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かもめ食堂 2007-02-28

Kamomesyokudou邦題:かもめ食堂
時間:102分
公開:2006-03-11
製作年度:2005
製作国:日本
配給:メディアスーツ
製作総指揮:
製作:前川えんま、天野眞弓
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
原作:群ようこ
撮影:トゥオモ・ヴィルタネン
音楽:近藤達郎
出演:小林聡美 、片桐はいり 、もたいまさこ 、ヤルッコ・ニエミ 、タリア・マルクス 、マルック・ペルトラ

小林聡美が北欧の町でオニギリ屋を開いていて、流れ着いた日本人二人に店を手伝ってもらいながらゆったりゆったりと時が流れていく、癒し系要素たっぷりな作品。なんかストーリーがどうとか、っていう問題じゃなくて、そんなたいした事件もない「平凡な日常」が写ってるスクリーンをもっともっと眺めていたかった。「楽しい」とか「わくわく」とか「どきどき」とかいう映画的娯楽性とは対極にある「映画が写されているスクリーンが存在する劇場という空間に身を置く事で癒される精神と肉体」っていうサプリメントみたいな作品ってことで、これは絶対ビデオとかじゃなくて劇場で観るべき映画よね。

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狩人と犬、最後の旅 2007-02-28

Lasttrapper原題:LE DERNIER TRAPPEUR
邦題:狩人と犬、最後の旅
時間:101分
公開:2006-08-12
製作年度:2004
製作国:フランス/カナダ/ドイツ/スイス/イタリア
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:
監督:ニコラス・ヴァニエ
脚本:ニコラス・ヴァニエ
原作:
撮影:ティエリー・マシャド
音楽:クリシュナ・レヴィ
出演:ノーマン・ウィンター 、アレックス・ヴァン・ビビエ

名画座で「ロハスな2本立」。カナダロッキーの犬ぞりを駆使する老猟師と犬の物語。そのエリアには2人しか猟師が現存してなくて、彼らも、自然破壊で猟ができず引退を考えてたりする、っていう物語。どこまでがリアルでどこまでがフィクションなのかわからない。ともあれ、めまいがするようなカナディアンロッキーの風景が素敵。こんな大自然に包まれて暮らしていくのもいいかもしれないわ。何にも無くても必要なものは十分あるんだもの。奥さんが「今年でやめるのになんであんな立派な家を作ったの?」って聞くと主人公が照れ笑いするシーンが印象的。こういう生活、人生が2回あるなら、1回は選択するかも。

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フェーム 2007-02-28

Fame原題:FAME
邦題:フェーム
時間:133分
公開:1980-12
製作年度:1980
製作国:アメリカ
配給:MGM
製作総指揮:
製作:デヴィッド・デ・シルヴァ、アラン・マーシャル 
監督:アラン・パーカー
脚本:クリストファー・ゴア
原作:
撮影:マイケル・セレシン
音楽:マイケル・ゴア
出演:アイリーン・キャラ 、バリー・ミラー 、リー・キュレーリ 、ローラ・ディーン 、ポール・マクレーン 、エディ・バース 、アンソニー・レイ 、メグ・ティリー

群像劇なんだけど、ちょっと対象人物が多すぎかもしれない。それぞれのエピソードがバラバラで交差していかないから、見ていて頭を切り替えるのがちょっと大変。共通項は芸術高校へ入学した同級生たちが4年生になるまでのお話ってことね。カエルが降ったり、大統領候補暗殺に巻き込まれたり、空港で見送った同時性をもってたりするわけじゃない分だけシンプルかもね。学生食堂のシーンで小さなリズムに同調しはじめて、最後にはスペクタクルな群舞になるとこはさすがに凄い。このシーンだけでアカデミー作曲賞の価値はあるかもしれないわね。脚本賞はノミネートされてたらしいけど、これほどバラバラじゃ無理ね。

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ヘンダーソン夫人の贈り物 2007-02-27

Hendersonpresents原題:MRS. HENDERSON PRESENTS
邦題:ヘンダーソン夫人の贈り物
時間:103分
公開:2007
製作年度:2005
製作国:イギリス
配給:DHC
製作総指揮:デヴィッド・オーキン 、ボブ・ホスキンス 、フランソワ・イヴェルネル 、デヴィッド・M・トンプソン 、トレイシー・スコフィールド
製作:ノーマ・ヘイマン
監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本:マーティン・シャーマン
原作:
撮影:アンドリュー・ダン
音楽:ジョージ・フェントン
出演:ジュディ・デンチ 、ボブ・ホスキンス 、ウィル・ヤング 、クリストファー・ゲスト 、ケリー・ライリー 、セルマ・バーロウ 、アンナ・ブリュースター 、ロザリンド・ヘルステッド 、サラ・ソルマーニ 、ナタリア・テナ 、トーマス・アレン 、ラルフ・ノセック

ジュディ・デンチが貫禄ね。ボブ・ホスキンスに妻がいることを知った時の「老女の動揺」が見事だった。戦時中の空襲下でも「裸を見せる額縁ショー」の公演を続けた傑女の実話だそうで、やっぱり日本はこういう感性の外国人と戦争しちゃいけなかったってことね。こっちがジャンケンしてるつもりでも相手はピストル撃ってくるっぽいし。ラストにヘンダーソン夫人が「劇場経営の動機」を切々と語るけど、ちょっとグッときてしまった。

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リトル・ミス・サンシャイン 2007-02-27

Littlemisssunshine原題:LITTLE MISS SUNSHINE
邦題:リトル・ミス・サンシャイン
時間:100分
公開:2006-12-23
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:
製作:アルバート・バーガー、デヴィッド・T・フレンドリー、ピーター・サラフ、マーク・タートルトーブ、ロン・イェルザ 
監督:ジョナサン・デイトン 、ヴァレリー・ファリス
脚本:マイケル・アーント
原作:
撮影:ティム・サーステッド
音楽:マイケル・ダナ
出演:グレッグ・キニア 、トニ・コレット 、スティーヴ・カレル 、アラン・アーキン 、ポール・ダノ 、アビゲイル・ブレスリン 、ブライアン・クランストン 、マーク・タートルトーブ 、ベス・グラント 、ゴードン・トムソン 、メアリー・リン・ライスカブ 、マット・ウィンストン 、ジェフ・ミード

アラン・アーキンがエディ・マーフィに勝った理由を知りたかったんだけど、途中で死んじゃうんだもの。後半はシーツのくるまれた死体役。ボディダブルだろうけど。で、ナチの弾丸が尻に残ってるファンキーなジャンキー爺さんって役柄。低学歴な不良少年のまんま年寄りになっちゃいました、っていうワガママで頑固な一徹爺さんは印象的なんだけど、なんか肩の力を抜いた「余裕たっぷり」な演技。存在感だけで圧倒する森繁や丹波哲郎や、最近じゃ原田芳雄あたりのたたずまい。エディ・マーフィは頑張ってたのになぁ。って、演技賞はフォレスト・ウィテカーの主演男優、ジェニファー・ハドソンの助演女優は鉄板で決まりだろうし、となると、3人も「黒人」を受賞させたくないっていうハリウッドのWASP&ユダヤ系アカデミー会員の阿吽の呼吸で「やっぱアラン・アーキンじゃん」って流れになってしまったとゆーことかもね。主演女優もイギリス人だし、アメリカ白人が入んなきゃって、実は置く深く根深く、人種差別が残ってるのかも。家族の再生っていうアメリカ人が大好きな「無いものねだりテーマ」のちょっと良くできたシナリオ。でも映画は「作品賞」なんか獲るわけがない小さなレベル。ただ、メジャー作品だし、「こういう小さな作品も目を行きとどかせてんだよ」っていうアリバイ用のノミネーかもしれないわね。ちょっと前の「サイド・ウェイ」みたいな立ち位置ってことで。

