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2024-195M 「トラップ」☆☆☆★

Strap原題:Trap
邦題:トラップ
時間:105分
公開:2024-10-25
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:スティーブン・シュナイダー
製作:アシュウィン・ラジャン マーク・ビエンストック M・ナイト・シャマラン
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
原作:
撮影:サヨムプー・ムックディプローム
音楽:ヘルディス・ステファンスドッティル
出演:ジョシュ・ハートネット(クーパー)、アリエル・ドノヒュー(ライリー)、サレカ・ナイト・シャマラン(レディ・レイヴン)、ヘイリー・ミルズ(ジョセフィン・グラント博士)、アリソン・ピル(レイチェル)

M・ナイト・シャマランが監督・脚本を手がけるサスペンススリラー。一見、愛情深い父親でありながら、実は凶悪な殺人鬼だという男を追い詰めるべく、警察が巨大ライブ会場に罠を仕掛ける。

クーパーは溺愛する娘ライリーのため、彼女が夢中になっている世界的歌手レディ・レイブンが出演するアリーナライブのプラチナチケットを手に入れる。クーパーとともに会場に到着したライリーは最高の席に大感激の様子だったが、クーパーはある異変に気づく。会場には異常な数の監視カメラが設置され、警察官たちが会場内外に続々と集まっているのだ。クーパーは口の軽いスタッフから、指名手配中の切り裂き魔についてのタレコミがあり、警察がライブというトラップを仕組んだという情報を聞き出す。しかし優しい父親にしか見えないクーパーこそが、その残忍な殺人鬼だった。

「パール・ハーバー」「オッペンハイマー」のジョシュ・ハートネットがクーパーを演じ、「女神の見えざる手」のアリソン・ピルが共演。

またまたシャマランに騙されに来た。前回は娘ではあったが、ともあれ一家で僕の貴重な人生の時間を浪費させようとしている。と、見物前に身構えている。
で、鑑賞後。前半は閉鎖空間からの脱出というシチュエーションスリラーで、コンパクトに緊張感を増幅させていく。脱出後の主人公の不死身なモンスターっぷりは、シャマラン娘の『ザ・ウォッチャーズ』の粘着力ある追い詰め方に似た匂いを嗅ぐ。こちらもシチュエーションからの解放後の追い詰めモノだったしね。

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2024-294M 「グレース」☆☆☆★

Sgrace原題:Grace
邦題:グレース
時間:119分
公開:2024-10-19
製作年度:2023
製作国:ロシア
配給:TWENTY FIRST CITY
製作総指揮:
製作:イバン・ニチャエフ イリヤ・ポボロツキー
監督:イリヤ・ポボロツキー
脚本:イリヤ・ポボロツキー
原作:
撮影:ニコライ・ゼルドビッチ
音楽:ザーカス・テプラ
出演:マリア・ルキャノヴァ(娘)、ゲラ・チタヴァ(父親)、エルダル・サフィカノフ(少年)、クセニヤ・クテポヴァ(観測所の女性)

息の詰まるような停滞感に覆われたロシア辺境を舞台に、移動映画館で日銭を稼ぐ父親と思春期の不安を抱える娘の日常を描いたロードムービー。

ロシア南西部の辺境で、乾いた風が吹きつけるコーカサスの険しい山道。無愛想な目をした16歳の少女とその父親である寡黙な男は、錆びた赤いキャンピングカーで旅を続けながら移動映画館で生計を立てている。母親の不在が父娘の関係に影を落とし、車内には重苦しい沈黙が漂う。やがて2人は世界の果てのような荒廃した海辺の町にたどり着き、娘は終わりの見えない放浪生活から抜け出そうとある行動に出る。

ドキュメンタリー出身の新鋭イリヤ・ポボロツキーが東欧の民話をモチーフに監督・脚本を手がけ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が本格化する直前の2021年秋に撮影を敢行。全編を通して陰鬱さの中に不思議な温かさを漂わせながら、ロシア辺境の大地と人々を独自の感性で描き出す。2023年・第76回カンヌ国際映画祭の監督週間に選出され、同年のカンヌ国際映画祭で上映された唯一のロシア映画となった。

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2924-293M 「まる」☆☆☆★

Smaru邦題:まる
時間:117分
公開:2024-10-18
製作年度:2024
製作国:日本
配給:アスミック・エース
製作総指揮:豊島雅郎
製作:
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
原作:
撮影:山本英夫
音楽:.ENDRECHERI./堂本剛
出演:堂本剛(沢田)、綾野剛(横山)、吉岡里帆(矢島)、森崎ウィン(モー)、戸塚純貴(田中)、おいでやす小田(吉村)、濱田マリ(大家さん)、柄本明(先生)、早乙女太一(土屋)、片桐はいり(古道具屋)、吉田鋼太郎(秋元洋治)、小林聡美(若草萌子)

「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子が監督・脚本を手がけ、堂本剛が27年ぶりに映画単独主演を務めた奇想天外なドラマ。

美大を卒業したもののアートで成功できず、人気現代美術家のアシスタントとして働く沢田。独立する気力さえも失い、言われたことを淡々とこなすだけの日々を過ごしていた。そんなある日、彼は通勤途中の雨の坂道で自転車事故に遭い、右腕にケガをしたために職を失ってしまう。部屋に帰ると、床には1匹の蟻がいた。その蟻に導かれるように描いた○(まる)が知らぬ間にSNSで拡散され、彼は正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名人に。社会現象を巻き起こして誰もが知る存在となる「さわだ」だったが、徐々に○にとらわれ始め……。

沢田の隣人で売れない漫画家の横山を綾野剛、沢田と同じく美術家のアシスタントとして働く矢島を吉岡里帆、コンビニ店員・モーを森崎ウィン、ギャラリーオーナーの若草萌子を小林聡美が演じる。堂本が「.ENDRECHERI./堂本剛」として音楽を担当。

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2024-292M 「2度目のはなればなれ」☆☆☆★★

Snidomenohanarebanare原題:The Great Escaper
邦題:2度目のはなればなれ
時間:96分
公開:2024-10-11
製作年度:2023
製作国:イギリス
配給:東和ピクチャーズ
製作総指揮:キャメロン・マクラッケン エバ・イェーツ
製作:ロバート・バーンスタイン ダグラス・レイ
監督:オリバー・パーカー
脚本:ウィリアム・アイボリー
原作:
撮影:クリストファー・ロス
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:マイケル・ケイン(バーニー)、グレンダ・ジャクソン(レネ)、ダニエル・ヴィタリス(アデル)、ローラ・マーカス(若き日のレネ)、ウィル・フレッチャー

