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ボーン・アルティメイタム 2007-11-30

Bourneultimatum 原題:THE BOURNE ULTIMATUM
邦題:ボーン・アルティメイタム
時間:115分
公開:2007-11-10
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:ジェフリー・M・ワイナー 、ヘンリー・モリソン 、ダグ・リーマン
製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ポール・L・サンドバーグ    監督:ポール・グリーングラス
脚本:トニー・ギルロイ 、スコット・Z・バーンズ 、ジョージ・ノルフィ
原作:ロバート・ラドラム
撮影:オリヴァー・ウッド
音楽:ジョン・パウエル
出演:マット・デイモン、ジュリア・スタイルズ、デヴィッド・ストラザーン、スコット・グレン、ブライアン・コックス、パディ・コンシダイン、クリス・クーパー、エドガー・ラミレス、ダニエル・ブリュール、ジョーイ・アンサー、リン・スティントン、アルバート・フィニー、ジョーン・アレン、トム・ギャロップ、コーリイ・ジョンソン


さすがポール・グリーングラス監督、「ユナイテッド93」が去年のベストムービーだったけど、今年もわたしのベスト3に入る。シリーズ前作もすごかったけど、この「完結編?」は圧倒されっぱなし。ノンストップ・ジェットコースーター・アクション映画としてはカメラワークも切れのいい編集も完璧に「楽しんで頂戴」なサービスが満点。いっきに猛スピードで見せきってしまう監督の力技に、完全に屈服させていただくわ。

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ナンバー23 2007-11-28

Mo5430_f1_2 原題:THE NUMBER 23
邦題:ナンバー23
時間:99分
公開:2007-11-23
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:角川映画
製作総指揮:リチャード・ブレナー 、マイク・ドレイク 、トビー・エメリッヒ 、キース・ゴールドバーグ 、イーライ・リッチバーグ 、ブルックリン・ウィーヴァー
製作:ボー・フリン、トリップ・ヴィンソン
監督:ジョエル・シューマカー
脚本:ファーンリー・フィリップス
原作:
撮影:マシュー・リバティーク
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:ジム・キャリー、ヴァージニア・マドセン、ローガン・ラーマン、ダニー・ヒューストン、リン・コリンズ、ローナ・ミトラ、ミシェル・アーサー、マーク・ペルグリノ、ポール・ブッチャー、エド・ローター


ジム・キャリーが追い詰められる強迫神経症系な映画って雰囲気の予告だったので、すっごく期待してみたけど。「セブン」や「12モンキーズ」みたいなのイメージしててね。でもやっぱりなあっていう「一発アイデア」映画にすぎなかった。これが前代未聞なアイデアならいいんだけど、ちと使い古されすぎなの。それにジム・キャリーが眉間にしわよせて熱演してるけど、「23」の意味が全然不明なままなんだもの。もちっとオカルト味にしてシャマラン監督に作らせたら、って思うけど、この程度のアイデアじゃシャマランも断るかもね。

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神に選ばれし無敵の男 2007-11-25

Invincible 原題:INVINCIBLE
邦題:神に選ばれし無敵の男   
時間:130分
公開:2003-05-04
製作年度:2001
製作国:東北新社
配給:
製作総指揮:ジェームズ・ミッチェル、クリスティン・ルパート 、ルッキ・シュティペティック
製作:ヴェルナー・ヘルツォーク、ゲイリー・バート
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク 、E・マックス・フライ
原作:
撮影:ペーター・ツァイトリンガー
音楽:ハンス・ジマー 、クラウス・バデルト
出演:ティム・ロス、ヨウコ・アホラ、アンナ・ゴウラリ、ウド・キア、マックス・ラーベ、ヤコブ・ウェイン


