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遠い日の家族 2007-07-31

Partirevenir原題:PARTIR REVENIR
邦題:遠い日の家族
時間:114分
公開:1989-09
製作年度:1985
製作国:フランス
配給:シネマトリックス
製作総指揮:
製作:タニア・ザジュランスキー
監督:クロード・ルルーシュ
脚本:クロード・ルルーシュ
原作:
撮影:ベルナール・リュティック
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:エヴリーヌ・ブイックス 、ジャン=ルイ・トランティニャン 、アニー・ジラルド 、ミシェル・ピッコリ 、モニク・ランジェ

なぜにルルーシュがユダヤ人ものの映画?って言ってもしょうがないわけで、ヨーロッパの監督は絶対通らなければ行けない宿命をもってるからね。テーマとして。で、ルルーシュだもの。オープニングがまるでゴダールのような雰囲気。あれ?芸風が変わったのかしらって思ってたら、やっぱりルルーシュ。甘栗のつかみ取りみたいに、ポロポロと手のひらからこぼれ落ちていくのを気にしてたら栗をゲットできないのさ、みたいな細かなとこに気を使わないでぐいぐいとストーリーを土俵際まで寄りきりながら、それでも、どうでもいいようなシーンに妙に映像的にこだわったり、っていう「だって僕がやってみたかったんだもん」っていうルルーシュ節。主人公をナチに密告したのは誰?っていう後半の展開はもっと深刻なサスペンスになってもいいのに。なんかのんびりしてるの。で、クライマックスは超ご都合主義。勝手に告白して勝手に終わらせていくわけだから、いったいこれまでは何だったの?なんて置いてけぼり。先に満足して眠っちゃう男みたい。

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ロッキー5・最後のドラマ 2007-07-27

Rocky5原題:ROCKY V
邦題:ロッキー5・最後のドラマ
時間:105分
公開:1990-12
製作年度:1990
製作国:アメリカ
配給:UA
製作総指揮:マイケル・S・グリック
製作:ロバート・チャートフ、アーウィン・ウィンクラー
監督:ジョン・G・アヴィルドセン
脚本:シルヴェスター・スタローン
原作:
撮影:スティーヴン・ポスター
音楽:ビル・コンティ
出演:シルヴェスター・スタローン 、タリア・シャイア 、セイジ・スタローン 、トミー・モリソン 、バート・ヤング 、バージェス・メレディス 、リチャード・ガント 、ジェームズ・ガンビナ 、トニー・バートン 、デリア・シェパード 、ケヴィン・コナリー

この間「6」を観て、そういや「5」は観てなかったわ、ってことでチェック。ロシアで勝利して凱旋したけど会計担当にだまされて一文無しに、なんてどん底設定からのスタート。ロッキーにはどん底が似合うわね。で、すったもんだあってのクライマックスが路上のけんか。ストリートファイトで悪役を叩きのめして大団円。たぶん、これでもう、ロッキーは終わりだなって、世界中が思ったんだろうなぁ。ストリートファイトだもの。15年以上未来に「6」があるなんて誰一人想像してなかった時代の映画なのね、って思うと感慨無量。何に?もちろんハリウッドビジネスの奥の深さと恥知らずに。

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ボディガード 2007-07-27

Bocyguard原題:THE BODYGUARD
邦題:ボディガード
時間:135分
公開:1992-12
製作年度:1992
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:
製作:ローレンス・カスダン、ジム・ウィルソン、ケヴィン・コスナー
監督:ミック・ジャクソン
脚本:ローレンス・カスダン
原作:アラン・シルヴェストリ
撮影:アンドリュー・ダン
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:ケヴィン・コスナー 、ホイットニー・ヒューストン 、ビル・コッブス 、ゲイリー・ケンプ 、ミシェル・ラマー・リチャード 、マイク・スター 、トマス・アラナ 、クリストファー・バート 、ラルフ・ウェイト 、リチャード・シフ 、
なぜか日本だけ大人気なケヴィンが一番?好き勝手「俺さま」だった時代の代表作の一本よね。ホイットニーの主題歌がヒットしてたしね。中3か高1のときだったかな、友達と観に行ったの。なんか「長いよね」なんて感想言った記憶があるけど、やっぱり今みても長い。ケヴィンが「俺さまの見せ場」として用意したものは全部もりこむんだからな!ってことで、こんなに長くなったのかしら。好きになったら守れなくなる、なんてわけのわからないヘナチョコなポリシーのボディガードなんてね。その前提でおかしいって思わなきゃ。でも、ガキだった私はケヴィンを観に行ったんだわ。ほんと、今だから懺悔。

