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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 2006-11-30

Goodwillhunting原題:GOOD WILL HUNTING
邦題:グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち
時間:127分
公開:1998-03
製作年度:1997
製作国:アメリカ
配給:松竹富士
製作総指揮:
製作:ローレンス・ベンダー
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ベン・アフレック 、マット・デイモン
原作:
撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ロビン・ウィリアムズ 、マット・デイモン 、ベン・アフレック 、ステラン・スカルスガルド 、ミニー・ドライヴァー 、ケイシー・アフレック 、コール・ハウザー

ベン・アフレック 、マット・デイモンっていい友達コンビなのね。きっと、ガス・ヴァン・サントも入れてビールを飲みながら「こんな映画つくりたいよねぇ」なんて大学のサークルみたいな雑談してるのかもしれない。新しくしこんだジョークの試験台にされたりね。映画の主人公グループがビールを飲んだり、ケンカしたり、ガールハントしたり、っていう日々が描かれるけど、このあたりは自分たちの姿のまんまじゃないかしら、って想像しながら観てた。そんなグループの中で唯一「天才」な主人公が「天才」を生かすことなく心を閉ざしているっていう状態を大人たちがよってたかって「治癒」させる映画なわけで、ちょっと自己啓発入ってるかもって感じね。こういう「感動」させたいエピソードは疑ってかかるっていう悪い性格のわたしとしては、治癒後の主人公は本当に幸せなのかしら、って疑問の塊になってしまうわ。世の中の大部分は治癒後の主人公が「正常」であるって認識するんだろうけど、治癒された当人はいったいどうなのかしら。ある意味では「洗脳」ってことにもなるわね。宗教からの「救出」とも言うのかな。決してこの映画の主人公は悪い宗教に嵌ってるわけでもないし、過去の暗い少年時代の傷を引きずっているし、でも友達たちとは社会的生活を営める程度にコミュニケーションがあるわけで、じゃあそれがどこが悪いの?っていうわけね。数学の天才っていうことに大人が価値を認めて、それを使わないのが「精神的に病的にヘン」だから「治療」しようっていう論理がわからないの。もちろん、治療者のロビン・ウィリアムズは自らも「救済」されていくっていうアリバイみたいなストーリーにしてあるけど。わたしは根本的なところで、心の治療っていう行為について「本人の意向無視な洗脳」としか思えなくて、嫌悪感があるの。

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プラダを着た悪魔 2006-11-30

Devilwearsprada原題:THE DEVIL WEARS PRADA
邦題:プラダを着た悪魔
時間:110分
公開:2006-11-18
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ジョセフ・M・カラッシオロ・Jr 、カーラ・ハッケン 、カレン・ローゼンフェルト
製作:ウェンディ・フィネルマン
監督:デヴィッド・フランケル
脚本:アライン・ブロッシュ・マッケンナ
原作:ローレン・ワイズバーガー
撮影:フロリアン・バルハウス
音楽:セオドア・シャピロ
出演:メリル・ストリープ 、アン・ハサウェイ 、エミリー・ブラント 、スタンリー・トゥッチ 、エイドリアン・グレニアー 、トレイシー・トムズ 、サイモン・ベイカー 、リッチ・ソマー 、ダニエル・サンジャタ 、レベッカ・メイダー 、デヴィッド・マーシャル・グラント 、ジェームズ・ノートン 、ジゼル・ブンチェン 、ハイジ・クラム

メリル・ストリープが本当に楽しそうに「悪魔」を演じてる。プリンセス・アン・ハサウェイの荒削りなリアクションに対して、懐の深い余裕たっぷりの横綱相撲(死語ね)で原作のキャラクターを具現化してるの。もうお見事。キャスティングを知って、あえて「原作を先に読んで」予習して、予断たっぷりに鑑賞。想像どおり、原作より数倍良かったわ。メリル・ストリープのおかげかもね。パリで主人公がキレて暴言を吐いてクライマックスに向う原作がちょっと嫌だったんだけど、映画ではそのあたりを「悪魔」の人間的素顔をちらっと見せる「油断」とともに、誰もが納得できるような素敵な大団円に「改造」してあったから良かったわ。女性コメディ映画っていうジャンルだから観客の幅にハンディはあると思うけど、出来は上々、友達と行く映画としては季節的にも最高のチョイスになるかもね。って、つい帰りにデパートでリングを買ってしまったわけ。そんな気分にさせられるの。

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ウィンター・ソング 2006-11-27

Wintersong原題:PERHAPS LOVE
邦題:ウィンター・ソング
時間:109分
公開:2006-11-11
製作年度:2005
製作国:香港
配給:角川ヘラルド映画
製作総指揮:
製作:アンドレ・モーガン、ピーター・チャン
監督:ピーター・チャン
脚本:
原作:
撮影:ピーター・パウ
音楽:ピーター・カム 、レオン・コー
出演:金城武 、ジョウ・シュン 、ジャッキー・チュン 、チ・ジニ

中華ミュージカルって初めて。普通の泣かせ系恋愛ドラマかなって、あと金城っていうトリガーもあって観てしまったけど、ミュージカルなんだもの。のっけから。びっくり。でもまあどうなるのかしらって観てたら10分くらいで中国語のミュージカルシーンに「慣れ」ちゃった。べつに字幕を読んでれば英語でもフランス語でもミュージカル形式はアリなんだから中国語でもいいのよねぇ。ていうわけでストーリーとその表現に嵌っていったんだけど、60年代、70年代(って知るわけないんだけど)のヨーロッパ映画っぽい佇まいの映画ね。リアルな3人の主人公が出演して作ってる「ミュージカル映画」と、その映画の登場人物の恋愛関係とリアルな3人の恋愛関係がオーバーラップしていくの。劇中劇でリアルな部分の恋愛が進行したり、リアルな部分の恋愛で「映画」の内容が進行したり、っていう虚実が綾織のように描かれながら、3人の切ない恋愛に終局が訪れるの。どこまでが映画でどこまでがリアルか曖昧なままに「ひとつの愛の終り」が描かれるけど、主人公たちにとっては「納得いく終り」に描きなおされてるわけで、それには「終わる」ために補完しなければならない出来事があったのね。冒頭に「天使」が「切り取られたフィルムの断片を必要な人生に繋ぎ直す」って歌っていて、なんのこっちゃと思っていたけど、ああ、そういうわけだったのね、ってラストに判明したの。そういう意味ではコンパクトだけどきちんと練られた作品なのね。っていうわけで、期待もしてなかったのに満足度が高い珍品(中華ミュージカルですもの、なんてったって)に出会ったわ。こういうあきらめてたロングパットがスコンと入っちゃうから映画ってやめられないのよね。