「アギーレ」や「フィツカラルド」のヘルツォーク監督作品ってことでチェック。実在のポーランドの力持ちユダヤ人芸人がナチ台頭時代のベルリンでスターになる、っていうお話。それにしてもどこからこういう物語を拾ってくるのかしら、って思う。不思議な感性で映画にするストーリーをチョイスするのね。オカルトステージの主催者がティム・ロスで、ユダヤ人であることを隠してナチに取り入ろうとしてる小悪党な野心家をエキセントリックに好演。で、重要な役割になるポーランド出身の力自慢なユダヤ人、彼の愛するピアニストは、そのスキルを持つ素人を起用するっていう冒険もしてる。なんか崩れた感じのシュワルツネッガーみたい(けっこうそっくりだし)で、それが気になって仕方がなかった。それにしても130分は長すぎるかな、けっこう本筋が単純なだけに無駄な、繰り返しなシーンが多いみたいに感じたわ。

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ファイナル・カット 2007-11-23

Finalcut原題:THE FINAL CUT
邦題:ファイナル・カット
時間:94分
公開:2005-12-23
製作年度:2004
製作国:カナダ/ドイツ
配給:GAGA
製作総指揮:マーク・バタン 、ガイモン・キャサディ 、マルコ・メーリッツ 、マイケル・オホーヴェン 、ナンシー・パロイアン 、マイケル・パセオネック
製作:マイケル・バーンズ
監督:オマー・ナイーム
脚本:オマー・ナイーム
原作:
撮影:タク・フジモト
音楽:ブライアン・タイラー
出演:ロビン・ウィリアムズ、ミラ・ソルヴィノ、ジム・カヴィーゼル、ミミ・カジク、ステファニー・ロマノフ、トム・ビショップス、ブレンダン・フレッチャー、ヴィンセント・ゲイル、ジュヌヴィエーヴ・ビークナー

なんでパトスだったの?って思うけど、やっぱり仕方がないのかしら。突然の佳作がパトスで観られるっていう伝説も必要なのかもね。「バタフライ・エフェクト」もパトスだったもの。で、この作品はネームとしてはロビン・ウィリアムズだけかな。日本では(アメリカでも?)マネーメークにあんまり繋がらなくなった役者だから、内容以前にパトスになっちゃうのかな。公開されるだけ幸せ。で、作品な近未来。人間に埋め込まれた「人生を記録するチップ」がある時代。人間の死後、その人物の主観の思い出がチップに詰まっていて、その思い出を「都合のよい美しいところ」だけを編集するエディターがいる、っていうわけで、その名人役がロビン・ウィリアムズ。彼は幼い頃、友人が事故で死ぬのを目前にした記憶のトラウマに悩まされている。ところが、ある人物の思い出を編集してたら、その死んだはずの友人が成長した姿で出てきて、っていうところから謎の解明が始まるの。記憶チップの反対運動や、業界の黒幕の記憶チップの編集や、といったシナリオ的に考えこまれたストーリーが展開していくの。映画としては面白かったんだけど、やっぱりブロックバスターに仕立てる宣伝は不可能なタイプの作品よね。

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ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた 2007-11-21

Waitress 原題:WAITRESS
邦題:ウェイトレス ~おいしい人生のつくりかた
時間:108分
公開:2007-11-17
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:トッド・キング 、ジェフ・ローズ 、ダニエル・レンフルー 、ロバート・バウアー
製作:マイケル・ロイフ
監督:エイドリアン・シェリー
脚本:エイドリアン・シェリー
原作:
撮影:マシュー・アーヴィング   
音楽:アンドリュー・ホランダー
出演:ケリー・ラッセル、ネイサン・フィリオン、シェリル・ハインズ、エイドリアン・シェリー、ジェレミー・シス、アンディ・グリフィス、エディ・ジェイミソン、リュー・テンプル


主人公のウェイトレスが自立してハッピーエンドっていう予定調和なクライマックス。でもそれが分かっていても充分楽しめるわ。パイが美味しそうなんだもの。映画の観た帰りにアンナ・ミラーズに行っちゃったもの。ダメ夫に支配されて、人生に超諦観してる主人公が妊娠しちゃって、キレて医者と不倫したりして、でも出産したら完全居直りで離婚して独立して幸せを掴んで、っていうおとぎ話。主人公の同僚の二人のウェイトレスが最高にいい。この女性3人を描くことに成功してるのが作品の成功に繋がってるって思う。それほどまでにこの3人は素敵。

