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スターシップ・トゥルーパーズ3

St3 原題:STARSHIP TROOPERS 3: MARAUDER
邦題:スターシップ・トゥルーパーズ3
時間:105分
公開:2008-07-19
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:クラウディオ・ファエ
製作:デヴィッド・ランカスター
監督:エド・ニューマイヤー
脚本:エド・ニューマイヤー
撮影:ロレンツォ・セナトーレ
音楽:クラウス・バデルト 、イーアン・ハニーマン 、アンドリュー・レイハー
出演:キャスパー・ヴァン・ディーン、ジョリーン・ブラロック、ボリス・コジョー、スティーヴン・ホーガン、アマンダ・ドノホー、ステリオ・サヴァンテ、マーネット・パターソン、セシール・ブレシア、キャサリン・オクセンバーグ

生理的嫌悪感さえ感じさせるタイミングをはずしたギャグが突如。STシリーズのアナクロな佇まいは、きっとはまれば堪えられない快感になるのかもしれない。オーストラリアの芋虫料理みたいに、大好きな人にとっては最高のご馳走みたいな。でもわたしは残念ながらこの映画については「こっち側」100%で、「あっち側」を動物園のように眺めているしか出来ないの。人間と蟲エイリアンの戦いだけで3作品作り続けているっていうのは、ヴァン・ダムやセガールのアクション映画が確保しているポジションと同じものをもっているんでしょうね。

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奇跡のシンフォニー

Kisekisinfoni 原題:AUGUST RUSH
邦題:奇跡のシンフォニー
時間:114分
公開:2008-06-21
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:ロバート・グリーンハット 、ラルフ・カンプ 、ルイーズ・グッドシル 、マイキー・リー 、ライオネル・ウィグラム
製作:リチャード・バートン・ルイス
監督:カーステン・シェリダン
脚本:ニック・キャッスル 、ジェームズ・V・ハート
原作:ポール・カストロ、ニック・キャッスル
撮影:ジョン・マシソン
音楽:マーク・マンシーナ
出演:フレディ・ハイモア(エヴァン・テイラー/オーガスト・ラッシュ)、ケリー・ラッセル(ライラ・ノヴァチェク)、ジョナサン・リス=マイヤーズ(ルイス・コネリー)、テレンス・ハワード(リチャード・ジェフリーズ)、ロビン・ウィリアムズ(マックスウェル・“ウィザード”・ウォラス)、ウィリアム・サドラー(トマス・ノヴァチェク)、レオン・トマス三世(アーサー)、ジャマイア・シモーヌ・ナッシュ(ホープ)

生まれたときから孤児院で、逃げ出して、ストリートミュージシャンの子供を捌いているコミュニティに逃げ込んで、っていうと構造は完全に「オリバー・ツイスト」なわけ。で、少年の音楽の才能に大人たちが驚愕し、離れ離れになっていた両親と奇跡の再会を果たして家族が再生するっていうクライマックス。そりゃ「オリバー・ツイスト」の貴種流離譚をアレンジしているから感動できるのは当然よね。物語の骨格としては。で、音楽が魔法の杖の役目。映画的よね。クレジットをじっくり見なかったけど原案ディケンズとかあったのかしら。

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相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン

Aibou2008a 邦題:相棒-劇場版- 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン
時間:117分
公開:2008-05-01
製作年度:2008
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:君和田正夫
製作:
監督:和泉聖治
脚本:戸田山雅司
撮影:会田正裕
音楽:池頼広
出演:水谷豊(杉下右京)、寺脇康文(亀山薫)、鈴木砂羽(亀山美和子)、高樹沙耶(宮部たまき)、岸部一徳(小野田公顕)、川原和久(伊丹憲一)、大谷亮介(三浦信輔)、山中崇史(芹沢慶二)、西田敏行(木佐原芳信)、平幹二朗(御厨紀實彦)

テレビの刑事ドラマの映画化ってことで敬遠してたけど、これだけヒットしていると役目柄(ってなんの役目かしら、投票用?)観て置かなきゃいけないってわけで、シネパトス。ドラマを見てないから二人のキャラを知らないし、警視庁での立場(どうやら窓際にいるらしい)とかの前提状況をもしらないし、というハンデ満点での鑑賞。配役どおりに犯人は想定できたし、動機はある意味とってつけたようなテレビ局製作にしては自虐な動機。それでもこれだけのヒットって、どうも納得いかない。テレビとの差別化で大作感は持たせてるけどね。東映はこの作品で一息ついてるらしいけど。テレビの視聴者層は多分高齢者だろうから、そういった人たちを劇場へ誘導できたのが勝因かな。きっと。

