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2022-160M 「木樵」☆☆☆

Skikori邦題:木樵
時間:82分
公開:2022-10-14
製作年度:2022
製作国:日本
配給:平成プロジェクト
製作総指揮:
製作:益田祐美子
監督:宮崎政記
脚本:
原作:
撮影:宮崎政記
音楽:日景健貴
出演:近藤正臣(語り)、面家一男、澤和宏、瀧根清司

岐阜県飛騨地方を舞台に、現代の「木樵」である林業にスポットを当てたドキュメンタリー。

同県で木樵の父の背中を見て育ちながらも林業不況の中で跡を継ぐことを断念した過去を持つ宮崎政記が監督・撮影・編集を手がけ、高山市滝町で約50年にわたり木樵として生計を立ててきた面家一男さんと弟の瀧根清司さん、その家族と弟子たちの日常を、1年間にわたって記録。移ろう季節の中で美しくも厳しい山々を護りながらひたむきに生きる姿や、林業がその土地と深くつながっている様子、山の暮らしを次世代へと継承していく姿を映し出す。

俳優の近藤正臣がナレーションを担当。

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2022-159M 「1950 鋼の第7中隊」☆☆☆

S1950haganeno原題:長津湖 The Battle at Lake Changjin
邦題:1950 鋼の第7中隊
時間:175分
公開:2022-09-30
製作年度:2021
製作国:中国
配給:ツイン
製作総指揮:
製作:ホアン・ジェンシン
監督:チェン・カイコー ツイ・ハーク ダンテ・ラム
脚本:
原作:
撮影:
音楽:
出演:ウー・ジン、イー・ヤンチェンシー、チャン・ハンユー、ドゥアン・イーホン、
チュウ・ヤーウェン

1950年に勃発した朝鮮戦争の中でも激戦として知られる「長津湖の戦い」を題材にしたアクション。北朝鮮北部の長津湖を舞台に、アメリカ軍を中心とする国連軍と中国人民志願軍の死闘を描く。『セブンソード』などのツイ・ハーク、『始皇帝暗殺』などのチェン・カイコー、『オペレーション:レッド・シー』などのダンテ・ラムが共同で監督を担当。『バトル・オブ・ザ・リバー 金剛川決戦』などのウー・ジン、『少年の君』などのイー・ヤンチェンシーのほか、チャン・ハンユー、ドゥアン・イーホン、チュウ・ヤーウェンらが出演する。
1950年6月、北朝鮮人民軍が38度線を突破して韓国に侵攻し、朝鮮戦争が勃発。アメリカ軍を中心とする国連軍が韓国・仁川に上陸し、中朝国境付近に迫りつつある状況を懸念した毛沢東(タン・グオチャン)は、中国人民志願軍の派兵を決定する。一方、伍千里(ウー・ジン)率いる第7中隊は前線への輸送任務の途中、火力に勝る敵の攻撃に遭遇するが、千里の弟・万里(イー・ヤンチェンシー)の活躍により撃退し任務を終える。ほどなくして国連軍への総攻撃が決定され、11月27日、北朝鮮北部の長津湖で中国人民志願軍と国連軍が激突する

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2022-158M 「セイント・フランシス」☆☆☆

Ssaintfrancis 原題:Saint Frances
邦題:セイント・フランシス
時間:101分
公開:2022-08-19
製作年度:2019
製作国:アメリカ
配給:ハーク
製作総指揮:
製作:ジェームズ・チョイ ピアース・クレイブンズ イアン・カイザー エディ・リンカー ラファエル・ナッシュ アレックス・トンプソン ロジャー・ウェルプ
監督:アレックス・トンプソン
脚本:ケリー・オサリバン
原作:
撮影:ネイト・ハートセラーズ
音楽:クイン・ツァン アレクサンダー・バビット
出演:ケリー・オサリヴァン、ラモナ・エディス=ウィリアムズ、チャリン・アルバレス、マックス・リプシッツ、リリー・モジェク、ジム・トゥルー=フロスト、メアリー・ベス・フィッシャー、フランシス・ギナン、レベッカ・スペンス

