2022-187M 「マイ・ブロークン・マリコ」☆☆☆★★
邦題:マイ・ブロークン・マリコ
時間:85分
公開:2022-09-30
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWA
製作総指揮:小西啓介
製作:
監督:タナダユキ
脚本:向井康介 タナダユキ
原作:平庫ワカ
撮影:高木風太
音楽:加藤久貴
出演:永野芽郁(シイノトモヨ)、奈緒(イカガワマリコ)、窪田正孝(マキオ)、尾美としのり(マリコの実父)、吉田羊(タムラキョウコ)
平庫ワカの同名コミックを、永野芽郁の主演、「ふがいない僕は空を見た」のタナダユキ監督のメガホンで映画化。鬱屈した日々を送っていた会社員・シイノトモヨは、親友のイカガワマリコが亡くなったことをテレビのニュースで知る。マリコは幼い頃から、実の父親にひどい虐待を受けていた。そんなマリコの魂を救うため、シイノはマリコの父親のもとから遺骨を奪うことを決意。マリコの父親と再婚相手が暮らす家を訪れ、遺骨を強奪し逃亡する。マリコの遺骨を抱き、マリコとの思い出を胸に旅に出るシイノだったが……。亡き親友マリコを奈緒、シイノが旅先で出会うマキオを窪田正孝、マリコの父を尾美としのり、その再婚相手を吉田羊が演じる。
主人公を演じた永野芽郁と奈緒は今年の賞レースでは目玉の一人になるかもしれない。タナダユキの演出も彼女たちに容赦なく、良い。
2022-186M 「ザ・メニュー」☆☆☆★★
原題:The Menu
邦題:ザ・メニュー
時間:107分
公開:2022-11-18
製作年度:2022
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:マイケル・スレッド セス・リース ウィル・トレイシー
製作:アダム・マッケイ ベッツィー・コック ウィル・フェレル
監督:マーク・マイロッド
脚本:セス・リース ウィル・トレイシー
原作:
撮影:ピーター・デミング
音楽:コリン・ステットソン
出演:レイフ・ファインズ、アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト、ホン・チャウ、ジャネット・マクティア、ジョン・レグイザモ
孤島の高級レストランで振る舞われる極上メニューに隠された秘密を描くサスペンス。監督はドラマシリーズ「シェイムレス 俺たちに恥はない」などのマーク・マイロッド、製作には『バイス』などのアダム・マッケイらが参加。シェフを『グランド・ブダペスト・ホテル』などのレイフ・ファインズ、店を訪れたカップルを『ラストナイト・イン・ソーホー』などのアニャ・テイラー=ジョイと『トールキン 旅のはじまり』などのニコラス・ホルトが演じるほか、ホン・チャウ、ジャネット・マクティア、ジョン・レグイザモらが共演する。
シチュエーションスリラーの秀作。舞台劇のようなテイスト。クリスティの群像ミステリーを彷彿とさせるが、そのゲスト選択の説得力に疑問。「クイーンズ・ギャンビット」で印象に残るアニヤ・テイラー=ジョイがなかなかいい。11月公開。
2022-185M 「劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明」☆☆☆★
邦題:劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明
時間:105分
公開:2020-01-07
製作年度:2020
製作国:日本
配給:角川ANIMATION
製作総指揮:
製作:
監督:小島正幸
脚本:倉田英之
原作:つくしあきひと
撮影:江間常高
音楽:ケビン・ペンキン
出演:富田美憂(リコ)、伊瀬茉莉也(レグ)、井澤詩織(ナナチ)、森川智之(ボンドルド)、水瀬いのり(プルシュカ)
つくしあきひとの同名コミックを原作とするテレビアニメ「メイドインアビス」の劇場版。隅々まで探索され尽くした世界に唯一残された秘境の大穴「アビス」。深く巨大なその縦穴には奇怪な生物たちが数多く生息し、今の人類には作ることのできない貴重な遺物の数々が眠っている。アビスの縁に築かれた街オースで暮らす孤児の少女リコは、偉大な探窟家だった母の白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意。記憶を失ったロボットの少年レグとともに、様々な困難を乗り越えながら冒険を進めていく。深界四層で出会った“成れ果て”のナナチも仲間に加わり、ボンドルドの待つ深界五層へと足を踏み入れた彼らは、そこでプルシュカと名乗る少女と出会う。
第1シーズン 2017年7月クール13話。
本作はその続編ストーリーとなる劇場版。
第2シーズン 2022年7月クール12話。副題に「烈日の黄金郷」。
2022-184M 「最後にして最初の人類」☆☆☆
原題:Last and First Men
邦題:最後にして最初の人類
時間:71分
公開:2021-07-23
製作年度:2020
製作国:アイスランド
配給:シンカ
製作総指揮:
製作:ヨハン・ヨハンソン ソール・シグルヨンソン シュトゥルラ・ブラント・グロブレン
監督:ヨハン・ヨハンソン
脚本:ヨハン・ヨハンソン ホセ・エンリケ・マシアン
原作:オラフ・ステープルドン
撮影:シュトゥルラ・ブラント・グロブレン
音楽:ヨハン・ヨハンソン ヤイール・エラザール・グロットマン
出演:ティルダ・スウィントン
「メッセージ」「ボーダーライン」「博士と彼女のセオリー」などの映画音楽を手がけたアイスランド出身の作曲家で、2018年に早世したヨハン・ヨハンソンが生前に取り組んだ最初で最後の長編監督作品。1930年に発行されたオラフ・ステープルドンの同名SF小説の古典を、アカデミー賞女優ティルダ・スウィントンのナレーション、全編16ミリフィルムで撮影された旧ユーゴスラビアに点在する巨大な戦争記念碑・スポメニックの映像群、ヨハンソンが奏でるサウンドにより映像化。もともとはシネマコンサート形式で生演奏とともに上映されていた作品で、仲間たちの尽力により、ヨハンソン没後2年の時を経て1本の長編映画として完成された。
英国の哲学者で作家オラフ・ステープルドンの「最後にして最初の人類」(1930/邦訳は絶版)が原作。20億年先の未来に生きる人類第18世代のひとりが、20世紀に生きる第1世代の私たちにテレパシーで語りかける。
2022-183M 「3つの鍵」☆☆☆★★
原題:Tre piani
邦題:3つの鍵
時間:119分
