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大怪獣東京に現わる 2006-03-31

Daikaijutokyo邦題:大怪獣東京に現わる
時間:101分
公開:1998-09-26
製作年度:1998
製作国:日本
配給:
製作総指揮:
製作:木村政雄、古里靖彦、渡邊惇
監督:宮坂武志
脚本:NAKA雅MURA
原作:NAKA雅MURA
撮影:坂江正明
音楽:鈴木大介
出演:桃井かおり 、本田博太郎 、角替和枝 、吉行由実 、高松英郎

公開当時、怪獣が出てこない怪獣映画っていう話題だった映画ね。知らないうちに終わってしまっていて、かといってレンタルするにもプライオリティ低くて、放置してたけどやっと観るチャンスなわけ。脚本も監督も練れてない世代だからどうこう言ってもしょうがないけど、所詮ワンアイデアで仕立て上げた映画でしかなかったわ。これがフランス映画とかだったら、もっと怪獣という存在に象徴性を持たせたり、ものすごいキャメラワークやさりげない仕草で「誤認」を誘ったりってテクニックを駆使していくんだろうけど、やっぱりテレビコントの域を超えれらなかったみたい。グランドホテル形式を表層だけ真似てみたところで、作者たちの自己満足でしかないっていうスカスカな製品になっちゃって、反省会とかしてるのかしら。

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トゥー・フォー・ザ・マネー 2006-03-29

Towforthemoney原題:TWO FOR THE MONEY
邦題:トゥー・フォー・ザ・マネー
時間:122分
公開:2006-03-18
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:UIP
製作総指揮:ガイ・マケルウェイン 、レネ・ルッソ
製作:ジェイ・コーエン、デヴィッド・C・ロビンソン、ジェームズ・G・ロビンソン
監督:D・J・カルーソー
脚本:ダン・ギルロイ
原作:
撮影:コンラッド・W・ホール
音楽:クリストフ・ベック
出演:アル・パチーノ 、マシュー・マコノヒー 、レネ・ルッソ 、アーマンド・アサンテ 、ジェレミー・ピヴェン

フットボールの予想屋っていう不思議なビジネスを舞台にしてる「日本じゃ理解してもらいづらい」映画だからパトスだったのかしら。でも映画は面白かった。パトスにしては。アル・パチーノがすっごいいい演技だし(って役柄が彼にぴったりだっただけなのかもしれないけどね)、マシュー・マコノヒーもいいキャスティングかもしれない。舞台が予想屋ってだけで、きちんとした友情や夫婦の愛情やビジネスによるアメリカンドリームや、挫折や、そんなヒューマンドラマが出来上がってる。そういう点では見ごたえのあるしっかりした映画として評価してあげたいな。でもパトスなんだもんなぁ。日本の配給会社のジャッジは。そういうものね。

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双生児-GEMINI- 2006-03-28

Souseiji 邦題:双生児-GEMINI-
時間:84分
公開:1999
製作年度:1999-09-15
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:
監督:塚本晋也
脚本:塚本晋也
原作:江戸川乱歩
撮影:塚本晋也
音楽:
出演:本木雅弘 、りょう 、藤村志保 、筒井康隆 、もたいまさこ

塚本監督ってなんでこんなに映画を作り続けられて、しかもリスペクトされるのかしら。日本の監督(アート系が中心)ってエンタテイメントを置き去りにして、いかにも作家性らしきタワゴトを映像にしてるけど、そういう人ほど「憧れ」られている。わたしは絶対そいういうの認めない。作品本位。わたしが面白がれないとその作品のプロデューサーと監督を全否定することにしている。そういう意味では、この作品は「クズ」でしかないって断言するわ。なにしたいのか全然わかんないんだもの。ほんと、何を血迷ってるのかしら、塚本監督。

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サウンド・オブ・サンダー  2006-03-28

Soundofthunder原題:A SOUND OF THUNDER
邦題:サウンド・オブ・サンダー
時間:102分
公開:2006-03-25
製作年度:2004
製作国:アメリカ/ドイツ
配給:松竹
製作総指揮:エリー・サマハ 、ロマーナ・シサローヴァ 、ジョン・ハーディ 、リック・ナサンソン 、イエルク・ヴェスターカンプ 、ウィリアム・J・イマーマン 、ブレック・アイズナー
製作:ハワード・ボールドウィン、カレン・ボールドウィン、モシュ・ディアマン、アンドリュー・スティーヴンス
監督:ピーター・ハイアムズ
脚本:トーマス・ディーン・ドネリー 、ジョシュア・オッペンハイマー 、グレッグ・ポイリアー
原作:レイ・ブラッドベリ
撮影:ピーター・ハイアムズ
音楽:ニック・グレニー=スミス
出演:エドワード・バーンズ 、キャサリン・マコーマック 、ベン・キングズレー 、ジェミマ・ルーパー 、デヴィッド・オイェロウォ

