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2024-148M 「マッドマックス フュリオサ」☆☆☆★★★

Smadmaxfuriosa原題:Furiosa: A Mad Max Saga
邦題:マッドマックス フュリオサ
時間:148分
公開:2024-05-31
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:
製作:ジョージ・ミラー ダグ・ミッチェル
監督:ジョージ・ミラー
脚本:ジョージ・ミラー ニック・ラザウリス
原作:
撮影:サイモン・ダガン
音楽:トム・ホルケンボルフ
出演:アニャ・テイラー=ジョイ(フュリオサ)、クリス・ヘムズワース(ディメンタス将軍)、チャーリー・フレイザー(メリー・ジャバサ)、トム・バーク(プレトリアン・ジャック)、ラッキー・ヒューム(イモータン・ジョー)、ジョン・ハワード(人食い男爵)、リー・ペリー(武器将軍)、ネイサン・ジョーンズ(リクタス)、ジョシュ・ヘルマン(スクロータス)、アンガス・サンプソン(オーガニック・メカニック)

2015年に公開され、日本でも熱狂的なファンを生んだジョージ・ミラー監督のノンストップカーアクション「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。同作に登場した女戦士フュリオサの若き日の物語を描く。

世界の崩壊から45年。暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団の手に落ち、故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサは、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞を牛耳るイモータン・ジョーが土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙することになる。狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」ではシャーリーズ・セロンが演じ、強烈な存在感とカリスマ性で人気を博した女戦士フュリオサを、今作では「クイーンズ・ギャンビット」「ラストナイト・イン・ソーホー」などで人気のアニヤ・テイラー=ジョイが新たに演じた。ディメンタス将軍役で「アベンジャーズ」「タイラー・レイク」シリーズのクリス・ヘムズワースが共演。1979年公開の第1作「マッドマックス」から「マッドマックス 怒りのデス・ロード」まで一貫してメガホンをとっている、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが、今作でも監督・脚本を務めた。

Netflixで嵌った『クイーンズ・ギャンビット』の主役アニヤ・テイラー=ジョイが、前作『マッド・マックス』でシャーリーズ・セロンが演じたフュリオサのビギニングを演じるという、こいつは見逃せない、ご馳走な一編。そして、気持ちよく前作に接続している!お見事!良きお点前です。

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2024-147M 「さよならの朝に約束の花をかざろう」☆☆☆★★

Ssayonaranoasani邦題:さよならの朝に約束の花をかざろう
時間:115分
公開:2018-02-24
製作年度:2018
製作国:日本
配給:ショウゲート
製作総指揮:
製作:遠藤直子 京谷知美 竹中信広 菊池宣広
監督:岡田麿里
脚本:岡田麿里
原作:Iorph
撮影:並木智
音楽:川井憲次
出演:石見舞菜香(マキア)、入野自由(エリアル)、茅野愛衣(レイリア)、梶裕貴(クリム)、沢城みゆき(ラシーヌ)、細谷佳正(ラング)、佐藤利奈(ミド)、日笠陽子(ディタ)、久野美咲(メドメル)、杉田智和(イゾル)、平田広明(バロウ)

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」などで知られる脚本家の岡田麿里が初監督を務めたオリジナルの長編アニメーション映画。10代半ばで外見の成長が止まり、数百年生き続けることから「別れの一族」と呼ばれるイオルフの民の少女マキアと、歳月を重ねて大人へと成長していく孤独な少年エリアルの絆の物語が描かれる。人里離れた土地で、ヒビオルと呼ばれる布を織りながら静かに暮らすイオルフの民の少女マキア。ある日、イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる獣にまたがるメザーテ軍が攻め込んできたことから、マキアとイオルフの民の平穏な日々は崩壊する。親友や思いを寄せていた少年、そして帰る場所を失ったマキアは森をさまよい、そこで親を亡くしたばかりの孤児の赤ん坊を見つける。やがて時は流れ、赤ん坊だったエリアルは少年へと成長していくが、マキアは少女の姿のままで……。

2024年には似た設定の「葬送のフリーレン」が評判になる。(メモ)

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2024-146M 「ボストン1947」☆☆☆★

Sboston1947原題:Road to Boston
邦題:ボストン1947
時間:108分
公開:2024-08-30
製作年度:2023
製作国:韓国
配給:ショウゲート
製作総指揮:
製作:
監督:カン・ジェギュ
脚本:カン・ジェギュ イ・ジョンファ
原作:
撮影:
音楽:
出演:

1936年のベルリンオリンピックに日本代表として出場した韓国人選手の実話を基に、『シュリ』『ブラザーフッド』などのカン・ジェギュ監督が映画化したヒューマンドラマ。ベルリンオリンピックのマラソン競技で日本代表としてそれぞれ金メダルと銅メダルを獲得した二人の選手が、第2次世界大戦後に韓国代表としてボストンマラソンでチームを組む。『チェイサー』などのハ・ジョンウや『ワンライン/5人の詐欺師たち』などのイム・シワン、『藁にもすがる獣たち』などのペ・ソンウらが出演する。
韓国が日本の統治下にあった1936年、ソン・ギジョン(ハ・ジョンウ)とナム・スンニョン(ペ・ソンウ)は、それぞれ日本名の孫基禎と南昇竜としてベルリンオリンピックのマラソン競技に日本代表で出場し、金メダルと銅メダルを獲得する。第2次世界大戦後、日本による統治は終わりを告げたものの記録は日本選手のままで変更されることはなかった。1947年、ボストンマラソンで二人はチームを組み、気鋭の若手選手を送り出す。

スポーツ実話の映画化。反抗・努力・挫折・勝利の方程式に見合った感動をクライマックスに持ってきやすい。その点では、韓国映画としてはふさわしいネタだろう。

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2024-145M 「好きでも嫌いなあまのじゃく」☆☆☆★

Ssukidemokirai邦題:好きでも嫌いなあまのじゃく
時間:112分
公開:2024-05-24
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ツインエンジン、ギグリーボックス
製作総指揮:
製作:
監督:柴山智隆
脚本:柿原優子 柴山智隆
原作:
撮影:町田啓
音楽:窪田ミナ
出演:小野賢章、富田美憂、浅沼晋太郎、山根綺、塩田朋子、斎藤志郎、田中美央、ゆきのさつき、佐々木省三、日高のり子、三上哲、京田尚子

「ペンギン・ハイウェイ」「雨を告げる漂流団地」のスタジオコロリドが手がけるオリジナル長編アニメ。同スタジオの長編「泣きたい私は猫をかぶる」も手がけた柴山智隆監督が、人間の少年と鬼の少女の交流を描いた青春ファンタジー。

山形県に暮らす高校1年生の八ッ瀬柊は、人に嫌われたくないという思いのあまり、気づけば頼まれごとを断れない性格になっていた。しかし、自ら進んで他人のために何かをやってもうまくいかず、親友と呼べる友だちもいない。そんな柊が、いつものように頼まれごとを引き受けて、なんだかうまくいかなかったある夏の日。季節外れの雪が降るなか、柊は、人間の世界に母親を捜しに来たという鬼の少女ツムギと出会う。ツムギは自分勝手な性格で、柊とは何もかもが正反対だったが……。