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モンキー・ビジネス 2007-11-21

Monkey_business原題:MONKEY BUSINESS
邦題:モンキー・ビジネス
時間:97分
公開:未公開
製作年度:1952
製作国:アメリカ
配給:
製作総指揮:
製作:ソル・C・シーゲル
監督:ハワード・ホークス
脚本:ベン・ヘクト 、チャールズ・レデラー 、I・A・L・ダイアモンド
原作:ハリー・シーガル
撮影:ミルトン・クラスナー
音楽:リー・ハーライン
出演:ケイリー・グラント、ジンジャー・ロジャース、チャールズ・コバーン、マリリン・モンロー

ハワード・ホークスのスクリューボールコメディ。若返りの薬を開発している製薬会社の研究所で「気分だけ若返る」薬を実験台のチンパンジーが作り上げちゃう。っていうクスクス笑いな設定から、その薬を間違って飲んでしまうケイリー・グラントとジンジャー・ロジャースの夫婦のどたばたがスクリューボール。秘書のマリリン・モンローもしっかり期待されたポジションで可愛く存在してる。でも、さすがに日本未公開。こういう映画ってネイティブで会話が理解できないと面白さ半減なんだろうなって思う。機関銃のようにシーンにあわせて畳み込まれる台詞を「字幕で読」んでるのってムリあるもの。これだけのスターが出演しているのに未公開って、当時の配給会社は日本のマーケットに「良心的」だったのね、って変なとこで感心しちゃうわ。いまなら、この配役ならメジャー作品じゃなきゃMGの張り合いになってるって思うもの

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赤ちゃん泥棒 2007-11-16

Raisingarizona 原題:RAISING ARIZONA
邦題:赤ちゃん泥棒
時間:95分
公開:1988-03
製作年度:1987
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ジェームズ・ジャックス
製作:イーサン・コーエン
監督:ジョエル・コーエン
脚本:イーサン・コーエン 、ジョエル・コーエン
原作:
撮影:バリー・ソネンフェルド
音楽:カーター・バーウェル
出演:ニコラス・ケイジ、ホリー・ハンター、トレイ・ウィルソン、ジョン・グッドマン、ランドール・“テックス”・コッブ、ウィリアム・フォーサイス、フランシス・マクドーマンド、サム・マクマレー、M・エメット・ウォルシュ

コーエン兄弟の怪作。ニコラス・ケイジが最低な小悪党で、収監されてる刑務所の女性刑務官を口説いて出所後に結婚しちゃうの。で、子供ができないので、富豪の五つ子から一人を盗んで。その子供に懸賞金がかかって、悪党どもが子供を軸に奪い合いの右往左往。ストーリーの始点が「誰も思いつきそうも無い」っていうコーエン兄弟ならではのもの。異様な世界観をどどんと提示して、その中できっちり個性を描かれた登場人物が役割をこなしていくのが心地いい。邦題が松竹映画のお涙頂戴ものっぽいからコーエン兄弟の作品じゃなきゃ観てないわ。原題の「RAISING ARIZONA」ってどんな意味を持ってるのかしら。知ってる人いたら教えて欲しい。まさか直訳じゃないでしょうね。なんかの符牒なのかしら。ああ、一筋縄にはいかない。

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アレックス・ライダー 2007-11-16

Stormberaker 原題:STORMBREAKER
邦題:アレックス・ライダー
時間:93分
公開:2007-10-27
製作年度:2006
製作国:イギリス/アメリカ/ドイツ
配給:CKエンタテインメント
製作総指揮:ヒラリー・ダグデイル 、ナイジェル・グリーン 、アンドレアス・シュミット
製作:スティーヴ・クリスチャン、アンドレアス・グロッシュ、マーク・サミュエルソン、ピーター・サミュエルソン
監督:ジェフリー・サックス
脚本:アンソニー・ホロヴィッツ
原作:アンソニー・ホロヴィッツ
撮影:クリス・シーガー
音楽:アラン・パーカー
出演:アレックス・ペティファー、ユアン・マクレガー、ミッキー・ローク、ビル・ナイ、ミッシー・パイル、アリシア・シルヴァーストーン、サラ・ボルジャー


