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2023-314M 「哀れなるものたち」☆☆☆★★

Sawarenarumonotachi原題:Poor Things
邦題:哀れなるものたち
時間:141分
公開:2024-01-26
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:オリー・マッデン ダニエル・バトセック
製作:エド・ギニー アンドリュー・ロウ ヨルゴス・ランティモス エマ・ストーン
監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:トニー・マクナマラ
原作:アラスター・グレイ
撮影:ロビー・ライアン
音楽:ジェルスキン・フェンドリックス
出演:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフ

「女王陛下のお気に入り」のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組み、スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を映画化。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で最高賞の金獅子賞を受賞した。

不幸な若い女性ベラは自ら命を絶つが、風変わりな天才外科医ゴッドウィン・バクスターによって自らの胎児の脳を移植され、奇跡的に蘇生する。「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられた彼女は、放蕩者の弁護士ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体を持ちながら新生児の目線で世界を見つめるベラは時代の偏見から解放され、平等や自由を知り、驚くべき成長を遂げていく。

プロデューサーも務めるストーンが純粋無垢で自由奔放な主人公ベラを熱演し、天才外科医ゴッドウィンをウィレム・デフォー、弁護士ダンカンをマーク・ラファロが演じる。「女王陛下のお気に入り」「クルエラ」のトニー・マクナマラが脚本を担当。

 今年のベネチア映画祭で最高賞である金獅子賞を受賞したという超話題作だが、思いっ切りR18。しかし映画史に残るR18なのかもしれない。このあたりの論考では「ラストタンゴ・イン・パリ」(ベルナルド・ベルトリッチ監督 1972年)や、存在価値は違うが「エマニエル夫人」(ジュスト・ジャカン監督 1974年)を交えて語られるだろうが、それは専門家に任せておこう。
 本作はスコットランドの小説家アラスター・グレイの原作だという。映画を信じるなら官能幻想ロードムービー小説なのだろう。ウィレム・デフォーは、これまた北欧の狂才ラース・トン・フォリアーの諸作、特に「アンチクライスト」(2009年)などで竿を振るっていた。しかし本作では狂気の天才外科医。醜いブラック・ジャック役だ。なにより、製作にも加わって力瘤の入っているエマ・ストーンが演じる主人公ベラが凄い。しかしこの凄さはレビューでは語らない方が良いだろう。まず、絶対観ろ。
 倫理を超越した科学的医学的実験で生まれた「無垢(イノセンス)」な女性の自分探しのロードムービー。そうとう身体を張った、彼女の自己(自我)が覚醒していく過程を、観客は爆笑しながら眺めることになる。その純粋無垢に、喪失しきった倫理の奇妙さに。スクリーンのこちら側の「全うな道徳を幻想している観客」とは別の世界であるという、歪んだ風景のなかで、観る者に正気を確かめさせるヨルゴス・ランティモス監督の挑発に、僕らは打ちのめされる。
 そして、このうえなく、純粋な「愛」についての物語であることに、溜息が出る。

 

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2023-313M 「春の画 SHUNGA」☆☆☆

Sharunoe邦題:春の画 SHUNGA
時間:121分
公開:2023-11-24
製作年度:2023
製作国:日本
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
製作総指揮:
製作:中西一雄 小林敏之
監督:平田潤子
脚本:
原作:
撮影:山崎裕 高野大樹
音楽:原摩利彦
出演:横尾忠則、会田誠、木村了子、石上阿希、早川聞多、浦上満、C.Andrew Gerstle、Michael Fornitz、橋本麻里、朝吹真理子、春画ール、ヴィヴィアン佐藤、樋口一貴、高橋由貴子、山川良一

江戸時代に隆盛を極め、明治時代に禁じられた「春画」の美の世界に迫るドキュメンタリー。

葛飾北斎、喜多川歌麿ら名だたる浮世絵師たちが情熱を注いだことで知られる春画。絵師・彫師・摺師の才能と高度な技術によって数多くの名作が生み出されたが、明治時代になると「猥褻画」として警察の取り締まり対象となり、日本文化から姿を消した。そして近年になってようやく、出版物や展覧会を通してアートとしての再評価の機運が高まっている。

ディレクターとして数々のドキュメンタリー番組を手がけてきた平田潤子監督が、北海道から九州、海外にまで足を運んで美術コレクターや浮世絵研究家、美術史家、彫師、画家に取材。バラエティ豊かな傑作の数々を美しい映像で映し出し、エロティシズムだけにとどまらない多彩な表現内容や技巧、創造性に富んだ春画の魅力に迫る。さらに春画をアニメ化し、江戸時代の人々が親しんだその世界をいきいきと描く。アニメパートでは俳優の森山未來と吉田羊が声の出演。

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2023-312M 「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」☆☆☆★★

Stondesaitamabiwakoyori邦題:翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて
時間:116分
公開:2023-11-23
製作年度:2023
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:
製作:大多亮 吉村文雄 川原泰博
監督:武内英樹
脚本:徳永友一
原作:魔夜峰央
撮影:谷川創平
音楽:Face 2 fAKE
出演:GACKT(麻実麗)、二階堂ふみ(壇ノ浦百美)、杏(桔梗魁)、片岡愛之助(嘉祥寺晃)、加藤諒(下川信男)、益若つばさ(おかよ)、小沢真珠(浜野サザエ)、中原翔子(浜野アワビ)、堀田真由(近江美湖)、くっきー!(近江晴樹)、高橋メアリージュン(滋賀のジャンヌダルク)、ダイアン津田(滋賀解放戦線員)、天童よしみ(和歌山解放戦線員)、トミコ・クレア(和歌山の姫君)、藤原紀香(神戸市長)、川崎麻世(京都市長)、モモコ(元大阪府知事)、山村紅葉(京都の女将)、和久井映見(内田直子)、アキラ100%(内田智治)、朝日奈央(若月依希)、矢柴俊博(大宮支部長)、西郷豊(浦和支部長)、水野智則(与野支部長)、廻飛呂男(深谷支部長)、沖田裕樹(川口支部長)、佐野泰臣(上尾支部長)、川口直人(川越支部長)、西岡ゆん(熊谷支部長)、山中崇史(JR埼京線代表)、ゴルゴ松本(JR京浜東北線代表)、杉山裕之(西武新宿線代表)、谷田部俊(西武池袋線代表)、デビット伊東(東武東上線代表)、はなわ(東武伊勢崎線代表)、戸塚純貴(白鵬堂学院の野球部の男)、北村一輝、山本高広、川上千尋、くわばたりえ、坂下千里子、本多力、氏神一番

