2021-045M 「春江水暖 しゅんこうすいだん」☆☆☆★★
原題:春江水暖 Dwelling in the Fuchun Mountains
邦題:春江水暖 しゅんこうすいだん
時間:150分
公開:2021-02-11
製作年度:2019
製作国:中国
配給:ムヴィオラ
製作総指揮:
製作:
監督:グー・シャオガン
脚本:グー・シャオガン
原作:
撮影:ユー・ニンフイ ドン・シュー
音楽:ドウ・ウェイ
出演:チエン・ヨウファー(長男ヨウフー)、ワン・フォンジュエン(長男の妻フォンジュエン)、スン・ジャンジエン(三男ヨウジン)、スン・ジャンウェイ(四男ヨウホン/ラオシャオ)、ジャン・レンリアン(次男ヨウルー)、ジャン・グオイン(次男の妻アイン)、ドゥー・ホンジュン(母)、ポン・ルーチー(長男の娘グーシー)、ジュアン・イー(グーシーの恋人ジャン・イー(ジャン先生))、スン・ズーカン(三男の息子カンカン)、ドン・ジェンヤン(次男の息子ヤンヤン)、ジャン・ルル(グーシーの女友達ルル)、ムー・ウェイ(ワン・ウェイ(ボス))
大河・富春江が流れる街・富陽の美しい自然を背景に、変わりゆく中国社会の中で懸命に生きる大家族の四季を描いた人間ドラマ。中国のグー・シャオガン監督の長編デビュー作で、2019年・第72回カンヌ国際映画祭批評家週間のクロージング作品に選ばれた。再開発のただ中にある杭州市の富陽地区。顧家の家長である年老いた母の誕生日を祝うため、4人の息子や親戚たちが集まる。しかし祝宴の最中に母が脳卒中で倒れ、命は取り留めたものの認知症が進み、介護が必要になってしまう。飲食店を営む長男、漁師の次男、ダウン症の息子を男手ひとつで育てる三男、気ままな独身生活を楽しむ四男ら、息子たちは思いがけず、それぞれの人生に直面することになる。日本でも2019年・第20回東京フィルメックスのコンペティション部門で審査員特別賞を受賞。
杭州上流の歴史ある地域。三国志の孫権が都を拓いたという富春江の両岸に、急峻な山に迫られながらある街。古くは水彩画の題材にされる風光明媚な土地も、再開発で高層ビルが立ち並ぶ近代都市へ脱皮しようとしている。そんな土地に、伝来の風習と共に住む大家族を静かに眺める物語。
この作品の視点が素晴らしいのは、川や山の主観で描かれるところ。孫娘が恋に目覚めつつ彼氏と川沿いを歩く二人を、川の側から延々ワンカットで表現していく。あたかも、永久の人間の営みを何百世代も、川はこのように暖かく穏やかに見つめていたんだ、というように。クライマックスの、山の主観(見届けている)的な長いカットもそうだ。この変わらぬ自然へのナチュラルな畏怖は、穿って見れば現体制への、静かなる批判も隠されているとも思える。
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