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ICHI

Ichi 邦題:ICHI
時間:120分
公開:2008-10-25
製作年度:2008
製作国:日本
配給:WB
製作総指揮:
製作:東信弘、吉田浩二、梅村安
監督:曽利文彦
脚本:浅野妙子
原作:子母沢寛
撮影:橋本桂二
音楽:リサ・ジェラルド
出演:綾瀬はるか(市)、中村獅童(万鬼)、窪塚洋介(虎次)、柄本明(長兵衛)、竹内力(伊蔵)、利重剛(喜八)、佐田真由美(美津)、島綾佑(小太郎)、杉本哲太(盲目の男)、横山めぐみ、渡辺えり(お浜)、大沢たかお(十馬)

原作子母沢寛 って出るから本当に「座頭市」なのね。市を女性(瞽女)にし、父親を探す旅をしているうちに、ある宿場町の抗争にまきこまれる。おりしも子供の頃のトラウマで刀を抜けない剣豪も彼女と行動をともにする。まあ、宿場町の抗争っていうと「用心棒」形式になるわけだし、原作もそういう形式でもあり、この作品も同様なんだけど、どうも女性脚本家(だから?)は市の生い立ちや哀しい過去、剣豪のトラウマの心象風景、っていうメンタルな部分をウェットに描きすぎ。だから乾いた座頭市のアナーキズムがクライマックスの大剣劇シーンで爆発してこない。最後の最後まで湿った作品になっちゃってる。もっとこのあたりを排除して止むに止まれぬ「切る悲しみ」「強すぎる悲劇」を前面に出していけば面白かっただろうに。残念ね。窪塚君、久しぶり。あなたはちょんまげ結ってても、お芝居はおんなじなのね。っていうか不器用なのかしら。あと、誰の指令かわからないけど、言葉狩り。宿場の悪党連が「盲目の…」なんて言うんだもの。「めくら」という言葉が差別用語であるという現在の価値観。でも勝版の「座頭市」じゃ「障害を汚く差別される」という怒りの発露が剣劇の非情さにドラマ的な厚みを持たせて結束していると思うんだけど。そういう意味では「盲目」であることの設定意味の半分が失われちゃってると思う。

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マルタのやさしい刺繍

Marta原題:DIE HERBSTZEITLOSEN
邦題:マルタのやさしい刺繍
時間:89分
公開:2008-10-18
製作年度:2006
製作国:スイス
配給:アルシネテラン
監督:ベティナ・オベルリ
脚本:ザビーヌ・ポッホハンマー
原作:ベティナ・オベルリ
撮影:ステファン・クティ
音楽:リュク・ツィマーマン
出演:シュテファニー・グラーザー(マルタ・ヨースト)、ハイジ・マリア・グレスナー(リージ・ビーグラー)、アンネマリー・デューリンガー(フリーダ・エッゲンシュワイラー)、モニカ・グブザー(ハンニ・ビエリ)、ハンスペーター・ミュラー=ドロサート(ヴァルター・ヨースト)

先週スイッチの前を通ったら長蛇の列でびっくり。なんかロハス系な地味な極致のスイス映画っていう情報しかなかったけど、あのあたり具合はナニ?って驚いてしまったので一応観ておかねば。というわけ。で、入場したらスイッチも真昼間から満席なんだもの。かつてのブレイクしていた頃の「単館系」を思い出したわ。作品は夫を亡くした老婆が保守的な町の反対にもめげずに、昔取った杵柄で、手作りランジェリーの店を開くというお話。生きがいを見つけた彼女は老人仲間の支援を受けて、若い保守的な村人から自分の店を守っていく。今風にインタネット通販をしたら大ヒット。っていう高齢者に元気を注入する佳作。ちいさなドラマだけどしっかり脚本が練られていて、手作り感のある心に響く映画だわ。昨今の「格好だけ」のアート映画とは違って、真っ正直なだけに好き。