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シッコ 2007-07-26

Sicko原題:SICKO
邦題:シッコ
時間:123分
公開:2007-08-25
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:GAGA、博報堂
製作:キャスリーン・グリン
監督:マイケル・ムーア
脚本:
原作:
撮影:
音楽:
出演:マイケル・ムーア

「コロンバイン」のころはかなりゴツゴツとしてて、取材先の痛いところを思いっきり抉り出すようなゲリラ的な手法が痛快なだけに、その「子供の絶叫」のようなテーマ性がわかり易いくらいに浮き彫りになってた。「911」じゃターゲットをブッシュに絞って、コマーシャルな部分がちょっと嫌味かなって印象。で、この作品。ムーアの手法がより計算ずくにエレガントになっていて、ゲリラ的な手法が「周到な予定調和」でハプニングとして演出されてるの。もちろん、そこで主張されているアメリカ社会の問題点(医療保険問題)とかはしっかり語られているし、これまで誰も「映画というメディアで主張」してこなかったものなんだろうけど、ムーアテイストが一種の「定番の手口」になってしまっているだけに、かつてのような鬼気迫る必死さが薄れてしまっているって感じ。理詰めの展開が行き当たりばったりになってない、ってことが違和感なのかもね。キューバのグアンタナモ刑務所突撃が、実はキューバの医療事情の優秀さにつながっていくあたりって、「映画的な語り口のための準備のされかた」が露骨に出ているんだもの。まあ、それはそれでムーア監督の芸風の固定化ってことなんだけどね。そういった手法の「角のとれかた」はともかく、アメリカ人に生まれなくてよかった、ってほっとさせられてしまうだけのことは十分つたわってきたからいいのかな?今回の目玉は発掘されたニクソンの録音テープ。これがあったから、この作品を作ろうって思ったのかもしれないくらいインパクトがあるわよ。

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魔笛 2007-07-25

Mateki原題:THE MAGIC FLUTE
邦題:魔笛
時間:139分
公開:2007-
製作年度:2006
製作国:イギリス
配給:ショウゲート
製作総指揮:スティーヴン・ライト
製作:ピエール=オリヴィエ・バルデ
監督:ケネス・ブラナー
脚本:ケネス・ブラナー 、スティーヴン・フライ
原作:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
撮影:ロジャー・ランサー
音楽:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
出演:ジョセフ・カイザー 、エイミー・カーソン 、ベンジャミン・ジェイ・デイヴィス 、シルヴィア・モイ 、ルネ・パーペ 、リューボフ・ペトロヴァ 、ベンジャミン・ジェイ・デイヴィス 、シルヴィア・モイ 、トム・ランドル 、テゥタ・コッコ 、ルイーズ・カリナン 、キム=マリー・ウッドハウス

シェイクスピア役者としては有名だし、監督作品としてもハムレットとかそういう系統ばっかりだから、この「魔笛」に到達するのは必然なのかもしれない。モーツァルトのオペラよね。舞台を第一次世界大戦の戦場に設定しての喜歌劇になってるのが工夫かしら。映画的な要素を演出に加えるのに必死なの。陰謀マニアから見れば、モーツァルトはフリーメーソンで「魔笛」というオペラはその教義を全面的に表現してる、なんて言われる。そんなワケありなオペラを第一次世界大戦を舞台に展開したら、もっともっと「怪しいテーマ性がぷんぷん匂う」わけ。それにしても手軽に有名なオペラをスクリーンで観られて、おしゃれな文化の香りがするってわけだから、おばさまのお客様でいっぱいだったわ。

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さくらん 2007-07-23

Sakuran邦題:さくらん
時間:111分
公開:2007-02-24
製作年度:2007
製作国:日本
配給:アスミックエース
製作総指揮:
製作:宇田充、藤田義則
監督:蜷川実花
脚本:タナダユキ
原作:安野モヨコ
撮影:石坂拓郎
音楽:椎名林檎
出演:土屋アンナ 、椎名桔平 、成宮寛貴 、木村佳乃 、菅野美穂 、永瀬正敏 、美波 、山本浩司 、遠藤憲一 、小池彩夢 、山口愛 、小泉今日子 、石橋蓮司 、夏木マリ 、市川左團次[4代目] 、安藤政信 、蜷川みほ 、近野成美 、星野晶子 、翁華栄 、津田寛治 、長塚圭史 、SABU 、丸山智己 、小栗旬 、会田誠 、庵野秀明 、忌野清志郎 、大森南朋 、ゴリ 、古厩智之 、村松利史 、渋川清彦

