2021-035M 「ノマドランド」☆☆☆★★
原題:Nomadland
邦題:ノマドランド
時間:108分
公開:2021-03-26
製作年度:2020
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:
製作:フランシス・マクドーマンド ピーター・スピアーズ モリー・アッシャー ダン・ジャンビー クロエ・ジャオ
監督:クロエ・ジャオ
脚本:クロエ・ジャオ
原作:ジェシカ・ブルーダー
撮影:ジョシュア・ジェームズ・リチャーズ
音楽:ルドビコ・エイナウディ
出演:フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ
「スリー・ビルボード」のオスカー女優フランシス・マクドーマンドが主演を務め、アメリカ西部の路上に暮らす車上生活者たちの生き様を、大自然の映像美とともに描いたロードムービー。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド 漂流する高齢労働者たち」を原作に、「ザ・ライダー」で高く評価された新鋭クロエ・ジャオ監督がメガホンをとった。ネバダ州の企業城下町で暮らす60代の女性ファーンは、リーマンショックによる企業倒産の影響で、長年住み慣れた家を失ってしまう。キャンピングカーに全てを詰め込んだ彼女は、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩きながら車上生活を送ることに。毎日を懸命に乗り越えながら、行く先々で出会うノマドたちと心の交流を重ね、誇りを持って自由を生きる彼女の旅は続いていく。2020年・第77回ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を受賞し、第45回トロント国際映画祭でも最高賞の観客賞を受賞した。
最初の70分はナレーションのないドキュメンタリーのよう。これもリアルなアメリカの姿だといわんばかりに、流浪の民を追っていく。思い思いのキャンピングカーで全米を放浪し、そこここでコミュニティがあり、互助しあっていく「社会」が形成されている。ドラマチックなことが何も起きず、ノマドたちのエピソードが主人公の周りで描かれていく。出会いと別れ、そして再会しまた別れを惜しむ。そんな日々に映画的な動きが残り40分で語られる。それはドラマの収束のために計算され、用意され、その線路をきちんとクライマックスまで進んでいく。観客はそのまま予測通りの(製作者の狙いどおりの)感情(気分)をもってストーリーを追い、こうあれかしと思う最終的な主人公の決断と余韻まで連れていかれる。このストーリーの<心地よさ>と、ナチュラルでエコロジカルで清貧な姿に、観客賞に一票入れたのだろう。
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