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KAFKA/迷宮の悪夢 2006-11-27

Kafka原題:KAFKA
邦題:KAFKA/迷宮の悪夢
時間:99分
公開:1992-06
製作年度:1991
製作国:アメリカ
配給:ヘラルド
製作総指揮:ポール・ラッサム 、マーク・ジョンソン
製作:スチュアート・コーンフェルド、ハリー・ベン 
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
脚本:レム・ドブス
原作:
撮影:ウォルト・ロイド
音楽:クリフ・マルティネス
出演:ジェレミー・アイアンズ 、テレサ・ラッセル 、アレック・ギネス 、イアン・ホルム 、アーミン・ミューラー=スタール 、ジョエル・グレイ 、ジェローン・クラッベ

ソダーバークってモノクロが好きなのかしら。っていうか色が無い事によって表現できる「ブレない」リアルがあるのかもしれない。彼だけが理解できる。それはともかく作家カフカが異様な事件に巻き込まれて、それが退廃的な世紀末なスチームパンクな世界で、って赤城毅の小説みたいな物語。敵?の本拠地の「城」の内部だけカラーになるって狙いがクリアね。カフカが眺めるリアルはモノクロなのかもしれないわ。「変身」にしても「審判」にしても天然色な世界じゃないもの。小説を読んでいても「色」がうかばないから、多分カフカは犬の目をもってるのかもしれない。「城」の中は主観がカフカじゃないって考えればカラーでもおかしくないしね。サスペンス映画っていうカテゴリに入れるとB級の安っぽい駄作になっちゃうけど、裏側から「解釈」しながら観るとアーティスティックなアヴァンギャルドなドラマっていう評価ができる二面性を持ってるみたいね。ソダーバーグについて錯覚する人たちは裏から見たっていう証拠かもしれないわ。

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トーク・トゥ・ハー 2006-11-26

Talktoher原題:HABLE CON ELLA
邦題:トーク・トゥ・ハー
時間:113分
公開:2003-06-28
製作年度:2002
製作国:スペイン
配給:GAGA
製作総指揮:アグスティン・アルモドバル
製作:アグスティン・アルモドバル
監督:ペドロ・アルモドバル
脚本:ペドロ・アルモドバル
原作:
撮影:ハビエル・アギーレサロベ
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ハビエル・カマラ 、ダリオ・グランディネッティ 、レオノール・ワトリング 、ロサリオ・フローレス 、ジェラルディン・チャップリン 、パス・ベガ

劇場で観たかったけど、当時は行くたびに混んでて(空いている劇場が好きなんで)断念しているうちに終わってしまったので見逃した映画。けっこうロングランだったのに。それにしても異様に屈折したお話なのね。植物状態になった「愛する」女性に看護しながら「語り続ける」お話。なんか不気味だけど、これって二次元のアニメキャラやそのフィギアを恋愛の対象にしてる「オタク」な方々とどこが違う?って感じ。コミュニケーションは一方的だけど、相手の反応は想像の世界で「ある」わけで、「彼女は好きだよ」「喜んでるよ」「イヤそうだよ」と擬人化(まあ本当の人間なんだけど、植物状態だしねぇ)して、自分が望んだリアクションを妄想し続けるの。最終的には彼女をレイプして妊娠させることによって「家庭」を作ろうという行為をしてしまう主人公の静かな狂気は、淡々とした「看護のスケッチ」の風景の中で醸成されていくの。いつの間にか自然に「河を渡って」しまう主人公と、植物状態になった女闘牛士と幻想の愛を信じるジャーナリストの屈折した友情(実はぜんぜんかみ合ってない価値観)が脆い人間の絆を痛切に描かれている。とても切ない映画ね。

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仁義なき戦い 頂上作戦 2006-11-26

Jingichojo邦題:仁義なき戦い 頂上作戦
時間:101分
公開:1974-01-15
製作年度:1974
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:
製作:吉田貞次
監督:深作欣二
脚本:笠原和夫
原作:飯干晃一
撮影:
音楽:津島利章
出演:菅原文太 、梅宮辰夫 、黒沢年男 、田中邦衛 、堀越光恵 、木村俊恵 、中原早苗 、渚まゆみ 、金子信雄 、小池朝雄 、山城新伍 、加藤武 、夏八木勲 、遠藤太津朗 、内田朝雄 、長谷川明男 、小倉一郎 、葵三津子 、城恵美 、八名信夫 、汐路章 、室田日出男 、鈴木瑞穂 、野口貴史 、小林稔侍 、白川浩二郎 、有川正治 、曽根晴美 、中村錦司 、芦田鉄雄 、誠直也 、酒井哲 、笹木俊志 、小田真士 、志賀勝 、高月忠 、木谷邦臣 、松方弘樹 、小林旭

笠原和夫さんの本を読んでいて、本当はこの作品で完結にしたかったっていう「頂上作戦」。あまりにヒットしたので笠原脚本じゃなくて「完結編」っていう蛇足映画を作ってしまった「仁義なき戦い」の実質的な完結編。っていうわけで、ずっと観ようと思ってたけどやっとDVDを貸してくれる先輩が登場したわけ。80分くらいまでは物語として一本のラインに乗っていたけど、最後の20分くらいが「後日談」風なエピソード繋がりになって一貫性に欠けてる感じがしたわ。これで終わらせようっていうことで小ネタを消化して終わらせたっていう印象ね。ただ、東映のターニングポイントになった作品っていうことでシリーズは全部見ておかねばってね。広島死闘編と代理戦争を貸してくれるのを待とうっと。

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隣人 2006-11-25

Consentingadults原題:CONSENTING ADULTS
邦題:隣人
時間:100分
公開:1993-11
製作年度:1992
製作国:アメリカ
配給:ブエナビスタ
製作総指揮:ピーター・ジャン・ブルージ
製作:アラン・J・パクラ、デヴィッド・パーマット 
監督:アラン・J・パクラ
脚本:マシュー・チャップマン
原作:
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
音楽:マイケル・スモール
出演:ケヴィン・クライン 、メアリー・エリザベス・マストラントニオ 、ケヴィン・スペイシー 、レベッカ・ミラー 、フォレスト・ウィッテカー 、E・G・マーシャル 、キンバリー・マックロー

