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グッド・シェパード 2007-10-31

Goodshpherd原題:THE GOOD SHEPHERD
邦題:グッド・シェパード
時間:167分
公開:2007-10-20
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:東宝東和
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ 、デヴィッド・ロビンソン 、ガイ・マケルウェイン 、クリス・ブリガム 、ハワード・カプラン
製作:ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・G・ロビンソン、ジェーン・ローゼンタール
監督:ロバート・デ・ニーロ
脚本:エリック・ロス
原作:
撮影:ロバート・リチャードソン
音楽:ブルース・フォウラー 、マーセロ・ザーヴォス
出演:マット・デイモン 、アンジェリーナ・ジョリー 、アレック・ボールドウィン 、タミー・ブランチャード 、ビリー・クラダップ 、ロバート・デ・ニーロ 、ケア・デュリア 、マイケル・ガンボン 、マルティナ・ゲデック 、ウィリアム・ハート 、ティモシー・ハットン 、リー・ペイス 、ジョー・ペシ 、ジョン・タートゥーロ 、ジョン・セッションズ 、エディ・レッドメイン 、オレグ・ステファン 、ガブリエル・マクト


1960年代のハードボイルド系スパイ映画「北の国から来たスパイ」や「エスピオナージ」といった、まさに東西冷戦の国際情勢を舞台に活劇エンタテイメントじゃなくてダークにリアルに描いた作品のカテゴリーがある。何本かレンタルで追いかけたことあるけど。で、この作品はその延長戦にあるタイプね。実録ものっぽいリアルな史実を背景にフィクションを加えて緊迫感っていうか真実味を出してくる。派手な銃撃戦やカーチェイスのある007タイプとは対極にある作風。そういうテイストを狙っているっていう部分では成功している。でもマット・デイモンが20数年の時間軸を演じていくんだけど、全然年をとらないの。っていうかメークとかも。超不自然。妻役のアンジェリーナ・ジョリーもね。で、二人の息子だけがブサイクな青年になって北側のスパイの女性に色仕掛けで嵌められてるっていうあたりがビジュアル的に映画としての「リアリズム」を失ってるの。ここまではいい感じのクールなリアルCIA裏面史な重厚さがあったのにね。経年映画は主人公の老けっぷりで「時間軸の存在の重み」を共有していくんだって思うけど、この肝心な部分がおろそかになってる。細かな注文なんだけど、エール大学の秘密結社のあたりは、もう少しきっちり描いて欲しかったな。よくわかんなかった。


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ブレイブワン

Braveone原題:THE BRAVE ONE
邦題:ブレイブワン
時間:122分
公開:2007-10-27
製作年度:2007
製作国:アメリカ/オーストラリア
配給:WB
製作総指揮:ハーバート・W・ゲインズ 、ジョディ・フォスター 、デイナ・ゴールドバーグ 、ブルース・バーマン
製作:ジョエル・シルヴァー、スーザン・ダウニー
監督:ニール・ジョーダン
脚本:ロデリック・テイラー 、ブルース・A・テイラー 、シンシア・モート
原作:ロデリック・テイラー、ブルース・A・テイラー
撮影:フィリップ・ルースロ
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:ジョディ・フォスター 、テレンス・ハワード 、ナヴィーン・アンドリュース 、メアリー・スティーンバージェン 、ニッキー・カット 、ジェーン・アダムス


許すか許さないか、っていう究極の選択を提示されるクライマックス。もちろん映画としては「許しちゃうでしょ?」っていう意見誘導がされてるっぽいけどね。妻子殺しの裁判にどんな意見を持ってるの?っていうのと似てる。犯人は「死刑」だよね、っていうマスコミの論調(世論の正義感の代弁)な感じ。まあ、妻子殺しは小説や映画じゃなくて現実だから軽はずみに意見は表明できないけどね。で、こっちは映画だし。婚約者を通り魔に殺されてしまった主人公のジョディ・フォスターが、公権力で裁けない「悪」を殺して回る必殺仕置き人のようになる。で、自分を不幸にした通り魔を見つけて皆殺しにするっていうクライマックス。「善」の代弁者である警察官がからんでのストーリーが紡いであるんだけど、どうだろうなぁ。ジョディ・フォスターが自分でやってみたい役柄だったんだろうなぁ、っていう印象ばっかり強い。映画が提示するテーマの重さよりジョディの「思惑」が鼻についてしまう。「パーフェクト・ストレンジャー」みたいな「でもそうはいかない」なオチも無いんで、このまま主人公は普通の生活に戻っちゃうのかしら。なんか釈然としない。


