大いなる幻影 2005,11,24

邦題:大いなる幻影
時間:117分
公開:1949-05
製作年度:1937
製作国:フランス
配給:
製作総指揮:
製作:
監督:ジャン・ルノワール
脚本:ジャン・ルノワール 、シャルル・スパーク
原作:
撮影:クリスチャン・マトラ、クロード・ルノワール
音楽:ジョセフ・コズマ
出演:ジャン・ギャバン 、ピエール・フレネー 、エリッヒ・フォン・シュトロハイム 、ディタ・パルロ 、ジュリアン・カレット
今年のカンヌ映画祭の公式上映。その上映前にリスペクトディレクターとして名場面を紹介する監督はジャン・ルノワールだったの。で、何かの作品の前に「大いなる幻影」の一場面が紹介されてて、ちょうど捕虜たちの演芸会の衣装を選ぶシーンだった記憶がある。本当なら、演芸会の最中にフランス軍が勝利して捕虜全員でフランス国歌を歌うくだりが感動的っぽいんだけど、逆にコマーシャルな感じで安っぽくなってしまうから、あえてその寸前の場面を選んだのかなって、裏を読んでしまう。ともあれ、そんな思い出もあって久しぶりに「大いなる幻影」。ヨーロッパの戦争では「階級制度の崩壊」が同時に行われたっていうテーマが重い。捕虜収容所の脱走計画とかといった「筋立て」の部分で紛れてしまうけど、独仏の貴族階級=職業軍人の失われていく階級の誇りの喪失感がすっごく心に染みた。逆にそんな階級をものとしないタフな将校をジャン・ギャバンが演じていて、そちらはそちらで後半のラブストーリーへ汗臭く展開する。ほうっておくと拡散して何を語りたいのか全くわからなくなりそうな多重なテーマを、きちんと描ききる力量があるジャン・ルノワールがフランスで尊敬されるのは理解できるわ。
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