埼玉県の自虐ネタを詰め込んだ魔夜峰央のギャグ漫画を実写映画化して話題を呼び、興行収入37.6億円の大ヒットを記録した「翔んで埼玉」のシリーズ第2弾。主人公・麻実麗役のGACKT、壇ノ浦百美役の二階堂ふみが引き続き主演を務めた。

東京都民から迫害を受けていた埼玉県人は、麻実麗率いる埼玉解放戦線の活躍によって自由と平和を手に入れた。麗は「日本埼玉化計画」を推し進め、埼玉県人の心をひとつにするため、越谷に海を作ることを計画。そのために必要な白浜の美しい砂を求めて和歌山へと向かう。そこで麗は、関西にもひどい地域格差や通行手形制度が存在しているのを目の当たりにする。そして大阪のめぐらせた陰謀が、やがて日本全土を巻き込む東西対決へと発展していく。

前作で日本アカデミー賞の最優秀監督賞を受賞した武内英樹が引き続きメガホンをとり、脚本も同じく前作で日本アカデミー賞の最優秀脚本賞を受賞した徳永友一が担当。新キャストとして、通行手形制度撤廃に向けて滋賀県人たちを導く「滋賀のオスカル」こと桔梗魁を杏、関西を牛耳る冷酷無慈悲な大阪府知事・嘉祥寺晃を片岡愛之助が演じるほか、堀田真由、くっきー!(野性爆弾)、高橋メアリージュン、津田篤宏(ダイアン)、天童よしみ、藤原紀香、川崎麻世、和久井映見、アキラ100%、朝日奈央、戸塚純貴ら個性的な顔ぶれが続々と登場。

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2023-311M 「ロスト・フライト」☆☆☆★

Slostfligte原題:Plane
邦題:ロスト・フライト
時間:107分
公開:2023-11-23
製作年度:2022
製作国:アメリカ
配給:ポニーキャニオン
製作総指揮:ニック・バウアー ディーパック・ネイヤー アラステア・バーリンガム ゲイリー・ラスキン マイケル・チョー ティム・リー J・P・デイビス ビッキー・ディー・ロック アレン・リウ クリスチャン・グーデガスト エドワード・フィー
製作:ロレンツォ・ディ・ボナベンチュラ マーク・バーラディアン マーク・バタン ジェラルド・バトラー アラン・シーゲル
監督:ジャン=フランソワ・リシェ
脚本:チャールズ・カミング J・P・デイビス
原作:チャールズ・カミング
撮影:ブレンダン・ガルビン
音楽:マルコ・ベルトラミ マーカス・トランプ
出演:ジェラルド・バトラー(ブロディ・トランス)、マイク・コルター(ルイス・ガスパール)、アン・ヨーソン(サミュエル・デレ)、ダニエラ・ピネダ(ボニー・レイン)、ポール・ベン=ヴィクター(テリー・ハンプトン)、レミ・アデレケ(シェルバック)、ジョーイ・スロトニック(マット・シンクレア)、エヴァン・デイン・テイラー(ダチュ・ジュンマー)、クラロー・デ・ロス・レイス(ハジャン)、トニー・ゴールドウィン(スカースデイル)

ジェラルド・バトラー主演で、ゲリラ組織が支配する島に不時着した飛行機の機長が、犯罪者と手を組みながら窮地を乗り越えていく姿を描いたサバイバルアクション。

悪天候のなか、落雷でコントロールを失った航空機のブレイザー119便は、奇跡的にフィリピンのホロ島に不時着する。機長のトランスや乗客ら17名はからくも一命をとりとめたが、不時着した場所は凶暴な反政府ゲリラが支配する無法地帯だった。ゲリラたちが迫りくる中、トランス機長は生き残りをかけ、乗客の1人だった移送中の犯罪者ガスパールと手を組む。

乗客を守るという機長としての責務を全うしようと奮闘するトランス役をバトラーが務め、トランスと手を組むことになる謎めいた犯罪者のガスパール役にドラマ「ルーク・ケイジ」で知られるマイケル・コルター。元MI6という経歴を持つスパイ小説家チャールズ・カミングが執筆した脚本をもとに、「アサルト13 要塞警察」「ジャック・メスリーヌ フランスで社会の敵(パブリック・エネミー)No.1と呼ばれた男」のジャン=フランソワ・リシェ監督がメガホンをとった。

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2023-310M 「首」☆☆☆★

Skubi邦題:首
時間:131分
公開:2023-11-23
製作年度:2023
製作国:日本
配給:東宝、KADOKAWA
製作総指揮:
製作:夏野剛
監督:北野武
脚本:北野武
原作:北野武
撮影:浜田毅
音楽:岩代太郎
出演:北野武、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、木村祐一、遠藤憲一、勝村政信、寺島進、桐谷健太、浅野忠信、大森南朋、六平直政、大竹まこと、津田寛治、荒川良々、寛一郎、副島淳、小林薫、岸部一徳

北野武が構想に30年を費やして監督・脚本を手がけ、「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで活写した戦国スペクタクル映画。武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す。

天下統一を目指す織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。信長は明智光秀や羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。

北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀を西島秀俊、織田信長を加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じる。

アウトレイジの戦国時代劇版。

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2023-309M 「ネクスト・ゴール・ウィンズ」☆☆☆★

Snextgoalwins原題:Next Goal Wins
邦題:ネクスト・ゴール・ウィンズ
時間:104分
公開:2024-02-23
製作年度:2023
製作国:イギリス・アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:アンディ・サーキス ウィル・テナント キャスリン・ディーン ジョシュ・マクラグレン
製作:ジョナサン・カベンディッシュ ギャレット・バッシュ タイカ・ワイティティ マイク・ブレット スティーブ・ジェイミソン
監督:タイカ・ワイティティ
脚本:タイカ・ワイティティ イアン・モリス
原作:
撮影:ラクラン・ミルン
音楽:マイケル・ジアッキノ
出演:マイケル・ファスベンダー、オスカー・ナイトリー、レイチェル・ハウス、ビューラ・コアレ、エリザベス・モス

2001年、ワールドカップ予選史上最悪の0-31の大敗を喫して以来、1ゴールも決められていない米領サモアチームに、次の予選が迫っていた。破天荒な性格でアメリカを追われた鬼コーチ、トーマス・ロンゲンが就任し、立て直しを図るが、果たして奇跡の1勝は挙げられるのか!?
実話をベースに『ジョジョ・ラビット』『ソー:ラブ&サンダー』のタイカ・ワイティティが、全ての“負けを知る”人々にエールを贈る、感動と興奮のスポーツ・コメディドラマ。

