2023-093M 「郊外の鳥たち」☆☆☆★★
原題:郊区的鳥 Suburban Birds
邦題:郊外の鳥たち
時間:114分
公開:2023-03-18
製作年度:2018
製作国:中国
配給:リアリーライクフィルムズ、ムービー・アクト・プロジェクト
製作総指揮:
製作:ホアン・マオチャン チェン・ジンスー マー・ジュン ジャン・ジャオウェイ ユー・シアオイー
監督:チウ・ション
脚本:チウ・ション ウー・シンシア
原作:
撮影:シュー・ランジュン
音楽:シアン・ホー
出演:メイソン・リー、ゴン・ズーハン、ホアン・ルー、チエン・シュエンイー、シュー・シュオ、チェン・ジーハオ、チェン・イーハオ、シュー・チョンフイ、シアオ・シアオ、ドン・ジン、ワン・シンユー
中国の気鋭監督チウ・ションの長編デビュー作。
地盤沈下が進んだため「鬼城」(ゴーストタウン)と化してしまった地方都市。地質調査にやって来た測量技師の青年ハオは、廃校になった小学校の机の中から、自分と同じ名前の男の子の日記を発見する。そこには、開発が進む都市で日常を謳歌する子どもたちの姿がつづられていた。やがてその子どもたちは、1人また1人と姿を消していく。
パラレルに進行する2つの物語の時制のズレを、同じ地平線を歩いているかのような感覚で描き出す。映画監督アン・リーの実子で「目撃者 闇の中の瞳」などで知られる俳優メイソン・リー、「台北セブンラブ」のホアン・ルーが出演。子役には演技経験のない素人俳優たちを起用した。
公式サイトで監督のインタビューを読んでから観るべし。でないと、そのディテールの説明不足(観客に委ねられた空白)を理解しづらいかもしれない。時制の混在は、それぞれが時間対称となっていることを意識して読解せねばならないだろう。そしてクライマックスの時間軸から逸脱した輪廻の外側にある「死」にも似た静寂が、青い鳥の目線でのラストカットとして提示される。時制の混在は数か所で交差するが、一方は「見ることを暗示」させる大人から子供へ提供する双眼鏡、もう一方は「見られないように」する子供から大人への測量機への蓋が象徴的に描かれるが、これも監督のインタビューを読んで腑に落ちた。なるほど。まあ、若い才能を理解するのは、彼らの未熟?であるが故の「描く=映画的に説明」の不足を補完するために、ぜひ公式サイトに目を通してから作品に浸ってほしい。犯人がバレたりするタイプの作品ではないのでね。
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