それぞれ2度のオスカー受賞経験を持つイギリスの名優マイケル・ケインとグレンダ・ジャクソンが、「愛と哀しみのエリザベス」以来50年ぶりに共演し、89歳の退役軍人がノルマンディー上陸作戦70年記念式典に参加するため老人ホームを抜け出した実話を基に描いたヒューマンドラマ。

2014年、夏。イギリス、ブライトンの老人ホームで暮らす老夫婦バーナード(バーニー)とレネは、互いに寄り添いながら人生最期の日々を過ごしていた。ある日、バーナードはフランスのノルマンディーへ向かってひとり旅立つが、彼が行方不明だという警察のSNS投稿をきっかけに、世界中で大きなニュースとなってしまう。バーナードとレネが離ればなれになるのは、今回が人生で2度目だった。決して離れないと誓っていたバーナードがレネを置いて旅に出たのには、ある理由があった。

監督は「シンクロ・ダンディーズ!」「理想の結婚」のオリバー・パーカー。本国イギリスでは2023年10月に公開されたが、グレンダ・ジャクソンは同年6月に他界し、これが長編映画の遺作となった。

実話を題材にしているという。抑制の効いた、力瘤を入れない演出で、静かな感動を呼ぶ。老優たちがリアルに良い仕事をしている。

 

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2024-291M 「二つの季節しかない村」☆☆☆

Sfutatsunokisetsushikanaimura原題:Kuru Otlar Ustune
邦題:二つの季節しかない村
時間:198分
公開:2024-10-11
製作年度:2023
製作国:トルコ・フランス・ドイツ
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:
製作:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
脚本:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン エブル・ジェイラン アキン・アクス
原作:
撮影:ジェバヒル・シャヒン キュルシャット・ウレシン
音楽:ジュゼッペ・ベルディ
出演:デニズ・ジェリオウル(サメット)、メルヴェ・ディズダル(ヌライ)、ムサブ・エキチ(ケナン)、エジェ・バージ(セヴィム)、エルデム・シェンオジャク(トルガ)、ユクセル・アクス(ヴァヒト)、ミュニル・ジャン・ジンドルク(フェイヤズ)、オヌル・ベルク・アルスランオウル(ベキル校長)、ユルドゥルム・ギュジュク(教育部長)、ジェンギズ・ボズクルト(ナイル)、S・エムラ・オズデミル(軍曹)、エリフ・ウルセ(サイメ副校長)、エリト・アンダチャム(フィルデヴス)、ナラン・クルチム(ケヴセル)、フェルハト・アクグン(アタカン)、エイレム・ジャンポラト(ハリメ)

「雪の轍」で第67回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したトルコの名匠ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督が、トルコ・アナトリア東部に広がる荘厳な自然の大きさと、自我に縛られた人間の悲しいほどの小ささを大胆に対比させて描いたドラマ。

冬が長く雪深いトルコ東部の村。プライドの高い美術教師サメットはこの村を忌み嫌っているが、村人たちからは尊敬され、女生徒セヴィムからも慕われていた。ところがある日、サメットは同僚ケナンとともに、セヴィムたちから身に覚えのない“不適切な接触”を告発されてしまう。そんな中、サメットは美しい義足の英語教師ヌライと知り合う。

主人公メット役に「シレンズ・コール」のデニズ・ジェリオウル。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、ヌライ役のメルベ・ディズダルがトルコ人として初めて女優賞を受賞した。

 

 

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2024-290M 「陽なたのアオシグレ」☆☆☆★

Saoshigure邦題:陽なたのアオシグレ
時間:13分
公開:2013-11-09
製作年度:2013
製作国:日本
配給:スタジオコロリド
製作総指揮:
製作:宇野英男 若山泰親 神田裕司 宇野航 川上洋一 坂田奉文
監督:石田祐康
脚本:石田祐康
原作:新井陽次郎
撮影:西永里美
音楽:市川淳
出演:伊波杏樹、早見沙織

学生時代に手がけた自主制作の短編アニメ「フミコの告白」が文化庁メディア芸術祭やオタワ国際アニメーションフェスティバル、YouTube Video Awards Japanなど国内外で受賞を果たし、YouTubeで260万回再生を突破した新鋭・石井祐康監督の劇場公開デビュー作となる短編。内気な小学4年生の少年ヒナタは、クラスの人気者の女の子シグレに恋していたが、話しかけることもできず、彼女と過ごす時間を妄想するばかり。ところが、ふとしたきっかけで2人は急接近。ヒナタは至福の日々を過ごすが、ある日突然、シグレが転校してしまうことに。まだ告白もできていなかったヒナタは意を決し、去っていくシグレを追いかけて学校を飛び出す。人気バンド「スピッツ」の楽曲「不思議」が挿入歌として使用され、クライマックスを盛りたてる。なかむらたかし監督の短編「寫眞館」と2本立て上映。

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2024-289M 「寫眞館」☆☆☆★★★

Sshashinkan邦題:寫眞館
時間:18分
公開:2013-11-09
製作年度:2013
製作国:日本
配給:スタジオコロリド
製作総指揮:
製作:
監督:なかむらたかし
脚本:なかむらたかし
原作:
撮影:佐藤光洋
音楽:市川淳
出演:

「パルムの樹」「ファンタスティックチルドレン」監督、「AKIRA」作画監督などで知られる実力派アニメーター、なかむらたかしが、明治、大正、昭和を通して、1人の女性と写真館の主人の交流を描いた短編アニメーション。丘の上で写真館を営む主人のもとに、ある時、一組の新婚夫婦が訪れる。気恥ずかしそうにうつむく婦人を、主人は機転を利かせて笑顔にし、写真に収める。時は流れ、夫婦の間に生まれた愛娘が両親に連れられて写真館にやってくるが、写真を撮ろうとしても娘は仏頂面のまま。主人は必死に娘の笑顔を引き出そうとするがうまくいかない。その後も入学や就職、結婚など、娘は人生の節目ごとに写真館にやってくるが……。なかむら監督が自ら原画も担当。ショパンの楽曲にのせたセリフのないサイレントアニメで、明治から昭和へと移ろう時代をノスタルジックに描いた。スタジオコロリド制作の短編「陽なたのアオシグレ」と2本立て上映。

