2021-106M 「ジャッリカットゥ 牛の怒り」☆☆☆★★★
原題:Jallikattu
邦題:ジャッリカットゥ 牛の怒り
時間:91分
公開:2021-07-17
製作年度:2019
製作国:インド
配給:ダゲレオ出版
製作総指揮:
製作:
監督:リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ
脚本:S・ハリーシュ
原作:
撮影:ギリーシュ・ガンガーダラン
音楽:プランシャーント・ピッライ
出演:アントニー・ヴァーギス、チェンバン・ヴィノード・ジョース、サブモン・アブドゥサマード、サンティ・バラチャンドラン
怒り狂う暴走牛と1000人の村人たちが繰り広げる戦いを描いたインド発のパニックスリラー。南インド、ケーララ州のジャングルにある村。冴えない肉屋の男アントニが1頭の水牛を屠ろうとすると、命の危機を察した牛は怒り狂って脱走する。肉屋に群がっていた人々は慌てて追いすがるが全く手に負えず、暴れ牛は村の商店を破壊し、タピオカ畑を踏み荒らす。恋心を寄せるソフィに愛想を尽かされたアントニは、牛を捕まえてソフィに見直してもらおうと奔走。村中がパニックに陥る中、密売の罪で村を追放された荒くれ者クッタッチャンが呼び戻されるが、アントニとクッタッチャンはかつてソフィを巡っていがみあった仲だった。牛追い騒動は、いつしか人間同士の醜い争いへと展開していく。
かなりキリスト教の世界終末観を感じる印象。舞台となる村の静寂のエントロピーが、水牛の逃亡という事件で増大し、カオスとなっていく、観客を剛腕でスクリーンに惹きつける演出力。増幅する混乱と秩序の崩壊を、鋭く刻んでいく音楽、音響効果。その全てに脳髄を鷲掴みされ、瞬きも忘れるほど。で、後で監督の狙い、テーマコメントを読んだら、思いっきりストレートに受信していた。凄い、言葉もない。クライマックスの数分間の、あまりに静謐な混沌と昇華は、今年のベスト作品の資格充分。ps歌と踊りは無いよ。
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