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69 2004,3,25

69 邦題:69
原作:村上 龍「69」
時間:113分
公開:2004/07/10
製作年度:2003
製作国:日本
配給:東映
監督:李 相日
脚本:宮藤官九郎
製作:横溝重雄、黒澤 満、早河 洋
出演:妻夫木聡、安藤政信、金井勇太、氷川あさみ、太田莉奈、三津谷葉子、新井浩文、井川 遥、村上 淳、原日出子、岸部一徳、柴田恭兵

原作のおいしいところはちゃんと描かれていた。日本の戦後最も濃密な1969年を舞台にした原作者の私小説みたいなのに、宮藤&李コンビが、イマに通じる青春映画に仕立て上げている。その手腕はすごいなって思うけど、逆に、原作の背景に流れる「あの時代の不定愁訴」な気分は全部なくなっているみたい。テキトーに生きているようで、でも時代はいつミサイルが思想的に飛来するかもしれない東西冷戦&ベトナム戦争真っ盛り。そんなワクワクする緊張感を共有しながらバカやってるっていう逆説的な破滅型青春。そんなものが底流にあるはずだって怒ってしまう、同世代(って遅れ気味の団塊末期世代)の人たちがいそうね。でも所詮、学生運動っていう華やかな最前線は2~3年先輩の大学生が独占してるし、だから童貞な高校生の主人公世代は妄想の中で模倣するしかなかった情けない世代。で、そういうとこを描けば描くほど、イマの世代へウケる映画から乖離していってしまうし、でも原作はそういう時代性を孕んでる所に特徴のある青春小説だし。で、そこそこ絶妙に折り合って落としどころを見つけた結果がこの映画のスタイル。原作がどーの、時代がどーのって小理屈を捏ねながら観なければ、ちょっとは楽しい映画になってるかもね。李監督はそのあたりの乾いた笑いを上手に達者にディレクションしてる。新人にちかいキャリアなのに見せ場を上手く作ってるし、何より、妻夫木君をこれだけ楽しそうに生き生きをお芝居させるくらいに乗せる役者殺しぶりも見事かもしれない。

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