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ハプニング

Happening 原題:THE HAPPENING
邦題:ハプニング
時間:91分
公開:2008-07-26
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ロニー・スクリューワーラー 、ザリーナ・スクリューワーラー 、ロジャー・バーンバウム 、ゲイリー・バーバー
製作:バリー・メンデル、サム・マーサー、M・ナイト・シャマラン
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
撮影:タク・フジモト
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:マーク・ウォールバーグ(エリオット)、ズーイー・デシャネル(アルマ)、ジョン・レグイザモ(ジュリアン)、アシュリー・サンチェス(ジェス)

シャマラン監督にはもう騙されないことになっている。あとは、仕掛け(予告で思わせぶりな世界観と事件を出す)に対して、どんな解答をしてくるかの確認だけなの。で、今回はバタバタと突如死んで行く人々。テロか?それとも超常現象か?なんて予告。解答はエコな環境問題をテーマにした啓蒙っぽく仕立ててあるだけで「ああ、そう来たのね」っていうだけ。でも、あとからあとから、よく思いつくわよね。こういうオカルトな思わせぶり。

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アフタースクール

Afterschool邦題:アフタースクール
時間:102分
公開:2008-05-24
製作年度:2008
製作国:日本
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:大岡大介、赤城聡、大西洋志
監督:内田けんじ
脚本:内田けんじ
撮影:柴崎幸三
音楽:羽岡佳
出演:大泉洋(神野)、佐々木蔵之介(北沢)、堺雅人(木村)、田畑智子、常盤貴子、北見敏之、大石吾朗、奥田達士、尾上寛之

「運命じゃない人」がキューブリックの「現金に体を張れ」の構造で、うまいこと作り上げていたっていう予習もした内田監督作品。たった一人と観客全員が騙されていく叙述系な犯罪ストーリー。やっぱり内田さんが脚本も書いている。それに、だれもこの脚本をもらっても監督できないと思う。と、思いつつ、この作品を観終わったあと、強烈なデジャヴに襲われた。一晩考えて思い出した。この仕掛けって「ドット・ジ・アイ」だわ。あ、この作品名を出すだけで、ネタばれになっちゃってる。

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パコと魔法の絵本

Pakotomaho邦題:パコと魔法の絵本
時間:105分
公開:2008-09-13
製作年度:2008
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:
監督:中島哲也
脚本:中島哲也 、門間宣裕
原作:後藤ひろひと
撮影:
音楽:
出演:役所広司、アヤカ・ウイルソン、妻夫木聡、土屋アンナ、阿部サダヲ、加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、山内圭哉、國村隼、上川隆也

2度目の鑑賞。東京フォーラムでの完成披露試写。やっぱりすごい。アメリカで公開したら、絶対アカデミー賞外国映画賞の有力候補になれる。とにかく、日本映画史上だけじゃなくて、世界の映画史に存在したことのないタイプの映画よ。ルーカスもスピルバーグも絶対嫉妬すると思うもの。

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カプリコン・1

Capricorn1 原題:CAPRICORN ONE
邦題:カプリコン・1   
時間:129分
公開:1977-12
製作年度:1977
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:
製作:ポール・N・ラザルス三世
監督:ピーター・ハイアムズ
脚本:ピーター・ハイアムズ
撮影:ビル・バトラー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:エリオット・グールド、ジェームズ・ブローリン、カレン・ブラック、テリー・サヴァラス、サム・ウォーターストン、O・J・シンプソン、ハル・ホルブルック、ブレンダ・ヴァッカロ、デヴィッド・ハドルストン、デニース・ニコラス

「アポロは月に行ってない」っていうトンでも説が年末とかのオカルト系番組でいじられてるけど、そろそろ賞味期限が切れて腐敗してるんじゃないかしら。で、そのときに事例として挙げられてたのがこの作品。初見だけど、こちらは火星探査。発射寸前にロケットから下ろされて。軍の秘密基地で着陸シーンを火星セットの中で演じていく。ところが、帰還のロケットが事故で搭乗員全滅になって、ところがセットの中では生きていて。逃げる搭乗員。というのが冒頭40分くらい。あとは延々と砂漠をさまようチェイサー映画。なーんだ。「月に行ってない派」が「この映画はアポロが行ってないのを暗示している国策映画だ」なんてよく言うわよね。なんとも古臭いテンポと展開。なんかがっかり。

