SAMARIA 2004,7,29

邦題:SAMARIA
時間:95分
公開:2004
製作年度:2003
製作国:韓国
配給:
監督:金基徳
脚本:
製作:
出演:Kwak Ji-min, Seo Min-jeong and Lee Ueol
映画が破綻していく様を、後半30分間、堪能した。アーティストなのか、タケシの模倣者なのか、偶然の乱暴者なのか、その才能の本質がさっぱりわからないキム・ギドク。なぜ、この程度のものが世界で通用していくのかを知りたい。その過程を映画にして欲しいくらい。模倣されるベースがすでに模倣によって構築されているんだから、オリジナルのエレガントさから伝言ゲームみたいに、まったく違う化学反応を起こして、変容してしまっているの。オリジナルは多分60年~70年代のフィルム・ノワール。晩年は先鋭化して意味不明になりすぎた鈴木清順(あ、まだ生きてるか…)とか、実験映画を商業映画に昇華しちゃった寺山修司とか。本当の意味でのオリジナリティを持つ監督はいると思うけど。あ、黒澤もそうかも。で、そういう人たちに比べて、再構成した模倣(師匠の芸を発展させるお笑いあがりっていうお里が知れるわよね)の模倣ぶりの天才性を評価するしかない、非オリジナリティ作家のタケシを韓国で模倣してるって言われるわけよね。「韓国のタケシ」って言われるくらいなんだから。構図や作画に言われる程の才気も感じないし、ドラマはどんどん破綻していくし。最初の60分はテンポ良く観れるのに、ね。ま、残念でも何でもないけど。所詮、この程度の力量の監督に賞あげちゃうんなんだな、ってベルリン映画祭のレベル低下に同情するしかない。っていうわけで、冒頭の一文になる。ここまで破綻の過程にワクワクさせられる映画は少ないって。あ、でも前半で死んでしまう女の子は可愛かった。キスシーンもけっこう良かった。
(3月15日に続き2度目の鑑賞)
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