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庭から昇ったロケット雲

Astronautfarmer 原題:THE ASTRONAUT FARMER
邦題:庭から昇ったロケット雲
時間:104分
公開:2008-07-05
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:デスペラード
製作総指揮:J・ガイヤー・コジンスキー
製作:マーク・ポーリッシュ、ポーラ・ワインスタイン、レン・アマト、マイケル・ポーリッシュ
監督:マイケル・ポーリッシュ
脚本:マーク・ポーリッシュ 、マイケル・ポーリッシュ
原作:
撮影:M・デヴィッド・ミューレン
音楽:スチュアート・マシューマン
出演:ビリー・ボブ・ソーントン(チャーリー・ファーマー)、ヴァージニア・マドセン(オードリー・“オーディ”・ファーマー)、ブルース・ダーン(ハル)、ティム・ブレイク・ネルソン(ケヴィン・マンチャク)、マックス・シエリオット(シェパード・ファーマー)、ジャスパー・ポーリッシュ(スタンリー・ファーマー)、ローガン・ポーリッシュ(サンシャイン・ファーマー)、マーク・ポーリッシュ(FBI捜査官マチス)、ジョン・グライス(FBI捜査官キルボーン)、ブルース・ウィリス

ほのぼのとしたホームドラマ。でもパパはちょっといっちゃってるんです。っていうアメリカが信じ続けたい「夢はかなう」っていう物語。見ようによっては自己啓発とか、最近ブームの「引き寄せ」系かしら。でも現代を舞台にしているのに、最近のアメリカ映画じゃ珍しいほど「壊れた家庭」じゃないの。壊れてるのはパパだけで、それを支える家族たち。って、全員で壊れてるかな、そういう意味じゃ。でもその壊れ方がとってもファンタジックで感傷後感がいい映画になってる。ブルース・ウィリスが友情出演っぽく出てるけど、とってもいい感じ。

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インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

Indianajones2008 原題:INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SKULL
邦題:インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
時間:124分
公開:2008-06-21
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:パラマウント
製作総指揮:ジョージ・ルーカス 、キャスリーン・ケネディ
製作:フランク・マーシャル
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:デヴィッド・コープ
原作:ジョージ・ルーカス、ジェフ・ナサンソン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハリソン・フォード(インディアナ・ジョーンズ)、シャイア・ラブーフ(マット・ウィリアムズ)、レイ・ウィンストン(ジョージ・マクヘイル)、カレン・アレン(マリオン・レイヴンウッド)、ケイト・ブランシェット(イリーナ・スパルコ)、ジョン・ハート(オクスリー教授)、ジム・ブロードベント(ディーン・チャールズ・スタンフォース)

危険な冒険がライフワーク(家業?)な一家のホームドラマ。ショーン・コネリーの父親が遺影で登場っていうのも時の流れを感じさせるけど、充分熟年熟女になった、かつてのヒーローとヒロインが相変わらずの大冒険。本編前の予告編じゃ「ハムナプトラ3」だし、なんかどっかで時間が停滞してるみたいな気分になったわ。2時間の映画だけど、多分脚本っていうか、撮影レベルじゃ3時間くらいあったのかもしれない。かなりエピソードをカットしてるみたいなストーリーの疾走ぶり。で、作品は?っていうと、なんか期待たっぷりだっただけに「平凡」。一級の娯楽映画ではあるけどね。「ナショナル・トレジャー2」が冒険活劇&ジェットコースタームービーの進化後のものとしたら、インディは古典になっちゃってるのね、もはや。

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椿三十郎

1962_tubaki 邦題:椿三十郎
時間:98分
公開:1962-01-01
製作年度:1962
製作国:日本
配給:東宝
製作:田中友幸、菊島隆三
監督:黒澤明
脚本:菊島隆三 、小国英雄 、黒澤明
原作:山本周五郎
撮影:小泉福造、斎藤孝雄
音楽:佐藤勝
出演:三船敏郎(椿三十郎)、仲代達矢(室戸半兵衛)、小林桂樹(見張りの侍(木村)、加山雄三(井坂伊織)、団令子(千鳥)、志村喬(黒藤(次席家老)、藤原釜足(竹林(国許用人)、入江たか子(睦田夫人)、清水将夫(菊井(大目付)、伊藤雄之助(睦田(城代家老)、久保明(守島隼人)