柊役は「泣きたい私は猫をかぶる」でも柴山監督とタッグを組んだ小野賢章、ツムギ役は「メイドインアビス」「アイカツスターズ!」の富田美憂。脚本にはテレビアニメ「ちはやふる」「薬屋のひとりごと」などで知られる柿原優子が参加。2024年5月24日から劇場公開と同時にNetflixで配信。劇場公開版は配信版とは異なる特別演出のエンドールが流れる。

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2024-144M 「バティモン5 望まれざる者」☆☆☆★

Sbatiment5_20240527175301原題:Batiment 5
邦題:バティモン5 望まれざる者
時間:105分
公開:2024-05-24
製作年度:2023
製作国:フランス・ベルギー
配給:STAR CHANNEL MOVIES
製作総指揮:
製作:トゥフィク・アヤディ クリストフ・バラル
監督:ラジ・リ
脚本:ラジ・リ ジョルダーノ・ジェデルリーニ
原作:
撮影:ジュリアン・プパール
音楽:ピンク・ノイズ
出演:アンタ・ディアウ、アレクシ・マナンティ、アリストート・ルインドゥラ、スティーヴ・ティアンチュー、オレリア・プティ、ジャンヌ・バリバール

パリ郊外で移民家族が多く暮らす地区を一掃しようとする行政と住民たちの衝突を緊迫感たっぷりに描き、大都会パリの知られざる暗部を浮き彫りにした社会派ドラマ。

労働者階級の移民の人々が多く暮らすパリ郊外の一画・通称「バティモン5」では、再開発のため、老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められていた。そんな中、前任者の急逝により臨時市長に就任したピエールは、自身の信念のもと、バティモン5の復興と治安を改善する政策を強行することに。住民たちはその横暴なやり方に猛反発し、ケアスタッフとして移民たちに寄り添ってきたアビーらを中心とする住民側と、市長を中心とする行政側が、ある事件をきっかけについに衝突。やがて激しい抗争へと発展していく。

監督・脚本は、同じくパリ郊外が抱える問題を描いた2019年製作のフランス映画「レ・ミゼラブル」で高く評価されたラジ・リ。

ラジ・リ監督の前作「レ・ミゼラブル」での主人公の造形がなかなか良かったので、監督追いで鑑賞。
来るな騒ぐな居座るな、そして守れ。

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2024-143M 「不死身ラヴァーズ」☆☆☆

Sfujimilove邦題:不死身ラヴァーズ
時間:103分
公開:2024-05-10
製作年度:20224
製作国:日本
配給:ポニーキャニオン
製作総指揮:
製作:伊藤貴宣 大熊一成 宇田川寧 関佳裕 高見洋平
監督:松居大悟
脚本:大野敏哉 松居大悟
原作:高木ユーナ
撮影:冨永健二
音楽:澤部渡
出演:見上愛(長谷部りの)、佐藤寛太(甲野じゅん)、落合モトキ、大関れいか
平井珠生、米良まさひろ、本折最強さとし、岩本晟夢、アダム、青木柚(田中)、前田敦子(花森叶美)、神野三鈴(じゅんの母親)

「ちょっと思い出しただけ」の松居大悟監督が、高木ユーナの同名コミックを実写映画化したラブストーリー。

長谷部りのは幼い頃に出会った甲野じゅんを運命の相手だと信じ、彼のことを忘れらずにいた。中学生になったりのはじゅんと再会を果たし、後輩で陸上選手の彼に思いを伝え続けるが、ついに両思いになった瞬間、彼はこつ然と消えてしまう。しかも彼がこの世に存在しなかったかのように、誰もじゅんのことを覚えていないという。その後もじゅんは、高校の軽音楽部の先輩や車椅子に乗った男性、バイト先の店主など別人となって何度もりのの前に現れ、両思いになると消えるという不思議な現象を繰り返していく。それでも諦めないりのの真っ直ぐな思いは、やがて奇跡を起こす。

「衝動」の見上愛が主人公りの役で映画単独初主演を果たし、「正欲」の佐藤寛太が運命の相手じゅんを演じた。シンガーソングライターの澤部渡によるソロプロジェクト「スカート」が主題歌と劇伴を担当。

妄想系恋愛。『50回目のファースト・キス』あたりにインスパイアされつつ、原因をヒロインの妄想に落とし込んだ、トラウマ恋愛ドラマ。コミック原作なので、さまざまな「責任」は原作にあるのかな。

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2024-142M 「FARANG ファラン」☆☆☆

Sfarang原題:Farang
邦題:FARANG ファラン
時間:100分
公開:2024-05-31
製作年度:2022
製作国:フランス
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:
監督:ザビエ・ジャン
脚本:ザビエ・ジャン ギョーム・ルマン ステファーヌ・カベル
原作:ザビエ・ジャン
撮影:ジル・ポルト
音楽:ジャン=ピエール・タイエブ
出演:ナシム・リエス、ヴィタヤ・パンスリンガム、オリヴィエ・グルメ、ロラン・ヌネ

「ヒットマン」「コールド・スキン」などのジャンル映画で活躍するフランスのザビエ・ジャン監督が、容赦ないバイオレンスとゴア描写を満載に、妻と娘を殺された男の復讐劇を描いたリベンジアクション。

地元の裏社会から逃れ、タイの美しいビーチへとたどり着いたフランス人の格闘家サムは、現地で出会った妻のミアと娘のダラとともに仲むつまじく暮らしていた。ホテルのポーターとして働く一方で、家族のため、そしていつか自分の店を持ちたいという夢のため、ムエタイのファイターとして危険な賭け試合に出場するサム。しかし、よそ者であり、すねに傷を持つ彼にとって、成功を収めることはなかなか難しいことだった。焦ったサムは同じフランス人の男ナロンからある仕事を引き受けるが、そんなサムを思いがけない残酷な運命が待ち受けていた。

主人公サムを演じるのはキックボクシング経験者の新星ナシム・リエス。共演に「オンリー・ゴッド」「暁に祈れ」のビタヤ・パンスリンガム、「息子のまなざし」のオリビエ・グルメ。タイトルの「FARANG」はタイの言葉で、主にヨーロッパなどの西洋人を指して「よそ者、外国人」といった意味をもつ。

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2024-141M 「アトラス」☆☆☆★★

Satlas原題:Atlas
邦題:アトラス
時間:120分
公開:2024-05-24
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:Netflix
製作総指揮:サムソン・ムク マイケル・ライリー・マクグラス
製作:ブラッド・ペイトン ジェフ・フィアソン ジョビー・ハロルド トーリー・タネル ジェニファー・ロペス エレイン・ゴールドスミス=トーマス ベニー・メディナ グレッグ・バーランティ サラ・シェクター
監督:ブラッド・ペイトン
脚本:レオ・サーダーリアン アーロン・イーライ・コリート
原作:
撮影:ジョン・シュワルツマン
音楽:アンドリュー・ロッキングトン
出演:ジェニファー・ロペス、シム・リウ、スターリング・K・ブラウン、マーク・ストロング、グレゴリー・ジェームズ・コーハン、エイブラハム・ポプーラ、
ラナ・パリラ