怪しいアイデアをもちかける「最近の知人」には注意しよう。泥沼みたいな仕掛けられた保険金殺人の犯人にしたてられていく主人公の反撃の物語なんだろうけど、ストーリーが込み入っていてまだるっこしい。落としいれられる過程が大事なのか、その後に冤罪をはらす大活躍?が大事なのか中途半端な作り。脚本としてどちらかにウェイトをかけなおして練り直したほうがよかったかもしれないわ。もしくは100分程度の映画じゃなくて180分くらい使ってじっくり描けばいいのに。それだけの分量をもりこんでるんだから。でも180分なら観ないわ。概略だけで180分観るの面倒になっちゃうだろうし。サスペンスドラマを狙ったんだろうけど、大失敗ね。

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笑う大天使(ミカエル) 2006-11-22

Waraudaitensi邦題:笑う大天使(ミカエル)
時間:92分
公開:2006-07-15
製作年度:2005
製作国:日本
配給:アルバトロス
製作総指揮:
製作:宮崎大、柴田一成
監督:小田一生
脚本:吉村元希 、小田一生
原作:川原泉
撮影:岡田博文
音楽:
出演:上野樹里 、伊勢谷友介 、関めぐみ 、平愛梨 、松尾敏伸 、菊地凛子 、加藤啓 、村木仁 、伊藤修子 、佐津川愛美 、谷村美月 、キタキマユ 、宮下ともみ 、松岡璃奈子 、岩井七世 、工藤晴香 、岡本奈月 、手塚理美 、石垣光代 、三上瓔子 、斎藤あきら 、西岡徳馬

コミックの映画化という企画の貧困も極まった日本映画界なんだけど、脚色や監督の力技で映画として完成度をアップさせることができるわよね。コミックって小説と違って「絵」が読者へ伝わるから、キャラクターやキービジュアルが予断されてしまうわけで、どう「似せる」か「オリジナルに仕立て上げる=マンガとは別物よ!っていうスタンスね」かの選択が製作者の決断のしどころなわけよね。「デスノート」はコミックの世界観を踏襲しながら実写としての俳優の演技と、監督の芸風=劇画タッチのテンポが得意、っていう相乗効果で合格点の娯楽作品になりえてるわ。で、この作品は原作を読んだこともないけど、原作のノリが彷彿とさせられそうな「まんま」なものになっちゃって、しかも多分、原作の荒唐無稽&美形キャラコミックという屈折した世界観を実写相似形にスクリーンに描くんだから、作り手の想像力欠如に愕然としてしまう。「東京ゾンビ」も酷かったけど、こちらの方がもっと「痛い」。映画としてダラダラと原作のディテールに遊んでるだけで、映画としての物語る力、それを観客へ伝える力が全然ないの。同時上映のコミック原作ものと天と地の開きがあるわ。

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ハチミツとクローバー 2006-11-22

Hachimitsutoclover邦題:ハチミツとクローバー
時間:116分
公開:2006-07-22
製作年度:2006
製作国:日本
配給:アスミックエース
製作総指揮:
製作:小川真司、今村景子、多田真穂
監督:高田雅博
脚本:河原雅彦 、高田雅博
原作:羽海野チカ
撮影:長谷川圭二
音楽:菅野よう子
出演:櫻井翔 、伊勢谷友介 、蒼井優 、加瀬亮 、関めぐみ 、堺雅人 、西田尚美 、堀部圭亮 、宮崎吐夢 、銀粉蝶 、中村獅童 、利重剛 、春田純一 、清水ゆみ 、池田鉄洋 、田辺誠一

コミック原作の二本立てっていう久しぶりの名画座。原作はつまみ食いした位しかないから、キャラクターや主題となるストーリーについての知識はゼロっていう理想的な予断ゼロな環境で観る事ができた。で、素敵な青春映画になってるの。多分、原作コミックと比較して云々っていうハチクロマニアな方々はいろいろ言いたいこともあるって思うけど、前知識が無いわたしとしては十分堪能できたドラマになってる。蒼井優が本当にいい女優になったわね、っていう「感動」と櫻井君って頑張るじゃないってね。それぞれのキャラクターをきちんと個性的に浮き彫りにしていく高田監督を今後チェック対象にしよって決心してみたりしたわ。大学出る頃のわたしの「気分=先が見えない恐怖と憂鬱と閉塞」を思いだしたわ。まあ、今になって時間が経って見たらたいしたことなかったんだって振り返ることができるけどね。当時は目の前の恋愛さえも、5分先がわからなくて精神がボロボロになってるときもあったしね。登場人物たちはすっごく共感できる人たち。

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DEATH NOTE デスノート the Last name 2006-11-21

Deathnote2v2邦題:DEATH NOTE デスノート the Last name
時間:140分
公開:2006-11-03
製作年度:2006
製作国:日本
配給:ワーナー
製作総指揮:
製作:
監督:金子修介
脚本:大石哲也
原作:大場つぐみ 、小畑健
撮影:石山稔
音楽:川井憲次
出演:藤原竜也 、松山ケンイチ 、戸田恵梨香 、片瀬那奈 、マギー 、上原さくら 、中村獅童 、池畑慎之介 、青山草太 、中村育二 、清水伸 、小松みゆき 、前田愛 、板尾創路 、満島ひかり 、五大路子 、津川雅彦 、藤村俊二 、鹿賀丈史

デスノートって原作のコミックはほとんど知らなくて(終わってるの?連載)前編を観たら、金子監督の「いい面」が出て面白かったっていうのと、前編のラストが「続く…」っていう状態で、結末への渇望もあったしね。で、完結編、140分っていう長尺が途中時間が気にならないままに観終えられたってことで「面白かった」んだろうなぁ。一種のコンゲームみたいなライトとエルの騙しあいがテンポ良くプチドンデンを繰り返しながら展開するから、観客としても「推理=これはどっちがどっちに仕掛けてる?」をしながら参加感たっぷりに観れるの。相変わらず藤村俊二の立ち位置が不明なままなんで、誰か教えて。あれは何の役?ともあれ、全編270分の映画って考えると、よくこれだけダレずにテンポ良く仕上げられたなって感心するわ。金子監督の劇画調が「ガメラ」以来ひさしぶりに成功したって言えるかも。