公開:2022-09-16
製作年度:2021
製作国:イタリア・フランス
配給:チャイルド・フィルム
製作総指揮:
製作:ナンニ・モレッティ ドメニコ・プロカッチ
監督:ナンニ・モレッティ
脚本:ナンニ・モレッティ フェデリカ・ポントレモーリ バリア・サンテッラ
原作:エシュコル・ネボ
原案:ナンニ・モレッティ フェデリカ・ポントレモーリ バリア・サンテッラ
撮影:ミケーレ・ダッタナージオ
音楽:フランコ・ピエルサンティ
出演:マルゲリータ・ブイ(ドーラ)、ナンニ・モレッティ(ヴィットリオ)、アレッサンドロ・スペルドゥーティ(アンドレア)、リッカルド・スカマルチョ(ルーチョ)、エレナ・リエッティ(サラ)、キアラ・アバルサルモ(フランチェスカ(7歳))、ジュリア・コッパーリ(フランチェスカ(12歳))、ジェア・ダッロールト(フランチェスカ(17歳))、アルバ・ロルヴァケル(モニカ)、アドリアーノ・ジャンニーニ(ジョルジョ)、アリーチェ・アダーム(ベアトリーチェ(5歳))、レティツィア・アルノー(ベアトリーチェ(10歳))、デニーズ・タントゥッキ(シャルロット)、アンナ・ボナイウート(ジョヴァンナ)、パオロ・グラツィオージ(レナート)、ステファノ・ディオニジ(ロベルト)、トンマーゾ・ラーニョ(ルイージ)、テコ・セリオ(サヴェリオ)、フランチェスコ・アクアローリ(精神科医)、ダリア・デフローリアン(モニカの母)、アレッシア・ジュリアーニ(警察官)、ロッサーナ・モルターラ(弁護士)、ラウラ・ナルディ(心理学者)
「息子の部屋」でカンヌ国際映画祭パルムドール、「親愛なる日記」で同監督賞を受賞しているイタリアの名匠ナンニ・モレッティが、同じアパートに住む3つの家族の素顔が、ひとつの事故をきっかけに次第に露わになっていく様子をスリリングに描いた人間ドラマ。
ローマの高級住宅地にあるアパートに暮らす、3つの家族。それぞれが顔見知り程度で、各家庭の扉の向こう側にある本当の顔は知らない。ある夜、3階に住むジョバンニとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアの運転する車が建物に衝突し、ひとりの女性が亡くなる。同じ夜、2階に住む妊婦のモニカは陣痛が始まり、夫が出張中のためひとりで病院に向かう。1階のルーチョとサラの夫婦は、仕事場で起こったトラブルのため娘を朝まで向かいの老夫婦に預けるが、認知症の老夫と娘が一緒に行方不明になってしまう。
イスラエルの作家エシュコル・ネボの「Three floors up」が原作で、デビュー以来オリジナル作品を手がけてきたモレッティ監督にとっては初の原作ものとなった。出演はマルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、アルバ・ロルバケルら。
同じアパートに住む四つの家族の10年にわたる群像劇。久しぶりにオーソドックスなイタリア中産階級のドラマ。ナンニ・モレッティ監督による、しっかりした楷書体のような仕上がり。
2022-182M 「渇きと偽り」☆☆☆★
原題:The Dry
邦題:渇きと偽り
時間:117分
公開:2022-09-23
製作年度:2020
製作国:オーストラリア
配給:イオンエンターテイメント
製作総指揮:リッチ・スワート メリル・メトニ アンドリュー・メイヤー ジェイン・ハーパー ジョエル・パールマン ジャンヌ・スノ
製作:ブルーナ・パパンドレア スティーブ・ハッテンスキー ジョディ・マッターソン ロバート・コノリー エリック・バナ
監督:ロバート・コノリー
脚本:ハリー・クリップス ロバート・コノリー
原作:ジェイン・ハーパー
撮影:ステファン・ダスキオ
音楽:ピーター・レイバーン
出演:エリック・バナ(アーロン・フォーク)、ジュネヴィーヴ・オライリー(グレッチェン)、キーア・オドネル(レイコー)、ジョン・ポルソン(ホイットラム)、ジョー・クロセク(アーロン・フォーク(青年期))、クロード・スコット=ミッチェル(グレッチェン(青年期))、サム・コーレット(ルーク(青年期))、ベベ・ベッテンコート(エリー・ディーコン)
「ミュンヘン」「NY心霊捜査官」のエリック・バナの主演で、ジェイン・ハーパーのベストセラー小説を映画化したクライムサスペンス。干ばつにあえぐ閉鎖的な田舎町で起こった、現在と過去の2つの殺人事件を通し、オーストラリアの社会が直面する問題をリアルに描いた。
メルボルンの連邦察官アーロン・フォークは旧友ルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに故郷の小さな町に帰ってきた。ルークは、自身の妻子を殺した後に自らも命を絶ったのだ。町は長らく雨が降らずに干ばつに襲われており、ルークが事件を起こした背景にもそうした土地の事情があり、いわばルークも犠牲者だと思われていた。しかし、町にとどまって捜査を行うフォークは、未解決事件となっている過去の事件とも向き合うことになり、数十年も隔てた2つの事件がつながっているのではないかと疑い始める。
原作にほれ込んだバナが自らプロデューサーも務め、本作で約13年ぶりに母国オーストラリアの映画に主演した。
20年前に謎の死を遂げた女子高生エリー役のベベ・ベッテンコートがいい。今後注目していきたい。
2022-181M 「犬も食わねどチャーリーは笑う」☆☆☆★
邦題:犬も食わねどチャーリーは笑う
時間:117分
公開:2022-09-22
製作年度:2022
製作国:日本
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:木下直哉
製作:飯島三智、谷川由希子 石塚正悟 大塚健二
監督:市井昌秀
脚本:市井昌秀
原作:
撮影:伊集守忠
音楽:安部勇磨
出演:香取慎吾(田村裕次郎)、岸井ゆきの(田村日和)、井之脇海(若槻広人)、的場浩司(浦島店長)、眞島秀和(葛城周作)、徳永えり、きたろう(きたろう)、浅田美代子(田村千鶴)、余貴美子(蓑山さん)
ある夫婦の互いにゆずれないバトルを、香取慎吾主演でコミカルに描いたブラックコメディ。
結婚4年目となる裕次郎と日和は、表向きは仲良し夫婦に見えたが、鈍感な裕次郎に日和は不満を募らせていた。そんな日和が鬱憤を吐き出さすツールとして出合ったのが、SNSの「旦那デスノート」だった。そこには世の夫たちが見たら驚がくするであろう、妻たちが投稿する本音の数々が書き込まれていた。ある日、裕次郎はそのSNSの存在を知り、自分について書かれていると思われる投稿を見つけてしまう。書き込んでいるのは、チャーリーというハンドルネームの人物だった。チャーリーとは、裕次郎と日和が飼っているフクロウの名前と同じで……。
