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女ざかり  2006-10-31

Onnnazakari邦題:女ざかり
時間:118分
公開:1994-06-18
製作年度:1994
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:大谷信義
製作:中川滋弘 
監督:大林宣彦
脚本:野上龍雄 、渡辺善則 、大林宣彦
原作:丸谷才一
撮影:坂本典隆
音楽:久石譲
出演:吉永小百合 、津川雅彦 、風間杜夫 、藤谷美紀 、月丘夢路 、三國連太郎 、岸部一徳 、高島忠夫 、片岡鶴太郎 、中村玉緒 、宍戸錠 、松坂慶子 、山崎努 、前田武彦 、高松英郎 、峰岸徹 、尾美としのり 、入江若葉 、坊屋三郎 、根岸季衣

大林宣彦監督の「リアルな描写」が、リアルな存在になりづらい「吉永小百合」の主役映画を作ってしまった悲劇。吉永小百合という存在は多分「最後の大女優」っていう同義語といっていいと思うけど、「人間・吉永小百合」っていうのはいないと思うの。その「吉永小百合と呼ばれる女優は」常に「女優・吉永小百合」を演じ続けていて、「女優・吉永小百合が演じる役柄」を演じ続けていて、実態はどこにもないの。きっとね。でも大林宣彦監督がこの作品で「等身大の吉永小百合=映画の主人公」を表現しようとしてるみたい(「女ざかり」というタイトルが吉永小百合本人の存在へも意味してるかも)なんだけど、監督は「吉永小百合と呼ばれる女優は実在するけど、吉永小百合を演じてる女性は実在しない」っていう日本映画界の秘密を知らなかったのかもしれないわね。だから映画はドキュメンタリータッチなカメラワークや「日常風なリアルなセリフ」や「リアルに濡れ場っぽいセリフ」を吉永小百合に語らせるっていう試みは全編にわたって空周りし、リズムを失い、すべって、破綻してるの。吉永小百合は吉永小百合として存在しているだけで、生きている人間っていう扱いをしちゃいけないと思うわ。日本映画界には過去にはそういう「役者」が沢山いたと思うけど、最近は絶滅種っぽく、あとは高倉健くらいかしら。丹波哲郎は亡くなっちゃったし。

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ジターノ 2006-10-31

Gitano_1原題:GITANO
邦題:ジターノ
時間:102分
公開:2001-08-04
製作年度:2000
製作国:スペイン/ドイツ
配給:コムストック
製作総指揮:ホセ・マヌエル・ロレンソ 、アントニオ・カルデナル
製作:
監督:マヌエル・パラシオス
脚本:アルトゥーロ・ペレス=レヴェルト 、マヌエル・パラシオス
原作:アルトゥーロ・ペレス=レヴェルト
撮影:ハンス・バーマン
音楽:エヴァ・ガンチェド
出演:ホアキン・コルテス 、レティシア・カスタ 、マルタ・ベラウステギ 、ホセ・マヌエル・ロレンソ 、ファン・フェルナンデス 、マヌエル・ド・ブラ 、ホセ・ルイス・ゴメス

ホアキン・コルテスが売りの映画らしい。ところがわたしはホアキン・コルテスについて興味もないし、っていうか「知らない」。となるとこの映画が想定する観客じゃないってことになってしまうわよね。ジプシーの2大勢力がマフィアのように争って、さらにジプシーより上位にある「白人」たちに搾取されて、っていう民族差別と同族憎悪の物語。スペインの民族問題や階級問題について全く知識もないから何が行われていて、何が問題になっているのか理解不能なまま、ホアキン・コルテスについても1ミリも興味がわかないまま終わってしまったわ。

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間宮兄弟 2006-10-29

Mamiyakyoudai邦題:間宮兄弟
時間:119分
公開:2006-05-13
製作年度:2006
製作国:日本
配給:アスミックエース
製作総指揮:椎名保
製作:柘植靖司、三沢和子、豊島雅郎
監督:森田芳光
脚本:森田芳光
原作:江國香織
撮影:高瀬比呂志
音楽:大島ミチル
出演:佐々木蔵之介 、塚地武雅 、常盤貴子 、沢尻エリカ 、北川景子 、戸田菜穂 、岩崎ひろみ 、佐藤隆太 、横田鉄平 、佐藤恒治 、桂憲一 、広田レオナ 、加藤治子 、高嶋政宏 、中島みゆき

日本映画でどうして森田芳光をリスペクトしなければいけないのか理由が判らない。森田芳光が脚本、監督とした映画っていうだけで「ニュース」になってしまうっていう理由が判らない。で、映画はぜんぜん面白くない。どこをどう面白がればいいのか、だれか教えて欲しい。16ビートで疾走してる「現代」に対して4ビートでロハスなゆるい人生を手を取り合って歩いている間宮兄弟を描くっていう事が「何を目的としてるのか=監督の創作意欲のキモはどこにあるのか」が全然判らない。映画に登場する人物は、原作か脚本か監督の演出かのどこかに完全に支配された「人形」にしかみえないし、彼ら(彼女ら)は画面で動いて会話している以外はスイッチを切られて倉庫にしまわれてるんじゃないの?っていう妄想さえ沸いてくる。稚拙な舞台演劇俳優のような芝居を「監督の演出意図」の下に繰り広げてるなら「それはなぜ?」っていうことがわたしには理解できない。もしかしたら、この作品を観る「資格=スキル」がわたしには無いのかもしれないって不安になるわ。

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勝手にしやがれ 2006-10-28

Katteishiyagare原題:A BOUT DE SOUFFLE
邦題:勝手にしやがれ
時間:95分
公開:1960-03
製作年度:1959
製作国:フランス
配給:新外映
監修:クロード・シャブロル
製作:ジョルジュ・ドゥ・ボールガール
監督:ジャン=リュック・ゴダール
脚本:ジャン=リュック・ゴダール
原案:フランソワ・トリュフォー
撮影:ラウール・クタール
音楽:マルシャル・ソラル
出演:ジャン=ポール・ベルモンド 、ジーン・セバーグ 、ダニエル・ブーランジェ 、ジャン=ピエール・メルヴィル 、ジャン=リュック・ゴダール

