三人の狙撃者 2005,12,4
原題:SUDDENLY!
邦題:三人の狙撃者
時間:73分
公開:1955-01
製作年度:1954
製作国:アメリカ
配給:松竹、UA
製作総指揮:
製作:ロバート・バスラー
監督:ルイス・アレン
脚本:リチャード・セイル
原作:
撮影:
音楽:デヴィッド・ラクシン
出演:フランク・シナトラ、スターリング・ヘイドン、ジェームズ・グリースン
前年の作品「地上より永遠に」でアカデミー助演男優賞を獲得して、演技派性格俳優として売り出し始めたフランク・シナトラが「語りまくり」の映画。といっても、多分時期的には、アカデミー賞が決まる前に出演を決めてただろうから、歌うスターっていう色物俳優からの脱出を図っていた一連の作品選定の流れのなかにあるのかもしれない。このあたりは私にはわからない時代だから詳しい人に教えて欲しいな。「ゴッド・ファーザー」で監督のベッドの馬の首を入れて掴んだ作品が「地上より永遠に」とフレッド・ジンネマン監督をモデルにしてるって、なにかで読んだ事もあるしね。で、この作品はアメリカが抱える永遠のテーマ。「戦争」をなりわいにする国家が兵士だった国民に負わせる「心の傷」をテーマにしてる。第二次世界大戦の戦争未亡人や、戦場の狙撃兵あがりや、といった今でも通じる骨格があるの。ベトナム戦争や湾岸戦争がテーマになっていくし、来年にはイラク戦争がテーマの映画もできる。底流にながれるのは「戦争の心の傷」。癒えるか爆裂するかは、映画の製作者のビジネス感覚によるけど、いずれにしろ「ネタ」としてハリウッドは「戦争で商売」してることには違いないとおもうわ。反戦ビジネスってあるものね。この作品は時代からいってアイゼンハワー大統領を狙撃暗殺しようとする「殺し屋」と、狙撃場所として占拠された一軒の家と、そこにすむ家族の物語。サスペンスな展開だけど、不必要にシナトラが演じる「犯人」が戦争についてナーバスになって語りまくるのが異様。娯楽サスペンス映画としては視点がぶれちゃってるみたいね。密室劇としては平板だし、そういう意味では実は深いテーマがありそうで、真のところは「犯人役が美味しい」というだけの映画なのかもしれないわね。
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