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黒猫・白猫

「黒猫・白猫」 1998ユーゴスラビア 鑑賞 1999/10/27
【監  督】 エミール・クストリッツァ
【キャスト】バイラム・セヴェルジャン/スルジャン・トドロヴィッチ/ブランカ・カティチ/フロリアン・アイディーニ
98年のヴェネチア映画祭で銀獅子最優秀監督賞なんだって。日本の映画が時々、エキゾチックで珍しくて、いろいろ賞とか獲るけど、そういうのに似てるかも。映画としてのクオリティは、あんまり問われていないみたい。こういう粗削りで、テキトーなダラダラした一方通行な、伏線なんか一切ない(ちょっとだけあったけど)展開の物語でも、ユーゴスラビアっていう馴染みのない風習やら風景の中に放り込むと、味わいがでるっていう典型かもね。第二次世界大戦後のイタリアの映画とかビデオで一時凝って観てたことあるけど、いろいろ有名な映画賞を獲ってるものもある。そういうのって、戦争で荒廃したイタリアで貧乏(敗戦の後遺症)にのた打ち回ってる庶民を描いているものが多かった。日本の映画でも「羅生門」みたいな、ゴージャスじゃないし、それに欧米みたいな明るい太陽の下って映像じゃないし、そんなビンボー臭さもあって有名な賞を獲得したんだろうなぁ。って、別に世界の(なんで世界のってつけるんだろう)黒澤明監督や映画の出来を言うわけじゃないけどね。でも私には「羅生門」って映画、全然わかんなかった。内容が。派手なアクションとかもないし、登場人物は汚いし(清潔かどうかって意味)で、すっごい観るの辛かった。映画サークルのメンバーとしての義務に近いから我慢したけどね。で、まあ、この映画は「羅生門」とかイタリアの貧乏映画よりは、もうちょっと明るい太陽が素敵な雰囲気だったから、まあいいかも。コメディに作ったのか、結果コメディになったのかっていうトコでは、まあきっとコメディを作りたかったんだろうなって製作者の意志を感じられた。ただ、大笑いできるたぐいのコメディじゃないことは確か。まあ、ユーゴスラビアがどっちかというと、イタリアンマフィア的な家族主義があるんだぁってことと、みんな痩せてるってこと。そして、風景が貧乏臭いってこと。河を行くドイツの豪華客船を観て主人公が溜め息を吐くシーンに、近代化や成り上がりへの憧憬が強く見える。日本みたいに恵まれてる世界では「清貧」なんて偽善があるけど、ユーゴの人たちは、そんな余裕ないんだろうな。どうしようもなく「汚貧」にあるんだもの。現実が。「清貧」ってやっぱ相対的な、差別的な言葉なんだなって思った。恵まれてないとそのアンチテーゼとして定義できないものね。「貧」って部分。

【結論】だから、私の望むのは「清く正しくゴージャスに」ってことかもね。つげ義春の本の感想でも書いたけど、ビンボーは絶対イヤ!

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