ジェニファー・ロペスが製作・主演を務め、「カリフォルニア・ダウン」「ランペイジ 巨獣大乱闘」などを手がけてきたブラッド・ペイトン監督がメガホンをとったSFアドベンチャーアクション。

AI(人工知能)が人間の生活に溶け込み、社会に欠かせない存在になった近未来。優秀だが人間もAIも信用していない孤高のデータアナリストのアトラス・シェパードは、過去に彼女と因縁があり、人類に反旗を翻したAI「ハーラン」を捕らえるためのミッションに参加する。しかし、その作戦途中にアクシデントが生じ、ある惑星に不時着してしまう。そこでさらなる問題に直面したアトラスに残された唯一の道は、AIの「スミス」を信用して手を組むことだった。

主人公アトラスをジェニファー・ロペスが演じ、アトラスが追うAIのハーラン役を「シャン・チー テン・リングスの伝説」のシム・リウが務めた。そのほかの共演に「アメリカン・フィクション」でアカデミー助演男優賞にノミネートされたスターリング・K・ブラウン、「キングスマン」シリーズのマーク・ストロングら。Netflixで2024年5月24日から配信。

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2024-140M 「潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断」☆☆☆★

Scomandate原題:Comandante
邦題:潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断
時間:121分
公開:2024-07-05
製作年度:2023
製作国:イタリア・ベルギー
配給:彩プロ
製作総指揮:
製作:
監督:エドアルド・デ・アンジェリス
脚本:サンドロ・ベロネージ エドアルド・デ・アンジェリス
原作:
撮影:フェラン・パレデス・ルビオ
音楽:ロバート・デル・ナジャ
出演:ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、マッシミリアーノ・ロッシ、ヨハン・ヘルデンベルグ、パオロ・ボナチェッリ、シルヴィア・ダミーコ

第2次世界大戦中にイタリア海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニが敵国船の乗組員を救助した実話をもとに、戦時下でも失われることのなかった海の男たちの誇りと絆を描いた戦争ドラマ。

1940年10月。イタリア海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニは、イギリス軍への物資供給を断つために地中海からジブラルタル海峡を抜けて大西洋へ向かっていた。その途中で遭遇した船籍不明の船を撃沈するが、それは中立国ベルギー船籍の貨物船カバロ号だった。コマンダンテ・カッペリーニのサルバトーレ・トーダロ艦長はカバロ号の乗組員たちを救助して最寄りの港まで運ぶことを決めるが、そのためには自らと部下たちを危険にさらすのを覚悟の上で、潜航を諦めて無防備状態のままイギリス軍の支配海域を航行しなければならず……。

主人公トーダロ艦長役に「シチリアーノ 裏切りの美学」のピエルフランチェスコ・ファビーノ。「堕ちた希望」のエドアルド・デ・アンジェリスが監督を務め、撮影ではイタリア海軍全面協力のもと実物大の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニを再現した。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。

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2024-139M 「関心領域」☆☆☆★★★

Skanshinryoiki原題:The Zone of Interest
邦題:関心領域
時間:106分
公開:2024-05-24
製作年度:2023
製作国:アメリカ・イギリス・ポーランド
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:レノ・アントニアデス レン・ブラバトニック ダニー・コーエン テッサ・ロス オリー・マッデン
製作:ジェームズ・ウィルソン エバ・プシュチンスカ
監督:ジョナサン・グレイザー
脚本:ジョナサン・グレイザー
原作:マーティン・エイミス
撮影:ウカシュ・ジャル
音楽:ミカ・レビ
出演:クリスティアン・フリーデル(ルドルフ・ヘス)、ザンドラ・ヒュラー(ヘートヴィヒ・ヘス)

「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」のジョナサン・グレイザー監督がイギリスの作家マーティン・エイミスの小説を原案に手がけた作品で、2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリ、第96回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。ホロコーストや強制労働によりユダヤ人を中心に多くの人びとを死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で平和な生活を送る一家の日々の営みを描く。

タイトルの「The Zone of Interest(関心領域)」は、第2次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉で、映画の中では強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしを描いていく。

カンヌ国際映画祭ではパルムドールに次ぐグランプリに輝き、第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞の5部門にノミネートされ、国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞した。出演は「白いリボン」「ヒトラー暗殺、13分の誤算」のクリスティアン・フリーデル、主演作「落下の解剖学」が本作と同じ年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したサンドラ・ヒュラー。

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2024-138M 「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章」☆☆☆★

Sdededeadato邦題:デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章
時間:120分
公開:2024-05-24
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ギャガ
製作総指揮:
製作:依田巽 川崎由紀夫 沢辺伸政 村松俊亮 稲葉貢一
監督:黒川智之
脚本:吉田玲子
原作:浅野いにお
撮影:師岡拓磨
音楽:梅林太郎
出演:幾田りら(小山門出)、あの(中川凰蘭)、種崎敦美、島袋美由利、大木咲絵子、和氣あず未、白石涼子、入野自由、内山昂輝、坂泰斗、諏訪部順一、津田健次郎

地球外からの侵略者が日常に溶け込んだ世界で青春を謳歌する少女たちを描いた浅野いにお原作の同名コミックをアニメーション映画化した2部作の後編。

入試に合格して亜衣や凛と同じ大学に通い始めた門出と凰蘭は、竹本ふたばや田井沼マコトという新しい友だちもでき、尾城先輩が会長を務めるオカルト研究会に入ることに。一方、宇宙からの侵略者は東京各地で目撃され、自衛隊が駆除活動を繰り広げていた。上空の母艦は傾いて煙が立ち上り、政府転覆を狙って侵略者狩りを続ける過激派グループ「青共闘」も暗躍。世界の終わりに向かってカウントダウンが始まるなか、凰蘭は不思議な少年・大葉に再び遭遇する。

音楽ユニット「YOASOBI」のボーカル・ikuraとしても活動するシンガーソングライターの幾田りらが門出、歌手・タレントとして活躍するあのが凰蘭の声をそれぞれ演じるほか、浅野いにお原作の映画「零落」の監督を務めた俳優の竹中直人が“侵略者の議長役”の声優として友情出演。

テレビ東京出資アニメの後編。そしてカタストロフにまさる友情。

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2024-137M 「ナイトスイム」☆☆☆

Snightswim原題:Night Swim
邦題:ナイトスイム
時間:98分
公開:2024-06-07
製作年度:2024
製作国:アメリカ・イギリス
配給:東宝東和
製作総指揮:マイケル・クリアー ジャドソン・スコット ライアン・テュレック
製作:ジェームズ・ワン ジェイソン・ブラム
監督:ブライス・マクガイア
脚本:ブライス・マクガイア
原作:ロッド・ブラックハースト ブライス・マクガイア
撮影:
音楽:
出演:ワイアット・ラッセル、ケリー・コンドン、アメリ・ホーファーレ、ギャヴィン・ウォーレン