歌舞伎好きのわたしとしては花魁といえば「八橋の見染」やら「助六の揚巻」ってわけで、道中だってこんなにヨタヨタしてないのが本当。それだけで、この映画の「軽さ」が嫌になってくる。吉原に売られてきた少女が花魁になって傾城として評判になって、っていうストーリーに恋やらなんやらをからめているんだけど、やっぱりそういう本物を「知らない今時のガキ」がシチュエーションだけ借りた現代風なレディコミをしてるってだけ。でもなんか土屋アンナが女優賞とか狙う意気込みだから鬼気迫る。肩に力が入りすぎな感じなんだけど、でも候補とかにはなっちゃうんだろうなぁ。わたし的には左團次のひょうひょうとした旦那役が素敵だと思うんだけど。

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蟲師 2007-07-23

Mushishi邦題:蟲師
時間:131分
公開:2007-03-24
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東芝-ショウゲート
製作総指揮:小椋悟
製作:
監督:大友克洋
脚本:大友克洋 、村井さだゆき
原作:漆原友紀
撮影:柴主高秀
音楽:配島邦明
出演:オダギリジョー 、江角マキコ 、大森南朋 、蒼井優 、りりィ 、李麗仙 、クノ真季子 、守山玲愛 、稲田英幸 、沼田爆

原作は読んだことがないので、その世界観とか知らないまま観た。大友克洋の実写映画っていうことでのマニアックな期待感が宣伝材料の公開だったようだけど、もうひとつ興味がわかないまま見逃していた作品。ちょっと気にしてる蒼井優ちゃんをチェックしなきゃっていうことで目黒シネマ鑑賞。で、ストーリーは何がなんだか破綻してるのかまとまってるのか完全に意味不明。たぶん主人公のどろろ系「母もの」ってことなのかしら。何を観る映画なんだろう。ディテールにこだわった大友流CG演出を眺める映画?鬼太郎みたいなヘアスタイルのオダジョーが病気で弱ったり、次のカットじゃ元気だったり、複雑な出生の秘密があっけらかんと解決したり、って唖然としてるうちにエンドマークだもの。原作もそうなのかなぁ。そうだったら映画化すること自体が間違ってたのかもしれないわね。

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キサラギ 007-07-22

Kisaragi邦題:キサラギ
時間:108分
公開:2007-06-16
製作年度:2007
製作国:日本
配給:ショウゲート
企画:野間清恵 
製作:望月泰江、井口喜一 
監督:佐藤祐市
脚本:古沢良太
原作:古沢良太
撮影:
音楽:佐藤直紀
出演:小栗旬 、ユースケ・サンタマリア 、小出恵介 、塚地武雅 、末永優衣 、米本来輝 、平野勝美 、酒井香奈子 、宍戸錠 、香川照之

二転三転、四転五転、一歩先が読みきれない。新しい展開と驚愕の新事実が音を立てて投じられる。C級アイドルのマニアのオフ会が異様な物語へ転がっていくの。脚本の勝利ね。キャスティングでも年齢構成にちょっとムリがありそう、って思う局面もあるんだけど、そんなことは「舞台劇じゃよくあること」なんで目をつぶっていく。登場人物5人が攻守を入れ替え、隙をつき、秘め事を開示し、それによってあらゆる状況が激変しまくるっていう108分。けっこう堪能できたわ。それなりにヒットしてるって聞いてたけど、面白いもの。口コミって利くのね。わたしもすぐ何人かに「絶対観るべき」なんてメールしちゃったもの。

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パンズ・ラビリンス 2007-07-20

Panslabyrinth原題:EL LABERINTO DEL FAUNO
邦題:パンズ・ラビリンス
時間:119分
公開:2007-10
製作年度:2006
製作国:メキシコ/スペイン/アメリカ
配給:キュービカル
製作総指揮:
製作:アルフォンソ・キュアロン、ベルサ・ナヴァロ、ギレルモ・デル・トロ、フリーダ・トレスブランコ、アルバロ・アウグスティン
監督:ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
原作:
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
音楽:ハビエル・ナバレテ
出演:イバナ・バケロ 、ダグ・ジョーンズ 、セルジ・ロペス 、アリアドナ・ヒル 、マリベル・ヴェルドゥ 、アレックス・アングロ