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スターダスト

Stardust 原題:STARDUST
邦題:スターダスト
時間:128分
公開:2007-10-27
製作年度:2007
製作国:アメリカ/イギリス
配給:UIP
製作総指揮:デヴィッド・ウォマーク 、クリス・サイキエル 、ピーター・モートン 、スティーヴン・マークス
製作:マシュー・ヴォーン、ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ、マイケル・ドライヤー、ニール・ゲイマン
監督:マシュー・ヴォーン
脚本:マシュー・ヴォーン 、ジェーン・ゴールドマン
原作:ニール・ゲイマン 、チャールズ・ヴェス
撮影:ベン・デイヴィス
音楽:アイラン・エシュケリ
出演:クレア・デインズ 、チャーリー・コックス 、シエナ・ミラー 、リッキー・ジャーヴェイス 、ジェイソン・フレミング 、ルパート・エヴェレット 、ピーター・オトゥール 、ミシェル・ファイファー 、ロバート・デ・ニーロ 、ベン・バーンズ 、リッキー・ジャーヴェイス 、ジェイソン・フレミング 、ルパート・エヴェレット 、ピーター・オトゥール 、ミシェル・ファイファー 、ロバート・デ・ニーロ 、ナサニエル・パーカー 、ケイト・マゴーワン 、デヴィッド・ケリー 、メラニー・ヒル 、ヘンリー・カヴィル 、マーク・ストロング 、ストルアン・ロジャー 、デヴィッド・ウォリアムズ 、ジュリアン・リンド=タット 、サラ・アレクサンダー 、ジョアンナ・スキャンラン 、ジョージ・イネス 、マーク・ウィリアムズ 、デクスター・フレッチャー 、ジェフ・ベル 、マーク・バーンズ


王道のファンタジー映画。一般人に身をやつした王家の血を引く主人公と、流れ星のお姫様の冒険物語。悪い魔女の呪いや正義感あふれる好人物の海賊が、怒涛の「めでたしめでたし」へ向かって突き進む。それはそれはハッピーエンドが確実に約束された絶対安全な娯楽映画。ファンタジーっていうジャンルがひとつのマーケットとして「ある」って認知されて試行錯誤のような勘違い作品も生まれてきたけど、なんか「初心に戻って、基本からやり直してみよう」っていうタイプの映画よね。旧き良きハリウッド映画始祖の頃のファンタジー映画なアイデアだけど、現代のCG技術がしっかりと効果的に使われている、ひとつの到達点なのかもしれない。映画をファミリー娯楽ツールとして捉えた場合には合格点をあげられる作品ね。社会的テーマや芸術性っていうものを一切排除してるんだから。

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ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ  2007-10-26

Negahappychained 邦題:ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
時間:109分
公開:2008-01
製作年度:2007
製作国:日本
配給:日活
製作総指揮:
製作:松村傑、廣瀬和宏、山本章
監督:北村拓司
脚本:小林弘利
原作:滝本竜彦
撮影:
音楽:
出演:市原隼人 、関めぐみ 、浅利陽介 、三浦春馬


日活って通を完全に見失ってるって思う。どうしてこういう映画が日活で作られなければいけないの?コミックのようなライトノベルが原作らしいけど、映画と しては監督力が足りなさすぎ、演出力がなさすぎでかなり低レベル。もっと伝わるような演出をして欲しい。あらゆるエピソードや人物描写が唐突で不可思議で ご都合主義で意味のなさそうな悪ふざけをしてるし、本筋じゃないシーンで無意味に映像的に凝ってみたり、もしそれが狙いなら完全にミスだと思うし、演出力 の問題なら監督は廃業したほうがいいって思う。残念ながらわたしの年齢じゃシンクロできないテーマだしね。そんな映画を日活はどうしようっていうのかし ら。

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誰かを待ちながら 2007-10-25

Darekawomati原題:J'ATTENDS QUELQU'UN
邦題:誰かを待ちながら
時間:96分
公開:2007
製作年度:2007
製作国:フランス
配給:
製作総指揮:
製作:アンヌ=ドミニク・トゥーサン
監督:ジェローム・ボネル
脚本:ジェローム・ボネル
原作:
撮影:パスカル・ラグリフール
音楽:
出演:エマニュエル・ドゥヴォス、ジャン=ピエール・ダルッサン、エリック・カラヴァカ、フロランス・ロワレ=カイユ、シルバン・ディユエッド

なんとも「何にも起きない」ドラマ。フランスの地方都市に住む人々。そこの日常がダラダラと語られて、ちょいとした波風が立つんだけど、たいした事もなく、世の中は日常に戻ってしまう。ちょっとだけ変化はしたようだけど。長い人生、もっと大きな出来事ああるだろうし、ここで起きたドラマなんか、しばらくするとみんな忘れちゃうレベルの小さな出来事。そんな些細なことが映画として語られていくって、いかにもフランス映画よね。それにしてももう少しメリハリがあるドラマを設定して欲しかったわ。あまりに振幅が狭いんで誰にも感情移入できないの。テーマがないドキュメンタリーっていうかホームビデオ見てるみたいなんだもの。

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キングダム/見えざる敵 2007-10-24

Kingdom 原題:THE KINGDOM
邦題:キングダム/見えざる敵
時間:110分
公開:2007-10-13
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:サラ・オーブリー 、ジョン・キャメロン 、メアリー・ペアレント 、スティーヴン・シータ
製作:マイケル・マン、スコット・ステューバー
監督:ピーター・バーグ
脚本:マシュー・マイケル・カーナハン
原作:
撮影:マウロ・フィオーレ
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジェイミー・フォックス 、クリス・クーパー 、ジェニファー・ガーナー 、ジェイソン・ベイトマン 、アシュラフ・バルフム 、アリ・スリマン 、ジェレミー・ピヴェン 、ダニー・ヒューストン 、リチャード・ジェンキンス 、カイル・チャンドラー 、フランシス・フィッシャー 、オマー・バーデゥニ 、ウーリ・ガヴリエル 、アシュレイ・スコット

