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グリーン・ゾーン ☆☆☆★★

Greenzone 原題:GREEN ZONE
邦題:グリーン・ゾーン
時間:114分
公開:2010-05-14
製作年度:2010
製作国:フランス/アメリカ/スペイン/イギリス
配給:東宝東和
製作総指揮:デブラ・ヘイワード 、ライザ・チェイシン
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ロイド・レヴィン、ポール・グリーングラス
監督:ポール・グリーングラス
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
原作:ラジーフ・チャンドラセカラン
撮影:バリー・アクロイド
音楽:ジョン・パウエル
出演:マット・デイモン(米国陸軍上級准尉/MET隊隊長 ロイ・ミラー)、グレッグ・キニア(国防総省/情報局 クラーク・パウンドストーン)、ブレンダン・グリーソン(CIA マーティン・ブラウン)、エイミー・ライアン(ウォール・ストーリト・ジャーナル記者 ローリー・デイン)、ハリド・アブダラ(フレディ)、ジェイソン・アイザックス(米国陸軍少佐 ブリッグス)、イガル・ノール

監督で見る映画って最近少なくなっている。しかもアート&高作家性という系統じゃなくてメジャー作品での「監督で選択」作品。そんな数少ないチョ イスする監督に本作のポール・グリーングラスがいる。「ボーン・シリーズ」で圧倒され、「ユナイテッド93」をその年の<わたしの最高洋画>にさせた人。 いま<追う>べき監督の一人。彼の作品には共通したスタッフがいる。というよりそのスタッフとのコラボレーションで作品が成立しているといってもいい。撮 影は「ハート・ロッカー」「ユナイテッド93」のバリー・アクロイド。その映像を切れよく編集するのが「ボーン・・シリーズ」「ユナイテッド93」のクリ ストファー・ラウズ。というポール・グリーングラスの芸風、タッチを熟知しているスタッフが作品の切れのいい画面とテンポを作っている。本作は「イラク戦 争の真実を告発」モノという実録ジャンルで、「ハート・ロッカー」と同系統のもの。あちらはアカデミー賞を獲ってしまったので<日本国内での上映が同時 期>ということで、影が薄くなってしまっているのが残念。実際は本作は2010年作品なんで来春にからむかも、だけどちょっと時間が経ちすぎになるから不利かしら。ともあれ、カメラのドキュメンタリーチックな映像とセリフや、俳優の動きのリアルさが、小気味いい編集で緊迫したやりとりやアクションシーンを実現 しているのは確かよね。

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春との旅 ☆☆☆★★★

Harutonotabi 邦題:春との旅
時間:125分
公開:2010-05-22
製作年度:2010
製作国:日本
配給:ティ・ジョイ=アスミック・エース
製作総指揮:
製作:紀伊宗之、小林直子
監督:小林政広
脚本:小林政広
原作:小林政広
撮影:高間賢治
音楽:佐久間順平
出演:仲代達矢、徳永えり、大滝秀治、菅井きん、小林薫、田中裕子、淡島千景、長尾奈奈、柄本明、美保純、戸田菜穂、香川照之

ピンクあがりで理屈っぽく作家性を前面に出していくという芸風の監督がそれなりに存在するんだけど、小林監督もそう。で、出来の落差が極端だけど 「個性」という点では十分評価できるんで、海外の映画祭で注目されたりもしている。そんな小林が王道の「日本映画」を作ってしまった。これは落差でいえば ピン。大当たりな方。奇跡のような映画になってしまっている。原作はともかく脚本、監督と独り舞台の作品に、プロデューサーが物凄いキャスティング力を発 揮している。あらゆる登場人物が見事なはまり役で、しかも全員が存在感たっぷりな演技力の持ち主たち。その脇役たちを訪ね歩く仲代達矢と徳永えりの祖父孫 娘の二人のロードムービー。ほぼワンシーンワンカットにちかい据えた長回しのカメラ前での長尺の演技を丁々発止で演じる役者たち。カメラが動かず、カット も変わらないため、異様な緊張感のあるスクリーンに息が詰まってくるあたりで、手持ちカメラでホテルを探す徳永をドキュメンタリー風に追う画面の疾走。そ して再び静謐なフィックス画面いっぱいの二人のアップでの延々と続く台詞芝居。現在の日本映画には珍しい「映像的実験性」が堪能できるし、成功している。 それを支えてるのは演出力を増幅する俳優たちの驚くべき演技力なんだけどね。ラスト近くで娘は母と離婚して自分を捨てた父(香川)との対話。このシーンは 父のアップと娘のアップをイマジナリーラインを曖昧にしながら描いていく。二人の位置関係も曖昧。その曖昧さが父と娘のわだかまりであり、父母の離婚の原 因について娘が「溜まってたものを吐き出す」というクライマックスで初めて二人の位置関係を明らかにし、その位置を父が移動していくという心理描写のお手 本のような演出をしている。小林監督がやりたいことをやったような作品なんだろうけど、その作品に血肉を与え、名作にまで高めたのは、出演陣であることは 断言できる。もちろん、2010年の作品賞や監督賞、主演男優や主演女優といったノミネートは確実と思われるけど、キャスティング賞っていうのがあった ら、決定だと思う。ないけど。