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2007 OSCAR

Oscar2007作品賞はおもいっきり納得がいかない。どう考えても「インファナル・アフェア」を超えてないのに。

【作品賞】
「ディパーテッド」

【監督賞】
マーティン・スコセッシ  「ディパーテッド」

【主演男優賞】
フォレスト・ウィッテカー  「ラストキング・オブ・スコットランド」

【主演女優賞】
ヘレン・ミレン  「クィーン」

【助演男優賞】
アラン・アーキン  「リトル・ミス・サンシャイン」

【助演女優賞】
ジェニファー・ハドソン  「ドリームガールズ」

【オリジナル脚本賞】
「リトル・ミス・サンシャイン」

【脚色賞】
「ディパーテッド」

【外国映画賞】
「善き人のためのソナタ」(ドイツ)

【撮影賞】
「パンズ・ラビリンス」

【編集賞】
「ディパーテッド」

【歌曲賞】
"I Need To Wake Up" 「不都合な真実」

【作曲賞】
「バベル」

【長編ドキュメンタリー賞】
「不都合な真実」

【視覚効果賞】
「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」

【衣裳デザイン賞】
「マリー・アントワネット」

【メイクアップ賞】
「パンズ・ラビリンス」

【美術賞】
「パンズ・ラビリンス」

【長編アニメ賞】
「ハッピー フィート」

【録音賞】
「ドリームガールズ」

【音響効果賞】
「硫黄島からの手紙」

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ドリームガールズ 2007-02-25

Dreamgirls原題:DREAMGIRLS
邦題:ドリームガールズ
時間:130分
公開:2007-02-17
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:パトリシア・ウィッチャー
製作:ローレンス・マーク
監督:ビル・コンドン
脚本:ビル・コンドン
原作:トム・アイン
撮影:トビアス・シュリッスラー
音楽:ヘンリー・クリーガー
出演:ジェイミー・フォックス 、ビヨンセ・ノウルズ 、エディ・マーフィ 、ジェニファー・ハドソン 、アニカ・ノニ・ローズ 、ダニー・グローヴァー 、キース・ロビンソン 、シャロン・リール 、ヒントン・バトル 、ジョン・リスゴー 、ロバート・チッチーニ

なにせスプリームスは知らないわけで、ダイアナ・ロスもわたしのリアルタイムじゃヒット曲っての記憶がないし、っていい訳してもしょうがないけど、そんなちょっと生きてる時代的にズレてて「青春の思い出とともに鑑賞」できる作品じゃないっていうハンディ戦。劇場はほとんどが夫婦50歳割引カップルか「60歳ならいつでも千円」なお客ばっかり。こりゃ客単価低いわって同情しながらの鑑賞。ミュージカルって銘打ちながらも(って原作がブロードウェーミュージカルなんだし)、ミュージカルらしい「ストーリーの流れのなかでセリフが歌になっていく」っていう部分よりも「ドリームガール他のアーティストがライブショーで歌ってる」楽曲シーンばっかりなんで、ミュージカルっぽさが少ないの。歌ってるのが必然すぎて。ビヨンセはゴージャスでキレイ。ジェニファー・ハドソンはアカデミー賞を獲っただけあって、ものすごい存在感。ドリームガールを首になったシーンで歌うソロナンバーは、これだけで入場料の価値あるかもって思ったわ。娯楽作としては素敵なサクセスストーリーだし、音楽もいいし、OKマークをあげるわ。

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ユメ十夜 2007-02-23

Yume10ya邦題:ユメ十夜
時間:110分
公開:2007-01-27
製作年度:2007
製作国:日本
配給:日活
製作総指揮:
製作:
監督:実相寺昭雄 、市川崑 、清水崇 、清水厚 、豊島圭介 、松尾スズキ 、天野喜孝 、河原真明 、山下敦弘 、西川美和 、山口雄大
脚本:久世光彦 、柳谷治 、清水崇 、猪爪慎一 、豊島圭介 、松尾スズキ 、山下敦弘 、長尾謙一郎 、西川美和 、山口雄大 、加藤淳也
原作:夏目漱石
撮影:
音楽:
出演:小泉今日子 、松尾スズキ 、うじきつよし 、中村梅之助[4代目] 、堀部圭亮 、香椎由宇 、山本耕史 、菅野莉央 、市川実日子 、大倉孝二 、阿部サダヲ 、TOZAWA 、石原良純 、Sascha 、秀島史香 、藤岡弘、 、山本浩司 、緒川たまき 、ピエール瀧 、松山ケンイチ 、本上まなみ 、石坂浩二 、戸田恵梨香

お金が十分なさそうで、大義名分だけであらゆる監督と出演者を拝み倒して、っていうかほとんで騙してんじゃないの?って状況ででっちあげた「映画風なクズフィルムの残骸」どうしてこんな企画が存在して、実際に映画にされて、劇場にまでかかって、わたしたちが入場料を払ってイヤな思いをしなきゃいけないのか判らない。前世になにか悪いことでもしたのかしら、って鬱になる映画って時々出会ってしまうけど、これなんか久々の極北の代表作ね。いろんなトンガリ系な人たちの名前を並べればいいっていうもんじゃないわよ。ほんと。

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ゴーストライダー 2007-02-23

Gohstrider原題:GHOST RIDER
邦題:ゴーストライダー
時間:110分
公開:2007-03-03
製作年度:2007
製作国:アメリカ
配給:SONY
製作総指揮:スタン・リー 、ノーマン・ゴライトリー 、デヴィッド・S・ゴイヤー 、E・ベネット・ウォルシュ 、アリ・アラッド 、リンウッド・スピンクス
製作:アヴィ・アラッド、マイケル・デ・ルカ、ゲイリー・フォスター、スティーヴン・ポール 
監督:マーク・スティーヴン・ジョンソン
脚本:マーク・スティーヴン・ジョンソン
原作:マーク・スティーヴン・ジョンソン
撮影:ラッセル・ボイド
音楽:クリストファー・ヤング
出演:ニコラス・ケイジ 、エヴァ・メンデス 、ウェス・ベントリー 、サム・エリオット 、ドナル・ローグ 、ピーター・フォンダ

公開2週で7900万ドルって、ここ数ヶ月じゃイチバンのボックスオフィス成績を叩きだしたマーベルコミックもの。ニコラス・ケイジがアクションヒーロー!?ってすっごい違和感。シニカルな現代モノ作品に登場する情緒不安定な、胃腸に潰瘍でも持ってそうな役柄っていうあたりが印象強い俳優なのに、この映画じゃ剛速球なスーパーヒーロー。夜になると炎につつまれる骸骨顔のオートバイゴーストに変身して、邪悪な心を持つ敵を成仏させていくっていう、とんでも映画。ニコラスが絶対やりたかった役柄だっていうけど、なぜ?無いものねだり?ともあれどうしてこんなのが7900万ドルなの?日本の興業じゃどうなるんだろう。ピーター・フォンダがパパそっくりに老いていたのを発見したのが拾い物かもしれないわ。

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縛り首の木 2007-02-23

Hangingtree原題:THE HANGING TREE
邦題:縛り首の木
時間:106分
公開:1959-02
製作年度:1959
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:
製作:マーティン・ジュロー
監督:デルマー・デイヴィス
脚本:ウェンデル・メイズ 、ハルステッド・ウェルズ
原作:
撮影:テッド・マッコード
音楽:マックス・スタイナー
出演:ゲイリー・クーパー 、マリア・シェル 、カール・マルデン 、ベン・ピアッツァ 、ジョージ・C・スコット 、カール・スウェンソン 、ヴァージニア・グレッグ