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2024-288M 「FPU 若き勇者たち」☆☆☆

Sfpu原題:維和防暴隊 Formed Police Unit
邦題:FPU 若き勇者たち
時間:101分
公開:2025-01-10
製作年度:2024
製作国:中国
配給:ハーク
製作総指揮:アンドリュー・ラウ
製作:
監督:リー・タッチウ
脚本:
原作:
撮影:
音楽:
出演:ホアン・ジンユー、ワン・イーボー、チョン・チューシー、オウ・ハオ

国連平和維持活動のために組織された中国の警察部隊「FPU(Formed Police Unit)」の死闘を描き、中国で大ヒットを記録したアクション映画。

中国の組織警察隊FPUは国連から要請を受け、政府軍と反政府組織の武力紛争が激化するアフリカへ派遣される。チームワークを重視する分隊長ユーや正義感が強い狙撃手ヤンら精鋭メンバーたちは最も危険な地域に足を踏み入れ、逃げ場をなくした人々の安全確保に尽力する。大量虐殺やテロ攻撃、暗殺、暴動、人質事件などさまざまな困難に立ち向かい、何度も命の危険にさらされながらも、現地の人々の平和を取り戻すため、そして隊員全員が無事に帰国するために戦い続ける。そんな彼らの前に、思わぬ運命が待ち受けていた。

テレビドラマ「陳情令」でブレイクし、映画「無名」「熱烈」などで活躍する俳優ワン・イーボーが狙撃手ヤン、「オペレーション:レッド・シー」のホアン・ジンユーが分隊長ユーをそれぞれ熱演。「インファナル・アフェア」シリーズの監督アンドリュー・ラウが製作総指揮に名を連ね、武術監督出身のリー・タッチウが監督を務めた。

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2024-287M 「嗤う蟲」☆☆☆

Swaraumushi邦題:嗤う蟲
時間:99分
公開:2025-01
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ショウゲート
製作総指揮:
製作:
監督:城定秀夫
脚本:内藤瑛亮 城定秀夫
原作:
撮影:
音楽:ゲイリー芦屋
出演:深川麻衣、若葉竜也、松浦祐也、片岡礼子、中山功太、杉田かおる、田口トモロヲ

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2024-286M 「若き見知らぬ者たち」☆☆☆

Swakakimishiranumonotachi邦題:若き見知らぬ者たち
時間:119分
公開:2024-10-11
製作年度:2024
製作国:日本・フランス・韓国・香港
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:小林敏之 宮前泰志 藤本款 アメル・ラコンブ カン・サンウク カトリオナ・チェン 菊野浩樹 本間綾一郎 森田篤 東城祐司
監督:内山拓也
脚本:内山拓也
原作:内山拓也
撮影:光岡兵庫
音楽:石川快
出演:磯村勇斗(風間彩人)、岸井ゆきの(日向)、福山翔大(風間壮平)、染谷将太(大和)、伊島空(治虫)、長井短(由梨)、東龍之介(瀬戸)、松田航輝(豊田)、尾上寛之(吉田)、カトウシンスケ(滝崎)、ファビオ・ハラダ(ファビオ)、大鷹明良(早川)、滝藤賢一(松浦)、豊原功補(風間亮介)、霧島れいか(風間麻美)

「佐々木、イン、マイマイン」が評判を集めた内山拓也監督が日本、フランス、韓国、香港合作で手がけた商業長編デビュー作。

亡くなった父の借金を返済し、難病を患う母の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働く風間彩人。父の背を追って始めた総合格闘技の選手となった弟の壮平も、借金返済と介護を担いながら、練習に明け暮れる日々を送っている。そんな息の詰まるような日常のなかでも、恋人である日向との小さな幸せを掴みたいという思いが、彩人のかすかな希望だった。しかし、彩人の親友である大和の結婚を祝う幸せな宴会が開かれた夜、思いもよらない暴力によって、彼らのささやかな日常がもろくも奪われてしまう。

彩人役を磯村勇斗、日向役を岸井ゆきの、壮平役を福山翔大、大和役を染谷将太がそれぞれ演じるほか、霧島れいか、滝藤賢一、豊原功補らが脇を固める。

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2024-285M 「室井慎次 敗れざる者」☆☆☆★

Smuroishinjiyaburezarumono邦題:室井慎次 敗れざる者
時間:115分
公開:2024-10-11
製作年度:2024
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:臼井裕詞
製作:矢延隆生 小川泰 市川南
監督:本広克行
脚本:君塚良一
原作:
撮影:川越一成
音楽:武部聡志
出演:柳葉敏郎(室井慎次)、福本莉子(日向杏)、齋藤潤(森貴仁)、前山くうが(柳町凜久)、前山こうが(柳町凜久)、松下洸平(桜章太郎)、矢本悠馬(乃木真守)、生駒里奈(奈良育美)、丹生明里(大川紗耶香)、松本岳(端野則次)、佐々木希(森麻絵)、筧利夫(新城賢太郎)、甲本雅裕(緒方薫)、遠山俊也(森下幸治)、西村直人(仁狩英明)、赤ペン瀧川(明石幸男)、升毅(坂村正之)、真矢ミキ(沖田仁美)、飯島直子(石津紀子)、小沢仁志(石津百男)、木場勝己(長部音松)、稲森いずみ(松木敬子)、いしだあゆみ(市毛きぬ)

1997年に放送開始され映画版も大ヒットを記録したテレビドラマ「踊る大捜査線」シリーズで柳葉敏郎が演じる人気キャラクター、室井慎次を主人公に描く映画2部作の前編。

これまで現場の捜査員のために戦い続け、警察の組織改革に挑むなど波乱に満ちた警察人生を歩んできた室井慎次。27年前に青島と交わした約束を果たせなかったことを悔やむ彼は、警察を辞めて故郷・秋田へ帰り、「事件の被害者家族・加害者家族を支援したい」との思いから、少年たちと穏やかに暮らしていた。ある日、室井の前に謎の少女が現れる。彼女の来訪とともに他殺と思われる死体が見つかり、室井はその第一発見者となってしまう。その少女・日向杏は、かつて湾岸署が逮捕した猟奇殺人犯・日向真奈美の娘だった。