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アリス・イン・ワンダーランド ☆☆☆★

Alicewd2010 原題:ALICE IN WONDERLAND
邦題:アリス・イン・ワンダーランド
時間:109分
公開:2010-04-17
製作年度:2010
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
製作総指揮:クリス・レベンゾン
製作:リチャード・D・ザナック、ジョー・ロス、スザンヌ・トッド、ジェニファー・トッド
監督:ティム・バートン
脚本:リンダ・ウールヴァートン
原作:ルイス・キャロル
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ミア・ワシコウスカ(アリス)、ジョニー・デップ(マッドハッター)、ヘレナ・ボナム=カーター(赤の女王)、アン・ハサウェイ(白の女 王)、クリスピン・グローヴァー(ハートのジャック)、マット・ルーカス(トウィードルダム/トウィードルディー)、アラン・リックマン(芋虫のアブソレ ム)、マイケル・シーン(白うさぎ)、スティーヴン・フライ(チェシャ猫)、ティモシー・スポール(ベイヤード)、ポール・ホワイトハウス(三月うさ ぎ)、バーバラ・ウィンザー(ヤマネ)、マイケル・ガフ、クリストファー・リー(ジャバウォッキー)

どこで作ろうが、ティム・バートンであって、メジャーであろうがインディであろうがブレがない。彼の世界観にひきこんで好き勝手やってしまうというのに資金が集まってしまう稀有な存在。それなりの俳優にリスペクトされてるしね。で、この「成長したアリスの後日談」な感じのワンダーランドの危機を救え!なプロジェクト。ディズニーのヴァリューと3Dブームもあって大ヒットしちゃってるらしいけど、映画のクオリティとしてはどうだ?観客たちは満足して帰ってるのかな。ああ、面白かった!って心から思えなくて「ああ、こんなもんなんだろうなぁ」っていう消化不良な感じなんじゃないかな。ガジェットな3Dとかブランドとしてのディズニーとかという修飾を剥いだ後に残るのは、マンガのほうがましなクレージーなだけの映画、にすぎないんじゃないかと思う。

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ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲 ☆☆★★★

Zebman2 邦題:ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲
時間:106分
公開:2010-05-01
製作年度:2010
製作国:日本
配給:TBS、東映
製作総指揮:
製作:岡田真、岡田有正、服部紹男
監督:三池崇史
脚本:宮藤官九郎
原作:
撮影:田中一成
音楽:池頼広
出演:哀川翔(市川新市)、仲里依紗(ゼブラクイーン(ユイ)、阿部力(新実)、井上正大(浅野晋平)、永野芽郁、中野英雄、六平直政、木下ほう か、マメ山田、水樹奈々、波岡一喜、レスリー・キー、前田健、スザンヌ、稲生美紀、大橋沙代子、清水ゆう子、内田流果、生瀬勝久、田中直樹(市場純平)、 ガダルカナル・タカ(相原公蔵)

時間の無駄だよ、っていう悪魔の囁きもなんのその、いちおう義務として見ておかねばならない三池監督作品。で、案の定がっかりさせられたわけ。どうやら宮藤の脚本が破綻しているのが原因らしいけど、彼はどうも当たり外れが大きいので油断できない。ともあれ、時間の無駄であったことは助言どおりだった。