ああスペイン映画。「カラスの飼育」とかもそうだけど、なんか胸が締め付けられるような「かわいそう」な気分にさせられちゃうタイプの映画が多いって印象。だからこの作品はもうちょっとハッピーなファンタジーかしらって思ってたら、全然。やっぱり切ない。ダークなダークな痛い痛い、ファンタジー。救われているのに救われた!って喜べない切ないエンディング。フランコ政権下のゲリラと掃討する軍隊が対峙する山奥に呼びつけられた少女と母。少女が戦争の悲惨な環境の中でも信じ続ける?パンの妖精による少女のもうひとつの歴史。そしてその歴史へ戻るための暗黒な試練。現実の少女は最期の試練によって人間としての死を得るも、正当なる彼女自身の伝説の世界へ戻っていく。でもそれは「こちらがわ」にいる観客のわたしたちにとっては、悲劇的な終末でしかないの。なんともエキゾチックなダークファンタジー映画として「悲痛」という澱が残る。でもわたしにとっては洋画ではいまのところ今年のベストだわ。

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300 2007-07-19

300原題:300
邦題:300
時間:117分
公開:2007-06-09
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:フランク・ミラー 、デボラ・スナイダー 、クレイグ・J・フローレス 、トーマス・タル 、ウィリアム・フェイ 、スコット・メドニック 、ベンジャミン・ウェイスブレン
製作:ジャンニ・ヌナリ、マーク・キャントン、バーニー・ゴールドマン、ジェフリー・シルヴァー
監督:ザック・スナイダー
脚本:ザック・スナイダー 、マイケル・B・ゴードン 、カート・ジョンスタッド
原作:フランク・ミラー 、リン・ヴァーリー
撮影:ラリー・フォン
音楽:タイラー・ベイツ
出演:ジェラルド・バトラー 、レナ・ヘディ 、デヴィッド・ウェンハム 、ドミニク・ウェスト 、ミヒャエル・ファスベンダー 、ヴィンセント・リーガン 、トム・ウィズダム 、アンドリュー・プレヴィン 、アンドリュー・ティアナン 、ロドリゴ・サントロ 、マリー=ジュリー・リヴェス 、スティーヴン・マクハティ 、タイロン・ベンスキン 、ピーター・メンサー

多勢に無勢っていう悲壮感ある物語。神話に近いけどね。桶狭間の織田信長ってとこかしら。民主主義?なギリシアの議会と軍部の葛藤とかあって、登場人物が死地へ赴く覚悟と必死の戦闘。スパルタ軍の超人的なバトル。なんて物語をCGによるデフォルメを駆使して描いている。ストーリーよりも、それを映像化するのに一番理想的?な映像表現を追求した結果がある。もう数十年前の歴史スペクタクル映画のアナログな手法じゃムリってことね。ここまで映像表現技術が到達しちゃうと、映画そのものの「手作り感」「人間としての限界」っていう職人芸な部分が完全に無くなっちゃってるもの。それはそれで「進化」のひとつの極点かもしれないわね。もう一方にはアンゲロプロスが仁王立ちしてるっていうのは確実に言えるけど。

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大統領暗殺 2007-07-12

Deathofaprecident原題:Death of a President
邦題:大統領暗殺
時間:93分
公開:2007-10-
製作年度:2006
製作国:イギリス
配給:プレシディオ
製作総指揮:
製作:ガブリエル・レンジ、サイモン・フィンチ、エド・ガイニー
監督:ガブリエル・レンジ
脚本:ガブリエル・レンジ、サイモン・フィンチ
撮影:グラハム・スミス
音楽:リチャード・ハーヴェイ
出演:ジョージ・W・ブッシュ

こういう映画の手法って発想したことあるけど、本当に存在するのは初めてみた。近いタイプのはあったけど、全編がその手法で構築されてるんだもの。ブッシュ大統領が暗殺されて、犯人などが判明して事件としてひと段落してから、その事件を検証し、関係者にインタビューし、NHKスペシャルのような「証言ドキュメンタリー」を某テレビ局が作りました。っていう感じの映画。そのすべてが虚構なのはもちろん劇場娯楽映画だからなんだけど、ここまで揺らがないでスタイルを通したことに感心するわ。なんともイギリス作品っぽいわね。こういうシニカルなスタイルっていうかアングルの映画って。

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夢追い 2007-07-12

Anousdeux原題:A NOUS DEUX
邦題:夢追い
時間:110分
公開:1980-11
製作年度:1979
製作国:フランス/カナダ
配給:コロムビア
製作:
監督:クロード・ルルーシュ
脚本:クロード・ルルーシュ
撮影:ベルナール・ジツェルマン
音楽:フランシス・レイ
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ 、ジャック・デュトロン 、ジャック・ヴィルレ 、シュジー・ドレール 、ダニエル・オートゥイユ 、リシャール・ボーランジェ