30代女性と6歳の少女のひと夏の交流を描き、サウス・バイ・サウスウエスト映画祭2019で観客賞と審査員特別賞を受賞したヒューマンドラマ。
大学を中退し、レストランの給仕として働きながら夏の子守りの短期仕事を必死に探す34歳の独身女性ブリジット。子守りを任された6歳の少女フランシスやその両親であるレズビアンカップルとの出会いを通し、彼女の冴えない人生に少しずつ変化が訪れる。
主演を務めるケリー・オサリバンが自伝的要素を盛り込んでオリジナル脚本を手がけ、これまでタブーとされることの多かった、生理、避妊、中絶など女性の心身にまつわる本音を、ユーモアを交えながら軽やかに描き出す。オサリバンの私生活のパートナーでもあるアレックス・トンプソンが長編初メガホンをとった。
女流監督シャロン・マグワイアが2001年に公開したコメディ「ブリジット・ジョーンズの日記」は、レニー・ゼルウィガーが、恋を求める32歳の独身女性を演じて、大ヒットした。
主人公は、イマイチ恋愛に不器用な、小太りなアラサー超えのプチブスなキャラクター設定。理想のイケメン&玉の輿へなかなか到達できないチグハグ、感情のスレ違い、間の悪さ、ゴージャス&ナイスバディ女性へのコンプレックス、など盛りだくさんの恋愛喜劇だった。当時はそれで、観客席は沸いていた。
20年後に、いみじくも『ブリジット』という同名で34歳の独身女性が主人公。彼女がナニーとして雇われる先は、黒人と白人のレズビアンカップルで、そこの黒人側の娘の子守り。白人側は子供を出産したばかりで、産後鬱に悩んでいる。一方ブリジットも行きずりの性交渉で妊娠し、中絶したばかりで体調はすぐれない。こちらのブリジットは20年前と違い、恋愛にこれっぽっちも憧れを持ってないようだ。それでも、温かみあるエンディングは(とりあえずの)ハッピーエンドなので、コメディと言って良いのだろう。
この20年の間に、ここまでアメリカの文化は変貌しているのだ、という驚き。2001年は平成なら10年以上経っている。それから考えれば、僕らにとっては、つい昨日のような「昭和」は、世の感覚では、遥か古代の歴史でしかないのだろう。

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2022-157M 「異動辞令は音楽隊!」☆☆☆★★

Sidojireihaongakutai 邦題:異動辞令は音楽隊!
時間:119分
公開:2022-08-26
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ギャガ
製作総指揮:
製作:依田巽 渡辺信也 藤野英人
監督:内田英治
脚本:内田英治
原作:内田英治
撮影:伊藤麻樹
音楽:小林洋平
出演:阿部寛(成瀬司)、清野菜名(来島春子)、磯村勇斗(坂本祥太)、高杉真宙(北村裕司)、板橋駿谷(国沢正志)、モトーラ世理奈(柏木美由紀)、見上愛(成瀬法子)、岡部たかし(篠田誠)、渋川清彦(広岡達也)、酒向芳(沢田高広)、六平直政(井上涼平)、光石研(五十嵐和夫)、倍賞美津子(成瀬幸子)

「ミッドナイトスワン」の内田英治監督が阿部寛を主演に迎えたヒューマンドラマ。警察音楽隊のフラッシュモブ演奏に着想を得た内田監督が、最前線の刑事から警察音楽隊に異動させられた男の奮闘をオリジナル脚本で描き出す。

部下に厳しく、犯人逮捕のためなら手段を問わない捜査一課のベテラン刑事・成瀬司。高齢者を狙ったアポ電強盗事件を捜査する中で、令状も取らず強引な捜査を繰り返した結果、広報課内の音楽隊への異動を言い渡されてしまう。不本意ながらも音楽隊を訪れる成瀬だったが、そこにいたのは覇気のない隊員ばかりで……。

音楽隊のトランペット奏者・来島春子を清野菜名、サックス奏者・北村裕司を高杉真宙、捜査一課の若手刑事・坂本祥太を磯村勇斗が演じる。

内田英治は、配信ドラマの「全裸監督」の印象。劇場映画では「ミッドナイトスワン」のもてはやされ。という、かなりな曲球・変化球の監督という印象だった。しかし、本作は初期の周防正行、矢口史靖がひとつのジャンルとして開発した(異業種巻きこまれ)系。最近では珍しいジャンルなので新鮮に思えるし、演出が地に足のついたしっかりした、腰の軽くない良作となっている。

