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エリザベス:ゴールデン・エイジ

Egoldenage 原題:ELIZABETH: THE GOLDEN AGE
邦題:エリザベス:ゴールデン・エイジ
時間:114分
公開:2008-02-16
製作年度:2007
製作国:イギリス/フランス
配給:東宝東和
製作総指揮:マイケル・ハースト 、デブラ・ヘイワード 、ライザ・チェイシン
製作:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ジョナサン・カヴェンディッシュ
監督:シェカール・カプール
脚本:ウィリアム・ニコルソン 、マイケル・ハースト
原作:
撮影:レミ・アデファラシン
音楽:クレイグ・アームストロング 、アル・ラーマン
出演:ケイト・ブランシェット(エリザベス女王1世)、ジェフリー・ラッシュ(フランシス・ウォルシンガム)、クライヴ・オーウェン(ウォルター・ローリー)、リス・エヴァンス(ロバート・レストン)、ジョルディ・モリャ(スペイン国王フェリペ2世)、アビー・コーニッシュ(ベス・スロックモートン)、サマンサ・モートン(スコットランド女王メアリー)

ケイト・ブランシェットの「エリザベス芸」が中心の物語。前作から大分時間が経ての続編なんだろうけど、ケイト・ブランシェットってやっぱり凄い。彼女の演技を観るだけで入場料の価値はあると思うけど。物語的にはイマイチ。っていうか世界史は選択しなかったもの。スペインの無敵艦隊とか、なんとなく聞いたことあるけど歴史的背景とかの知識ゼロで観てるから疲れた。それよりやっぱりケイト・ブランシェットよね。スコットランドの女王に対する葛藤場面とか鬼気迫るものがあるわ。

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アメリカン・ギャングスター

Americangangstar 原題:AMERICAN GANGSTER
邦題:アメリカン・ギャングスター
時間:157分
公開:2008-02-01
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:スティーヴン・ザイリアン 、マイケル・コスティガン 、ブランコ・ラスティグ 、ニコラス・ピレッジ 、ジム・ウィテカー
製作:ブライアン・グレイザー、リドリー・スコット
監督:リドリー・スコット
脚本:スティーヴン・ザイリアン
原作:
撮影:ハリス・サヴィデス
音楽:マルク・ストライテンフェルト
出演:デンゼル・ワシントン(フランク・ルーカス)、ラッセル・クロウ(リッチー・ロバーツ)、キウェテル・イジョフォー(ヒューイ・ルーカス)、キューバ・グッディング・Jr(ニッキー・バーンズ)、ジョシュ・ブローリン(トルーポ刑事)、テッド・レヴィン(ルー・トバック地方検事)、アーマンド・アサンテ(ドミニク・カッターノ)、ジョン・オーティス(ジェイ・リヴェラ)

イタリアンマフィアをも凌駕する軍隊をもまきこんだ黒人ギャングのボスと、その組織を追い詰めていく警察官の実話、だそうな。現代の「ゴッド・ファーザー」な舞台なんだけど、イタリアから移民で来て、のし上がって、家族一族の民族的結束で、っていうロマンティックな叙情的な部分が皆無。ビジネスライクで会社組織みたいで合理的で、そんな現代のギャングの話だから無味乾燥。わたしは「ゴッド・ファーザー」のようなウェットで宿命的で、そして残酷な物語なほうが好き。それに、ギャングのボスが司法取引で自らの仲間を売っちゃうなんて最低。「ゴッド・ファーザー」はそんな登場人物はボスが説得して風呂場で自殺しちゃったもの。なんか組織に殉じるなんてウェットよね。