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ギフト

Thegift原題:THE GIFT
邦題:ギフト
時間:111分
公開:2001-06-16
製作年度:2000
製作国:アメリカ
配給:アミューズ
製作総指揮:ショーン・ダニエル、グレゴリー・グッドマン、ゲイリー・ルチェッシ、テッド・タネンバウム
製作:ジェームズ・ジャックス、トム・ローゼンバーグ、ロバート・G・タパート
監督:サム・ライミ
脚本:ビリー・ボブ・ソーントン、トム・エッパーソン
撮影:ジェイミー・アンダーソン
音楽:クリストファー・ヤング
出演:ケイト・ブランシェット(アニー・ウィルソン)、ジョヴァンニ・リビシ(バディ・コール)、キアヌ・リーヴス(ドニー・バークスデール)、ケイティ・ホームズ(ジェシカ・キング)、グレッグ・キニア(ウェイン・コリンズ)、ヒラリー・スワンク(ヴァレリー・バークスデール)、マイケル・ジェッター(ジェラルド・ウィームス)、キム・ディケンズ(リンダ)

ケイト・ブランシェットが予知能力(ギフト)のある女性。子供の学校の先生と婚約している女性が行方不明に。ケイトがその死を予感し、その結果キアヌ・リーヴスが逮捕される。キアヌの暴力におびえる妻がヒラリー・スワンク。なんて豪華な配役なんでしょうね。こんなB級スピリチュアル映画のくせに。しかも、ケイトはともかく、キアヌもヒラリーもイメージとは真逆なキャラクターを演じているの。犯罪サスペンスな本筋もあって、先生が真犯人だったっていうどんでん返しオチもあるけど、実力派個性派俳優をそろえて使いこなせてない映画の「軽さ」が哀しい。監督もサム・ライミで力はあるはずなのにね。プロデューサーが頑張りすぎたのかもしれない。この程度の企画なのに。

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ザナドゥ

Xanado原題:XANADU
邦題:ザナドゥ   
時間:96分
公開:1981-02
製作年度:1980
製作国:アメリカ
配給:CIC
製作総指揮:リー・クレイマー
製作:ローレンス・ゴードン、ジョエル・シルヴァー
監督:ロバート・グリーンウォルド
脚本:リチャード・クリスチャン・ダナス 、マーク・リード・ルベル
撮影:ヴィクター・J・ケンパー
音楽:バリー・デ・ヴォーゾン 、ジェフ・リン 、ジョン・ファーラー
出演:オリヴィア・ニュートン=ジョン、ジーン・ケリー、マイケル・ベック、ジェームズ・スローヤン、ディミトラ・アーリス

珍品映画として聞いていたこの作品を、何を血迷ったかNHKBSで放送。録画しておいたのをやっと観たわ。ジーン・ケリーの遺作でもあるこの作品。オリヴィア・ニュートン=ジョンが音楽の女神で登場。しかもローラースケートでビュンビュン。いきなり長髪の看板描きの青年にキス。青年は浜辺でクラリネットを吹いている老人と出会い、富豪の彼とディスコ(音楽の殿堂)を作ることにする。ああ、書いていて狂ってきそう。無事ディスコができるけど、音楽の女神は父親のゼウスに人間界へ行くことを禁じられてしまう。しかし愛の力は強く・・・。クライマックスは新装開店ディスコ「ザナドゥ」でオリヴィアが表題ヒット曲を歌いまくる。なんとも「バーバレラ」以来のトリップできる映画だったわ。

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野望の系列

Adviseandconsent 原題:ADVISE AND CONSENT
邦題:野望の系列
時間:135分
公開:1965-04
製作年度:1961
製作国:アメリカ
配給:東和
製作総指揮:
製作:オットー・プレミンジャー
監督:オットー・プレミンジャー
脚本:ウェンデル・メイズ
原作:アレン・ドルーリー
撮影:サム・リーヴィット
音楽:ジェリー・フィールディング
出演:ヘンリー・フォンダ、チャールズ・ロートン、ウォルター・ピジョン、ピーター・ローフォード、バージェス・メレディス、ジーン・ティアニー、リュー・エアーズ、ポール・フォード、フランチョット・トーン、ドン・マレー、ジョージ・グリザード

アメリカ大統領選挙がもうすぐっていう緊迫(してるか?)の日々。けっこう重厚な映画を観てしまった。体調が悪い大統領が国務長官を指名するが、強硬な反対に会い、しかし大統領のために上院の院内総務は実現へむけて政治的アクションをしていく。といったポリティカルシリアスドラマ。結果、議会は賛成反対同数になり、議長の副大統領の投票で決まる(もちろん賛成派)、といった瞬間、大統領の死が伝えられ、副大統領は議長として反対投票を投じる。新大統領となる彼は「自分の国務長官は自分で選ぶ」と言い放ち、院内総務も「はい大統領」と応答する。なんとも骨太なクライマックス。すっごいかっこいいし、こういう作品が最近存在しないのが哀しい。ポリティカルシリアスドラマっていう触れ込みが陳腐な「大いなる陰謀」レベルなんだもの。「ADVISE AND CONSENT」っていう原題も素敵よね。この邦題はギャング映画みたいでちょっと気に入らない。