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ハンコック

Hancock 原題:HANCOCK
邦題:ハンコック
時間:92分
公開:2008-08-30
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:イアン・ブライス 、リチャード・サパースタイン 、ジョナサン・モストウ
製作:アキヴァ・ゴールズマン、ジェームズ・ラシター、マイケル・マン、ウィル・スミス
監督:ピーター・バーグ
脚本:ヴィンセント・ノー 、ヴィンス・ギリガン
撮影:トビアス・A・シュリッスラー
音楽:ジョン・パウエル
出演:ウィル・スミス、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマン、エディ・マーサン

堕ちたスーパーヒーロー。目的を失っても、事件解決のために超強力パワーを発揮するも、ビルを破壊したり、都市に大損害を与えてヤケクソになっている。という屈折したアルコール依存症の主人公がウィル・スミス。で、実は相方がいて。という摩訶不思議な人間関係が自己啓発的なテーマとともにダラダラと展開するの。なんともスカッとしない変なヒーローアクション映画。バットマンみたいにダークじゃないし。こんなブロックバスター狙いの作品でウジウジと人間を掘り下げるのって必要?ウィル・スミスはそのあたりに満足しているらしいんだけど。誰も気にしない空回り、一人相撲よね。

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運命じゃない人

Unmeijanaihito 邦題:運命じゃない人
時間:98分
公開:2005-07-16
製作年度:2004
製作国:日本
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:
監督:内田けんじ
脚本:内田けんじ
原作:
撮影:井上恵一郎
音楽:石橋光晴
出演:中村靖日(宮田武)、霧島れいか(桑田真紀)、山中聡(神田勇介)、山下規介(浅井志信)、板谷由夏(倉田あゆみ)

「アフタースクール」を来週見に行く予定だから、内田監督の作品チェック。脚本がすっごくよく出来ている。さまざまな視点である夜の数時間を描いていくんだけど、手法としてはキューブリック監督の「現金に体を張れ」と同じ。時間軸を解体し、視点を登場人物ごとに主観化して、同じシーンを異なったアングルから描いていくっていう手口。内田監督はぜったいこの映画観ているはず。それほど、時間がかさなる部分の描き方が絶妙なの。ベッドの下にいたり、トイレにいたり、あの電話はこの電話だったり。登場人物の分単位の動きを構築して脚本にしている。で、その脚本は書いた本人しか映像化できないのは確かよね。だからこそ、この作品が成立してるって言っていいかも。でも良くできる。「キサラギ」ぶりに脚本の勝利!な新作日本映画を見たわ。

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カンフー・パンダ

Kungfupanda 原題:KUNG FU PANDA
邦題:カンフー・パンダ
時間:90分
公開:2008-07-26
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:アスミック・エース
製作総指揮:ビル・ダマスキ
製作:メリッサ・コブ
監督:マーク・オズボーン、ジョン・スティーヴンソン
脚本:ジョナサン・エイベル 、グレン・バーガー
音楽:ハンス・ジマー 、ジョン・パウエル
出演:ジャック・ブラック、ダスティン・ホフマン、アンジェリーナ・ジョリー、イアン・マクシェーン、ジャッキー・チェン、セス・ローゲン、ルーシー・リュー

パンダがカンフー修行していくっていう少年ジャンプ系物語。友情・努力・勝利。もちろん最初は主人公はダメダメ君。アニメで子供たちを啓蒙して、親たちを安心させるっていう仕掛けは成功しているわよね。ドリームワークスの定番なアニメ。さすが、確実なマーケットに向けて手堅いビジネスをしているわよね。アメリカのボックスオフィスも十分大成功な数字を叩き出しているし。でも日本にはポケモンやジブリがあるからどうかな。

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あの日の指輪を待つきみへ

Closingthering 原題:CLOSING THE RING
邦題:あの日の指輪を待つきみへ
時間:118分
公開:2008-07-19
製作年度:2007
製作国:イギリス/カナダ/アメリカ
配給:松竹
製作総指揮:ジェフ・アッバリー 、ジュリア・ブラックマン 、ジェイミー・カーマイケル 、グレアム・ベッグ 、リュー・ヒルデブランド
製作:ジョー・ギルバート、リチャード・アッテンボロー
監督:リチャード・アッテンボロー
脚本:ピーター・ウッドワード
原作:
撮影:ロジャー・プラット
音楽:ジェフ・ダナ
出演:シャーリー・マクレーン(エセル・アン)、クリストファー・プラマー(ジャック)、ミーシャ・バートン(若き日のエセル・アン)、スティーヴン・アメル(テディ)、ネーヴ・キャンベル(マリー)、ピート・ポスルスウェイト(クィンラン)、ブレンダ・フリッカー(エレノア)、グレゴリー・スミス(若き日のジャック)、デヴィッド・アルペイ(若き日のチャック)、マーティン・マッキャン(ジミー)、ジョン・トラヴァース(若き日のクィンラン)