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2023-308M 「梟―フクロウ―」☆☆☆★

Sfukurou原題:The Night Owl
邦題:梟―フクロウ―
時間:118分
公開:2024-02-09
製作年度:2022
製作国:韓国
配給:ショウゲート
製作総指揮:キム・ウテク
製作:
監督:アン・テジン
脚本:アン・テジン
原作:
撮影:キム・テギョン
音楽:ファン・サンジュン
出演:リュ・ジョンヨル、ユ・ヘジン

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2023-307M 「デシベル」☆☆☆

Sdesiberu原題:Decibel
邦題:デシベル
時間:110分
公開:2023-11-10
製作年度:2022
製作国:韓国
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:
監督:ファン・イノ
脚本:
原作:
撮影:パク・ジョンチョル
音楽:モク・ヨンジン
出演:キム・レウォン(カン・ドヨン)、イ・ジョンソク(高IQテロリスト)、チョン・サンフン(オ・デオ)、パク・ビョンウン(チャ・ヨンハン)、チャウヌ(チョン・テリョン)、イ・サンヒ(チャン・ユジョン)、チョ・ダルファン(ノ曹長)、イ・ミンギ(ファン大尉)

大都会の釜山に仕掛けられた、音に反応する特殊な爆弾を用いたテロとの手に汗握る攻防を描いたパニックアクション。

韓国有数の大都会・釜山のある一軒家で、爆破事件が発生。そのニュースを目にした元海軍副長カン・ドヨンのもとに、一本の電話がかかってくる。それは爆破事件を起こした犯人からのものだった。犯人は次のターゲットがサッカースタジアムであることを知らせ、通報したり観客を避難させたりしたら、爆弾はすぐさま爆発すると脅してくる。そして、そこに仕掛けられた爆弾は普通のものではなく、周囲の騒音が一定のデシベルを超えると制限時間が半減して爆発するという特殊なものだった。ドヨンは事態を把握する間もなく、5万人の観衆で埋め尽くされたスタジアムへ急ぐ。仕掛けられた爆弾を捜索するなかで、犯人がドヨンを脅迫してきた理由や、事件の意外な真相が次第に明らかになっていく。

主人公カン・ドヨンを「江南ブルース」のキム・レウォン、爆弾魔を「THE WITCH 魔女 増殖」のイ・ジョンソクが演じる。また、人気K-POPボーイズグループ「ASTRO」のチャウヌが映画初出演を飾り、重要な役割を果たす海軍潜水艦音響探知下士官チョン・テリョンを演じている。監督は「その怪物」のファン・イノ。

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2023-306M 「忘れられし愛」☆☆☆★★

Swasurerareshi_20231117153501原題:Znachor
邦題:忘れられし愛
時間:140分
公開:2023-09-27
製作年度:2023
製作国:ポーランド
配給:Netflix
製作総指揮:
製作:
監督:ミハウ・ガズダ
脚本:マルチン・バチンスキ マリウシュ・クチェフスキ
原作:タデウシュ・ドウェンガ=モストヴィッチ
撮影:トマシュ・アグスティネク
音楽:
出演:レシェク・リホタ、マリア・コバルスカ、イグナツィ・リス、アンナ・シマンチク、イザベラ・クナ、ミロスワフ・ハニシェフスキ、アルトゥル・バルチシュ

「忘れられし愛」は、有能な外科医であるラファウ・ヴィチューラが、妻に捨てられた末に強盗に遭って怪我を負い、その後遺症で記憶を失う物語。本作は、タデウシュ・ドウェンガ=モストヴィッチによるポーランドで有名な小説「Znachor (原題)」 が原作。

KCCのM田くんに推薦されて視聴。

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2023-305M 「僕らの世界が交わるまで」☆☆☆★

Sbokuranosekaigamajiwarumade原題:When You Finish Saving the World
邦題:僕らの世界が交わるまで
時間:88分
公開:2024-01-19
製作年度:2022
製作国:アメリカ
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
製作総指揮:ベッキー・グルプカンスキー
製作:デイブ・マッカリー エマ・ストーン アリ・ハーティング
監督:ジェシー・アイゼンバーグ
脚本:ジェシー・アイゼンバーグ
原作:
撮影:ベンジャミン・ローブ
音楽:エミール・モッセリ
出演:ジュリアン・ムーア、フィン・ウルフハード、アリーシャ・ボー、ジェイ・О・サンダース、ビリー・ブリック、エレオノール・ヘンドリックス

「ソーシャル・ネットワーク」「ゾンビランド」シリーズなどの俳優ジェシー・アイゼンバーグが長編初メガホンをとったヒューマンドラマ。アイゼンバーグがオーディオブック向けに制作したラジオドラマをもとに自ら脚本を手がけ、ちぐはぐにすれ違う母と息子が織りなす人間模様を描く。

DV被害に遭った人々のためのシェルターを運営する母エブリンと、ネットのライブ配信で人気を集める高校生の息子ジギー。社会奉仕に身を捧げる母と自分のフォロワーのことで頭がいっぱいのZ世代の息子は、お互いのことを分かり合えず、すれ違ってばかり。そんな2人だったが、各々がないものねだりの相手にひかれて空回りするという、親子でそっくりなところもあり、そのことからそれぞれが少しずつ変化していく。

「アリスのままで」のジュリアン・ムーアが母エブリン、ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」シリーズのフィン・ウルフハードが息子ジギーを演じた。「ラ・ラ・ランド」「クルエラ」の俳優エマ・ストーンが製作に名を連ねる。

配信試写。2024年1月公開

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2023-304M 「劇場版 ポールプリンセス!!」☆☆☆

Spoalprinces邦題:劇場版 ポールプリンセス!!
時間:60分
公開:2023-11-23
製作年度:2023
製作国:日本
配給:
製作総指揮:
製作:
監督:江副仁美
脚本:待田堂子
原作:エイベックス・ピクチャーズ タツノコプロ
撮影:
音楽:東大路憲太
出演:土屋李央(星北ヒナノ)、鈴木杏奈(西条リリア)、小倉唯(東坂ミオ)、日向未南(南曜スバル)、南條愛乃(御子白ユカリ)、日高里菜(紫藤サナ)、早見沙織(蒼唯ノア)、釘宮理恵(芯央アズミ)

ポールダンスの美しさに魅せられて人生を変えていく少女たちの努力と成長を描いたYouTubeオリジナルアニメ「ポールプリンセス!!」の劇場版。

ポールダンスの世界に飛び込んだ星北ヒナノ、西条リリア、東坂ミオ、南曜スバルの4人の少女たちは、全国から屈指のポールダンサーたちが集まる大会「ポールダンスジャパンカップ」に、チーム「ギャラクシープリンセス」として出場することに。思うように上達しないことへの焦りや、過去の挫折が原因で壁にぶつかりながらも、互いの気持ちに寄り添ってチームとして成長していく。そんな彼女たちの前に、大会4連覇中の王者「エルダンジュ」が立ちはだかる。より高度なパフォーマンスを求められる彼女たちもまた、それぞれの思いを胸に練習に励んでいた。