山田宏一さんのヌーベル・ヴァーグにまつわる文庫本を読んでいて、どうしても観たくなったのが「勝手にしやがれ」。山田さんの著書は多分わたしの父がリアルタイムだったくらいの物語かしら。フランスから「映画」のありかたが大きく変わったということが書かれている。でも、2006年の現在から振り返ると、ただの新旧交代としか思えないし、前衛は破壊すべき旧弊が失われると、とたんに旧弊に変貌していっちゃうという点であらゆる「革命は新たな保守を生み出す」という誰かの言葉に集約されちゃうわけね。ヌーベル・ヴァーグがアメリカ映画への「旧大陸的な憧れ」を持って始まったという記述もあったけど、それは多分おおきな方向性のミスだったかもしれないわね。フランスはリュック・ベッソンを「発生」させてしまったんだものね、良くも悪くも。ともあれ、そういう「旧弊の破壊」の胎動が生んだ「革命的象徴」の作品が「勝手にしやがれ」っていうことなんで観たの。さまざまな「作家性の高い映画=アートシネマ」が商業的にも実験的にも氾濫している「今」に行きてる観客であるわたしから観ると、その「唐突」「乱暴」「教唆」「暗喩」「執着」といった監督の「オレ様」な棘がザクザクと刺さってくる「痛み」ばかりが攻撃的でちょっと辛かったわ、見続けるの。唯一ジーン・セバーグがヘアブラシで眉をささっと整えるシーンだけが好き。

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フラガール 2006-10-27

Hulagairl邦題:フラガール
時間:120分
公開:2006
製作年度:2006-09-23
製作国:日本
配給:シネカノン
製作総指揮:
製作:李鳳宇、河合洋、細野義朗 
監督:李相日
脚本:李相日 、羽原大介
企画:石原仁美
撮影:山本英夫
音楽:ジェイク・シマブクロ
出演:松雪泰子 、豊川悦司 、蒼井優 、山崎静代 、池津祥子 、徳永えり 、三宅弘城 、寺島進 、志賀勝 、高橋克実 、岸部一徳 、富司純子

李相日監督は「雇われ仕事」は上手ね。「69」も素敵だったし。で、自分が作りたいオリジナル作品にチャレンジした「スクラップ・ヘブン」どうしようもなく破綻してしまっていたわね。で、この「フラ・ガール」炭鉱が閉鎖されて行く時代に何らかのビジネスを創り上げなければ、という常磐炭鉱の物語。どこまで演出が加わってるかはともかく「陽はまた昇る」の系統の「企業モノ」の範疇に入れていいのかしら。実話だし。基本的に。だけどそのわりには矢口史靖的な「まきこまれ&目的達成経過感動」モノでもあるし。竹中直人は出てないけどね。ともはれ主役はハワイアンの先生(実在の人なんだそうだ)役の松雪泰子。映画の時間軸はせいぜい1年くらいなんだけど、どんどんババアになっていくの。人間って「イヤな性格」の時は不当に若く美人に見えて、「人間味がでてきた」時は表情が緩んでババアに見えてしまうっていうポイントを抑えた「見事な演技(メイク術も)のお手本」かもしれない。で、肝心の常磐ハワイアンセンターはわたしは行った事もないし、おそらく一生行く事もないだろうから、なーんにも思い入れがないので映画のクライマックスで「ついに完成!大成功!みんな綺麗に踊れた!」って言われてもねぇ、感動の押し売りにちょっと引いた。しずちゃんがでかいのに驚いた。あのでかさだけで日本映画界には貴重なキャラになるかもしれないわ。

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点子ちゃんとアントン 2006-10-27

Tenkoanton原題:PUNKTCHEN UND ANTON
邦題:点子ちゃんとアントン
時間:108分
公開:2001-06-30
製作年度:2000
製作国:ドイツ
配給:メディア・スーツ
製作総指揮:
製作:ペーター・ツェンク、ウッシー・ライヒ
監督:カロリーヌ・リンク
脚本:カロリーヌ・リンク
原作:エーリッヒ・ケストナー
撮影:トルステン・ブロイアー
音楽:ニキ・ライザー
出演:エレア・ガイスラー 、マックス・フェルダー 、ユリアーネ・ケーラー 、アウグスト・ツィルナー 、メーレト・ベッカー 、シルヴィー・テステュー 、グードルーン・オクラス

ケストナーの原作は中学校の頃に図書室で借りて読んだ記憶がある。でも舞台はこんなに「現代風」なイメージがなかったのでちょっとビックリ。当時からなんで「点子」ちゃんって日本語の名前をつけてるのか不思議だったけど、なぜ?お話はほぼ原作どおりで「お金持ちのお嬢様」が「しもじもの庶民にも分け隔てなく接する」。「学校の友人が庶民でも超貧乏な片親の子」だけど「分け隔てなく接するから友達」。「点子の親は上流階級で差別主義者」だから「片親の子の親を見下す」・・・。というように「金持ち」と「貧乏」の「和解」をテーマにした啓蒙作品なわけで、オトナが知った風な議論をすると鼻持ちなら無いから「点子ちゃんというキャラのいい子供」を使ってオブラートに包んだっていうわけね。映画ではアントンのお母さんが部屋の中で息子に「大道芸?」を見せるところが素敵だったわ。