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2022-156M 「ランディ・ローズ」☆☆☆★

Srandyrose原題:Randy Rhoads: Reflections of a Guitar Icon
邦題:ランディ・ローズ
時間:92分
公開:2022-11-11
製作年度:2022
製作国:アメリカ
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:アンドレ・レリス JD・ボーフィス
製作:ジェシカ・ベネット アンドレ・レリス
監督:アンドレ・レリス
脚本:マイケル・ブルーイニン
原作:
撮影:リッチ・バーマン
音楽:
出演:ランディ・ローズ

25歳の若さで天国に旅立った、あの悲劇から40年。オジー・オズボーンに最も愛された天才ギタリストの栄光と哀しみの物語。貴重なライブ映像やオジー・オズボーン、エディ・ヴァン・ヘイレンほか、貴重なインタビューも多数収録。

 

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2022-155M 「ヒューマン・ボイス」☆☆☆★★

Shumanvoice原題:The Human Voice
邦題:ヒューマン・ボイス
時間:30分
公開:2022-11-03
製作年度:2020
製作国:スペイン
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:
製作:アグスティン・アルモドバル エステル・ガルシア
監督:ペドロ・アルモドバル
脚本:ペドロ・アルモドバル
原作:ジャン・コクトー
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ティルダ・スウィントン

スペインの名匠ペドロ・アルモドバルが、フランスの芸術家ジャン・コクトーの戯曲「人間の声」を翻案し、自身初の英語作品として描いた30分の短編作品。ティルダ・スウィントンが主演を務め、恋人に別れを告げられたばかりの女性を主人公に、彼女が繰り広げる電話での会話劇だけで物語が展開する。

1人の女が元恋人のスーツケースの横で、ただ時が過ぎるのを待っていた。元恋人はスーツケースを取りに来るはずが、姿を現さない。かたわらには主人に捨てられたことをまだ理解していない、落ち着きのない犬がいる。女は待ち続けた3日間のうち、一度だけ外出をし、斧と缶入りガソリンを買ってくる。女は無力感にさいなまれ、絶望を味わい、理性を失う。様々な感情を経て、やっと元恋人からの電話がかかってくるが……。

ティルダ・スウィントンをのせて、これだけの芝居をさせるアルモドバル監督が素晴らしい。コクトー、アルモドバルという記号にクイアと自任するティルダが、ジェンダーを超えた「失われた愛」を表現する仕掛けが面白い。ベッドにあるスーツは男性ものらしいが、電話の相手は果たして男性なのだろうか。という倒錯的な香りもする。30分という短さのため故に、さまざまな「答え合わせ」が不要であるという、観客に「思考する愉悦」を与える。

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2022-154M 「サバカン SABAKAN」☆☆☆★★★

Ssabakan邦題:サバカン SABAKAN
時間:96分
公開:2022-08-19
製作年度:2022
製作国:日本
配給:キノフィルムズ
製作総指揮:飯島三智 小佐野保
製作:佐藤満 高橋潤
監督:金沢知樹
脚本:金沢知樹 萩森淳
原作:
撮影:菅祐輔
音楽:大島ミチル
出演:番家一路(久田孝明(子供時代))、原田琥之佑(竹本健次)、尾野真千子(久田良子)、竹原ピストル(久田広重)、村川絵梨(弥生)、福地桃子(亜子)、ゴリけん(大内田健夫/竹本叔父)、八村倫太郎(金山)、茅島みずき(由香)、篠原篤(宮田学)、泉澤祐希(市川)、貫地谷しほり(竹本雅代)、草なぎ剛(久田孝明)、岩松了(内田のじじい)