配信試写。

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2023-303M 「法廷遊戯」☆☆☆★

Steiyugi邦題:法廷遊戯
時間:97分
公開:2023-11-10
製作年度:2023
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:
製作:吉村文雄 小林敏之 松本智 東城祐司
監督:深川栄洋
脚本:松田沙也
原作:五十嵐律人
撮影:石井浩一
音楽:安川午朗
出演:永瀬廉(久我清義(セイギ))、杉咲花(織本美鈴)、北村匠海(結城馨)、柄本明(奈倉哲)、生瀬勝久(釘宮昌治)、筒井道隆(佐久間悟)、大森南朋(沼田大悟)

第62回メフィスト賞を受賞した作家・弁護士の五十嵐律人による法廷ミステリー小説を、アイドルグループ「King & Prince」の永瀬廉主演で映画化。

弁護士を目指してロースクールに通うセイギこと久我清義(きよよし)と、同じ学校で法律を学ぶ幼なじみの織本美鈴、2人の同級生でロースクールの学生たちが行う「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨は、共に勉強漬けの毎日を送っていた。無事に司法試験に合格し、弁護士となった清義のもとに、ある時、馨から無辜ゲームをやろうという誘いがくる。しかし、呼び出された場所へ行くとそこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿があった。この事件をきっかけに、3人をめぐる過去と真実が浮かびあがっていき、事態は二転三転していく。

主人公セイギを永瀬、美鈴を杉咲花、馨を北村匠海が演じ、ロースクールの教授・奈倉哲役で柄本明、セイギの過去を知る弁護士・釘宮昌治役で生瀬勝久、警察官である馨の父・悟役で筒井道隆、物語の鍵を握る何でも屋・沼田大悟役で大森南朋が共演。「神様のカルテ」の深川栄洋監督がメガホンをとり、「総理の夫」の松田沙也が脚本を手がけた。

なんか、もうひとつ強引な物語だなあ。

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2023-302M 「正欲」☆☆☆★

Sseiyoku邦題:正欲
時間:134分
公開:2023-11-10
製作年度:2023
製作国:日本
配給:ビターズ・エンド
製作総指揮:石井紹良 神山健一郎 定井勇二 飯島三智
製作:中村優子
監督:岸善幸
脚本:港岳彦
原作:朝井リョウ
撮影:夏海光造
音楽:岩代太郎
出演:稲垣吾郎(寺井啓喜)、新垣結衣(桐生夏月)、磯村勇斗(佐々木佳道)、佐藤寛太(諸橋大也)、東野絢香(神戸八重子)、山田真歩(寺井由美)、宇野祥平(越川秀己)、渡辺大知(西山修)、徳永えり(那須沙保里)、岩瀬亮(矢田部陽平)、坂東希(高見優芽)、山本浩司(夏月と佳道の中学時代の担任教師)

第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウの同名ベストセラー小説を、稲垣吾郎と新垣結衣の共演で映画化。「あゝ、荒野」の監督・岸善幸と脚本家・港岳彦が再タッグを組み、家庭環境、性的指向、容姿などさまざまな“選べない”背景を持つ人々の人生が、ある事件をきっかけに交差する姿を描く。

横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、不登校になった息子の教育方針をめぐり妻と衝突を繰り返している。広島のショッピングモールで契約社員として働きながら実家で代わり映えのない日々を過ごす桐生夏月は、中学の時に転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。大学のダンスサークルに所属する諸橋大也は準ミスターに選ばれるほどの容姿だが、心を誰にも開かずにいる。学園祭実行委員としてダイバーシティフェスを企画した神戸八重子は、大也のダンスサークルに出演を依頼する。

啓喜を稲垣、夏月を新垣が演じ、佳道役で磯村勇斗、大也役で佐藤寛太、八重子役で東野絢香が共演。第36回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、最優秀監督賞および観客賞を受賞した。

フェチっていうもののヴァリエーションを理解できないとね。しかし「普通」でいられないが「普通」のフリをして耐え続けている登場人物たちの群像。そこに共感できるか、というのが作品への鑑賞アプローチの重要ポイントとなる。原作を読んではいないので、本作の是非を断ずる資格は無いが(多分)、そんな特殊な嗜好の人々だらけなのか?この世の中は!という点で背筋が凍る。それがある意味、綺麗ごとな単語で「ダイバーシティ」と呼ばれて<異常の隠蔽>が現実世界の姿だ、ということらしいので、絶望する。

 

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2023-301 「ザ・キラー」☆☆☆★★

Sthekiller_20231113121901原題:The Killer
邦題:ザ・キラー
時間:113分
公開:2023-10-27
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:Netflix
製作総指揮:アレクサンドラ・ミルチャン
製作:セアン・チャフィン
監督:デビッド・フィンチャー
脚本:アンドリュー・ケビン・ウォーカー
原作:アレクシス・ノレント
撮影:エリック・メッサーシュミット
音楽:トレント・レズナー アティカス・ロス
出演:マイケル・ファスベンダー、ティルダ・スウィントン、アーリス・ハワード、チャールズ・パーネル、ソフィー・シャーロット、ガブリエル・ポランコ、ケリー・オマリー、エミリアーノ・ペルニア、サラ・ベイカー

「セブン」「ファイト・クラブ」「ソーシャル・ネットワーク」など数多くの名作を生み出した鬼才デビッド・フィンチャー監督が、アカデミー賞10部門にノミネートされた前作「Mank マンク」に続いてNetflixオリジナル映画として手がけた作品で、マイケル・ファスベンダーを主演に迎えて描いたサスペンススリラー。

とあるニアミスによって運命が大きく転換し、岐路に立たされた暗殺者の男が、雇い主や自分自身にも抗いながら、世界を舞台に追跡劇を繰り広げる。アレクシス・ノレントによる同名グラフィックノベルを原作に、「セブン」のアンドリュー・ケビン・ウォーカーが脚本を手がけた。撮影は「Mank マンク」でアカデミー撮影賞を受賞したエリック・メッサーシュミット。音楽を「ソーシャル・ネットワーク」以降のフィンチャー作品に欠かせないトレント・レズナー&アティカス・ロスが担当した。

主人公の暗殺者を演じるファスベンダーのほか、ティルダ・スウィントン、「Mank マンク」のアーリス・ハワード、「トップガン マーヴェリック」のチャールズ・パーネルらが出演。2023年・第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。Netflixで2023年11月10日から配信。それに先立ち10月27日から一部劇場で公開。