室井役の柳葉敏郎、新城賢太郎役の筧利夫、沖田仁美役の真矢ミキらおなじみのキャストに加え、日向杏を演じる福本莉子や、齋藤潤、松下洸平ら新たなキャストも出演。スタッフ陣もプロデュースの亀山千広、脚本の君塚良一、監督の本広克行ら「踊る大捜査線」シリーズを支えてきたメンバーが再結集した。

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2024-284M 「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」☆☆☆

Sjoker2024原題:Joker: Folie a Deux
邦題:ジョーカー フォリ・ア・ドゥ
時間:138分
公開:2024-10-11
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:マイケル・ウスラン ジョージア・カカンデス スコット・シルバー マーク・フリードバーグ ジェイソン・ルーダー
製作:トッド・フィリップス エマ・ティリンジャー・コスコフ ジョセフ・ガーナー
監督:トッド・フィリップス
脚本:スコット・シルバー トッド・フィリップス
原作:
撮影:ローレンス・シャー
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル
出演:ホアキン・フェニックス(ジョーカー)、レディー・ガガ(リー)、ブレンダン・グリーソン、キャサリン・キーナー、ザジー・ビーツ

「バットマン」に悪役として登場するジョーカーの誕生秘話を描き、第76回ベネチア国際映画祭で金獅子賞、第92回アカデミー賞で主演男優賞を受賞するなど高い評価を得たサスペンスエンターテインメント「ジョーカー」の続編。トッド・フィリップス監督と主演のホアキン・フェニックスが再タッグを組み、ジョーカーが出会う謎の女リー役でレディー・ガガが新たに参加した。

理不尽な世の中で社会への反逆者、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた女性が現れる。ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。孤独で心優しかった男が悪のカリスマとなって暴走し、世界を巻き込む新たな事件が起こる。

トッド・フィリップス監督のほか、脚本のスコット・シルバー、撮影のローレンス・シャー、前作でアカデミー作曲賞を受賞した音楽のヒドゥル・グドナドッティルらメインスタッフも続投。第81回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。タイトルの「フォリ・ア・ドゥ(Folie a deux)」は、フランス語で「2人狂い」という意味で、ひとりの妄想がもうひとりに感染し、2人ないし複数人で妄想を共有することがある感応精神病のこと。

いやはや一言でいえば『身も蓋も無い』だ。前作の犯罪に対する裁判が縦軸なのだが、妄想ミュージカルシーンも唐突に、場内呆気にとられた138分だった。バットマンだって拳を挙げる余裕もないだろう。

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2024-283M 「ヴァラエティ」☆☆☆

Sbettgordon原題:Variety
邦題:ヴァラエティ
時間:100分
公開:2024-11-16
製作年度:1983
製作国:アメリカ
配給:プンクテ
製作総指揮:
製作:ルネ・シャフランスキー
監督:ベット・ゴードン
脚本:キャシー・アッカー
原作:ベット・ゴードン
撮影:トム・ディチロ
音楽:ジョン・ルーリー
出演:サンディ・マクロー、ウィル・パットン、リチャード・デヴィッドソン、ルイス・ガスマン

タイムズ・スクエア近くのポルノ映画館「Variety」。チケットを売る?性クリスティーン(サンディ・マクロード)は、ある???の男性客と?葉を交わす。以来、彼?はその男を追いかけるようになる…。アルフレッド・ヒッチコック『めまい』(1958)に想を得た物語。脚本は実験的な?説家のキャシー・アッカー(『?みどろ贓物ハイスクール』)が担当。撮影をジム・ジャームッシュ監督『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)などで知られるトム・ディチロ。写真家のナン・ゴールディン、ルイス・ガスマン(『ブギーナイツ』1997)、ジョン・ウォーターズ作品常連のクッキー・ミューラーらが出演。そして、?楽を当時「ラウンジ・リザーズ」で活動していたジョン・ルーリーが担当している。ニューヨークのアンダーグラウンドなアートシーンから?まれた、ゴードンの代表作。

アメリカのインディ映画草創期の女性監督ベット・ゴードンの初長編作品。1983年製作から40年経て日本公開。おそらく当時の配給状況なら歯牙にもかけられない『ビジネスにならない』カルト映画として、日本では放置されたのだろう。そういった点では重箱の隅をつつくようなミニ配給会社のカルト作品掘り起しブームは、ある意味ではありがたい。

 

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2024-282M 「カッティ 刃物と水道管」☆☆☆★

Scaty原題:Kaththi
邦題:カッティ 刃物と水道管
時間:163分
公開:2024-11-01
製作年度:2014
製作国:インド
配給:SPACEBOX
製作総指揮:
製作:
監督:A・R・ムルガダース
脚本:A・R・ムルガダース
原作:
撮影:ジョージ・C・ウィリアムズ
音楽:アニルド
出演:ビジャイ、サマンタ、ニール・ニティン・ムケーシュ、サティーシュ

「マスター 先生が来る!」などで日本でも注目を集めるインド・タミル語映画界のスター、ビジャイが主演を務めた、2014年の作品。詐欺師と社会活動家という全く異なる2人の人物を、ビジャイが1人2役で演じた。

コルカタの刑務所から脱獄した詐欺師の通称「カッティ(刃物)」ことカディルは、海外への逃亡を企てるが、空港で出会った女性アンキタに一目ぼれし、出国を止めてしまう。その夜、街を歩いていたカディルは、自分と瓜二つのジーヴァという男と出会う。悪知恵を働かせたカディルは、シーヴァを自分の身代わりにして追手に捕まえさせる。自由の身になったカディルだったが、ジーヴァが地方の農民が直面する問題に取り組んでいたことを知ると、次第に心に変化が起き、ジーヴァの活動を引き継いで農民たちの先頭に立って大企業と対峙していく。

監督は、本作の後、2018年に「サルカール 1票の革命」でもビジャイとタッグを組んだA・R・ムルガダース。共演に「マッキー」「ランガスタラム」のサマンタ、「プレーム兄貴、王になる」のニール・ニティン・ムケーシュら。

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2024-281M 「ホワイトバード はじまりのワンダー」☆☆☆★

