姑獲鳥の夏 2005,5,18 CANNES 2005
原題:UBUME
邦題:姑獲鳥の夏
時間:123分
公開:2005
製作年度:2005
製作国:日本
配給:ヘラルド
製作総指揮:
製作:
監督:実相寺昭雄
脚本:
原作:京極夏彦
音楽:
出演:堤 真一、長瀬正敏、阿部 寛、宮迫博之、田中麗奈、石田あゆみ、
やっぱり、無理だった。あの立方体に近い厚さの本は「読む」ことを前提にしているから異常なペダンティックな会話が延々とされる。で、その会話を読んでいるうちにトランス状態になって物語世界に獲り憑かれていく「快感」があったの。で、その部分が映画では無理なのね。原作どおりに会話させたら終わらないもの。ということは、要素を取捨選択してシナリオにするわけで、その作業が、大失敗っていうことになっちゃってる。となると、金田一シリーズみたいにキャラクターをきちんと描いて、ストーリーは簡潔にまとめてエンタテイメントにしていくっていう作業が大事になるの。ところが、それも中途半端。どうかなって思った堤=京極、阿部=榎木津、関口=長瀬が全然似合ってない。唯一期待してた榎木津も原作の野生の本能系狂乱探偵に比べて分別くさく、理屈を語ってしまう。実相寺監督も意味不明な象徴カット、特撮風カットを「流れをとめるかのように」入れて観客を、我に帰らせてしまう。どちらにしろ、原作世界のスタート作だからって「姑獲鳥の夏」を映画にするのは難しかったかも。二重三重に犯行理由が絡み合うなかで、最もダメなのが「観客に推理させない」という証拠不提出というミステリの基本を忘れているっていう点。これは、映画以前に、サスペンス作品として失格なのよね。だから、あらゆる結末の論理が「あとだしジャンケン」になっちゃうの。原作は全部読んでるくらいに好きなシリーズなのに、この映画はシリーズにはなれないと思うわ。
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