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2023-300M 「理想郷」☆☆☆★

Srisokyo原題:As bestas
邦題:理想郷
時間:138分
公開:2023-11-03
製作年度:2022
製作国:スペイン・フランス
配給:アンプラグド
製作総指揮:サンドラ・タピア
製作:トマ・ピバロ アン=ロール・ラバディ ジャン・ラバディ ロドリゴ・ソロゴイェン ナチョ・ラビージャ エドゥアルド・ビジャヌエバ サンドラ・タピア イグナジ・エスタペ イボン・コメンサナ
監督:ロドリゴ・ソロゴイェン
脚本:ロドリゴ・ソロゴイェン イサベル・ペーニャ
原作:
撮影:アレハンドロ・デ・パブロ
音楽:オリビエ・アルソン
出演:ドゥニ・メノーシェ(アントワーヌ)、マリナ・フォイス(オルガ)、ルイス・サエラ(シャン)、ディエゴ・アニード(ロレンソ)、マリー・コロン(マリー)

田舎に移住した夫婦が閉鎖的な村で住民との対立を激化させていく姿を、スペインで実際に起きた事件を基に映画化した心理スリラー。「おもかげ」のロドリゴ・ソロゴイェンが監督・脚本を手がけ、主人公夫婦の夫を中心に描く第1部と、妻を中心にした第2部の2部構成で描く。

フランス人の夫婦アントワーヌとオルガは、スローライフを求めてスペインの山岳地帯にある小さな村に移住する。しかし村人たちは慢性的な貧困問題を抱え、穏やかとは言えない生活を送っていた。隣人の兄弟は新参者の夫婦を嫌い、彼らへの嫌がらせをエスカレートさせていく。そんな中、村にとっては金銭的利益となる風力発電のプロジェクトをめぐって夫婦と村人の意見が対立する。

「ジュリアン」のドゥニ・メノーシェが夫アントワーヌ、「私は確信する」のマリナ・フォイスが妻オルガを演じる。2022年・第37回ゴヤ賞で主要9部門を受賞するなど、世界各国で数々の映画賞を受賞。第35回東京国際映画祭では「ザ・ビースト」のタイトルで上映され、東京グランプリ(最優秀作品賞)、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞を受賞。

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2023-298M 「マーベルズ」☆☆★★★

Smaevels原題:The Marvels
邦題:マーベルズ
時間:105分
公開:2023-11-10
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:ルイス・デスポジート ビクトリア・アロンソ メアリー・リバノス ジョナサン・シュワルツ マシュー・ジェンキンス
製作:ケビン・ファイギ
監督:ニア・ダコスタ
脚本:ニア・ダコスタ ミーガン・マクドネル エリッサ・カラシク
原作:
撮影:ショーン・ボビット
音楽:ローラ・カープマン
出演:ブリー・ラーソン(キャプテン・マーベル/キャロル・ダンヴァース)、イマン・ヴェラーニ(ミズ・マーベル/カマラ・カーン)、テヨナ・パリス(モニカ・ランボー)、サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)、パク・ソジュン

マーベル・コミックのヒーローたちが活躍する作品群「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の一作で、アベンジャーズ最強ともいわれる女性ヒーロー、キャプテン・マーベルを主役に描いた映画「キャプテン・マーベル」に続くシリーズ第2弾。キャプテン・マーベルが、アベンジャーズオタクな高校生ヒーローのミズ・マーベルと、宇宙ステーション「S.A.B.E.R.(セイバー)」に所属する敏腕エージェントのモニカ・ランボーとチームを結成する。

規格外のパワーと不屈の心を兼ね備え、ヒーロー不在の惑星を守るため幅広く宇宙で活動していたキャプテン・マーベル。そんな彼女のある過去を憎み、復讐を企てる謎の敵が出現する。時を同じくして、キャプテン・マーベルと、まだ若い新世代ヒーローのミズ・マーベル、強大なパワーを覚醒させたばかりのモニカ・ランボーの3人が、それぞれのパワーを発動するとお互いが入れ替わってしまうという謎の現象が起こる。原因不明のこの現象に困惑するなか、地球には未曽有の危機が迫り、キャプテン・マーベルはミズ・マーベル、モニカ・ランボーと足並みのそろわないチームを結成することになるが……。

キャプテン・マーベル役はオスカー俳優のブリー・ラーソン。ミズ・マーベルことカマラ・カーンをドラマシリーズ「ミズ・マーベル」に続きイマン・ベラーニ、モニカ・ランボー役をドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」に続きテヨナ・パリスがそれぞれ演じる。MCU作品に数多く関わってきた、サミュエル・L・ジャクソン扮するニック・フューリーも登場。大ヒットドラマ「梨泰院クラス」のパク・ソジュンが出演し、ハリウッドデビューを飾る。メガホンをとったのは「キャンディマン」の女性監督ニア・ダコスタ。

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2023-297M 「ヨーロッパ新世紀」☆☆☆

Seuroshinseiki原題:R.M.N.
邦題:ヨーロッパ新世紀
時間:127分
公開:2023-10-14
製作年度:2022
製作国:ルーマニア・フランス・ベルギー
配給:活弁シネマ倶楽部、インターフィルム
製作総指揮:チューダー・レウ
製作:クリスティアン・ムンジウ
監督:クリスティアン・ムンジウ
脚本:クリスティアン・ムンジウ
原作:
撮影:トゥドル・ブラディミール・パンドゥル
音楽:
出演:マリン・グリゴーレ(マティアス)、ユディット・スターテ(シーラ)、マクリーナ・バルラダーヌ(アナ)、オルソルヤ・モルドヴァン(デーネシュ夫人)、アンドレイ・フィンティ(パパ・オットー)、マーク・ブレニッシ(ルディ)、オビテュ・クリサン(バチウ)

「4ヶ月、3週と2日」などで世界的に高く評価されるルーマニアの名匠クリスティアン・ムンジウが、トランシルバニア地方の小さな村で起こった些細な対立が深刻な紛争へと発展していく様子を通し、多くの火種を抱えた現代ヨーロッパの危うい状況をあぶり出した社会派サスペンス。

出稼ぎ先のドイツで暴力事件を起こし、トランシルバニアの村に帰って来たマティアス。しかし妻との関係は冷えきっており、森で起きた事件をきっかけに口がきけなくなった息子や衰弱した父との関係も上手くいかない。元恋人シーラに心の安らぎを求めるマティアスだったが、シーラが責任者を務める地元の工場がアジアからの外国人労働者を雇ったことをきっかけに、よそ者を異端視する村人との間に不穏な空気が流れはじめる。

