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太陽 2006-08-29

Thesun原題:LE SOLEIL
邦題:太陽
時間:115分
公開:2006-08-05
製作年度:2005
製作国:ロシア/イタリア/フランス/スイス
配給:スローラーナー
製作総指揮:
製作:イゴール・カレノフ、アンドレイ・シグレ、マルコ・ミュレール 
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
脚本:ユーリー・アラボフ
原作:
撮影:
音楽:アンドレイ・シグレ
出演:イッセー尾形 、ロバート・ドーソン 、佐野史郎 、桃井かおり 、つじしんめい

ロシア映画が続くけど、これはヒットしてるみたい。公開すぐにパトスへ行ったら長蛇の列であきらめたの。で、お盆をやりすごして観に行ったら、やっぱり満席。平日のレディスデーでもなくお昼からの回っていう「まずこれなら空いてるだろうな」っていう条件を全部満たしても満席。いったいどうなってるのかしら。ロシアのアート系映画で名高いソクーロフ監督の珍作。というのも全編がほぼ日本語っていう日本映画とも思われるような作り。イッセー尾形が昭和天皇役でブツブツと独り言をつぶやき続ける淡々とした平板な日常の描写。それがまあ隔絶した「宮中」という別世界の象徴なのかもしれないんけど、はっきり言って「退屈」の二文字しか浮かんでこなかったわ。平家ガニのシーン、チョコのシーンに「そうだったろうという作り手の幻」がアート系映画としての存在感かしら。ソクーロフが昭和天皇を描くことでメッセージしたいことを受け止めるほどの度量がわたしに無いだけかもしれないけどね。それよりも「トニー滝谷」といいイッセー尾形が選択する「役柄」はヘンっていう結論を出しておこう。

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ナイト・ウォッチ 2006-08-27

Nightwatch原題:NOCHNOY DOZOR
邦題:ナイト・ウォッチ
時間:115分
公開:2006-04-01
製作年度:2004
製作国:ロシア
配給:FOX
製作総指揮:
製作:コンスタンティン・エルンスト、アナトリー・マキシモフ 
監督:ティムール・ベクマンベトフ
脚本:ティムール・ベクマンベトフ 、レータ・カログリディス
原作:セルゲイ・ルキヤネンコ
撮影:セルゲイ・トロフィモフ
音楽:ユーリ・ポテイェンコ
出演:コンスタンチン・ハベンスキー 、ウラジーミル・メニショフ 、マリア・ポロシナ 、ガリーナ・チューニナ 、ヴィクトル・ヴェルズビツキー

韓流が真っ逆さまな「ブーム消失」の中、なんとかしなきゃっていう映画配給の世界が無理矢理作ろうとしてる、かもしれないロシア映画ブーム。絶対無理なんだけど、すがるものが欲しいのかもね。というわけで、「大国ロシアの本気を見ろ」(うる覚えだけど)っていうようなキャッチコピーで「大統領のカウントダウン」っていうチェチェンテロ活劇映画があって、思いっきりがっかりさせられたけ。今度は公開時に「ロシアのマトリックス」(うつ覚えだけど)みたいな謳い文句だった「ナイト・ウォッチ」。一部のシネコンでしか公開してなかったから見逃してたのでDVDを借りて見た。しかも半額キャンペーン。200円だったもの。で、200円の価値もなかったっていう結論なんだけど、これも映画配給会社がポスト韓流をなんとか作らないと生死にかかわるっていうんで、ロシア映画に着目した結果なのよね。きっと。そうでなければ、日本に輸入さえされないレベルのバカ映画なんだもの。光と闇の戦いが人類史を超えたレベルで繰り広げられていて、っていう世界観の前提だけで、もうどうでもいい状態になってしまう。使い古されてそこら中に毛玉ができてるようなテーマ。そんなものを真っ向正面からアメリカの超大作映画のテクニックを安っぽく模倣してるの。こういうレベルの映画に頼っていかなければならないのも辛いわよね。