角川映画のリメイクのちょっと前にも見たけど、やっぱりこちらがいい。「用心棒」の流れで「続・用心棒」ともいえる本作品。映画ビジネスの点から言えば、三十郎シリーズが連発されてもいいだけの三船敏郎演じる三十郎キャラの素晴らしさ。わくわくするストーリー。骨太な演出。まったく同じ脚本でも角川映画のていたらくが哀しい。思想のない現代映画の典型なのかもしれない。

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用心棒

Yojinbo 邦題:用心棒
時間:110分
公開:1961-04-25
製作年度:1961
製作国:日本
配給:東宝
製作:田中友幸、菊島隆三
監督:黒澤明
脚本:黒澤明 、菊島隆三
撮影:宮川一夫
音楽:佐藤勝
出演:三船敏郎(桑畑三十郎)、仲代達矢(新田の卯之助)、司葉子(小平の女房ぬい)、山田五十鈴(清兵衛の女房おりん)、加東大介(新田の亥之吉)、河津清三郎(馬目の清兵衛)、志村喬(造酒屋徳右衛門、夏木陽介(百姓の小倅)、東野英治郎(居酒屋の親爺)、藤原釜足(名主多左衛門)、沢村いき雄(番屋の半助)、渡辺篤(棺桶屋)、藤田進(用心棒本間先生)、山茶花究(新田の丑寅)、西村晃(無宿者の熊)、加藤武(無宿者の瘤八)、堺左千夫(八州周りの足軽、谷晃(丑寅の子分亀)、羅生門綱五郎(丑寅の用心棒かんぬき)、ジェリー藤尾(丑寅の子分賽の目の六)、天本英世(清兵衛の子分弥八)

ああ、面白かった。なにも言うことがない。本当に面白い。練りこまれた脚本に、隙のない映像。三船敏郎の存在感。脇の俳優たちひとりひとりが「この映画に出る幸せ」を一身に感じているような生き生きとして演技を見せてくれる。これこそ、日本映画が生み出し続けなければいけない「映画」のお手本よね。「用心棒」のように、世界中が震撼し、模倣し、達せず諦め、深い尊敬へシフトしていくような圧倒的な「映画」を日本映画界は生み出さなければならないって思う。できるかしら。

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凶気の桜

Kyokinosakura 邦題:凶気の桜
時間:122分
公開:2002-10-19
製作年度:2002
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:
製作:黒澤満、早河洋
監督:薗田賢次
脚本:丸山昇一
原作:ヒキタクニオ
撮影:仙元誠三
音楽:K DUB SHINE
出演:窪塚洋介(山口進)、RIKIYA(市川勝也)、高橋マリ子(遠山景子)、須藤元気(小菅信也)、原田芳雄(青田修三)、江口洋介(“消し屋”三郎)、本田博太郎(兵藤)

どうやら勘違い窪塚洋介が勘違いしたまんまの映画。やっぱり変だわ、彼。「GO」じゃ監督の手腕で勘違いな度合がプラスに表現されていたけど、企画から推進したこの作品じゃ頭の悪さが剥き出しになってしまっていて痛々しい。いったい何を演じて、何を表現したかったのかさっぱり意味不明。脚本も監督、編集、撮影まですべてのパートが勝手に動いている制御不能な状態を見せられる観客の身にもなってほしい。公開された時期は「窪塚クン素敵」な個人に対する女性ファンが「動いている窪塚」を観ているだけで満足したのかもしれないけど、映画として冷静に応対すると論評以前のフィルムの屑にしか思えないわ。

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コッポラの胡蝶の夢

Youth_without_youth 原題:YOUTH WITHOUT YOUTH
邦題:コッポラの胡蝶の夢
時間:124分
公開:2008-08
製作年度:2007
製作国:アメリカ/ドイツ/イタリア/フランス/ルーマニア
配給:CKエンタテインメント
製作総指揮:アナヒッド・ナザリアン 、フレッド・ルース
製作:フランシス・F・コッポラ
監督:フランシス・F・コッポラ
脚本:フランシス・F・コッポラ
原作:ミルチャ・エリアーデ
撮影:ミハイ・マライメア・Jr
音楽:オスヴァルト・ゴリジョフ
出演:ティム・ロス、アレクサンドラ・マリア・ラーラ、ブルーノ・ガンツ、アンドレ・ヘンニック、マーセル・ユーレス