ユアン・マクレガーが冒頭の数分しか出てこない。なんか友情出演みたいなレベル。それにしてもイギリスってこういう映画好きね。子供(少年)が大人の世界で顔負けの大活躍っていうの。なんでスパイだった叔父さんが死んだら甥っ子が後を継いでスパイをしなきゃいけないの?っていう映画の成立の根幹についての突っ込みはしちゃいけないんだろうけど、やっぱり強引よね。それが映画よ、ってことなのね。で、大活躍する主人公がアレックス・ベティファーなんだけど、役名もアレックス。で、けっこう可愛い。アクションもきっちりこなしつつ、007顔負け(ていうか007のパロディ映画だし)なヒーローっぷりをちゃんと演じてるの。ジュブナイルな娯楽アクション作品っていう点では合格な面白さもあるけど、日本じゃ絶対ヒットしそうもないわね。宣伝しようにもターゲットが不在だと思うもの。アレックス・ベティファーがSMAP並みな知名度のあるアイドルで無い限りは、彼の魅力に頼っている以上、宣伝にはならないものね。そういう理由で、そこそこお楽しみな時間を過ごせる映画が無視されていくのが可哀想。

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ディスタービア 2007-11-14

Disturbia 原題:DISTURBIA
邦題:ディスタービア
時間:104分
公開:2007-11-10
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:角川映画
製作総指揮:アイヴァン・ライトマン 、トム・ポロック
製作:ジョー・メジャック、E・ベネット・ウォルシュ、ジャッキー・マーカス
監督:D・J・カルーソー
脚本:クリストファー・ランドン 、カール・エルスワース
原作:
撮影:ロジェ・ストファーズ
音楽:ジェフ・ザネリ
出演:シャイア・ラブーフ、キャリー=アン・モス、デヴィッド・モース、サラ・ローマー、アーロン・ヨー、ホセ・パブロ・カンティージョ、マット・クレイヴン、ヴィオラ・デイヴィス


大人向けのハードなサスペンスっていうのとは一風違ってる。どういうジャンルなのかしら。けっこう描かれる犯罪そのものはグロテスクで残酷なんだけど、ドラマの主人公は高校生の仲間たち。隣の家の住人が連続殺人事件の犯人らしいっていう「覗きの末の発見」からまきおこるサスペンス。犯人は「ヒッチャー」や「悪魔のはらわた」みたいな、人間を超越したパワーを持つ不気味な殺人マシン、っていう存在感で描かれていて、その犯人と戦う高校生トリオっていう構造。主人公たちが高校生っていうことで、大人たちには「感情移入」がしにくいだろな、って思う。「裏窓」のジェームス・スチュワートのような大人の演技の丁々発止っていう「名作っぽさ」が無いだけに、軽い、消化して終わりなファストフードみたいな映画になってると思う。

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アバウト・ア・ボーイ 2007-11-14

Aboutaboy 原題:ABOUT A BOY
邦題:アバウト・ア・ボーイ
時間:100分
公開:2002-09-14
製作年度:2002
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:リン・ハリス 、ニック・ホーンビィ
製作:ティム・ビーヴァン、ロバート・デ・ニーロ、ブラッド・エプスタイン、エリック・フェルナー、ジェーン・ローゼンタール   
監督:クリス・ワイツ 、ポール・ワイツ
脚本:ピーター・ヘッジズ 、クリス・ワイツ 、ポール・ワイツ
原作:ニック・ホーンビィ
撮影:レミ・アデファラシン
音楽:
出演: ヒュー・グラント、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、トニ・コレット、シャロン・スモール、マディソン・クック、ジョーダン・クック