1980年代の長崎を舞台に、2人の少年が繰り広げる冒険と、それぞれの家族との愛情に満ちた日々を描いた青春ドラマ。

1986年、夏。斉藤由貴とキン肉マン消しゴムが大好きな小学5年生の久田は、夫婦ゲンカばかりだが愛情深い両親や弟と暮らしている。ある日彼は、家が貧しく同級生から避けられている竹本と、イルカを見るため海へ出かける。溺れそうになったり不良に絡まれたりと様々なトラブルに遭遇しながらも友情を育んでいく久田と竹本だったが、やがて別れを予感させる悲しい事件が起こる。

久田の両親を尾野真千子と竹原ピストル、大人になった久田を草なぎ剛が演じる。ドラマ「半沢直樹」の脚本などテレビや舞台の脚本・演出を手がけてきた金沢知樹が映画初監督を務め、萩森淳と共同でオリジナル脚本を執筆。

子役の演技力の勝利。そのポテンシャルを存分に引き出した金沢監督の演出力。草彅映画ではない。彼は語り部。なお、「郷愁の80年代」といった風情のうたい文句だが、ぼくにとっては普通に会社員で汗をかいていた時代。思い入れはあまり、無い。

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2022-153M 「バイオレンスアクション」☆☆★★

Sviorenceactihon邦題:バイオレンスアクション
時間:111分
公開:2022-08-19
製作年度:2022
製作国:日本
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
製作総指揮:ウィリアム・アイアトン
製作:
監督:瑠東東一郎
脚本:江良至 瑠東東一郎
原作:浅井蓮次 沢田新
撮影:高野学
音楽:瀬川英史
出演:橋本環奈(菊野ケイ)、杉野遥亮(テラノ)、鈴鹿央士(渡辺)、馬場ふみか(店長)、森崎ウィン(金子)、大東駿介(アヤべ)、太田夢莉(だりあ)、猪塚健太(クラ)、箭内夢菜(りっか)、兵動大樹(国津)、くっきー!(謎の大男)、佐藤二朗(三代目)、城田優(みちたかくん)、高橋克典(木下)、岡村隆史(ヅラさん)

橋本環奈が、ゆるふわの専門学生で凄腕の殺し屋という2つの顔を持つ主人公を演じたアクションエンタテインメント。小学館「やわらかスピリッツ」連載の浅井蓮次と沢田新による人気コミックを実写映画化した。

ピンク髪のショートボブでゆるふわな雰囲気を漂わせる菊野ケイは、昼は日商簿記検定2級合格を目指して専門学校に通いながら、夜はアルバイトをするという日々を送っている。そのバイトとは指名制の殺し屋で、ケイはそこで指名ナンバーワンの実力を持つ凄腕の殺し屋だった。ある時、学校帰りのバスでビジネスマン風の青年テラノと出会ったケイは、胸が高鳴りながらも、そのままいつも通りバイト先へ。この日の依頼は、巨大なヤクザ組織を仕切る3代目組長から、ある人物を殺してほしいというものだった。そのターゲットとは抗争の渦中にいるヤクザの会計士の男で、その男こそ昼間のバスで出会ったテラノだった。

ケイ役を務める橋本を筆頭に、テラノ役の杉野遥亮、ケイに思いを寄せる同級生・渡辺役の鈴鹿央士ほか、馬場ふみか、森崎ウィン、大東駿介、太田夢莉、佐藤二朗、城田優、高橋克典、岡村隆史ら豪華キャストが個性的なキャラクターたちを演じる。メガホンをとったのは「おっさんずラブ」「極道主夫」などの人気作品を手がけてきた瑠東東一郎。

ハリウッド映画のC級設定に、チープな日本映画の予算で仕上げた珍味を楽しめ、という高度な作品咀嚼が必要な、ある意味アート映画。

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2022-152M 「アキラとあきら」☆☆☆★★

Sakiratoakira邦題:アキラとあきら
時間:128分
公開:2022-08-26
製作年度:2022
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:石垣裕之 松岡宏泰
監督:三木孝浩
脚本:池田奈津子
原作:池井戸潤
撮影:柳田裕男
音楽:大間々昂
出演:竹内涼真(山崎瑛)、横浜流星(階堂彬)、高橋海人(階堂龍馬)、上白石萌歌(水島カンナ)、児嶋一哉(階堂崇)、満島真之介(工藤武史)、塚地武雅(保原茂久)、宇野祥平(井口雅信)、戸田菜穂、野間口徹、杉本哲太、酒井美紀、山寺宏一、津田寛治、徳重聡、矢島健一、馬淵英里何、山内圭哉、山村紅葉、竹原慎二、アキラ100%、奥田瑛二(羽根田一雄)、石丸幹二(階堂一磨)、ユースケ・サンタマリア(階堂晋)、江口洋介(不動公二)