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敬愛なるベートーヴェン 2006-11-21

Copyingbeethoven原題:COPYING BEETHOVEN
邦題:敬愛なるベートーヴェン
時間:104分
公開:2006-12-09
製作年度:2006
製作国:アメリカ/ドイツ
配給:東北新社
製作総指揮:
製作:
監督:アグニエシュカ・ホランド
脚本:スティーヴン・J・リヴェル 、クリストファー・ウィルキンソン
原作:
撮影:アシュレイ・ロウ
音楽:
出演:エド・ハリス 、ダイアン・クルーガー 、マシュー・グード

ベートーヴェンと写譜師の女性のふたり芝居。ほかにも甥や恋人や恩師が出てくるけど、ふたりだけの物語じゃ単調だろうから、なんかのエピソード作ろうっていうレベルでの登場。人間関係や背景や事件がもう少し深く作られていたらもっと感動できただろうに、残念。ふたり芝居だけ観続けるとだんだん飽きてきてしまう。ただ、中盤の第九交響曲の初演とその前後のトータル15分くらいは圧巻。これを観るだけで多分1800円の価値はあるかもしれない。のだめとかでクラシックブームだし、上手に宣伝すれば、日本じゃ12月は第九が定番BGMってこともあって、ヒットさせることもできそうね。ただ正月映画の大作が出てくる時期だから宣伝が埋没しちゃうと、アララ!な結果になるかも。邦題がよく判らないっていうか「敬愛」なんて言葉、ふだん使わないわよね。

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U-571  2006-11-20

U571原題:U-571
邦題:U-571
時間:116分
公開:2000-09-09
製作年度:2000
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:ハル・リーバーマン
製作:ディノ・デ・ラウレンティス、マーサ・デ・ラウレンティス 
監督:ジョナサン・モストウ
脚本:ジョナサン・モストウ 、サム・モンゴメリー 、デヴィッド・エアー
原作:ジョナサン・モストウ
撮影:オリヴァー・ウッド
音楽:リチャード・マーヴィン
出演:マシュー・マコノヒー 、ビル・パクストン 、ハーヴェイ・カイテル 、ジョン・ボン・ジョヴィ 、デヴィッド・キース 、トーマス・クレッチマン 、ジェイク・ウェバー 、ジャック・ノーズワージー 、エリク・パラディーノ 、トム・グイリー

潜水艦モノはヒットする、っていう伝説が語られる時に必ずあげられる一本。ナチスのエニグマ暗号機を連合軍が奪取するのにたてた作戦が全部裏目に出て、ドロドロの危機に陥るっていう物語。ミスをカバーしようと差す手が全部裏目になっちゃうんだから指揮官がバカだった!でいいのかもしれないけど、映画の文脈だと「ついてない」ってことになってる。まあ、そうじゃないと、準備した「危機」は起きないから映画にならないし。誰かが「ミス」することで物語としては前に進むっていうわけよね。それより描きたかったのは「潜水艦での戦闘映画」なんだろうから、そういう点では成功してるかもね。でも、これはDVDじゃなくて映画館の暗闇で見るべき映画だったかもしれないわ。明るい部屋だと面白さっていうか怖さ半減だもの。ちょっと失敗。

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クライシス・オブ・アメリカ 2006-11-19

Manchuriancandidate原題:THE MANCHURIAN CANDIDATE
邦題:クライシス・オブ・アメリカ
時間:130分
公開:2005-03-26
製作年度:
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:スコット・アヴァーサノ
製作:ジョナサン・デミ、イロナ・ハーツバーグ、スコット・ルーディン、ティナ・シナトラ 
監督:ジョナサン・デミ
脚本:ダニエル・パイン 、ディーン・ジョーガリス
原作:リチャード・コンドン
撮影:タク・フジモト
音楽:レイチェル・ポートマン 、ワイクリフ・ジョン
出演:デンゼル・ワシントン 、メリル・ストリープ 、リーヴ・シュレイバー 、ジェフリー・ライト 、キンバリー・エリス 、ジョン・ヴォイト 、ブルーノ・ガンツ 、テッド・レヴィン 、ミゲル・ファーラー 、サイモン・マクバーニー

「陰謀論者」系の映画。政治と軍事産業の陰謀にまきこまれて、っていう系列。メル・ギブソンの「陰謀のセオリー」がその王道を行くような作品だったし、陰謀のバリエーションを言い尽くしてしまって感じもあるって思うの。で、この作品は湾岸戦争で消えた小隊のメンバーが、っていうことで大統領選挙とテクノロジーを駆使した洗脳をテーマにして「軍産複合体政治」を描いたフィクションにしたててある。やたら長いわりに、陰謀の過程が説明不足なうえに動機もたいしたことがなくて、メリル・ストリープの怪演ばかりが目立つ「母子もの」になっちゃってる。デンゼル・ワシントンはなんにも解決できないでいる狂言回し。陰謀の中枢付近をウロウロするだけ。脚本以前に「原案レベルでなにをしたいか明確じゃなかった」タイプの企画の詰めが甘い作品になっちゃってたわ。

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トゥー・ウィークス・ノーティス 2006-11-19

Twoweeksnotice原題:TWO WEEKS NOTICE
邦題:トゥー・ウィークス・ノーティス
時間:101分
公開:2003-05-24
製作年度:2002
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:ブルース・バーマン 、メアリー・マクラグレン
製作:サンドラ・ブロック
監督:マーク・ローレンス
脚本:
原作:
撮影:ラズロ・コヴァックス
音楽:ジョン・パウエル
出演:サンドラ・ブロック 、ヒュー・グラント 、デヴィッド・ヘイグ 、アリシア・ウィット 、ダナ・アイヴィ 、ロバート・クライン 、ヘザー・バーンズ 、ドリアン・ミシック 、ジョナサン・ドクシッツ 、ヴィエンヌ・コックス 、ドナルド・トランプ 、ノラ・ジョーンズ 