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ザ・エッグ ~ロマノフの秘宝を狙え~ ☆☆☆★

Thecode 原題:THE CODE
邦題:ザ・エッグ ~ロマノフの秘宝を狙え~
時間:104分
公開:2010-05-15
製作年度:2009
製作国:アメリカ、ドイツ
配給:日活
製作総指揮:フロリアン・レクナー 、アンドレアス・ティースマイヤー 、ヨアキム・ストゥルメス 、カイ・シュールマン 、ヘンリー・ウィンタースターン 、アヴィ・ラーナー 、ダニー・ディムボート 、ボアズ・デヴィッドソン 、トレヴァー・ショート
製作:ロリー・マクレアリー、ダニー・ラーナー、ランドール・エメット、レス・ウェルドン
監督:ミミ・レダー
脚本:テッド・ハンフリー
原作:
撮影:ジュリオ・マカット
音楽:アトリ・オーヴァーソン
出演:モーガン・フリーマン(キース・リプリー)、アントニオ・バンデラス(ガブリエル・マーティン)、ラダ・ミッチェル(アレクサンドラ・コロ レンコ)、ロバート・フォスター、ラデ・シェルベッジア、マーセル・ユーレス、ジョシュア・ルービン、トム・ハーディ

B級映画としてはヒネリが効いていて拾い物。監督はB級大作風を無難にこなす職人肌な人なんで、この作品も破綻なく作ってある。問題は脚本。本筋は「スティールもの」の王道で裏切りとどんでん返しがクライマックスに用意されているのだけど、その後の数シーンが不要。キレ良く終わるためにはあと2~3稿必要だったかも。途中のダレるシーンの整理もふくめてね。構造としては悪くないから。冒頭のシーンの謎ときがクライマックスに明かされるというプランはいいんだけど、そのあたりをもうちょっと説明して欲しかった。っていうあたりも直してほしい。

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アイアンマン2 ☆☆☆★★

Ironman2 原題:IRON MAN 2
邦題:アイアンマン2
時間:124分
公開:2010-06-11
製作年度:2010
製作国:アメリカ
配給:パラマウント
製作総指揮:アラン・ファイン 、スタン・リー 、デヴィッド・メイゼル 、デニス・L・スチュワート 、ルイス・デスポジート 、ジョン・ファヴロー 、スーザン・ダウニー
製作:ケヴィン・フェイグ
監督:ジョン・ファヴロー
脚本:ジャスティン・セロー
原作:
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:ジョン・デブニー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、グウィネス・パルトロー、ドン・チードル、スカーレット・ヨハンソン、サム・ロックウェル、ミッキー・ローク、 サミュエル・L・ジャクソン

アメリカでブロックバスターを狙って、その通りに大ヒット。キャスティングも手を抜かずに豪華で、ストーリーもわかりやすく、かといってパッパ ラーな善人ヒーローじゃなくてけっこうダーティな人間臭い共感しやすい主人公。そんなキャラクターとストーリーを進めていくCGを駆使した映像によるス ピード感あるアクション。いわゆるメジャースタジオビジネスとしてのプライドをかけての「娯楽の帝王は映画でしょ!」という見本。前作の仕掛けをちょっと 忘れてたので「こいつらなんだっけ?」というキャラが「ご存じでしょ?」って感じで登場したのにちょいと戸惑ってしまったけど、まあ、DVDで予習しと きゃいいわけで。それだけキャラの継続性と世界観の継続性が維持されている。まさに続編たる続編。新登場のスカーレット・ヨハンソンがどうなるか心配だっ たけど、お見事!な見せ場とともに、今後へつなげる豪華キャスト陣の重要な一角を占めることが決定したような存在感。芸術性やドラマ性といった理屈っぽさ から対極にあるメジャー娯楽大作を純粋に「ああ、おもしろかった」って楽しんでいい作品になっている。

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空気人形 ☆☆☆★

Kukiningyo 邦題:空気人形
時間:116分
公開:2009-09-26
製作年度:2009
製作国:日本
配給:アスミック
製作総指揮:
製作:川城和実、重延浩、久松猛朗、豊島雅郎
プロデューサー:浦谷年良、是枝裕和
監督:是枝裕和
脚本:是枝裕和
原作:業田良家
撮影:リー・ピンビン
音楽:
出演:ペ・ドゥナ(空気人形)、ARATA(レンタルビデオ屋の従員・純一)、板尾創路(空気人形の持ち主、ファミレス従業員・秀雄)、高橋昌也(元高校国語教師・敬一)、余貴美子(受付嬢)、岩松了(レンタルビデオ屋の店長・鮫洲)、星野真里(OL・美希)、丸山智己(萌の父親・真治)、奈良木未羽(小学生・萌)、柄本佑(浪人中の受験生・透)、寺島進(交番のおまわりさん・轟)、山中崇、ペ・ジョンミョン、桜井聖、オダギリジョー(人形師)、富司純子(未亡人)