死ぬほど退屈なB級SF映画。ブラッドベリーの原作の設定だけを使って、アクションと特撮で、さあ楽しんでくださいっていうつもりなんだろうけど、ダメ。冒頭の主役の男女が歩く未来の街頭で、いかにも合成でしょうっていう安っぽい映像。1950年代のハリウッドモノクロ映画のフォードの車中のシーンでバックウィンドーに写る風景みたいな、とってつけたような合成なんだもの。って例がヘンすぎる?ともあれ、二人はただクロマキー幕の前で足踏みしながらセリフ芝居をして、あとから風景を合成したっていうのがみえみえ。そこからもう奈落よね。CG費用を思いきりけちった映像のオンパレード。進化したサルと恐竜がミックスしたような怪物もデザインがダメ。地下鉄の中には巨大ウツボが泳いでいるし。間違って過去へ行くとインディアンが襲ってくるし。ああ、書いていてもなさけない。「タイムライン」もひどい時間旅行系の作品だったけど、まだましかもしれない。って「タイムライン」レベルと比較してしまうことがもう情けないと思うけどね。

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SPIRIT 2006-03-27

spirit原題:FEARLESS
邦題:SPIRIT
時間:103分
公開:2006-03-18
製作年度:2006
製作国:香港・アメリカ
配給:WB
製作総指揮:
製作:ビル・コン
監督:ロニー・ユー
脚本:クリスティン・トー 、クリス・チョウ
原作:
撮影:プーン・ハンサン
音楽:
出演:ジェット・リー 、中村獅童 、スン・リー 、原田眞人 、ドン・ヨン

中国の「武術家」という職業がそれなりに認知されていたっていう事にビックリ。実話っていうか実在の武術家の伝記映画らしいので、かなり史実なんだろうし、そういう意味では20世紀初頭の中国というのは映画の中でも自嘲的に言われてるように「病んだ、腐った超大国」だったのね。武術の力だけで図に乗っていた主人公が、人生の本当の意味を「愛国」という要素とともに再発見して、戦い続けるという単純な一本線な映画。で、見所はラストという触れ込みのジェット・リーのカンフーアクションと中村獅童との禅問答のような演技合戦。アクションシーンがこれでもかって続くから、そういう意味で眺めていれば飽きないかもしれないな。

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ファイナル・デスティネーション 2006-03-27

finaldestination原題:FINAL DESTINATION
邦題:ファイナル・デスティネーション
時間:97分
公開:2001-01-20
製作年度:2000
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:リチャード・ブレナー 、ブライアン・ウィッテン
製作:グレン・モーガン、クレイグ・ペリー、ウォーレン・ザイド
監督:ジェームズ・ウォン
脚本:グレン・モーガン 、ジェームズ・ウォン 、ジェフリー・レディック
原作:ジェフリー・レディック
撮影:ロバート・マクラクラン
音楽:シャーリー・ウォーカー
出演:デヴォン・サワ 、アリ・ラーター 、カー・スミス 、クリステン・クローク 、ダニエル・ローバック

航空機事故で死ぬはずだった7人が、さまざまな偶発的な事故で死んで行き、人生の帳尻が合わされて行くミステリホラー。続編がジェットコースターを舞台に作られた位だからマイナーな作品なのにヒットしたのね。キャスティングも地味だし、物語の発想と演出力(避けられない死をもたらす偶然がどこから出現するのか)っていうドキドキ感をしっかりと丁寧に描いているから、芯の通った映画になってるのね。ラストショットも上手かもしれない。残された二人はどうなるのかなって心配だわ。