Swhitebird原題:White Bird
邦題:ホワイトバード はじまりのワンダー
時間:121分
公開:2024-12-06
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:ジェフ・スコール ロバート・ケッセル ケバン・バン・トンプソン アレクサンダー・ヤング レネー・ウルフ マーク・ボンバック
製作:トッド・リーバーマン デビッド・ホバーマン
監督:マーク・フォースター
脚本:マーク・ボンバック
原作:R・J・パラシオ
撮影:マティアス・クーニクスビーザー
音楽:トーマス・ニューマン
出演:アリエラ・グレイザー、オーランド・シュワート、ブライス・ガイザー、ジリアン・アンダーソン、ヘレン・ミレン

2017年製作の映画「ワンダー 君は太陽」の原作者R・J・パラシオが同作のアナザーストリーとして執筆した小説「ホワイトバード」を、「チョコレート」のマーク・フォースター監督のメガホンで映画化。前作で主人公オギーをいじめた少年ジュリアンと彼の祖母サラ、そして少女時代のサラをナチスから救った同級生ジュリアンにスポットを当てて描く。

いじめによって学校を退学処分になり、自分の居場所を失っていたジュリアンのもとに、パリから祖母サラが訪ねてくる。孫の行く末を心配するサラは、彼に自身の少女時代について語りはじめる。1942年、ナチス占領下のフランス。ユダヤ人であるサラは、学校に押し寄せてきたナチスに連行されそうになったところを同じクラスのいじめられっ子の少年ジュリアンに助けられ、彼の家の納屋に匿われる。クラスでいじめられていたジュリアンに全く関心を払わなかったサラを、ジュリアンと彼の両親は命懸けで守ってくれる。サラとジュリアンが絆を深めていくなか、終戦が近いというニュースが流れるが……。

名優ヘレン・ミレンがジュリアンの祖母サラを演じ、前作のブライス・ガイザーがサラの孫のジュリアン役を続投。少女時代のサラは「キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱」のアリソン・グレイザー、サラを助ける同級生ジュリアンは「トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング」のオーランド・シュワートがそれぞれ演じた。

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2024-280M 「対外秘」☆☆☆★

Staigaihi原題:The Devil's Deal
邦題:対外秘
時間:116分
公開:2024-11-15
製作年度:2023
製作国:韓国
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:
製作:
監督:イ・ウォンテ
脚本:
原作:
撮影:
音楽:
出演:チョ・ジヌン、イ・ソンミン、キム・ムヨル

「悪人伝」のイ・ウォンテ監督が、国家を揺るがす権力闘争の表と裏を予測不能な展開で緊迫感たっぷりに活写したサスペンス映画。

1992年、釜山。政治家のヘウンは党の公認候補を約束され、国会議員選挙への出馬を決意する。しかし国政を裏で支配する権力者スンテが、自分の言いなりになる男に公認候補を変えてしまう。激怒したヘウンは、スンテが富と権力を意のままにするために作成した極秘文書を手に入れて彼に復讐しようとする一方で、ギャングのピルドから選挙資金を得て無所属で出馬する。地元の人々から絶大な人気を集めたヘウンは圧倒的有利に見えたが、スンテが逆襲に打って出て、事態は果てしない権力闘争へと発展していく。

「工作 黒金星と呼ばれた男」のチョ・ジヌンが主人公の政治家ヘウン、「KCIA 南山の部長たち」のイ・ソンミンが権力者スンテ、「犯罪都市 PUNISHMENT」のキム・ムヨルがギャングのピルドを演じた。

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2024-279M 「ヒューマン・ポジション」☆☆☆

Shumanposition原題:A Human Position
邦題:ヒューマン・ポジション
時間:78分
公開:2024-09-24
製作年度:2021
製作国:ノルウェー
配給:クレプスキュールフィルム
製作総指揮:
製作:スティアン・スキャルタッド アンダース・エンブレム
監督:アンダース・エンブレム
脚本:アンダース・エンブレム
原作:
撮影:マイケル・マーク・ランハム
音楽:エイリク・スリニング・コルネス
出演:アマリエ・イプセン・イェンセン(アスタ)、マリア・アグウマロ(ライヴ)、ラース・ハルヴォル・アンドレアセン

病気の療養から復帰した新聞記者が、なにげない日常や社会とのつながりから心の居場所を見いだしていく姿を描いたノルウェー製のドラマ。

ノルウェーの港町で新聞社に勤めるアスタは、地元のホッケーチームやアールヌーボー建築を保存するための小さなデモ、クルーズ船の景気など、地元に関するニュースを取材し、記事にしている。プライベートではガールフレンドのライヴとふたり、穏やかな時間を過ごしている。そんなある日、アスタは、ノルウェーに10年間住み、働いていた難民が強制送還されたという記事を目にする。その事件を調べていくについれて、アスタは自身を覆っていた無気力感を払拭し、仕事とプライベートの両方で自分が求める“心の居場所”を次第に見いだしていく。

これが長編2作目となるアンダース・エンブレム監督が、自身の故郷であるノルウェーのオーレスンを舞台に、主人公の心の機微や日常を優しく美しく、静かなタッチで描いていく。心に傷を抱いた主人公アスタを、エンブレム監督のデビュー作でもタッグを組んだアマリエ・イプセン・ジェンセンが演じた。

スローライフな椅子フェチのお話。

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2024-278M 「ハヌ・マン」☆☆☆

Shanuman_20241008135801原題:Hanu-Man
邦題:ハヌ・マン
時間:158分
公開:2024-10-04
製作年度:2023
製作国:インド
配給:ツイン
製作総指揮:
製作:
監督:プラシャーント・バルマ
脚本:プラシャーント・バルマ
原作:
撮影:
音楽:
出演:テージャ・サッジャー、ヴィナイ・ラーイ、アムリタ・アイヤル、ヴァララクシュミ・サラトクマール、ラヴィ・テージャ

インド神話に登場する猿神ハヌマーンの力を手に入れた平凡な青年の戦いを描いたヒーローアクション。

山奥の小さな村で、姉アンジャンマと一緒に暮らす青年ハヌマントゥ。温和な性格の彼は気の強いアンジャンマの後ろに隠れてばかりで、村の男たちから馬鹿にされていた。そんなある日、幼なじみのミーナークシを助けようとして海に落ちたハヌマントゥは、そこで不思議な力を持つ宝石を手にする。その石には、古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」で活躍する猿の将軍ハヌマーンの力が宿されていた。無敵のスーパーパワーを手に入れるハヌマントゥだったが、石を狙う邪悪な組織が彼の前に現れ……。