すべての運と能力を「ゴッド・ファーザー」(1と2だけ)で使い果たしちゃった感じのコッポラ。ワイン屋さんに成り下がって、巨額の財産を築いて、そのお金で「映画」を道楽でやってる感じ。娘が監督するときにお金だしたりって親ばかしたりね。今回は自分で監督してるけど、もちろん道楽。製作・脚本・監督って自主映画みたいなの。だからビジネスとかまったく関係なくて、自分の勝手気ままな「おれの世界に来たいやつは来い」な傲慢さたっぷりな排他的な作品。サービス精神ゼロ。自己完結した世界観。ひとりよがり。エンタテイメントの世界で否定的なワードを探せば、すべてが当てはまる珍作になってしまっているの。それにしても、こういう成り立ちの作品がマーケットで売買されて、日本の配給会社がありがたがって買ってくるっていうあたりが、わたしには理解できない。世界中で無視しなきゃいけないタイプの映画なのに。

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JUNO/ジュノ

Juno原題:JUNO
邦題:JUNO/ジュノ
時間:96分
公開:2008-06-14
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ジョー・ドレイク 、ネイサン・カヘイン 、ダニエル・ダビッキ
製作:リアンヌ・ハルフォン、ジョン・マルコヴィッチ、メイソン・ノヴィック、ラッセル・スミス
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ディアブロ・コディ
原作:
撮影:エリック・スティールバーグ
音楽:マテオ・メッシーナ
出演:エレン・ペイジ(ジュノ)、マイケル・セラ(ポーリー)、ジェニファー・ガーナー(ヴァネッサ)、ジェイソン・ベイトマン(マーク)、オリヴィア・サールビー(リア)、J・K・シモンズ、アリソン・ジャネイ

ブロックバスターな作品ばっかりじゃない、っていうアメリカ映画産業の意地?でもけっこう痩せ我慢。映像ビジネスとして確固たる合理性を達成しているアメリカで、これほど「どうだかなぁ」っていう小品が成立するのが奇跡よね。ビジネスとして。だからそういう「小さな作品」を発見するサンダンス映画祭なんてのが受け皿としてあったりするんだろうけどね。で、この作品はそんな小品のなかでも「大ヒット」っていう奇跡を演じたもの。ヒットはしてないけど、こういう映画って時々登場するわよね。普通のドラマ。「アリスの恋」「ミスデイジー」「ペーパームーン」「サイドウェイ」等々。もしかしたら「スケアクロウ」なんてものそういう一本かも。キャスティングはメジャーすぎるけどね。で、この作品は地味なキャスティングで、少ない予算で、16歳の高校生が妊娠出産っていうセンセーショナル(アメリカの社会じゃね)なテーマで話題になって、とってもかわいいエレン・ペイジが主人公を生き生きと演じている。出産の瞬間の彼女ってとっても素敵。深刻なテーマを彼女が役柄をしっかり明るく演じていることで、アメリカ人たちは「映画で表現されている状況」に対してほっとしているのかもしれない。救いがあるもの。逆にアメリカの現実は本当に深刻なんだろうなぁ。

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フェリーニのローマ

Rome原題:FELLINI ROMA
邦題:フェリーニのローマ 
時間:120分
公開:1972-10
製作年度:1972
製作国:イタリア
配給:UA
製作総指揮:
製作:トゥーリ・バシーレ
監督:フェデリコ・フェリーニ
脚本:ベルナルディーノ・ザッポーニ 、フェデリコ・フェリーニ
原作:
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽:ニーノ・ロータ
出演:ピーター・ゴンザレス、ブリッタ・バーンズ、フィオナ・フローレンス、アンナ・マニャーニ、ピア・デ・ドーゼス、デニス・クリストファー

フェリーニ監督自身の持つ「ローマ」の原体験をもとに、過去と現在の腐乱した迷路のような「街」をグロテスクにリアルに浮き彫りにしていく作品。そこに生活し続ける人々さえもいっしょくたにしたローマのプロファイルでもあるし、デフォルメされた肖像画でもあるの。でもそこにある生命の躍動感はクライマックスで疾走するオートバイの集団が象徴するように、何があっても突き進んでいく数千年の歴史の必然。その視点の熱狂と成熟感は、東京には失われている。石造りの街にしか表現できないのかもしれないわね。