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ダンジョン&ドラゴン2  2006-10-24

116166624632407原題:DUNGEONS & DRAGONS:THE ELEMENTAL MIGHT
邦題:ダンジョン&ドラゴン2
時間:105分
公開:2006-10-21
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:AMGエンタテインメント
製作総指揮:コートニー・ソロモン 、アラン・ゼマン 、デヴィッド・コルダ
製作:スティーヴ・リチャーズ、スティーヴ・クラーク=ホール、ヴォルフガング・エゼンヴァイン  監督:ジェリー・リヴリー
脚本:ロバート・キメル 、ブライアン・ラドニック
原作:
撮影:イゴール・メグリック
音楽:デヴィッド・ジュリアン
出演:マーク・ダイモンド 、クレメンシー・バートン=ヒル 、ブルース・ペイン 、エリー・チドジー 、スティーヴン・エルダー 、ルーシー・ガスケル 、ティム・スターン 、ロイ・マースデン 、ヴィタウタス・ラムサス

「2」と銘打ってるから「1」があったんだろうし、そんなことはどうでもいいけど、有名なロールプレイングゲームの映画化っていうことで「マニアの皆さんいかがですか?」な作品。で、マニアじゃないわたしはすっかり置いてけぼりになってしまったわけで、とはいえ、RPGは面倒だけど有名どころはプレイしたことがあるんで、その経験を思い出しながら対応したっていうわけ。で、完全に違和感っていうのが「レベルアップ」と「経験値」っていうゲーム的構造がなかった事。謎解き(迷宮にはいってからの仕掛け)とかが主要な冒険のポイントになってるって事。原作のゲームがそういう構造ならばしょうがないけど、「マザー」シリーズを今年プレイした経験からいうと(同じに語るなって声が聞こえそう)やっぱり醍醐味はレベルアップと覚える「魔法」なんだもの。いろいろお買い物したりね。そういうのが無いから残念。っていうか、そういう目的で観る映画じゃないんだろうしね。じゃ、なんでこんな映画観に行ったの?っていうとお正月映画の「エラゴン」っていうのがさっぱり意欲をそそらないので、ちょっとウォーミングアップしようって思ったから。でもよけい「エラゴン」を観たくなくなっちゃった。って、これまた一緒にするな!って怒られるわよね。

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天使にさよなら 2006-10-23

Gabrielandme原題:GABRIEL & ME
邦題:天使にさよなら
時間:88分
公開:2002-07-06
製作年度:2001
製作国:イギリス
配給:コムストック
製作総指揮:クリス・ボールド 、エレン・ブロンフマン 、アンドリュー・ハウプトマン
製作:マーク・サミュエルソン、ピーター・サミュエルソン 
監督:ウダヤン・プラサッド
脚本:リー・ホール
原作:
撮影:アラン・アーモンド
音楽:スティーヴン・ウォーベック
出演:イアン・グレン 、ショーン・ランドレス 、デヴィッド・ブラッドリー 、ロージー・ローウェル 、ビリー・コノリー 、イアン・カレン

イギリスの下層階級の子供の「純粋な心を持ってる」という幻想=ウソを好んで映画にするケースが多くて辟易するわ。もちろん「リトル・ダンサー」みたいに奇跡のような上質な作品もでてくるけどね。で、この作品はそんな「観客の予断した善意」に甘えただけのバカ映画になってるわけ。ほとんど「こんな子いないでしょ?いたら変すぎるわよね」っていう「天使になりたい男の子」が妄想=思い込みで周りをまきこんでいく。父親の肺癌を天使として治したいっていう「思い」で天使になろう、なれる!っていう精神構造からして「隔離」したほうが世間に迷惑がかからないタイプの少年。もちろん、父親は肺癌で死んでいくし、なんにも救われないまま、映画が完結しちゃうの。いったい何を描きたかったのかまったく理解不能なんで、結局冒頭の「イギリスの下層階級の子供のちょっと不思議ちゃんな物語」っていうのに騙される「固定客」向けの商品ってことなのかしらね。

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恋愛適齢期 2006-10-22

Somethingsgottagive原題:SOMETHING'S GOTTA GIVE
邦題:恋愛適齢期
時間:128分
公開:2004-3-27
製作年度:2003
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:
製作:ナンシー・マイヤーズ、ブルース・A・ブロック
監督:ナンシー・マイヤーズ
脚本:ナンシー・マイヤーズ
原作:
撮影:ミヒャエル・バルハウス
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジャック・ニコルソン 、ダイアン・キートン 、キアヌ・リーヴス 、フランシス・マクドーマンド 、アマンダ・ピート 、ジョン・ファヴロー 、ポール・マイケル・グレイザー 、レイチェル・ティコティン
キアヌ・リーブスがかわいそうな結末。ジャック・ニコルソンとダイアン・キートンという「老境」にあるふたりが本気でラブストーリーに取り組んでるっていう不思議な映画。いったい誰に見て欲しいんだろう。ラブコメにしてはお年を召してるし、でもテイストはラブコメだし、でも「恋愛」についてはわたしくらいの年齢だとリアリティに欠けるし、ということで客層が見えない作品よね。見始めれば物語に巻き込まれていっちゃうからいいんだけど、見る事を決心するのに「理由がみつかりにくい」映画だわ。ジャック・ニコルソンでもないし、ダイアン・キートンでもないし、でやっとこキアヌ・リーブス出演の恋愛映画っていうウリ言葉になるのかしら。って興業の心配してもしょうがないわよね。もうDVDなんだし。

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10日間で男を上手にフル方法 2006-10-21

Howloseguy原題:HOW TO LOSE A GUY IN 10 DAYS
邦題:10日間で男を上手にフル方法
時間:116分
公開:2003-08-09
製作年度:2003
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:リチャード・ヴェイン
製作:ロバート・エヴァンス、クリスティーン・フォーサイス=ピータース、リンダ・オブスト 
監督:ドナルド・ペトリ
脚本:クリステン・バックリー 、ブライアン・リーガン 、バー・スティアーズ
原作:ミシェル・アレクサンダー 、ジェニー・ロング
撮影:ジョン・ベイリー
音楽:デヴィッド・ニューマン
出演:ケイト・ハドソン 、マシュー・マコノヒー 、キャスリン・ハーン 、アニー・パリッセ 、アダム・ゴールドバーグ 、トーマス・レノン 、マイケル・ミシェル 、シャロム・ハーロウ 、ベベ・ニューワース 、ロバート・クライン 、セリア・ウェストン

ケイト・ハドソンの無防備なネコみたいな笑顔が大好きで、鏡に向って真似してみたりしてるけど、なかなか難しい。それはさておき「当初の設定だけが大事」なラブコメ。それぞれが「恋愛にまつわる結果を賭けの対象に」しながら結局「恋愛しちゃう」っていう御伽噺なわけで、完全なる「女友達と時間つぶしするムービー」よね。男の子は嫌がるだろうから、ここまでの「おんな側にメリットのある」映画はデートムービーには無理かも。いろいろ論じるよりも2時間ホンワカして、ラストにハッピーエンドで気分良くなれるっていうだけでサプリメントな効用のある映画ってことでいいんじゃない?