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イーグル・アイ

Eagleeye 原題:EAGLE EYE
邦題:イーグル・アイ
時間:118分
公開:2008-10-18
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:角川映画
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ 、エドワード・L・マクドネル
製作:アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー、パトリック・クローリー
監督:D・J・カルーソー
脚本:ダン・マクダーモット 、ジョン・グレン 、トラヴィス・アダム・ライト 、ヒラリー・サイツ
原作:ダン・マクダーモット
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ブライアン・タイラー
出演:シャイア・ラブーフ(ジェリー・ショー)、ミシェル・モナハン(レイチェル・ホロマン)、ロザリオ・ドーソン(ゾーイ・ペレス)、マイケル・チクリス(カリスター)

まあ、コンピュータが世界を滅ぼすっていうテーマは映画じゃ使い込まれて黒光りしているけどね。「HAL」を筆頭に、人類にたいして反乱を起こす人工頭脳たち。この作品はそんな電脳の最新作かしらね。あらゆる監視カメラや電話網の盗聴を駆使して反乱電脳は、ある人物を操作して政府転覆を狙う。いったい誰がそんな命令を?そしてその目的は?なんて冒頭のアクションから謎を提示するんだけど、どうも反乱電脳映画のキャリアがあると最初の5分でネタばれしちゃう。あとは、ただただ「仕掛けのディテール」の新機軸を眺めるだけ。オチが解っても、上手な落語家の噺は面白いけど、映画もそうだといいなぁ。この作品はせいぜい二つ目ね。

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ハーフ・ライフ

Halflife原題:Half-Life
邦題:ハーフ・ライフ
時間:106分
公開:TIFF
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:
製作:ルーベン・リム、アラン・チャン、マーク・リー
監督:ジェニファー・パング
脚本:ジェニファー・パング
撮影:
音楽:
出演:サノー・レイク、アレクサンダー・アゲート、ジュリア・ニクソン、レオナルド・ナム

今年のTIFFは忙しくて、コンペはこの作品しか観られなかった。去年は「迷子の警察音楽隊」なんて珍作を観たらグランプリなんぞを獲得してたんで、レベルが低い映画祭だってのは周知なんだけど。で、この作品。多分ちょっとだけ未来を舞台にした家族の物語。民族が家族の中で混在してしまっている。キリスト教原理主義の夫婦の養子は韓国人の男の子。ゲイであることをカミングアウト。その親友の女性は中国人の父とアメリカ人の母の間に生まれている。でも弟は純粋な白人っぽい。そんなぐちゃぐちゃな家庭が、多分アメリカそのものを表現しているのかしら。なにが起きるとかなにが解決するとかじゃなくて、そんなアメリカのエンドレスな行き止まり感が、空気としてスクリーンに投影される作品。テンポも変だし、語りたいこともブレて揺れっぱなし。古典的なアート映画っぽいけど、実は「わけが解らない」のがアートじゃないのよね。だからこのフィルムはクズ。

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私がクマにキレた理由

Nannydiaries原題:THE NANNY DIARIES
邦題:私がクマにキレた理由
時間:106分
公開:2008-10-11
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:ショウゲート
製作総指揮:ボブ・ワインスタイン 、ハーヴェイ・ワインスタイン 、ケリー・カーマイケル
製作:リチャード・N・グラッドスタイン、ダニー・ウルフ
監督:シャリ・スプリンガー・バーマン 、ロバート・プルチーニ
脚本:シャリ・スプリンガー・バーマン 、ロバート・プルチーニ
原作:エマ・マクローリン 、ニコラ・クラウス
撮影:テリー・ステイシー
音楽:マーク・スオッゾ
出演:スカーレット・ヨハンソン(アニー・ブラドック)、ローラ・リニー(ミセスX)、アリシア・キーズ(リネット)、クリス・エヴァンス(ハーバード大生)、ニコラス・リース・アート(グレイヤー)、ドナ・マーフィ(ジュディ・ブラドック)、ポール・ジアマッティ(ミスターX)