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かわせみ座『キラの森』 2006-03-23

kira_poster 新作公演『キラの森』
2006年3月23日(木)~26日(日)中野ポケット

キャスト:山本由也 ナカヤマカズコ 益村泉 充湖すすき 冬木
スタッフ:脚本・演出/ナカヤマカズコ(しずくまち♭)
     人形美術・舞台美術・演出/山本由也
     音楽/侘美秀俊  アドバイザー/辰巳次郎

kira_img

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コルシカン・ファイル 2006-03-22

corsicanfile原題:L' ENQUETE CORSE
邦題:コルシカン・ファイル
時間:92分
公開:2006-03-11
製作年度:2004
製作国:フランス
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:イーラン・ゴールドマン
監督:アラン・ベルベリアン
脚本:クリスチャン・クラヴィエ 、ミシェル・デルガド
原作:ルネ・ペティヨン
撮影:パスカル・ジェネッソー
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:クリスチャン・クラヴィエ 、ジャン・レノ 、カテリーナ・ムリーノ 、ディディエ・フラマン 、アルベール・ドゥレ

予告編やフライヤーのイメージで、久々のジャン・レノのハードボイルドなフィルムノワールかしらって期待したのに、間抜けなコメディだった。私は映画を見る前には極力情報を仕入れないようにして、予断をしないようにしてるんだけど、騙された。ビジュアルに。コルシカ島の珍妙な風俗や住民堅気を笑い飛ばす「ヘンな田舎はどうですか?」な映画。やっぱりジャン・レノ主演で「妻のお墓がない!」って右往左往する田舎を笑うコメディと同じよね。ベクトルが。日本でいえばさしずめ「佐渡の人って**だから、その**な気風をコメディにしちゃおう」っていう映画かな。ものすごく限定的なご当地もの。寅さんや釣りバカにも繋がるかしら。でもこの作品みたいにバカにした笑いじゃないものね。騙されて見ないようにしてね。ゆるいコメディでしかないんだから。ギャガの嘘つき!

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ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 2006-03-19

narunia2006原題:THE CHRONICLES OF NARNIA: THE LION, THE WITCH AND THE WARDROBE
邦題:ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
時間:140分
公開:2006-03-04
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:ブエナヴィスタ
製作総指揮:アンドリュー・アダムソン 、ペリー・ムーア 、フィリップ・ステュアー
製作:マーク・ジョンソン
監督:アンドリュー・アダムソン
脚本:アンドリュー・アダムソン 、クリストファー・マルクス 、スティーヴン・マクフィーリー 、アン・ピーコック
原作:C・S・ルイス
撮影:ドナルド・マカルパイン
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:ウィリアム・モーズリー 、アナ・ポップルウェル 、スキャンダー・ケインズ 、ジョージー・ヘンリー 、ティルダ・スウィントン

致命的、絶対に納得いかない!のが主人公でもある子供たちのキャスティング。おそよ日本の観客には「違和感」しかないイモ兄ちゃんやおブスちゃん。やっぱりアメリカ映画の大作に出てくる俳優は「お人形みたいにゴージャスに可愛い」必要があるのよね。LOTRの大成功で、大作ファンタジーの制作ブームの流れでディズニーがゲットした「基本中の基本のファンタジー」原作なんだけど、やっぱり私が中学生の頃読んだときの主人公たちは、もっともっともっとキラキラと美少年、美少女だったわ。それがこんな形で提示されちゃうと、、失望。頑張って作ってるのに納得できない映画になっちゃう。クライマックスで成人した馬に乗ってる主人公たちはすっごく格好いいし綺麗なのに。なぜ、子役はこんなレベルをキャスティングしたのか担当者に聞いて見たい。それとも、アメリカ人は彼らがベストチョイスなのかしら。美意識の方向性が東洋人とは違うのかしら。

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真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章 2006-03-16

hokutonoken2006邦題:真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章
時間:103分
公開:2006-03-16
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:井本満、堀江信彦
製作:山本秀基、宮直樹
監督:今村隆寛
脚本:堀江信彦、鴨義信、真辺克彦
原作:武論尊、原哲夫
撮影:佐藤正人
音楽:梶浦由記
声優:宇梶剛士 、阿部寛 、柴咲コウ

致命的に声優がダメ。どうしてこういう大作ぶりたい(ってもテレビアニメ上がりのお里が知れてるタイトルだけどね)アニメって勘違いして「俳優」をつかっちゃうのかしら。柴咲コウや宇梶がぜんぜんキャラクターに合ってない。「スチーム・ボーイ」の悪夢が再びってとこかしら。アニメ業界のなかで全然教訓が生かされてないってことよね。俳優が声優しちゃうと、声あてるとき思いっきりアクションしながらあてて、実のところ「声の演技」が放置されちゃってるという想像するけど、どうかしら。プロデューサーの作品クオリティに対しての大ミスね。キャスティングレベルではコマーシャルな声優陣で宣伝はきいたかもしれなけど、やっぱり作品の完成度を犠牲にしちゃいけないわ。

