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手紙 2006-12-11

Tegami2006邦題:手紙
時間:121分
公開:2006-11-03
製作年度:2006
製作国:日本
配給:GAGA=東映
製作総指揮:
製作:宇野康秀、大澤茂樹、高瀬哲、細野義朗、日下孝明、常田照雄 
プロデューサー:朴木浩実、橋口一成
EXプロデューサー:河井信哉、星野有香、大村正一郎、松山彦蔵
監督:生野慈朗
脚本:安倍照雄 、清水友佳子
原作:東野圭吾
撮影:藤石修
音楽:佐藤直紀
出演:山田孝之 、玉山鉄二 、沢尻エリカ 、吹石一恵 、尾上寛之 、田中要次 、山下徹大 、石井苗子 、松澤一之 、螢雪次朗 、小林すすむ 、松浦佐知子 、山田スミ子 、鷲尾真知子 、高田敏江 、吹越満 、風間杜夫 、杉浦直樹

差別についての物語。服役中の強盗殺人犯の弟が、さまざまな人生の局面で「殺人犯の身内」ってことで差別され続けるっていうお話。でも「殺人犯」という言葉を別の言葉に置き換えていけば、あらゆる差別の問題に符号するのかもしれない。という点では「殺人犯」というキーワードが「無難」なものになってるのよね。この場合、差別を描くのに。まあ原作がそういうものなのだろうから、この映画の場合、どこまで悲劇的に弟を差別によって追い込むかっていう表現的エスカレートが大事なんで、成功や幸せが大きいほど、差別によってそこからつき落とされる落差が大きいって事で、落差の分、墜落した時の痛みも大きくなるの。兄弟の、っていうより兄からの切々たる「手紙」に対応していく弟と、彼に思いを寄せる女性っていう構造で、結局のところ「不確かな和解」みたいなあやふやで、未来に何にも救いが具体的に置かれていないままエンディングを迎えてしまう。ヒトゴトのような上司の説教や、公園で遊びに入れてもらえる娘の姿だけで、主人公たちの明るい未来を想像しろって無理な話よね。実はなにも終わってないし始まってもいないっていう、はなはだ映画的カタルシスを欠如した作品になってるってことが致命的。ヒットしてるらしいけど、テレビドラマ鑑賞力しかないレベルの観客が刑務所慰問の漫才で兄に語りかける「ここしかないお涙ちょうだいシーン」と「小田和正の歌」で「予定調和に泣かされて」、結果「いい映画だったみたい」な感想を保持して「お茶」しにいくっていう事が可能だ、っていう安っぽさが理由なのかもしれないわね。

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