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2019-196M 「名もなき生涯」☆☆☆★

Namonaki原題:A Hidden Life
邦題:名もなき生涯
時間:175分
公開:2021-02-21
製作年度:2019
製作国:アメリカ・ドイツ
配給:ディズニー
製作総指揮:アダム・モーガン ビル・ポーラッド クリストフ・フィッサー ヘニング・モルフェンター チャーリー・ウォーケン
製作:グラント・ヒル
監督:テレンス・マリック
脚本:テレンス・マリック
原作:
撮影:イェルク・ビトマー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:アウグスト・ディール、ヴァレリー・パフナー、ブルーノ・ガンツ

「ツリー・オブ・ライフ」「シン・レッド・ライン」の巨匠テレンス・マリックが、第2次世界大戦時のオーストリアで、ヒトラーへの忠誠を拒み信念に殉じた実在の農夫の物語を映画化したヒューマンドラマ。第2次世界大戦下のオーストリア。山と谷に囲まれた美しい村で、妻フランチスカと3人の娘と暮らしていたフランツは、激化する戦争へと狩り出されるが、ヒトラーへの忠誠を拒んだことで収監される。裁判を待つフランツをフランチスカは手紙で励ますが、彼女自身もまた、裏切り者の妻として村人たちから酷い仕打ちを受けていた。ナチスに加担するよりも自らの信念に殉じ、後に列福されたフランツを「イングロリアス・バスターズ」「マルクス・エンゲルス」のアウグスト・ディール、妻フランチスカを「エゴン・シーレ 死と乙女」のバレリー・パフナーが演じた。また、2019年2月に他界した名優ブルーノ・ガンツが判事役を務めている。19年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

ともあれ、3時間は長い。2年かけて作り上げたという作品。マリックのワイドレンズを駆使した構図がオーストリーの農村を美しく描き上げる。モノローグとともにモンタージュされる風景情景の編集は、まさにマリックチームの芸風。おだやかに映像でも心象を語っていく。実話をもとにしたという珍しい題材。しかし、ここまで無抵抗に個人の正義を貫くことで、愛する家族を残して逝く決断をするというエモーションに日本の観客は共感できるのだろうか。殉教者的なのだが、宗教ではなく「主人公の信じる正義」へ殉じるのだ。「ハクソー・リッジ」(2016年 メル・ギブソン監督)では、信仰のために殺人をせず、ただ負傷者を救うだけの軍医となる人物が描かれた。そちらの方が<理解>しやすい。

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