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ワイルド・カード 2006-03-16

wildcard原題:WILD CARD
邦題:ワイルド・カード
時間:114分
公開:2005-05-07
製作年度:2003
製作国:韓国
配給:SPO
製作総指揮:
製作:
監督:キム・ユジン
脚本:イ・マニ
原作:
撮影:ピョン・ヒソン
音楽:チョ・サンウ
出演:ヤン・ドングン 、チョン・ジニョン 、ハン・チェヨン 、ソ・ジェギョン 、キ・ジュボン

警察を舞台にした刑事群像劇ね。バディものにもなってる。添え物的なB級映画なんだけど、きっとリアリズムを追求したらしく荒唐無稽っぽさが荒削り。韓国らしいのは、一人の犯人を取り合うのに、どっちが警察学校の年次が上が下かっていうやりとりがあるところ。しつこく描くくらいだから、よく聞く韓国の上下関係って永遠に無くならないのねって思った。

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県庁の星 2006-03-16

KenchounoHoshi邦題:県庁の星
時間:131分
公開:2006-02-25
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:春名慶、市川南、臼井裕詞、岩田祐二
監督:西谷弘
脚本:佐藤信介
原作:桂望実
撮影:
音楽:松谷卓
出演:織田裕二 、柴咲コウ 、佐々木蔵之介 、和田聰宏 、紺野まひる

ご存知範囲の織田と、余裕の定番芸風で処理する柴咲が、想像を決して超える事の無いレベルのシチュエーションドラマを粛々と演じるし、監督も手堅く仕上げるっていう「消化しやすい食べ物」みたいな映画。エリート志向が強い県庁キャリアが「現場」にもまめれて「改革」のベクトルを「矯正」していくっていう御伽噺。川島雄三監督あたりが仕切ればもうちっと実験性が高い映画になったかもしれないし。ハリウッドの古典にありがちな人間讃歌に昇華するのを恥ずかしがってるみたいだし、っていうわけで根っこのところは中途半端な映画だったわね。ひろいものは悪役(県議会議長?の政治屋)を演じる石坂浩二かな。二枚目じゃない感じで頑張ってる。

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ビッグ・リボウスキ 2006-03-15

THEBIGLEBOWSKI原題:THE BIG LEBOWSKI
邦題:ビッグ・リボウスキ
時間:117分
公開:1998-09
製作年度:1998
製作国:アメリカ
配給:アスミック
製作総指揮:ティム・ビーヴァン 、エリック・フェルナー
製作:イーサン・コーエン
監督:ジョエル・コーエン
脚本:イーサン・コーエン 、ジョエル・コーエン
原作:
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:カーター・バーウェル
出演:ジェフ・ブリッジス 、ジョン・グッドマン 、ジュリアン・ムーア 、スティーヴ・ブシェミ 、ピーター・ストーメア

コーエン兄弟の「ファーゴ」テイスト映画。人間の可笑しさと不条理さを「相手の話を聞いてないで一歩的にコミュニケートする」というポイントで描ききった、自己中な映画。よくぞここまで人の話を聞かないキャラを創作したっていうとこで感心するわ。ボーリングっていうゲームがこれほど刹那的で淫靡で無目的で無価値なものとは知らなかった。そういうものの象徴として描かれているっていうことは、そういう要素をコーエン兄弟は看破したからに違いないものね。

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アンジェラ 2006-03-14

angela原題:ANGEL-A
邦題:アンジェラ
時間:90分
公開:2006-05
製作年度:2005
製作国:フランス
配給:アスミックエース
製作総指揮:
製作:リュック・ベッソン
監督:リュック・ベッソン
脚本:リュック・ベッソン
原作:
撮影:ティエリー・アルボガスト
音楽:
出演:ジャメル・ドゥブーズ 、リエ・ラスムッセン 、ジルベール・メルキ 、セルジュ・リアブキン