戦争で引き裂かれた友情と愛情の50年越しの溶解。そんな奇跡の人間関係の物語が「真実にインスパイアされて」っていうわけだからすごい。こんなお話が事実あったっていうんだもの。こりゃメロドラマになるわ!なんて目端の利くプロデューサーが飛びついたのもわかるわ。でもキャスティングがシャーリー・マクレーン。どうかしら。ちょっとイメージが違った感じかも。それからアイルランドのテロをからめたストーリー構成はちょっと日本人にとっては違和感がありすぎ。あんな緊迫したクライマックスって必要だったのかしら。

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醜聞〈スキャンダル〉

Scandal1950 邦題:醜聞〈スキャンダル〉       
時間:104分
公開:1950-04-26
製作年度:1950
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:小出孝
監督:黒澤明
脚本:黒澤明
撮影:生方敏夫
音楽:早坂文雄
出演:三船敏郎(青江一郎)、山口淑子(西条美也子)、桂木洋子(蛭田正子)、千石規子(すみえ)、小沢栄(編集長 堀)、志村喬(弁護士 蛭田乙吉)、日守新一(編集員 朝井)

フライディやワイドショーやっていうプライバシー暴力の時代を予測したみたいな作品。裁判にまでなって、ダメ弁護士が裏切ったり改心したりっていうドラマの軸が当時っぽいけどね。って当時なんて知らないけど。ただなぜ、オリジナルでこういうテーマで映画を仕立てようって思ったのか。そのこころを知りたい。だって、先鋭的すぎるもの。この映画のゴールには、今の稀代の悪法「個人情報保護法」が歴然と存在するんだもの。

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その男、凶暴につき

Sonootoko邦題:その男、凶暴につき   
時間:104分
公開:1989-08-12
製作年度:1989
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:奥山和由
製作:鍋島壽夫、吉田多喜男、市川尚三
監督:北野武
脚本:野沢尚
原作:奥山和由
撮影:佐々木原保志
音楽:久米大作
出演:ビートたけし(我妻諒介)、白竜(清弘)、川上麻衣子(灯)、佐野史郎(吉成新署長)、芦川誠(菊池刑事)、寺島進(織田・清弘の手下)、平泉成(岩城刑事)、音無美紀子(岩城の妻)、岸部一徳(仁藤)

チームオクヤマがブイブイ言わせていた時代の作品よね。深作監督の予定がダメになって、それじゃあたけしさん監督やってみない?なんてことになったっていう伝説。結局のところ浅草以前に新宿のバーでバーテンやってて映画を語っていた学生北野武がフィルヌノワールの現代系へつきすすんでいくマイルストーンになったってわけ。その後のギャング映画のトーンはジョゼ・ジョバンニとかの系統ですものね。そんな北野ブルーなんて(Kマークが青く出るクレジットもね)もてはやされていくのは、こういう映画だったから。これがもしも松竹的なちゃらけた喜劇だったら世界の北野も生まれていないって思うし、ってことで日本映画の小さな奇跡ってわけよね。出来不出来はまったく別なんだけど。映画としちゃたいしたことないって思うんだけど。わたしは。

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スピード・レーサー

Speedracer 原題:SPEED RACER
邦題:スピード・レーサー
時間:135分
公開:2008-07-05
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:デヴィッド・レイン・セルツァー 、マイケル・ランバート 、ブルース・バーマン
製作:ジョエル・シルヴァー、グラント・ヒル、アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
監督:アンディ・ウォシャウスキー 、ラリー・ウォシャウスキー
脚本:アンディ・ウォシャウスキー 、ラリー・ウォシャウスキー
原作:吉田竜夫
撮影:デヴィッド・タッターサル
音楽:マイケル・ジアッキノ
出演:エミール・ハーシュ(スピード・レーサー)、クリスティナ・リッチ(トリクシー)、マシュー・フォックス(レーサーX)、スーザン・サランドン(スピードの母)、ジョン・グッドマン(スピードの父)、キック・ガリー(スパーキー)、ポーリー・リット(スプリトル)、ロジャー・アラム(ローヤルトン)、RAIN(ピ)、(タエジョー・トーゴーカーン)、真田広之(ミスター・ムシャ)、リチャード・ラウンドトゥリー(ベン・バーンズ)