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いつか眠りにつく前に

Evening 原題:EVENING
邦題:いつか眠りにつく前に
時間:117分
公開:2008-02-23
製作年度:2007
製作国:アメリカ/ドイツ
配給:ショウゲート
製作総指揮:ジル・フートリック 、マイケル・ホーガン
製作:ロバート・ケッセル 、スーザン・マイノット 、マイケル・カニンガム
監督:ラホス・コルタイ
脚本:スーザン・マイノット 、マイケル・カニンガム
原作:スーザン・マイノット
撮影:ギュラ・パドス
音楽:ヤン・A・P・カチュマレク
出演:クレア・デインズ(アン・グラント)、トニ・コレット(ニナ)、ヴァネッサ・レッドグレーヴ(アン・ロード)、パトリック・ウィルソン(ハリス・アーデン)、ヒュー・ダンシー(バディ・ウィッテンボーン)、ナターシャ・リチャードソン(コンスタンス)、メイミー・ガマー(ライラ・ウィッテンボーン)、アイリーン・アトキンス(夜勤看護師)、エボン・モス=バクラック(リュック)、バリー・ボストウィック(ウィッテンボーン氏)、メリル・ストリープ(ライラ)、グレン・クローズ(ウィッテンボーン夫人)

母の死を待つ娘たち。その母の青春時代の恋愛が次第に明らかになっていく。さまざまな問題をかかえる娘たちにとって、母は母でしかなかったけど、母も一人の恋する女性であったという当たり前の真実に、娘たちは癒されていく。最後の母親としての贈り物かもしれない。女性として、老いて死ぬまで「自らの若さゆえ」な身を焦がす恋愛を胸の奥ににしまっているっていう事に羨望するわ。そういう意味では、圧倒的な女性映画よね。これって多分ぜんぜん男の人には理解できないって確信するわ。

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イル・ポスティーノ

Ilpostino 原題:IL POSTINO
邦題:イル・ポスティーノ   
時間:107分
公開:1996-04
製作年度:1994
製作国:イタリア/フランス
配給:ブエナ
製作総指揮:
製作:マリオ・チェッキ・ゴーリ 
ヴィットリオ・チェッキ・ゴーリ 
ガエタノ・ダニエレ
監督:マイケル・ラドフォード
脚本:アンナ・パヴィニャーノ 、マイケル・ラドフォード 、フリオ・スカルペッリ 、ジャコモ・スカルペッリ 、マッシモ・トロイージ
原作:アントニオ・スカルメタ
撮影:フランコ・ディ・ジャコモ
音楽:ルイス・エンリケス・バカロフ
出演:マッシモ・トロイージ、フィリップ・ノワレ、マリア・グラツィア・クチノッタ、リンダ・モレッティ、アンナ・ボナルート

誰かの名前が題名かと思ったら「郵便やさん」って意味だったのね。南米の反政府知識人である詩人が亡命して寒漁村に隠棲。そこへ専任で各国から届く郵便を届ける郵便配達人が主人公。その短い時間の二人の交流から、主人公は政治に目覚めていく。詩人は無事母国の革命が成り、帰国。思い出の村を後日訪ねると郵便配達人は政治集会の事件で亡くなっていた、というラテン系ヨーロッパ映画(映画芸術史的にはイタリアンネオリアリズム)な結末。そういった意味ではレトロなテーマと作風。これって、旧き良きイタリア映画への回顧なのかな。それとも単に古臭いだけなのかな。

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ジュリア

Juria 原題:JULIA
邦題:ジュリア       
時間:118分
公開:1977-06
製作年度:1977
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ジュリアン・デロード
製作:リチャード・ロス
監督:フレッド・ジンネマン
脚本:アルヴィン・サージェント
原作:リリアン・ヘルマン
撮影:ダグラス・スローカム
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ジェーン・フォンダ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ジェイソン・ロバーズ、マクシミリアン・シェル、ハル・ホルブルック、メリル・ストリープ、リサ・ペリカン

女流劇作家リリアン・ヘルマンの回顧録の映画化。リリアン・ヘルマン自体を良く知らず、なんの思い入れもないから、たんなる有名女性作家が反ナチ運動に協力した戦争時代の物語、っていうだけにしか受け止められない。主人公の活躍やら友情やらが「真実」ならでは呪縛で、その地味っぽさが映画的なダイナミックさを欠く結果になってると思う。ハリウッドじゃ「製作する意味」のある作品だったかもしれないけれど、それが日本市場での商業映画としての必然にはならないって思うな。