裕次郎役を香取、日和役を岸井ゆきのが演じるほか、井之脇海、的場浩司、余貴美子らが脇を固める。監督は「箱入り息子の恋」「台風家族」の市井昌秀。
2022-180M 「LAMB/ラム」☆☆☆
原題:Lamb
邦題:LAMB/ラム
時間:106分
公開:2022-09-23
製作年度:2021
製作国:アイスランド・スウェーデン・ポーランド
配給:クロックワークス
製作総指揮:ノオミ・ラパス タル・ベーラ ホーカン・ペッテルソン ヨン・マンケル マルチン・ドラビンスキ ピーター・ポッスン ズザンナ・ヘンチュ
製作:フロン・クリスティンスドッティル サラ・ナッシム ピオドール・グスタフソン エリク・リデル クラウディア・シュミエヤ ヤン・ナシェフスキ
監督:バルディミール・ヨハンソン
脚本:ショーン バルディミール・ヨハンソン
原作:
撮影:イーライ・アレンソン
音楽:ソーラリン・グドナソン
出演:ノオミ・ラパス(マリア)、ヒルミル・スナイル・グドゥナソン(イングヴァル)、ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン(ペートゥル)、イングヴァール・E・シーグルソン(テレビに登場する男)
アイスランドの田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から産まれた羊ではない何かを育て、やがて破滅へと導かれていく様を描いたスリラー。「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」などの特殊効果を担当したバルディミール・ヨハンソンの長編監督デビュー作。
山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子どもを亡くしていた2人は、その「何か」に「アダ」と名付け育てることにする。アダとの生活は幸せな時間だったが、やがてアダは2人を破滅へと導いていく。
「プロメテウス」「ミレニアム」シリーズのノオミ・ラパスが主人公マリアを演じ、製作総指揮も務めた。アイスランドの作家・詩人として知られ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の歌劇脚本を手がけたショーンがヨハンソンとともに共同脚本を担当。
ギリシア神話の牧神?夫婦の不幸が癒やされるために産まれた「奇跡」。あまりに切ない物語のクライマックスは、背筋が凍る。公開初日だが平日も、ほぼ満席。予告では伝奇ホラー的なウリをしていたので、若いカップルが多かったが、さすがにカンヌコンペ作品。大半の観客に催眠術をかけていた。
2022-178M 「雨を告げる漂流団地」☆☆☆★
邦題:雨を告げる漂流団地
時間:120分
公開:2022-09-16
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ツインエンジン、ギグリーボックス
製作総指揮:
製作:
監督:石田祐康
脚本:森ハヤシ 石田祐康
原作:
撮影:町田啓
音楽:阿部海太郎
出演:田村睦心(熊谷航祐)、瀬戸麻沙美(兎内夏芽)、村瀬歩(のっぽ)、山下大輝(橘譲)、小林由美子(小祝太志)、水瀬いのり(羽馬令依菜)、花澤香菜(安藤珠理)、島田敏(熊谷安次)、水樹奈々(兎内里子)
「ペンギン・ハイウェイ」「泣きたい私は猫をかぶる」を手がけたスタジオコロリドによる長編アニメーション第3作。取り壊しの進む団地に入り込み、不思議な現象によって団地ごと海を漂流することになった小学6年生の少年少女たちが繰り広げるひと夏の別れの旅を描く。
姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽は小学6年生になり、近頃は航祐の祖父・安次が亡くなったことをきっかけに関係がギクシャクしていた。夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。その団地はかつて航祐と夏芽が育った、思い出の家だった。航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、のっぽという名の謎の少年の存在について聞かされる。すると突然、不思議な現象が起こり、気が付くと周囲は一面の大海原になっていた。海を漂流する団地の中で、航祐たちは力を合わせてサバイバル生活を送ることになるが……。
監督はこれが長編2作目となる、「ペンギン・ハイウェイ」の石田祐康。2022年9月16日から劇場公開と同時にNetflixで配信。劇場と配信のほぼ同時公開のアニメ、昨今はこのパターンが多いな。
2022-178M 「ヘルドッグス」☆☆☆★★★
邦題:ヘルドッグス
時間:138分
公開:2022-09-22
製作年度:2022
製作国:日本
配給:東映、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:
製作:ウィリアム・アイアトン 村松秀信 勝股英夫 藤島ジュリーK.
監督:原田眞人
脚本:原田眞人
原作:深町秋生
撮影:柴主高秀
音楽:土屋玲子
出演:岡田准一(兼高昭吾)、坂口健太郎(室岡秀喜)、松岡茉優(吉佐恵美裏)、金田哲(三神國也)、木竜麻生(勝所杏南)、中島亜梨沙(ルカ)、大場泰正(大前田忠治)、酒向芳(阿内将)、MIYAVI(十朱義孝)、吉原光夫(熊沢伸雄)、村上淳(番犬)、尾上右近(サロンの常連客)、杏子(恭子)、田中美央(俵谷)、北村一輝(土岐勉)、大竹しのぶ(衣笠典子)
岡田准一が「関ヶ原」「燃えよ剣」に続き原田眞人監督と3度目のタッグを組んだクライムアクション。深町秋生の小説「ヘルドッグス 地獄の犬たち」を映画化した。
愛する人が殺される事件を止められなかったことから闇に落ち、復讐のみに生きてきた元警官・兼高昭吾。その獰猛さから警察組織に目をつけられた兼高は、関東最大のヤクザ「東鞘会(とうしょうかい)」への潜入という危険なミッションを強要される。兼高の任務は、組織の若きトップ・十朱が持つ秘密ファイルを奪取すること。警察はデータ分析により、兼高との相性が98%という東鞘会のサイコパスなヤクザ・室岡秀喜に白羽の矢を立て、兼高と室岡が組織内でバディとなるよう仕向ける。かくしてコンビを組むことになった2人は、猛スピードで組織を上り詰めていく。