主演は幼少期から子役としてテルグ語映画界で活躍し、本作のヒットによりブレイクしたテージャ・サッジャー。インド版ゾンビ映画「Zombie Reddy」で注目されたプラシャーント・バルマ監督が、CGやアニメーションを駆使した斬新な映像で描き出す。

神話のヒーローが憑依しての、ウルトラアクション活劇。3時間近く終わったら「序章」のようだ!なんてこったい。

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2024-277M 「花嫁はどこへ?」☆☆☆★

Shanayomehadokohe原題:Laapataa Ladies
邦題:花嫁はどこへ?
時間:124分
公開:2024-10-04
製作年度:2024
製作国:インド
配給:松竹
製作総指揮:
製作:アーミル・カーン ジョーティー・デーシュパーンデー キラン・ラオ
監督:キラン・ラオ
脚本:スネハ・デサイ
原作:ビプラブ・ゴースワーミー
撮影:ビーカス・ノゥラカー
音楽:ラーム・サンパト
出演:ニターンシー・ゴーエル(プール)、プラティバー・ランター(ジャヤ)、スパルシュ・シュリーワースタウ(ディーパク)、ラヴィ・キシャン(マノハル警部補)
チャヤ・カダム(マンジュ)

インドの人気俳優アミール・カーンが製作を手がけ、ひょんなことから取り違えられた2人の花嫁の思いがけない人生の行方を描いたヒューマンドラマ。

大安吉日のインド。育ちも性格も全く異なる2人の女性プールとジャヤは、それぞれの花婿の家へ向かう途中で、同じ満員列車に乗り合わせる。しかし2人とも赤いベールで顔が隠れていたため知らぬ間に入れ替わり、そのまま別の嫁ぎ先に連れて行かれてしまう。予期せぬ旅を通して新しい価値観と可能性に気づいたプールとジャヤは、周囲の人々をも笑顔にしながら、生まれて初めて自分自身の手で人生を切りひらいていく。

インフルエンサーとしても注目される俳優ニターンシー・ゴーエルがプール、本作が映画初主演となるプラティバー・ランターがジャヤを演じた。アミール・カーンの元妻で「ムンバイ・ダイアリーズ」などで知られるキラン・ラオ監督がメガホンをとり、豊かな大自然とインドの魅力たっぷりに描き出す。

女性の、結婚についての不自由さが大変な国だな。インドは。

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2024-276M 「HAPPYEND」☆☆☆

Shappyend邦題:HAPPYEND
時間:113分
公開:2024-10-04
製作年度:2024
製作国:日本・アメリカ
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:
製作:アルバート・トーレン 増渕愛子 エリック・ニアリ アレックス・ロー アンソニー・チェン
監督:空音央
脚本:空音央
原作:
撮影:ビル・キルスタイン
音楽:リア・オユヤン・ルスリ
出演:栗原颯人、日高由起刀、林裕太、シナ・ペン、ARAZI、祷キララ、中島歩、矢作マサル、PUSHIM、渡辺真起子、佐野史郎

「Ryuichi Sakamoto | Opus」の空音央監督が長編劇映画初メガホンをとり、ありうるかもしれない未来を舞台に、友情の危うさを独特のサウンドとエモーショナルな映像美で描いた青春映画。

XX年後の日本。幼なじみで親友のユウタとコウは、仲間たちと音楽を聴いたり悪ふざけをしたりしながら毎日を過ごしていた。高校3年生のある夜、こっそり忍び込んだ学校で、ユウタはとんでもないイタズラを思いつく。翌日、そのイタズラを発見した校長は激怒し、生徒を監視するAIシステムを学校に導入する騒ぎにまで発展。この出来事をきっかけに、大学進学を控えるコウは自身の将来やアイデンティティーについて深く考えるようになり、今まで通り楽しいことだけをしたいユウタとの間に溝が生じ始める。

ともにオーディションで抜てきされ本作がスクリーンデビューとなる栗原颯人と日高由起刀が主人公ユウタとコウをそれぞれ演じ、「ロストサマー」の林裕太、「サマーフィルムにのって」の祷キララが共演。2024年・第81回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門出品作品。

坂本龍一のライブドキュメンタリー『オーパス』の空音央監督作品。ドキュメンタリーの静謐なモノクロ映像が緊張感(坂本の命を削っているという)に溢れていた。よって、本作も期待した。
結果、がっかり唖然だ。
多国籍な生徒が集う高校3年生の教室。仲良し5人組。大人の社会は行き詰まり、抗議デモも暴徒化している。そんな中、学校はAI監視システムを導入して、生徒の監視を始める。そして頻発する地震警報もあって、未来に明るい希望を持てない生徒たちの閉塞感。なんとか突破しようと行動する子供たち。
やや!どこかで似たような!そう、僕らの世代は『台風クラブ』(1985年)をすでに手にしているのだ。主人公らの置かれているシチュエーションは、40年前とは遥かに違うものの、その「大人たちに顧みられていない」という閉塞感は、若者の共通。しかしこれは、一種のイニシエーションなのだろう。
そんなわけで、40年前のマスターピースを持っている以上、僕は2本目の(令和版の台風クラブ)は、不要なのだ。

 

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2024-275M 「ふれる。」☆☆☆★★

Sfureru邦題:ふれる。
時間:104分
公開:2024-10-04
製作年度:2024
製作国:日本
配給:東宝、アニプレックス
製作総指揮:
製作:岩上敦宏 古澤佳寛 市川南 松崎容子 渡辺章仁
監督:長井龍雪
脚本:岡田麿里
原作:
撮影:佐久間悠也
音楽:横山克 TeddyLoid
出演:永瀬廉(小野田秋)、坂東龍汰(祖父江諒)、前田拳太郎(井ノ原優太)、白石晴香(鴨沢樹里)、石見舞菜香(浅川奈南)、皆川猿時(脇田)、津田健次郎(島田公平)

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」「空の青さを知る人よ」の青春3部作を手がけた監督・長井龍雪、脚本家・岡田麿里、キャラクターデザイン・田中将賀が再結集し、不思議な生き物「ふれる」の力で心がつながっている3人の青年の友情を描いたオリジナル長編アニメーション。