2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品。

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2023-297M 「ナポレオン」☆☆☆★

Snaporeon原題:Napoleon
邦題:ナポレオン
時間:158分
公開:2023-12-01
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:レイモンド・カーク エイダン・エリオット マイケル・プラス
製作:ケビン・J・ウォルシュ マーク・ハフマン ホアキン・フェニックス リドリー・スコット
監督:リドリー・スコット
脚本:デビッド・スカルパ
原作:
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:
出演:ホアキン・フェニックス、バネッサ・カービー、タハール・ラヒム、マーク・ボナー、ルパート・エベレット、ユーセフ・カーコア

12月公開の注目必見の一本だろう。

「グラディエーター」の巨匠リドリー・スコット監督が「ジョーカー」のホアキン・フェニックスを主演に迎え、フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトの人物像を新解釈で描いた歴史スペクタクル。

18世紀末、革命の混乱に揺れるフランス。若き軍人ナポレオンは目覚ましい活躍を見せ、軍の総司令官に任命される。ナポレオンは夫を亡くした女性ジョゼフィーヌと恋に落ち結婚するが、ナポレオンの溺愛ぶりとは裏腹に奔放なジョゼフィーヌは他の男とも関係を持ち、いつしか夫婦関係は奇妙にねじ曲がっていく。その一方で英雄としてのナポレオンは快進撃を続け、クーデターを成功させて第一統領に就任、そしてついにフランス帝国の皇帝にまで上り詰める。政治家・軍人のトップに立ったナポレオンと、皇后となり優雅な生活を送るジョゼフィーヌだったが、2人の心は満たされないままだった。やがてナポレオンは戦争にのめり込み、凄惨な侵略と征服を繰り返すようになる。

妻ジョゼフィーヌ役に「ミッション:インポッシブル」シリーズのバネッサ・カービー。「ゲティ家の身代金」でもスコット監督と組んだデビッド・スカルパが脚本を手がけた。

 

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2023-296M 「アアルト」☆☆☆★

Saalto原題:Aalto
邦題:アアルト
時間:103分
公開:2023-10-13
製作年度:2020
製作国:フィランド
配給:ドマ
製作総指揮:
製作:ビルピ・スータリ マルティ・スオサロ
監督:ビルピ・スータリ
脚本:ビルピ・スータリ
原作:
撮影:へイッキ・ファルム ヤニ・クンプライネン
音楽:サンナ・サルメンカッリオ
出演:アルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト

フィンランド出身の世界的建築家・デザイナーのアルバ・アアルトの人生と作品にスポットを当てたドキュメンタリー。

不朽の名作として愛され続ける「スツール60」、アイコン的アイテムである花器「アアルトベース」、自然との調和が見事な「ルイ・カレ邸」など、優れたデザインの家具・食器や数々の名建築を手がけたアルバ・アアルト。同じく建築家であった妻アイノとともに物を創造していく過程とその人生の軌跡を、観客が映像ツアーに参加しているかのような独創的なスタイルで描き出す。さらに、アイノと交わした手紙の数々や、同世代の建築家、友人たちの証言を通し、アアルトの知られざる素顔を浮き彫りにしていく。

フィンランドの新鋭女性監督ビルピ・スータリが手がけ、同国のアカデミー賞と言われるユッシ賞で音楽賞と編集賞を受賞。

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2023-295M 「火の鳥 エデンの花」☆☆★★

Shinotorieden邦題:火の鳥 エデンの花
時間:95分
公開:2023-11-03
製作年度:2023
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:
製作:
監督:西見祥示郎
脚本:真野勝成 木ノ花咲
原作:手塚治虫
撮影:
音楽:村松崇継
出演:宮沢りえ、窪塚洋介、吉田帆乃華、イッセー尾形

手塚治虫の名作漫画「火の鳥」全12編のうち、地球と宇宙の未来を描いた「望郷編」をアニメ映画化。

訳あって地球から逃亡し、辺境惑星エデン17に降り立ったロミと恋人ジョージ。しかし未開の惑星での生活は厳しく、ジョージは事故で命を落としてしまう。ロミは1人息子のために自分の命を引き延ばそうとコールドスリープに入るが、機械の故障で1300年間も眠り続けてしまう。ようやく目覚めたロミは、新人類が築いた巨大な町・エデン17の女王となる。ある日、ロミの望郷の思いを知った心優しい少年コムは、ロミとともに地球を目指すべく広大な宇宙へと旅に出る。

宮沢りえが主人公ロミ役、窪塚洋介が恋人ジョージ役、吉田帆乃華が少年コム役、イッセー尾形がよろず屋ズダーバン役で声の出演。「海獣の子供」などのSTUDIO4℃がアニメーション制作を手がけ、「ムタフカズ」の西見祥示郎が監督を務めた。本作とはエンディングの異なる配信版「火の鳥 エデンの宙」が、Disney+で2023年9月13日から配信。

キャラクターの造形&作画が決定的に僕の趣味やイメージに合わず残念作。なぜ今この作品なのか?という意義が感じられない。アニメを進化させるような実験性もなく、普通の2D作品なのだ。

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2023-294M 「Bi Gan A SHORT STORY ビー・ガン ショート・ストーリー」☆☆☆★

Sbegantanpen原題:破碎太陽之心 A Short Story
邦題:Bi Gan A SHORT STORY ビー・ガン ショート・ストーリー
時間:15分
公開:2023-10-27
製作年度:2022
製作国:中国・フランス
配給:リアリーライクフィルムズ
製作総指揮:
製作:ビー・ガン
監督:ビー・ガン
脚本:ビー・ガン
原作:
撮影:リー・ジアネン
音楽:ウァン・ウェン
出演:タン・ジュオ、チェン・ヨンゾン、チェン・グーファ

「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」で知られる中国のビー・ガン監督が、黒猫とカカシと3人の奇人が織りなす奇想天外な物語を、詩的な映像と寓話的世界観でつづったショートフィルム。もともとは上海を拠点にパリなどで商品展開する猫グッズのブランド「Pidan」の依頼によって制作されたが、そのクオリティの高さから2022年・第75回カンヌ国際映画祭の短編部門にて発表された。

変わり者の孤独な黒猫が、自由を求めるカカシに「この世の中で、一番大切なものは?」と質問する。答えに困ったカカシは、黒猫に3人の奇人と会うよう告げる。黒猫は、ほろ苦さと引き換えに希少な飴を配るロボット、食べると記憶が短くなるという麺をすすって愛する人を忘れようとする女、時間を操る魔法を使えるようになるため劇場に棲みついた悪魔と出会う。