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スーパーマン リターンズ 2006-08-23

Supermanreturn原題:SUPERMAN RETURNS
邦題:スーパーマン リターンズ
時間:154分
公開:2006-08-19
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:クリス・リー 、トーマス・タル 、スコット・メドニック
製作:ブライアン・シンガー、ギルバート・アドラー、ジョン・ピーターズ 
監督:ブライアン・シンガー
脚本:マイケル・ドハティ 、ダン・ハリス
原作:ジェリー・シーゲル、ジョー・シャスター 
撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
音楽:ジョン・オットマン
出演:ブランドン・ラウス 、ケヴィン・スペイシー 、ケイト・ボスワース 、ジェームズ・マースデン 、フランク・ランジェラ

全身マヒの前スーパーマン役の俳優が亡くなったのは最近のニュースだっけ。その映画を観て無かったんだけど立て続けにテレビで放映してた。もちろん、今年の作品の宣伝もあってだろうけど、比較しちゃうわよね。前回のシリーズのクライマックスから数年後っていう設定らしい。人物構造もストーリーの起承転結な「お約束」も進化皆無。スーパーマン役の俳優が、C級の学園ドラマでバスケ部のその他大勢が似合いそうなIQ低そうな目線の定まらない兄ちゃん。ビシって目線が定まるのって、ピストルの玉が瞳に当たって潰れるシーンだけなんだもの。あとは浮ついたまま2時間半。となると悪役が活躍して溜飲を下げさせてもらわなきゃならないんだけど、これまた小物。テレビで見たジーン・ハックマンの「洗練された狡猾さ」っていう存在感がなくて、チョイ悪なクルーゾー警部みたいなバカ。それでもお気楽な勧善懲悪な映画に仕上げてあるからアメリカ人レベルには週末のお楽しみ映画ってことで成立しちゃってるのね。

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ピンクパンサー 2006-08-18

Pinkp2005_1原題:THE PINK PANTHER
邦題:ピンクパンサー
時間:93分
公開:2006-05-13
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:FOX
製作総指揮:アイラ・シューマン 、トレイシー・トレンチ
製作:ロバート・シモンズ
監督:ショーン・レヴィ
脚本:レン・ブラム 、スティーヴ・マーティン
原作:レン・ブラム、マイケル・サルツマン
撮影:ジョナサン・ブラウン
音楽:クリストフ・ベック
出演:スティーヴ・マーティン 、ケヴィン・クライン 、ビヨンセ・ノウルズ 、ジャン・レノ 、クリスティン・チェノウェス

5月16日に続いて2度目。NWA機内上映。

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パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 2006-08-17

Pofcdeadmanchest_1原題:PIRATES OF THE CARIBBEAN: DEAD MAN'S CHEST
邦題:パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
時間:151分
公開:2006-07-22
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:ブエナビスタ
製作総指揮:ブルース・ヘンドリックス 、エリック・マクレオド 、チャド・オマン 、マイク・ステンソン
製作:ジェリー・ブラッカイマー
監督:ゴア・ヴァービンスキー
脚本:テッド・エリオット 、テリー・ロッシオ
原作:
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ 、オーランド・ブルーム 、キーラ・ナイトレイ 、ビル・ナイ 、ステラン・スカルスガルド

8月4日に続き2度目。GUAMのシネコン。

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ローズ・イン・タイドランド 2006-08-11

115526006310827原題:TIDELAND
邦題:ローズ・イン・タイドランド
時間:117分
公開:2006-07-08
製作年度:2005
製作国:イギリス/カナダ
配給:東北新社
製作総指揮:
製作:ガブリエラ・マルチネリ、ジェレミー・トーマス
監督:テリー・ギリアム
脚本:テリー・ギリアム 、トニー・グリゾーニ
原作:ミッチ・カリン
撮影:ニコラ・ペコリーニ
音楽:マイケル・ダナ 、ジェフ・ダナ
出演:ジョデル・フェルランド 、ジェフ・ブリッジス 、ジェニファー・ティリー 、ジャネット・マクティア 、ブレンダン・フレッチャー