いったいあのマシンガンの弾丸は無限発なの?っていうくらいにマシンガンを撃ちまくるクライマックス。サウジアラビアって怖いのねって海外旅行先候補から削除したくなる位にテロ国家扱いに描いちゃって大丈夫なのかしら。サウジのテロを解明するために、ほとんどイリーガルに潜入するFBIチーム。女性も一人いるけど、「あずみ」状態。彼女ならエイリアンにも楽勝しそうな活躍ぶり。ただ結局テロがどうしたこうしたっていうアメリカ国策映画じゃなくて、結局はメジャーな集団型ランボーな映画。娯楽作品として素直に観たほうが正解よね。社会問題や国際問題や人権問題なんて真剣に語られてるって思わないほうがいいわ。それっぽいシーンや台詞はアリバイのようにちりばめられてるけどね。結局はヴァン・ダムやセガールの映画と一緒。能書きは映画のスパイスにすぎない、っていう意味ではね。

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デンジャラス・パーキング

Dparking原題:Dangerous Parking
邦題:デンジャラス・パーキング
時間:109分
公開:
製作年度:2007
製作国:イギリス
配給:
製作総指揮:
製作:ピーター・ハウイット、リチャード・ジョンズ
監督:ピーター・ハウイット
脚本:ピーター・ハウイット
原作:
撮影:ゾラン・ヴェルジェコヴィッグ
音楽:アンドレ・バロー
出演:ピーター・ハウイット、サフロン・バロウズ、ショーン・パートウィー、アリス・エヴァンス、トム・コンティ


いったいどこへいっちゃうの?っていうくらいにすっ飛んだ設定。オープニングから何が起きたの?っていう掴みの切れはあるの。中盤にだらついて、後半は難 病家族愛感動感涙ストーリー。それこそオープニングじゃ想像もつかない映画になっちゃってる。脚本の書き始めと書き終わりじゃ全然気分が変わってるってい うか、別人じゃないの?っていうくらいに予測不能なストーリー。時系を解体してるイニャリトゥっぽい構造なんだけど、映画としての「怒涛のがぶり寄り」み たいな勢いは是非はともかく、勝ち。とはいえ、それが映画の良し悪しとはまた別のことなんだけどね。

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歓びを歌にのせて 2007-10-22

Yorokobiuta 原題:AS IT IS IN HEAVEN
邦題:歓びを歌にのせて
時間:132分
公開:2005-12-17
製作年度:2004
製作国:スウェーデン
配給:エレファント・ピクチャー
製作総指揮:
製作:
監督:ケイ・ポラック
脚本:ケイ・ポラック
原作:
撮影:ハラール・グンナル・ポールゴール   
音楽:ステファン・ニルソン
出演:ミカエル・ニュクビスト 、フリーダ・ハルグレン 、ヘレン・ヒョホルム 、レナート・ヤーケル 、ニコラス・ファルク 、インゲラ・オールソン

けっ こうショックなクライマックス。もうちょっとみんながハッピーエンドになるようなオプチミスティックな終わり方を期待したのに。なんか悲しい。イギリス映 画なら「がんばったね」っていうご褒美みたいなハッピーエンドを作るんだろうけど、北欧は残酷よね。合唱隊の人々の群像劇にもなってるけど、主人公の合唱 を指導する引退した指揮者が、かつてはその村で苛められっこだったっていう過去を付加したことで、ドラマの全体的な深みっていうか物悲しさに味わいが出て きてる。そういう意味では主人公の設定が、映画を平板なものにしなかった大きな効果になってるって思うわ。

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迷子の警察音楽隊 2007-10-22

Thebandsvisit 原題:THE BAND'S VISIT
邦題:迷子の警察音楽隊
時間:87分
公開:2007-12
製作年度:2007
製作国:イスラエル/フランス
配給:日活
製作総指揮:
製作:
監督:エラン・コリリン
脚本:エラン・コリリン
原作:
撮影:
音楽:
出演:サッソン・ガーベイ 、ロニ・エルカベッツ 、サーレフ・バクリ


エジプトのアレキサンドリアの警察音楽隊がイスラエルに公演に来たのはいいけど、迎えが来なくて自力で公演場所へ行こうとして大間違い。で、わけのわから に田舎の町へたどり着いて途方にくれるも、町の人たちに助けられて・・・。ってなんかダラダラした一夜の人情のふれあいが描かれる。異邦人遭遇な物語。こ こでポイントはアラブとユダヤの遭遇っていう緊張感ある出会いなのに、実態(庶民レベル)じゃおだやかな人間と人間の本質としての理解しあう物語になって るところかな。日本じゃ無理ね。こういう、実はすっごい緊張するシチュエーションでの文化の出会いって理解されるの。

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パズル 2007-10-20

Pazuru 原題:NADIE CONOCE A NADIE
邦題:パズル
時間:108分
公開:2001-06-30
製作年度1999:
製作国:スペイン
配給:ポニーキャニオン
製作総指揮:
製作:
監督:マテオ・ヒル
脚本:マテオ・ヒル
原作:フアン・ボニリャ
撮影:
音楽:アレハンドロ・アメナーバル
出演:エドゥアルド・ノリエガ 、ジョルディ・モリャ 、ナタリア・ベルベケ 、パス・ベガ