兼高役を岡田、室岡役を坂口健太郎が演じるほか、松岡茉優、北村一輝、大竹しのぶ、MIYAVIらが顔をそろえる。
2022-177M 「さかなのこ」☆☆☆★
邦題:さかなのこ
時間:139分
公開:2022-09-01
製作年度:2022
製作国:日本
配給:東京テアトル
製作総指揮:
製作:河野聡 太田和宏 伊藤はやと 鳥羽乾二郎 今田圭介 森田圭 玉井雄大 広田勝己
監督:沖田修一
脚本:沖田修一 前田司郎
原作:さかなクン
撮影:佐々木靖之
音楽:パスカルズ
出演:のん(ミー坊)、柳楽優弥(ヒヨ)、夏帆(モモコ)、磯村勇斗(総長)
岡山天音(籾山)、三宅弘城(ジロウ)、井川遥(ミチコ)、西村瑞季(ミー坊(幼少期))、宇野祥平(「海人」の店長)、前原滉(田村)、島崎遥香(谷崎ゆりえ)、豊原功補(歯科医)、賀屋壮也(酒井)、朝倉あき(浜野庄子)、長谷川忍(木戸まさし)、さかなクン(ギョギョおじさん)、鈴木拓(鈴木先生)
魚類に関する豊富な知識でタレントや学者としても活躍するさかなクンの半生を、沖田修一監督がのんを主演に迎えて映画化。「横道世之介」でも組んだ沖田監督と前田司郎がともに脚本を手がけ、さかなクンの自叙伝「さかなクンの一魚一会 まいにち夢中な人生!」をもとに、フィクションを織り交ぜながらユーモアたっぷりに描く。
小学生のミー坊は魚が大好きで、寝ても覚めても魚のことばかり考えている。父親は周囲の子どもとは少し違うことを心配するが、母親はそんなミー坊を温かく見守り、背中を押し続けた。高校生になっても魚に夢中なミー坊は、町の不良たちとも何故か仲が良い。やがてひとり暮らしを始めたミー坊は、多くの出会いや再会を経験しながら、ミー坊だけが進むことのできる道へ飛び込んでいく。
幼なじみの不良ヒヨを柳楽優弥、ひょんなことからミー坊と一緒に暮らすシングルマザーのモモコを夏帆、ある出来事からミー坊との絆を深める不良の総長を磯村勇斗が演じる。原作者のさかなクンも出演。
テレビチャンピオンの『さかな通選手権』が語られていない。
2022-176M 「沈黙のパレード」☆☆☆★★
邦題:沈黙のパレード
時間:130分
公開:2022-09-16
製作年度:2022
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:大多亮 荒木宏幸 中部嘉人
監督:西谷弘
脚本:福田靖
原作:東野圭吾
撮影:山本英夫
音楽:菅野祐悟 福山雅治
出演:福山雅治(湯川学)、柴咲コウ(内海薫)、北村一輝(草薙俊平)、飯尾和樹(並木祐太郎)、戸田菜穂(並木真智子)、田口浩正(戸島修作)、酒向芳(増村栄治)、岡山天音(高垣智也)、川床明日香(並木佐織)、出口夏希(並木夏美)、村上淳(蓮沼寛一)、吉田羊(宮沢麻耶)、檀れい(新倉留美)、椎名桔平(新倉直紀)
東野圭吾のベストセラー小説を原作に、福山雅治演じる天才物理学者・湯川学が難事件を鮮やかに解決していく姿を描く大ヒット作「ガリレオ」シリーズの劇場版第3作。
数年前から行方不明になっていた女子高生が、遺体となって発見された。警視庁捜査一課の刑事・内海によると事件の容疑者は、湯川の大学時代の同期でもある刑事・草薙がかつて担当した少女殺害事件の容疑者で、無罪となった男だった。男は今回も黙秘を貫いて証拠不十分で釈放され、女子高生が住んでいた町に戻って来る。憎悪の空気が町全体を覆う中、夏祭りのパレード当日、さらなる事件が起こる。
キャストには内海役の柴咲コウ、草薙役の北村一輝らおなじみのメンバーが集結。前2作に続いて西谷弘が監督、福田靖が脚本を手がけた。
2022-174M 「耳をすませば」☆☆★★★
邦題:耳をすませば
時間:分
公開:2022-10-14
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント、松竹
製作総指揮:
製作:高橋敏弘 ウィリアム・アイアトン
監督:平川雄一朗
脚本:平川雄一朗
原作:柊あおい
撮影:中山光一
音楽:高見優
出演:清野菜名、松坂桃李、山田裕貴、内田理央、安原琉那、中川翼、荒木飛羽、住友沙来、音尾琢真、松本まりか、中田圭祐、小林隆、森口瑤子、田中圭、近藤正臣
スタジオジブリの人気アニメ映画の原作として知られる柊あおいの名作漫画を、清野菜名と松坂桃李の主演で実写映画化。原作漫画とアニメ映画で描かれた中学時代の物語に加え、主人公2人が大人になった10年後をオリジナルストーリーで描く。読書好きな中学生・月島雫は、図書貸出カードでよく名前を見かけていた天沢聖司と最悪の出会いを果たす。しかし雫は聖司に大きな夢があることを知り、次第に彼にひかれていく。そんな聖司に背中を押され自身も夢を持つようになる雫だったが、聖司は夢をかなえるためイタリアへ渡ることに。2人は離れ離れになってもそれぞれの夢を追い、10年後に再会することを誓い合う。それから10年が過ぎた1999年。出版社で働きながら夢を追い続ける雫は、イタリアで奮闘する聖司を想うことで自分を奮い立たせていたが……。大人になった雫と聖司を清野と松坂が演じ、中学時代の2人には映画初出演の安原琉那と「光を追いかけて」の中川翼を起用。監督・脚本は「ツナグ」「約束のネバーランド」の平川雄一朗。
意識しなければならないのが、1988年から10年後の1998年が背景ということ。
2022-173M 「川っぺりムコリッタ」☆☆☆★
邦題:川っぺりムコリッタ
時間:120分
公開:2022-09-16
製作年度:2021
製作国:日本
配給:KADOKAWA
製作総指揮:
製作:堀内大示 五老剛 多湖慎一 中西一雄 益田祐美子 亀山暢央 竹内力 五十嵐淳之 鈴木貴幸 川村岬 中西修 駒澤信雄
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
原作:荻上直子
撮影:安藤広樹
音楽:パスカルズ
出演:松山ケンイチ(山田たけし)、ムロツヨシ(島田幸三)、満島ひかり(南詩織)、江口のりこ(中島)、柄本佑(堤下靖男)、田中美佐子(大橋)、薬師丸ひろ子、笹野高史、緒形直人(沢田)、吉岡秀隆(溝口健一)
「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子監督が2019年に発表したオリジナル長編小説を、自身の脚本・監督で映画化。松山ケンイチ主演、ムロツヨシの共演で、孤独な青年がアパートの住人との交流を通して社会との接点を見つけていく姿を描く。