絶対信じてはいけない対象になってるリュック・ベッソンの「6年ぶりの監督作品」っていうセールストークしか頼るものがない超絶駄作。キャスティングはノーネーム。「フィフスエレメント」直後に書かれたシノプシスらしい。ってことは「ジャンヌ・ダルク」前。ってことはジョボヴィッチとラブラブだった時。ってことは、この映画のヒロインは絶対ジョボヴィッチを想定してるっていうわけよね。彼女だったらベッソンも気合が入った映画にしてくれたかもしれないのに。お蔵入りになった企画になってたのを、なんにも新企画が思い浮かばなかったベッソンが埃をかぶってたのを復活させたっていうのが本当なんだと思う。なんてったって前編モノクロ。それにバカみたいな天使ねたで、演出のキレも皆無なラブストーリー。どことなくベッソンは悪い宗教に入ってるかのような「自己啓発」前面ネタ。「本当の自分はどこ!?」って寒い・・・。これが全国拡大ロードショーされるんだから日本の映画界というのもお人よしというか、狂ってるとしか思えないわ。

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バスケットボール・ダイアリーズ 2006-03-14

basketballdiaries 原題:THE BASKETBALL DIARIES
邦題:バスケットボール・ダイアリーズ
時間:102分
公開:1996-
製作年度:1995
製作国:アメリカ
配給:アスミックエース
製作総指揮:クリス・ブラックウェル 、ダン・ジェネッティ
製作:リズ・ヘラー、ジョン・バード・マヌリス
監督:スコット・カルヴァート
脚本:ブライアン・ゴルボフ
原作:ジム・キャロル
撮影:
音楽:グレーム・レヴェル
出演:レオナルド・ディカプリオ 、ロレイン・ブラッコ 、マーク・ウォールバーグ 、アーニー・ハドソン 、ブルーノ・カービイ

ジム・キャロルの『マンハッタン少年日記』を基に映画化した作品。少年の頃からジャンキーになって更正して自己批判して乾いた文体で体験を書いたら、保守的なオトナたちが持て囃したり、同世代の読者が啓発されたりって評判になった原作。大平光代の「最低の人生を自虐的に」書いた本がちょっと前にもてはやされたけど、同病ね。結果成功してるOKな人たちが何を「苦労話」しようが、そこには成功者の余裕と、高いところからの無責任な投網的な励ましメッセージが空疎に語られてるだけだものね。話題の小説を映画にしてビジネスしようっていう判りやすいスタートから始まった映画なんだろうし、キャスティングもそのあたりのコマーシャルなとこを狙っているみたいだけど、残念ながら出来上がって見ると、原作の呪縛にとらわれて肩に力の入った窮屈な「社会派シリアス」作品に成り下がっちゃってる。出資者の思惑とは別に監督も出演者も考えすぎちゃった。残念。

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イーオン・フラックス 2006-03-13

aeonflux 原題:AEON FLUX
邦題:イーオン・フラックス
時間:93分
公開:2006-03-11
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:GAGA
製作総指揮:トム・ローゼンバーグ 、ヴァン・トフラー
製作:デヴィッド・ゲイル、グレゴリー・グッドマン、ゲイル・アン・ハード、ゲイリー・ルチェッシ
監督:カリン・クサマ
脚本:フィル・ヘイ 、マット・マンフレディ
原作:ピーター・チョン 
撮影:スチュアート・ドライバーグ
音楽:グレーム・レヴェル
出演:シャーリーズ・セロン 、マートン・ソーカス 、ジョニー・リー・ミラー 、アメリア・ワーナー 、ソフィー・オコネドー

星の数ほどある「クローンねた」。シャーリーズ・セロンがカッコいい美人役もできるのよっていう芸の幅の広さをアピールするデモンストレーション用映画かしら。たしかにカッコいいし、C級のSF映画でもゴージャスに見える。でもそれだけ。彼女がどこかの新人女優だったら映画の本質が露呈するわね。そう想像して映画を見ると最低な演出と、なんら批判性、問題意識皆無なテレビ用お子様ムービーになっちゃう。こんなんだったら「ファンタスティック・フォー」のほうがまだましかもしれないわね。当てるだけなら。

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嫌われ松子の一生 2006-03-09

KirawareMatsukonoIssho 邦題:嫌われ松子の一生
時間:130分
公開:2006-05-22
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:石田雄治、佐谷秀美
監督:中島哲也
脚本:中島哲也
原作:山田宗樹
撮影:阿藤正一
音楽:金橋豊彦
出演:中谷美紀 、瑛太 、伊勢谷友介 、香川照之 、市川実日子 、柄本明、木村カエラ、蒼井そら、柴崎コウ、片平なぎさ、本田博太郎、奥ノ矢佳奈(子役)、ゴリ、榊英雄、マギー、竹山隆範、宮藤官九郎、角野卓造、阿井莉沙、劇団ひとり、濱田マリ、武田真治、木野花、荒川良々、土屋アンナ、あき竹城、山田花子