サンドラ・ブロックが製作・主演と「思いがこもった」ラブコメ。ラブコメに思いを込めるのもなんだなぁって思うけど。しっかり「ドレッシーに見せ場」を作ってるし、それまでは恋が下手な環境運動系弁護士(実はすごく有能)なんて美味しい役柄。ラブコメ役者のヒュー・グラントっていう名人も肩の力を抜いて「純情なんだけど、一見、イヤなエリート。だけど恋におちちゃう」っていう定番キャラを楽しんでるみたい。それはそれで、ケラケラ笑ってすごせる2時間だから、娯楽としては良いかもね。こういうラブコメ映画って実は大好き。評価とは別にしてね。関係ないけど、おつまみ用に用意したチロルチョコの「みるく大福」が意外と美味しくてビックリ。

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オーロラ  2006-11-17

Aurore原題:AURORE
邦題:オーロラ
時間:96分
公開:2006-12-16
製作年度:2006
製作国:フランス
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:エミリー・ジョルジュ
監督:ニルス・タヴェルニエ
脚本:ニルス・タヴェルニエ
原作:
撮影:アントワーヌ・ロッシュ
音楽:
出演:マルゴ・シャトリエ 、ニコラ・ル・リッシュ 、キャロル・ブーケ 、フランソワ・ベルレアン 、カデル・ベラルビ

突然出現するフランス映画の奇跡みたいな作品ね。誰がどういうイメージと目的で「こういうの作ろうか・・・」って思いつくのかしら。ジャック・ドゥミの「ロバと王女」がリバイバルされたりしてたけど、この作品は言葉のないミュージカル。思いっきりフェアリーテイルな世界観で、踊りを禁止されたさびれた王国の踊りが大好きな王女様のお話。さまざまな友好国の王子様が自分の国の踊りをプレゼンテーションして王女様に求愛するけど、王女様は愛する人がいて、っていうかぐや姫みたいなお話。結局雲の上の世界(踊りの天国?)へ旅立ってしまうの。ジパングの踊りが白塗りの暗黒舞踊なのが強烈な違和感。宣伝では一切出してこないのも判るわ。引くもの。絶対。日本人が出てくるから本当なら良いPRになるのにね、暗黒舞踊なんだもの。クネクネと。アラビア風やゲルマン風の王子様は素敵な踊りを見せるのに。暗黒舞踊見せて「いかがですか、わたしの国の踊りは?」なんてセリフ。応答しようないわよね。踊りを禁止してる王国の「理由」がちょっと無理矢理な感じして説得力に欠けるんだけど、物語はコンパクトにまとめあげてるわ。名作じゃないけど、気になるタイプの作品ね。主役の王女さまのダンスは素敵。

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ナチョ・リブレ 覆面の神様 2006-11-16

Nacholible原題:NACHO LIBRE
邦題:ナチョ・リブレ 覆面の神様
時間:92分
公開:2006-11-03
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:スティーヴ・ニコライデス 、デイモン・ロス
製作:ジャック・ブラック、デヴィッド・クローワンズ、ジュリア・ピスター、マイク・ホワイト 
監督:ジャレッド・ヘス
脚本:ジャレッド・ヘス 、ジェルーシャ・ヘス 、マイク・ホワイト
原作:
撮影:ハビエル・ペレス・グロベット
音楽:
出演:ジャック・ブラック 、エクトル・ヒメネス 、アナ・デ・ラ・レゲラ 、リチャード・モントーヤ 、ピーター・ストーメア 、セサール・ゴンサレス 、ダリウス・ロセ 、モイセス・アリアス

「演技」というものが役柄になりきるっていうことなら、そのなりきる「程度」っていうのが、その俳優の力量だったり技術だったりするって思うの。たとえば「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマンは過剰まで1ミリグラムくらい届かせないところで(寸止めってこと)迫真の主人公像を演じていたって思うの。さすがアカデミー賞よね。で、何がいいたいかっていうと、ジャック・ブラックの過剰さなの。どんな脇役でも「目立つぜ、オレを写せよ」っていうテンションが主役をはっても同じ。「キングコング」の後頭部の筋肉に力が漲ってるような演技とかね。それが素敵な方向へ行くと「スクール・オブ・ロック」になるのかしら。で、メキシカンプロレス。実在の牧師レスラーにインスパイアされて作られたわけで、ジャック・ブラックの過剰さが「どーだ!おもしろいだろー、オレってば」というオーラがビカビカに発散されてるの。味が濃すぎて素材の持ち味が消えてしまった、煮込みすぎたシチューのような映画。あはは、ジャック・ブラックってば!って観ていても15分くらいで、お腹一杯になってしまう。ていうことは、30分くらいの併映短編映画っていう立ち位置の作品には最適なキャラクターなのかもしれない。今は失われたね。なんて連想していくと、21世紀のキートンやチャップリンってことかしら。って妄想もいいかげんにしたい。アメリカでヒットしたっていうけど、ヒスパニックがいっぱいいるっていう多民族国家だからコレはどうだろう。そのままデータを信じちゃいけないかも。子供とヒスパニックっていう客層だけでそれなりにビジネスになるんだろうしね。

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007/カジノ・ロワイヤル 2006-11-14

Casinoroyale原題:CASINO ROYALE
邦題:007/カジノ・ロワイヤル
時間:分
公開:2006-12-01
製作年度:2006
製作国:アメリカ/イギリス
配給:SPE
製作総指揮:アンソニー・ウェイ 、カラム・マクドゥガル
製作:バーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソン
監督:マーティン・キャンベル
脚本:ニール・パーヴィス 、ロバート・ウェイド 、ポール・ハギス
原作:イアン・フレミング
撮影:フィル・メヒュー
音楽:デヴィッド・アーノルド
出演:ダニエル・クレイグ 、エヴァ・グリーン 、マッツ・ミケルセン 、ジュディ・デンチ 、ジェフリー・ライト 、ジャンカルロ・ジャンニーニ、サイモン・アブカリアン 、カテリーナ・ムリーノ 、クラウディオ・サンタマリア 、イザック・ド・バンコレ 、イェスパー・クリステンセン 、イワナ・ミルセヴィッチ