アメナバルが音楽担当なのね。まあ、一種の共作っていかプロジェクトだからいいんだろうけど。「海を飛ぶ夢」とか監督と音楽やってるし。で、この作品はビデオゲームにインスパイアされて作ったらしいけど、わけわかんない。現実に発生する事件がビデオゲームのシナリオのリアル化っていう謎がクライマックスで解答として語られるんだけど、どうにもこうにも釈然としないままダラダラと完結しちゃうの。なんかアイデアを消化しきれないまま映画にしちゃった感じ。登場人物もぜんぜん生きてない。物語を進めるっていうかアイデアを実写化するパーツにすぎないの。なんか学生映画みたいね。

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トラフィック 2007-10-18

Trafic 原題:TRAFFIC
邦題:トラフィック
時間:148分
公開:2001-04-28
製作年度:2000
製作国:アメリカ
配給:日本ヘラルド
製作総指揮:キャメロン・ジョーンズ 、グレアム・キング 、アンドレアス・クライン 、リチャード・ソロモン 、マイク・ニューウェル
製作:ローラ・ビックフォード、マーシャル・ハースコヴィッツ、エドワード・ズウィック
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
脚本:スティーヴン・ギャガン
原作:サイモン・ムーア
撮影:ピーター・アンドリュース
音楽:クリフ・マルティネス
出演:マイケル・ダグラス 、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ 、ドン・チードル 、ベニチオ・デル・トロ 、ルイス・ガスマン 、デニス・クエイド 、スティーヴン・バウアー 、ジェイコブ・バルガス 、エリカ・クリステンセン 、クリフトン・コリンズ・Jr 、ミゲル・ファーラー 、エイミー・アーヴィング 、トファー・グレイス 、ボー・ホールデン 、ピーター・リーガート 、ベンジャミン・ブラット 、トーマス・ミリアン 、アルバート・フィニー 、ジェームズ・ブローリン 、ジャック・コンレイ


ドキュメンタリーみたいなブチブチとした荒い編集。ブルーやオレンジを強調したざらついた隠しカメラのような映像。3つの物語が綾織のように展開しなが ら、麻薬シンジケートという共通項で因数分解されていく。登場人物のさまざまな意思や行為がほかの登場人物の物語に影響を与えて、複雑に折れ曲がってい く。誰を信じればいいのか、嘘と真実がないまぜになりながら、自分本位であることへの運命の復讐が残酷に描かれる。娯楽映画としては「娯楽」することを拒 否したような作り。でもぐいぐいと引き込まれちゃうのは、ソダーバーグ監督の物語ることの吸引力が強いからなのかもね。

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ALWAYS 続・三丁目の夕日 2007-10-17

Always2 邦題:ALWAYS 続・三丁目の夕日
時間:146分
公開:2007-11-03
製作年度:2007
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:阿部秀司、奥田誠治
監督:山崎貴
脚本:山崎貴 、古沢良太
原作:西岸良平
撮影:柴崎幸三
音楽:佐藤直紀
出演:吉岡秀隆 、堤真一 、小雪 、堀北真希 、もたいまさこ 、三浦友和 、薬師丸ひろ子 、小清水一揮 、マギー 、温水洋一 、神戸浩 、飯田基祐 、ピエール瀧 、小木茂光 、小日向文世 、貫地谷しほり 、藤本静 、浅利陽介 、小池彩夢 、平田満 、浅野和之 、渡辺いっけい 、手塚理美 、上川隆也 、須賀健太 、福士誠治


続編だからねぇ、って余り大きな期待をしちゃいけない、ってショックアブソーバをかけて臨んだ試写。2時間半もあるんだけど、けっこう良くできていた。泣 かせどころも、プロ?が大半の試写なのにグスグスと鼻をすする音がしてた。かくいう私も目頭が熱くなる瞬間も。なんか松竹的なべたな泣かせどころなんだけ どね。悔しいけど泣かされちゃうんだもの。とはいえ、この作品。前作を観ていないとダメよね。前作のさまざまな登場人物の物語が、実は前作では全て「途 中」で終わってたってことに気づかされちゃうんだもの。特に茶川さんの恋愛の部分は、物語の主題のひとつなのに、前作じゃ何も解決してなかったしね。もち ろん、続編には鈴木オートに預けられる親戚の女の子のエピソードやロクちゃんの幼馴染のエピソードとか新規展開するものもあるんだけど、やっぱり主人公の 茶川さんとヒロミさんの超ハッピーエンドへの波乱万丈の物語が中心よね。今回の作品も、高速道路が無い日本橋風景とかCGを駆使した映像も凄かった。続 編っていうよりも、この「三丁目の夕日」は上下巻の作品で、こちらが下巻完結編っていう立ち位置なんだろうなぁ。だから絶対上巻を観ておかなきゃだめよ。