同じ島で育った幼なじみの小野田秋と祖父江諒と井ノ原優太。20歳になっても親友同士の彼らは、東京の高田馬場で共同生活を始める。口下手な秋はバーでアルバイト、体育会系の諒は不動産会社の営業職、コンプレックスの多い優太は服飾デザインの専門学校生と個性はバラバラだったが、島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」がテレパシーのような謎の力で彼らを結びつけていた。お互いの身体に触れるだけで心の声が聴こえてくるため3人の心はいつもつながっており、そんな関係がずっと続くはずだった。しかし「ふれる」に隠されたもうひとつの力が徐々に明らかになり、3人の友情は大きく揺れ動く。

永瀬廉が秋、坂東龍汰が諒、前田拳太郎が優太の声をそれぞれ演じ、坂東龍汰、前田拳太郎、白石晴香、石見舞菜香、皆川猿時、津田健次郎が共演。また、青春3部作キャストの茅野愛衣、櫻井孝宏、田村睦心、瀬戸麻沙美、豊崎愛生、小形満、水瀬いのり、内山昂輝、若山詩音が出演する。主題歌は数々のヒット曲を生み出してきた人気音楽ユニット「YOASOBI」が担当。

コミュ障の男の子が「共感支援妖怪」と出会い、親友を作って成長していく物語。なのだが、当然のごとく一筋縄ではいかない。ポスタービジュアルとかだとBL系?と思っていたが、そこはヘテロだった。

 

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2024-274M 「シビル・ウォー アメリカ最後の日」☆☆☆★

Scivilwar原題:Civil War
邦題:シビル・ウォー アメリカ最後の日
時間:109分
公開:2024-10-04
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:ティモ・アルジランダー エリーサ・アルバレス
製作:アンドリュー・マクドナルド アロン・ライヒ グレゴリー・グッドマン
監督:アレックス・ガーランド
脚本:アレックス・ガーランド
原作:
撮影:ロブ・ハーディ
音楽:ベン・サリスベリー ジェフ・バーロウ
出演:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、ケイリー・スピーニー、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ソノヤ・ミズノ、ニック・オファーマン

「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督・脚本を手がけ、内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカを舞台に、最前線を取材するジャーナリストたちを主人公に圧倒的没入感で描いたアクションスリラー。

連邦政府から19の州が離脱したアメリカでは、テキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる「西部勢力」と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。就任3期目に突入した権威主義的な大統領は勝利が近いことをテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。戦場カメラマンのリーをはじめとする4人のジャーナリストは、14カ月にわたって一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うべく、ニューヨークからホワイトハウスを目指して旅に出る。彼らは戦場と化した道を進むなかで、内戦の恐怖と狂気を目の当たりにしていく。

出演は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のキルステン・ダンスト、テレビドラマ「ナルコス」のワグネル・モウラ、「DUNE デューン 砂の惑星」のスティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、「プリシラ」のケイリー・スピーニー。

アメリカの内乱を描いたポリティカルアクションらしいが、情報を入れずに、とりあえず観る。
なるほど、ロードムービーだったんだ。ニューヨークからワシントンDCまで千数百キロ。西部連合軍が、ホワイトハウスに突入するまでの内戦を追う戦場記者たちの物語。世代交代や、オールドメディアの死や、何と戦っているかわからない内戦の実相や、ナチ的なるものを連想させるシーンもあり、さまざまな視点を持つ作品。
おそらく前回の大統領選挙のあとに、事件となった議事堂乱入などからインスパイアされているのかもしれない。
語られるのは、『分断』が細分化して、正義が空中霧散してしまっている中で、当事者は誰もその在処を見失っている。そして、目の前の敵らしき相手を抹殺して、生き延びることだけが目的となってしまっている悲劇。

 

 

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2024-273M 「ザ・バイクライダーズ」☆☆☆★

Sbikeriders原題:The Bikeriders
邦題:ザ・バイクライダーズ
時間:116分
公開:2024-11-29
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:パルコ
製作総指揮:ヤリフ・ミルチャン マイケル・シェイファー サム・ハンソン デビッド・カーン フレッド・バーガー
製作:サラ・グリーン ブライアン・カバナー=ジョーンズ
監督:ジェフ・ニコルズ
脚本:ジェフ・ニコルズ
原作:ダニー・ライアン
撮影:アダム・ストーン
音楽:デビッド・ウィンゴ
出演:オースティン・バトラー、ジョディ・カマー、トム・ハーディ、マイケル・シャノン、マイク・フェイスト、ノーマン・リーダス

アメリカの写真家ダニー・ライアンが1965~73年にかけてのシカゴのバイクライダーの日常をとらえた同名写真集にインスパイアされた作品で、伝説的モーターサイクルクラブの栄枯盛衰を、「エルヴィス」のオースティン・バトラーと「ヴェノム」シリーズのトム・ハーディの共演で描いた。

1965年、シカゴ。不良とは無縁の日々を送っていたキャシーは、ケンカ早くて無口なバイク乗りベニーと出会って5週間で結婚を決める。ベニーは地元の荒くれ者たちを束ねるジョニーの側近でありながら群れることを嫌い、狂気的な一面を持っていた。やがてジョニーの一味は「ヴァンダルズ」というモーターサイクルクラブに発展し、各地に支部ができるほど急速に拡大していく。その結果、クラブ内の治安は悪化し、敵対クラブとの抗争も勃発。暴力とバイクに明け暮れるベニーの危うさにキャシーが不安を覚えるなか、ヴァンダルズで最悪の事態が起こる。

「最後の決闘裁判」のジョディ・カマーがストーリーテラーとなるキャシー役を務め、バトラーがベニー、ハーディがジョニーを演じた。監督・脚本は「MUD マッド」「ラビング 愛という名前のふたり」のジェフ・ニコルズ。

ターゲットが見えないなあ。どこへ訴求していくのだろう。

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2024-272M 「チネチッタで会いましょう」☆☆☆★

Scinecitadeai原題:Il sol dell'avvenire
邦題:チネチッタで会いましょう
時間:96分
公開:2024-11-22
製作年度:2023
製作国:イタリア・フランス
配給:チャイルド・フィルム
製作総指揮:
製作:ナンニ・モレッティ ドメニコ・プロカッチ
監督:ナンニ・モレッティ
脚本:フランチェスカ・マルチャーノ ナンニ・モレッティ フェデリカ・ポントレモーリ バリア・サンテッラ
原作:
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
音楽:フランコ・ピエルサンティ
出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック