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めがね

Megane 邦題:めがね
時間:106分
公開:2007-09-22
製作年度:2007
製作国:日本
配給:日活
プロデューサー:小室秀一、前川えんま
製作:奥田誠治 、木幡久美
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
撮影:谷峰登
音楽:金子隆博
出演:小林聡美(タエコ)、市川実日子(ハルナ)、加瀬亮(ヨモギ)、光石研(ユージ)、もたいまさこ(サクラ)、橘ユキコ(おばさん)、中武吉(おじさん)、荒井春代(女性)、吉永賢(氷屋)、里見真利奈(少女)、薬師丸ひろ子(森下)

荻上監督の最新作。その「なんにも起こらなさ」はかなり極めつけになってきている。なんに起きないことに不安な旅人がひとりで右往左往してとげとげしかったのに、なんいも起きないことの得がたさに目覚めて、っていうほどのことも啓蒙っぽさなんか皆無に、そんな人々がなんにもしない風景を描いている環境映像みたいな映画。荻上キャスティングっていうか出演者チームは、なんか全体でひとつの宗教団体みたいに見えてくる。

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バーバー吉野

Babayoshi 邦題:バーバー吉野
時間:96分
公開:2004-04-10
製作年度:2003
製作国:日本
配給:ユーロスペース
プロデューサー:天野真弓
製作:矢内廣、中村雅哉、児玉守弘、黒坂修、高野力
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
撮影:上野彰吾
音楽:
出演:もたいまさこ(吉野良子)、米田良、大川翔太、村松諒、宮尾真之介、石田法嗣、岡本奈月、森下能幸、たくませいこ、三浦誠己、浅野和之、桜井センリ

なんで村祭りでオカッパの少年がハレルヤコーラスなのか、っていう極端なシュールな田舎の村を舞台にした、ゆるーい映画。けっこうこのムードっていうか芸風にはまると温水プールでゆらゆら浮かんでるみたいな不安定な安定感のあるゆるゆるぬくぬくな気分が心地よくなる荻上直子節。男の子のヘアスタイルが妙!ってだけでたんたんと巻き起こる小さなローカルきわまりない事件がなんとなく描かれる。そんな雰囲気が心地よい。

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アヒルと鴨のコインロッカー

Ahirutokamo 邦題:アヒルと鴨のコインロッカー
時間:110分
公開:2007-06-23
製作年度:2006
製作国:日本
配給:ザナドゥー
製作総指揮:宮下昌幸
製作:宇田川寧、遠藤日登思
監督:中村義洋
脚本:中村義洋 、鈴木謙一
原作:伊坂幸太郎
撮影:小松高志
音楽:菊池幸夫
出演:濱田岳、瑛太、関めぐみ、田村圭生、関暁夫、眞島秀和、野村恵里、平田薫、寺十吾、恩田括、キムラ緑子、なぎら健壱、松田龍平、大塚寧々

ボブ・ディランがキーワードになりながら、日常が屈折した不思議なドラマ。伊坂幸太郎って不思議な作家ね。「ゴールデン・スランバー」が本屋大賞になったみたいだし。どうしてこんな「屈折した日常の非日常」がうけるんだろう。ともあれ、後半に語られる「真実」と前半の「虚構」の暴力的なまでの落差に心を揺さぶられた。視点を変えると、これまでの真実が完全に裏返しになってしまうっていうアイデアは原作の力なのかもしれない。そして、この難しいリバースを上手に演出した中村義洋なのに、なぜ「チーム・バチスタ」みたいな作品を作っちゃうのかってあたりも映画の不思議ね。両極端な瑛太がとってもいい感じだった。