ココロを持ったダッチワイフの物語。しかし発想はともかく、それを実写映像として展開するにはやっぱり無理があったんじゃないかなと思う。是枝監督の「不自然なことも平気ですすめていっちゃう」という芸風で押してくるけれど、やっぱり不自然なものは不自然。ベ・ドゥナは魅力的な描かれ方だけどね。

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座頭市 THE LAST ☆☆★★

Zatoichilast 邦題:座頭市 THE LAST
時間:132分
公開:2010-05-29
製作年度:2010
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:亀山千広
製作:前田久閑、椎井友紀子
監督:阪本順治
脚本:山岸きくみ
原作:子母沢寛
撮影:笠松則通
音楽:プロジェクト和豪
出演:香取慎吾(市)、石原さとみ(タネ)、反町隆史(柳司)、工藤夕貴(トヨ)、寺島進(達治)、高岡蒼甫(虎治)、ARATA(十蔵)、 ZEEBRA(弥助)、加藤清史郎(五)、宇梶剛士(梶原)、柴俊夫(北川)、豊原功補(千)、岩城滉一(島地)、中村勘三郎[18代目](政吉)、原田芳雄(玄吉)、倍賞千恵子(ミツ)、仲代達矢(天道)

タケシの座頭市も珍品だったけど、女性版座頭市の「イチ」も珍作だったけど、この作品は「まじめに座頭市」をやってしまってる故に世紀の駄作になってしまっている。というより、香取慎吾に座頭市をやらせよう、というプロダクションだかフジテレビだかの思惑がもう狂気としか思えない。ハットリくんも孫悟空も香取慎吾への「いじめ」にしかみえない役柄だったけどね。これは映画じゃなくて、座頭市のコスプレコントにしか見えない。まったくもってフィルムの無駄というよりも、かかわったさまざまなスタッフにとっても、この作品にかかわった時間は、人生においてとんでもない時間の無駄遣いになっていると思う。

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運命のボタン ☆☆★★

Thebox 原題:THE BOX
邦題:運命のボタン
時間:116分
公開:2010-05-08
製作年度:2009
製作国:アメリカ
配給:ショウゲート
製作総指揮:スー・ベイドン=パウエル 、テッド・フィールド 、パリス・カシドコスタス・ラトシス 、テリー・ダガス 、エドワード・H・ハム・Jr
製作:ショーン・マッキトリック、リチャード・ケリー、ダン・リン
監督:リチャード・ケリー
脚本:リチャード・ケリー
原作:リチャード・マシスン
撮影:スティーヴン・ポスター
音楽:ウィン・バトラー 、レジーヌ・シャサーニュ 、オーウェン・パレット
出演:キャメロン・ディアス(ノーマ・ルイス)、ジェームズ・マースデン(アーサー・ルイス)、フランク・ランジェラ(アーリントン・スチュワー ド)、ジェームズ・レブホーン、ホームズ・オズボーン

よくぞまあここまで破綻した映画があるもの。破綻っぷりの凄いのは久しぶり。どうも「ドニーダーコ」というデビュー作からひとりよがりな観客おいてけぼり作品を、なぜか作る資金を出す酔狂な出資者がいて、生み出してくるリチャード・ケリー監督。今回の作品も、原作は多分ピリッとした短編SFなんだろうけど、映画にするとわけのわからない「思わせぶり=たんなる説明不足=監督自身が意味理解してないから」という構造のフィルムの無駄遣いになっている。人生の116分を返してちょうだい!と叫びたくなる一遍。