憧れのプール付き物件に引っ越した一家を襲う恐怖を描いたホラー映画。

難病に侵され早期引退を余儀なくされた元メジャーリーガーのレイ・ウォーラー。現役復帰を目指す彼は自身の理学療法も兼ねて郊外のプール付き物件を中古で購入し、妻イブや思春期の娘イジー、幼い息子エリオットとともに引っ越してくる。新たな生活を満喫する一家だったが、裏庭にあるプライベートプールは、なぜか15年も未使用のままだった。そのプールには得体のしれない怪異が潜んでおり、一家を恐怖の底へと引きずり込んでいく。

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のワイアット・ラッセルがレイ、「イニシェリン島の精霊」のケリー・コンドンが妻イブを演じた。「ソウ」シリーズのジェームズ・ワンと「ゲット・アウト」のジェイソン・ブラムが「M3GAN ミーガン」に続いてタッグを組んで製作を手がけ、ブライス・マクガイア監督が2014年にロッド・ブラックハーストと共同で制作したショートフィルムをもとに自らのメガホンで長編映画化した。

ブラム・ハウスのホラー。昭和なら、日本ヘラルドがブッ飛んだ邦題を捻り出すタイプの作品(笑

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2024-136M 「祝日」☆☆★★★

Sshjkujitu邦題:祝日
時間:90分
公開:2024-05-17
製作年度:2023
製作国:日本
配給:ラビットハウス
製作総指揮:
製作:堀江泰 福田里美 坂本欣弘
監督:伊林侑香
脚本:伊吹一
原作:
撮影:渡辺浩章
音楽:モリマツコウスケ
出演:中川聖菜、岩井堂聖子、西村まさ彦、芹澤興人、中島侑香、魚井梨穂、野嶋珠吏、碧野遥

富山県を舞台に、生きることを諦めかけた少女が数奇な人々との出会いを通して変わっていく姿をつづった人間ドラマ。

14歳の奈良希穂は、中学に入ってからずっと1人きりで暮らしている。優しかった父は亡くなり、母も姿を消した。希穂は怒ることも泣くこともなく、毎日野菜ジュースとプリンだけを食べながら無為に過ごしている。ある日、休校日なのに登校してしまった彼女は、何かに突き動かされるように校舎の屋上へ向かう。そして飛び降りようとした瞬間、何者かが希穂の手を掴む。その女性は自分のことを「希穂とずっと一緒にいた天使」だと名乗り、希穂は彼女と一緒に“人生最期の1日”を過ごすことに。次々と現れる風変わりな人々との交流を通し、希穂の心は少しずつ揺り動かされていく。

「幻の蛍」の監督・伊林侑香と脚本家・伊吹一が再タッグを組み、富山でオールロケを敢行。オーディションで抜てきされた新人俳優・中川聖菜が希穂、「真白の恋」の岩井堂聖子が自称天使を演じ、西村まさ彦、芹澤興人、中島侑香が共演。

まあ、ジャケ買いで観たが、自主製作映画のレベル。

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2024-135M 「湖の女たち」☆☆★★★

Smizuuminoonnnatachi邦題:湖の女たち
時間:141分
公開:2024-05-17
製作年度:2024
製作国:日本
配給:東京テアトル、ヨアケ
製作総指揮:
製作:吉村知己 和田大輔
監督:大森立嗣
脚本:大森立嗣
原作:吉田修一
撮影:辻智彦
音楽:世武裕子
出演:福士蒼汰(濱中圭介)、松本まりか(豊田佳代)、福地桃子(池田由季)、近藤芳正(竹脇東)、平田満(河合勇人)、根岸季衣(服部久美子)、菅原大吉(服部の夫)、土屋希乃(服部三葉)、北香那(濱中華子)、大後寿々花(小野梓)、川面千晶(二谷紀子)、呉城久美(本間佐知子)、穂志もえか(市島松江)、奥野瑛太(市島民男)、吉岡睦雄(両角署長)、信太昌之(渡部編集長)、鈴木晋介(豊田浩二)、長尾卓磨(医療機器メーカーの担当者)、伊藤佳範(小林剛)、岡本智礼(谷川)、泉拓磨(徳竹会の若い男)、荒巻全紀(ハバロフスク裁判の被告)、財前直見(松本郁子)、三田佳子(市島松江)、浅野忠信(伊佐美佑)

「日々是好日」「MOTHER マザー」の大森立嗣が監督・脚本を手がけ、作家・吉田修一の同名小説を映画化したヒューマンミステリー。

湖畔に建つ介護施設で、100歳の老人が何者かに殺害された。事件の捜査を担当する西湖署の若手刑事・濱中圭介とベテラン刑事・伊佐美佑は、施設関係者の中から容疑者を挙げて執拗に取り調べを行なっていく。事件が混迷を極めるなか、圭介は捜査で出会った介護士・豊田佳代に対して歪んだ支配欲を抱くように。一方、事件を追う週刊誌記者・池田由季は、署が隠蔽してきた薬害事件が今回の殺人事件に関係していることを突き止めるが……。

若手刑事・圭介役を福士蒼汰、介護士・佳代役を松本まりかが担当し、特殊な関係に溺れていく刑事と容疑者という難役を熱演。ベテラン刑事・伊佐美を浅野忠信、週刊誌記者・池田を福地桃子が演じた。

大森立嗣脚本・監督。吉田修一原作。どっちが悪いのか解らないが、『大風呂敷を広げて収集不能で放置』を、やらかしちまったな。

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2024-134M 「ボブ・マーリー:ONE LOVE」☆☆☆★

Sonelove原題:Bob Marley: One Love
邦題:ボブ・マーリー ONE LOVE
時間:108分
公開:2024-05-17
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:東和ピクチャーズ
製作総指揮:ブラッド・ピット リチャード・ヒューイット オーリー・マーリー マット・ソロドキー
製作:ロバート・テイテル デデ・ガードナー ジェレミー・クライナー ジギー・マーリー リタ・マーリー セデラ・マーリー
監督:レイナルド・マーカス・グリーン
脚本:テレンス・ウィンター フランク・E・フラワーズ ザック・ベイリン レイナルド・マーカス・グリーン
原作:テレンス・ウィンター フランク・E・フラワーズ
撮影:ロバート・エルスウィット
音楽:クリス・バワーズ
出演:キングズリー・ベン=アディル、ラシャーナ・リンチ、ジェームズ・ノートン、トシン・コール、ウミ・マイヤーズ、アンソニー・ウェルシュ、ニア・アシ、アストン・バレット・ジュニア、アンナ・シェア・ブレイク

ジャマイカが生んだ伝説のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの波乱万丈な人生を映画化した音楽伝記ドラマ。

1976年、カリブ海の小国ジャマイカは独立後の混乱から政情が安定せず、2大政党が対立していた。30歳にして国民的アーティストとなったボブ・マーリーは、その人気を利用しようとする政治闘争に巻き込まれ、同年12月3日に暗殺未遂事件に遭う。2日後、マーリーは怪我をおして「スマイル・ジャマイカ・コンサート」に出演した後、身の安全のためロンドンへ逃れる。名盤「エクソダス」の発表やヨーロッパツアーを経て、世界的スターの階段を駆け上がっていくマーリーだったが、その一方で母国ジャマイカの政情はさらに不安定となり、内戦の危機が迫っていた。