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クローズZERO

Crows 邦題:クローズZERO
時間:130分
公開:2007-10-27
製作年度:2007
製作国:日本
配給:東宝・TBS
製作総指揮:
製作:山本又一朗
監督:三池崇史
脚本:武藤将吾
原作:高橋ヒロシ
撮影:古谷巧
音楽:大坪直樹
出演:小栗旬(滝谷源治)、やべきょうすけ(片桐拳)、黒木メイサ(逢沢ルカ)、桐谷健太(辰川時生)、高橋努(牧瀬隆史)、鈴之助(田村忠太)、遠藤要(戸梶勇次)、上地雄輔(筒本将治)、大東俊介(桐島ヒロミ)、小柳友(杉原誠)、渡辺大(阪東秀人)、深水元基(林田恵)、伊崎右典(三上学)、伊崎央登(三上豪)、松重豊(牛山)、塩見三省(黒岩義信)、遠藤憲一(矢崎丈治)、岸谷五朗(滝谷英雄)、高岡蒼甫(伊崎瞬)、山田孝之(芹沢多摩雄)

なんか、不良系コミックの映画化らしい。って絶対わたしが遭遇しないタイプのコミックだろうから。で、鈴蘭高校の支配者になるためにさまざまなクラス毎の敵を凌駕していき勢力を強めていくっていうシミュレーションゲームやロールプレイングゲームみたいな物語。これって絶対わたしをターゲットになんかしてない作品ね。出演者はそれなりに「青春スター」を集めてるっぽいけど、ちょっとそれだけじゃ30寸前の女性が劇場に足を向けるわけにはいかない。ということで、コミックしか読まない偏差値が低いティーンやマンガ雑誌しか読まない男子大学生とかが標的っていう結論となるの。

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L change the WorLd

Lchangetheworld 邦題:L change the WorLd
時間:128分
公開:2008-02-09
製作年度:2008
製作国:日本
配給:WB・日本テレビ
製作総指揮:
製作: 田中正、飯塚信弘、小橋孝裕
監督:中田秀夫
脚本:小林弘利
原作:大場つぐみ、小畑健
撮影:喜久村徳章
音楽:川井憲次
出演:松山ケンイチ(L)、工藤夕貴(久條希美子)、福田麻由子(二階堂真希)、南原清隆(駿河秀明)、平泉成(松戸浩一)、福田響志(BOY)、正名僕蔵、金井勇太、佐藤めぐみ(三沢初音)、石橋蓮司、藤村俊二、鶴見辰吾(二階堂公彦)、高嶋政伸(的場大介)

「デス・ノート」で異様にキャラがたった「L」でスピンアウト映画を作ろうっていう発想は納得。で、この作品なのだが、「L」が大活躍。おいおい、あんたってこんな人だったの?ってね。ほとんど「ダイ・ハード」なんだもの。っていうかお話自体は仮面ライダーのショッカーとかそういう暗黒大魔王的なレベル。こんな茶番な「悪」を相手に縦横無尽ったって「L」にしちゃ気恥ずかしいだけなんじゃないかしら。「L」の映画を作ろうっていう一点のみにおいては評価するけど、わたしが望んだのはこんな映画じゃなかったわ。って別にわたしの為に作らせたわけじゃないからどうでもいいけど。

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チーム・バチスタの栄光

Bachist 邦題:チーム・バチスタの栄光
時間:120分
公開:2008-02-09
製作年度:2008
製作国:日本
配給:東宝・TBS
製作総指揮:間瀬泰宏
製作:佐倉寛二郎、山内章弘
監督:中村義洋
脚本:斉藤ひろし 、蒔田光治
原作:海堂尊
撮影:佐々木原保志
音楽:佐藤直紀
出演:竹内結子(田口公子)、阿部寛(白鳥圭輔)、吉川晃司(桐生恭一)、池内博之(鳴海涼)、玉山鉄二(酒井利樹)、井川遥(大友直美)、田口浩正(羽場貴之)、田中直樹(氷室貢一郎)、佐野史郎(垣谷雄次)、野際陽子(藤原看護師)、平泉成(黒崎誠一郎)、國村隼(高階権太)