「下妻物語」から完全に進化してる。凄い。これまでに見た事のない日本映画に仕上がってる。鈴木清順監督が模索していたひとつの映画の到達点がここにあるっていえると思う。鈴木監督は「狸御殿」だものね。人生ゲームで言えば貧乏農場かしら。でも中島監督は2作目にして富豪御殿へ到達して、さらに進化していく予感さえ、っていうかどこまで登り詰めていくのかっていう「付いて行きたい」カリスマが溢れてる。松子という女性の一代記にすぎない原作が、ここまで緻密に計画された映像作品に化学変化させられてるんだもの。2006年が対象になる日本アカデミー賞の作品、監督、主演女優の有力候補になるのは確実よね。できれば、カンヌ映画祭とかでもオリエンタルなジュネっていう触れ込みできちんと紹介してあげて欲しい。アメリカのアカデミー賞でも外国映画賞にノミネートしてあげて欲しい。わけのわからない民族性や社会性や左翼性が完全に排除された、チャンバラ映画以外では初めてきちんとビジネス的にも評価される日本映画の誕生って言っても過言じゃないわ。ちょっと長いから、あと10分切れればね。

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マイ・フレンド・メモリー  2006-03-08

Mighty 原題:THE MIGHTY
邦題:マイ・フレンド・メモリー
時間:101分
公開:1998-12
製作年度:1998
製作国:アメリカ
配給:松竹富士
製作総指揮:ジュリー・ゴールドスタイン 、ボブ・ワインスタイン 、ハーヴェイ・ワインスタイン
製作:ジェーン・スターツ、サイモン・フィールズ
監督:ピーター・チェルソム
脚本:チャールズ・リーヴィット
原作:ロッドマン・フィルブリック
撮影:
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
出演:エルデン・ヘンソン 、キーラン・カルキン 、シャロン・ストーン 、ハリー・ディーン・スタントン 、ジーナ・ローランズ

こういうファンタジックな単館系の映画っていうのが昔はちゃんとビジネスになってたんだろうなっていう郷愁とともに見たわ。頭脳に問題がある少年と身体に問題がある少年が補完しあって友情を深めて、一方の少年の持ってるトラウマを解決したところで、もう一方の少年の寿命がきてしまうっていう「泣かせ」の構造がしっかりしてる。それが中世の騎士伝説のファンという二人の共通項で幻想的なシーンを描いてく。悲しいけど素敵な映画だったわ。

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#78 アカデミー賞

white_gloves

▼作品賞
「クラッシュ」
▼監督賞
アン・リー(「ブロークバック・マウンテン」)
▼主演男優賞
フィリップ・シーモア・ホフマン(「カポーティ」)
▼主演女優賞
リース・ウィザースプーン(「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」)
▼助演男優賞
ジョージ・クルーニー(「シリアナ」)
▼助演女優賞
レイチェル・ワイズ(「ナイロビの蜂」)
▼オリジナル脚本賞
「クラッシュ」
▼脚色賞
「ブロークバック・マウンテン」
▼外国語映画賞
「Tsotsi」(南アフリカ)
▼美術賞
「SAYURI」
▼撮影賞
「SAYURI」
▼衣裳デザイン賞
「SAYURI」
▼編集賞
「クラッシュ」
▼メイクアップ賞
「ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女」
▼作曲賞
「ブロークバック・マウンテン」
▼オリジナル歌曲賞
“It's Hard Out Here for a Pimp”(「Hustle & Flow」)
▼音響賞
「キング・コング」
▼音響編集賞
「キング・コング」
▼視覚効果賞
「キング・コング」
▼長編ドキュメンタリー映画賞
「皇帝ペンギン」
▼短編ドキュメンタリー映画賞
「A Note of Triumph: The Golden Age of Norman Corwin」
▼長編アニメ映画賞
「ウォレスとグルミット/野菜畑で大ピンチ!」
▼短編アニメ映画賞
「The Moon and The Son: An Imagined Conversation」
▼短編実写映画賞
「Six Shooter」

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サイレン FORBIDDEN SIREN 2006-03-07

silen 邦題:サイレン FORBIDDEN SIREN
時間:87分
公開:2006-02-11
製作年度:2006
製作国:日本
配給:東宝
製作総指揮:
製作:阿部謙三、長澤佳
監督:堤幸彦
脚本:高山直也
企画:山内章弘、川村元気
撮影:唐沢悟
音楽:配島邦明
出演:市川由衣 、森本レオ 、田中直樹 、阿部寛 、西田尚美

