2023-246M 「瞳をとじて」☆☆☆★★★
原題:Cerrar los ojos
邦題:瞳をとじて
時間:169分
公開:2024-02-09
製作年度:2023
製作国:スペイン
配給:ギャガ
製作総指揮:クリスティーナ・スマラガ
製作:クリスティーナ・スマラガ パブロ・ボッシ ビクトル・エリセ ホセ・アルバ オディール・アントニオ=バエス アグスティン・ボッシ ポル・ボッシ マキシミリアーノ・ラサンスキー
監督:ビクトル・エリセ
脚本:ビクトル・エリセ ミシェル・ガスタンビデ
原作:ビクトル・エリセ
撮影:バレンティン・アルバレス
音楽:フェデリコ・フシド
出演:マノロ・ソロ(ミゲル・ガライ)、ホセ・コロナド(フリオ・アレナス/ガルデル)、アナ・トレント(アナ・アレナス)、ペトラ・マルティネス(シスター・コンスエロ)、マリア・レオン(ベレン・グラナドス)、マリオ・パルド(マックス・ロカ)、エレナ・ミケル(マルタ・ソリアーノ)、アントニオ・デチェント(ティコ・マジョラル)、ホセ・マリア・ポウ(フェラン・ソレル(ミスター・レヴィ))、ソレダ・ビジャミル(ロラ・サン・ロマン)、フアン・マルガージョ(ドクター・ベナビデス)、ベネシア・フランスコ(チャオ・シュー)
「ミツバチのささやき」などで知られるスペインの巨匠ビクトル・エリセが31年ぶりに長編映画のメガホンをとり、元映画監督と失踪した人気俳優の記憶をめぐって繰り広げられる物語を描いたヒューマンミステリー。
映画監督ミゲルがメガホンをとる映画「別れのまなざし」の撮影中に、主演俳優フリオ・アレナスが突然の失踪を遂げた。それから22年が過ぎたある日、ミゲルのもとに、かつての人気俳優失踪事件の謎を追うテレビ番組から出演依頼が舞い込む。取材への協力を決めたミゲルは、親友でもあったフリオと過ごした青春時代や自らの半生を追想していく。そして番組終了後、フリオに似た男が海辺の施設にいるとの情報が寄せられ……。
「コンペティション」のマノロ・ソロが映画監督ミゲル、「ロスト・ボディ」のホセ・コロナドが失踪した俳優フリオを演じ、「ミツバチのささやき」で当時5歳にして主演を務めたアナ・トレントがフリオの娘アナ役で出演。
今年はウディ・アレンの「サンセバスチャンへようこそ」もそうだったが、老境の映画監督が「映画愛」を全面に描いて、さらに自らの人生の再検討をしている作品に出合う年のようだ。本作も、エリセ監督の「もうひとつの可能性ある自らの人生と映画についての決着」を描いたように思える。
物語は、失踪した友人でもある俳優フリオを探すミゲル監督のロードムービー的な、仕立て。しかし、31年も映画監督としてのブランク、さらにデビュー作のヒロインだったアナ・トレントが、「ミツバチのささやき」の役名と同じアナとして出演するという、スクリーンに描かれる虚構が現実と合わせ鏡のようになっている。
さまざまな名作映画への目配せやオマージュ、そしてデジタルなんかじゃなくて「フィルムであることが必須」という思い。閉鎖したフィルム上映の映画館でのクライマックス。エリセ監督の「映画の葬送」に思えてならない。
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