文芸ドラマっぽく書店では原作が平積みになっていて、医療ドラマで「白い巨塔」みたいなスキャンダリズム溢れて、なんてイメージとは程遠い。夢オチにちかいタブーの「狂人の凶行」って、そりゃないわよね。原作を読んでたら絶対みない映画だわ。阿部寛も傍若無人なエラソーなテキトーなキャラに見せつつ有能なエリート官僚なんて、ステレオタイプな役柄といつもの芸風。竹内結子だけが一人深刻にお芝居をしてるっていう、脇はテキトーに流してる竹内座長公演みたいな映画。かなりガッカリだわ。

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陰日向に咲く

Kagehinata 邦題:陰日向に咲く
時間:129分
公開:2008-01-26
製作年度:2008
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:川村元気、佐藤貴博
監督:平川雄一朗
脚本:金子ありさ
原作:劇団ひとり
撮影:中山光一
音楽:澤野弘之
出演:岡田准一(シンヤ)、宮崎あおい(鳴子・寿子)、伊藤淳史(雷太)、平山あや(みゃーこ)、緒川たまき(ジュピター)、塚本高史(ゆうすけ)、西田敏行(モーゼ)、三浦友和(リュウタロウ)

原作を読んでから観た。それぞれの登場人物がそれぞれの「理由」で絡み合い影響し合い、人生を方向づけあう。ハリウッド映画が大好きな「群像劇」にしたててある。原作だとそんな人間関係が「読中の記憶」で構造化していくので、関係性のカタルシスまではワンアクションあっちゃうんだけど、映画だとビジュアルで見せてくれる。「忘れる前に見せてくれる」から関係図を覚え続けてる必要がないってとこでメリットがあるわよね。とはいえ、そこにウワーっていう関係性の暴露による感動を与えてくれるためには「演出力」が一番大事。で、この作品は演出力より俳優たちの「キャラ」がたちすぎて、見ている側が引いてしまう分だけ損してるみたい。もうちょっと抑えた演技演出を俳優にすればよかったのに。残念。

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永遠と一日

Eientoitiniti 原題:MIA AIWNIOTHTA KAI MIA MERA
邦題:永遠と一日 
時間:134分
公開:1999-03
製作年度:1998
製作国:ギリシャ/フランス/イタリア
配給:フランス映画社
製作総指揮:
製作:テオ・アンゲロプロス、エリック・ウーマン、ジョルジオ・シルヴァーニ、アメディオ・パガーニ
監督:テオ・アンゲロプロス
脚本:テオ・アンゲロプロス
原作:
撮影:ジョルゴス・アルヴァニティス、アンドレアス・シナノス
音楽:エレニ・カラインドロウ
出演:ブルーノ・ガンツ、イザベル・ルノー、アキレアス・スケヴィス、デスピナ・ベベデリ、イリス・ハチャントニオ、ファブリッツィオ・ベンティヴォリオ

アンゲロプロスの現代ドラマ。静寂と騒音が背中合わせになって描かれる、死にゆく老人と生きるために密入国した少女の物語。老人の「生」への記憶と少女の「死」の予感が、切なく静かに切り取られていく。穏やかな終末へのささやかな「人生を生きる」ことを永遠に続く人間の営みの中から、老人は映画冒頭の車のUターンで選択するの。「死」が悲劇ではなくて「記憶」の領域かもしれない、っていうアンゲロプロスのわりと共通したテーマも垣間見えるわ。

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愛がこわれるとき

Sleepingenemy 原題:SLEEPING WITH THE ENEMY
邦題:愛がこわれるとき
時間:98分
公開:1991-04
製作年度:1990
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ジェフリー・チャーノフ
製作:レナード・ゴールドバーグ
監督:ジョセフ・ルーベン
脚本:ロナルド・バス
原作:ナンシー・プライス
撮影:ジョン・リンドレー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ジュリア・ロバーツ(サラ&ローラ)、パトリック・バーギン(マーティン)、ケヴィン・アンダーソン(ベン)、エリザベス・ローレンス