「半沢直樹」シリーズなどで知られる人気作家・池井戸潤の同名小説を、竹内涼真と横浜流星の主演で映画化。

父親の経営する町工場が倒産し過酷な幼少時代を過ごした山崎瑛と、大企業の御曹司だが次期社長の座を拒絶し血縁のしがらみに抗う階堂彬。同じ名前を持つ2人は運命に導かれるかのように、日本有数のメガバンクに同期入社する。人を救うバンカーになるという熱い理想を持つ山崎と、情を排して冷静に仕事をこなす階堂。正反対の信念を持つ2人は真っ向から対立し、ライバルとしてしのぎを削る。しかし山崎は、ある案件で自らの理想と信念を押し通した結果、左遷されてしまう。一方、順調に出世する階堂の前にも、親族同士の争いという試練が立ちはだかる。やがて、数千人の人生を左右する巨大な危機が到来し、山崎と階堂の人生が再び交差する。
監督は「思い、思われ、ふり、ふられ」「僕等がいた」の三木孝浩。

池井戸潤の銀行&企業再生もの。小学館と集英社が委員会でコラボは珍しい。叔父役の二人がいい存在感。

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2022-151M 「NOPE ノープ」☆☆☆

Snope原題:NOPE
邦題:NOPE ノープ
時間:131分
公開:2022-08-26
製作年度:2022
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:
製作:イアン・クーパー ジョーダン・ピール
監督:ジョーダン・ピール
脚本:ジョーダン・ピール
原作:
撮影:ホイテ・バン・ホイテマ
音楽:マイケル・エイブルズ
出演:ダニエル・カルーヤ(OJ・ヘイウッド)、キキ・パーマー(エメラルド・ヘイウッド)、ブランドン・ペレア(エンジェル・トーレス)、マイケル・ウィンコット(アントレス・ホルスト)、スティーヴン・ユァン(リッキー・“ジュープ”・パク)、キース・デヴィッド(オーティス・ヘイウッド・シニア)

「ゲット・アウト」「アス」で高い評価を受けるジョーダン・ピールの長編監督第3作。広大な田舎町の空に突如現れた不気味な飛行物体をめぐり、謎の解明のため動画撮影を試みる兄妹がたどる運命を描いた。

田舎町で広大な敷地の牧場を経営し、生計を立てているヘイウッド家。ある日、長男OJが家業をサボって町に繰り出す妹エメラルドにうんざりしていたところ、突然空から異物が降り注いでくる。その謎の現象が止んだかと思うと、直前まで会話していた父親が息絶えていた。長男は、父親の不可解な死の直前に、雲に覆われた巨大な飛行物体のようなものを目撃したことを妹に明かす。兄妹はその飛行物体の存在を収めた動画を撮影すればネットでバズるはずだと、飛行物体の撮影に挑むが、そんな彼らに想像を絶する事態が待ち受けていた。

「ゲット・アウト」でもピール監督とタッグを組んだダニエル・カルーヤが兄OJ、「ハスラーズ」のキキ・パーマーが妹エメラルドを演じるほか、「ミナリ」のスティーブン・ユァンが共演。

最後はほぼダイオウイカ。正体が意外だが。いろいろキャラクターも入れ込もうとしているが、自家撞着に陥って、ほぼ最後は放置プレー。あの特殊カメラマンもどうなったことやらだし、ウエスタンショーのオーナーも、その出自の狂乱チンパンジーのお話どこへどう暗喩されているのか、まったく不明なのだ。いろいろ盛り込みすぎたのだろう。最近のシャマランがワンアイデアで破綻していくのに似た落とし穴に向かっているようだ。
「ゲットアウト」「アス」と、アイデアの種を深堀して恐怖をアンリミテッドに持っていく手法がピール監督の上手さだと思っていたが、今回は「残念」。

