嘆きのテレーズ 2006-12-17
原題:THERESE RAQUIN
邦題:嘆きのテレーズ
時間:107分
公開:1954-04
製作年度:1952
製作国:フランス
配給:新外映
製作総指揮:
製作:
監督:マルセル・カルネ
脚本:マルセル・カルネ 、シャルル・スパーク
原作:エミール・ゾラ
撮影:ロジェ・ユベール
音楽:モーリス・ティリエ
出演:シモーヌ・シニョレ 、ラフ・ヴァローネ 、ローラン・ルザッフル 、ジャック・デュビー 、シルヴィー
テレーズ・ラカンっていう原題。主人公の主婦ね。公開時の日本女性のモラルじゃとても受け入れられなかったかもしれないエミール・ゾラの原作もの。ときめきや愛のない夫婦生活へ汗臭いタフガイが登場して、生きる望みを失っていた「主婦」が「よろめく(死語ね)」っていう類型的な不倫ドラマなんだけど、フランス映画になっちゃうと、それが肯定されてしまう心理になっちゃうってうところが、フランス語の魔力かもしれないわ。「欲望という名の電車」のマーロン・ブランドを彷彿とさせるラフ・ヴァローネの存在感。でもけっこう人間としての弱さが満点で、強気な冒頭からクライマックスの超弱気な小物な感じの落差が激しすぎ。ホテルの小間使いが封筒を郵便配達に渡して、配達人が「僕は恋の配達人」っておどけるシーンが、いかにもフランス映画ね。主人公たちを殺人者として告発する手紙なのに、小間使いの女の子のラブレターと勘違いするっていう「FIN」のエンドタイトルが相応しい、悲劇的なクライマックス。50年経て映画は「マッチ・ポイント」へ進化してるのね、人生の本質を描くのに。
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