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カポーティ 2006-10-20

Capote原題:CAPOTE
邦題:カポーティ
時間:114分
公開:2006-09-30
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:ダン・ファターマン 、フィリップ・シーモア・ホフマン 、ケリー・ロック 、ダニー・ロセット
製作:キャロライン・バロン、マイケル・オホーヴェン、ウィリアム・ヴィンス 
監督:ベネット・ミラー
脚本:ダン・ファターマン
原作:ジェラルド・クラーク
撮影:アダム・キンメル
音楽:マイケル・ダナ
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン 、キャサリン・キーナー 、クリフトン・コリンズ・Jr 、クリス・クーパー 、ブルース・グリーンウッド 、ボブ・バラバン 、エイミー・ライアン 、マーク・ペルグリノ 、アリー・ミケルソン 、マーシャル・ベル

「冷血」って3回くらいチャレンジしたけど読了したことがないの。どうも翻訳が悪いのか、読みづらい。って不満を言ってもしょうがないけど、「冷血」が書かれた頃のカポーティを描いた作品。さすがにアカデミー主演男優賞を獲得しただけあってフィリップ・シーモア=ホフマンは迫力があったわ。人間ってここまで「演じる」ことができるのね、っていう演技力の可能性を見せつけられた気がするわ。メジャー映画にはない「描きたいテーマをとことん追求する作品」としてはハイレベルにあるし、後半の犯人が死刑に至るまでのまだるっこしさはちょっぴりマイナスポイントだと思うけど、きっちり鑑賞しきれた満足する逸品だったわ。でも多分「冷血」は一生読まないかも。

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ワールド・トレード・センター 2006-10-19

Wtc原題:WORLD TRADE CENTER
邦題:ワールド・トレード・センター
時間:129分
公開:2006-10-07
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:
製作:マイケル・シャンバーグ、ステイシー・シェア、モリッツ・ボーマン、オリヴァー・ストーン、デブラ・ヒル 
監督:オリヴァー・ストーン
脚本:アンドレア・バーロフ
原作:
撮影:シーマス・マッガーヴェイ
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:ニコラス・ケイジ 、マイケル・ペーニャ 、マギー・ギレンホール 、マリア・ベロ 、スティーヴン・ドーフ 、ジェイ・ヘルナンデス 、マイケル・シャノン 、ニック・ダミチ 、ダニー・ヌッチ 、フランク・ホエーリー

「911」とか「実話」っていうインパクト=コマーシャルなビジネス的計算で成立した作品だっていうことで、私が絶賛する「ユナイテッド93」との立ち位置が決定的に違うので支持できないわ。だって普通の企画だったら成立しないレベルの映画なんだもの。こんなのどっかの「炭鉱で行き埋めになった工夫が頑張って助かるまで生きてた」っていうレベルの話と同じなんだもの。主人公のふたりは瓦礫に埋まって横たわって叫んでいるだけ。ニコラス・ケイジにいたっては半分土に埋まった顔のアップだけで2時間すごしてピクリともしないで「現状からの脱出への超人的努力」=「映画的スペクタクル」が皆無。生き残るために「ポセイドン」みたいに大冒険するのがエンターテイメント活劇映画なら、この映画は生き残るために「会話を交し合う」だけの静劇映画ね。まあ、実話なんだからウソはつけないだろうけど。回想シーンでチョコチョコと五体満足で事故前の幸せな家庭風景が描かれるけど、とってつけたような「あの幸せな場所」のステレオタイプな表現にしかなってないの。こんなレベルで「アカデミー賞有力候補」なんておこがましいし、アカデミー賞911ネタ部門なら圧倒的に「ユナイテッド93」が勝利することは間違いないわ。

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サンキュー・スモーキング 2006-10-17

Thankyouforsmoking原題:THANK YOU FOR SMOKING
邦題:サンキュー・スモーキング
時間:93分
公開:2006-10-14
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ピーター・シール、イーロン・マスク、マックス・レヴチン、エドワード・R・プレスマン、ジョン・シュミット、アレッサンドロ・ケイモン、マイケル・ビューグ 
製作:デヴィッド・O・サックス
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ジェイソン・ライトマン
原作:クリストファー・バックリー
撮影:ジェームズ・ウィテカー
音楽:ロルフ・ケント
出演:アーロン・エッカート 、マリア・ベロ 、アダム・ブロディ 、サム・エリオット 、ケイティ・ホームズ 、ロブ・ロウ 、ウィリアム・H・メイシー 、ロバート・デュヴァル 、キャメロン・ブライト

女性喫煙者割合は12%ってことで、その12%の一人である私は「テーマだけで支持したい映画」の一本ってことで注目してた映画。タバコ産業界の広報担当者が主人公で、タバコバッシングをするエキセントリックな上院議員とわたりあうっていうだけで溜飲が下がりそうなんだけど、作品としてはちょっとモタモタしててイライラしたわ。軽いコメディなんだろうから複雑な「啓蒙的テーマ・問題意識」なんてものは「あるフリ」だけしてればいいのに、なにか一言いわないと気がすまない「飲み会の上司」みたいな感じに鎮座してるの。子供との家族関係とか…。で、まあ上院議員は勝利してタバコ産業は衰退の一途になっていくんだけど喫煙者としては悲しい。アメリカで「ティファニーで朝食を」の切手が発行されたときも、オードリーのもつエレガントなロングパイプの、タバコがある先っぽを印面からはずしたっていう「方向違いの悪意」イヤ。この「エスカレートする狂気」でアメリカは世界を滅ぼすことになるかもしれないから、怖い。