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2022-147M 「ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言」☆☆☆

Sfinalaccount原題:Final Account
邦題:ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言
時間:94分
公開:2022-08-05
製作年度:2020
製作国:アメリカ・イギリス
配給:パルコ
製作総指揮:ジェフ・スコール ダイアン・ワイアーマン アンドリュー・ラーマン クレア・アギラール
製作:ジョン・バトセック ルーク・ホランド リーテ・オード
監督:ルーク・ホランド
脚本:ルーク・ホランド
原作:
撮影:ルーク・ホランド
音楽:リズ・ギャラチャー

出演:

ナチス支配下のドイツ・第三帝国に参加したドイツ人高齢者たちの証言を記録したドキュメンタリー。

母がユダヤ人難民であったというルーツを持つイギリスのドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは、2008年から10年の歳月をかけて250以上のインタビューを敢行する。その対象となったのは、武装親衛隊のエリート士官、強制収容所の警備兵、ドイツ国防軍兵士、軍事施設職員、近隣に住んでいた民間人など、ホロコーストを目撃した、生存する最後の世代である高齢者たち。彼らはナチス政権下に幼少期を過ごし、ナチスの精神を植えつけられて育った。長きにわたって沈黙を続けてきた彼らが語ったのは、ナチスへの加担や受容したことを悔いる言葉だけではなく、自己弁護や言い逃れ、さらにはヒトラーを支持するという赤裸々な本音まで、驚くべき証言の数々だった。

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2022-150M 「野球部に花束を」☆☆☆★★

Syakyubu邦題:野球部に花束を
時間:99分
公開:2022-08-11
製作年度:2022
製作国:日本
配給:日活
製作総指揮:
製作:森田圭 沖浩
監督:飯塚健
脚本:飯塚健
原作:クロマツテツロウ
撮影:川島周
音楽:海田庄吾
出演:醍醐虎汰朗(黒田鉄平)、黒羽麻璃央(桧垣主圭)、駒木根隆介(亀井大作)、市川知宏(森毅)、三浦健人(薫田敦)、里崎智也(野球部あるある解説者)、小沢仁志(高校球児)、高嶋政宏(原田監督)

クロマツテツロウの同名コミックを実写映画化した青春コメディ。

中学での野球部生活を終え、高校デビューを目指して茶髪で入学した黒田鉄平。そんな彼のもくろみは、うっかり野球部の見学に参加してしまったことで失敗に終わる。新入生歓迎の儀式で坊主に逆戻りした黒田は、鬼監督の原田と後輩を奴隷のように扱う先輩部員たちのもとで過酷な日々を過ごす。強豪ではないが弱小でもない普通の高校野球部で、1年生の仲間たちと時には助け合い、時にはいがみ合いながらも、どうにか日々を過ごしていくが……。

「天気の子」「#ハンド全力」の醍醐虎汰朗が黒田役で主演を務め、チームメイトの桧垣主圭を「アヤメくんののんびり肉食日誌」の黒羽麻璃央、野球部の原田監督を高嶋政宏が演じる。さらに元プロ野球選手の里崎智也、Vシネマの帝王・小沢仁志も出演。「荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE」の飯塚健が監督・脚本を手がけた。

 

 

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2022-149M 「プアン 友だちと呼ばせて」☆☆☆★★

Spuan原題:One for the Road
邦題:プアン 友だちと呼ばせて
時間:128分
公開:2022-08-05
製作年度:2021
製作国:タイ
配給:ギャガ
製作総指揮:ウォン・カーウァイ チャン・イーチェン
製作:
監督:バズ・プーンピリヤ
脚本:バズ・プーンピリヤ ノタポン・ブンプラコープ プァンソイ・アックソーンサワーン
原作:
撮影:パクラオ・ジランクーンクム
音楽:ウイチャヤ・ワッタナサップ
出演:トー・タナポップ、アイス・ナッタラット、プローイ・ホーワン、ヌン・シラパン、ヴィオーレット・ウォーティア、チュティモン・ジョンジャルーンスックジン

