2019-014M 「シネマ歌舞伎 野田版 桜の森の満開の下」☆☆☆☆

時間:133分
公開:2019-04-05
製作年度:2019
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:
演出:野田秀樹
脚本:野田秀樹
原作:坂口安吾
撮影:
音楽:田中傳左衛門
出演:中村勘九郎(耳男)、市川染五郎(オオアマ)、中村七之助(夜長姫)、中村梅枝(早寝姫)、坂東巳之助(ハンニャ)、坂東新悟(アナマロ)、中村児太郎(ビッコの女)、中村虎之介(左カタメ)、市川弘太郎(右カタメ)、中村芝のぶ(エナコ)、中村梅花(マネマロ)、中村吉之丞(青名人)、市川猿弥(マナコ)、片岡亀蔵(赤名人)、坂東彌十郎(エンマ)、中村扇雀(ヒダの王)
歌舞伎の舞台を映画館でデジタル上映する「シネマ歌舞伎」シリーズ第33弾。坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」をベースに、安吾作品のエッセンスを盛り込み完成させた、野田秀樹の戯曲「贋作 桜の森の満開の下」。1998年の初演以来、92年、2001年と再演を重ね、2018年にも上演された野田の代表作の一つを、2017年8月に歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」で野田自身の演出で歌舞伎版として上演。十八世中村勘三郎と野田秀樹が歌舞伎版の上演企画をあたためてきた作品に、中村勘九郎、市川染五郎(現・松本幸四郎)、中村七之助らが顔をそろえた舞台をスクリーン上映。
コップの水に青インクを一滴たらすと、その水は青いのか。いや一滴じゃ青くないのか。しかし確実に青インクの要素は加わっている。さらに加える。どこから青い水となっていくのだろうか。その主観的基準は水でもインクでもなく、それを観察する者のものだ。野田演劇が歌舞伎役者の中村勘三郎と化学変化の実験を始めてから、生み出されてきた舞台はどちらの色をしているのだろうか。一方の雄が鬼籍に入った今、その実験はその息子たちに継がれている。平成29年に結果された本作をスクリーンで見ることができるのは嬉しい。坂口安吾の「耳長と夜長姫」の物語軸を「桜の森の満開の下」の舞台で、日本史的な背景では壬申の乱の大海人皇子が天武天皇となる時代の物語。主人公耳長の勘九郎をはじ、夜長姫の七之助が素晴らしくいい。マナコの市川猿弥が野田演劇を体現して見事。
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