「ローマ法王の休日」「息子の部屋」などで知られるイタリアのナンニ・モレッティ監督が、時代の変化についていけない映画監督が痛い目にあって初めて大切なことに気づく姿をユーモラスにつづったヒューマンドラマ。

イタリアの映画監督ジャンニは、これまで40年間、プロデューサーの妻に支えられながら映画を制作してきた。チネチッタ撮影所での新作撮影を目前に控え、頭の中はアイデアでいっぱいのジャンニだったが、順調だと思っていたのは本人だけだった。女優は演出に口を出すばかりか政治映画をラブストーリーだと言い出し、娘に紹介されたボーイフレンドは自分ほどの年齢だという。誰にも理解されず、ひとり帰宅して目を覚ますと、今度は妻から別れを切り出されてしまう。さらにプロデューサーが詐欺師であることが発覚し、資金不足で撮影が止まってしまう。

主人公の映画監督ジャンニをモレッティ監督が自ら演じ、モレッティ作品の常連俳優マルゲリータ・ブイ、フランスの名優であり映画監督でもあるマチュー・アマルリックが共演。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

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2024-271M 「ビーキーパー」☆☆☆★

Sbeekeeper原題:The Beekeeper
邦題:ビーキーパー
時間:105分
公開:2025-01-03
製作年度:2024
製作国:アメリカ・イギリス
配給:クロックワークス
製作総指揮:アンドリュー・ゴロブ トム・ザドラ マーク・バーミンガム
製作:ビル・ブロック ジェイソン・ステイサム デビッド・エアー クリス・ロング カート・ウィマー
監督:デビッド・エアー
脚本:カート・ウィマー
原作:
撮影:ガブリエル・ベリスタイン
音楽:デビッド・サーディ ジェレッド・マイケル・フライ
出演:ジェイソン・ステイサム、ジョシュ・ハッチャーソン、ジェレミー・アイアンズ

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2024-270M 「サウンド・オブ・フリーダム」☆☆☆★★

Ssoundofreedom原題:Sound of Freedom
邦題:サウンド・オブ・フリーダム
時間:131分
公開:2024-09-27
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ハーク
製作総指揮:デイブ・アダムス カルロス・アルバレス・ベルメヒヨ ハイメ・ヘルナンデス メル・ギブソン
製作:エドゥアルド・ベラステーギ
監督:アレハンドロ・モンテベルデ
脚本:ロッド・バール アレハンドロ・モンテベルデ
原作:
撮影:ゴルカ・ゴメス・アンドルー
音楽:ハビエル・ナバレテ
出演:ジム・カヴィーゼル(ティム・バラード)、ミラ・ソルヴィノ(キャサリン)、ビル・キャンプ(バンピロ)、ドゥアルド・ベラステーギ(パブロ)、クリスタル・アパリチ(ロシオ)、ハビエル・ゴディーノ(ホルヘ)、ホセ・ズニーガ(ロベルト)

児童誘拐、人身売買、性的虐待など、国際的性犯罪の犠牲となった少年少女を救い出すミッションに挑んだアメリカの元政府職員ティム・バラードの奮闘を、実話をもとに描いたドラマ。

性犯罪組織に誘拐された少年少女の追跡捜査を進めていたアメリカ国土安全保障省の捜査官ティムは、上司から特別な捜査の許可をもらい、事件の温床となっている南米コロンビアに単身潜入する。そこで彼は、いわくつきの前科者や捜査の資金提供を申し出た資産家、地元の警察などと手を組み、大規模なおとり作戦を計画する。ティムの少年少女たちの命を救う捜査は、やがて自身の命をもかけたものになっていく。

イエス・キリストを描いたメル・ギブソン監督作品「パッション」のジム・カビーゼルがティム役を演じ、ティム・バラード本人の職務に同行して役作りに励んだ。また、メル・ギブソンも製作総指揮として参加している。監督は「リトル・ボーイ 小さなボクと戦争」のアレハンドロ・モンテベルデ。

児童人身売買の告発と阻止啓蒙を目標とした『潜入捜査』モノ。制作から今回の公開まで艱難辛苦だったそうだ。

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2024-069M 「西湖畔(せいこはん)に生きる」☆☆☆★

Sseikohan原題:草木人間 Dwelling by the West Lake
邦題:西湖畔(せいこはん)に生きる
時間:115分
公開:2024-09-27
製作年度:2023
製作国:中国
配給:ムヴィオラ、面白映画
製作総指揮:
製作:チェン・ツァイユン
監督:グー・シャオガン
脚本:グオ・シュアン グー・シャオガン
原作:
撮影:グオ・ダーミン
音楽:梅林茂
出演:ウー・レイ、ジアン・チンチン、チェン・ジエンビン、ワン・ジアジア、イェン・ナン、チェン・クン、ウー・ビー、ジュー・ボージャン、ワン・チュアン、ワン・ホンウェイ、リャン・ロン、ウーバイ、リュー・シンチェン

長編デビュー作「春江水暖 しゅんこうすいだん」で世界から注目された中国のグー・シャオガン監督が、釈迦の十大弟子のひとり・目連が地獄に堕ちた母を救う仏教故事「目連救母」に着想を得て撮りあげた長編第2作。

最高峰の中国茶・龍井茶の生産地である西湖のほとりに暮らす母タイホアと息子ムーリエン。ムーリエンの父は10年前に行方不明になっており、タイホアが茶摘みの仕事をしながら、ひとりで息子を育て上げた。ムーリエンは早く仕事を見つけて母を安心させたいと考えるも上手くいかない。一方のタイホアも茶畑の主人チェンと懇意になるが、そのことでチェンの母の怒りを買い、茶畑を追い出されてしまう。やがてタイホアは友人の誘いで違法ビジネスにのめり込んでいき、ムーリエンはそんな母を救うため、ある決断をする。

ドラマ「長歌行」のウー・レイが息子ムーリエン、ドラマ「清越坊の女たち 当家主母」のジアン・チンチンが母タイホアを演じた。「花様年華」などウォン・カーウァイ監督作への参加で知られる作曲家・梅林茂が音楽を担当。2023年・第36回東京国際映画祭コンペティション部門出品。

この監督のデビュー作『春江水暖』(2021年)は絶賛させてもらった。今作は、共産中国にあって制御できない拝金思想と、無限連鎖の悪質商法に洗脳されてしまう家族の物語。しかし、こんなテーマで制作に支障がなかったのかな。

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