なんかフニャフニャした逃走ロードムービー。フランスから逃げて逃げて、カナダからアメリカへ。モラルゼロで人を殺して車を盗んで、っていう未来も夢も希望も無くて破滅するために逃げてる映画。なんかいやーな気分になるんだけど、なんでルルーシュなんだろう。「夢追い」って邦題も意味不明だけど原題の「わたしたち二人で(直訳)」ってのもなんにも表現してない。まんまよね。どこまでルルーシュは映画製作に本気だったのかしら。って疑問いっぱい。

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イラク -狼の谷- 2007-07-11

Iraq原題:VALLEY OF THE WOLVES: IRAQ
邦題:イラク -狼の谷-
時間:122分
公開:2007
製作年度:2006
製作国:トルコ
配給:アット・エンタテインメント
製作総指揮:
製作:
監督:セルダル・アカル
脚本:ラージ・シャシュマズ 、バハドゥル・オズデネル
原作:
撮影:
音楽:
出演:ネジャーティ・シャシュマズ 、ビリー・ゼイン 、ゲイリー・ビューシイ 、ハッサン・マスード

「アメリカ敗北」っていう宣伝文句なんだけど、ちょっといいすぎ。戦争映画でもハリウッド映画はアメリカ万歳、アメリカ勝利、アメリカ正義。でも敵側だった国々では逆の立場で「連合軍は悪者!」な視点にたってる。っていうわけで、ヨーロッパより(アメリカより)なポジションにあるイスラム国トルコが、その難しい政治的ポジションにあるなかアメリカは敵!な作品を発表したっていうスキャンダリズムがウリになってるの。それはそれで映画ビジネス的には賭けかもしれないけど、でもちょっと作品的には中途半端。敵になるのはアメリカっていうより、ちょっと気がふれたアメリカ軍の腐敗将校の個人的な犯罪行為。国家レベルの敵味方じゃなくて、かなりパーソナルな闘争になってるし、腐敗したアメリカ軍将校が殺されてしまうのを「アメリカ敗北」っていう宣伝文句で表現しちゃうわけだもの。でも構造的には「我慢を重ねて、最期に敵に殴りこみをかけて親分を叩き切る健さん」や「一家惨殺されたインディアンが狂気の騎兵隊員に復讐を遂げる」みたいなのと完全一致する構造。背景がイラクってだけだもの。そういう意味では普通の西部劇、任侠映画。

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プラネット・テラー in グラインドハウス 2007-07-11

Planetterrar原題:GRINDHOUSE/ PLANET TERROR
邦題:プラネット・テラー in グラインドハウス
時間:105分
公開:2007-09-22
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:ブロードメディア・スタジオ
製作総指揮:
製作:
監督:ロバート・ロドリゲス
脚本:ロバート・ロドリゲス
原作:
撮影:ロバート・ロドリゲス
音楽:
出演:ローズ・マッゴーワン 、ブルース・ウィリス 、フレディ・ロドリゲス 、ジョシュ・ブローリン 、マーリー・シェルトン 、ジェフ・フェイヒー 、ファーギー 、クエンティン・タランティーノ

まあ普通のゾンビものなんだけど、もちろんゾンビ映画としてのポジションを狙ってるわけじゃないのは確か。ゾンビ映画の「しきたり」を冷静に踏襲しつつ荒唐無稽な仕掛けを付加して「ゾンビ映画のパロディを本気で大人が映画同好会作品として仕上げてみました」という屈折した存在の作品。そこにはゾンビ映画でヒットさせてビジネス的ストラクチャを満足させようっていう気負いもなく、「ちょっと遊んでみたけど、どう?面白いっしょ?」な金持ちの余技みたいなカジュアルさ。中身はC級ホラー作品なのに、たっぷりお金をかけて安っぽく仕上げてるわけで(キャスティングとかも)、エルメスで綿入れちゃんちゃんこを特注するみたいな成金っぽい感じ。C級プロダクションがビッグマック齧りながら必死で作ったゾンビホラーのほうが「映画的存在としての正当性」を感じるけど、このロドリゲス作品のほうが絶対的に面白く見れちゃうっていうのが「銀のスプーンを咥えて生まれた作品」の力なのかしら。メジャーリーガーが遊びで三角ベースするみたいな。