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」で注目を集めたタイのバズ・プーンピリヤ監督が、余命宣告を受けた男と親友の旅を描いた人間ドラマ。

ニューヨークでバーを経営するタイ出身のボスは、バンコクで暮らす友人ウードから数年ぶりに電話を受ける。ウードは白血病で余命宣告を受けており、ボスに最後の願いを聞いて欲しいと話す。バンコクへ駆けつけたボスが頼まれたのは、ウードが元恋人たちを訪ねる旅の運転手だった。カーステレオから流れる思い出の曲が、かつて2人が親友だった頃の記憶をよみがえらせていく。そして旅が終わりに近づいた時、ウードはボスにある秘密を打ち明ける。

「恋する惑星」などの名匠ウォン・カーウァイがプロデュースを手がけた。2021年サンダンス映画祭のワールドシネマドラマティック部門で審査員特別賞を受賞。

 

 

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2022-148M 「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」☆☆☆★

Smonday邦題:MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない
時間:82分
公開:2022-10-14
製作年度:2022
製作国:日本
配給:パルコ
製作総指揮:
製作:野呂大介 福田文香
監督:竹林亮
脚本:夏生さえり 竹林亮
原作:
撮影:幸前達之
音楽:大木嵩雄
出演:円井わん、マキタスポーツ、長村航希、三河悠冴、八木光太郎、高野春樹、島田桃依、池田良、しゅはまはるみ

長編デビュー作「14歳の栞」で注目を集めた竹林亮が監督を務め、タイムループに陥った小さなオフィスの社員たちが脱出を目指して奮闘する姿を描いたコメディドラマ。
小さな広告代理店に勤める吉川朱海は、憧れの人がいる大手広告代理店への転職を目指しながらも、仕事に追われる多忙な日々を過ごしていた。ある月曜日の朝。彼女は後輩2人組から、自分たちが同じ1週間を何度も繰り返していることを知らされる。他の社員たちも次々とタイムループに気づいていくが、脱出の鍵を握る永久部長だけが、いつまで経っても気づいてくれない。どうにか部長に気づかせてタイムループから抜け出すべく悪戦苦闘する社員たちだったが……。
主人公・吉川を「コントラ KONTORA」の円井わん、永久部長をマキタスポーツが演じる。
タイムループものでは最近では「パーム・スプリング」という佳作が記憶に新しい。
基本的には「どうループから脱出するか」がテーマで、繰り返すことの危険をどう登場人物らが回避しつつ、逆に既知の事象を利用して時間の円環を破壊するかのアイデアが勝負となる。
オフィスで上司を説得していくミッション達成が前半の円環脱出プランだが、失敗に終わった後半は、思いもよらぬ展開になっていくのに驚いた。タイムリミットに「死」を設定する類型的なサスペンスではなく、動機も解決策も結果のカタルシスも「ゆるふわ」なところが気に入った。

 

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2022-146M 「ムーンフォール」☆☆☆★

Smoonfall原題:Moonfall
邦題:ムーンフォール
時間:130分
公開:2022-07-29
製作年度:2022
製作国:アメリカ・イギリス
配給:Aamazon
製作総指揮:ジョン・ポール・“JP”・ペティナート マルコ・シェパード カーステン・ロレンツ スペンサー・コーエン ウテ・エメリッヒ ワン・チョンジュン ワン・チョンレイ フー・ジュンイー レイモンド・ハウ エドワード・チェン ビビアナ・ベッツァーニ カール・シュポエリ スチュアート・フォード アラステア・バーリンガム ゲイリー・ラスキン
製作:ハラルド・クローサー ローランド・エメリッヒ
監督:ローランド・エメリッヒ
脚本:ローランド・エメリッヒ ハラルド・クローサー スペンサー・コーエン
原作:
撮影:ロビー・バウムガルトナー
音楽:トーマス・ワンカー ハラルド・クローサー
出演:ハル・ベリー(ジョー・ファウラー)、パトリック・ウィルソン(ブライアン・ハーパー)、ジョン・ブラッドリー(K.C.ハウスマン)、マイケル・ペーニャ(トム・ロペス)、チャーリー・プラマー(ソニー・ハーパー)、ケリー・ユー(ミシェル)