「あの夜、マイアミで」のキングズリー・ベン=アディルがボブ・マーリー役で主演を務め、「キャプテン・マーベル」のラシャーナ・リンチが妻リタを演じた。「ドリームプラン」のレイナルド・マーカス・グリーンが監督を務め、プロデューサーにはボブ・マーリーの妻リタ、息子ジギー、娘セデラが名を連ねた。

ジャマイカライブの記録映画もリバイバルされてた。そのライブドキュメンタリーの解説書のような作品だ。

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2024-133M 「ミッシング」☆☆☆★★

Smissing邦題:ミッシング
時間:119分
公開:2024-05-17
製作年度:2024
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:
製作:井原多美 菅井敦 小林敏之 高橋雅美 古賀奏一郎
監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔
原作:
撮影:志田貴之
音楽:世武裕子
出演:石原さとみ(森下沙織里)、中村倫也(砂田裕樹)、青木崇高(森下豊)、森優作(土圭吾)、有田麗未、小野花梨(三谷杏)、小松和重、細川岳(不破伸一郎)、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純

「空白」「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督が、石原さとみを主演に迎えてオリジナル脚本で撮りあげたヒューマンドラマ。幼女失踪事件を軸に、失ってしまった大切なものを取り戻していく人々の姿をリアルかつ繊細に描き出す。

沙織里の娘・美羽が突然いなくなった。懸命な捜索も虚しく3カ月が過ぎ、沙織里は世間の関心が薄れていくことに焦りを感じていた。夫の豊とは事件に対する温度差からケンカが絶えず、唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々。そんな中、沙織里が娘の失踪時にアイドルのライブに行っていたことが知られ、ネット上で育児放棄だと誹謗中傷の標的になってしまう。世間の好奇の目にさらされ続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じるように。一方、砂田は視聴率獲得を狙う局上層部の意向により、沙織里や彼女の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材を命じられてしまう。

愛する娘の失踪により徐々に心を失くしていく沙織里を石原が体当たりで熱演し、記者・砂田を中村倫也、沙織里の夫・豊を青木崇高、沙織里の弟・圭吾を森優作が演じる。

吉田監督の演出力は『空白』でうちのめされているが、本作は脚本力にも目を見張る。会話の全編にわたる周到さと、見事に自然に日常性をもたせたエモーションでやりとりさせる台詞。出演者たちの演技(吉田監督の演出でもある)に乗せられると、映画であることを忘れさせられてしまうリアリティへ到達する。そして音響効果の高い技術で置かれている『背景音』の見事さにも驚く。世武裕子の音楽もいい。最近、気になる映画の音楽が彼女であることが多い。

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2024-132M 「碁盤斬り」☆☆☆★★★

Sgobangiri邦題:碁盤斬り
時間:129分
公開:2024-05-17
製作年度:2024
製作国:日本
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:木下直哉
製作:赤城聡 谷川由希子
監督:白石和彌
脚本:加藤正人
原作:
撮影:福本淳
音楽:阿部海太郎
出演:草なぎ剛、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼

「孤狼の血」「凶悪」の白石和彌監督が初めて時代劇のメガホンをとり、「ミッドナイトスワン」の草なぎ剛を主演に迎えて描いたヒューマンドラマ。古典落語の演目「柳田格之進」を基に、冤罪事件によって娘と引き裂かれた男が武士の誇りをかけて復讐に臨む姿を描く。

身に覚えのない罪をきせられたうえに妻も失い、故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進は、娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしていた。実直な格之進は、かねて嗜む囲碁にもその人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心がけている。そんなある日、旧知の藩士からかつての冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は復讐を決意。お絹は仇討ち決行のため、自らが犠牲になる道を選ぶが……。

草なぎふんする格之進の娘・お絹を清原果耶が演じるほか、共演には中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼ら豪華俳優陣が集結。「凪待ち」「クライマーズ・ハイ」の加藤正人が脚本を手がけた。

落語が原作。本年の邦画では現時点でベスト。

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2024-131M 「恋するプリテンダー」☆☆☆★

Speitender原題:Anyone But You
邦題:恋するプリテンダー
時間:103分
公開:2024-05-10
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:アリッサ・アルトマン ジャクリーン・モネッタ キャサリン・ビショップ ナタリー・セラーズ チャーリー・コーウィン シドニー・キンメル マーク・オコナー シドニー・スウィーニー ジョナサン・ダビノ
製作:ウィル・グラック ジョー・ロス ジェフ・キルシェンバウム
監督:ウィル・グラック
脚本:イラナ・ウォルパート ウィル・グラック
原作:イラナ・ウォルパート
撮影:ダニー・ルールマン
音楽:
出演:シドニー・スウィーニー(ビー)、グレン・パウエル(ベン)、ダーモット・マローニー(レオ)、ブライアン・ブラウン(ロジャー)

オーストラリアのきらめくリゾートを舞台に、大人の男女が意地とプライドを懸けて繰り広げる恋の駆け引きを描いたラブコメディ。

弁護士を目指してロースクールに通うビーは、街角のカフェで知り合った金融マンのベンと最高の初デートをするが、ちょっとした行き違いが原因で燃え上がった恋心も一気に凍りついてしまう。数年後、そんな2人がオーストラリアで同じ結婚式に出席して偶然に再会。真夏のリゾートウェディングに皆が心躍らせる中、険悪なムードを漂わせる2人。しかし、復縁を迫る元カレから逃げたいビーと元カノの気を引いてヨリを戻したいベンは、互いの望みをかなえるために恋人のフリをすることになり……。

ビー役はドラマ「ユーフォリア EUPHORIA」や映画「リアリティ」で注目を集めるシドニー・スウィーニー、ベン役は「トップガン マーヴェリック」のハングマン役でブレイクしたグレン・パウエル。監督は「小悪魔はなぜモテる?!」「ANNIE アニー」で知られるウィル・グラック。

ヒットしたのは、ここまでベタで王道のラブコメが珍しいからだろう。それなりに需要がある『ボーイ・ミーツ・ガール』。とはいえ、舞台は今様なLGBTQ、ダイバーシティだ。コアラに懺悔するシニカルなシーンに爆笑した。それにしてもなぜラブコメのヒロインは(ほぼいつも)、ブロンドでサル顔なのだろう。

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2024-130M 「タイガー 裏切りのスパイ」☆☆☆★★

Stigeruragiri原題:Tiger 3
邦題:タイガー 裏切りのスパイ
時間:156分
公開:2024-05-03
製作年度:2023
製作国:インド
配給:ツイン
製作総指揮:
製作:アディティア・チョープラー
監督:マニーシュ・シャルマ
脚本:
原作:
撮影:
音楽:
出演:サルマーン・カーン、カトリーナ・カイフ、イムラン・ハシュミ、レーヴァティ、ランヴィール・ショウリー、シムラン

サルマーン・カーン主演のスパイアクション「タイガー」シリーズの第3作。第1作「タイガー 伝説のスパイ」および第2作「Tiger Zinda Hai」(原題・日本未公開)と、リティク・ローシャン&タイガー・シュロフ主演の「WAR ウォー!!」、シャー・ルク・カーン主演の「PATHAAN パターン」とも世界観を共有する「YRF(ヤーシュ・ラージ・フィルムズ)スパイ・ユニバース」シリーズの1作。

インドの国家諜報機関RAWのエージェントであるタイガーは、アフガニスタンでの任務中に危機に陥った仲間のゴーピーを救出に向かうが、ゴーピーはタイガーの妻であるゾヤが二重スパイだという言葉を残し、命を落とす。妻への疑念を抱いたまま日常生活に戻ったタイガーだったが、次の任務でロシアに赴いた際、ゾヤがタイガーに襲いかかってくる。
サルマーン・カーンがタイガーを演じ、妻のゾヤ役もシリーズおなじみのカトリーナ・カイフが務めた。

印度の虎。舞踊付き長尺スパイ活劇。
今度はタイガーの絶体絶命にパターンが前回のお返しで登場!