マリア・シェルがフランスから輸入されて、スイスから移住して西部へやってきたヒロイン役。珍しいわね。ゲイリー・クーパーが「過去のあるドクター」を渋く演じてるし、カール・マルデンが卑怯な中年男。ゴールドラッシュの時代の小さな金鉱の町のすったもんだ。ちょこっとしたエピソードレベルの物語なのに106分でちゃんと語り切るっていう点で昔の映画って腰の座り方が立派よね。照れちゃいそうな内容なのに堂々と描いて行くんだもの。俳優も大真面目に正義のヒーロー(辛い過去あり)を演じ切るし。ピュアだったのかなぁ、昔のハリウッドって。お客さんもそんなゲーリー・クーパーを観に行って満足してたんだろうし。なんか単純で良い時代だったのね。

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ネゴシエーター 2007-02-22

Negosiater原題:METRO
邦題:ネゴシエーター
時間:117分
公開:1997-04
製作年度:1997
製作国:アメリカ
配給:ブエナ
製作総指揮:
製作:ロジャー・バーンバウム
監督:トーマス・カーター
脚本:ランディ・フェルドマン
原作:
撮影:フレッド・マーフィ
音楽:スティーヴ・ポーカロ
出演:エディ・マーフィ 、マイケル・ラパポート 、マイケル・ウィンコット 、カルメン・イジョゴ 、キム・ミヨリ 、アート・エヴァンス 、ジェームズ・カーペンター 、ポール・ベン=ヴィクター 、ドナル・ローグ

エディ・マーフィーが大人気でコメディタッチでありながらハードなクライムアクションって分野でブイブイ言わせていた時代のアクション映画。もちろんカラード観客ターゲットの手堅いビジネス計算のもと、ブルーカラーの週末のお楽しみ映画っていうポジション。そのあたりは、これまでの感想文でも口をすっぱくして言ってきたけど、日本じゃアメリカマーケットにおける映画の「存在の性格=ポジショニング」を全く配慮しないで公開するから始末におえない。って憂いててもしょうがないけどね。劇場と作品のポジションをもっと考えればいいのにって心から思うわ。ってことは、この作品とはなんにも関係ないけどね。映画としてはケーブルカーの暴走やカーチェイスとかハラハラドキドキなシーンが、10年経ってもあんまり色あせずに楽しめるし、ターゲットの観客も溜飲が思いっきり下がる結末が用意されてるわけだから、娯楽作品としては合格ね。こういう無駄のない職人芸って大事にしたいわね。

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Gガール 破壊的な彼女 2007-02-22

Ggirl原題:MY SUPER EX-GIRLFRIEND
邦題:Gガール 破壊的な彼女
時間:93分
公開:2007-02-10
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ウィリアム・C・カラッロ
製作:アーノン・ミルチャン、ギャヴィン・ポローン 
監督:アイヴァン・ライトマン
脚本:ドン・ペイン
原作:
撮影:ドン・バージェス
音楽:テディ・カステルッチ
出演:ユマ・サーマン 、ルーク・ウィルソン 、アンナ・ファリス 、レイン・ウィルソン 、エディ・イザード 、ワンダ・サイクス 、マーク・コンスエロス

ユマ・サーマンがこういうラブコメに似合うか、っていう根本的な部分でキャスティングプロデューサーの見識を疑うわけ。ゴージャスでも可愛くもなくて、C級な女子プロレスラーみたいな風貌の彼女が、恋する逆ギレ系スーパーヒロインっていう「演じごたえ」がありそうな役柄のオファーに「イエス」と言ってしまうのだからエージェントが悪いのか、ユマの頭が悪いのか。ともかく、主人公(Gガール)の存在感っていうか、キャスティングで全て完結するタイプのB級コメディなんだから、そこを間違っちゃってるってだけで、作品としては「失敗作」なわけ。ということは、キャスティングが終わったところで、クランクインもしない前に失敗作の烙印がおされちゃって、っていうかわいそうな映画ってことね。

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ワイアット・アープ 2007-02-21

Wyattearp原題:WYATT EARP
邦題:ワイアット・アープ
時間:191分
公開:1994-07
製作年度:1994
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:
製作:ケヴィン・コスナー、ジム・ウィルソン、ローレンス・カスダン
監督:ローレンス・カスダン
脚本:ローレンス・カスダン 、ダン・ゴードン
原作:
撮影:オーウェン・ロイズマン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ケヴィン・コスナー 、デニス・クエイド 、ジーン・ハックマン 、イザベラ・ロッセリーニ 、マイケル・マドセン 、デヴィッド・アンドリュース 、リンデン・アシュビー 、トム・サイズモア 、ビル・プルマン 、マーク・ハーモン 、ジェフ・フェイヒー 、アダム・ボールドウィン 、アナベス・ギッシュ 、メア・ウィニンガム 、ジョアンナ・ゴーイング 、キャサリン・オハラ 、ジョベス・ウィリアムズ 、アリソン・エリオット 、ベティ・バックリー 、ジェームズ・カヴィーゼル

ハリウッドっていうとこは、なにか映画が当たると類似ジャンルが続々と登場するわけで、たとえば最近のファンタジーブームや伝記ものブーム。これなんかまだ新作があるものね。ということで、この作品はプチウェスタンブームだった頃の作品。ちょっと図に乗ったブロックバスタースターが「昔からやりたかったんだぜ」って西部劇をプロデュースしちゃうの。しかも気合がはいりすぎて、3時間をこえる超大作なんてことになると、もう地獄絵図よね。自己陶酔の。ケヴィン・コスナーの勘違いが、彼自身の俳優キャリアを崩壊させていく記念すべき大駄作ってことを断言してもいいかもしれない。それにしても3時間、長すぎる。

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ボルベール <帰郷>  2007-02-20

Volver1原題:VOLVER
邦題:ボルベール <帰郷>
時間:120分
公開:2006
製作年度:2007-6
製作国:スペイン
配給:GAGA
製作総指揮:アグスティン・アルモドバル
製作:エステル・ガルシア
監督:ペドロ・アルモドバル
脚本:ペドロ・アルモドバル
原作:
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ペネロペ・クルス 、カルメン・マウラ 、ロラ・ドゥエニャス 、ブランカ・ポルティージョ 、チュス・ランプレアヴェ 、ヨアンナ・コバ

アルモドバルの前作(バッドエデュケーション)がちょっと引いたんで不安だったけど、この作品は小気味のいい女性群像劇になってる。しかもかなり男性不審なブラックコメディ。ペネロペが母国語で生き生きと「早口のまくしたて」ママを演じてるし、ラテン系なオーバーアクションと芝居場とのめりはりも良くて、アカデミー賞にノミネートされるのも納得かなって。物語は母娘の葛藤ものだし、小さな小さな「外国映画」だから、なんか日本のマーケットでもてはやされすぎてたアルモドバルとしては、ちょっと身の丈にあった扱いっぽいから落ち着くかもしれないわね。存在の仕方として。ペネロペは本当にキレイ。

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バベル 2007-02-19

Babel原題:BABEL
邦題:バベル
時間:145分
公開:2007-04
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:スティーヴ・ゴリン、ジョン・キリク、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本:ギジェルモ・アリアガ
原作:
撮影:ロドリゴ・プリエト
音楽:グスターボ・サンタオラヤ
出演:ブラッド・ピット 、ケイト・ブランシェット 、ガエル・ガルシア・ベルナル 、役所広司 、菊地凛子 、アドリアナ・バラーザ 、エル・ファニング