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エディット・ピアフ~愛の讃歌~ 2007-07-10

Lavienrose原題:LA VIE EN ROSE
邦題:エディット・ピアフ~愛の讃歌~
時間:140分
公開:2007-
製作年度:2007
製作国:フランス/イギリス/チェコ
配給:ムービーアイ
製作総指揮:
製作:アラン・ゴールドマン
監督:オリヴィエ・ダアン
脚本:オリヴィエ・ダアン 、イザベル・ソベルマン
撮影:永田鉄男
音楽:クリストファー・ガニング
出演:マリオン・コティヤール 、シルヴィー・テステュー 、パスカル・グレゴリー 、エマニュエル・セニエ 、ジャン=ポール・ルーヴ 、ジェラール・ドパルデュー 、クロチルド・クロ 、ジャン=ピエール・マルタン 、カトリーヌ・アレグレ 、マルク・バルベ

アカデミー主演女優賞に一番近いんじゃないかな。マリオン・コティヤール。エリザベス女王で獲れるんだもの。体当たり感じゃピアフの方が圧倒してる。彼女の演技っていうか存在感を観ることを主眼にした映画ってとらえてほしい。だって超破綻してた「クリムゾンリバー2」のオリヴィエ・ダアン監督なんだもの。物語をきっちりと筋道立てて描いていくのが苦手っぽくて、サスペンスに必要な伏線やツイストが壊滅していた前作を見れば不安になるのも道理よね。とはいえ女一代記なわけだからそう難しいものじゃないって思うのでちと油断してた。ところがやっぱりだめ。マリオン・コティヤールの演技に救われまくってるの。ダアン監督は脚本も担当してるんだけど、その時点でだめ。後半のアメリカ公演以降のエピソードの唐突な羅列。説明なく結果だけのシーン。このあたりのピアフの人生が線じゃなくて点をたどるんで観てるほうとしては気の休まる時がないの。もっとエレガントに連続したストーリーを作れなかったのかしら。とはいえそんな「映画的」な欠点のすべてをコティヤールは救ってるの。ああ、ピアフってこういう人だったんだろうなぁって、なんか乗り移ってる。コティヤールってTAXIシリーズのコメディ女優ってイメージがあって、ほかの映画もちょこっと出る脇役な感じだった。ところがここでいっきにブレイクね。すごいもの。なんか本気だしてきたって。とはいえここまで超越するとこれからの出演作選ぶの大変ぽいわよね。こういう方向へ来たのってラブコメ姉ちゃんのリース・ウィザースプーンが「ウォークザライン」で気合入れたのと同じベクトルかもね。作品はピアフの生涯を描く映画なんだけど、だんだん美空ひばりが頭にわいてきた。クライマックスでピアフの最期の歌になるような「水に流して」を絶唱するんだけど、その歌詞を売り込まれて「私の歌!」って言う。それはあたかも美空ひばりの「川の流れのように」と同じように、歌手として、恋する女性として、生きてきた自分のたどった道を歌う作品。まあ「川の流れのように」のほうがピアフの「水に流して」の本歌どりになってるってだけかもしれないけど、ってこのあたりはわたしの勝手な想像。

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ブリッジ 2007-07-08

Bridge原題:THE BRIDGE
邦題:ブリッジ
時間:93分
公開:2007-06-16
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:トルネード・フィルム
製作総指揮:アリソン・パーマー・バーク
製作:エリック・スティール
監督:エリック・スティール
撮影:ピーター・マッキャンドレス
音楽:アレックス・ヘッフェス

予告編を観て、これはチェック!ってことで恵比寿の劇場へ行ったけど、前半はほとんど覚えてないくらいに睡魔との闘い。サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジを延々と撮影し続けて、自殺者をスケッチするっていう「死の目撃者」として劇場の観客を共犯者にしていく。その発想が、ある意味マイケル・ムーアのブームやスーパーサイズ・ミーの高すぎる評価っていうか、社会派ドキュメンタリーブームに誘発されたっていうだけにすぎないのかもしれないけれどね。でもやっぱりカメラに捕らえられた「自殺=死」は残された家族や知人の証言で覆い隠そうとしても厳粛にそこにあってしまう。それを社会的な問題意識を持っているような仮装をしたドキュメンタリーとして製作しているんだけど、「証言の羅列」という手法で商業映画として成立させちゃってる後ろめたさを隠しきれてないの。そのあたりをよく判ってるっていうか、不安になって、だらだらと前半は「誰のこと言ってるのかよくわからない証言」がただただ続く。で、睡魔。躁鬱病で家族の中で居場所がなくなって「跳んだ」けど奇跡的に生き残った青年の「病苦の達観」の証言のあたりから目が覚めた。それにしても、この「商業映画」にお金を払って観てしまった自分が嫌かも。モラルとして。