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わが教え子、ヒトラー

Osiego原題:MEIN FUHRER - DIE WIRKLICH WAHRSTE WAHRHEIT UBER ADOLF HITLER
邦題:わが教え子、ヒトラー
時間:95分
公開:2008-
製作年度:2007
製作国:ドイツ
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:
製作:
監督:ダニー・レヴィ
脚本:ダニー・レヴィ
撮影: カール・F・コシュニック、カーステン・ティーレ
音楽:ニキ・ライザー
出演:ウルリッヒ・ミューエ、ヘルゲ・シュナイダー、シルヴェスター・グロス、アドリアーナ・アルタラス、シュテファン・クルト、ウルリッヒ・ノエテン

日本公開のビジュアルは「善き人のためのソナタ」っぽい社会派シニカル芸術映画っぽくなっている。ソナタの主役がこちらでも主役で出てるしね。でも実はヨーロッパの公開時のビジュアルはこのとおり。ほとんどモンティパイソン風なお馬鹿コメディ扱い。どっちが正しいの?っていうと、日本で見れば中途半端すぎ、ってとこかしら。中味は深刻なユダヤ人問題を下敷きにしているけど、そんなユダヤ人がヒトラーの演説のトレーナーをするっていう皮肉。しかもヒトラーを殴って気絶させたり、犬のように四つん這いで吼えさせてみたり、そのうえペットの犬がそんなヒトラーの背中にさかっていたり。まあよくもここまでヒトラーを笑いものにして泥まみれにするの、っていうくらいなの。そういう意味ではこのテーマでは前代未聞な過激このうえないコメディよね。ヒトラーに対する日本の意識は間接的(お勉強的知識)だから、現実的意識を持つヨーロッパの人とは映画の捉え方が違うんだろうなぁ。だから、日本のビジュアルは「渋い社会派ドラマの芸術作品」な雰囲気にしちゃうわけよね。

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僕の彼女はサイボーグ

Kanosibogu邦題:僕の彼女はサイボーグ
時間:120分
公開:2008-05-31
製作年度:2008
製作国:日本
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:山本又一朗、チ・ヨンジュン
監督:クァク・ジェヨン
脚本:クァク・ジェヨン
原作:
撮影:林淳一郎
音楽:大坪直樹
出演:綾瀬はるか、小出恵介、桐谷健太、吉高由里子、斉藤歩、田口浩正、遠藤憲一、小日向文世、竹中直人、吉行和子

えっと、「バタフライエフェクト」と「サウンドオブサンダー」と「ターミネーター」と「イルマーレ」を混ぜて捏ねてみたら食べられたもんじゃない「謎の物体」ができてしまったというキッチンパニックな作品。時を超えた「純愛」を壮大なスケールで描きたかったんだろうけど、多分ことしの「トンデモ大賞」の映画部門の有力候補だわ。そんな部門あったかは知らないけど。

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神様のパズル

Godpuzuru邦題:神様のパズル
時間:134分
公開:2008-06-07
製作年度:2008
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:角川春樹
製作:山本英俊
監督:三池崇史
脚本:NAKA雅MURA
原作:機本伸司
撮影:柳島克己
音楽:鳥山雄司
出演:市原隼人(綿貫基一/喜一)、谷村美月(穂瑞沙羅華)、松本莉緒(白鳥)、田中幸太朗(佐倉)、岩尾望(須藤)、黄川田将也(相理)、六平直政、塩見三省、遠藤憲一、李麗仙、笹野高史、國村隼、若村麻由美、石田ゆり子(鳩村)

ハードな物理学SFっぽいのかな、原作。読んでないけど。で、それを映画にすると、物理理論のガチな部分が「台詞」にしなきゃいけないわけで、ヘタウマイラスト風に演出されていたりの工夫はあるけど、大失敗。結局のところ、なにがなんだか最後まで判らない作品になってしまってる。引きこもりの天才美女と壊れたお馬鹿なロッカーっていうありきたりな構造のラブコメの失敗作。SF好きとしてはちょっとは期待したのに、これじゃあねぇ。一番もりあがるクライマックスも「何が起きているのか」ってことがさっぱり伝わってこない。観客が「理解」の歩み寄りをしなきゃいけないのって辛い。