「蛇足」っていう言葉があるけど、何本の足を描いてしまったのかしら。この作品は多分6本くらい足を描き足してしまってる。特にラスト30分。いまさら「007ビギニング」なんて能書きはいらないのに、ボンドが恋に狂って辞表を書いたり、恋人の裏切りにあったりっていうドラマを猛スピードで展開させていくんだけど、それでも「こんな不要なエピソード」っていう違和感が続くの。辛い30分。それまではオープニングのアクションとか息を呑む迫力で、新ボンドも頑張ってる(ちょっと育ちの悪さが出てるけど)ので合格かも、って思ってたけど。ラストの30分が全てをぶち壊してしまったわ。相変わらず「アクションシーンのために発生する出来事」が強引に展開されるのは007映画の芸風なんだろうし、そのあたりの無理矢理感は納得いくんだけど「人間ドラマ」な背景をもたせた「ビギニングとしての説明をしなければならない」ラストの30分。絶対受け入れられないわよね。「ドリーマーズ」で可愛かったエヴァ・グリーンがとっても綺麗になってて素敵。でも「ボンド・ガール」にしてはビジュアル的に淡白かもね。

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ファースト・キス 2006-11-14

Fitstkiss原題:FIRST KISS
邦題:ファースト・キス
時間:105分
公開:2005-05-21
製作年度:1998
製作国:韓国
配給:SPO
製作総指揮:
製作:チョン・テウォン
監督:キム・テギュン
脚本:パク・チョンウ
原作:
撮影:シン・オッキョン
音楽:
出演:アン・ジェウク 、チェ・ジウ 、イ・ギョンヨン 、ユ・ヘジョン

眼鏡っ子がじつは眼鏡をはずすと「可愛い」っていう少女マンガの世界。調子のいい男の子が彼女をからかうんだけど、すっごくシャイに彼女に恋してるっていう少女マンガの世界。で、お互いに意地を張って心がすれ違って、でもハッピーエンドっていう少女マンガの世界。韓国ではどんなお客さんが観たんだろう。高校生くらいの女の子かしら、客層って。他愛のない、毒のない、可愛いラブコメディっていう立ち位置だからちょっとしたデートムービーになってるのかな。誰かとキスしたくなっちゃう映画なんだけど、映画の登場人物がけっこういい大人なのにお互いにファーストキスなんて、変ね。韓国人ってそんなに奥手なのかしら。

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天国からの手紙 2006-11-14

Letterfrommars原題:A Letter From Mars
邦題:天国からの手紙
時間:106分
公開:2005-04-23
製作年度:2003
製作国:韓国
配給:SPO
製作総指揮:
製作:
監督:キム・ジョングォン
脚本:キム・ジョングォン 、チョ・ウナ 、イ・ソヨン
原作:
撮影:イ・ソッキョン
音楽:イ・ジェジン
出演:シン・ハギュン 、キム・ヒソン 、パク・ソヒョン 、キム・イングォン

結末が納得いかない。幼い頃から愛してる女の子への愛が高じて「自殺」しちゃうなんて。天国を「火星」と呼んでいることから、映画の原題になってるんだけど、それにしても主人公の心理が理解不能で、それだけでこの映画は無理になっちゃう。好きで好きでしょうがなくて、彼は一途に彼女への愛をつらぬくんだけど、もっと正面からぶつかっていけばいいのに、っていう「決断力」の無さにイライラする。「わたしだったら、これだけ思い続けられるのって嬉しいけど、重い、重すぎる」って引いてしまったわ。それにしても「火星=天国」には死んでいったみんなが幸せに暮らしているよ、なんて厭世的な、バカみたいな抒情で終わらせていく(泣かせようとしてるのかしら)って、観客に対して失礼すぎる結末かもしれないわ。許せない。

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エド・ウッド 2006-11-12

Edwood原題:ED WOOD
邦題:エド・ウッド
時間:124分
公開:1995-06
製作年度:1994
製作国:アメリカ
配給:ブエナヴィスタ
製作総指揮:
製作:デニーズ・ディ・ノヴィ、ティム・バートン
監督:ティム・バートン
脚本:スコット・アレクサンダー 、ラリー・カラゼウスキー
原作:
撮影:ステファン・チャプスキー 
音楽:ハワード・ショア
出演:ジョニー・デップ 、マーティン・ランドー 、サラ・ジェシカ・パーカー 、パトリシア・アークエット 、ジェフリー・ジョーンズ 、G・D・スプラドリン 、ヴィンセント・ドノフリオ 、ビル・マーレイ 、マックス・カセラ 、リサ・マリー 、ジョージ・スティール 、ビル・キューザック 、ジュリエット・ランドー 、ビフ・イェーガー

バカ映画を作り続けた実在したカルトな監督を主人公にしてる、っていうだけでティム・バートンのオタクっぷりが炸裂してるわけで、しかもモノクロ。ビジネスとして成功しようなんて、これっぽっちも考えてないタイプの映画よね。作りたい!っていう思いだけで仕上げてしまった映画。で、監督の我がままにきちんと付き合うジョニー・デップもえらいけど、やっぱり狂気に近く「ディープにカルトなものにのめりこむ」迫力ある監督となると「なんか凄い」っていうだけで周りを巻き込んでいってしまうのね、っていう証拠品みたいな作品だわ。ハリウッドの映画がどうやって作られるか、っていうか映画作家がどうやって自分や企画を売りこんだりしてるのかっていうのが描かれてるから、ちょっぴり勉強にもなったな。

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7月24日通りのクリスマス 2006-11-10

724xmas邦題:7月24日通りのクリスマス
時間:108分
公開:2006-
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:仁平知世、稲田秀樹
監督:村上正典
脚本:金子ありさ
原作:吉田修一
撮影: 高瀬比呂志 
音楽:服部隆之
出演:大沢たかお 、中谷美紀 、佐藤隆太 、上野樹里 、阿部力 、劇団ひとり 、沢村一樹 、川原亜矢子 、YOU 、小日向文世 、平岡祐太

「電車男」チームが!っていう謳い文句で宣伝もされてたわね。一応ヒット作の「電車男」とはなんにも重ならないのに強引なキャッチコピーだから、こりゃ映画としてのクオリティに問題があるのかもしれないわ、っていう予断とともに鑑賞した。で、中谷美紀がプチ自閉症な「恋に恋する」妄想癖のあるオールドミスっていうダサい女性。で、憧れの演劇部の先輩の大沢たかおと久しぶりに再会して、っていう後は「恋愛にまつわるスッタモンダ」が展開して、ハッピーエンドへなだれ込む、っていう偏差値30レベルでも理解可能なハードルの低い作品になっていた。中谷のポジションとしては「電車女」な立ち位置ね。YOUってこういう映画だと存在感あるな。あと「本当の相手を見てない」っていう次元の低い「恋愛にまつわる教訓」が大袈裟に語られてクライマックスへ向うキーポイントになってるんだけど、ちょっと真正面から「啓蒙」されると引く。劇団ひとりのエピソードは不要。