メリー・ポピンズへのオマージュっていうか目くばせがしつこいくらい。っていうか傘さして空飛ぶ演出はやりすぎよね。そりゃナニーが主人公ならメリー・ポピンズは名作なんだけど。いまや存在がエッチなスカーレット・ヨハンソンが本名のアニーをナニーと間違えられて、セレブの家に子守で就職。あとはエピソードつながりのすったもんだ。安っぽいテレビドラマのような「セレブで見栄だけで生きてる妻」と「お金をかけられて放置されている子供」の間で悩むナニー。っていう構造。結果はみんなが改心して、めでたしめでたし。まあ、昔の映画と違うのは、パパは改心しないで、離婚しちゃうっていう、軽すぎる家庭(夫婦)の絆が今風なのかな。ともあれ観るのも時間の無駄なC級ドラマって断言できるのは確かね。なんにもインスパイアされない。

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僕らのミライへ逆回転

Bekindrewind原題:BE KIND REWIND
邦題:僕らのミライへ逆回転
時間:101分
公開:2008-10-11
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:東北新社
製作総指揮:トビー・エメリッヒ 、ガイ・ストーデル
製作:ジョルジュ・ベルマン
監督:ミシェル・ゴンドリー
脚本:ミシェル・ゴンドリー
撮影:エレン・クラス
音楽:ジャン=ミシェル・ベルナール
出演:ジャック・ブラック(ジェリー)、モス・デフ(マイク)、ダニー・グローヴァー(フレッチャー)、ミア・ファロー(ファレヴィチ)、メロニー・ディアス(アルマ)、シガーニー・ウィーヴァー(ミス・ローソン)

シチュエーションだけは気になって観てしまったけど、ここまで狂った映画だとは思わなかった。ジャック・ブラックの日本人にはついていけない「濃い」存在感。しかも周りはカラードばっかりの出演陣。ストーリーも演出もぜんぜん日本人に向いていない。っていうか、アメリカ人さえあっけにとられてるんじゃないかしら。全てが内側に向いていて、なんの発信もない作品だもの。なぜこんな作品が日本でも公開されてしまうのか、不思議。これでビジネスになると思ってたのかしら、東北新社。

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最後の初恋

Nightsinrodanthe
原題:NIGHTS IN RODANTHE
邦題:最後の初恋
時間:97分
公開:2008-09-27
製作年度:2008
製作国:アメリカ/オーストラリア
配給:WB
製作総指揮:ダグ・クレイボーン 、アリソン・グリーンスパン 、デイナ・ゴールドバーグ 、ブルース・バーマン
製作:デニーズ・ディ・ノヴィ
監督:ジョージ・C・ウルフ
脚本:アン・ピーコック 、ジョン・ロマーノ
原作:ニコラス・スパークス
撮影:アフォンソ・ビアト
音楽:ジャニーン・テソリ
出演:リチャード・ギア(ポール・フラナー)、ダイアン・レイン(エイドリアン)、ジェームズ・フランコ(マーク・フラナー)、クリストファー・メローニ(ジャック)、ヴィオラ・デイヴィス(ジャン)

なんとも古風というか安直なメロドラマ。リチャード・ギアとダイアン・レインっていう熟年俳優の「大人の恋」っていう企画なんだろうけど、幼稚な恋愛。もっと複雑な状況に対応できるだけの年輪を重ねてると思われる世代なのに、考えの底が浅い。メロドラマなりにラストはリチャードが死んでしまうのだけど、なんとも自業自得。同情のかけらもできないの。アメリカの女性観客のレベルってここまで落ちてしまったの?っていうくらいにバカ単純。

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デンジャラス・ビューティー2

Dbeauty2原題:MISS CONGENIALITY 2: ARMED AND FABULOUS
邦題:デンジャラス・ビューティー2
時間:115分
公開:2005-05-21
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:ブルース・バーマン 、メアリー・マクラグレン
製作:サンドラ・ブロック、マーク・ローレンス
監督:ジョン・パスキン
脚本:マーク・ローレンス
撮影:ピーター・メンジース・Jr
音楽:ランディ・エデルマン 、ジョン・ヴァン・トンジェレン
出演:サンドラ・ブロック(グレイシー・ハート)、レジーナ・キング(サム・フラー)、ウィリアム・シャトナー(スタン・フィールズ)、ヘザー・バーンズ(シェリル)、アーニー・ハドソン(マクドナルド)、ディードリック・ベーダー(ジョエル)、エンリケ・ムルシアーノ(ジェフ・フォアマン)、トリート・ウィリアムズ(コリンズ)、エリザベス・ローム(ジャネット)