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セックス・アンド・ザ・シティ

Sexandthesity原題:SEX AND THE CITY
邦題:セックス・アンド・ザ・シティ
時間:143分
公開:2008-08-23
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:サラ・ジェシカ・パーカー、ジョン・メルフィ、ダーレン・スター、マイケル・パトリック・キング
監督:マイケル・パトリック・キング
脚本:マイケル・パトリック・キング
原作:
撮影:ジョン・トーマス
音楽:アーロン・ジグマン
出演:サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン、クリス・ノース、デヴィッド・エイゲンバーグ、エヴァン・ハンドラー、ジェイソン・ルイス、ジェニファー・ハドソン

アメリカのオーブニングでバックスオフィストップ。配給元のGAGAとしてはプレッシャーよね。確かにアメリカではテレビ関係のアワードを総なめの歴史に残るお化け番組なんだけど、残念ながら日本では無名。WOWOWでやってた、っていうくらいの記憶。あと何本かまとめてひっそり劇場上映もしてたけど話題にもならなかったし、私も興味なかった。で、日本じゃ多分この無名なタイトルじゃローカルは壊滅。一部の都市部なら宣伝の展開で女性客を動員できるかもしれないけど、今の「オシャレなNYセレブ」路線だけじゃ限界。ドラマを浸透させて、宣伝担当が「ご存知の」っていう知識の初期スキルを高いレベルで要求するのを改めなきゃね。無名度合いじゃ「ライラ」なみだし、ファミリームービーてニコール・キッドマンというスターも一応いたから、とりあえず興行になってたけど、このSATCは映画じゃ超脇役クラス。無名な俳優ばかり。スクリーンで観たことない女優がラブコメなんてね。テレビ版の四年後って設定で主人公たちのハッピーエンドドラマにしてるけど、テレビを知らないから感情移入さえできない。キャラクターだって説明不足だしね。唯一、ブランドバックを買えない貧乏な娘のためにレンタルショップがあるってのに感心したくらい。あれば利用しちゃうかも。よければ買うっていうお試しにいいから。サイズとか後悔することあるものね。で鳴り物入りで公開されるだろうこの映画。わかりやすく「プラダ」を基準に予測すると、ローカル壊滅、男性壊滅、熟年女性壊滅、ということで、興行収入8億円が限界ってとこかしらね。それに2時間半は長すぎ。

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幸せになるための27のドレス

27dress原題:27 DRESSES
邦題:幸せになるための27のドレス
時間:111分
公開:2008-05-31
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮: ボビー・ニューマイヤー 、ベッキー・クロス・トルヒーリョ 、マイケル・メイヤー
製作:ロジャー・バーンバウム、ゲイリー・バーバー、ジョナサン・グリックマン
監督:アン・フレッチャー
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
原作:
撮影:ピーター・ジェームズ
音楽:ランディ・エデルマン
出演:キャサリン・ハイグル(ジェーン・ニコルズ)、ジェームズ・マースデン(ケビン・ドイル)、マリン・アッカーマン(テス・ニコルズ)、ジュディ・グリア(ケイシー)、エドワード・バーンズ(ジョージ)

イケイケの妹テスの眉毛が気になってしょうがない。そういう役どころなんだろうけど、ちょっと映画の本質とは別なところで集中力を欠いてしまった。まあ、よくある「ひょんなとこから知り合ったけど、最初は悪印象、クライマックスは愛し合ってハッピーエンド」なボーイミーツガールもの。それはそれでほんわかした肩に力が一切入らないお気楽な逸品ってことで、需要はあるんだろうし、わたしはしっかり消費した。

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フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石

Foolsgold原題:FOOL'S GOLD
邦題:フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石
時間:112分
公開:2008-05-31
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:ウィンク・モードーント 、ジェームズ・R・ダイヤー
製作:ドナルド・デ・ライン、バーニー・ゴールドマン、ジョン・クレーン
監督:アンディ・テナント
脚本:ジョン・クラフリン 、ダニエル・ゼルマン 、アンディ・テナント
原作:ジョン・クラフリン、ダニエル・ゼルマン
撮影:ドン・バージェス
音楽:ジョージ・フェントン
出演:マシュー・マコノヒー(ベンジャミン・“フィン”・フィネガン)、ケイト・ハドソン(テス・フィネガン)、ドナルド・サザーランド(ナイジェル・ハニーカット)、ユエン・ブレムナー(アルフォンズ)、アレクシス・ジーナ(ジェマ・ハニーカット)、ケヴィン・ハート(ビッグ・バニー)、レイ・ウィンストン(モー・フィッチ)