オチはね、よくある。「ハイドアンドシーク」とかで使う夢オチの類型。「輪廻」にも通じるかもしれない。で、それだけ。だからあとはどうサスペンスを盛り上げてくれるのかっていうのが大事なんだけど、ちょっと足りなかったかもしれない。やっぱり所詮「テレビの人」なんだろうな、この監督。テレビ的な映画がヒットしてしまうっていう文化的な耗弱期にある日本の映像文化の象徴的な作品かもしれない。まあ、フジテレビの作る一連の作品が日本の映画をダメにしていってるコバンザメの様な存在ね。この映画は。

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シリアナ 2006-03-06

syliana 原題:SYRIANA
邦題:シリアナ
時間:128分
公開:2006-03-04
製作年度:2005
製作国:アメリカ
配給:WB
製作総指揮:ジョージ・クルーニー 、ベン・コスグローヴ 、ジェフ・スコール 、スティーヴン・ソダーバーグ
製作:ジェニファー・フォックス、ジョージア・カカンデス、マイケル・ノジック
監督:スティーヴン・ギャガン
脚本:スティーヴン・ギャガン
原作:ロバート・ベア
撮影:ロバート・エルスウィット
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:ジョージ・クルーニー 、マット・デイモン 、アマンダ・ピート 、ミシェル・モナハン

どうも説明不足な映画。ジョージ・クルーニーがアカデミー助演賞を獲ったから見に行ったんだけど、それほどの演技とは思えない。肉体改造(太っただけ)のご苦労様賞かしら。石油をめぐる王族とアメリカ国家と石油産業の陰謀を描くっていう大上段にふりかぶった「社会派」な映画ってふれこみ。それなりにシリアスな抑揚を抑えたストイックな仕上げになってるけど、そのために「高揚感」がゼロ。どこにクライマックスをおいて、そこに向かってグイグイを観客を引っ張っていくっていう「演出力」が欠けてる。っていうか抑制してるのかな?だから単調なままで終わってしまうの。物語はアメリカじゃなくて中国に石油を売ろうとしてる長男王子を次男王子とアメリカが結託して暗殺するっていうお話。その主題に複雑でさまざまな立場の登場人物が右往左往するんだけど、結局「人物の背景」がとってつけたような描き方で、よけい浅く見えてしまう。コスタ・ガブラスになりたかったのかしらって勝手に想像するけど、無理だったわね。

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私が女になった日 2006-03-03

THEDAYIBECAMEAWOMAN 原題:THE DAY I BECAME A WOMAN
邦題:私が女になった日
時間:78分
公開:2002-02-02
製作年度:2000
製作国:イラン
配給:GAGA
製作総指揮:
製作:
監督:マルズィエ・メシュキニ
脚本:モフセン・マフマルバフ
原作:
撮影:モハマンド・マフマディ
音楽:
出演:ファテメ・チェラグ・アザル 、シャブナム・トルーイ 、アズィゼ・セッディギ

イラン映画って久しぶり。3つのエピソードが詩的に描かれる。アンゲロプロスに影響されたような作風なんだけどね。とっても。調べれば、そのあたりの監督の証言なんかがどこかにあるかもしれないって思わせるくらいに似ているの。9歳で「女性」としての生活をするためにいつも遊んでる男の子と「最後の遊び」をする少女。ひたすら自転車を駆ける黒衣の女性群と、その一人を止めに来る夫や一族の男たち。ラストは老婆があらゆる家具をモールで買い、それらを浜辺に虚構の家のように並べて行くというエピソード。それぞれが詩的で暗喩的。最後に三人の女性がその場に集ってくるけど、これはちょっと、とってつけた感じね。それより、老婆が買い物をする「モール」がまるでアラモアナショッピングセンターみたいに近代的なのにビックリ。イラン映画が「都会部分を見せてしまう」っていう脇の甘いとこを見せた貴重なシーンかもね。世界のマーケットではイランは相変わらず田舎で貧乏で裸足で歩いてるっていう映画を売っていたほうがプロパガンダとしては国策にあってるのかもしれないのにね。本当は最近戦争もしてないから石油の利益で国内潤ってるのかもしれないけど。見せたくないはず。そのあたりを察知したアメリカとかが「核査察」なんて言い出してるのかもね。穿ちすぎ?