というわけで、準ミスになったサンドラ・ブロックが「FBIの顔」にされて「現場」から広報窓口にされちゃってる数年後。っていう作品。結局すったもんだの事件が起きて彼女が暴力的に解決しちゃんだけど、どうも前作ほどの勢いがないの。つまるところ、主人公がミスコンに出るために不本意な「美女になる苦労」を、本当は美女のサンドラがさせられ、結果準ミスに登りつめるっていう、事件とは別のストーリー(達成感へのモチベーション)が面白かったわけで、この作品はそれがないの。単なるミスが誘拐されて救い出すというだけの物語。力の無いストレートボールみたい。やっぱ設定だけじゃだめね。製作にサンドラ・ブロックがいるから、彼女が「もう一度やってみた」かっただけなのね。グレイシー・ハート役を。

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デンジャラス・ビューティー

Dbeauty原題:MISS CONGENIALITY
邦題:デンジャラス・ビューティー   
時間:110分
公開:2001-06-09
製作年度:2001
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:ブルース・バーマン 、マーク・ローレンス 、ジンジャー・スレッジ
製作:マーク・ローレンス、ケイティ・フォード、カリン・ルーカス
監督:ドナルド・ペトリ
脚本:マーク・ローレンス 、ケイティ・フォード 、カリン・ルーカス
撮影:ラズロ・コヴァックス
音楽:エド・シェアマー
出演:サンドラ・ブロック(グレイシー・ハート)、マイケル・ケイン、ベンジャミン・ブラット、ウィリアム・シャトナー、アーニー・ハドソン、キャンディス・バーゲン

ガチガチなFBI捜査官のサンドラ・ブロックが、テロ阻止のためにミスコンに出るはめになり、っていうそれだけで「なんか面白そー」なワンアイデアコメディ。で、そのコメディになりそうなアイデアがきっちり生かされた佳作になってる。まあサンドラ・ブロックのワンマンショーではあるんだけどね。でも「マイ・フェア・レディ」みたいな無骨な彼女を素敵なレディ(甘いぶりっ子なミス候補)にするっていう過程もきっちり描いているし、マイケル・ケインがオネエ系の役柄でツボを押さえてる。久しぶりなキャンディス・バーゲンもコメディ風悪役を溌剌?と楽しんでるしね。

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オールウェイズ

Alway 原題:ALWAYS
邦題:オールウェイズ   
時間:123分
公開:1990-04
製作年度:1989
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:
製作:スティーヴン・スピルバーグ、フランク・マーシャル、キャスリーン・ケネディ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ジェリー・ベルソン
原作:ダルトン・トランボ
撮影:ミカエル・サロモン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:リチャード・ドレイファス、ホリー・ハンター、ジョン・グッドマン、ブラッド・ジョンソン、オードリー・ヘプバーン、ロバーツ・ブロッサム、キース・デヴィッド

山火事消化チームが舞台。事故で死んでしまった主人公が、亡霊となって恋人女性の心の傷の癒えと、新たな恋愛にやきもきするっていう妙なお話。スピルバーグは何をしたかったのかしら。わたしとしてはオードリー・ヘップバーンが出演している、っていうだけでいいんだけど。でも彼女には役不足ね。もったいないわ。

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男たちの挽歌

Otokotachinobanka 原題:英雄本色
邦題:男たちの挽歌   
時間:95分
公開:1987-04
製作年度:1986
製作国:香港
配給:ヘラルド
製作総指揮:ウォン・カーマン
製作:ツイ・ハーク
監督:ジョン・ウー
脚本:ジョン・ウー
撮影:ウォン・ウィンハン
音楽:ジョセフ・クー
出演:チョウ・ユンファ、ティ・ロン、レスリー・チャン、エミリー・チュウ、リー・チーホン、ケン・ツァン

香港映画でカンフーものじゃなくて大ヒットして、それまでのイメージを覆したっていう点では「歴史に残る」作品らしい。東映が「仁義なき戦い」で変貌したのと同じかしら。製作された1986年頃だったら、やっぱり革命的な映画だったんだろうなぁ。今みたらテンポのだるいし、ストーリーも陳腐。でも、この作品があったからこそ「インファナル・アフェア」シリーズっていう傑作が生まれたんだから。初代ウォークマンみたいなものかしら。荒削りだけど、その発想をよしとする。みたいな。