何組かの登場人物の時間軸で展開する物語を構築して、その後バラバラに解体して、時間軸をずらしながら再構成していく、そんなタイルを割ってモザイク絵を作るような芸風。「21グラム」では、その再構成が複雑すぎて、観客側からかなりの距離を歩み寄らなければ「理解不能」になっていた。ってわたしがバカだからかもしれないけど。ただ、その再構築が作為的すぎて、イニャリトウはわたしの肌にあわないって前提。で、今回の「バベル」。原題のままに映画のテーマを解釈すると、もちろん旧約聖書のバベルの塔だし、プレスにもそう書いてあるわけで、「言葉」を失って荒野へ追放された慢心した人類への神の怒りの物語。そういうことなんだろうし、そんな神話世界が現在の地球上においても、「神のまなざし」で見ると、人類は相変わらず荒野で「言葉」を失って彷徨しているのさ、ってことね。そんな「言葉」さえも隔絶した荒野に生きている「処女」が愛を求める聾唖の女子高生っていうわけかしら。手話が言葉であるのか、「聞こえる」という現象が「言葉の存在」には必要なのか。ともあれ、作品全般で「音」が必要以上に強調されているなか、その「音」としての「言葉」が民族間で非共通っていう悲劇よね。そんな「音」さえない聾唖者の彷徨う「都会という風景の荒野」と安息の場所になりえない「高層マンション=現代のバベルの塔の頂上」がクライマックス。そんな解釈と深読みをしていくと、イニャリトウが「21グラム」からひきずるメキシコのカトリック教徒(80%以上だそう)で、インディオの土俗的信仰にある「恵みの女神」と融合したマリア信仰という民族的に摺りこまれた「前提」が浮き出してくるような気がするわ。ともあれ、重い重いストーリーで辛かった。でも「21グラム」ほど解体が過激でない分、あっけにとられるストーリーの跳躍が少なかったから「怒り」まではいかなかったわ。150分は長く感じなかったけど、それは作品として「必要な長さ」だったからかもしれない。冗長じゃなかった、っていう意味。メキシコ人の乳母がすごい存在感あるなって思ってたら、リンコとともに助演女優賞候補なのね。わたしとしてはメキシコ人乳母の勝ち。リンコは上に書いたみたいに映画のテーマとしてのキーパーソンなんだけど、演技者としてはどうかしら。

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華麗なる賭け 2007-02-18

Kareinarukake_1原題:THE THOMAS CROWN AFFAIR
邦題:華麗なる賭け
時間:105分
公開:1968-06
製作年度:1968
製作国:アメリカ
配給:UA
製作総指揮:
製作:ノーマン・ジュイソン
監督:ノーマン・ジュイソン
脚本:アラン・R・トラストマン
原作:
撮影:ハスケル・ウェクスラー 
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:スティーヴ・マックィーン 、フェイ・ダナウェイ 、ポール・バーク 、ジャック・ウェストン 、ビフ・マクガイア 、アディソン・パウエル 、アストリッド・ヒーリン 、ゴードン・ピンセント 、ヤフェット・コットー 、サム・メルヴィル

カンヌじゃ映画祭がボイコットされたり、ベトナム戦争が膠着したり、東西冷戦もしこってきたグローバルな袋小路感があったり、なんて時代、1968年にセレブな超ノーテンキな犯罪娯楽作品を作ろうっていうハリウッドの根性がすごいって思う。それはそれで娯楽映画はビジネスとして必要不可欠ってユダヤ資本の功利主義が感じられるわ。音楽がミシェル・ルグランってとこもフランス人から観たら「裏切り者」な感じかもしれないけどね。で、この娯楽犯罪恋愛映画。ちょっとスタイリッシュに凝りすぎ。スティーヴ・マックイーンが富豪の銀行強盗黒幕、フェイ・ダナウェイが保険調査員。超セレブな雰囲気で恋愛ごっこをしながらお互いに騙しあっていくんだけど、ポロやグライダーやサンドバギーやってお金持ちな遊びをしてるだけ。ひたすら。二人の「ウソの恋愛」が「ホントの恋愛」になっていくのか、ウソのまま相手を信じられないで終わるのか、ってとこが見どころなのかもしれないけどダラダラしてて展開が遅いだけ。映像に凝ってるけど多分、映像手法としてマルチウィンドみたいなのが開発されて「使って見ました」なだけだしね。見てないけどリメイクまでされてる映画なんだからビックリ。アメリカじゃ評価されてるのかしら。こんな妙な映画。あ、でもマックイーンは素敵かも。

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バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 2007-02-10

Bublego邦題:バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
時間:116分
公開:2007-02-10
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:亀山千広
製作:宮澤徹、種田義彦、和田倉和利、蔵本憲昭、仁科昌平 
監督:馬場康夫
脚本:君塚良一
原作:ホイチョイ・プロダクションズ
撮影:松島孝助
音楽:本間勇輔
出演:阿部寛 、広末涼子 、吹石一恵 、伊藤裕子 、劇団ひとり 、小木茂光 、森口博子 、愛川ゆず季 、鈴木一功 、有吉弘行 、山岸拓生 、杉崎真宏 、小野ヤスシ 、露木茂 、松山香織 、木幡美子 、ラモス瑠偉 、飯島愛 、八木亜希子 、飯島直子 、伊武雅刀 、薬師丸ひろ子

「バブル崩壊」の原因となる政策の発表を阻止するっていう目的でタイムマシンで1990年へ向った母親が行方不明に。そこで娘の広末も送り込まれて、ってプロローグから展開する1990年を舞台にしたバブル絶頂コメディ。純粋に楽しかったわ。とはいえ、わたしが中学に入った頃の話だから「私が謳歌してた」わけじゃないけどね。でも学校じゃお立ち台ごっこや覚えたてのメークやファッションや、ってあたりの「お手本のお姉さん」がああだったもの。カラオケボックスも携帯もなくて、原宿歩くだけで満足してた時代だしね。忙しがってたパパにはめったに家で会えなかったって思いでもあるわ。ともかく、そんなバブル絶頂期の「大人」たちがやってた事が描かれてるから、わたしとしては「そうだったんだ」って改めて客観的にあの「お祭り騒ぎの時代」を感じ取れたわ。ああ、あのときせめて大学生くらいだったら面白かっただろうに。わたしの大学時代なんか「失われた90年代のど真ん中」だものね。最低。なんてプチ嫉妬とともに笑いながら見れたコメディ。ラストのオチも「矛盾だ!!!」ってつっこんでもしょうがないし、そういう種類の映画じゃないから。娯楽作品として多分、面白がり方が特殊かもしれないわね。六本木の夜景とかタワーの電飾とかお店とかのディテールに凝ってると思うから。そういうところを笑ってる人がいたもの。劇場で。ギャグじゃない単なる風景カットに突然ゲラゲラと笑い声が聞こえるの。おそらく製作者がイチバン理想とするお客さんなのかもしれない。風景で笑う観客って。なんかいちいち凝ったポイントをカット毎に説明する本とか出ないかしら。

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ビクター/ビクトリア 2007-02-17

Victorvictoria原題:VICTOR/VICTORIA
邦題:ビクター/ビクトリア
時間:133分
公開:1983-01
製作年度:1982
製作国:アメリカ
配給:MGM
製作総指揮:
製作:ブレイク・エドワーズ
監督:ブレイク・エドワーズ
脚本:ブレイク・エドワーズ
原作:
撮影:ディック・ブッシュ
音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演:ジュリー・アンドリュース 、ジェームズ・ガーナー 、ロバート・プレストン 、レスリー・アン・ウォーレン 、アレックス・カラス 、ジョン・リス=デイヴィス 、グレアム・スターク 、ピーター・アーン

映画検定一級の筆記テストでも登場した作品。ブレイク・エドワーズが作りたくて作りたくて、製作・監督・脚本と大車輪の活躍で小粋なミュージカルを仕上げたって感じね。ゲイを扱った作品で、ここまで淫靡にならずにカラっとしたコメディに作り上げたのはブレイク・エドワーズの力量かもしれないわね。ジュリー・アンドリュースが「美女に女装する男性伯爵を演じる売れない女性歌手」っていうトリプルスクイーズな役どころ。ジェームズ・ガーナー扮するギャングがその舞台を観て、女性だとおもって一目ぼれしたら、実は男性が女装してるってことにショックを受けて、でもパリに同伴してきた愛人を棄ててまで「男でもいいから」と求愛して、ところが本当は女性だったってことで大喜びで、って。まあよくこの複雑な心理の綾を観客を混乱させずに描けたわね。クライマックスのハッピーエンドはやや強引だけど、それはご愛嬌ってとこかしら。映画っていうより、ちょっと素敵な宝塚のステージを観たって気分になっちゃう。