ヒュー・グラントが演じる役柄のよくある立ち位置として、ダメ男が改心して素敵になるっていうのがあるけど、この作品はそんな彼の芸風にピッタリなヒューマンドラマ。親の遺産で遊び人として刹那的に生きてる主人公が、母子家庭の少年の執拗なまでのフレンドリーな攻撃に「本当に大事なもの(映画的な、あくまで映画的な非現実なモラル)」に気づいて生活をまっとうなものにする、っていうもの。なんとも正々堂々とした啓蒙をされちゃうんだけど、わたし的には「お気楽で遊び人でいる」ヒューの方が素敵に見えてしまうのはなぜ?わたしが破滅的な性格だから?

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タロットカード殺人事件

Scoop 原題:SCOOP
邦題:タロットカード殺人事件
時間:95分
公開:2007-10-27
製作年度:2006
製作国:イギリス・アメリカ
配給:ワイズポリシー
製作総指揮:スティーヴン・テネンバウム
製作:レッティ・アロンソン、ギャレス・ワイリー
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
原作:
撮影:    レミ・アデファラシン
音楽:
出演:スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン、ウディ・アレン、イアン・マクシェーン、チャールズ・ダンス、ロモーラ・ガライ、フェネラ・ウールガー、ジュリアン・グローヴァー、ヴィクトリア・ハミルトン、ジム・ダンク、ケヴィン・R・マクナリー、アンソニー・ヘッド、ジョン・スタンディング


イギリスのウディ・アレンが似合うかどうかは別として、思いっきり60年代っぽいオーソドックスなミステリアスコメディ。前作は、ヨハンソンがヘップバーンで、ヒュー・ジャックマンがケイリー・グラントで、っていう配役の旧作のリメイクって言われても信じちゃいそうな感じ。それほどレトロな脚本と演出とカメラワーク。ウディ・アレンが「見慣れている風貌」だけに、作品のテイストから見ると違和感があっちゃうの。そのあたりを意識しての邦題かもしれないわね。古い洋画っぽいタイトル。いまどき「**殺人事件」なんてね。でもあえてつけちゃうとこがお見事。原題をカタカナにしちゃうだけのが多いものね。「スクープ」じゃなにがなんだか分からないし、作品のテイストの包み紙(邦題)としてはダメだものね。

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やじきた道中 てれすこ 2007-11-12

Teresuko 邦題:やじきた道中 てれすこ
時間:108分
公開:2007-11-10
製作年度:2007
製作国:日本
配給:松竹
プロデューサー:渡辺敦、久保田傑、佐生哲雄
製作:佐々木史朗、川城和実、皇達也
監督:平山秀幸
脚本:安倍照雄
原作:
撮影:柴崎幸三
音楽:安川午朗
出演:中村勘三郎[18代目]、柄本明、小泉今日子、ラサール石井、笑福亭松之助、淡路恵子、間寛平、松重豊、山本浩司、吉川晃司、鈴木蘭々、星野亜希、藤山直美、國村隼、笹野高史


落語仕立てになってて、そんな落語の元ネタを探したり発見したりするのも「お楽しみ」な作品。小林信彦的にスクリーンに遊んでもいいかもしれないわね。意識してるのは「幕末太陽伝」かしら。中村屋と柄本明がとってもいい感じで「演技を競」ってる。ゆるーいテンポで、江戸時代なのになぜ?!っていう違和感あるエピソードもなく、丁寧に作られていて、肩に力を入れないでいい娯楽喜劇に仕上がってるの。出演者たちもみんなきちんと収まりがいい感じになってるし。プロデューサーの勝利!な作品かもしれない。