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容疑者Xの献身

Yogishax 邦題:容疑者Xの献身
時間:128分
公開:2008-10-04
製作年度:2008
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:牧野正、和田倉和利
製作:亀山千広
監督:西谷弘
脚本:福田靖
原作:東野圭吾
撮影:山本英夫
音楽:福山雅治 、菅野祐悟
出演:福山雅治(湯川学)、柴咲コウ(内海薫)、北村一輝(草薙俊平)、松雪泰子(花岡靖子)、堤真一(石神哲哉)、ダンカン(工藤邦明)、長塚圭史(富樫慎二)、金澤美穂(花岡美里)、益岡徹(葛城修二郎)、林泰文(柿本純一)、渡辺いっけい(栗林宏美)、品川祐(弓削志郎)、真矢みき(城ノ内桜子)

次の日本アカデミー賞じゃ主演男優賞に「パコと魔法の絵本」の役所広司かなって思ってたけど、堤真一が有力対抗馬になってきた。福山雅治は、どういう役柄でも福山雅治の「素敵」さをもってスカしてるけど、堤真一は見事。彼の力で作品に「背骨」が通った感じもする。テレビ局が出資して、チャラけた宣伝がされてたので「ああ、またドラマレベルの映画?」って舐めてたけど。ドラマと映画の微妙な「格」の差を堤真一ひとりで、映画側に持ち上げたといっても過言じゃないかもしれないわ。

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宮廷画家ゴヤは見た

Goyasgohst原題:GOYA'S GHOSTS
邦題:宮廷画家ゴヤは見た
時間:114分
公開:2008-10-04
製作年度:2006
製作国:アメリカ/スペイン
配給:ゴー・シネマ
製作総指揮:ポール・ゼインツ
製作:ソウル・ゼインツ
監督:ミロス・フォアマン
脚本:ミロス・フォアマン 、ジャン=クロード・カリエール
撮影:ハビエル・アギーレサロベ
音楽:ヴァルハン・バウアー
出演:ハビエル・バルデム(ロレンソ神父)、ナタリー・ポートマン(イネス・ビルバトゥア/アシリア)、ステラン・スカルスガルド(フランシスコ・デ・ゴヤ)、ランディ・クエイド(国王カルロス4世)、ミシェル・ロンズデール(異端審問所長)、ホセ・ルイス・ゴメス(トマス・ビルバトゥア)、マベル・リベラ(マリア・イザベル・ビルバトゥア)

ナタリー・ポートマンが強烈。ハビエル・バルデムの凄みがどんどん増幅されている。「ノーカントリー」も狂気だったけど、この作品のロレンソ神父役も凄まじいものがあるわ。この二人を観るだけで、この作品の価値があるかもしれないわ。スペインの異端審問とフランス革命に翻弄されるキリスト教的ヨーロッパで、ゴヤが社会観察者というスタンスで物語が描かれていく。コスチュームものでオーソドックスな「歴史が主人公」な作品は好きかも。「エリザベス」のような伝記ものじゃないのもいい。「パフューム」もそうだったけど、「本当のような嘘」は映画的よね。

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闇の子供たち

Yaminokodomo邦題:闇の子供たち
時間:138分
公開:2008-08-02
製作年度:2008
製作国:日本
配給:ゴー・シネマ
製作総指揮:
製作:気賀純夫、大里洋吉
プロデューサー: 椎井友紀子
監督:阪本順治
脚本:阪本順治
原作:梁石日
撮影:笠松則通
音楽:岩代太郎
出演:江口洋介(南部浩行)、宮崎あおい(音羽恵子)、妻夫木聡(与田博明)、プラパドン・スワンバーン(チット)、プライマー・ラッチャタ(ナパポーン)、豊原功補(清水哲夫)、鈴木砂羽(梶川みね子)、塩見三省、佐藤浩市(梶川克仁)

梁石日の原作。オチは主人公もサイコだったっていうわけだけど、本筋はタイの子供売春の実態と、臓器売買の真相、みたいな告発ルポっぽいもの。宮崎あおいがどんどんタイ人っていうか、安いアジア人に変貌していくのを、リアルな演技っていうのか、あおいちゃんの本質が露呈しちゃったっていうのか。ごつごつとした社会派な映画って珍しいからそれなりに集客しているみたいだけど、重すぎて嫌いかな。わたし的には。

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