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エミリー・ローズ 2006-10-14

Emilyrose原題:THE EXORCISM OF EMILY ROSE
邦題:エミリー・ローズ
時間:120分
公開:2006-03-11
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:
製作:ポール・ハリス・ボードマン、ボー・フリン、ゲイリー・ルチェッシ、トム・ローゼンバーグ、トリップ・ヴィンソン 
監督:スコット・デリクソン
脚本:ポール・ハリス・ボードマン 、スコット・デリクソン
原作:
撮影:トム・スターン
音楽:クリストファー・ヤング
出演:ローラ・リニー 、トム・ウィルキンソン 、キャンベル・スコット 、ジェニファー・カーペンター 、コルム・フィオール 、ジョシュア・クローズ 、ケン・ウェルシュ 、ダンカン・フレイザー 、JR・ボーン 、メアリー・ベス・ハート 、ヘンリー・ツェーニー 、ショーレ・アグダシュルー

インチキなオカルト映画かと思って劇場公開をパスしてたら、友達から「けっこうイイ」と情報が入ってきてた作品。で、意外と面白かった。悪魔祓いをしたけど失敗して依頼人を死なせてしまった神父の「業務上過失致死」を裁く法廷劇なんだもの。しかも実話なんだって。コートものとしてはちゃんと作られているわ。事件そのものはオカルトな現象か科学で説明可能な現象かが争われるんだけど、再現部分ではかなり「本気でオカルト」な仕上がりになってるから怖い。悪魔憑きか精神疾患かっていうんだけど、監督は前者に軸足を置いてるみたいね。エミリーは6匹の悪魔を体内に抱えながら、それを神から与えられた「自分が選ばれた運命」に殉じるっていう決心をした、っていう事になってるけど、さすがに裁判では陪審員は「科学の味方」だったみたいね。

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大停電の夜に 2006-10-14

Daiteidennoyoruni邦題:大停電の夜に
時間:132分
公開:2005-11-19
製作年度:2005
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:椎名保
製作:荒木美也子
監督:源孝志
脚本:相沢友子 、源孝志
原作:
撮影:永田鉄男
音楽:菊地成孔
出演:豊川悦司 、田口トモロヲ 、原田知世 、吉川晃司 、寺島しのぶ 、井川遥 、阿部力 、本郷奏多 、香椎由宇 、田畑智子 、淡島千景 、宇津井健
こういうグランドホテル形式っていうの?の映画をつくって見たかったんだろうなぁっていう脚本家や監督の「思い」が見事に空回りしてしまう。大停電という事件によってさまざまな人間関係が交錯して、それぞれの人生のドラマの中でちょっぴりづつ、それと気づかずにすれ違ったり影響を与えたり、っていう物語。でもなんとなく映画の企画書に描かれた「相関図」がまんま見えてしまうの。骨格図がみえてしまう。計算式がね。それじゃあ「・・・のためにココにいる」「・・・のために通りすがる」「・・・のために」っていう映画のために作られたちょっと無理な偶然や、不自然な必然が積み重なってしまうの。スタイリッシュな演出や都会っぽいセリフにコーティングしながらも、まだまだドラマとしての肉付けがしきれてないの。高い目標を掲げたんだろうけど、残念でした。それから病気の美少女モデルと少年のエピソードはいらないかもしれない。意味不明だし。

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マッチスティック・メン 2006-10-13

Matchstickmen_2原題:MATCHSTICK MEN
邦題:マッチスティック・メン
時間:116分
公開:2003-10-04
製作年度:2003
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:ロバート・ゼメキス
製作:ショーン・ベイリー、テッド・グリフィン、ジャック・ラプケ、リドリー・スコット、スティーヴ・スターキー
監督:リドリー・スコット
脚本:ニコラス・グリフィン 、テッド・グリフィン
原作:エリック・ガルシア
撮影:ジョン・マシソン
音楽:ハンス・ジマー
出演:ニコラス・ケイジ 、サム・ロックウェル 、アリソン・ローマン 、ブルース・マッギル 、ブルース・アルトマン 、スティーヴ・イースティン 、ベス・グラント 、メローラ・ウォルターズ
どの時点から観客を「騙し」に入るかっていうタイミングがこの作品ではけっこう早い。ていうか冒頭のワンエピソードが終わったら、そこからはニコラス・ケイジをターゲットにした大掛かりな「ゲーム」に入っていくの。およそ登場人物全てが彼をターゲットとした「共謀者」だっていう状況なんだけど、そこまで仕掛けるだけのメリットが強調されてないから経費を考えると利益率が異常に悪いんじゃないかしら。中盤くらいから「不必要」かもっていう、意味なく強調したようなシーン(ああ、説明が難しいなぁ)が描かれてくるから、そのあたりから映画の仕掛けを察知できるかもね。とはいえ、潔癖症であるっていうポイントが「映画にとって必要」な性癖・病気だっていうところが弱点かもしれないわ。

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涙そうそう 2006-10-12

Nadasousou邦題:涙そうそう
時間:118分
公開:2006-09-30
製作年度:2006
製作国:日本
配給:TBS、東宝
製作総指揮:八木康夫
製作:濱名一哉、那須田淳、進藤淳一 
監督:土井裕泰
脚本:吉田紀子
原作:
撮影:浜田毅
音楽:千住明
出演:妻夫木聡 、長澤まさみ 、麻生久美子 、塚本高史 、中村達也 、平良とみ 、森下愛子 、大森南朋 、船越英一郎 、橋爪功 、小泉今日子