北陸の小さな町にある小さな塩辛工場で働き口を見つけた山田は、社長から紹介された古い安アパート「ハイツムコリッタ」で暮らし始める。できるだけ人と関わることなく、ひっそりと生きたいと思っていた山田の静かな日常が、隣の部屋に住む島田が「風呂を貸してほしい」と山田を訪ねてきたことから一変する。山田と島田は、少しずつ友情のようなものが芽生え始め、楽しい日々を送っていた。しかし、山田がこの町にやってきた秘密が、島田に知られてしまい……。
主人公・山田役を松山、島田役をムロがそれぞれ演じる。タイトルの「ムコリッタ(牟呼栗多)」は仏教の時間の単位のひとつ(1/30日=48分)を表す仏教用語で、ささやかな幸せなどを意味する。
なんか、仏話のような作品。あらゆる登場人物や巻き起こる事象やら、語り合われる台詞が、仏教的な『意味』を多重に象徴してそうで、居心地があまりよろしくない。
2022-172M 「靴ひものロンド」☆☆☆★
原題:Lacci
邦題:靴ひものロンド
時間:100分
公開:2022-09-09
製作年度:2020
製作国:イタリア・フランス
配給:樂舎
製作総指揮:
製作:ベッペ・カスケット
監督:ダニエレ・ルケッティ
脚本:ダニエレ・ルケッティ フランチェスコ・ピッコロ
原作:ドメニコ・スタルノーネ
撮影:イバン・カサルグランディ
音楽:
出演:アルバ・ロルヴァケル、ルイジ・ロ・カーショ、ラウラ・モランテ、シルヴィオ・オルランド、ジョヴァンナ・メッゾジョルノ、アドリアーノ・ジャンニーニ、リンダ・カリーディ、フランチェスカ・デ・サピオ
「ワン・モア・ライフ!」「ローマ法王になる日まで」などで知られるイタリアの名匠ダニエレ・ルケッティが、ドメニコ・スタルノーネの小説「靴ひも」を映画化した家族ドラマ。
1980年代の初頭。ナポリで暮らす4人家族の平穏な日々は、父アルドの浮気によって一変した。両親の激しい口論や父の魅力的な愛人、壊れていく母ヴァンダの姿を見つめながら、子どもたちはローマとナポリを行き来する。数年後、離散していた家族はふとしたきっかけで再び一緒に暮らすことに。それからさらに月日は流れ、アルドとヴァンダは夏のバカンスへ出かけるが、帰宅すると家は激しく荒らされており、飼い猫がいなくなっていた。
アルドとヴァンダの若き日を「幸福なラザロ」のアルバ・ロルバケルと「輝ける青春」のルイジ・ロ・カーショ、老年期を「息子の部屋」のラウラ・モランテと「ボローニャの夕暮れ」のシルビオ・オルランドがそれぞれ演じた。「イタリア映画祭2021」では「靴ひも」のタイトルで上映。
テキトーでその場限りの思いつきで行動する男。縋る妻の深謀遠慮。いつからか、仮面を被った子どもたち。なんとも背筋が凍る家族の物語が、時系列を錯綜させてコメディータッチで描かれてゆく。しかし大詰めで、舌を噛み切りたくなるような事が数十秒後に発生する予感で、エンドクレジット。うーむ、欧州映画だ。
60年前なら、妻役は絶対にソフィア・ローレンだったろうなあ。
2022-171M 「マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説」☆☆☆★
原題:Quant
邦題:マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説
時間:90分
公開:2022-11-26
製作年度:2021
製作国:イギリス
配給:アットエンタテインメント
製作総指揮:フィル・マッケンジー スペンサー・ポラード
製作:ベン・チャールズ・エドワーズ クリスティ・ベル
監督:サディ・フロスト
脚本:
原作:
撮影:ジョン・ブレザートン
音楽:アンガス・コリンズ
出演:ケイト・モス、ヴィヴィアン・ウエストウッド、デイヴ・デイヴィス、ピート・タウンゼント、ポール・シムノン
ザ・ビートルズやツイッギーらと並んで1960年代スウィンギング・ロンドンのムーブメントを牽引した伝説のデザイナー、マリー・クワントに迫ったドキュメンタリー。
戦争の爪痕と階級差別が残るロンドンで、若者たちは自由を求めていた。1955年、それまでの優雅で女性らしいファッションに窮屈さを感じていたマリー・クワントは、夫アレキサンダー・プランケット・グリーンらとともに、自分が着たい服をクリエイトした小さなブティック「BAZAAR」をチェルシーのキングス・ロードにオープンする。彼女がデザインした服は開店直後から奪い合いとなり、60年代初頭にはミニスカートが世界中で大ブームに。ファッションに革命を起こしたマリー・クワントの知られざる素顔とデザインの秘密を、当時の熱狂を知る人々へのインタビューやアーカイブ映像を通してひも解いていく。
ファッションモデルのケイト・モス、デザイナーのビビアン・ウエストウッド、ザ・フーのピート・タウンゼントらが出演。ロンドン出身の俳優サディ・フロストが監督を務めた。
いろいろ勉強になったな。ミニスカのデザイナーなのは知っていたが。あと、そこら中にショップがあるのもね。
2022-170M 「HiGH&LOW THE WORST X」☆☆☆★★
邦題:HiGH&LOW THE WORST X
時間:119分
公開:2022-09-09
製作年度:2022
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:
監督:二宮“NINO”大輔、平沼紀久
脚本:増本庄一郎 渡辺啓 平沼紀久
原作:高橋ヒロシ
撮影:
音楽:中野雄太
出演:川村壱馬(花岡楓士雄)、吉野北人(高城司)、佐藤流司(泰志)、神尾楓珠(中越)、福山康平(ジャム男)、龍(芝マン)、鈴木昂秀(辻)、うえきやサトシ(清史)、中島健(中岡)、森崎ウィン(基晃)、前田公輝(轟洋介)、塩野瑛久(小田島有剣)、葵揚(沢村正次)、小柳心(仁川英明)、荒井敦史(志田健三)、坂口涼太郎(サバカン)、中本悠太(須嵜亮)、三山凌輝(天下井公平)、永沼伊久也(砂防天久)
男たちの熱い友情と闘いを描く「HiGH&LOW」シリーズと高橋ヒロシ原作による不良漫画の金字塔「クローズ」「WORST」のクロスオーバー作品「HiGH&LOW THE WORST」の続編。
SWORD地区最凶の不良高校・鬼邪高校で頭を張る花岡楓士雄は、数々の伝説を持つ最強の男・ラオウをたずねて、戸亜留市の鈴蘭男子高校を訪れていた。その頃、須嵜亮という最強の男の力を手に入れたSWORD地区の瀬ノ門工業高校の頭・天下井公平は、鎌坂高校と江罵羅商業高校を傘下に加えた「三校連合」を築き、勢力を拡大。やがて三校連合による鬼邪高狩りが始まる。