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アンブレイカブル 2007-10-17

Unbreakable_2 原題:UNBREAKABLE
邦題:アンブレイカブル
時間:107分
公開:2001-02-10
製作年度:2000
製作国:アメリカ
配給:ブエナ
製作総指揮:ゲイリー・バーバー 、ロジャー・バーンバウム
製作:バリー・メンデル、サム・マーサー、M・ナイト・シャマラン
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
原作:
撮影:    エドゥアルド・セラ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ブルース・ウィリス 、サミュエル・L・ジャクソン 、ロビン・ライト・ペン 、スペンサー・トリート・クラーク 、イーモン・ウォーカー 、シャーレイン・ウッダード 、レスリー・ステファンソン 、マイケル・ケリー 、ナタリー・ハルトマン 、M・ナイト・シャマラン


シャマラン監督の作品で唯一観ていなかったの。「シックス・センス」は仕掛けを予想しちゃって、世間の評判ほど面白いとは発言できなかったけど、この作品 は逆に「あっけにとられる」結論だったから評価したい。スーパーヒーローが市井の負け組で、自覚もなく生きている、っていうシチュエーション。これって逆 「Mr.インクレディブル」じゃない。アニメのほうは、かつてのヒーローがヒーロー業を続けられなくてサラリーマンに身を落として地味に市民に溶け込んで るっていう欲求不満な設定だったわよね。でも、この作品は「自分がヒーローなことを微塵も意識していない」だもの。で、ある外部要因(列車事故で唯一生き 残って、しかも無傷)で、その才能?を発見されていくの。シャマラン監督の芸風は前作の「シックス・センス」から最近作の「レディ・イン・ザ・ウォー ター」まで一貫して揺るがない「ラストにびっくり仰天な真相」。この作品もきちんとそうなってるんだけど、その真相っていうかヒーローには「凶悪な敵」が 必要っていう二元論が証明されるという、見事な大団円を用意しているの。冒頭のコミックに関する字幕から、ファーストシーンの産まれた赤ん坊、成長した赤 ん坊が送る幼年時代、それらが全部きちんとクライマックスまでに「意味」を持って収束していく。このあたりは、よく考えられてる脚本になってるわよね。世 間的にはどうやら、あまり高い評価はされてないみたいだけど、わたし的にはシャマラン監督の代表作のひとつにしてもいいわ。彼らしさが良く出てるって思う もの。

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スモーク  2007-10-15

Smoke 原題:SMOKE
邦題:スモーク
時間:113分
公開:1995-10
製作年度:1995
製作国:アメリカ/日本
配給:ヘラルド
製作総指揮:
製作:ピーター・ニューマン、グレッグ・ジョンソン、ケンゾー・ホリコシ、ヒサミ・クロイワ
監督:ウェイン・ワン
脚本:ポール・オースター
原作:ポール・オースター
撮影:アダム・ホレンダー
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:ハーヴェイ・カイテル 、ウィリアム・ハート 、ストッカード・チャニング 、ハロルド・ペリノー・Jr 、フォレスト・ウィッテカー 、アシュレイ・ジャッド 、ジャレッド・ハリス 、メアリー・ウォード 、ヴィクター・アルゴ 、ジャンカルロ・エスポジート 、エリカ・ギンペル


ポール・オースターの原作がものすごくいいんでしょうね。14年間毎日、自分の店の写真を撮影し続けているタバコ屋の主人がハーヴェイ・カイテル。通って くる小説家がウィリアム・ハート。あるときその写真を見せられた小説家が喪った妻が写っているのを発見して思わず泣いてしまう。ここで私の涙腺がぶち切れ た。以降ボロボロになりながらの鑑賞。ああ、劇場じゃなくて良かった。お部屋でDVDで良かった。劇場だったら、崩れまくったメイクを復活させないと街に は出られないもの。で、嘘ばかりつく黒人の少年が生き別れた父親に会いに行く、タバコ屋の主人がかつてつきあってた女性が「娘が大変」と数十年ぶりに助け を求めてくる、少年が小説家の家に持ってきた札束の理由と行方は。そんな登場人物と登場物品全部が複雑にからみあってひとつの物語のパーツになっていき、 クライマックスではきちんと納まっていく。ラストクレジットにハーヴェイ・カイテルのカメラの「クリスマス・ストーリー」が描かれる。なんて暖かい映画な のかしら。思い出しただけで涙がでてきそう。

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10億分の1の男 2007-10-13

10okubunnootoko原題:INTACTO
邦題:10億分の1の男
時間:108分
公開:2003-09-20
製作年度:2001
製作国:スペイン
配給:日本ヘラルド
製作総指揮:フェルナンド・ボバイラ 、エンリケ・ロペス・ラビニュ
製作:
監督:フアン・カルロス・フレスナディージョ
脚本:フアン・カルロス・フレスナディージョ 、アンドレス・M・コッペル
原作:
撮影:シャビ・ヒメネス
音楽:ルシオ・ゴドイ
出演:レオナルド・スバラグリア 、ユウセビオ・ポンセラ 、マックス・フォン・シドー 、モニカ・ロペス 、アントニオ・デチェント