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ドレスデン、運命の日 2007-02-16

Dresden原題:DRESDEN
邦題:ドレスデン、運命の日
時間:150分
公開:2007-06
製作年度:2006
製作国:ドイツ
配給:アルバトロス・フィルム
製作総指揮:
製作:
監督:ローランド・ズゾ・リヒター
脚本:シュテファン・コルディッツ
原作:
撮影:ホリー・フィンク
音楽:ハラルド・クローサー 、トーマス・ワンカー
出演:フェリシタス・ヴォール 、ジョン・ライト 、ベンヤミン・サドラー 、ハイナー・ラウターバッハ 、カタリーナ・マイネッケ 、マリー・ボイマー 、カイ・ヴィージンガー

長いなぁ。ちょっと。2時間半のメロドラマ。東京大空襲のような「歴史的に忘れられないカタストロフ」としてドレスデンの大空襲があったっていう史実を知らないから、そこに描かれた恋愛ドラマに、日本人としてメランコリックになりづらいの。戦後は東ドイツの街だったわけで、そういう意味では西側からは「忘れられてた」し、この映画も統合されなければ作られなかったでしょうね。ドレスデン大空襲の当日に病院長の貴族階級一家が逃亡しようとする中で、その一家の長女と偶然助けてしまった英国空軍パイロットとの恋愛。婚約者の裏切り。ナチの腐敗。そんなこんなを詰め込んで、大空襲によって全てが灰になっていくスペクタクルなクライマックス。メロドラマの王道ね。ドイツ映画だからドレスデンの街や人々への「思い」がある分だけ長尺になってるのが難。ハリウッド映画じゃ「単なる舞台」にすぎない使い方をするから2時間以内で収められるかもね。この程度のストーリーだと。

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モーツァルトとクジラ 2007-02-16

Mozartandthewhale原題:MOZART AND THE WHALE
邦題:モーツァルトとクジラ
時間:94分
公開:2007-02-10
製作年度:2004
製作国:アメリカ
配給:アートポート
製作総指揮:ダニー・ディムボート 、マンフレッド・D・ヘイド 、グレッド・コーチリン 、ジョセフ・ローテンシュレイガー 、アヴィ・ラーナー 、トレヴァー・ショート 、アンドレアス・ティースマイヤー
製作:ジェームズ・アシェソン、ロナルド・バス、ボアズ・デヴィッドソン、フランク・デマルティーニ、ロバート・ローレンス 
監督:ペッター・ネス
脚本:ロン・バス
原作:
撮影:スヴァイアン・クローヴェル
音楽:デボラ・ルーリー
出演:ジョシュ・ハートネット 、ラダ・ミッチェル 、ゲイリー・コール 、シーラ・ケリー 、エリカ・リーセン 、ジョン・キャロル・リンチ 、ネイト・ムーニー 、ラスティ・シュウィマー 、ロバート・ウィズダム 、アレン・エヴァンジェリスタ

アスペルガー症候群の恋愛ドラマ。脚本がロナルド・バスってことで納得かも。レインマンだものね。ダスティン・ホフマンがアスペルガー症候群役だったもの。この病気の映画についてはロナルド・バスが権威ってこと?とおもってたら「奇跡の輝き」なんてオカルト新興宗教のプロパガンダ映画みたいなの書いてるし。それはさておき、レインマンは一人だった「病気」の登場人物が、この映画じゃ全員なんだも。もうそれは凄い。病気の出現傾向がそれぞれ違う人物が右往左往虚言妄言。そんななかで不器用な恋愛を展開していく主人公の二人。なんか地獄絵図のような書き方してるけど、実は作品としては心温まる佳作になってるから妙よね。ジョシュ・ハーネットとラダ。ミッチェルの熱演と、ケレン味をださないで楷書で演出しているベッター・ネス監督の手柄かもしれないわ。

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左きゝの拳銃 2007-02-15

Lefthandgun原題:THE LEFT-HANDED GUN
邦題:左きゝの拳銃
時間:102分
公開:1958-06
製作年度:1958
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:
製作:フレッド・コー
監督:アーサー・ペン
脚本:レスリー・スティーヴンス
原作:
撮影:ペヴァレル・マーレイ
音楽:アレクサンダー・カレッジ
出演:ポール・ニューマン 、リタ・ミラン 、ジョン・デナー 、ハード・ハットフィールド

アーサー・ペン監督なんだものね。オーソドックスな絶対的ヒーローの西部劇じゃないのでちょっと違和感。若者の破壊衝動や後戻りできない袋小路へ自ら破滅を求めて迷い込んでいく、鬱な青春映画になってるの。主人公がビリー・ザ・キッドっていう西部劇じゃ有名なキャラクター。ところがそこに描かれてるのは「仁義なき戦い 広島死闘編」の山中(北大路欣也)にダブる獣のような青春像。これほどスカッとしない西部劇もめずらしいんじゃないかしら。後味が超悪い。

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DOA/デッド・オア・アライブ 2007-02-14

Doadeadoralive原題:DOA: DEAD OR ALIVE
邦題:DOA/デッド・オア・アライブ
時間:86分
公開:2007-02-10
製作年度:2006
製作国:アメリカ/ドイツ/イギリス
配給:UIP
製作総指揮:スティーヴ・チャスマン 、アンドレアス・グロッシュ 、ダニエル・S・クレツキー 、アンドレアス・シュミット
製作:ベルント・アイヒンガー、ロバート・クルツァー、マーク・A・アルトマン、ポール・W・S・アンダーソン、ジェレミー・ボルト 
監督:コリー・ユン
脚本:J・F・ロートン
原作:
撮影:チャン・チーイン、キョン・クォッマン 
音楽:ジャンキー・XL
出演:ジェイミー・プレスリー 、ホリー・ヴァランス 、サラ・カーター 、ナターシャ・マルテ 、デヴォン青木 、エリック・ロバーツ 、マシュー・マースデン 、スティーヴ・ハウイー 、ケヴィン・ナッシュ 、ブライアン・ホワイト 、ケイン・コスギ 、コリン・チョウ 、シルヴィオ・シマック

1000円じゃなきゃ絶対見なかったけど、1000円も惜しいわ。バカ映画だろうなって想像してたけど、想像以上にバカ映画。なんかテレビ東京あたりの映画枠で見かけるタイプの作品だわ。格闘ゲームの映画化らしいけど、オリジナルを知らないからキャラクターが似ているのかどうなのかの判断もできず、面白がれないことこのうえない。ただただストリートファイトでトーナメントを勝ち抜いて、っていう格闘パフォーマンスを見せるのが主眼なんだと思うけど、格闘そのものがクオリティ低くてダメ。映画としての本筋は用意されているけど、何十年も前のお子様向け悪漢陰謀ストーリー(って知らないけどそんなものあるのかしら、な想像)っぽい低レベルなクズ。というわけで、こんなに字数を使って語るほどの映画じゃないことは確かね。テレビの洋画劇場でであっても、5分でチャンネル変えちゃうタイプの作品。それでもスバル座なんだものね。びっくり。UIPの底力。パトスでも謝絶されそうなクオリティなのに、劇場パンフまで売ってるんだもの。ビックリ。