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同い年の家庭教師 2006-11-09

Mytutorfriend原題:MY TUTOR FRIEND
邦題:同い年の家庭教師
時間:114分
公開:2005-04-23
製作年度:2002
製作国:韓国
配給:SPO
製作総指揮:
製作:
監督:キム・ギョンヒョン
脚本:パク・ヨンソン
原作:チェ・スワン
撮影:チ・ギルン
音楽:
出演:クォン・サンウ 、キム・ハヌル 、コン・ユ 、キム・ジウ

クォン・サンウってもうちょっとワイルドで素敵!ってビジュアル方向から気にしていたんだけど、この作品はちょっとねぇ。昔の作品とはいえ、就活カットがサマになってないうえに、役柄どおりの「頭の程度が低い乱暴者」にしか内面も外面も見えないから最近の彼とは大違い。ああ、ダメ、ダメ、って思いながら「家庭教師の女の子と恋におちていく乱暴モノの改心」のラブコメ作品につきあってしまった。2002年ってことは日本での韓流ブームなんか想像もつかなかった時代だろうし、そういう意味では日本マーケットにおもねった作りになってないわけで、韓国内の「ラブコメしか観ないのよねぇ」っていうステージの観客向けの「定番商品」でしかないのよね。でも、韓流ブームで、クォン・サンウの主演作っていうだけで、内容やクオリティ関係なしで日本に輸入されてコンテンツキラーの役目を任されてしまうんだから、不幸といえば不幸な映画かもしれない。

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トンマッコルへようこそ  2006-11-09

Donmakkol原題:WELCOME TO DONGMAKGOL
邦題:トンマッコルへようこそ
時間:132分
公開:2006-10-28
製作年度:2005
製作国:韓国
配給:日活
製作総指揮:キム・ウテク 、チョン・テソン
製作:チャン・ジン
監督:パク・クァンヒョン
脚本:チャン・ジン 、パク・クァンヒョン 、キム・ジュン
原作:チャン・ジン
撮影:チェ・サンホ
音楽:久石譲
出演:シン・ハギュン 、チョン・ジェヨン 、カン・ヘジョン 、イム・ハリョン 、ソ・ジェギョン 、スティーヴ・テシュラー

おすぎのCMに騙されたっていうか、まあ自分が悪いんだけどね。設定だけの情報が入ってしまっていたので「こりゃ夢オチ系かもしれないわね」って予断を持って観に行ってしまった。映画に予断はいけない、って日ごろから自制はしてるんだけど、教訓は生かされなかったわ。てなことで、わけのわからないコメディタッチな「反戦映画」なんだけど、今現在、深刻な戦争状態に陥ってるとこもないわけで、じゃあなぜこんな「反戦映画」なの、っていうあたりが企画された意味とともに理解ができないのね。朝鮮戦争を舞台にしてるんだけど、それを暗喩したり比喩したりする「類似の状況」がどこかにあるかっていうと思い浮かばないし。いまの社会状況に対応して「時代や設定を微妙に変えるけどコレのことよね」ってわかるようにするのが「風刺」の効いたって言うんだと思うけど、そういう点ではこの作品が「何を模して」るのかが全然わからない。映像的には「嫌われ松子」の中島監督のCMみたいなアクションのスーパースロー風演出が多用されててウザイ。

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クリムト 2006-11-07

Klimt原題:KLIMT
邦題:クリムト
時間:97分
公開:2006-10-28
製作年度:2006
製作国:オーストリア/フランス/ドイツ/イギリス
配給:メディア・スーツ
製作総指揮:
製作:ディエター・ポホラトコ
監督:ラウル・ルイス
脚本:ラウル・ルイス
原作:
撮影:リカルド・アロノヴィッチ
音楽:ホルヘ・アリアガータ
出演:ジョン・マルコヴィッチ 、ヴェロニカ・フェレ 、サフロン・バロウズ 、スティーヴン・ディレイン 、ニコライ・キンスキー 、サンドラ・チェッカレッリ
アート映画っぽいアート映画。ひとむかし前の「理解不能なくらいに作家の思いやイメージにこりかたまって観客不在にブツブツと独白するような」作品。そういうのに久しぶりに出会ったっていう意味では観てよかったかも。ぜんぜん面白くなかったけど。ここまで置いてけぼりにしてくれると痛快かも。スイッチっていう劇場らしく中高年の女性が沢山いたけど、びっくりしたに違いないわ。ポスタービジュアルだとクリムトのキスとかの有名な作品が使われているから、ちょっとゴージャスな世紀末な素敵な伝記映画かしらって「錯覚」して観に来てるに違いないもの。わたしもそうだったし。で、実際にはストーリーの脈絡が映画半ばから錯綜して混乱して跳躍していくから「追う」のをあきらめてしまうの。となると眠るしかないわよね。多分。

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父親たちの星条旗 2006-11-06

Flagsofourfathers原題:FLAGS OF OUR FATHERS
邦題:父親たちの星条旗
時間:132分
公開:2006-10-28
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:
製作:スティーヴン・スピルバーグ、クリント・イーストウッド、ロバート・ロレンツ 
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ポール・ハギス 、ウィリアム・ブロイルズ・Jr
原作:ジェームズ・ブラッドリー 、ロン・パワーズ
撮影:トム・スターン
音楽:クリント・イーストウッド
出演:ライアン・フィリップ 、ジェシー・ブラッドフォード 、アダム・ビーチ 、ジェイミー・ベル 、バリー・ペッパー 、ポール・ウォーカー 、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー 、ジョン・スラッテリー 、ロバート・パトリック 、ニール・マクドノー 、メラニー・リンスキー 、トム・マッカーシー 、クリストファー・バウアー 、ジュディス・アイヴィ 、スコット・リーヴス[俳優] 、スターク・サンズ 、ジョセフ・クロス 、ベンジャミン・ウォーカー 、マイラ・ターリー 、アレッサンドロ・マストロブーノ 、ジョージ・グリザード 、ハーヴ・プレスネル 、ジョージ・ハーン 、レン・キャリオー 、クリストファー・カリー 、ベス・グラント 、コニー・レイ 、アン・ダウド 、メアリー・ベス・ペイル 、デヴィッド・パトリック・ケリー 、ジョン・ポリト 、ネッド・アイゼンバーグ 、ゴードン・クラップ 、カーク・B・R・ウォーラー 、トム・ヴェリカ 、ジェイソン・グレイ・スタンフォード