運のいい人間を集めて、命をかけた運だめしをするっていうゲームを主催するアウシュビッツで唯一生き残った大富豪。人の運を吸い取る超能力を持っている人 々がさまざまな偶然が支配するゲームを勝ち残って言って・・・。なんか世界観にはまりきれないで、いったいどこを面白がればいいのかまったくわからないま ま終わっちゃった。女刑事が主人公を追うのに「偶然ゲーム」に参加したり、運が良い(偶然を支配する)ってことが、何の意味を持ってるのかっていうことが さっぱり提示されないんだもの。なにかものすごいキリスト教的な比喩暗喩があるのかしら。スペイン映画だものね。何年か前に渋谷のシネセゾンで予告編だけ 観て、ちょっと興味があったけど見逃していた作品。見逃したままにしておいてもよかったかも。

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ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ 2007-10-13

Rockstock原題:LOCK, STOCK & TWO SMOKING BARRELS
邦題:ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
時間:108分
公開:1999-07
製作年度1998:
製作国:イギリス
配給:SPE
製作総指揮:
製作:マシュー・ヴォーン
監督:ガイ・リッチー
脚本:ガイ・リッチー
原作:
撮影:ティム・モーリス=ジョーンズ
音楽:デヴィッド・A・ヒューズ 、ジョン・マーフィ
出演:ニック・モラン 、ジェイソン・ステイサム 、ジェイソン・フレミング 、デクスター・フレッチャー 、スティング 、スティーヴン・マッキントッシュ 、ヴィニー・ジョーンズ 、レニー・マクリーン 、P・H・モリアーティ


マドンナの旦那様、っていうイメージしかなかったんだけど。友達がすっごい面白いって大推薦してくれたのでレンタル。結果、こんな面白い映画教えてくれて ありがとう!!なの。今年見た外国映画のベスト5に入るわ。最初の5分でどっぷりと嵌っちゃう、エッジの利いた映像。たたきつけるようなシーンの切れ。な にが起きていくのか読めないのに、どんどん面白い方向へ裏切っていってくれる最高にヒップな脚本。群像劇なのにキャラクターが全部きっちり立ってる。そし てタイトルの謎が思いっきりラストカットに解題していくの。ああ、こんなラストカットを見たかったの。やっぱり映画ってラストカットに尽きるわよね。今年 観た映画で秀逸だったのは「パンズラビリンス」と「4分間のピアニスト」のラストカット。で、この作品が3本目よね。それにしてもこの作品で映画生命を全 部燃やし尽くしちゃった感じかもね。ガイ・リッチー。映画監督っていうイメージないんだもの。クレジットもされないプロモーションビデオ作家?ってイメー ジよね。ずっと。

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サルバドールの朝 2007-10-12

Salvador 原題:SALVADOR
邦題:サルバドールの朝
時間:135分
公開:2007-09-22
製作年度:2006
製作国:スペイン/イギリス
配給:CKエンタテインメン
製作総指揮:
製作:ハウメ・ロウレス
監督:マヌエル・ウエルガ
脚本:ユイス・アルカラーソ
原作:フランセスク・エスクリバノ
撮影:ダビ・オメデス
音楽:ルイス・リャック
出演:ダニエル・ブリュール 、トリスタン・ウヨア 、レオナルド・スバラグリア 、ホエル・ホアン 、セルソ・ブガーリョ 、メルセデス・サンピエトロ 、イングリッド・ルビオ 、レオノール・ワトリング


ダニエル君の出演作品って、なんかこだわりがあるっぽい。なんだろうなぁ。レーニンから3年くらいしか経ってないのに、彼のフィルモグラフィーは多彩。観 てないけど「ボーン・アルティメイタム」が、本当ならメジャーデビューな作品なんだろうけど、異物にしか観えない。ともあれ、この作品じゃスペインの若き 過激派死刑囚。実在の人物の物語だから劇的すぎる展開にはできなかったんだろうなか。主人公を「まきこまれた被害者」な視点で「やむをえずのテロリスト」 といった国際人権世論のアングルから描いているっぽいけど、冷静に観てると、単なる「ギャング」にしか見えない。そりゃいくら鼠小僧=義賊っていうテーマ で犯してるって言っても、強盗は強盗。警官を射殺しちゃったら、どこの国でも極刑は納得かもしれないわよね。死刑の朝まで姉妹が彼を見守り、家族愛を見 せ、支持者たちは各国の有力者へ救命嘆願をしていく、っていう「悲劇的な最後の一刻」を延々と後半は見せられちゃう。疲れる。そんなんなら裁判中に泣いて 喚いて改心して助命を願えばいいのに、なぜ?しかも「殉教者にはなりたくない」なんて言うし。結果、スペインの自由のための殉教者になっちゃうんだけど、 彼の意思はどこにあったのかしら。わたしは全然知らない「サルバドール君」なんだけどヨーロッパじゃ英雄なの?。サルバドールを演じられたら名誉!なんて ことなのかなぁ。最近の映画としてスペインの独裁政権時代を描いているものとしては、わたしは「パンズラビリンス」のほうが好き。