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タイタンの戦い 2007-02-14

Clashoftitans原題:CLASH OF THE TITANS
邦題:タイタンの戦い
時間:118分
公開:1981-12
製作年度:1981
製作国:アメリカ
配給:MGM
製作総指揮:
製作:チャールズ・H・シニア、レイ・ハリーハウゼン 
監督:デズモンド・デイヴィス
脚本:ビヴァリー・クロス
撮影:テッド・ムーア
特撮:レイ・ハリーハウゼン 
音楽:ローレンス・ローゼンタール
出演:ハリー・ハムリン 、ジュディ・バウカー 、ローレンス・オリヴィエ 、バージェス・メレディス 、クレア・ブルーム 、マギー・スミス 、ウルスラ・アンドレス 、シアン・フィリップス 、フローラ・ロブソン

人形を一こま一こま動かして人間と合成していくハリーハウゼンのラストムービーってことらしい。スター・ウォーズとかのFSXという映像技術の進化が始まってくる時代、旧世代の最後の作品ってわけよね。ギリシア神話をもとに巨大なクリーチャーと戦う、愛と冒険の英雄物語。このレベルのストーリーが娯楽作品として存在できるのも多分この1981年っていうのが最後に近いかもしれないわね。なんの工夫もないんだもの。クレア・ブルームやマギー・スミスっていう名前をクレジットで見ると、なんか、みんな恥ずかしい過去を持ってるのねって感慨。

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NYPD15分署 2007-02-13

Nypd15原題:THE CORRUPTOR
邦題:NYPD15分署
時間:111分
公開:199-11
製作年度:1999
製作国:アメリカ
配給:ヘラルド
製作総指揮:ビル・カラッロ
製作:ダン・ハルステッド
監督:ジェームズ・フォーリー
脚本:ロバート・プッチ
原作:
撮影:ファン・ルイス・アンシア
音楽:カーター・バーウェル
出演:チョウ・ユンファ 、マーク・ウォールバーグ 、リック・ヤン 、ポール・ベン=ヴィクター 、アンドリュー・パン 、バイロン・マン 、エリザベス・リンデイ 、ブライアン・コックス 、マリエ・マチコ

チョウ・ユンファの笑顔が好きで、この作品もいい笑顔ね。ダーティに堕ちた刑事役だけど。これも男映画。中国マフィアを殲滅するニューヨーク警察のバディ映画。マフィアと癒着してるチョウ・ユンファ。チャイナタウン署には珍しい白人の新任刑事とコンビを組むわけで、実は、彼は内務調査官で、そういう癒着汚職を捜査する目的もあって。っていうんだけど、ちょっと破綻してるのは、白人刑事が父親の借金をマフィアに肩代わりしてもらうところ。内務調査官っていう後半の正体を明らかにする部分とやや行動の矛盾がでてくるんじゃないかしら。チョウ・ユンファは汚れまくってるだけに、救いようもなく、クライマックスじゃお約束のように殉職。内務調査より友情をとった白人刑事が葬列にいて、っていう予定調和なエンディング。アクション映画としては弾丸の消費量が半端じゃなく多いので、それ系が好きな人にはOKかもしれなわ。ほんと、ニューヨークのチャイナタウンって道歩いてるだけで流れ玉に一日何回も当たっちゃんじゃないの?っていうくらいに銃撃戦が日常、って感じ。今度ニューヨークに行くときは近寄るのやめとこう。

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ファイヤーフォックス 2007-02-13

Firefox原題:FIREFOX
邦題:ファイヤーフォックス
時間:136分
公開:1982-07
製作年度:1982
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:フリッツ・メインズ
製作:クリント・イーストウッド
監督:クリント・イーストウッド
脚本:アレックス・ラスカー 、ウェンデル・ウェルマン
原作:クレイグ・トーマス
撮影:ブルース・サーティース
音楽:モーリス・ジャール
出演:クリント・イーストウッド 、デヴィッド・ハフマン 、ウォーレン・クラーク 、フレディ・ジョーンズ 、ロナルド・レイシー 、ステファン・シュナベル 、ディミトラ・アーリス

「硫黄島」のクリント・イーストウッドが24年前にはアメリカ礼賛の東西スパイ映画を製作監督、主演までしてるっていうわけ。ベトナムのトラウマで退官隠棲してた元ジェット戦闘機エースにソビエトのステルス新鋭機を奪う任務が発せられ、っていう物語。「トップガン」の4年前にジェット戦闘機の空中戦をクライマックスにもってきたってことで先見の明があるのかしら。時代的には東西冷戦の終焉まであと8年っていう頃。全てを経験済みの2007年に見ると、時代背景も戦闘機空中戦も「目新たしさゼロ」な状態なんだけどね。人間性をえぐるような重厚なドラマを連発するっていうか、芸風を固定した21世紀のクリント・イーストウッドからは想像もできない、A級大作映画のフリをしたB級作品なわけで、まだ「オレ様」が前面にでてしまってるわね。

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チャンプ 2007-02-10

Champ原題:THE CHAMP
邦題:チャンプ
時間:123分
公開:1979-10
製作年度:1979
製作国:アメリカ
配給:MGM=CIC
製作総指揮:
製作:ダイソン・ラヴェル 
監督:フランコ・ゼフィレッリ
脚本:ウォルター・ニューマン
原作:フランセス・マリオン
撮影:フレッド・J・コーネカンプ
音楽:デイヴ・グルーシン
出演:ジョン・ヴォイト 、フェイ・ダナウェイ 、リッキー・シュローダー 、ジャック・ウォーデン 、アーサー・ヒル 、ジョーン・ブロンデル 、エリシャ・クック・Jr 、ダナ・エルカー

感動させよう、っていう意図がここまで見えすいてると引いてしまう。達者な子役が観客の涙を絞るような「純粋」な演技を計算どおりして、さあどうだ!泣いてくれ!っていう映画。クライマックスの主人公(父親)が死んで、それを嘆き悲しむ少年、というシーンへどうやって観客の感情移入を獲得して、その涙腺を緩ませて、きちんと泣かせて、劇場を出る頃には「とっても素晴らしい、可愛そうな、感動作品を観たわ」っていう気にさせることを唯一の目的にした作品ってわけよね。わたしゃ、そんな見え見えのボールは打たないくらいに映画ズレしちゃってるから、なんか気分悪い。こういう浅い意図があらわになってる作品って。監督はネームバリューあるのにね。フェイ・ダナウェイがなんか怖かった。なぜだろう。なんか表情も姿も存在感も怖いの。彼女だけオカルト映画の出演者みたいな存在感。どうしてだろう。

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墨攻 2007-02-09

Bokkoh原題:A BATTLE OF WITS
邦題:墨攻
時間:133分
公開:2006
製作年度:2007-02-03
製作国: 中国/日本/香港/韓国
配給:キュービカル・エンタテインメント=松竹
製作総指揮:ワン・チョンジュン 、スティーヴン・ン 、ホン・ボンチュル
製作:ホアン・チェンシン、ワン・チョンレイ、ツイ・シウミン、リー・ジョーイック、井関惺、ジェィコブ・チャン 
監督:ジェィコブ・チャン
脚本:ジェィコブ・チャン
原作:森秀樹 、酒見賢一 、久保田千太郎
撮影:阪本善尚
音楽:川井憲次
出演:アンディ・ラウ 、アン・ソンギ 、ワン・チーウェン 、ファン・ビンビン 、ウー・チーロン 、チェ・シウォン

日本のマンガが原作らしい。読んだ事ないけど。アンディ・ラウが作戦参謀として窮地の城を救いにやってくるけど、無事敵を撃破したところで城の王の裏切りにあって追放されちゃう。ところが、敵は雌伏して反撃に来る。裏切った王は惨めに敗退。っていう単純明快なストーリーを、お金をかけて波乱万丈な中国史劇大作に仕立てたっていう作品。スペクタクルシーンはけっこう凄いわ。敵将のアン・ソンギもけっこう格好いいし。ただ完全な男映画よね。女性は近衛騎兵として一人出てきて、アンディ・ラウのラブロマンス相手にしてるけど、そのあたりの描写が淡白すぎて、だからラストに彼女が水死するのに悲劇性が感じられないっていうか、感情移入できないの。でも映画の主題はアンディとアン・ソンギの作戦合戦なんだろうし、ある意味で「七人の侍」の対立図で敵側の大将にキャラをたててる、ってことよね。ビデオで十分な気もするけど。