メチャメチャ後味の悪い映画。黒板を爪でひっかき続けるような世界観。心も身体も醜悪であることが義務のような人物描写と、彼らの行動原理。その全部がテリー・ギリアムの心象風景なのかしら。「バロン」の退廃が進化するとこうなるの?っていう感じ。そういう意味では「芸風にゆらぎ」がないみたいね。曲がるボールしか打てないゴルフみたいな。まっすぐ曲がるとフェアウェイの真ん中に落ちる「ブラザー・グリム」が生まれる。OBになると「ドン・キホーテ」かしら。ともあれキャロルのアリスをモチーフにして「怖い童話」風な視点でグロテスクに荒野をさまよう少女と狂った青年の再生なき破綻。そんな映画も宣伝しだいではセレブな主婦が連れ立って見に来てしまうから罪が深いわね。ミイラになり続けるジェフ・ブリッジスにちょぴり同情。

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座頭市物語 2006-08-10

Zatoichimonogarai邦題:座頭市物語
時間:96分
公開:1962-04-18
製作年度:1962
製作国:日本
配給:大映
製作総指揮:
製作:
監督:三隅研次
脚本:犬塚稔
原作:子母沢寛
撮影:牧浦地志
音楽:伊福部昭
出演:勝新太郎 、万里昌代 、島田竜三 、三田村元 、天知茂

たけしの「座頭市」が妙に「バラエティ番組」してたからオリジナルを観たいって思ってた。勝新太郎って凄い。やっぱり「座頭市」というキャラクターは、この俳優じゃなきゃっていう位にはまってる。このオリジナルを知ってるオヤジたちが「たけしのはヘン」と当時言ってたのに納得したわ。さすがに当たり役らしく映画のシリーズも何本もあったうえにテレビシリーズまで勝新太郎で作られてたっていうから本物ね。でも、この最初作はシリーズとか考えてなさそうで、座頭市は仕込み杖を捨てて、いずこともなく去って行くというエンディング。ヒットしたのを見て杖を拾いに行ったのかしら。

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劇場版ポケットモンスター/アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海(うみ)の王子マナフィ 2006-08-09

Pokemon2006邦題:劇場版ポケットモンスター/アドバンスジェネレーション ポケモンレンジャーと蒼海(うみ)の王子マナフィ
時間:108分
公開:2006-07-15
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:
監督:湯山邦彦
脚本:園田英樹
原作:田尻智
撮影:
音楽:宮崎慎二
出演:松本梨香 、大谷育江 、うえだゆうじ 、KAORI 、山田ふしぎ

去年はヒーロー系で、一昨年が妖精ジラーチ。カッコいい体育会系主人公の年と可愛い妖精系主人公の年と交互に作られてるのが劇場版のポケモン。で、今年は「可愛い系」。海の妖精マナフィが可愛い。ぬいぐるみ売れただろうなぁ。劇場販売で。今年が9作目だって。ポケモンの初期世代っていま何歳くらいなんだろう。ディズニーみたいに親から子へっていうことになるまで続けばいいのにね。無理だと思うけど。

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16ブロック 2008-08-08

16blocks原題:16 BLOCKS
邦題:16ブロック
時間:101分
公開:2006-10
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:ボアズ・デヴィッドソン 、ダニー・ディムボート 、ジョージ・ファーラ 、マンフレッド・D・ヘイド 、グレッド・コーチリン 、ジョセフ・ローテンシュレイガー 、ハディール・レーダ 、トレヴァー・ショート 、アンドレアス・ティースマイヤー
製作:ランドール・エメット、アヴィ・ラーナー、アーノルド・リフキン、ジョン・トンプソン、ジム・ヴァン・ウィック、ブルース・ウィリス
監督:リチャード・ドナー
脚本:リチャード・ウェンク
原作:
撮影:グレン・マクファーソン
音楽:クラウス・バデルト
出演:ブルース・ウィリス 、モス・デフ 、デヴィッド・モース 、ジェナ・スターン 、ケイシー・サンダー

最初から「敵」の正体をばらされるとは思わなかった。その後予告とか見てもばらしてるしね。もう少し「敵」の正体は伏せてもいいのになっていうのが感想。ともかくウェルメイドな都市型チェイスアクション。ブルース・ウィリスとモス・デフがバディな逃走者。っていう計算づくで制作されて、予定通りブルーカラーのウィークエンド娯楽に適応する作品に仕上がりましたっていう「製品」ね。そういう点でいうと観客の平均IQを想定すると、「敵の正体」はこのポイントでばらすのが適当なのかもね。っていうか、まるでそういうの計算する方程式とかある見たい。