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パーフェクト・ストレンジャー 2007-10-10

Perfectstranger原題:PERFECT STRANGER
邦題:パーフェクト・ストレンジャー
時間:110分
公開:2007-09-29
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:ブエナヴィスタ
製作総指揮:ロナルド・M・ボズマン 、チャールズ・ニューワース 、デボラ・シンドラー
製作:エレイン・ゴールドスミス=トーマス
監督:ジェームズ・フォーリー
脚本:トッド・コマーニキ
原作:ジョン・ボーケンキャンプ
撮影:アナスタス・N・ミコス
音楽:アントニオ・ピント
出演:ハル・ベリー 、ブルース・ウィリス 、ジョヴァンニ・リビシ 、ゲイリー・ドゥーダン 、クレア・ルイス 、リチャード・ポートナウ 、ニッキー・エイコックス 、フロレンシア・ロザーノ 、ハイジ・クラム 、ポーラ・ミランダ

監督といい脚本家といい原案者といい、どんでん返しに命をかけてるスタッフが結集したみたいで「おい、新しいネタ思いついたぞ」なんて声をかけあって、ヒーヒー笑いながら観客を騙す台本を練ったんだろうなぁ、って想像。「ラストの7分・・・」なんて宣伝文句も「どんでん返し」が見事に決まって一本勝ちさせて頂きます、なんて気合十分。で、期待しまくって「どっちが勝つかドキドキ!秒殺ノックアウトのK-1」をイメージしてたら「ラストに伝家の宝刀の必殺技を予定通り出す調和美のプロレス」だったんだもの。おやおや。ラストの7分で、そりゃ卑怯よね、っていう叙述推理なひっかけ真相暴露。しかも二回転させて捻らせてあるから腰くじきそう。これまでのサスペンスは何だったの?っていうわけで、余計なミスリードさせるエピソードとかもあるし、ミステリー小説だったら読者は出版社に抗議しちゃいそう。もしくは著者のブログが大炎上とか。でもやっぱり映画(映像)でバチーンと音をたてて痛快などんでん返しは魅力なんだろうなぁ。作り手として。観客としても、切れのいい技をかけられたいもの。なかなか無いけどね。

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アバウト・シュミット 2007-10-05

Aboutschmidt 原題:ABOUT SCHMIDT
邦題:アバウト・シュミット
時間:125分
公開:2003-05-24
製作年度:2002
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:ビル・バダラート 、レイチェル・ホロヴィッツ
製作:マイケル・ベスマン、ハリー・ギテス
監督:アレクサンダー・ペイン
脚本:アレクサンダー・ペイン 、ジム・テイラー
原作:ルイス・ベグリー
撮影:ジェームズ・グレノン   
音楽:ロルフ・ケント
出演:ジャック・ニコルソン 、キャシー・ベイツ 、ホープ・デイヴィス 、ダーモット・マローニー 、ハワード・ヘッセマン 、レン・キャリオー 、ハリー・グローナー 、ジューン・スキッブ 、コニー・レイ

長く勤めた保険会社を定年で退職。夫婦で暮らし始めて、これからハッピーなリタイア生活って思ってたら妻が突然死。一人残された主人公は遠くの街に住む一人娘の結婚に大反対。そんな設定が冒頭の15分くらいでバタバタと語られる。その後は娘の結婚式に出席するまでのロードムービーになってる。老いて目的を失って、その環境を精神的に消化しきれない主人公の心の成長の物語にもなってる。メジャー映画なんだけど、すっごく地味なヒューマンドラマ。だからGAGAとかが買えちゃったんだろうなぁ。もしかしたらなにかのオマケ?一本釣りするにはヒットしそうもないもの。キャスティングは悪くないけどムリ。

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マーサの幸せレシピ 2007-10-05

Bellamartha 原題:BELLA MARTHA
邦題:マーサの幸せレシピ
時間:105分
公開:2002-11-16
製作年度:2001
製作国:ドイツ
配給:アミューズ
製作総指揮:
製作:カール・バウムガートナー、クリストフ・フリーデル
監督:サンドラ・ネットルベック
脚本:サンドラ・ネットルベック
原作:
撮影:ミヒャエル・ベルトル
音楽:キース・ジャレット 、アルヴォ・ペルト 、デヴィッド・ダーリン
出演:マルティナ・ゲデック 、セルジオ・カステリット 、ウルリク・トムセン 、マクシメ・フェルステ

ドイツの母娘もの。って突然の交通事故で死んだ姉の忘れ形見の女の子をレストランシェフをしてる主人公が引き取るはめになって、っていうありがちな「心の交流もの」。もちろん最初は反発してた二人も、最後には心も通って、料理のレシピじゃなくて、人生の幸せをつかむレシピは何?っていうとこに気づいていくっていうハッピーエンドな女性映画。やっぱり答えは「愛」なわけで、クライマックスはホロッとさせられちゃうし、そのまたオマケのシーンは、繰り返し出てきたカウンセリングについて「オチ」が見事に用意されているからニコニコの二乗になっちゃう。てなことで、芸術的に優れてるとかそういうの関係なく、好きよこの映画。

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自虐の詩 2007-10-03

Jigyaku 邦題:自虐の詩
時間:分
公開:2007-10-27
製作年度:2007
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:植田博樹、石田雄治、中沢晋
監督:堤幸彦
脚本:関えり香 、里中静流
原作:業田良家
撮影:
音楽:安藤裕子
出演:中谷美紀 、阿部寛 、遠藤憲一 、カルーセル麻紀 、松尾スズキ 、竜雷太 、名取裕子 、西田敏行