歌謡映画っていうジャンルが昔あったんだよ、って一緒に観た「男」に言われた。ヒットした歌謡曲を映画のタイトルにして、歌詞のテイストを生かした世界観でどーでもいいアダルトな物語が「お約束」のように展開していく、歌のヒットにあやかった、歌の知名度だけを期待した映画。もちろん、多くの場合は歌手がきっちり歌うシーンがバーやクラブとかで作られるんだよ。なんて豆知識を披露してくれた。で、「リンダリンダリンダ」は?って聞いたら、あれは違うって。その時にヒットしてる歌謡曲をサクサクっと作って、歌がヒットしてる時に間に合わせて公開する、らしい。歌じゃないけど「電車男」が速成映画としちゃ存在は似ているね、だって。検索してみたら歌謡曲だけじゃなくてフォークソングの「妹」や「赤ちょうちん」「神田川」あたりも映画になってるみたいだしね。で、「涙そうそう」だ。TBSが社運?をかけて「涙そうそうプロジェクト」を展開してて、特番やドラマを作ってるのは知ってたし、映画もその延長線上にあるっていうのは理解できるわ。で、ふつうの歌謡映画だったわ。兄妹の愛情を描いた感動作に仕立ててあるんだけど、こんな男いないわよ!って憤慨するくらいなキャラクターを妻夫木聡が熱演してた。「お金だして泣きにきてちょーだい」っていう映画だから、どんなにクサくても観客の涙1滴のためには魂も売ります!な気合が十分。韓国映画がクライマックスをしつこいくらいに重奏的に感動を盛り上げようとベタベタに作り上げるのを超えるクライマックス。主人公は死ななきゃ「泣いてもらえないし」、主人公に冷たくしてたばあさんは死んだ主人公のために島歌を歌わなければ「泣いてもらえないし」、アルバムの写真は抜かれてなければ「泣いてもらえないし」、成人式の晴れ着は突然届かなければ「泣いてもらえないし」、おばあちゃんが解脱したような人生論を滔滔と説教しないと「泣いてもらえないし」・・・。もちろんクレジット後にも用意してます!という「泣いていただくためのツールはクライマックスにたっぷりお好みで用意させて頂いています」っていうサービス満点の映画に仕立て上げられてる。わたしはどれも気に入ったのは無かったから、シラけてたけど、どうやら一緒に観た「男」は晴れ着でツボにはまったらしい。脇が甘い人ね。ああ、油断大敵。

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ザ・センチネル/陰謀の星条旗 2006-10-11

Sentinel原題:THE SENTINEL
邦題:ザ・センチネル/陰謀の星条旗
時間:108分
公開:2006
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:ビル・カラッロ
製作:マイケル・ダグラス、マーシー・ドロギン、アーノン・ミルチャン 
監督:クラーク・ジョンソン
脚本:ジョージ・ノルフィ
原作:ジェラルド・ペティヴィッチ
撮影:ガブリエル・ベリスタイン
音楽:クリストフ・ベック
出演:マイケル・ダグラス 、キーファー・サザーランド 、エヴァ・ロンゴリア 、キム・ベイシンガー 、マーティン・ドノヴァン 、リッチー・コスター 、ブレア・ブラウン 、デヴィッド・ラッシュ 、クリスティン・レーマン 、ライナー・ショーン 、チャック・シャマタ 、ポール・カルデロン

キーファー・サザーランドが大統領警護官(シークレットサービス)役ってことで、案の定大統領暗殺を阻止するわけで、バウワー人気でキャスティングされたのは見え見えってことかしら。ピストル持ってコーナーの向こう側にいそうな敵を狙う「ピストルを保持する腕の角度と目線」はバウワーだったわ、確かに。とはいえ、この映画は自分でもプロデュースして気合入れているベテラン俳優マイケル・ダグラス主演映画だから、それほど目立っちゃいけないし。なんとも複雑な思いが錯綜している映画かもしれないわね。マイケルは自分主演で「おいらが素敵な中年野郎に見える」映画を作りたかったけど、周りが「お前じゃ集客があぶないしぃ」って言われて「ほんじゃ、大統領暗殺ネタだから24でちょっと名を売ってるキーファーに声かけてみよう」「だけど、食われちゃうかもなぁ」なんていう見栄とコマーシャルのせめぎ合いな理由が錯綜して生まれた映画なのかもね。って全部想像だけど。でもありえない!っていう設定だし映画としては脚本に無理があるかもね。ラストの銃撃戦も誰が誰やら、味方と敵の区別も判らないくらいに撃ち合うし、ここまで一応ストーリーを踏んできたのにラストに意味不明になっちゃってる。マシンガン撃ってるカナダバッヂの人たちは何?やっぱり雇われた敵?なんだろうなぁ。

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ティン・カップ 2006-10-11

Tincup原題:TIN CUP
邦題:ティン・カップ
時間:135分
公開:1996-09
製作年度:1996
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮: アーノン・ミルチャン 
製作:ゲイリー・フォスター、デヴィッド・レスター 
監督:ロン・シェルトン
脚本:ジョン・ノーヴィル 、ロン・シェルトン
原作:
撮影:ラッセル・ボイド
音楽:ウィリアム・ロス
出演:ケヴィン・コスナー 、レネ・ルッソ 、ドン・ジョンソン 、チーチ・マリン 、デニス・バークレイ 、ルー・メイヤーズ 、レックス・リン