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トランスアメリカ 2006-08-07

Transamerica原題:TRANSAMERICA
邦題:トランスアメリカ
時間:103分
公開:2006-07-22
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:松竹
製作総指揮:ウィリアム・H・メイシー
製作:レネ・バスティアン、セバスチャン・ダンガン、リンダ・モラン
監督:ダンカン・タッカー
脚本:ダンカン・タッカー
原作:
撮影:スティーヴン・カツミアスキー
音楽:デヴィッド・マンスフィールド
出演:フェリシティ・ハフマン 、ケヴィン・ゼガーズ 、フィオヌラ・フラナガン 、エリザベス・ペーニャ 、グレアム・グリーン

主人公の存在が複雑すぎて。「見れば女性」「演じている俳優は女性」「役柄はMTFの男性」「息子はゲイ」。その構造を頭の片隅にキャッシュしながら物語を追うのって、ちょっと大変だった。父息子のアメリカ大陸横断のロードムービーなんだけど、アメリカっていう国の「自由」「多様性」が拡散しきって、いまや病気・病的っていうレベルじゃ表現できないくらいに「なんでもあり」なジェンダー崩壊に陥ってるみたい。変態も一票ってことかしら。と、自分の趣味はともかく今のアメリカ映画じゃ「ペーパームーン」みたいな普通の父娘で繰り広げられるロードムービーは作れなくなったのかなって不安。

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パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 2006-08-04

Pofcdeadmanchest原題:PIRATES OF THE CARIBBEAN: DEAD MAN'S CHEST
邦題:パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
時間:151分
公開:2006-07-22
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:ブエナビスタ
製作総指揮:ブルース・ヘンドリックス 、エリック・マクレオド 、チャド・オマン 、マイク・ステンソン
製作:ジェリー・ブラッカイマー
監督:ゴア・ヴァービンスキー
脚本:テッド・エリオット 、テリー・ロッシオ
原作:
撮影:ダリウス・ウォルスキー
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ 、オーランド・ブルーム 、キーラ・ナイトレイ 、ビル・ナイ 、ステラン・スカルスガルド

娯楽作品っていう観点だと満点ね。話の辻褄のあわなさや、唐突に登場する生き別れの妖怪になった父親や、入り乱れて奪い合う「お宝」の「意味が不明」さや、そんなこんなを強引な眼福にちかいスペクタクルで「おかしいなぁ」っていう気分や空気を凌駕しちゃう。そういう意味で150分以上の映画なのに「あっという間」にエンディングクレジットまで引っ張るの。いまやトム・クルーズよりジョニー・デップが「日本でも金をかせぐ」俳優になったって断言できそう。というわけでブラピはどうした!って叫んでみよう。薄命ね。それはさておき、第三部はいつかしら。こんな連ドラみたいな終わらせ方ってないわよね。

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ゲド戦記 2006-08-03

115459102217928邦題:ゲド戦記
時間:115分
公開:2006-07-29
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:鈴木敏夫
監督:宮崎吾朗
脚本:宮崎吾朗 、丹羽圭子
原作:アーシュラ・K・ル=グウィン
撮影:
音楽:寺嶋民哉
出演:岡田准一 、手嶌葵 、田中裕子 、小林薫 、夏川結衣
ル・グゥインの原作が欲しくて交渉したけどダメで「ナウシカ」からの一連の作品が生まれたって聞いた。そう見るとナウシカとウパ様の関係性や地上世界の崩壊というテーマは、原点としてジブリでは創造済みなのよね。で、この時期になって「ゲド戦記」のオリジナル作品を映像化することができても、全く後の祭りっていうわけで。いまさら恥ずかしくって宮崎パパは自分じゃゲドを映像化できないでしょう。ジュニアが「ジブリ絵」の力と、これまでの「実績」による「観客の確認行為」で50億円以上の興収をあげてもリスペクトできないわよね。だれもが「やらなくてもいい」って思ってることを「やってしまう」ことによる後悔。女優になりたいからAVに出ちゃうっていうピントはずれな状況を正当化しちゃう女の子と同じ。

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