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近松物語 2006-12-18

Mizoguchi邦題:近松物語
時間:102分
公開:1954-11-23
製作年度:1954
製作国:日本
配給:大映
製作総指揮:
製作:永田雅一
監督:溝口健二
脚本:依田義賢
原作:近松門左衛門
撮影:宮川一夫
音楽:早坂文雄
出演:長谷川一夫 、香川京子 、南田洋子 、進藤英太郎 、小沢栄 、菅井一郎 、田中春男 、石黒達也[俳優] 、十朱久雄 、荒木忍 、東良之助 、橘公子 、浪花千栄子 、葛木香一 、水野浩 、天野一郎 、原聖四郎 、伊達三郎 、石原須磨男 、芝田総二 、篠原隆 、三上哲 、横山文彦 、藤川準 、玉置一恵 、堀北幸夫 、岩田正 、三浦志郎 、金剛麗子 、仲上小夜子 、小柳圭子 、種井信子 、小林加奈枝 、小松みどり
近松門左衛門の原作。心中モノじゃないのね。とはいえ、さまざまな誤解とボタンのかけ違いで堕ちていく、長谷川一夫の手代と香川京子の大経師夫人の不倫。ふつうなら、その前に逃げようも調整しようも説明しようもあるのに、って思うけど、主人公たちは「悲劇的に死ぬ」という予定されたクライマックスへ到達するために、あらゆる救われる可能性を排除していくっていう釈然としない物語。でも演劇だものね。クライマックスがあるからこそ、その経過の物語が「避けようのない迷い込んだ袋小路」でなければならないし、演劇的に道行もなければならないし、互いに「愛」に目覚める場もなければならなし、だって近松だもの。早坂文雄の音楽が文楽、歌舞伎的な音響効果をメインに使っていて、あくまで「演劇的な心理と状況における映画的な表現による近松舞台」っていう「見世物」としての作品の立ち位置を現出しているの。溝口健二監督の画が古典演劇の格調に見事にはまっていて、それでいて映画的な奥行きや動きが計算されているっていう点では巨匠の力なのね。

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