ウォシャウスキー兄弟監督ということで「マトリックスの・・・」っていう宣伝。で、あれくらいアダルトな哲学的能書きに裏付けられた作品をイメージさせていくのは失敗よね。ぜんぜんお子様ファミリー映画なんだもの。日本のアニメ「マッハゴーゴー」を実写化っていうけど、まあオリジナルを知らないからわたし世代以下の、今の若い観客には関係ないしね。おもちゃ箱をひっくり返したみたいな、キャンディボックスみたいな原色映像と圧倒的にゲーム画面のようにデフォルメされたレースシーン。物理法則なんか関係ない上下左右。そんな映像の中で「友情・努力・勝利」「正義は勝利が必然」がストレートに描かれていくの。画面のスピード感にわくわくしながら、楽しめばいいのよね。「マトリックス」なんか関係ないし、そのあたりに拘る観客には酷評されるかもしれないけど、絶対安全な優良お子様ファミリー映画っていう作品の「立場」を理解してあげれば、けっこう楽しめる作品になってる。だから支持派よ、わたしは。ちょっと長すぎたけど。

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告発のとき

Kokuhatunotoki 原題:IN THE VALLEY OF ELA
邦題:告発のとき
時間:121分
公開:2008-06-28
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:ムービーアイ
製作総指揮:スタン・ヴロドコウスキー 、デヴィッド・ギャレット 、エリック・フェイグ 、ジェームズ・ホルト 、エミリオ・ディエス・バロッソ
製作:ポール・ハギス、パトリック・ワックスバーガー、スティーヴ・サミュエルズ、ダーレーン・カーマニョ・ロケット、ローレンス・ベクシー
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス
原作:マーク・ボール、ポール・ハギス
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:マーク・アイシャム
出演:トミー・リー・ジョーンズ(ハンク・ディアフィールド)、シャーリーズ・セロン(エミリー・サンダース)、スーザン・サランドン(ジョアン・ディアフィールド)、ジョナサン・タッカー(マイク・ディアフィールド)、ジェームズ・フランコ(カーネリー大佐)、フランシス・フィッシャー(エヴィ)、ジョシュ・ブローリン(ブシュワルド所長)、ジェイソン・パトリック(カークランダー警部補)

ポール・ハギスの詰め将棋みたいな脚本。静的なトーンは彼の持ち味かしら。ともあれ地味に「息子の死」の真相を追っていく父親と、その真相の裏にある「アメリカの罪」を描く理詰めな作品。けっこうシャーリーズ・セロンが抑えた演技でよかったわ。それにしてもちょっと長く感じたな。原題の意味が深い作品よね。邦題だと、この映画が描きたかったことが伝わらないかもしれない。なぜ神話で少年が戦いに出たのか。そして誰も止めなかったのか。その神話がクライマックスで「語り継がれる」意味は?・・・。ほんとならもっと深い感動へ流れ込めるんだろうけど、あまりに抑揚がない演出なんで半分も伝わらないのが残念ね。

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1408

1408 原題:1408
邦題:1408
時間:105分
公開:2008-
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:ムービーアイ
製作総指揮:ジェイク・マイヤーズ 、ボブ・ワインスタイン 、ハーヴェイ・ワインスタイン
製作:ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ
監督:ミカエル・ハフストローム
脚本:マット・グリーンバーグ 、スコット・アレクサンダー 、ラリー・カラゼウスキー
原作:スティーヴン・キング
撮影:ブノワ・ドゥローム
音楽:ガブリエル・ヤーレ
出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、メアリー・マコーマック、トニー・シャルーブ

オカルト雑誌「ムー」に載ってるような怪奇ネタ記者が、いわくつきのホテルに泊まってレポートするという得意芸で有名になっている、という無理やりなキャラ設定。ともあれ、某ホテルの1408号室には行くなという「謎」の投書があって、調べると因縁深そうな事件もあるので予約をとろうとすると、ホテルも宿泊を拒否してきて、よけい1408号室の謎が深まる。と、ここまで強引に主人公が1408号室に宿泊するためのご都合主義が極まっていく。首尾よく宿泊してからは、観客に驚いて、怖がってもらいましょうというあの手この手の「恐怖させる仕掛け」が定番のように続いていく。クライマックスは記者の「家庭問題」でゾッとさせて余韻を残すというお約束も。ごくごく普通の「怖がる納涼」映画=洋風怪談映画なわけで、どれだけ観客に「涼しげ=背筋も凍る」という宣伝ができるかっていうだけよね。そういうためのツールみたいな映画だもの。

