硫黄島からの手紙 2006-12-14

邦題:硫黄島からの手紙
時間:141分
公開:2006-12-09
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:ポール・ハギス
製作:クリント・イーストウッド、スティーヴン・スピルバーグ、ロバート・ロレンツ
監督:クリント・イーストウッド
脚本:アイリス・ヤマシタ
原作:アイリス・ヤマシタ、ポール・ハギス
撮影:トム・スターン
音楽:クリント・イーストウッド
出演:渡辺謙 、二宮和也 、伊原剛志 、加瀬亮 、中村獅童 、裕木奈江
東宝や東映が一昔前に必ず夏場に「8.15」ネタで大作戦争映画をかけていたわけで、ビデオだけどそんなシリーズ?の2~3本を観た事もあるわ。で、これらの作品群は、しっかり作ってるドラマチックな作品もあれば、単なるお涙頂戴の「戦争悲劇(主人公は絶対ラストに散る)」で、底流には「戦争はもうしないどこう」っていう反戦テイストも効かせて、でも終戦記念日にはどうぞ、っていうコマーシャルな興業作品として成立していたらしい。でも、そんな興行成績も期待どおりにならなくなって、最近はあえて「8.15」なPRはしなくなってるわよね。「出口のない海」とかも、そういう売り方してなかったし。という「太平洋戦争映画はもう儲からない」っていう日本映画の流れの中で「硫黄島からの手紙」クラスの映画は「日本人としては体験済み」なわけだと思うの。免疫があるっていうの?全編(といってもいいくらい回想シーンはちょっとだけあるけど)戦場シーン。玉砕する硫黄島守備隊の、元気な時から死滅する時までを描いているわけで、あとはそれぞれのキーキャラクターが縦横無尽に関係しながら悲劇的な結末へまっしぐら。もちろんアメリカ映画だけあって、製作費もふんだんにありそうで、バリバリの物量で「戦争」を描いている「スペクタクル」はあるけど、物語としては「8.15」シリーズなわけ。でも、多分、アメリカ人(ハリウッドが主導する映画産業)にとっては「初めてみる日本兵映画」っていう事になると思うの。イーストウッドが監督したから。観るわよね、もちろん。「トラトラトラ」のようなキワモノとは違って、ほとんど「日本映画」として成立しかねない作品で「日本兵の映画」を真正面から観たアメリカ人はびっくりしたかもしれない。免疫ゼロだものね。細菌に死滅する火星人みたいに。で、この作品がアカデミー賞へ向けて各賞を獲りはじめそうな勢いなんだから、すごい。「8.15菌」の猛威よね。多分日本人ならクシャミひとつしないような細菌にアメリカのアカデミー会員はのきなみ発熱・興奮・投票っていう症状に侵されていくかもしれないわ。
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