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es [エス] 2007-11-10

Es 原題:DAS EXPERIMENT
邦題:es [エス]
時間:119分
公開:2002-06-22
製作年度:2001
製作国:ドイツ
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:フリッツ・ウィルドフォイヤー
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
脚本:ドン・ボーリンガー 、クリストフ・ダルンスタット 、マリオ・ジョルダーノ
原作:
撮影:ライナー・クラウスマン
音楽:アレクサンダー・フォン・ブーベンハイム
出演:モーリッツ・ブライブトロイ、クリスチャン・ベルケル、オリヴァー・ストコウスキ、ヴォータン・ヴィルケ・メーリング、ユストゥス・フォン・ドーナニー、ティモ・ディールケス、ニッキ・フォン・テンペルホフ、アントニオ・モノー・ジュニア、エドガー・セルジュ、アンドレア・サヴァツキー、マレン・エッゲルト


実際に行われた心理実験を映画化したもので、公開当時は絶対観たいと思ってたのに逃した作品。もちろんノーネームなキャスティングだったりして公開も地味めだったんだけど、評判は耳に入ってきたの。で、実験の被験者として、看守と囚人という役割を与えられた「普通人のアルバイト」が、悲劇的なクライマックスに狂気が増幅していくホラー映画に仕立ててある。主人公を救う「女性」の意味不明な存在や行動が、映画そのものの「甘さ」となって画竜点睛を欠いてると思うわ。この要素がなければ、もっと乾いた恐怖に隙がなくなって「SAW」になれたのにね。

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パリところどころ 2007-11-08

Parisvupar 原題:PARIS VU PAR...
邦題:パリところどころ   
時間:97分
公開:1993-06
製作年度:1965
製作国:フランス
配給:ヘラルド
製作総指揮:
製作:バルベ・シュローデル
監督:ジャン=ダニエル・ポレ 、ジャン・ルーシュ 、バーバラ・ウィルキンド 、エリック・ロメール 、ジャン=リュック・ゴダール 、クロード・シャブロル
脚本:ジャン=ダニエル・ポレ 、ジャン・ルーシュ 、ジャン・ドゥーシェ 、ジョルジュ・ケレール 、エリック・ロメール 、ジャン=リュック・ゴダール 、クロード・シャブロル
原作:
撮影:アラン・ルヴァン、エチエンヌ・ベッケル、ネストール・アルメンドロス、アルバート・メイズルス、ジャン・ラビエ
音楽:
出演: クロード・メルキ、ミシュリーヌ・ダクス、ナディーヌ・バロー、ジル・ケアン、バルベ・シュローデル、ジャン・ドゥーシェ、ジャン・ミシェル・ルジエール、ジョアンナ・シムカス、ステファーヌ・オードラン


ジャン・ルーシュ、エリック・ロメール、ジャン=リュック・ゴダール、クロード・シャブロルといった垂涎の?ヌーベルヴァーグ牽引監督たちの競作オムニバス。パリの片隅で起きる人生のちょっとしたさざ波。自然な生活描写を不自然に描くっていうイメージのあるヌーベルヴァーグなんだけど(私だけね)、このまま信じてたら「フランスとフランス人って変」って絶対思っちゃう。ジョアンナ・シムカスがとっても可愛くて、憧れちゃう。ああいう感じになりたい。

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日本の熱い日々 謀殺・下山事件 2007-11-05

Simoyama邦題:日本の熱い日々 謀殺・下山事件
時間:115分
公開:1981-11-07
製作年度:1981
製作国:日本
配給:松竹
製作:佐藤正之、阿部野人
監督:熊井啓
脚本:菊島隆三
原作:矢田喜美雄
撮影:中尾駿一郎
美術:木村威夫
音楽:佐藤勝
出演:仲代達矢、山本圭、隆大介、井川比佐志、平幹二朗、浅茅陽子、中谷一郎、岩崎加根子、橋本功