マンガみたい、ってマンガだもの。原作は。きっと卓袱台(っていわないわよね、いまどき)をひっくり返すのが名場面?なのかしら、原作だと。原作を知らないからどうしようもないけど。中谷美紀っていう女優についていろいろ考えた。なんか、映画女優っていう合理的な定義が存在するなら、中谷美紀はここ数年で、完全に映画女優としての仕上がりを達成した、って断言できる。生意気なようだけど、わたしはそう思う。特に毎年「女優冥利」につきる作品(ヒットしようがしまいが)への登場確率が高いみたいだし。おいしい「電車男」から、名作「嫌われ松子」、映画は駄目だけど「7月24日通り」じゃ肩の力を抜いたふにゃけたポジションとか。いわゆる「若い女」っていう必要条件だけでキャスティングされてた時代とは変化してると思うの。決して美人じゃないんだけど、存在感を自由自在に調整して出せてるみたい。もっと注目しようって思う。で、この映画は不幸を背負って、不幸であることが宿命な女の子の成長物語。ストーリーの辻褄が合わないとことかも多々あるんだけど、カッコ良すぎる阿部寛はミスキャストだと思う。あえて、阿部寛なんだろうけどね、製作者や監督は。でも、違うって思うな。

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ロンリーハート 2007-10-03

Lonelyheart 原題:LONELY HEARTS
邦題:ロンリーハート
時間:104分
公開:2007-11-10
製作年度:2006
製作国:アメリカ/ドイツ
配給:SPE
製作総指揮:ランドール・エメット 、ジョージ・ファーラ 、ジョセフ・ローテンシュレイガー 、アンドレアス・ティースマイヤー 、マンフレット・ハイト 、グレッド・コーチリン 、アヴィ・ラーナー 、ダニー・ディムボート 、ジョン・トンプソン 、トレヴァー・ショート
製作:ボアズ・デヴィッドソン、ホリー・ウィーアズマ
監督:トッド・ロビンソン
脚本:トッド・ロビンソン
原作:
撮影:ピーター・レヴィ
音楽:マイケル・ダナ
出演:ジョン・トラヴォルタ 、ジェームズ・ガンドルフィーニ 、ジャレッド・レトー 、サルマ・ハエック 、スコット・カーン 、ローラ・ダーン

「伝記」ものがブームだった流れのなかで「有名な犯罪の実録もの」なんていうジャンルもあったのね、っていうのを気づいたのが「ブラック・ダリア」とか「ゾディアック」とか。真実だから嘘をつきすぎることができない分だけドラマティックな映画的な展開をしづらい企画なのはよくわかる。で、この作品も実録もの系列。女性をだます結婚詐欺&連続殺人。そのカップルの犯人を追い詰める刑事。監督がその刑事の孫、なんていうおまけもあってジョン・トラボルタが寡黙なヒーローを演じてる。プレスシートにある「本当の犯人の女性」は仰天するくらいのビジュアルなんだけど、彼女をサルマ・ハエックが妖艶に演じてる。このあたり映画的理由。でもやっぱりオリジナル刑事ものみたいにカーチェイスばりばり、マグナム乱射、なことは一切なくて地味にじっとりと犯罪と追跡のサスペンスを描いていく。ってことは眠りを誘うって結果になっちゃんだけどね。一番おいしい役だったのは犯人のジャレッド・レトね。これは決まり。

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ヘアスプレー 2007-10-01

Hairspray 原題:HAIRSPRAY
邦題:ヘアスプレー
時間:116分
公開:2007-10-20
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:
監督:アダム・シャンクマン
脚本:レスリー・ディクソン
原作:
撮影:ボジャン・バゼリ
音楽:マーク・シェイマン
出演:ジョン・トラヴォルタ 、ニッキー・ブロンスキー 、ミシェル・ファイファー 、クリストファー・ウォーケン 、クイーン・ラティファ 、ザック・エフロン 、ブリタニー・スノウ 、アマンダ・バインズ 、ジェームズ・マースデン 、イライジャ・ケリー 、アリソン・ジャネイ 、ジェリー・スティラー 、ポール・ドゥーリイ

ものすごく楽しいし、ものすごく楽天的だし、ものすごく砂糖菓子みたいに甘いハッピーエンド。でも、その「ものすごい」ところが「屈折した精神で究極のないものねだりをした超悲観主義なスタンス」でパロディとして描かれた「カルト映画」がオリジナルだってことを知ると視点が変わってしまう。ステレオタイプな人種差別、それに対してステレオタイプに悲観して諦観してる黒人たち。歌い負かせていこう!なんて非武装無抵抗主義なスタンス。超デブでブスな女の子がイケメンなアイドル君にコクられたりなんて、そんな楽しがったり、楽天的だったり、ハッピーエンドだったりするわけない「現実」に完全に目を閉じて、っていうか目を閉じたふりをしてる「馬鹿な状況」に観客のみなさんが身をおいて、卑屈な気分でハッピーミュージカルを見るっていう後ろめたさを共有しましょうっていう多重に屈折していく作品なの。ああ、説明がむずかしい。まあスクリーンに展開される物語は「面白くて楽しい」から、そのまんまストレートに楽しんでもいいんだろうけど、大丈夫か?

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