主人公・花岡役の川村壱馬をはじめ鬼邪高校、鳳仙学園のメインキャストが前作から続投するほか、「NCT 127」のYUTA(中本悠太)、「BE:FIRST」のRYOKI(三山凌輝)らが顔をそろえる。
前作から高橋ヒロシの『クローズ』とコラボして鈴蘭まで登場!なので、見ねばなるまい。
2022-169M 「ONE PIECE FILM RED」☆☆☆
邦題:ONE PIECE FILM RED
時間:115分
公開:2022-08-06
製作年度:2022
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:尾田栄一郎
製作:
監督:谷口悟朗
脚本:黒岩勉
原作:尾田栄一郎
撮影:江間常高
音楽:中田ヤスタカ
出演:田中真弓(モンキー・D・ルフィ)、中井和哉(ロロノア・ゾロ)、岡村明美(ナミ)、山口勝平(ウソップ)、平田広明(サンジ)、大谷育江(トニートニー・チョッパー)、山口由里子(ニコ・ロビン)、矢尾一樹(フランキー)、チョー(ブルック)、宝亀克寿(ジンベエ/ゲッコー・モリア)、名塚佳織(ウタ)、Ado(ウタ(歌唱キャスト))
2022年7月で連載開始25周年となる大ヒットコミック「ONE PIECE」の劇場版アニメ。長編劇場版通算15作目で、原作者の尾田栄一郎が総合プロデューサーを務める“FILMシリーズ”としては、2016年公開の「ONE PIECE FILM GOLD」以来4作目。
素性を隠したまま発信される歌声が「別次元」と評され、世界でもっとも愛される歌手ウタが、初めて公の前に姿を現すライブが開催されることになった。そのことに色めき立つ海賊たちと、目を光らせる海軍。ルフィ率いる麦わらの一味は、何も知らずに、ただ彼女の歌声を楽しみに会場にやってきた。世界中から集まったファンが会場を埋め尽くし、いよいよ待望の歌声が響き渡ろうとしている。しかし、ウタが「シャンクスの娘」であるという事実が明らかになったことから、事態は大きく動き出していく。
ウタ役は声を声優の名塚佳織、歌唱を歌手のAdoが担当する。監督は「コードギアス」シリーズや「プラテネス」などで知られる谷口悟朗。「ジャンプ・スーパー・アニメツアー‘98」内で上映された「ONE PIECE」初のアニメ作品「ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック」で監督デビューした谷口監督が、それ以来に「ONE PIECE」作品を手がけた。
まあ、ここまで当たればチェック。
2022-168M 「グッバイ・クルエル・ワールド」☆☆☆★
邦題:グッバイ・クルエル・ワールド
時間:127分
公開:2022-09-09
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:
製作:小西啓介 森田圭 甲斐真樹 小川悦司 田中祐介 石田勇 前信介 山本正典 檜原麻希 水戸部晃
監督:大森立嗣
脚本:高田亮
原作:
撮影:辻智彦
音楽:田井モトヨシ
出演:西島秀俊、斎藤工、宮沢氷魚、玉城ティナ、宮川大輔、大森南朋、三浦友和、奥野瑛太、片岡礼子、螢雪次朗、モロ師岡、前田旺志郎、若林時英、青木柚、奥田瑛二、鶴見辰吾
「ドライブ・マイ・カー」の西島秀俊を主演に、豪華キャスト共演で描くクライムエンタテインメント。「さよなら渓谷」「そこのみにて光輝く」などで知られる脚本家・高田亮によるオリジナル脚本作品で、「そよなら渓谷」「MOTHER マザー」の大森立嗣監督がメガホンをとった。
年齢もファッションもバラバラ、互いに素性も知らない5人組の強盗組織が、ラブホテルで秘密裏に行われていたヤクザの資金洗浄現場を襲い、1億円近い大金の強奪に成功する。強盗たちは金を山分けし、何食わぬ顔でそれぞれの日常に戻っていった。しかし、金を奪われたヤクザが裏金で現役の刑事を雇い、強盗組織を本気で追い始めた。騙されて分け前をもらえなかった強盗組織のひとりも、ラブホテルの従業員を巻き込んで立ち上がり、金に群がるクセ者たちの大波乱の物語が始まる。
主演の西島のほか、斎藤工、玉城ティナ、宮川大輔、三浦友和が強盗組織のメンバーを演じ、彼らを追い詰める刑事を大森南朋、ラブホテルの従業員を宮沢氷魚が演じる。
2022-167M 「バッドガイズ」☆☆☆★★
原題:The Bad Guys
邦題:バッドガイズ
時間:100分
公開:2022-10-07
製作年度:2022
製作国:アメリカ
配給:東宝東和、ギャガ
製作総指揮:アーロン・ブレイビー イータン・コーエン パトリック・ヒューズ
製作:デイモン・ロス レベッカ・ハンフリー
監督:ピエール・ペリフェル
脚本:
原作:アーロン・ブレイビー
撮影:
音楽:
出演:尾上松也(ミスター・ウルフ)、長田庄平(シャーク)、ファーストサマーウイカ(タランチュラ)、安田顕(スネーク)、河合郁人(ピラニア)、甲斐田裕子(ダイアン・フォクシントン)、山口勝平(マーマレード教授)、斉藤貴美子(署長)、高橋真麻(ティファニー)
権力者や富豪から華麗なテクニックで財宝を奪う怪盗集団「バッドガイズ」の活躍を描く、ドリームワークス・アニメーションによる長編アニメ映画。アーロン・ブレイビーの同名児童文学シリーズを原作に、短編アニメ「ビルビー」のピエール・ペリフェルが監督を務めた。
天才的スリのウルフ、金庫破りのスネーク、変装の達人シャーク、肉体派のピラニア、天才ハッカーのタランチュラの5人による怪盗集団・バッドガイズ。これまで派手な盗みを次々と成功させてきた彼らは、伝説のお宝「黄金のイルカ」を狙うが、あと一歩のところで失敗してしまう。逮捕された5人は街の名士マーマレード教授の指導のもと、彼らを「グッドガイズ」に変える実験に参加させられることに。協力すると見せかけて裏をかき、史上最大の犯罪を企むバッドガイズだったが……。
英語オリジナル版では俳優のサム・ロックウェル、オークワフィナ、日本語吹き替え版では歌舞伎役者の尾上松也らが声の出演。
吹替版でスクリーニング。
なかなか上出来なクライムアクション。冒頭はパルプ・フィクション的に遊んでる。もうタランティーノはリスペクトの対象で、あからさまに目配せする作品が増えてきてる気がする。
それより、ドリームワークスのユニバーサル映画が、東宝東和でなく、電通パルコでもなく、なぜギャガが配給なのか。
2022-166M 「デリシュ!」☆☆☆★★
原題:Delicieux
邦題:デリシュ!