1981年の作品。この時代だと十分カラー作品が主流なんだと思うけどモノクロ映画。まあ描かれてる時代背景が松本清張の「日本の黒い霧」の世界なんで、時代の空気感や緊張感や暗黒感を表現するにはモノクロが良かったのかもしれない。それにしても1981年っていうわたしが3歳くらいの頃の、能天気な文化が始まった頃(調べたら「なんとなくクリスタル」とかが書かれた時代らしい)に、こんな戦後の占領軍の謀略告発映画をなんで制作したんだろう。真実を風化させたくない、っていう正義の論調っていうタイプの「一部の納得しない人たち」のための作品なのかしら。主人公の新聞記者役の仲代達也が「真相に迫る=真相の代弁者」といった役どころで、まるで舞台芝居のように青筋たてて叫び続ける演技の見せ場の連続。ちょっと疲れた。事件そのものに興味のかけらもない私にとっては、どうでもいい真相暴露。映画として重いし硬すぎるわよね。

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モンスター・ハウス 2007-11-04

Monsterhouse 原題:MONSTER HOUSE
邦題:モンスター・ハウス
時間:90分
公開:2007-01-03
製作年度:2006
製作国:
配給:SPE
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ 、ジェイソン・クラーク 、ロバート・ゼメキス 、ライアン・カヴァノー
製作:ジャック・ラプケ、スティーヴ・スターキー
監督:ギル・キーナン
脚本:ダン・ハーモン 、ロブ・シュラブ 、パメラ・ペトラー
原作:ダン・ハーモン 、ロブ・シュラブ
撮影:
音楽:ダグラス・パイプス
出演:ミッチェル・ムッソ、サム・ラーナー、スペンサー・ロック、スティーヴ・ブシェミ、マギー・ギレンホール


スピルバーグだってアニメしちゃうの。っていうわけでグアムのシネコンで迷ってこちらを観ないで「パイレーツ」を選んじゃって見逃してたのをレンタル。ハロウィンテーマの設定らしいから季節ネタでね。あ、見逃してたって思い出したの。で、観たけど、出来はファンタジックなお化け屋敷&少年少女の冒険物語っていう平凡きわまりない作品よね。クライマックスの家との戦いのスペクタクルはさすがスピルバーグ?って感じかもしれないけど、なんでアニメ作ったのかしらっていう「目的」がわかんないままだったわ。ビジネス?それとも友達が作りたがってたから名前貸したの?スピルバーグのキャリアに残すには、あんまり意味を感じないわ。

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シュレック3 2007-11-04

Shurek3 原題:SHREK THE THIRD
邦題:シュレック3
時間:93分
公開:2007-06-30
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:アスミック
製作総指揮:アンドリュー・アダムソン 、ジョン・H・ウィリアムズ
製作:アーロン・ワーナー
監督:クリス・ミラー、ロマン・ヒュイ
脚本:ピーター・S・シーマン 、ジェフリー・プライス 、クリス・ミラー 、アーロン・ワーナー
原作:ウィリアム・スタイグ
撮影:
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:マイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアス、エディ・マーフィ、アントニオ・バンデラス、ジュリー・アンドリュース、ジョン・クリーズ、ルパート・エヴェレット


シュレックに子供が出来た、っていうセールストークで宣伝してたわね。メインストーリーは王国の乗っ取り事件なんだけど、シュレックの子供ねぇ。宣伝ポイントがそこしかなかったのかしら。というよりアメリカのドリームワーク本社がそういう指令だしたのかな。大変ね。アスミックエース。少子化が極まる日本で、芸能人の出来ちゃった婚しか興味のない日本の消費者に「シュレックに子供」っていうアメリカ市民なら狂喜乱舞するテーマが通用するわけないじゃない。と、宣伝のミスっていうかベクトルの決定的なアメリカ本社の日本への誤解を追及してもしょうがないけどね。で、シュレックというCGアニメのクオリティ。これは十分高いわよね。お金かけてるし、ファンタジーパロディとしての第一作からのスタンスと世界観をきっちり守備しながら、新しい物語を構築しているの。その点では「ビジネスになるコンテンツ」としてのクオリティレベルは保ってるっぽい。でも日本じゃ興行収入は目標の7割くらいだったみたい。そういうものかもしれない。冷静に考えるとね。50億円のポケモンに興行後半はぶつかってたもの。お子様中心のファミリー映画としては、メジャーだってポケモンには勝てないわ。