出演は「共謀家族」のタン・ジュオ、「凱里ブルース」のチェン・ヨンゾン。

フォローしている中国の鬼才監督ビー・ガンの短編作品。15分で500円は高いか安いか。

 

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2023-293M 「ゴジラ-1.0」☆☆☆★★

Sgozira2023邦題:ゴジラ-1.0
時間:125分
公開:2023-11-03
製作年度:2023
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:市川南
監督:山崎貴
脚本:山崎貴
原作:
撮影:柴崎幸三
音楽:佐藤直紀
出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介

日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズをはじめ「永遠の0」「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFXを手がけた。

タイトルの「?1.0」の読みは「マイナスワン」。舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。

主演を神木隆之介、ヒロイン役を浜辺美波が務め、2023年4~9月に放送されたNHK連続テレビ小説「らんまん」でも夫婦役を演じて話題を集めた2人が共演。戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じる。そのほか山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介と実力派豪華キャストが共演。

伊福部昭のオリジナルテーマは偉大だ。オキシジェン・デストロイヤーなどの、謎の兵器に頼らない肉弾戦。グッジョブである。ただ大東亜戦争のトラウマを持ち出しても、令和の観客には「死にそこねた(逃げた)特攻隊員』というあたりは、伝わらないだろうなあ。僕らは『広島死闘篇』の山中を連想しちまうくらいに老いているから。まあ、物語構成的に理解はされるだろうなあ、宇宙を舞台の別の物語でも成立してしまうから。

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2023-292M 「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」☆☆☆

Stsundoru邦題:人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした
時間:114分
公開:2023-11-03
製作年度:2023
製作国:日本
配給:日活、KDDI
製作総指揮:
製作:竹澤浩 繁田光平
監督:穐山茉由
脚本:坪田文
原作:大木亜希子
撮影:猪本雅三
音楽:Babi
出演:深川麻衣、松浦りょう、柳ゆり菜、猪塚健太、三宅亮輔、森高愛、河井青葉、柳憂怜、井浦新

元「SDN48」のメンバーで作家として活躍する大木亜希子が自身の体験に基づいて執筆した小説を、元「乃木坂46」の深川麻衣主演で映画化。

元アイドルの安希子は、幸せで充実した人生を歩んでいると自分に言い聞かせながら日々の仕事に励んでいた。しかし、ある日の通勤途中、駅で突然動けなくなってしまう。メンタルを病み会社を辞めることになった安希子は、仕事もなく、男もなく、手残り残高は10万円という厳しい現実に直面する。そんな時、友人から、都内の一軒家でひとり暮らしをする56歳のサラリーマンとの同居生活を提案される。予想外の提案に戸惑いながらも安希子は、ササポンと呼ばれるその中年おじさんとの奇妙な同居生活を始めるが……

2016年まで「乃木坂46」のメンバーとして活動し、実際に元アイドルの経歴をもつ深川麻衣が、主人公の安希子役を務めた。ひょんなことから安希子と同居生活を送ることになる56歳サラリーマンのササポン役を俳優の井浦新が務めた。監督は「月極オトコトモダチ」「シノノメ色の週末」などで注目される新鋭・穐山茉由。

世界観を説明しきった文章的な作品タイトル。久しぶりだ。まあ、原作のタイトルのままらしいので、いたしかたない。ラノベのデフォである説明長文題名なのだろうから。どうやら『#つんドル』と省略通称しているようだ。ぼくら昭和の爺さんには、相当な長文タイトルの『博士の異常なる愛情』という誤訳邦題作品。こいつは天才ピーター・セラーズが八面六臂の活躍をした傑作ポリティカルコメディだった。さらに『マラー・サド』と略称された、実はかなり長文タイトルの、ATG系アート作品が懐古だ。最近では『ボラット』シリーズの長文タイトルが『博士〜』のパロディ的で秀逸だ。
作品はほぼ全額近くKDDI出資製作。自己啓発っぽい『やる気心理学』かな?その助走のための癒しオッサンという構図。バカかっ!と。

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2023-291M 「ドミノ」☆☆☆★

Sdomino 原題:Hypnotic
邦題:ドミノ
時間:94分
公開:2023-10-27
製作年度:2023
製作国:アメリカ
配給:ギャガ、ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:ウォルター・ジョステン パトリック・ジョステン ジョーダン・ワグナー ギャレス・ウェスト クリストファー・ミルバーン マーク・ウィリアムズ ピーター・タッチ クリステル・コナン マイトレーヤ・ヤスダ クリスタル・ブルボ ビンゼント・ブルッツェーゼ ベス・ブルックナー・オブライエン ジェームズ・ポートルース ジョシュア・ソーン
製作:レーサー・マックス・ロドリゲス ジェフ・ロビノフ ジョン・グラハム マーク・ギル リサ・エルジー ロバート・ロドリゲス
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:ロバート・ロドリゲス
原作:ロバート・ロドリゲス
撮影:鍋島淳裕
音楽:渡邊崇
出演:ベン・アフレック(ダニー・ローク)、アリシー・ブラガ(ダイアナ・クルーズ)、J・D・パルド(ニックス)、ダイオ・オケニイ(リバー)、ジェフ・フェイヒー(カール)、ジャッキー・アール・ヘイリー(エレミア)、ウィリアム・フィクトナー(デルレーン)

ベン・アフレックと「アリータ バトル・エンジェル」のロバート・ロドリゲス監督がタッグを組み、行方不明になった娘を探す刑事が“絶対に捕まらない男”を追い、事態が二転三転していく様子を描いたサスペンス。

公園で一瞬目を離した隙に娘が行方不明になってしまった刑事ロークは、そのことで強迫観念にかられ、カウンセリングを受けるようになるが、正気を保つために現場の職務に復帰する。そんなある時、銀行強盗を予告するタレコミがあり、現場に向かったロークは、そこに現れた男が娘の行方の鍵を握っていると確信する。しかし男はいとも簡単に周囲の人びとを操ることができ、ロークは男を捕まえることができない。打つ手がないロークは、占いや催眠術を熟知し、世界の秘密を知る占い師のダイアナに協力を求める。ダイアナによれば、ロークの追う男は相手の相手の脳をハッキングしていると言う。彼女の話す“絶対に捕まらない男”の秘密に混乱するロークだったが……。

アフレックが主人公の刑事ダニー・ロークに扮し、“絶対に捕まらない男”を「クラッシュ」「ブラックホーク・ダウン」など様々な大作・話題作で活躍するウィリアム・フィクトナー、占い師のダイアナを「エリジウム」「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」のアリシー・ブラガがそれぞれ演じる。

 

 

