ICHI
邦題:ICHI
時間:120分
公開:2008-10-25
製作年度:2008
製作国:日本
配給:WB
製作総指揮:
製作:東信弘、吉田浩二、梅村安
監督:曽利文彦
脚本:浅野妙子
原作:子母沢寛
撮影:橋本桂二
音楽:リサ・ジェラルド
出演:綾瀬はるか(市)、中村獅童(万鬼)、窪塚洋介(虎次)、柄本明(長兵衛)、竹内力(伊蔵)、利重剛(喜八)、佐田真由美(美津)、島綾佑(小太郎)、杉本哲太(盲目の男)、横山めぐみ、渡辺えり(お浜)、大沢たかお(十馬)
原作子母沢寛 って出るから本当に「座頭市」なのね。市を女性(瞽女)にし、父親を探す旅をしているうちに、ある宿場町の抗争にまきこまれる。おりしも子供の頃のトラウマで刀を抜けない剣豪も彼女と行動をともにする。まあ、宿場町の抗争っていうと「用心棒」形式になるわけだし、原作もそういう形式でもあり、この作品も同様なんだけど、どうも女性脚本家(だから?)は市の生い立ちや哀しい過去、剣豪のトラウマの心象風景、っていうメンタルな部分をウェットに描きすぎ。だから乾いた座頭市のアナーキズムがクライマックスの大剣劇シーンで爆発してこない。最後の最後まで湿った作品になっちゃってる。もっとこのあたりを排除して止むに止まれぬ「切る悲しみ」「強すぎる悲劇」を前面に出していけば面白かっただろうに。残念ね。窪塚君、久しぶり。あなたはちょんまげ結ってても、お芝居はおんなじなのね。っていうか不器用なのかしら。あと、誰の指令かわからないけど、言葉狩り。宿場の悪党連が「盲目の…」なんて言うんだもの。「めくら」という言葉が差別用語であるという現在の価値観。でも勝版の「座頭市」じゃ「障害を汚く差別される」という怒りの発露が剣劇の非情さにドラマ的な厚みを持たせて結束していると思うんだけど。そういう意味では「盲目」であることの設定意味の半分が失われちゃってると思う。
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