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おっぱいバレー ☆☆☆★

Opvol 邦題:おっぱいバレー
時間:102分
公開:2009-04-18
製作年度:2008
製作国:日本
配給:WB-東映
製作総指揮:
製作:藤村直人、明石直弓
監督:羽住英一郎
脚本:岡田惠和
原作:水野宗徳
撮影:西村博光
音楽:佐藤直紀
出演:綾瀬はるか(寺嶋美香子)、青木崇高(堀内健次)、仲村トオル(城和樹)、石田卓也(バレー部先輩)、大後寿々花(美香子(中学時代))、 福士誠治(美香子の元カレ)、光石研(教頭)、田口浩正(竜王中男子バレー部コーチ)、市毛良枝(美香子の恩師の妻)、木村遼希(平田育夫)、高橋賢人 (楠木靖男)、橘義尋(城良樹)、本庄正季(杉浦健吾)、恵隆一郎(江口拓)、吉原拓弥(岩崎耕平)

綾瀬はるかが日本アカデミー賞候補になったということで、パスしてた作品だけど、いちおうチェック。なんのことはない青春学園ドラマ。時代背景がちょい昔ってことで「携帯がない文化」。原作が単純なんだろうなぁ。教師の人間的成長なんてあたりもリアリティに欠けるお伽噺だし。二十四の瞳みたいなラストシーンも噴飯。

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告白 ☆☆☆★★★

Kokuhaku 邦題:告白
時間:106分
公開:2010-06-05
製作年度:2010
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:石田雄治、鈴木ゆたか、窪田義弘、市川南、塚田泰浩、加藤賢治
監督:中島哲也
脚本:中島哲也
原作:湊かなえ
撮影:阿藤正一、尾澤篤史
音楽:金橋豊彦
出演:松たか子(森口悠子)、岡田将生(寺田良輝)、木村佳乃(犯人Bの母)


中島監督は天才。この原作の「ご都合主義」をここまで緊張感のある「傑作映画作品」に仕上げるのだから凄い。構造は原作どおりに始まり、それらが有機的に 絡み合いながら、松たか子が仕掛ける罠に誰もが陥っていくことが明らかにされるクライマックス。暗転した後のワンフレーズが映画史に残せるだけのインパク トがある、ってのは褒めすぎか。久しぶりに原作を凌駕する映画化に出会った。

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FLOWERS フラワーズ ☆☆☆

Flowers 邦題:FLOWERS フラワーズ
時間:110分
公開:2010-06-12
製作年度:2010
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:大貫卓也
製作:阿部秀司
監督:小泉徳宏
脚本:三浦有為子
原作:
撮影:
音楽:
出演:蒼井優、鈴木京香、竹内結子、田中麗奈、仲間由紀恵、広末涼子

成瀬や木下や溝口になりたかったのか。女系での三代記。それなりの女優で、戦前、戦後、平成を描くものの、中身がない。血族であるはずの彼女たちの、有機 的な関係性が希薄以前に全くと言っていいくらいに描かれていない。時制を前後させる編集も、その必要性や意味が読み取れない。これだけの意欲的な企画なの に、脚本家と監督の力量不足で愚作にしてしまった。もったいない。老作家のエピソードなど、もっと狂言回し的に使えばいいのに。

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タイタンの戦い ☆☆★★★

Calshofthetitans原題:CLASH OF THE TITANS
邦題:タイタンの戦い
時間:106分
公開:2010-04
製作年度:2010
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:リチャード・D・ザナック 、トーマス・タル 、ジョン・ジャシュニ 、ウィリアム・フェイ
製作:ベイジル・イヴァニク、ケヴィン・デラノイ
監督:ルイ・レテリエ
脚本:トラヴィス・ビーチャム 、フィル・ヘイ 、マット・マンフレディ
原作:
撮影:ピーター・メンジース・Jr
音楽:ラミン・ジャヴァディ
出演:サム・ワーシントン(ペルセウス)、ジェマ・アータートン(イオ)、マッツ・ミケルセン(ドラコ)、アレクサ・ダヴァロス(アンドロメダ)、ジェイソン・フレミング(カリボス/アクリシオス王)、レイフ・ファインズ(ハデス)、リーアム・ニーソン(ゼウス)

「パーシー・ジャクソン~」は同じ物語を現代に換骨奪胎した珍作だったけど、こちらは3Dを売りにしたオリジナル忠実編。「ウルフマン」もそうだったが、 なぜ今こんな古典?ハリウッドの企画力低下はマーブルコミックを使い果たしてからは目もあてられない惨状。CGと3Dでスクリーンは派手にはなってるけ ど、映画文化は喪失して、ただの見世物アトラクションに堕落してる。

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