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2023-290M 「メドゥーサ デラックス」☆☆☆★

Smedusaderax_20231102224501原題:Medusa Deluxe
邦題:メドゥーサ デラックス
時間:101分
公開:2023-10-14
製作年度:2022
製作国:イギリス
配給:セテラ・インターナショナル
製作総指揮:エバ・イェーツ リジー・フランク
製作:マイケル・エリオット ルイーズ・パームクビスト・ハンセン リー・グルームブリッジ
監督:トーマス・ハーディマン
脚本:トーマス・ハーディマン
原作:
撮影:ロビー・ライアン
音楽:コアレス
出演:アニタ=ジョイ・ウワジェ(ティンバ)、クレア・パーキンズ(クリーヴ)、ダレル・デシルヴァ(レネ)、デブリス・スティーブンソン(エッツィ)、ハリエット・ウェッブ(ケンドラ)、ハイダー・アリ(ギャック)、ケイ・アレクサンダー(イネス)、カイラ・メイクル(ディヴァイン)、リリト・レス(アンジー)、ルーク・パスクァリーノ(アンヘル)、ニコラス・カリミ(パトリシオ)

ヘアコンテスト当日に起きたカリスマ美容師殺害事件のてん末をワンショット撮影で描いたイギリス製ミステリー。

年に1度のヘアコンテスト当日、優勝候補とされていた美容師モスカが変死した。担当するモデルが席を外したわずか数分の間に、頭皮を切り取られた状態で死んでいたのだ。会場にいたのは、モスカのライバルである3人の美容師と、それぞれが担当する4人のモデルたち。さらにコンテスト主催者やモスカの恋人、警備員を巻き込みながら、会場内では事件や人間関係にまつわる噂話が囁かれ始める。

美容師の親を持つトーマス・ハーディマンが長編初監督・脚本を手がけ、「女王陛下のお気に入り」のロビー・ライアンが撮影、レディ・ガガのヘアメイクなどで知られるユージン・スレイマンが劇中のヘアスタイリングを担当。

ワンショットもの。まあ、珍しい訳ではないが、その撮影方法が本作に必要だったかは疑問だ。

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2023-289M 「オオカミの家」☆☆☆★

Sookaminoie原題:La Casa Lobo
邦題:オオカミの家
時間:74分
公開:2023-08-19
製作年度:2018
製作国:チリ
配給:ザジフィルムズ
製作総指揮:ニレス・アタラー
製作:カタリーナ・ベルガラ ホアキン・コシーニャ
監督:クリストバル・レオン ホアキン・コシーニャ
脚本:ホアキン・コシーニャ クリストバル・レオン アレハンドラ・モファット
原作:
撮影:
音楽:
出演:アマリア・カッサイ、ライナー・クラウゼ

チリの2人組監督クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャの初長編作品で、ピノチェト軍事政権下のチリに実在したコミューン「コロニア・ディグニダ」に着想を得て制作したストップモーションアニメ。

美しい山に囲まれたチリ南部で、「助けあって幸せに」をモットーに掲げて暮らすドイツ人集落。動物が大好きな少女マリアは、ブタを逃してしまったために厳しい罰を受け、耐えきれず集落から脱走する。森の中の一軒家に逃げ込んだ彼女は、そこで出会った2匹の子ブタにペドロとアナと名づけて世話をするが、やがて森の奥からマリアを探すオオカミhoの声が聞こえてくる。マリアがおびえていると子ブタは恐ろしい姿に変わり、家は悪夢のような世界と化す。

ストップモーションアニメの僕のイメージを相当に覆してくれた。このような手法があるのか。というか、雑なのか狙いなのか。しかし凄い。

2018年・第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門でカリガリ映画賞、第42回アヌシー国際アニメーション映画祭で審査員賞を受賞した。

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2023-288M 「骨」☆☆★★★

Shone原題:Los Huesos
邦題:骨
時間:14分
公開:2023-08-19
製作年度:2021
製作国:チリ
配給:ザジフィルムズ
製作総指揮:アリ・アスター アダム・バターフィールド ルーカス・エンゲル
製作:ルーカス・エンゲル
監督:クリストバル・レオン ホアキン・コシーニャ
脚本:クリストバル・レオン ホアキン・コシーニャ
原作:
撮影:
音楽:ティム・フェイン
出演:

2018年の初長編作品「オオカミの家」で世界的に注目を集めたチリの2人組監督クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャが、「1901年に制作された世界初のストップモーションアニメ」という設定で描いた短編作品。

新憲法草案について議論が交わされる2021年のチリで、ある映像が発掘される。1901年に撮影されたその映像は、少女が人間の死体を使って謎の儀式を行なう様子を記録したものだった。

「ミッドサマー」のアリ・アスターが製作総指揮に名を連ねる。2021年・第78回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で最優秀短編映画賞、ひろしまアニメーションシーズン2022の環太平洋・アジアコンペティションで最優秀賞を受賞した。レオン&コシーニャ監督の初長編「オオカミの家」と同時上映。

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2023-287M 「栗の森のものがたり」☆☆☆

Skurinomorinomonogatari原題:Zgodbe iz kostanjevih gozdov
邦題:栗の森のものがたり
時間:82分
公開:2023-10-07
製作年度:2019
製作国:スロベニア
配給:クレプスキュールフィルム
製作総指揮:
製作:マリーナ・グムジ
監督:グレゴル・ボジッチ
脚本:グレゴル・ボジッチ マリーナ・グムジ
原作:
撮影:フェラン・パラデス
音楽:ヘクラ・マグヌスドッティル ヤン・ビソツキー
出演:マッシモ・デ・フランコヴィッチ(マリオ)、イヴァナ・ロシュチッチ(マルタ)、ジュジ・メルリ(ドーラ)、トミ・ヤネジッチ(トニ)

イタリアとユーゴスラビアの国境に位置する広大な森を舞台に、ケチな棺桶職人と夢見る栗売りの人生を絵画のような映像美でつづった大人の寓話。

1950年代、美しい栗の森に囲まれた国境地帯の小さな村。長引く政情不安から多くの人々が村を離れていく中、老大工マリオは家を飛び出したまま戻らない息子からの連絡を待ち続けていた。一方、栗売りのマルタは、戦争へ行ったまま帰ってこない夫からの手紙と数枚の写真を手がかりに、現在夫が住んでいると思われるオーストラリアへ旅立とうとしている。ある日出会ったマリオとマルタは互いの境遇を語りあい、やがてマリオはマルタにある提案を持ちかけるが……。

フェルメールやレンブラントといったオランダ印象派の画家に影響を受けたというスロベニア出身の新鋭グレゴル・ボジッチ監督が、ロシアの文豪アントン・チェーホフの短編にインスピレーションを受け、人生の機微をメランコリックに描き出す。

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