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弁天小僧

Bentenkozou邦題:弁天小僧
時間:86分
公開:1958-11-29
製作年度:1958
製作国:日本
配給:大映
製作総指揮:
製作:酒井箴
監督:伊藤大輔
脚本:八尋不二
原作:
撮影:宮川一夫
音楽:斎藤一郎
出演:市川雷蔵、勝新太郎 、青山京子 、阿井美千子 、近藤美恵子 、田崎潤 、島田竜三 、舟木洋一 、河津清三郎 、伊沢一郎 、小堀明男 、香川良介 、中村鴈治郎[2代目] 、荒木忍 、清水元 、南條新太郎 、水原浩一 、尾上栄五郎 、伊達三郎 、天野一郎 、志摩靖彦 、市川謹也 、遠山金四郎 、浅尾奥山

原作を良く知らないからなんともいえないけど「真説・弁天小僧」な感じ。出生の秘密や、自己犠牲。なさぬなかの富豪の父と妹を、名乗りもあげずに死を賭して守りきる、っていうお涙頂戴なメロドラマ。苦悩する犯罪者として生きる青春。なんてね。そういうタイプに仕上がった伊藤大輔作品。脚本や撮影も巨匠たちが集まってるし、そういう意味では破綻のない「骨太なドラマ」を指向してるってのはわかるんだけどね。弁天小僧が犯罪計画を語る時に「歌舞伎舞台上の芝居」という形式で劇中劇として表現するところが、なんとも素敵。しかも、語ったあとのカットで、その計画が成功してるっていう時空を超えた演出のキレ。昨今の、あんたナニモノ?な新人監督作品じゃお目にかかれないプロの技って感じだったわ。

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グリーン・デスティニー 2007-02-08

Greendestiny原題:CROUCHING TIGER, HIDDEN DRAGON
邦題:グリーン・デスティニー
時間:120分
公開:2000-11-03
製作年度:2000
製作国:アメリカ/中国
配給:SPE
製作総指揮:ジェームズ・シェイマス 、デヴィッド・リンド
製作:ビル・コン、シュー・リーコン、アン・リー 
監督:アン・リー
脚本:ワン・ホエリン 、ジェームズ・シェイマス 、ツァイ・クォジュン
原作:ワン・ドウルー
撮影:ピーター・パウ
音楽:タン・ドゥン 、ヨーヨー・マ
出演:チョウ・ユンファ 、ミシェル・ヨー 、チャン・ツィイー 、チャン・チェン 、チェン・ペイペイ

とてつもなくイヤなホモ映画「ブロークバックマウンテン」へどう接続するのか全く理解不能なんだけど、アン・リー。武侠映画っていうカテゴリをアメリカ人は免疫がなかったらしく、大ヒットした作品よね。賞までとったりして。でも、アクションシーン以外には陳腐なストーリーがあるだけだけどね。チョウ・ユンファとチャン・ツィイーが好きだからいいかな。チョウ・ユンファの笑顔が好き。って一応言っておこう。ところで、ワイヤー使った竹の上を飛び回る剣劇シーンは、まあ、観たことない世界を見せてくれたっていう意味では、映画的には成功かもしれないわね。この作品から先、猫も杓子もワイヤーワイヤーになったって記憶してるから。

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フォレスト・ガンプ/一期一会 2007-02-06

Forrestgump原題:FORREST GUMP
邦題:フォレスト・ガンプ/一期一会
時間:142分
公開:1994
製作年度:1994
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:
製作:ウェンディ・フィネルマン、スティーヴ・ティッシュ、スティーヴ・スターキー  監督:ロバート・ゼメキス
脚本:エリック・ロス
原作:ウィンストン・グルーム
撮影:ドン・バージェス
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:トム・ハンクス 、サリー・フィールド 、ロビン・ライト 、ゲイリー・シニーズ 、ミケルティ・ウィリアムソン 、マイケル・コナー・ハンフリーズ 、ハンナ・R・ホール 、ハーレイ・ジョエル・オスメント 、レベッカ・ウィリアムズ 、サム・アンダーソン

高2か高3の時につきあってた彼氏につれられて銀座で観た覚えがあるわ。ゴールデンウィークだったと思う。その時も横にいる彼氏の存在さえ消えて映画の面白さに没頭しちゃって、デートなのにね。それだけ観客をフォレスト・ガンプの世界に引き込む力がある作品なの。今回もBSでやってるわ、って気づいたら、もう見入ってしまって、ラストまで一直線。本当に良く出来てる、面白い、アメリカ映画の「ピン」の方の屈指の作品だと思う。確か公開当時、続編ができて、ガンプが大統領になる話らしい、って噂を聞いたけど、どうなったのかしら。ともあれ、アカデミー賞受賞も納得できる名作らしい名作ってことに異論はないわ。

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どろろ 2007-02-05

Dororo邦題:どろろ
時間:138分
公開:2007-01-17
製作年度:2007
製作国:日本
配給:東宝、TBS
製作総指揮:
製作:平野隆
監督:塩田明彦
脚本:NAKA雅MURA 、塩田明彦
原作:手塚治虫
撮影:柴主高秀
音楽:安川午朗 、福岡ユタカ
出演:妻夫木聡 、柴咲コウ 、瑛太 、原田美枝子 、杉本哲太 、麻生久美子 、土屋アンナ 、劇団ひとり 、中村嘉葎雄 、原田芳雄 、中井貴一

ラストまで行くとTBSと東宝としては「当たれば続編つくるぞぉ!」って大宣言してる。それなりに当たってるから作るかもね。あと24体あるし。とにかく百鬼丸がまばたきしないかなってとこを注目しつつ観たけど、我慢してたわね。義眼なんだもの、設定が。2度だけまばたきを発見した。ってことを自慢してもしょうがないけど、そんな事でもしてないと眠ってしまいそうだから頑張った。起きてるために。日本らしい国の物語。魔物と天下を獲るために自分の子供の体パーツ48個を交換した父。20年後に奇跡的に成長した子、百鬼丸が魔物をを退治すると失われた体のパーツが戻ってくるっていうロードムービー。途中は進行が面倒なようでバトルシーンだけ。陳腐なクリーチャーと。どうして日本映画ってこうなんだろう。ウェットな抒情を背景にしないと魔物と戦うことさえ出来ない。原作のせいかしら。ともあれ、意識が喪失しそうな瞬間が頻発する138分。最後まで席をたたなかった自分を褒めてあげよう。決して1800円も払ったからじゃないからね。

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キス★キス★バン★バン 2007-02-05

Kisskissbangubang2001原題:KISS KISS (BANG BANG)
邦題:キス★キス★バン★バン
時間:101分
公開:2002-12-21
製作年度:2000
製作国:イギリス
配給:GAGA
製作総指揮:ノーマ・ヘイマン 、ウィリアム・ターナー
製作:ジェームズ・リチャードソン
監督:スチュワート・サッグ
脚本:スチュワート・サッグ
原作:
撮影:トニー・ピアース=ロバーツ
音楽:ジョン・ダンクワース
出演:ステラン・スカルスガルド 、クリス・ペン 、ポール・ベタニー 、ピーター・ヴォーン 、ジャクリーン・マッケンジー 、アラン・コーデュナー 、マルティン・マカッチョン 、シエンナ・ギロリー