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マリー・アントワネットの首飾り 2007-07-07

Affairofthenecklace原題:THE AFFAIR OF THE NECKLACE
邦題:マリー・アントワネットの首飾り
時間:118分
公開:2002-02-16
製作年度:2001
製作国:アメリカ
配給:ヘラルド
製作総指揮:ナンシー・マイヤーズ
製作:ブロデリック・ジョンソン、アンドリュー・A・コソーヴ、レッドモンド・モリス、チャールズ・シャイア
監督:チャールズ・シャイア
脚本:ジョン・スウィート
原作:
撮影:アシュレイ・ロウ
音楽:デヴィッド・ニューマン
出演:ヒラリー・スワンク 、サイモン・ベイカー 、エイドリアン・ブロディ 、ジョナサン・プライス 、ブライアン・コックス 、ジョエリー・リチャードソン 、クリストファー・ウォーケン

キルステン・ダンスト主演でコッポラの娘が監督した世紀の勘違い地獄絵図に比べるとものすごくまっとうに見えてしまう。真正面からフランス革命を描くわけではなくて、革命のきっかけとなった宮廷某重大スキャンダル「首飾り事件」の実録モノっていうアプローチ。それぞれの登場人物に命を懸けた「動機」があって、その達成のために野合して世紀の詐欺事件をまきおこすの。王妃の立ち居地と王家の意思がもうひとつきっちり描ききれてないのが残念。ただ、首飾り事件そのものはなんとなく知ってたけど、かかわった人物それぞれの後日談もあって、映画としての「実録っぽさ」を主張してるとこが気に入ったわ。

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25年目のキス 2007-07-06

Neverbeenkissed原題:NEVER BEEN KISSED
邦題:25年目のキス
時間:107分
公開:1999-06
製作年度:1999
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ドリュー・バリモア
製作:サンディ・アイザック、ナンシー・ジュヴォネン
監督:ラージャ・ゴスネル
脚本:アビー・コーン 、マーク・シルヴァースタイン
原作:
撮影:アレックス・ネポンニアシー
音楽:デヴィッド・ニューマン
出演:ドリュー・バリモア 、デヴィッド・アークエット 、ジョン・C・ライリー 、リーリー・ソビエスキー 、マイケル・ヴァルタン 、モリー・シャノン 、ジェレミー・ジョーダン 、ゲイリー・マーシャル 、ジェシカ・アルバ 、マーリー・シェルトン 、ジョーダン・ラッド 、デヴィッド・ダグラス 、ジェームズ・エドワード・フランコ 、グレゴリー・スポーレダー

ドリュー・バリモアが25歳の記者なのに「高校へ学生に化けて潜入レポート」するっていう、けっこうムリのある設定。自分の高校時代のイジメに会っていたトラウマが、潜入してる高校でもあったりして、でもオトナだからそれなりに人気者になって、素敵な先生に恋心を持つけど、すったもんだで。。。っていう学園ラブコメ。だらだらとした演出でもったいない。ドリューの高校時代と潜入してるっていう現実のメリハリがないし、肝心な先生との恋愛もきちんと描かれてなくてダメ。

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ゾディアック 2007-07-06

Zodiac原題:ZODIAC
邦題:ゾディアック
時間:157分
公開:2007-06-16
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:ルイス・フィリップス
製作:マイク・メダヴォイ、アーノルド・W・メッサー、ブラッドリー・J・フィッシャー、ジェームズ・ヴァンダービルト、シーン・チャフィン
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト
原作:ロバート・グレイスミス
撮影:ハリス・サヴィデス
音楽:デヴィッド・シャイア
出演:ジェイク・ギレンホール 、マーク・ラファロ 、ロバート・ダウニー・Jr 、アンソニー・エドワーズ 、ブライアン・コックス 、イライアス・コティーズ 、クロエ・セヴィニー 、ドナル・ローグ 、ジョン・キャロル・リンチ 、ダーモット・マローニー 、リッチモンド・アークエット 、ボブ・スティーヴンソン 、ジョン・テリー 、ジョン・ゲッツ 、キャンディ・クラーク 、フィリップ・ベイカー・ホール 、ジェイソン・ワイルズ 、マット・ウィンストン 、ザック・グルニエ 、アダム・ゴールドバーグ 、ジェームズ・レグロス 、クレア・デュヴァル 、ポール・シュルツ 、ジョン・レイシー 、エド・セトレキアン 、ドーン・リー 、ペル・ジェームズ 、リー・ノリス 、ジョエル・ビソネット 、トーマス・コパッチ 、バリー・リヴィングストン 、クリストファー・ジョン・フィールズ