最近ゴルフを再開して、ついでにゴルフの映画でもってHMVをフラフラしてたら680円で売ってたので衝動買いしちゃったDVD。ケヴィン・コスナーがやることなすこと映画的にヘコんでた頃の作品かしら。ボーリングでも野球でもチェスやマージャンでもいいけど、この映画じゃゴルフ。っていうタイプの映画ね。才能はあるのにヘコんでるプレーヤーが女性の愛で復活してハイレベルのゲームに勝利する!っていうステレオタイプな映画。アメリカンブルーカラーの週末娯楽にぴったりな作品だけど、ブルーカラーにゴルフっていうテーマは無理だったのかもね。ブルジョアすぎて。ボクシングやフットボールっていうネタの方がヒットしてるし観客レベルには相当かもしれないわ。だから「ロッキー」「ロンゲスト・ヤード」っていう同タイプの映画は大ヒットしたのね。きっと。2時間15分っていうのも長すぎるかもしれないわ。ライバルとの確執を描くエピソードが多すぎかもしれないわ。

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たそがれ清兵衛  2006-10-10

Tasogareseibei邦題:たそがれ清兵衛
時間:129分
公開:2002
製作年度:2002-11-02
製作国:日本
配給:松竹
製作総指揮:
製作:中川滋弘、深澤宏、山本一郎
監督:山田洋次
脚本:山田洋次 、朝間義隆
原作:藤沢周平
撮影:長沼六男
音楽:冨田勲
出演:真田広之 、宮沢りえ 、小林稔侍 、大杉漣 、吹越満 、伊藤未希 、橋口恵莉奈 、深浦加奈子 、神戸浩 、草村礼子 、嵐圭史 、中村梅雀[2代目] 、赤塚真人 、佐藤正宏 、桜井センリ 、北山雅康 、尾美としのり 、中村信二郎 、田中泯 、岸恵子 、丹波哲郎

山田洋次監督が図に乗って「時代劇でも僕は巨匠」っていうスタンスを「発見」して、あと10年は生きていけるっていう監督余命を確信したマイルストーンな作品。よく年は「鬼の爪」、今年は「キムタクのズラは似合うかしら?の一分」。で、おさらいのためにチェック。前にも見た時感じた違和感は今回も同じだったわ。真田広之の彫の深いソース顔の武士。これってちょっと「合わない」って思いだすと、物語なんかそっちのけで「違和感」を克服する努力をし続けなきゃいけないの。今回はショックアブソーバがかかってたから大丈夫だったけどね。それに「宮沢りえをもう一回見ておこう」っていう目的だったから。で、再見した宮沢りえは演技者としては、やっぱりこの作品は優れていたって結論ね。抑えて我慢する「愛」を描くのにぴったりだったかも。「鬼の爪」でも同じようなテーマがあって、東宝でも「蝉しぐれ」でも流行にのって、あ、やっぱりマイルストーンよね。この映画。「愛に対する武士のやせ我慢」っていうほんの12文字で語れちゃうレベルのテーマだけど。

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バニラ・スカイ 2006-10-10

Vanillasky原題:VANILLA SKY
邦題:バニラ・スカイ
時間:137分
公開:2001-12-22
製作年度:2001
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:
製作:トム・クルーズ、ポーラ・ワグナー
監督:キャメロン・クロウ
脚本:キャメロン・クロウ
原作:アレハンドロ・アメナーバル、マテオ・ヒル
撮影:ジョン・トール
音楽:ナンシー・ウィルソン
出演:トム・クルーズ 、ペネロペ・クルス 、カート・ラッセル 、キャメロン・ディアス 、ジェイソン・リー 、ジョニー・ガレッキ 、W・アール・ブラウン 、ジェニファー・アスペン 、アリシア・ウィット 、ノア・テイラー 、ティルダ・スウィントン
アカデミー賞有力候補の文字がフライヤーに躍ってるけど、スペインのアート映画のリメイクだもの。トム・クルーズが「体当たり?」で壊れた顔のスキキヨさんマスクを被って頑張ってるけど、これまた夢オチな映画だから笑止。冒頭の巨大トレーラーが突っ込んできて間一髪っていうシーンで「ああ、ここから夢なのかしら」って想定してストーリーを追ってたけど、クライマックスじゃ全然違うポイントをアト出しジャンケンみたいに提示されて、ちょっぴりムカついたわ。「マトリックス」的な世界観も入ってるし、いろいろ「謎」を描かれてもしつこくて冗長だから飽きてきちゃう。2時間超える映画である必要ないって思うわ。とはいえ、観て無かったから「務め」として観たの。って誰の務め?

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レディ・イン・ザ・ウォーター 2006-10-06

Ladyinthewater原題:LADY IN THE WATER
邦題:レディ・イン・ザ・ウォーター
時間:110分
公開:2006-09-30
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:
製作:M・ナイト・シャマラン、サム・マーサー
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
原作:
撮影:クリストファー・ドイル
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ポール・ジアマッティ 、ブライス・ダラス・ハワード 、フレディ・ロドリゲス 、ジェフリー・ライト 、ボブ・バラバン 、サリタ・チョウドリー 、ビル・アーウィン 、ジャレッド・ハリス 、M・ナイト・シャマラン 、シンディ・チャン 、メアリー・ベス・ハート 、ノア・グレイ=ケイビー