「キスキスバンバン」ってどういう意味なのかしら。同じタイトルの映画があるけど、原作は全然別物らしいし。で、このイギリス映画の「キス・・」は引退決意のベテラン殺し屋が、殺し屋チームに狙われながら、友人の息子で生まれて一度も外へ出た事のない30男の世話をする、っていう超シュールなアクションコメディ。で、テーマは父と子の愛情。家族の構築。いったいこの不思議な世界観はなんなんだろう。変すぎて、逆にその世界にたゆたう快感さえ覚える奇妙な映画。フィリプ・ド・ブロカの「まぼろしの市街戦」の奇妙さを思いだしたわ。ステラン・スカルスガルドもいい味だしてるけど、ブルース・ウィリスとかだったらもっとメジャーな作品になったかも、って無理ねやっぱ。

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新選組始末記 2007-02-03

Shinsengumishimatsuki邦題:新選組始末記
時間:93分
公開:1963-01-03
製作年度:1963
製作国:日本
配給:大映
製作総指揮:
製作:
監督:三隅研次
脚本:星川清司
原作:子母沢寛
撮影:本多省三
音楽:斎藤一郎
出演:市川雷蔵、藤村志保 、松本錦四郎 、小林勝彦 、成田純一郎 、天知茂 、城健三朗

若山富三郎が城健三郎って名乗ってた時代の映画ね。市川雷蔵が腕のたつ新撰組新入隊員で、彼の目から見た局長暗殺、池田屋事件っていう、まあ有名なできごとを描いている。公開の日付をみても、多分鳴り物入りの「お正月映画」だったろうなぁ。三隅研次監督の演出がちょっとアートに振れていて馴染めなかったわ。藤村志保のバストショットをカメラ目線で延々とセリフ一杯うつしたり、異様に奥行きをつけた画面の奥で子供たちがとおりゃんせしてたり。なんか、演出効果のほどはわからないけど、いろいろやってみたけど、っていう前衛風なカットが多すぎ。脈絡あるとは思えないし。

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アイリス 2007-02-03

Iris原題:IRIS
邦題:アイリス
時間:91分
公開:2002-12-07
製作年度:2001
製作国:イギリス/アメリカ
配給:松竹
製作総指揮:ガイ・イースト 、トム・ヘドリー 、アンソニー・ミンゲラ 、シドニー・ポラック 、デヴィッド・M・トンプソン 、ハーヴェイ・ワインスタイン
製作:ロバート・フォックス、スコット・ルーディン 
監督:リチャード・エアー
脚本:リチャード・エアー 、チャールズ・ウッド
原作:ジョン・ベイリー
撮影:ロジャー・プラット
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:ジュディ・デンチ 、ジム・ブロードベント 、ケイト・ウィンスレット 、ヒュー・ボネヴィル 、エレノア・ブロン 、アンジェラ・モラント 、ペネロープ・ウィルトン 、シオバン・ヘイズ 、ジュリエット・オーブリー 、ジョーン・ベイクウェル

実話ってことが重い。ジム・ブロードベントがアカデミー賞を獲ったそうだけど、納得。ジュディ・デンチとともに名優の迫真の演技。静かにおだやかに淡々とした演出なのに、悲劇性はどんなスペクタクル映画をしのぐほどに高まっていくの。演出力を凌駕する演技力のなせる業かもしれないわね。去年の「明日の記憶」も渡辺謙が頑張ってたのに、演出者がその頑張りを台無しにしちゃう(度量の狭さってこと)という残念があっただけに、リチャード・エア監督は両優の邪魔をしない演出をする、っていう領分をしっかり自覚しているって思うの。夫婦の愛っていうものを真剣に考えさせられる作品。こんな夫がいるなら、嫁に行きたいって切実に思うわ。

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アウトランド 2007-02-02

Outland原題:OUTLAND
邦題:アウトランド
時間:109分
公開:1981-07
製作年度:1981
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:スタンリー・オトゥール
製作:リチャード・A・ロス
監督:ピーター・ハイアムズ
脚本:ピーター・ハイアムズ
原作:
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:ショーン・コネリー 、ピーター・ボイル 、フランシス・スターンハーゲン 、ジェームズ・B・シッキング 、キカ・マーカム 、クラーク・ピータース 、ジョン・ラッツェンバーガー 、スティーヴン・バーコフ

「真昼の決闘」の宇宙版っていうことらしい。ゲーリー・クーパー役がショーン・コネリーってわけね。ケレン味のあるタイプのピーター・ハイアムズ監督作品のわりには、リメイクを宇宙でしようっていうアイデアだけが先行して、練れてないのね。全てが。「真昼の決闘」じゃ街の住民たちの「逃げ」や副シェリフの卑怯さや、悪漢の残虐無敵さや、ってパーツがきちんきちんと描かれていて、孤立の悲惨さと窮鼠猫のような戦いがクライマックスで溜飲が下がるようにできてるけど、この作品ははっきりいってC級な失敗作。わたしが幼児の頃に公開されてるから、まあ「今の悲劇」じゃないだけよかったかも。って、似たようなバカリメイクの歴史は続いているけどね。

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沈黙の奪還  2007-02-01

Shadowman原題:SHADOW MAN
邦題:沈黙の奪還
時間:95分
公開:2007-01-13
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:
製作:スティーヴン・セガール、ピエール・スペングラー、ウィリアム・B・スティークリー 
監督:ミヒャエル・ケウシュ
脚本:スティーヴン・コリンズ 、ジョー・ハルピン 、スティーヴン・セガール
原作:
撮影:ジェフリー・ホール
音楽:
出演:スティーヴン・セガール 、エヴァ・ポープ 、イメルダ・スタウントン 、ヴィンセント・リオッタ 、スカイ・ベネット 、マイケル・エルウィン

青汁のような、って飲んだ事ないんだけど。すっごい「もう二度とイヤ」って思ってるのに、なぜかあの苦痛を求めちゃう。怨嗟と後悔満点で別れた男にちょっかい出しちゃうみたいな。そんなスティーヴン・セガールの新作「オレ様」映画。あいかわらず不死身。あいからわず娘の救出。それでもってあいかわらず地下鉄が響くシネパトス。今回は細菌兵器のマイクロデータって、まあ何でもいいんだけど。オレ様な不死身っぷりをチェックしに見世物小屋へひやかしに行く感じ。肉厚な固太りで体臭もすっごくきつそうな、とても娘役でパパに抱きしめてもらうなんてのにキャスティングされてもおことわりだ!

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ジャスティス 2007-02-01

Hartswar_1原題:HART'S WAR
邦題:ジャスティス
時間:125分
公開:2002-09-28
製作年度:2002
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:ウォルフガング・グラッテス
製作:デヴィッド・フォスター、グレゴリー・ホブリット、デヴィッド・ラッド、アーノルド・リフキン
監督:グレゴリー・ホブリット
脚本:ビリー・レイ 、テリー・ジョージ
原作:ジョン・カッツェンバック
撮影:アラー・キヴィロ
音楽:レイチェル・ポートマン
出演:ブルース・ウィリス 、コリン・ファレル 、マーセル・ユーレス 、テレンス・ハワード 、コール・ハウザー 、ライナス・ローチ 、ヴィセラス・シャノン 、エイドリアン・グレニアー
先月末は甘ったるいドラマを見続けたので反動で男映画ばっか。で、女性が一人も出てこない宿命の「戦争収容所映画」。連合軍捕虜の中に黒人兵が入ったことでまきおこる殺人事件。そんな推理小説ばりの世界が収容所の中で展開されて、法廷劇みたいになるから、ナニコレ?って思ってたら、そういうオチだったのね。ドイツ軍の収容所長がエール大学を卒業したコリン・ファレルの学校の先輩なんていうチャラけたご都合主義も整って、予定調和な結末へ突き進むの。帰納法的な映画ね。ブルース・ウィリスはハードボイルドなリーダー士官としてしっかり「死に様=見せ場」でスターの貫禄みせつけたってことかしら。

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