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2024-129M 「またヴィンセントは襲われる」☆☆☆★

Svincentosoware原題:Vincent doit mourir
邦題:またヴィンセントは襲われる
時間:109分
公開:2024-05-10
製作年度:2023
製作国:フランス
配給:ナカチカピクチャーズ
製作総指揮:
製作:
監督:ステファン・カスタン
脚本:マチュー・ナールト ドミニク・ボーマール ステファン・カスタン
原作:マチュー・ナールト
撮影:マニュエル・ダコッセ
音楽:
出演:カリム・ルクルー、ヴィマーラ・ポンス

目が合っただけで周囲の人々に襲われるようになった男が生き残りをかけて戦う姿を描き、2023年・第76回カンヌ国際映画祭の批評家週間に選出されたフランス発の不条理サバイバルスリラー。

ある日突然、職場のインターン生から暴行を受けたヴィンセント。怪我から回復する間もなく別の同僚にも襲われるが、加害者たちはいずれも襲撃時の記憶を失っていた。その後もヴィンセントに殺意を向けて襲いかかってくる者は後を絶たず、ついには見ず知らずの他人からも命を狙われるようになってしまう。やがて「自分と目線が合った瞬間に人々が襲いかかってくる」という法則に気づいたヴィンセントは、生き残るための自衛を始めるが……。

「バック・ノール」のカリム・ルクルーが主演を務め、第56回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀主演俳優賞を受賞した。

ちょいとは想像していたが、やはり『ゾンビ』ものの新発想ウルトラ変化球だった。28シリーズに近いかな。

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2024-128M 「鬼平犯科帳 血闘」☆☆☆★★

Soniheiketto邦題:鬼平犯科帳 血闘
時間:111分
公開:2024-05-10
製作年度:2024
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:石原隆 小林智 石井紹良 松下幸生 岡田美穂 高橋敏弘 小川泰 加藤光淑 深川辰巳 飯窪成幸
監督:山下智彦
脚本:大森寿美男
原作:池波正太郎
撮影:江原祥二
音楽:吉俣良
出演:松本幸四郎(長谷川平蔵)、市川染五郎(長谷川銕三郎)、仙道敦子(久栄)、中村ゆり(おまさ)、火野正平(相模の彦十)、本宮泰風(佐嶋忠介)、浅利陽介(木村忠吾)、山田純大(酒井祐助)、久保田悠来(沢田小平次)、柄本時生(小野十蔵)、松元ヒロ(三次郎)、中島多羅(おたね)、志田未来(おりん)、松本穂香(おろく)、北村有起哉(網切の甚五郎)、中井貴一(京極備前守高久)、柄本明(鷺原の九平)

これまで幾度も映像化されてきた池波正太郎のベストセラー小説「鬼平犯科帳」シリーズを、十代目・松本幸四郎主演で新たに映像化する時代劇シリーズの劇場版。2024年1月放送のテレビスペシャル「鬼平犯科帳 本所・桜屋敷」に続く本作では、主人公の鬼平こと長谷川平蔵の過去と現在を交錯させながら、それぞれの時代で愛する者を救うため立ち上がる平蔵の熱き姿を描き出す。

長谷川平蔵のもとに、彼が若い頃に世話になった居酒屋の娘・おまさが現れ、密偵になりたいと申し出る。平蔵にその願いを断られたおまさは、平蔵が芋酒屋主人と盗賊の2つの顔を持つ鷺原の九平を探していることを知り、独断で調査に乗り出すが……。

テレビスペシャルに続いて、若き日の鬼平・長谷川銕三郎を幸四郎の実子である八代目・市川染五郎が演じた。そのほか平蔵の妻・久栄を仙道敦子、密偵・おまさを中村ゆりが演じ、劇場版ゲストとして志田未来、北村有起哉、松本穂香、中井貴一、柄本明が出演。

吉右衛門の当たり役を幸四郎が継ぐ。家の芸のような流れだが、若い幸四郎でどうなるか興味津々。
若き鬼平(染五郎)の因縁が、火付盗賊改方となった長谷川平蔵(幸四郎)を追い詰める。時代劇チャンネルのシリーズ化のイントロダクションだ。ここまでくると、もはや地上波では成立しないスケールの企画である。レギュラーの時代劇番組は、平成を越えてから『CMがつかない、視聴率はとれない、高齢者しか見ない』ため、放送局としてはオワコンのジャンルの烙印を押しているからね。

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2024-127M 「エンドレス・サマー」☆☆☆★

Sendlesssummer原題:The Endless Summer
邦題:エンドレス・サマー
時間:90分
公開:2024-07-21(1968-8-9)
製作年度:1967
製作国:アメリカ
配給:鈴正、フラッグ
製作総指揮:
製作:
監督:ブルース・ブラウン
脚本:ブルース・ブラウン
原作:
撮影:ブルース・ブラウン
音楽:
出演:ブルース・ブラウン、マイク・ヒンソン、ロバート・オーガスト

終わりなき夏を求めて旅に出たサーファーたちが世界各地で繰り広げる出会いと冒険を描き、1966年の公開以来サーフムービーの金字塔として愛され続けるドキュメンタリー。

「栄光のライダー」のブルース・ブラウン監督が自らカメラを回し、世界の伝説的サーファーたちから「マスター」と崇められる当時21歳のマイク・ヒンソンと、父の影響で6歳からサーフィンに触れていた当時18歳のロバート・オーガストとともに、完璧な波と夏を探す旅に出る。ガーナでは子どもたちにサーフィンを教え、ナイジェリアではヒッチハイク、赤道を越えて南アフリカのケープタウンからセントフランシス岬へ向かい、オーストラリアやニュージーランドでは地元のサーファーたちと交流するなど、世界各地をサーフトリップする姿を映し出す。

日本では1968年に「終りなき夏」のタイトルで劇場初公開。2024年7月、デジタルリマスター版にてリバイバル公開。

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2024-126M 「胸騒ぎ」☆☆☆★

Smunasawagi原題:Gaesterne
邦題:胸騒ぎ
時間:95分
公開:2024-05-10
製作年度:2022
製作国:デンマーク・オランダ
配給:シンカ
製作総指揮:
製作:ヤコブ・ヤレク
監督:クリスチャン・タフドルップ
脚本:クリスチャン・タフドルップ マッズ・タフドルップ
原作:
撮影:エリク・モルバリ・ハンセン
音楽:スーネ・コルスター
出演:モルテン・ブリアン(ビャアン)、シーゼル・シーム・コク(ルイーセ)、フェジャ・ファン・フェット(パトリック)、カリーナ・スムルダース(カリン)、リーヴァ・フォシュベリ(アウネス)、マリウス・ダムスレフ(アーベル)、イシェーム・ヤクビ(ムハジド)、イェスパ・デュポン(ヨーナス)、リーア・バーストルップ・ラネ(フィーイ)、エードリアン・ブランシャール(デレク)、サリナ・マリア・ラウサ(ハナ)、イラリア・ディ・ライモ(ベビーシッター)