2時間半もだらだらと連続殺人犯の物語を見せられて、結局は未解決なんだもの。だいたい事前知識をもたずに映画を観るとこういうことになる。こういう犯罪映画って最後には勧善懲悪?悪のシニカルな勝利?とかそういう「決着」を見せてくれるって信じてたのに、いまだ解決に至らずなんだもの。しかもアメリカじゃ殺人事件に時効は無いっていうから延々と今後も未解決って。そんなの映画にしないでほしい。実在の事件と、それにかかわった実在の「地方新聞のイラストレーター」。彼が事件を追い続けた物語を本にして、その本が原作。ジェイクの役柄はその原作者。まあ現実が未解決じゃしょうがないのかな。暗号がキーワードなんだけど、暗号解読のサスペンスとかまったく無いし、どこで緊迫していけばいいのか全然わからない単調な作品。DVDとかで観てクライマックスで「バカヤロー!」って叫ぶ人、多いかも。

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ダロウェイ夫人 2007-07-04

Mrsdalloway原題:MRS. DALLOWAY
邦題:ダロウェイ夫人
時間:97分
公開:1998-08
製作年度:1997
製作国:イギリス
配給:ヘラルド
製作総指揮:クリス・J・ボール
製作:リサ・カトセラス・パレ、スティーヴン・ベイリー
監督:マルレーン・ゴリス
脚本:アイリーン・アトキンス
原作:ヴァージニア・ウルフ
撮影:スー・ギブソン
音楽:イロナ・セカッツ
出演:ヴァネッサ・レッドグレーヴ 、ナターシャ・マケルホーン 、ルパート・グレイヴス 、マイケル・キッチン 、アラン・コックス 、サラ・バデル 、レナ・ヘディ 、ジョン・スタンディング 、ロバート・ポータル 、フィリス・カルヴァート

ヴァージニア・ウルフは「オーランド」しか読んだことない。で、「ダロウェイ夫人」は映画全編を「パーティの準備に忙殺されっぱなし」なんだけど、原作もそうなのかしら。多分違うと思うけど。パーティ好きの「安全なほうの結婚を選択した保守的な」彼女が、若い頃の選択に対して、ちょっと引きずる「思い」を持っていて、っていう人生2回あれば両方やりたいわ、っていう贅沢な悩みっていうの?まあ1回しかないから選択しなかったほうへの「もったいない」な気分ってわかるけど、そんなことをグダグダとパーティの準備とともに語られてもなぁって感じ。基本的にわたしは「選択しなかったほうは、選択肢として無かったことにする」っていうスタンスで生きてるから、多分、ダロウェイ夫人のような気分には一生なれないって。思いたい。

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ダイ・ハード4.0 2007-07-02

Diehard4原題:LIVE FREE OR DIE HARD
邦題:ダイ・ハード4.0
時間:129分
公開:2007-06-29
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:マイケル・フォトレル 、ウィリアム・ウィッシャー
製作:
監督:レン・ワイズマン
脚本:マーク・ボンバック
原作:マーク・ボンバック、デヴィッド・マルコーニ
撮影:サイモン・ダガン
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:ブルース・ウィリス 、ジャスティン・ロング 、ティモシー・オリファント 、クリフ・カーティス 、マギー・Q 、シリル・ラファエリ 、メアリー・エリザベス・ウィンステッド 、ケヴィン・スミス 、ジョナサン・サドウスキー

第一作目を新作の宣伝かねてテレビで放映してたのを観たら、ジョン・マクレーンの若いことにびっくり。17年も経つとかなりなおじさんになってしまってるわけで、老骨?に鞭打っての、相変わらずの「誰がなんと言おうと選択する」多勢に無勢シチュエーションでの大活躍っていうわけ。今回はサイバーテロって思わせながらの財務データ盗賊とのバトル。ストーリーは大暴れの一本道。もちろんマクレーンの勝利は約束されてるんだけど、そこにいたる「ほれほれ、こんなアクションいかがですか?」なサービス満点な製作サイド。これでスカッとして、明日からの辛いお仕事がんばってね、っていうビタミンドリンクみたいな薬効を狙ってるのかしら。まあ、まんまと元気にさせられちゃったけど、薬効って利いてる過程をうんぬん言ってもしょうがないのよね。だからどんなに子供だましな展開でも、ひゃあ!ってスクリーンに釘付けになってればOKってこと。それにしてもジェット戦闘機が相手なんて、よく思いつくわよね。

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