イーストウッドがアカデミー賞を狙うっていうより、ポール・ハギスが3連覇するっていう方が正確な表現って感じだけど、狙いに来てるわよね。高齢アカデミー会員の琴線に触れるようなテーマよね。しかも映画というメディアが「リベラル」である方向への社会批判とかに使われてきていたっていう要素もあるし、そういう意味では「平和のための戦争」「必要とされた英雄と英雄にされてしまった兵士の悲劇」っていうアングルが「アメリカの良心を描く映画」っていう存在感を持ってるのよね。この作品の立ち位置は文脈として「賞を狙ってる」というあからさまなものじゃなくて、「あの旗が掲げられた後のクロニクル」っていう抒情を前面に出してるし。ともかく砂漠のように何にも無い小さな島の小さな山を攻略するアメリカ軍と迎え撃つ日本軍の兵士たちのリアルな「死」(かなりスプラッタ)と、結果としてあの戦争の勝敗を方向付けた「旗の掲揚」の真実と「国債を売るためのつくられた英雄」たちの戦後。「事実の風化」や「イラクでいまだに戦い続けるアメリカ」っていう今、アメリカ人にとって「戦争」ってなんだろうって考えさせる絶妙なタイミング。やっぱり狙ってるわね。MDBの時もそうだったけど、楽器をポツンポツンと爪弾くような音楽。今回はイーストウッドの音楽はノミネートされるかしら。

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寝ずの番 2006-11-04

Nezunoban邦題:寝ずの番
時間:110分
公開:2006-04-08
製作年度:2006
製作国:日本
配給:角川
製作総指揮:
製作:鈴木光
監督:マキノ雅彦
脚本:大森寿美男
原作:中島らも
撮影:北信康
音楽:大谷幸
出演:中井貴一 、木村佳乃 、木下ほうか 、田中章 、土屋久美子 、真由子 、石田太郎 、蛭子能収 、桂三枝 、笑福亭鶴瓶 、浅丘ルリ子 、米倉涼子 、中村勘三郎[18代目] 、高岡早紀 、堺正章 、笹野高史 、岸部一徳 、長門裕之 、富司純子

俳優津川雅彦がマキノ雅彦名義で初監督っていうだけが売りのバカ映画でした。「津川さんへご祝儀」って感じでそこそこの俳優がたちが大集合してるんだけど「上方落語」が舞台っていうだけで設定の決定的なミスなわけで、って原作がそうなんだからしょうがないのかしら。映画つくるなら、こんなのじゃなくて、もっと大上段に構えた「洒脱な娯楽大作」を狙えばよかったのに。どうせこの映画に出てる俳優たちはどんな映画でも「津川さんへご祝儀」で駆けつけて来るんだろうし。といっても監督振りはどうやらダメっぽい感じね。後半の「春歌大合戦」はどんどん引いちゃう。いったいどこが面白くて延々とこのシーンを続けるのかしらって背筋が凍った。きっとやりたかったんだろうなぁ。正常な感覚なら面白くもなんともないシーンなのに、監督っていう立場になると嵌って後へ引けなくなっちゃうんだろうなぁって同情さえ感じるの。津川さん、もう止めたほうがいいわ。

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四日間の奇蹟 2006-11-04

Yokkakannokiseki邦題:四日間の奇蹟
時間:118分
公開:2005-06-04
製作年度:2005
製作国:日本
配給:東映
製作総指揮:
製作:菊池淳夫、間瀬泰宏、岡本みね子
監督:佐々部清
脚本:佐々部清
原作:浅倉卓弥
撮影:坂江正明
音楽:加羽沢美濃
出演:吉岡秀隆 、石田ゆり子 、尾高杏奈 、西田敏行 、松坂慶子 、中越典子 、鳥羽潤 、西村和彦 、小林綾子 、平田満 、石橋蓮司

「感動原作ブーム」が「セカチュウ」をピークに日本映画界を席巻してた時の作品よね。しかも東映だもの。芸風もなにもあったもんじゃないわよね。当たるかもしれないから作っとけっていうタイプのチョウチン映画と断じておこう。テレビドラマでも視聴率が危ういようなタイプのキャスティング。フライヤービジュアルも「原作タイトル」がメインだものね。原作も無理矢理すぎて矛盾だらけの戯言なんだから、映画にしたら支離滅裂。高度なチェスの試合に似た映画作風の佐々部監督にしても、こうなっちゃいました!っていう一生の汚点。今だに続く「感動=泣いてください」路線なんだけど、そろそろいい加減にして欲しい!。この作品みたいなものが生まれてしまうのだから。

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マイ・ボス マイ・ヒーロー 2006-11-02

Mybossmyhero原題:MY BOSS, MY HERO
邦題:マイ・ボス マイ・ヒーロー
時間:98分
公開:2005-05-07
製作年度:2001
製作国:韓国
配給:SPO
製作総指揮:
製作:
監督:ユン・ジェギュン
脚本:ユン・ジェギュン
原作:
撮影:ファン・チョリョン
音楽:イ・ウッキョン
出演:チョン・ジュノ 、チョン・ウンイン 、チョン・ウンテク 、ソン・ソンミ 、パク・チュンギュ
プチ嵌ってたドラマ「マイ・ボス・マイ・ヒーロー」。そのオリジナルっていう韓国映画。すっごいバカ映画。でもこの映画に目をつけて連続ドラマにしようって思った人がいるわけで、その人を尊敬するわ。とはいえ、この手の設定は女子高生がヤクザの跡目を継いだり、ウェディングドレスでマシンガン撃ったり、ヤクザのお嬢がジャージ姿で先生したり、っていう「学園モノ」の定番のひとつよね。でもたいがいは「女子」がそういう筋モノな設定で、それが「ミスマッチな仕掛け」っていうドラマを広げる要素になってるっていうわけ。で、この作品は「ヤクザが高校入学」っていう直球。この韓国映画はまったくダメなんだけど、「この直球は速い=使える」って目を見張ったテレビドラマの制作者をある意味で尊敬したいわ。

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