ある善良な家族を襲う悪夢のような週末を描いたデンマーク・オランダ合作によるヒューマンホラー。

休暇でイタリアへ旅行に出かけたデンマーク人の夫妻ビャアンとルイーセ、娘のアウネスは、そこで出会ったオランダ人の夫妻パトリックとカリン、息子のアベールと意気投合する。数週間後、パトリック夫妻から招待状を受け取ったビャアンは、妻子を連れて人里離れた彼らの家を訪問する。再会を喜び合ったのもつかの間、会話を交わすうちに些細な誤解や違和感が生じはじめ、徐々に溝が深まっていく。彼らの“おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を感じながらも、週末が終わるまでの辛抱だと耐え続けるビャアンたちだったが……。

「アフター・ウェディング」など俳優としても活躍するデンマークの鬼才クリスチャン・タフドルップが監督・脚本を手がけた。

北欧イヤミス。動機が理解できないまま、クライマックスは宗教的な暗喩。エンドクレジットのベースや原題にも『善と悪』のテーマを強調されている。ある意味…九条は「純粋な悪意(侵略)」を防御できない、と思い知らされる。だって完全無防備にされて抹殺されてしまうのだから。となると、政治的な映画なのかな、こいつは。

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2024-125M 「猿の惑星 キングダム」☆☆☆★★

Ssarunowakuseikingdom原題:Kingdom of the Planet of the Apes
邦題:猿の惑星 キングダム
時間:145分
公開:2024-05-10
製作年度:2024
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:ピーター・チャーニン ジェンノ・トッピング
製作:ウェス・ボール ジョー・ハートウィック・Jr. リック・ジャッファ アマンダ・シルバー ジェイソン・T・リード
監督:ウェス・ボール
脚本:ジョシュ・フリードマン リック・ジャッファ アマンダ・シルバー パトリック・アイソン
原作:
撮影:ギュラ・パドス
音楽:ジョン・パエザーノ
出演:オーウェン・ティーグ(ノア)、フレイヤ・アーラン(ノヴァ)、ケヴィン・デュランド(プロキシマス・シーザー)、ピーター・メイコン、ウィリアム・H・メイシー

名作SF映画「猿の惑星」をリブートした「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」「猿の惑星:新世紀(ライジング)」「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」に続くシリーズ第4弾。

300年後の地球。荒廃した世界で人類は退化し、高い知能と言語を得た猿たちが地球の新たな支配者として巨大な帝国「キングダム」を築こうとしていた。若き猿ノアは年老いたオランウータンから、猿と人間の共存についての昔話を聞かされる。ある日、ノアは人間の女性と出会う。その女性は野生動物のような人間たちの中で誰よりも賢いとされ、猿たちから狙われていた。彼女と一緒に行動することになったノアは、本当の人間を知るうちに、キングダムに違和感を抱き始める。

「To Leslie トゥ・レスリー」のオーウェン・ティーグが主人公ノアを演じ、ドラマ「ウィッチャー」シリーズのフレイヤ・アーラン、「ファーゴ」のウィリアム・H・メイシーが共演。「メイズ・ランナー」シリーズのウェス・ボール監督がメガホンをとった。

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2024-124M 「水深ゼロメートルから」☆☆☆★

Ssuishin0m邦題:水深ゼロメートルから
時間:87分
公開:2024-05-03
製作年度:2024
製作国:日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
製作総指揮:
製作:大熊一成 直井卓俊 久保和明 保坂暁 大高健志
監督:山下敦弘
脚本:中田夢花
原作:中田夢花 村端賢志 徳島市立高等学校演劇部
撮影:高木風太
音楽:澤部渡
出演:濱尾咲綺(ココロ)、仲吉玲亜(ミク)、清田みくり(チヅル)、花岡すみれ(ユイ)、三浦理奈(リンカ)、さとうほなみ(山本先生)

「カラオケ行こ!」「リンダ リンダ リンダ」の山下敦弘監督が、2019年に開催された第44回四国地区高等学校演劇研究大会で文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した徳島市立高等学校の同名舞台劇を映画化した青春群像劇。

高校2年生のココロとミクは体育教師の山本から、夏休みに特別補習としてプール掃除を指示される。水の入っていないプールには、隣の野球部グラウンドから飛んできた砂が積もっていた。2人が嫌々ながらも掃除を始めると、同級生で水泳部のチヅルや、水泳部を引退した3年生のユイも加わる。学校生活や恋愛、メイクなど何気ない会話を交わすうちに、彼女たちの悩みが溢れ出し、それぞれの思いが交差していく。

舞台版の原作者・中田夢花が脚本を手がけ、メインキャストにはココロ役の濱尾咲綺、ミク役の仲吉玲亜、チヅル役の清田みくり、ユイ役の花岡すみれらフレッシュな顔ぶれがそろった。

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2024-123M 「無名」☆☆☆★

Smumei原題:無名 Hidden Blade
邦題:無名
時間:131分
公開:2024-05-03
製作年度:2023
製作国:中国
配給:アンプラグド
製作総指揮:
製作:
監督:チェン・アル
脚本:チェン・アル
原作:
撮影:ツァイ・タオ
音楽:
出演:トニー・レオン、ワン・イーボー、ジョウ・シュン、ホアン・レイ、森博之、ダー・ポン、エリック・ワン、ジャン・シューイン、チャン・ジンイー

「花様年華」「インファナル・アフェア」などの香港の名優トニー・レオンとテレビドラマ「陳情令」でブレイクした中国の若手俳優ワン・イーボーが共演し、第2次世界大戦下の上海で暗躍する中国共産党・中国国民党・日本軍のスパイたちの攻防をスリリングに描いたノワールサスペンス。

中国・汪兆銘政権の政治保衛部に所属するフーは、中国共産党の秘密工作員だった男ジャンの身辺調査を行う。フーは中国国民党に転向するというジャンから共産党幹部の情報を聞き出すことに成功する。1941年、上海に駐在する日本軍スパイのトップ・渡部は、政治保衛部の主任となったフーやその上司タンと日本料理店で戦局について話す。フーの部下として働くイエは、友人ワンとともに諜報活動に従事していたが……。

トニー・レオンがフー役、ワン・イーボーがイエ役を務め、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海」のチェン・アルが監督・脚本・編集を手がけた。2023年・第36回金鶏賞で最優秀主演男優賞(トニー・レオン)・最優秀監督賞・最優秀編集賞を受賞。

中国製の大東亜戦争前後のスパイもの。レオン&イーボー様ファンの女性観客が多い。
効果の程は不明だが、時制をかなり入れ替えての構成。最後の正体オチはわかるが、もう少しシンプルにストーリーを語って欲しかった。ダークなニュアンス、キャメラ、演技演出はそそる。