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アンダーワールド:エボリューション 2006-03-03

udw05 原題:UNDERWORLD: EVOLUTION
邦題:アンダーワールド:エボリューション
時間:106分
公開:2006-04-22
製作年度:2006
製作国:アメリカ
配給:SPE
製作総指揮:
製作:
監督:レン・ワイズマン
脚本:ダニー・マクブライド
原作:レン・ワイズマン、ダニー・マクブライド
撮影:サイモン・ダガン
音楽:マルコ・ベルトラミ
出演:ケイト・ベッキンセイル 、スコット・スピードマン 、ビル・ナイ 、シェーン・ブローリー 、マイケル・シーン

レン・ワイズマン監督の第一作がダークな雰囲気でスタイリッシュで素敵だったので、今回もケイト・ベッキンセールがどれだけ私の中のアニマをかき乱してくれるのかなって期待したのに、残念。ふつうのボンデージヒロインがC級アクションをCGを駆使しながら展開するレベルになってしまってたわ。エボリューションと言いつつも、前作の世界観の「説明」や「因縁の解決」を説明するのがテーマだったらしいの。本当はわたしたち観客はそんなことを望んでないのにね。で、前作と同じに、超強力な敵として主人公たちを追い詰めて来るのに、クライマックスはただの狼人間とドロドロコウモリ男に成り下がって、サクサクっと退治されてしまう。なんで「最後の死闘」が2本とも蛇尾なんだろう。これって監督の芸風なのかしら。

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メルトダウン 2006-03-01

meltdown 原題:AMERICAN MELTDOWN
邦題:メルトダウン
時間:90分
公開:DVD-SPOX
製作年度:2004
製作国:アメリカ/ドイツ
配給:SPO
製作総指揮:クレイグ・アンダーソン 、ベス・グロスバード
製作:
監督:ジェレマイア・S・チェチック
脚本:ポール・バーバー 、ラリー・バーバー
原作:
撮影:ダグラス・コシュ
音楽:トムアンドアンディ
出演:ブルース・グリーンウッド 、レスリー・ホープ 、アーノルド・ヴォスルー 、ジェームズ・レマー 、スーザン・マーソン

全くのノーネーム。って、わたしの知識が薄っぺらだからかもしれないけど。テレビ映画として誕生して、日本ではビデオストレートタイトルになった作品みたい。ドキュメンタリータッチがけっこう小気味よくて、状況がテレビニュースで刻々と伝えられるっていう演出が、本当にテレビドラマ的。犯人像がだんだん明らかになっていくあたりの展開がちょっと乱暴だし、結局「動機」が王道だけど詰まらないっていうか、爽快じゃないっていうあたりが「映画になりきれない」貧弱さなのかもしれないわね。

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氷雨  2006-03-01

icerain 原題:ICE RAIN
邦題:氷雨
時間:105分
公開:2005-04-09
製作年度:2004
製作国:韓国
配給:SPO
製作総指揮:
製作:ク・ボナン
監督:キム・ウンスク
脚本:パク・ミヨン 、キム・ウンスク 、ソ・ジヨン
原作:
撮影:ユン・ホンシク
音楽:
出演:ソン・スンホン 、イ・ソンジェ 、キム・ハヌル 、ユ・ヘジン 、キム・ジョンハク
韓流映画祭っていう舐めた企画が去年あって、その目玉作品の一本ね。ソン・スンホンが出てるだけっていうプレミアムなんだけど、劇場も追加したりして大騒ぎしてたのも今は遠い昔。作品がダメでも狂乱のおばさま方を吸引する力があったっていう「とんでも遺産」のひとつになるわよね。平成時代を語る時。物語は死んじゃった女の子を中心に、一方的にストイックに恋してた同級生と不倫してた色悪中年先輩が、彼女が憧れていたアラスカの高峰で遭難して語り合ううちに、同じ女性を愛してたっていうのに気づくベタなトライアングルラブ。感情移入もできないし、泣けないし、回想がバンバンそれぞれのエピソードが唐突に出入りしてきながら「情感たっぷり」な独りよがり。日本のマーケットがどれだけ寛容かを証明する出来なのね。でも、この映画祭以降、日本も我に帰って、作品本位になりつつあるのは喜ばしいかもしれない。へんな余韻がマスコミにはあるけどね。お客さんは、すでに冷静になりつつあるかもよ。気をつけなきゃね、配給会社さん。

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