ジュリア・ロバーツのDV映画。って、DV映画なんて想像のしないで観たから怖かった。とはいえ、こんなテーマで「あーやだやだ」ってクライマックス(これってハッピーエンドにしちゃ重いわ)になだれ込むのって、どういう企画なのかしら。ちらしの写真なんかだと、ちょっと哀しいけど救いのある恋愛ドラマって雰囲気なのに。狂気のDV映画なんだもの。これって途中までホラー?って感じ。

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マイライフ・アズ・ア・ドッグ

Mylifeasadog 原題:マイライフ・アズ・ア・ドッグ
邦題:MY LIFE AS A DOG
時間:102分
公開:1988-12
製作年度:1985
製作国:スウェーデン
配給:フランス映画社
製作総指揮:
製作:ヴァルデマール・ベリエンダール   
監督:ラッセ・ハルストレム
脚本:ラッセ・ハルストレム 、レイダル・イェンソン 、ブラッセ・ブレンストレム 、ペール・ベルイルント
原作:レイダル・イェンソン
撮影:イェリエン・ペルション
音楽:ビョルン・イシュファルト
出演:アントン・グランセリウス(イングマル)、メリンダ・キンナマン(サガ)、マンフレド・セルネル、アンキ・リデン、ラルフ・カールソン

もっと犬が活躍すると思ったのに。「犬」が象徴する「家族」という意味での「犬」なのね。母の死で離散した家族。その絆としての「犬」。自由になる唯一の家族である「犬」。田舎の叔父の家でさまざまな友情やふれあいを、いかにもヨーロッパ映画のテンポで描いていくスケッチ映画ね。

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アンダーグラウンド

Underground 原題:UNDERGROUND
邦題:アンダーグラウンド
時間:171分
公開:1996-04
製作年度:1995
製作国:フランス/ドイツ/ハンガリー
配給:ヘラルド・エース
製作総指揮:ピエール・スペングラー
製作:
監督:エミール・クストリッツァ
脚本:デュシャン・コバチェヴィッチ、エミール・クストリッツァ
原作:デュシャン・コバチェヴィッチ
撮影:ヴィルコ・フィラチ
音楽:ゴラン・ブレゴヴィッチ
出演:ミキ・マノイロヴィッチ(マルコ)、ミリャナ・ヤコヴィッチ(ナタリア)、ラザル・リストフスキー(クロ)、スラヴコ・スティマチ(イバン)、エルンスト・ストッツナー(フランツ)、スルジャン・トドロヴィッチ(ヨバン)、ミリャナ・カラノヴィッチ(ベラ)


クストリッツァの最高傑作なんていわれているのに観てなかった。長尺なんでビデオ屋さんでも手にとっては断念、なんてのが続いていたけど、勇気を出してレンタル。どの程度の勇気かたかがしれるけどね。で、やっぱり最高傑作って言われるだけあるわ。地下室の結婚式シーンは凄い。ある意味では「冒険者たち」な構造のバディものなんだけど、発想と背景と「ラストに血を吐くようなメッセージ」の重みが強烈。ユーゴスラビアという不幸な国家そのものの身上書のような作品。国を愛することが、ここまで命がけなことなのね。主人公についてまわる楽隊が演奏し続ける音楽が、明るすぎて物悲しい。

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バンテージ・ポイント

Vantagepoint 原題:VANTAGE POINT
邦題:バンテージ・ポイント
時間:90分
公開:2008-03-08
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:
製作:ニール・H・モリッツ
監督:ピート・トラヴィス
脚本:バリー・L・レヴィ
原作:
撮影:アミール・モクリ
音楽:
出演:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィッテカー、シガーニー・ウィーヴァー、ウィリアム・ハート