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アイアンマン

Ironman 原題:IRON MAN
邦題:アイアンマン
時間:125分
公開:2008-09-27
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:
製作:
監督:ジョン・ファヴロー
脚本:マット・ハロウェイ 、アーサー・マーカム
原作:スタン・リー、ドン・ヘック、ラリー・リーバー、ジャック・カービー
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:ラミン・ジャヴァディ
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジェフ・ブリッジス、テレンス・ハワード、グウィネス・パルトロー

アメリカ版のライダーやらキャシャーンやら、っていう作品。富豪がヒーロー変身ってのはバットマンがあるし。しょせんパクリ全開のアメコミキャラの映画化にしかすぎないから、そのあたりの根本的な部分をつっこんでも意味がないわよね。ってことで、あとはアクション映画として、どこで楽しませてくれるかっていう視覚的なお楽しみになるわけで、まあCGオペレータのテクニック鑑賞ってことね。しょせん、その程度の作品だし、2時間くらい後に「ああ、面白かった」で終わって家路につくブルーカラーの娯楽消費財ってポジションにゃぴったりだわ。だいたい全米ナンバーワンなんてのはそういうのが多いしね。ところで、装甲パーツをセットする(変身に)の時間かかりそう。仮面ライダーなんかジャンプ一発で変身するのに。こまかなパーツがガシガシとネジで止めていく(しかも自動アームで)なんて、急いでるときなんかどうすんだろう。着終わったら事件が終わってたなんてことになるんじゃないかしら、なんてあたりが突っ込みどころかしら。

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カメレオン

Cameleon 邦題:カメレオン
時間:97分
公開:2008-07-05
製作年度:2008
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:
製作:黒澤満
監督:阪本順治
脚本:丸山昇一
原作:
撮影:笠松則通
音楽:安川午朗
出演:藤原竜也(野口伍郎)、水川あさみ(小池佳子)、塩谷瞬(春川公介)、豊原功補(木島高)、波岡一喜(吉田純)、柄本佑、西興一朗、街田しおん、菅田俊、萩原聖人(梶原悟)、平泉成、谷啓(境研造)、犬塚弘(山村修次)、加藤治子(山村典子)、岸部一徳(厚木義武)

藤原竜也って嫌いじゃないし、阪本順治監督も嫌いじゃないし、って妙な期待とともに観にいったけど、行かなきゃよかった。どうも公開前に評判とか全然伝わってこなかったし、観た人もなんか言葉少なだったけど、理由がわかった。この映画、最低の失敗作。これって多分脚本が全然ダメなの。唐突で乱暴で意味不明で、たぶん松田優作がこういう姿でこういうシチュエーションでこういう事すればかっこいいんじゃない?っていうイメージのメモみたいなのが脚本になってるの。っていうかアイデアメモみたいなレベルだと思う。それなのに、松田優作じゃなくて、違う歴史を背負ってる藤原竜也が演じてもダメよね。松田優作ゆえに意味がある主人公のキャラなんだろうし、それは代替がきかない根本のポイントだものね。そんな脚本を阪本監督は映画にしなきゃいけなかったんだから、もうこの作品に関わった全員が不幸になってしまったっていう作品よね。

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インクレディブル・ハルク

Ihulk 原題:THE INCREDIBLE HULK
邦題:インクレディブル・ハルク
時間:112分
公開:2008-08-01
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:スタン・リー 、デヴィッド・メイゼル 、ジム・ヴァン・ウィック
製作:アヴィ・アラッド、ゲイル・アン・ハード、ケヴィン・フェイグ
監督:ルイ・レテリエ
脚本:ザック・ペン
原作:ジャック・カービー 、スタン・リー
撮影:ピーター・メンジース・Jr
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:エドワード・ノートン、リヴ・タイラー、ティム・ロス、ティム・ブレイク・ネルソン、タイ・バーレル、ピーター・メンサー、ウィリアム・ハート