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ローグアサシン 2007-11-01

Rougasasin 原題:WAR
邦題:ローグアサシン
時間:103分
公開:2007-10-06
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:アスミック・エース
製作総指揮:
製作:スティーヴ・チャスマン、クリストファー・ペツェル、ジム・トンプソン
監督:フィリップ・G・アトウェル
脚本:リー・アンソニー・スミス 、グレゴリー・J・ブラッドリー
原作:
撮影:ピエール・モレル
音楽:ブライアン・タイラー
出演:ジェット・リー 、ジェイソン・ステイサム 、ジョン・ローン 、デヴォン青木 、ケイン・コスギ 、ルイス・ガスマン 、石橋凌 、マシュー・セント・パトリック 、ナディーヌ・ヴェラスケス 、アンドレア・ロス 、マーク・チェン 、ケイン・コスギ 、ケネディ・ローレン・モンタノ 、テリー・チェン


で、黒澤明の関係者はこの映画に文句言わなかったのかしら。っていうくらいに「なんちゃって用心棒」になってる。堂々と「ジャンゴ」のように用心棒をしてます、って告知してればいいのかもしれないけど、けっこう内緒で「用心棒」なんだもの。もちろん動機や背景はオリジナルっぽくアリバイ作りしてるけど、物語の面白がらせたいコアな部分は「用心棒」。それだけで、わたしはこの作品を認めたくない

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ヴィーナス 2007-11-01

Venus 原題:VENUS
邦題:ヴィーナス
時間:95分
公開:2007-10-27
製作年度:2006
製作国:イギリス
配給:ヘキサゴン
製作総指揮:テッサ・ロス 、スコット・ルーディン 、マイルズ・ケットリー 、チャールズ・ムーア
製作:ケヴィン・ローダー
監督:ロジャー・ミッシェル
脚本:ハニフ・クレイシ
原作:
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
音楽:コリーヌ・ベイリー・レイ
出演:ピーター・オトゥール 、レスリー・フィリップス 、ジョディ・ウィッテカー 、ブロンソン・ウェッブ 、リチャード・グリフィス 、ヴァネッサ・レッドグレーヴ


ピーター・オトゥールがアカデミー賞候補になった作品をやっと観られた。イギリスの映画。老優仲間の家へ姪がやってきて、その姪へオトゥールが「精神的」に恋愛していく。っていうか、恋しちゃう。もちろん高齢すぎて身体はいうこときかないんだけど、彼女の匂いをかいだり、ちょっと触れたりしたがってしまう、かつてのプレイボーイっぷりが「時間」の残酷さとともに演じられる。なんか居直った感じのオトゥールの存在感が素晴らしい作品になってる。アカデミー賞はこちらにあげてもよかった。でもアミン大統領の物まねっぷりで受賞したウィテカーはラストチャンスだったかもしれないから、しょうがないかな。オトゥールがこのスタンスで役柄を選択していったらまだまだチャンスはありそう。それくらい演技力の奥深さを感じたわ。といいつつ「スターダスト」の王様なんてのも出演しちゃうんからオチャメよね。それなりに好々爺な風貌でいながら邪悪な根性の持ち主の王様っていう短いけど印象深い役なんだけどね。はまってたし。それはさておき、作品も老優仲間がオトゥールの死亡記事を、いつものカフェで話題にするあたりは思わず涙がでちゃった。それぞれのキャラクターが描き分けられて、ヴィーナスが自由奔放にスクリーンを闊歩するのを全員が温かいまなざしで観ているっていう、とってもほんわかする作品になってる。彼女のクライマックスシーンには多分観客全員の「ほっと」したため息が感じられるわ。あとヴァネッサ・レッドグレーブが妻役。自宅でオトゥールに応対するときはとっても老婆でよろよろなんだけど、葬式のときには素敵なの。この落差に注目したい。わたしもこんな風にカッコよく年をとりたいな。

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