ああ、なんて面白い映画なの。90分があっという間。キャスティングなんかデニス・クエイドが主役って超地味なんだけど、監督と脚本の圧倒的な力でスクリーンに釘付け。逆にメジャーな俳優じゃないから余計に「物語」に没入できたの。編集も力があるのかしら。とにかく、ある一定の時間を何度も「視点」を変えながら描いていって、そこに起きた事象(大統領暗殺)をどんどん解明していく手口は見事。「レザボアドックス」や「ラン・ローラ・ラン」といった似たアイデアの成功例もあるけど、この作品も「成功例クラブ」に入れてあげる。

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ヒトラーの贋札

Counterfeiters 原題:DIE FALSCHER
邦題:ヒトラーの贋札
時間:96分
公開:2008-01-19
製作年度:2007
製作国:ドイツ/オーストリア
配給:クロックワークス
製作総指揮:
製作:ヨゼフ・アイヒホルツァー、ニーナ・ボールマン、バベット・シュローダー
監督:ステファン・ルツォヴィツキー
脚本:ステファン・ルツォヴィツキー
原作:アドルフ・ブルガー
撮影:ベネディクト・ノイエンフェルス   
音楽:マリウス・ルーランド
出演:カール・マルコヴィクス(サロモン・ソロヴィッチ)、アウグスト・ディール(アドルフ・ブルガー)、デーヴィト・シュトリーゾフ(フリードリヒ・ヘルツォーク)、マリー・ボイマー(アグライア)、ドロレス・チャップリン(カジノの令嬢)


ラストに「改心?」しちゃうのが納得いかない。このまま「ピカレスク」でいてくれた方が好きなんだけどな。まあ舞台背景や民族問題とかで「悪い」ままじゃダメだろうし、英国ポンド偽造っていう経済戦争部分の実話がそうなんだったらムリね。でも冒頭のアルゼンチン入国カードを偽造するシーンでタンゴを踊るのってデカダンスな魅力たっぷりで素敵。こういう「天才的悪漢」って一度くらい誘惑されてみたいって思うけどヘンかしら。

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ライラの冒険 黄金の羅針盤

Raira 原題:THE GOLDEN COMPASS
邦題:ライラの冒険 黄金の羅針盤
時間:114分
公開:2008-03-01
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:トビー・エメリッヒ、マーク・オーデスキー、アイリーン・メイセル、アンドリュー・ミアノ、ポール・ワイツ、ボブ・シェイ、マイケル・リン
製作:デボラ・フォート、ビル・カラッロ
監督:クリス・ワイツ
脚本:クリス・ワイツ
原作:フィリップ・プルマン
撮影:ヘンリー・ブラハム
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:ダコタ・ブルー・リチャーズ(ライラ・ベラクア)、ニコール・キッドマン(コールター夫人)、ダニエル・クレイグ(アスリエル卿)、エヴァ・グリーン(セラフィナ・ペカーラ)、サム・エリオット(リー・スコーズビー)、サイモン・マクバーニー(フラ・パベル)、ジム・カーター(ジョン・ファー)、イアン・マッケラン(イオレク・バーニソン)、フレディ・ハイモア(パンタライモン)


新潮文庫で最初に出版された時に読んだ作品。ロードやナルニアはもちろんメリーポピンズやドリトル先生といった基本はおさえていた児童文学好きとしては、デルトラクエストみたいなRPGゲーム風なのはイマイチね、って思っていたなか「本格的」なファンタジー新作って評価したの。当時。で、しばらくしてニューラインが映画化って聞いて、昨今の(ロードのヒット時代のタイミング)ファンタジーブームはここまで来たのって思っていた。という前段はともかく、仕上がった作品は残念ながらGAGAらしい超C級。そりゃCG処理を駆使したゴシックファンタジーなんだけど、結局原作のもってる世界観を観客に説明しきれない消化不良な冒険アクションになってしまっていたの。ライラがなぜ友達の少年を助けようって必死になってるかという基本的動機が説明不足なんで完璧に感情移入ができないし、動物の姿をした「魂=ダイモン」の意味も不明。そんな前提知識(=原作読破)が必要な作品ってこと。ニコール・キッドマンも妊娠しちゃったし、アメリカの興行もイマイチだったし、3部作が完成するかしら。ムリっぽい。

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