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2024-117M 「悪は存在しない」☆☆☆

Sakuhasonzaishinai邦題:悪は存在しない
時間:106分
公開:2024-04-26
製作年度:2023
製作国:日本
配給:Incline
製作総指揮:原田将 徳山勝巳
製作:高田聡
監督:濱口竜介
脚本:濱口竜介
原作:
撮影:北川喜雄
音楽:石橋英子
出演:大美賀均(巧)、西川玲(花)、小坂竜士(高橋)、渋谷采郁(黛)、菊池葉月、三浦博之、鳥井雄人、山村崇子、長尾卓磨、宮田佳典、田村泰二郎

「ドライブ・マイ・カー」でアカデミー国際長編映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞、「偶然と想像」でベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞するなど国際的に高く評価される濱口竜介監督が、カンヌ、ベルリンと並ぶ世界3大映画祭のひとつであるベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)受賞を果たした長編作品。「ドライブ・マイ・カー」でもタッグを組んだ音楽家・シンガーソングライターの石橋英子と濱口監督による共同企画として誕生した。

自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からも近いため近年移住者が増加傾向にあり、ごく緩やかに発展している。代々その地に暮らす巧は、娘の花とともに自然のサイクルに合わせた慎ましい生活を送っているが、ある時、家の近くでグランピング場の設営計画が持ち上がる。それは、コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が、政府からの補助金を得て計画したものだった。しかし、彼らが町の水源に汚水を流そうとしていることがわかったことから町内に動揺が広がり、巧たちの静かな生活にも思わぬ余波が及ぶことになる。

石橋がライブパフォーマンスのための映像を濱口監督に依頼したことから、プロジェクトがスタート。その音楽ライブ用の映像を制作する過程で、1本の長編映画としての本作も誕生した。2023年・第80回ベネチア国際映画祭では銀獅子賞(審査員大賞)を受賞したほか、映画祭本体とは別機関から授与される国際批評家連盟賞、映画企業特別賞、人・職場・環境賞の3つの独立賞も受賞した。

欧州で評価されるということは、こういうこと。其処を理解しないと『作家性の高い』作品に、観客は呆気にとられるだろう。松竹ヌーヴェルヴァーグと呼ばれた大島渚たちの、独善的で実験的な作品群への、高評価と興行収入の乖離に似た匂いがする。そのため濱口監督の前作を、全く評価できない僕は、ル・シネマの満席に近い観客席に驚きを禁じ得ない。

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