日本じゃ「緑の生き物の映画」は当たらないっていうジンクスがあるらしく、何作も公開されたハルクは興行的失敗の連続。そんななか、緑の生き物アレルギーが無いハリウッドじゃまたもやハルク。で、わたしは今度もハルクはパス。ひたすらグロテスク。怪物になっちゃう主人公の悲劇や苦悩なんてちゃんちゃらで、変身した怪物ハルクの喜劇的なまでの気持ち悪さ。やっぱりジンクスは生き続けてるんだろうなぁ、日本じゃ。興行成績が楽しみだわ。

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コレラの時代の愛

Loveinthetimeofcholera 原題:LOVE IN THE TIME OF CHOLERA
邦題:コレラの時代の愛
時間:137分
公開:2008-08-09
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:ディラン・ラッセル 、スコット・ラステティ
製作:スコット・スタインドーフ
監督:マイク・ニューウェル
脚本:ロナルド・ハーウッド
原作:ガブリエル・ガルシア=マルケス
撮影:アフォンソ・ビアト
音楽:アントニオ・ピント
出演:ハビエル・バルデム、ジョヴァンナ・メッツォジョルノ、ベンジャミン・ブラット、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ヘクター・エリゾンド、リーヴ・シュレイバー、フェルナンダ・モンテネグロ、ローラ・ハリング、ジョン・レグイザモ

こじらせた一目ぼれ。ああ、怖い。それでもハッピーエンドにしちゃうんだから、南米のパッションって凄い。ハビエル・バルデムの主人公って、女性にとっちゃ最低最悪の存在なんだけど、どうしてここまでピュアな「愛に生き」ることを歌い上げちゃうんだろう。それこそが原作のもつ不条理なのかしら。それにしても色狂いのストーカーが50年以上一人の女性を追い求めるっていうだけなのに、至高の文芸映画になっちゃうんだもの。やっぱ私は怖い。この映画。

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崖の上のポニョ

Ponyo 邦題:崖の上のポニョ
時間:101分
公開:2008-07-19
製作年度:2008
製作国:日本
配給:東宝
製作:鈴木敏夫
監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
原作:宮崎駿
音楽:久石譲
出演:山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、土井洋輝、奈良柚莉愛、柊瑠美、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子

ああ、可愛かった。ポニョ。人魚姫をモチーフにした絵本のようなアニメ。海側の登場人物がぜんぶ唐突な感じ(何を目的に存在しているのか説明不足)なんだけど、そんなこと関係ないくらいに宗助とポニョの魅力が映画をひっぱっていく。押し付けがましいエコ系な語りもないしね。ホワホワした気分に浸って、ポニョにニマニマしているうちに100分たっちゃった。それくらい癒し系な映画。どっちかというとトトロ的な「わかりやすいかわいさ」があるからちっちゃな子供も充分楽しめるわね。やっぱハウルは子供には難しかったかもしれないもの。ヒットしたかどうかは別としてね。わたしはポニョのほうが好き。

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旅するジーンズと16歳の夏

Travelingpants 原題:THE SISTERHOOD OF THE TRAVELING PANTS
邦題:旅するジーンズと16歳の夏
時間:118分
公開:2005-10-01
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:キーラ・デイヴィス 、アリソン・グリーンスパン 、レスリー・モーゲンスタイン
製作:デブラ・マーティン・チェイス、デニーズ・ディ・ノヴィ、ブロデリック・ジョンソン、アンドリュー・A・コソーヴ
監督:ケン・クワピス
脚本:デリア・エフロン 、エリザベス・チャンドラー
原作:アン・ブラッシェアーズ
撮影:ジョン・ベイリー
音楽:クリフ・エデルマン
出演:アンバー・タンブリン(ティビー)、アレクシス・ブレデル(リーナ)、アメリカ・フェレーラ(カルメン)、ブレイク・ライヴリー(ブリジット)

恵比寿でひっそりと公開されていて見逃していた作品。ぼんやりBSを観てたら突如始まったのでラストまでチェック。さまざまな体型の4人の女の子。それなのに全員にぴったりフィットするジーンズを見つけて、夏休みに1週間づつ着まわしていこうって決める。不思議なジーンズだから、着ている自分たちになにか奇跡が起きるかもっていう16歳の少女たちのファンタジックな期待。大人へ脱皮していく青春の曲がり角が4人の夏の出来事を通して描かれていく。っていうターゲットが狭すぎな感じな映画。原作ものらしいけど、日本じゃうけなさそうな女の子映画ね。ところが続編ができるんだって。びっくり。

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