2002年から2004年頃がピークだったんじゃないかな、ケイト・ハドソン。あのニンマリした時の猫系微笑が大好きで鏡の前でマネしてみたりした。でもその後やそれ以前は思いっきり中途半端なB級プログラムピクチャーラブコメばっかり。ホラーに挑戦したときもあるわよね。まあ、ラブコメを企画したらキャスティング的にも3番目以下でリストアップされるレベルのポジションってとこかしら。それはそれで使い勝手がいい俳優なのかもしれない。適度に有名で、演技とかに煩く拘りそうもないし、素直に監督のリクエストに応えたりして、って想像だけど。ゴルディ・ホーンの娘だし、って関係ないか。で、今回は思いっきりB級な冒険活劇風コメディ。どう考えてもパトスレベルだし、パトス興行。ビデオ期待でメジャーのワーナーも消化試合って感じ。キャラクターの性格付けも甘いし、本筋とはあんまり関係ない父娘ネタやら整理できていない監督の頭の中。そんな混乱がスクリーンのカリブの青い海に展開される。確かに今年2008年の2月のボックスオフィスでは1回トップをゲット。でも2200万ドルだからレベル低っ!そんな劇場閑散期の厳寒の北米に、ほとんど水着で展開される南国の物語。ブルーカラーが見果てぬ非現実的な生活に一瞬の夢を見る週末のひととき用の娯楽作品、ってわけね。

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Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼

Mrbrocks原題:Mr. Brooks
邦題:Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼
時間:120分
公開:2008-05-24
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:プレシディオ
製作総指揮:サム・ナザリアン 、アダム・ローゼンフェルト 、マーク・シャバーグ 、トーマス・アウグスバーガー
製作:ケヴィン・コスナー、ジム・ウィルソン、レイノルド・ギデオン
監督:ブルース・A・エヴァンス
脚本:レイノルド・ギデオン 、ブルース・A・エヴァンス
原作:
撮影:ジョン・リンドレー
音楽:ラミン・ジャヴァディ
出演:ケヴィン・コスナー(アール・ブルックス)、デミ・ムーア(トレーシー・アトッド)、デイン・クック(ミスター・スミス)、ウィリアム・ハート(マーシャル)、マージ・ヘルゲンバーガー(エマ・ブルックス)、ダニエル・パナベイカー(ジェイン・ブルックス)、レイコ・エイルスワース(シェイラ)

配給会社や興行劇場は「ビデオタイトルじゃない」っていう冷たい扱いのようだけど、これは傑作。もちろんケビン・コスナーやデミ・ムーアといったキャスティングの布陣。いまどき客が呼べないって考えたのかしら。80年代のマネーメイキングスターも扱いがぞんざいになっちゃって可哀想。昔なら大劇場で大宣伝でっていうスター競演なのにね。性格俳優ウィリアム・ハートだっているし。ともあれ、パトスという二番館(って言ったら怒られるかしら)での上映。ところが、脚本も演出もしっかりして、ケビン・コスナーも自らのプロデュースっていう悪癖にも負けずに頑張ってる。上等なピカレスク・サスペンスに仕上がっている。最後までドキドキさせられて、クライマックスの「解釈」が沸騰しそうなところまで丁寧な仕事。今じゃビデオタイトルやテレビの洋画劇場ってレベルの評価しかされないかもしれないけど、したたかな出演陣や製作スタッフがちゃんと作り上げた佳作。

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ランボー 最後の戦場

Ranbo08原題:RAMBO
邦題:ランボー 最後の戦場
時間:90分
公開:2008-05-24
製作年度:2008
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:ランドール・エメット 、ジョージ・ファーラ 、アンドレアス・ティースマイヤー 、フロリアン・レクナー 、ダニー・ディムボート 、ボアズ・デヴィッドソン 、トレヴァー・ショート
製作:アヴィ・ラーナー、ケヴィン・キング・テンプルトン、ジョン・トンプソン
監督:シルヴェスター・スタローン
脚本:シルヴェスター・スタローン 、アート・モンテラステリ
原作:
撮影:グレン・マクファーソン
音楽:ブライアン・タイラー
出演:シルヴェスター・スタローン(ジョン・ランボー)、ジュリー・ベンツ(サラ・ミラー)、ポール・シュルツ(マイケル・バーネット医師)、マシュー・マースデン(スクール・ボーイ)、グレアム・マクタヴィッシュ(ルイス)、レイ・ガイエゴス(ディアス)

