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2022-1222M 「エルヴィス」☆☆☆☆

Selvis原題:Elvis
邦題:エルヴィス
時間:159分
公開:2022-07-01
製作年度:2022
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
製作総指揮:ゲイル・バーマン パトリック・マコーミック スカイラー・ワイス トビー・エメリッヒ コートニー・バレンティ ケビン・マコーミック
製作:バズ・ラーマン キャサリン・マーティン
監督:バズ・ラーマン
脚本:バズ・ラーマン サム・ブロメル クレイグ・ピアース
原作:バズ・ラーマン ジェレミー・ドネル
撮影:マンディ・ウォーカー
音楽:エリオット・ウィーラー
出演:オースティン・バトラー(エルヴィス・プレスリー)、トム・ハンクス(トム・パーカー)、ヘレン・トムソン(グラディス)、リチャード・ロクスバーグ(ヴァーノン)
オリヴィア・デヨング(プリシラ)、ヨラ(シスター・ロゼッタ・サープ)、ションカ・デュクレ(ビッグ・ママ・ソーントン)、アルトン・メイソン(リトル・リチャード)、ケルヴィン・ハリソン・Jr(B・B・キング)、ゲイリー・クラーク・Jr(アーサー・“ビッグ・ボーイ”・クルーダップ)、デヴィッド・ウェンハム(ハンク・スノウ)、ルーク・ブレイシー(ジェリー・シリング)、デイカー・モンゴメリー(スティーブ・ビンダー)

「キング・オブ・ロックンロール」と称されるエルビス・プレスリーの人生を、「ムーラン・ルージュ」「華麗なるギャツビー」のバズ・ラーマン監督のメガホンで映画化。スターとして人気絶頂のなか若くして謎の死を遂げたプレスリーの物語を、「監獄ロック」など誰もが一度は耳にしたことのある名曲の数々にのせて描いていく。ザ・ビートルズやクイーンなど後に続く多くのアーティストたちに影響を与え、「世界で最も売れたソロアーティスト」としてギネス認定もされているエルビス・プレスリー。腰を小刻みに揺らし、つま先立ちする独特でセクシーなダンスを交えたパフォーマンスでロックを熱唱するエルビスの姿に、女性客を中心とした若者たちは興奮し、小さなライブハウスから始まった熱狂はたちまち全米に広がっていった。しかし、瞬く間にスターとなった一方で、保守的な価値観しか受け入れられなかった時代に、ブラックカルチャーを取り入れたパフォーマンスは世間から非難を浴びてしまう。やがて故郷メンフィスのラスウッド・パークスタジアムでライブを行うことになったエルビスだったが、会場は警察に監視され、強欲なマネージャーのトム・パーカーは、逮捕を恐れてエルビスらしいパフォーマンスを阻止しようとする。それでも自分の心に素直に従ったエルビスのライブはさらなる熱狂を生み、語り継がれるライブのひとつとなるが……。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などに出演したオースティン・バトラーがエルビス・プレスリー役に抜てきされ、マネージャーのトム・パーカーを名優トム・ハンクスが演じる。
 1971年の秋、デニス・サンダース監督のドキュメンタリー「エルヴィス・オン・ステージ」の封切りを、確か丸の内ピカデリーで観た。高校1年生の小僧は、ベガスのなんたらも知らなかった。オッサンのくせに、派手な衣装で懐メロなロックで熱狂させるパワーに目を見張ったのが、エルヴィス・プレスリーの初体験。ヒット曲の数々や、ダサい歌謡映画の数々はテレビ放映などで知見はあったが、ライブでというか、動くアーティストとしての彼の姿を見るのは、コレが最初だった。このドキュメンタリー作品は大ヒットし、続編の「エルヴィス・オン・ツアー」も公開されたが、こちらはあまり印象が無い。オン・ステージのインパクトが強すぎたようだ。
 本作「エルヴィス」は、そんなラスベガスでの成功を後半の軸に、そこへ至るエルヴィスとパーカー大佐と呼ばれるマネージャーの、アメリカンドリームの旅の物語。メンフィスの少年エルヴィスが、スターへ駆け上るストーリーは、黒人排斥運動や公民権運動との歴史的流れとシンクロさせて描かれる。エルヴィスの音楽のルーツが黒人のR&Bやゴスペルにあり、BBキングとの親交も含め、黒人へのシンパシーを持ち続けたとされている。
 トム・ハンクスがオスカー主演男優賞を獲った「フォレスト・ガンプ 一期一会」のエピソードに、エルヴィスがガンプの動作から独特の腰フリを編み出すというシーンがある。一種、エルヴィスの生みの親というお笑いネタだが、トムが演じる本作の全権を持つマネージャーのパーカー大佐は、まさに本当にエルヴィスを創った人物だ。映画「エルヴィス」は、今年の賞レースでは外せない作品となるだろうが、トム・ハンクスの、幾重にも嘘を塗り固めた油断ならないパーカー大佐役の熱演も、高評価されると断言できる。トムとエルヴィスの、なんとも言えない因縁を感じる。
 名作「ムーラン・ルージュ」をはじめ、監督作品すべてでゴージャスでカッコいい描写にキレがある、バズ・ラーマンの腕が冴える。さらに目眩くスピード感とリズム感のあるモンタージュ、そして編集の技も相乗効果で、煌びやかなアメリカンショービズの世界がスクリーンに溢れかえる。そのキラキラはエンドロールまでをも観客の目を楽しませる。

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