底が微妙に浅いんで、わたしにとっては「残念」が多いシャマラン監督。この作品は「サイン」に続く「エイリアン(異邦人)」&「クリーチャー」もの。もちろん、主人公がもっている過去の事件による心の傷が癒されたりっていう芸風も生きているわ。でも「サイン」の荒削りな、思いこみが深い強引さも無くなって、けっこう洗練されてきてる、っていうか成長してるみたいね。ともあれ物語としては「水の精が行き詰った世界を救いに来る」っていう御伽噺(原作あるのかしら?)をプロローグで説明して「今回のテーマ」をきちんと提示してるから、まあ判りやすいし、納得できる(唖然としない)終り方だから耐えられた。って耐えるタイプの映画じゃないけど、冒頭10分で仕掛けが判っちゃったときのシャマラン作品は残りを「耐え」なきゃいけないトラウマがあるから。で、舞台は人種の坩堝のアメリカを象徴するようなプール付きのアパートメント。修繕人&管理人がジアマッティで、彼の達者な演技が映画のクオリティを7%くらいあげてるかも。で、そのアパートのプールに水の精が送り込まれて、あらかじめ「出会う」運命の人物と出合って、それがきっかけで世界が「善に変貌」するという救済系の話が展開し始めるの。で、これって「ぼくの地球を救って…」を作りたかったのかしら。「覚醒」がキーワードね。住民達がこれまた運命的に割り振られた「守護者」「治癒者」なんかの使命に「覚醒」して、水の精の目的を支援するっていうドラマなわけで、シャマランがどんどん「あっちの世界」へ行こうというアジテートを深めてきてる。危険かも。しかも、世界を救う子供が影響を受ける「思想」を書物にした人物役をシャマラン本人が演じてるから、もうOR状態。救世主の教育係な立ち位置に仁王立ちしてるから、ちょっと怖い。本来ならば、そんなこと考えないで「なんかぁ、話題になってるしぃ、ファンタジー映画よね、あ、大きな犬ちょっと怖ーい。水の精って良く見ると不細工じゃん」って甘くコーティングしたポプコーンを彼と分け合いながら楽しむ「ふつうの女の子」でいたかったけど、わたしはもう手遅れね。ああ、シャマラン大丈夫かしら。

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ELEVATED 2006-10-05

Elevated原題:ELEVATED
邦題:ELEVATED
時間:20分
公開:第二日テレ
製作年度:1996
製作国:カナダ
配給:ポニーキャニオン
製作総指揮:
製作:スティーヴン・ホーバン、ヴァネッサ・C・ローファー 
監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本:カレン・ウォルトン 、ヴィンチェンゾ・ナタリ
原作:
撮影:デレク・ロジャース
音楽:
出演:ヴィッキー・パパヴス 、ブルース・マクフィー 、デヴィッド・ヒューレット

ナタリ監督っていえば密室映画の巨匠?なわけで、そんな彼の習作時代の作品。エレベーターの中にいる3人の男女が謎の襲撃者に恐怖しながらも、お互いを信じきれないという精神的に追い詰められる葛藤をジクジクと描いて行くの。ああ、ナタリ節ね、っていうだけの「色」があるわ。登場人物がギリギリ崩壊寸前の心をごまかしながら正常なフリをして、でもパニックになってるっていう状態を描かせるとね。20分の短編だから、オチへ向ってのスピード感が大事だと思うけど、いっきに見せきった力は凄いと思うわ。オチも素敵。っていうか、こうあったら面白いのにっていうのを期待通りにしてくれたもの。

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トゥモロー・ワールド 2006-10-05

Childrenofmen_1原題:CHILDREN OF MEN
邦題:トゥモロー・ワールド
時間:110分
公開:2006-11-18
製作年度:2006
製作国:アメリカ/イギリス
配給:東宝東和
製作総指揮:アーミアン・バーンスタイン、トーマス・A・ブリス 
製作:マーク・エイブラハム、エリック・ニューマン、ヒラリー・ショー、トニー・スミス 
監督:アルフォンソ・キュアロン
脚本:アルフォンソ・キュアロン、ティモシー・J・セクストン 
原作:P・D・ジェイムズ  『人類の子供たち』(早川書房)
撮影:エマニュエル・ルベツキ
音楽:ジョン・タヴナー
出演:クライヴ・オーウェン 、ジュリアン・ムーア 、マイケル・ケイン 、キウェテル・イジョフォー 、チャーリー・ハナム

どこで上映するのかと思ったら「日劇1」だって。大丈夫かしら。日本最大のチェーン興行じゃない。どうみてもイギリス映画だし、クイントで上映した「28日後」と空気感はそっくりだし、まあそれなりにバトルシーンはお金をかけてるみたいだけど、所詮、ハリウッドのケレン味たっぷりなCGバリバリ、大破壊カタルシスっていう「見せ場」が弱いし、だいたい物語が「感情移入」できないっていう致命的な欠点を持ってる。ああ、疲れた。一見、予告もキービジュアルも「ハリウッドの超大作SFスペクタクル」みたいな宣伝展開をしてるけど、全然だまされた!って感じ。PRの仕方によっては「28日後」だって日劇チェーンにかけられるわよね。でも、そんな事したら観客は二度と日劇チェーン映画の宣伝を信じなくなると思うの。だからクイントっていう身の丈にあった劇場で公開したって思うの。でも、この映画は「誇大」にややモラル超越して宣伝展開してる気がするから要注意よね。せいぜい「有楽座」や「スバル座」レベルの作品の格だと思うけどなぁ。

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ダブルマックス  2006-10-03

Bodyguardthe原題:THE BODYGUARD
邦題:ダブルマックス
時間:95分
公開:2005-11-26
製作年度:2004
製作国:タイ
配給:クロックワークス
製作総指揮:ソムサック・デーチャラタナプラスート
製作:
監督:ペットターイ・ウォンカムラオ 、パンナー・リットグライ
脚本:ペットターイ・ウォンカムラオ
原作:
撮影:ナタウット・キッティクン
音楽:
出演:ペットターイ・ウォンカムラオ 、プマワーリー・ヨートガモン 、トニー・ジャー
ストーリーよりもアクションさ、っていう香港カンフーもののテイストがタイで模倣されるとこうなるっていう映画ね。主人公がふつうのオヤジなところがチャウ・シンチー風に「だささ」=「キャラ」に仕立ててあるから、素直に見れば「面白目」な仕上がりになってるわ。とはいえ、どうやらタイでは有名な喜劇人やら二枚目やらが総登場な映画らしく、脇役でも「笑いをとる美味しい場面」が用意されてるし、タイの劇場だったら大爆笑なんだろうなっていう「定番のギャグ」らしきものもふんだんに使われてる(らしい)。そういう意味では、自国民の理解以上のものを望んでないプログラムピクチャーなのに、トニー・ジャーがちょっと出てるっていうだけで輸入してしまう日本の映画配給会社の「節操の無さ」が悲しいかもしれないわね。

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