孤軍奮闘、絶体絶命、四面楚歌っていう四文字熟語の代名詞になる「ランボー」シリーズ。まだ作ってるの?っていうか、なんで今「ランボー」なの?っていうくらい意味を見出せないの。固太りしたランボーがドスドスと歩き回り、クライマックスは身体を動かさないで機関銃を撃ちまくるだけ。テーマも問題意識もなんにもなくて、ただの西部劇。「ロッキー」もそうだけど、なんか昔の当たり役をリバイバルさせているだけな感じがする。お金が欲しくてね。なんとなく「新・犬神家」の石坂浩二を思い出した。

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ヘイフラワーとキルトシュー

Hayflowerandquiltshoe原題:HEINAHATTU JA VILTTITOSSU
邦題:ヘイフラワーとキルトシュー
時間:72分
公開:2005-10-15
製作年度:2002
製作国:フィンランド
配給:アンスール=イフ
製作総指揮:
製作:マルコ・ラウハラ
監督:カイサ・ラスティモ
脚本:カイサ・ラスティモ 、マルコ・ラウハラ
原作:シニッカ・ノポラ 、ティーナ・ノポラ
撮影:ツオモ・ヴィルタネン
音楽:ヘクター
出演:カトリーナ・タヴィ(ヘイフラワー)、ティルダ・キアンレト(キルトシュー)、アンティ・ヴィルマヴィルタ(パパ)、ミンナ・スローネン(ママ)、メルヤ・ラリヴァーラ(ヘルガ・アリブレニン)、パイヴィ・アコンペルト(ハリセ・アリブレニン)、ロベルト・エンケル(メガネ警官)、ヘイキ・サンカリ(ポッチャリ警官)

女の子が可愛い。可愛すぎる。お姉ちゃんが来週から小学校に通い始めるっていうので、妹が寂しくて寂しくてわがままを言って、赤ちゃん返りしたみたいな我侭放題になっちゃうっていうホームドラマ。お姉ちゃんは大人びて立派なんだけど、やっぱり小学生寸前の女の子。ささいなことからむくれてみたり、それに両親たちは右往左往。っていいうか、この両親って最低最悪。自分らのことしか考えてないの。わたしならこんな親、勘当しちゃうわ。姉妹が可哀想。ぜったい両親は事の本質を理解しないまま映画は終わってるんだもの。

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モンティ・パイソン/人生狂騒曲

Mpmeaningoflife原題:MONTY PYTHON'S THE MEANING OF LIFE
邦題:モンティ・パイソン/人生狂騒曲
時間:107分
公開:未公開
製作年度:1983
製作国:イギリス
配給:
製作総指揮:
製作:ジョン・ゴールドストーン
監督:テリー・ジョーンズ、テリー・ギリアム
脚本:モンティ・パイソン
原作:
撮影:ピーター・ハナン
音楽:ジョン・デュプレ
出演:グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、エリック・アイドル、マイケル・パリン、テリー・ギリアム、テリー・ジョーンズ、パトリシア・クイン、キャロル・クリーヴランド

NHKのBSを録画しておいた。未公開映画。冒頭の10分くらいの短編がテリー・ギリアム監督作品っていうのでチェック。さすがに狂気満点で面白かったわ。本編はこれまた異様なんだけど、SEXの話ばっかり。もちろん字幕だから読んでると恥ずかしくなるようなのばかり。英語の台詞はもっときわどくて直截的。こんなのよくNHKが放送したわよね。なんか英断っていうより、映画担当者の確信犯かも。ラインナップする上司が全然映画を理解しないで、おまかせになってるのかな。普通なら「こんなのNHKじゃ放送できない!」って指導が入るだろうに。っていうくらいに「NHKで放送した」という勲章とともに作品の存在を支持するわ。出来は良くないけど。生理的にわたしには合わなかったけどね。あ、テリー・ギリアムの部分は別としてね。

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