「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」などのパニックアクション大作で知られるローランド・エメリッヒ監督が、月と地球の衝突という危機に立ち向かう人類の姿を描いたディザスタームービー。
 原因不明の力によって月が本来の軌道から弾き出され、あと数週間で地球に激突するという驚くべき事実がNASA(アメリカ航空宇宙局)にもたらされる。NASAは現地調査を試みようとするが、同時に組織内部で、とある情報が隠ぺいされていたことが発覚する。地球と月を救うため、NASAの副部長ジョー・ファウラー、過去のある事件からNASAをクビになった元宇宙飛行士のブライアン・ハーパー、天文学博士を自称するKC・ハウスマンの3人が立ち上がり、未曽有の危機に立ち向かう。
 ジョーをハル・ベリー、ブライアンをパトリック・ウィルソン、KCを「ゲーム・オブ・スローンズ」のジョン・ブラッドリーが演じた。そのほかの共演にマイケル・ペーニャ、チャーリー・プラマー、ドナルド・サザーランド。2022年7月29日からAmazon Prime Videoで配信。
 
「エメリッヒさんよ、なんか一発ディザスター無いですかね。どうやらチャイナが金だしたいようなんで、引っ張ってきましょうよ」「んじゃ、ひとつ月でも地球に落っことしてみようか、けっこう派手な絵が作れまっせ」「それイッチョおねげーします」
といって完成したっぽい、エメリッヒ流の地球ぶっ壊し映画。

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2022-145M 「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」☆☆☆★★

Sjuraworld2022原題:Jurassic World: Dominion
邦題:ジュラシック・ワールド 新たなる支配者
時間:147分
公開:2022-07-29
製作年度:2020
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ アレクサンドラ・ダービシャー コリン・トレボロウ
製作:フランク・マーシャル パトリック・クローリー
監督:コリン・トレボロウ
脚本:エミリー・カーマイケル コリン・トレボロウ
原作:デレク・コノリー コリン・トレボロウ
撮影:ジョン・シュワルツマン
音楽:マイケル・ジアッキノ
出演:クリス・プラット(オーウェン)、ブライス・ダラス・ハワード(クレア)、ローラ・ダーン(エリー・サトラー博士)、ジェフ・ゴールドブラム(イアン・マルコム博士)、サム・ニール(アラン・グラント博士)、ディワンダ・ワイズ(ケイラ)、マムドゥ・アチー(ラムジー)、BD・ウォン(ヘンリー・ウー博士)、オマール・シー(バリー)、イザベラ・サーモン(メイジー・ロックウッド)、キャンベル・スコット(ルイス・ドジスン)、ジャスティス・スミス、スコット・ヘイズ、ディーチェン・ラックマン(ソヨナ)、ダニエラ・ピネダ(ジア)

現代によみがえった恐竜たちの姿をリアルかつスリリングに描いて人気を集めるメガヒット作「ジュラシック・パーク」シリーズの最終章。2015年の「ジュラシック・ワールド」でメガホンをとったコリン・トレボロウが再び監督に復帰し、シリーズ生みの親であるスティーブン・スピルバーグが引き続き製作総指揮を担当。「ジュラシック・ワールド」シリーズの主演クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワードに加え、「ジュラシック・パーク」初期3作で中心となったサム・ニール、ローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムが演じる3人の博士もカムバックする。ジュラシック・ワールドのあった島、イスラ・ヌブラルが噴火で壊滅し、救出された恐竜たちが世界中へ解き放たれて4年。人類はいまだ恐竜との安全な共存の道を見いだせずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女、メイジーを守りながら、人里離れた山小屋で暮らしていた。そんなある日、オーウェンは子どもをつれたブルーと再会。しかし、その子どもが何者かによって誘拐されてしまい、オーウェンはクレアとともに救出に向かう。一方、ある目的で恐竜の研究をしている巨大バイオテクノロジー企業のバイオシンを追っていたサトラー博士のもとには、グラント博士が駆け付け、彼らはマルコム博士にも協力を求める。

中盤のチェイスシーンはかなり手に汗握る良い出来。
グレタ臭いお説教のような語りが最後の最後で鼻につく。

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