時間:112分
公開:2022-09-02
製作年度:2020
製作国:フランス・ベルギー
配給:彩プロ
製作総指揮:イブ・フランソワ=マシュエル
製作:クリストフ・ロシニョン フィリップ・ボエファール
監督:エリック・ベナール
脚本:エリック・ベナール ニコラ・ブークリエフ
原作:
撮影:ジャン=マリー・ドルージュ
音楽:クリストフ・ジュリアン
出演:グレゴリー・ガドゥボワ(マンスロン)、イザベル・カレ(ルイーズ)、バンジャマン・ラヴェルネ(シャンフォール公爵)、ギヨーム・ドゥ・トンケデック(イアサント)、クリスチャン・ブイエ(ジャコブ)、ロレンツォ・ルフェーブル(バンジャマン)、マリー=ジュリー・ボー(サン=ジュネ伯爵夫人)
フランス革命前夜の18世紀フランスを舞台に、世界で初めてレストランを作った男の実話をもとに描いた人間ドラマ。
1789年。宮廷料理人マンスロンは、創作料理「デリシュ」にジャガイモを使用したことで貴族たちの反感を買って解雇され、息子を連れて実家へ帰ることに。ある日、マンスロンのもとに謎めいた女性ルイーズが料理を習いたいと訪ねてくる。彼女の熱意に負けて料理を教えることになったマンスロンは、失っていた料理への情熱を徐々に取り戻していく。やがてマンスロンはルイーズと息子の協力を得て、一般人のために開かれた世界初のレストランを開店する。
マンスロンを「オフィサー・アンド・スパイ」のグレゴリー・ガドゥボワ、ルイーズを「ムースの隠遁」のイザベル・カレが演じる。「ブルー・レクイエム」などの脚本家エリック・ベナールが監督を務めた。
原題のデリシュは店名。当初は主人公が料理長を務める公爵家の晩餐で、予定外に出したオードブルの名前だ。しかしそれが原因で公爵家を追われてしまう。彼は故郷の田舎で家業のパン焼きに戻り、世捨て人になってしまう。しかし…。
彼が最終的に創りあげたのは、今のSA的な、田舎の食事がウリの街道の休憩所。これがフランス最初のレストランの開業物語かと思ったら、サスペンスたっぷりな復讐劇にもなり、謎の弟子志願の美魔女まで登場し、あれよあれよと波乱万丈のストーリーに引き込まれていく。18世紀末のコスチュームもので、1789年7月14日のバスチーユ占領の前日譚となっている。
エリック・ベナール監督の保守的なしっかりとした演出に加え、フランス革命後の写実主義絵画にインスパイアされたような、端正で精緻に計算されたフレーミングを魅せた撮影のジャン=マリー・ドルージュにも刮目せざるを得ない。
観ていて、眼福な映像に予断を許さないストーリー。なかなかの傑作だ。
2022-165M 「地下室のヘンな穴」☆☆☆★
原題:Incroyable mais vrai
邦題:地下室のヘンな穴
時間:74分
公開:2022-09-02
製作年度:2022
製作国:フランス・ベルギー
配給:ロングライド
製作総指揮:
製作:トマ・ベルアエジュ マチュー・ベルアエジュ
監督:カンタン・デュピュー
脚本:カンタン・デュピュー
原作:
撮影:カンタン・デュピュー
音楽:
出演:アラン・シャバ(アラン)、レア・ドリュッケール(マリー)、ブノワ・マジメル(ジェラール)、アナイス・ドゥムースティエ(ジャンヌ)
「ラバー」「ディアスキン 鹿革の殺人鬼」などの独創的な作品で知られるフランスの鬼才カンタン・デュピューが監督・脚本を手がけ、「時間が半日進んで肉体が3日分若返る」という不思議な穴に翻弄される夫婦の運命を描いた異色ドラマ。
平凡な中年夫婦アランとマリーは怪しげな不動産業者に案内され、郊外に建つモダニズム風の一軒家を下見に訪れる。不動産業者は購入すべきか迷う彼らに、奇妙なセールスポイントを教える。それは、家の地下室に空いた穴に入ると「時間が12時間進み、肉体が3日分若返る」というもの。夫婦は半信半疑でその家に引っ越すことを決めるが、やがてその穴の存在は、彼らが胸の奥深くに秘めていた欲望や衝動を呼び覚ましていく。
「恋愛睡眠のすすめ」のアラン・シャバと「ジュリアン」のレア・ドリュッケールが主人公夫婦を演じ、「ピアニスト」のブノワ・マジメル、「彼は秘密の女ともだち」のアナイス・ドゥムースティエが共演。
日本のハイテク技術を駆使した医療機器が素っ頓狂。穴の正体も不明だが、フランス的な『女の性(サガ)』の描写に、まあ、フランスの観客は許容して大笑いしたのだろうな。
2022-164M 「パラレル・マザーズ」☆☆☆★
原題:Madres paralelas
邦題:パラレル・マザーズ
時間:123分
公開:2022-11-03
製作年度:2021
製作国:スペイン・フランス
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:エステル・ガルシア
製作:アグスティン・アルモドバル
監督:ペドロ・アルモドバル
脚本:ペドロ・アルモドバル
原作:
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ペネロペ・クルス、ミレナ・スミット、イスラエル・エレハルデ、アイタナ・サンチェス=ヒホン、ロッシ・デ・パルマ、フリエタ・セラーノ
スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督が、「オール・アバウト・マイ・マザー」「ボルベール 帰郷」など数々の作品でタッグを組んできたペネロペ・クルスを主演に迎え、同じ日に出産を迎えた2人の母親の物語を描いた人間ドラマ。
写真家として成功しているジャニスと17歳の少女アナは、同じ病院の産科病棟で偶然出会い、同じ日に女の子を出産。ともにシングルマザーとして生きていくことを決意していた2人は、再会を誓って退院する。ところが、ジャニスがセシリアと名付けた娘は、父親であるはずの元恋人から「自分の子どもとは思えない」と言われてしまう。それをきっかけにジャニスがDNA検査をしたところ、セシリアが実の子でないことが判明。アナの娘と取り違えられたのではないかと疑うジャニスは、悩んだ末にこの事実を封印し、アナとも連絡を絶つ。しかし1年後、偶然アナと再会し、アナの娘が亡くなったことを知る。
ジャニス役を演じたペネロペ・クルスが、2021年・第78回ベネチア国際映画祭でボルピ杯(最優秀女優賞)を受賞。2022年・第94回アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされた。アナ役はこれが長編映画出演2作目のミレナ・スミット。
