮:デビッド・M・バーンスタイン エレン・ゴールドスミス=バイン ジェレミー・ベル
製作:クリント・イーストウッド ティム・ムーア ジェシカ・マイヤー アダム・グッドマン マット・スキーナ
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ジョナサン・エイブラムズ
原作:
撮影:イブ・ベランジェ
音楽:マーク・マンシーナ
出演:ニコラス・ホルト、トニ・コレット、J・K・シモンズ、キーファー・サザーランド

「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」のクリント・イーストウッドが、94歳を迎えた2024年に発表した監督作。ある殺人事件に関する裁判で陪審員をすることになった主人公が、思いがけないかたちで事件とのかかわりが明らかになり、煩悶する姿を描いた法廷ミステリー。

ジャスティン・ケンプは雨の夜に車を運転中、何かをひいてしまうが、車から出て確認しても周囲には何もなかった。その後、ジャスティンは、恋人を殺害した容疑で殺人罪に問われた男の裁判で陪審員を務めることになる。しかし、やがて思いがけないかたちで彼自身が事件の当事者となり、被告を有罪にするか釈放するか、深刻なジレンマに陥ることになる。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のニコラス・ホルトが主人公ジャスティンを演じるほか、「ヘレディタリー 継承」のトニ・コレット、「セッション」のJ・K・シモンズ、「24 TWENTY FOUR」のキーファー・サザーランドらが共演。陪審員のひとりとして、リアリティ番組「テラスハウス」などに出演した日本人俳優の福山智可子も出演している。

2025年を代表するだろう作品。イーストウッドの新作が、劇場公開されず配信のみという現実に背筋が凍る。年末にベスト10を選出する評論家諸氏は「劇場公開されていない」作品を選択できるのだろうか。

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