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2024-122M 「ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ」☆☆☆★

Smrscrunas原題:Rabiye Kurnaz gegen George W. Bush
邦題:ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ
時間:119分
公開:2024-05-03
製作年度:2022
製作国:ドイツ・フランス
配給:ザジフィルムズ
製作総指揮:
製作:クラウディア・シュテファン クリストフ・フリーデル
監督:アンドレアス・ドレーゼン
脚本:ライラ・シュティーラー
原作:
撮影:アンドレアス・フーファー
音楽:
出演:メルテム・カプタン、アレクサンダー・シェーア、チャーリー・ヒュブナー、ナズミ・キリク

グアンタナモ収容所に収監された無実の息子を救おうとするドイツの母の実話を映画化し、2022年・第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞2冠(主演俳優賞、脚本賞)を受賞したドラマ。

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロの1カ月後。ドイツのブレーメンに暮らすトルコ移民クルナス一家の長男ムラートは、旅先のパキスタンでタリバンの嫌疑をかけられ、キューバのグアンタナモ湾にある米軍基地の収容所に収監されてしまう。母ラビエは息子を取り戻そうと奔走するが警察も行政も動いてくれず、わらにもすがる思いで、電話帳で見つけた人権派弁護士ベルンハルト・ドッケに助けを求める。やがてラビエはドッケからのアドバイスで、アメリカ合衆国最高裁判所でブッシュ大統領を相手に訴訟を起こすことを決意する。

ドイツでコメディアンとして活躍するメルテム・カプタンが、元気で時に厚かましい主人公ラビエをユーモアたっぷりに好演。「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」のアンドレアス・ドレーゼンが監督、ライラ・シュティーラーが脚本を手がけた。「ドイツ映画祭 HORIZONTE 2023」では「クルナス母さんvs.アメリカ大統領」のタイトルで上映。

息子がグアンタナモに収容され、取り戻すまでの実話。ドイツ政府がクソだったという告発でもある。

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2024-121M 「蒲田行進曲」☆☆☆★★

Sfallguy邦題:蒲田行進曲
時間:107分
公開:1982-10-19
製作年度:1982
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:角川春樹
監督:深作欣二
脚本:つかこうへい
原作:つかこうへい
撮影:北坂清
音楽:甲斐正人
出演:松坂慶子、風間杜夫、平田満、高見知佳

 

劇作家つかこうへいの同名戯曲をつか自らが脚色し、深作欣二監督がメガホンをとって大ヒットを記録した人情喜劇。撮影所を舞台に、破天荒な花形スターと彼を慕う大部屋俳優の奇妙な友情、2人の間で揺れ動く女優の姿を描く。「新選組」の撮影真っただ中の京都撮影所。人気俳優の倉岡銀四郎は、ライバル俳優の橘が自分より目立っていることが気に入らない。さらに、最大の見せ場である「池田屋の階段落ち」が、危険であることを理由に中止になろうとしていた。そんな中、恋人の女優・小夏の妊娠を知った銀四郎は、スキャンダルを避けるため、子分である大部屋俳優・ヤスに彼女を押し付ける。銀四郎を慕うヤスは、小夏と結婚して自分の子として育てることを誓うが……。銀四郎役とヤス役にはつか作品の舞台に多く出演する風間杜夫と平田満が抜擢され、2人の出世作となった。小夏役に松坂慶子。

 

 

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2024-120M 「正義の行方」☆☆☆★★★

Sseiginoyukuhe 邦題:正義の行方
時間:158分
公開:2024-04-27
製作年度:2024
製作国:日本
配給:東風
製作総指揮:東野真
製作:岩下宏之
監督:木寺一孝
脚本:
原作:
撮影:澤中淳
音楽:
出演:

2022年4月にNHK BSで放送され、令和4年度文化庁芸術祭・テレビドキュメンタリー部門大賞を受賞したBS1スペシャル「正義の行方 飯塚事件30年後の迷宮」を劇場版として公開。

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が行方不明となり、同県甘木市(現・朝倉市)の山中で他殺体となって発見された飯塚事件。94年に逮捕され、DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年(くま・みちとし)は死刑判決を受け、08年に刑が執行された。しかし、執行の翌年に冤罪を訴える再審請求がなされ、事件の余波はその後も続いている。本作では飯塚事件に関わった弁護士、警察官、新聞記者がそれぞれの立場から語られる「真実」と「正義」をもとに、この事件の全体像を描きながら、日本という国の司法の姿を浮き彫りにしていく。

監督はNHKディレクターとして死刑や犯罪を題材にした数多くのドキュメンタリーを手がけ、樹木希林を追った「“樹木希林”を生きる」を監督した木寺一孝。

連続女児行方不明&殺人遺棄の飯塚事件の検証NHK作品。白黒つかないが、類似事件が発生していないのも事実。

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2024-119M 「システム・クラッシャー」☆☆☆★★

Ssystemcrusher原題:Systemsprenger
邦題:システム・クラッシャー
時間:125分
公開:2024-04-27
製作年度:2019
製作国:ドイツ
配給:クレプスキュールフィルム
製作総指揮:
製作:ペーター・ハートウィヒ ヨナス・バイデマン ヤーコプ・D・バイデマン
監督:ノラ・フィングシャイト
脚本:ノラ・フィングシャイト
原作:
撮影:ユヌス・ロイ・イメール
音楽:ジョン・ギュルトラー
出演:ヘレナ・ツェンゲル(ベニー)、アルブレヒト・シュッフ(ミヒャ)、リーザ・ハーゲマイスター(ビアンカ・クラース)、ガブリエラ・マリア・シュマイデ(バファネ夫人)

社会に居場所をなくしてしまった9歳の少女の姿を繊細かつ強烈な描写で描き、2019年・第69回ベルリン国際映画祭アルフレッド・バウアー賞(銀熊賞)など世界各地で数々の賞に輝いたドイツ映画。

父親から受けたトラウマを抱える9歳の少女ベニーは手のつけようがないほど攻撃的で、里親やグループホーム、特別支援学級など行く先々で問題を起こしていた。ベニー本人は母親のもとへ帰ることを望んでいたが、母親はベニーに愛情を持ちながらも接し方がわからず、施設に押しつけ続けている。そんな中、非暴力トレーナーのミヒャは3週間の隔離療法を提案し、ベニーと2人きりで森の山小屋で過ごすことに。はじめのうちは文句を言い続けていたベニーだったが、徐々にミヒャに対して心を開き始める。

本作出演後に「この茫漠たる荒野で」でハリウッドデビューを果たしたヘレナ・ゼンゲルが主人公ベニーを熱演し、「西部戦線異状なし」のアルブレヒト・シュッフがトレーナーのミヒャを演じた。監督・脚本は、本作が長編デビュー作となるノラ・フィングシャイト

『魂』はあるものの制御不能。9歳の娘を恐れ怯えた母親は逃亡し、多くの人々が彼女に関わり社会的コストは莫大になるも、対処しようがない。お先真暗な状態で、日本では「月」という作品が生み出され、ドイツではこうなる。どちらにしろ、暗澹たる未来だ。

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