クライマックスからみると、スペイン内戦の虐殺跡の発掘で残酷な歴史の存在を描くのだが、子供を取り違えられた二人の女の葛藤の物語や、人生は自分のことしか考えていない母親など、あまりに情報量が多くて、どこを帰着点とするのか迷う作品だ。アルモドバルらしく、ペネロペを「両方OK」なキャラにしてる。
2022-163M 「この子は邪悪」☆☆☆★
邦題:この子は邪悪
時間:100分
公開:2022-09-01
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
製作総指揮:
製作:中西一雄 小西啓介 久保田修 吉田尚子
監督:片岡翔
脚本:片岡翔
原作:
撮影:花村也寸志
音楽:渡邊琢磨
出演:南沙良(窪花)、大西流星(四井純)、桜井ユキ(窪繭子)、渡辺さくら、桜木梨奈、稲川実代子、二ノ宮隆太郎、玉木宏(窪司朗)
「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」「もみの家」の南沙良が主演を務めたサスペンス。
心理療法室の院長・窪司朗の娘である花。かつて一家は交通事故に遭い、司朗は足に後遺症が残り、母は植物状態、妹は顔に重度の火傷を負い、花も心に深い傷を抱えることとなった。そんな花はある時、母親が心神喪失状態で、その原因を探っているという高校生・四井純と出会い、次第に心を通わせていく。そんなある日、花の母が5年ぶりに目を覚まし、司朗が家に連れて帰ってくる。司朗は久々の家族団らんを喜ぶが、花は母にどこか違和感を抱き……。
花と親しくなる純を「なにわ男子」の大西流星、花の両親を「映画 極主夫道」の玉木宏と「マチネの終わりに」の桜井ユキが演じる。オリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」準グランプリ作品の映画化。「町田くんの世界」などの脚本家・片岡翔が監督・脚本を手がけた。
タイトルロールが誰のことをいっているのか、最後まで悩んだが、まあ多分そうだろう。ジョーダン・ピールにインスパイアされているような香りがする。ツタヤのコンクールで受賞した作品らしい。
2022-162M 「彼女のいない部屋」☆☆★★★
原題:Serre moi fort
邦題:彼女のいない部屋
時間:97分
公開:2022-08-26
製作年度:2021
製作国:フランス
配給:ムヴィオラ
製作総指揮:
製作:レティシア・ゴンザレス ヤエル・フォギエル フェリックス・フォン・ベーム
監督:マチュー・アマルリック
脚本:マチュー・アマルリック
原作:
撮影:クリストフ・ボーカルヌ
音楽:
出演:ヴィッキー・クリープス(クラリス)、アリエ・ワルトアルテ(マルク)、アンヌ=ソフィ・ボーウェン=シャテ(リュシー)、サシャ・アルディリ(ポール)、ジュリエット・バンヴェニスト(リュシー(成長後))、オーレル・グルゼスィク(ポール(成長後))、オレリア・プティ(ガソリンスタンドの友人)、エルワン・リバール(不動産業者)、サミュエル・マチュー(マルクの同僚)、クカ・バニェレス・フロス(山荘のウェイトレス)
「007 慰めの報酬」などへの出演で国際的に知られ、「さすらいの女神たち」など監督としても活躍するフランスの俳優マチュー・アマルリックが監督・脚本を手がけた長編第4作。
本国フランスでの劇場公開前に明かされたストーリーは「家出をした女性の物語、のようだ」という1文のみで、物語の詳細は伏せらたており、主人公の女性クラリスを軸に、一見するとバラバラのピースがつなぎ合わさることで、ある真実にたどり着く。
2021年・第74回カンヌ国際映画祭の「カンヌ・プレミア部門」に選出。「ファントム・スレッド」「ベルイマン島にて」のビッキー・クリープスが主人公クラリスを演じ、「Girl ガール」のアリエ・ワルトアルテが共演。
手堅くクオリティがレベル以上と計算できるル・シネマ。時々アヴァンギャルドに振れて暴投がある。本作は、僕はちとバットを振れなかった。まお、人によってはストライクに見えるだろう。異論をの存在を認めざるをえない作品だな。
途中からカラクリの正体はどっちかな?と思い出し、後半部分で判明。あとはねえ、なにがなんやら。
2022-161M 「ブレット・トレイン」☆☆☆★★
原題:Bullet Train
邦題:ブレット・トレイン
時間:126分
公開:2022-09-01
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:ブレント・オコナー カット・サミック 寺田悠馬 三枝亮介
製作:ケリー・マコーミック デビッド・リーチ アントワン・フークア
監督:デビッド・リーチ
脚本:ザック・オルケウィッツ
原作:伊坂幸太郎
撮影:ジョナサン・セラ
音楽:ドミニク・ルイス
出演:ブラッド・ピット(レディバグ)、ジョーイ・キング(プリンス)、アーロン・テイラー=ジョンソン(タンジェリン)、ブライアン・タイリー・ヘンリー(レモン)、ザジー・ビーツ(ホーネット)、ローガン・ラーマン(サン)、福原かれん(カイダ・イズミ)、アンドリュー・小路(キムラ)、真田広之(エルダー)、マイケル・シャノン(ホワイト・デス)、ベニート・A・マルティネス・オカシオ(ウルフ)、サンドラ・ブロック(マリア)
作家・伊坂幸太郎による「殺し屋シリーズ」の第2作「マリアビートル」を、「デッドプール2」のデビッド・リーチ監督がブラッド・ピット主演でハリウッド映画化したクライムアクション。
いつも事件に巻き込まれてしまう世界一運の悪い殺し屋レディバグ。そんな彼が請けた新たなミッションは、東京発の超高速列車でブリーフケースを盗んで次の駅で降りるという簡単な仕事のはずだった。盗みは成功したものの、身に覚えのない9人の殺し屋たちに列車内で次々と命を狙われ、降りるタイミングを完全に見失ってしまう。列車はレディバグを乗せたまま、世界最大の犯罪組織のボス、ホワイト・デスが待ち受ける終着点・京都へ向かって加速していく。
プラピ主演でソニー配給の、日本製作出資のハリウッドメジャー、コロムビア映画。原作は伊坂幸太郎。デビッド・リーチ監督と主演のブラッド・ピットによる「タランティーノごっこ」。タランティーノが、映画史に『こういう映画もアリ!』という前例を作ってしまったが故に、僕らは何の違和感もなく、楽しめる。
共演に「オーシャンズ8」のサンドラ・ブロック、「キック・アス」シリーズのアーロン・テイラー=ジョンソン、「ラスト サムライ」の真田広之ら豪華キャストが集結。