スイミング・プール 2003,10,6
原題:SWIMMING POOL
邦題:スイミング・プール
監督:フランソワ・オゾン
脚本:フランソワ・オゾン
出演:シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ
配給:GAGA 2003仏
不思議な映画。途中から現実とヒロインが書き続けている小説とが融合し、その境目がなくなっていく。シャーロット・ランプリングがどんどん美しく変化していくのが不気味。おそらく私小説のようなものを書いているのだろうけど、自らを美化していく過程なのかもしれない。リュティヴィーヌ・サニエの性格も後半ではかなり変化している。てゆーことは、かなりラフな小説なのかな。プールが何を象徴しているのかすぐには判らないけど、始めは使いようのない汚れたカバーが掛けられた空間、中盤からはサニエがたゆたう「世界」の暗喩か。まあ、どうでもいい。それより、眩暈にもにた現実感喪失をさせていく「解釈可能性の高い映画」として高く評価したい。監督の思わせぶりが素敵。それほど理屈を捏ね回しての思わせぶりじゃなく、もっと「さあ、解釈する隙をつくったぞ」っていうレベルでの観客へ委ねる揺らぎが、さてさて、これは計算されてるのかな?オゾンの掌の上で転がされているのか、それとも、実は何にも主題が存在しないのか。夢オチのようなラストシーンの「どんでん返し風な」現実は真実なのか?でも小説世界で美化されたヒロインのままでラストシーンに存在しているシャーロット・ランプリング。これだと、現実であるはずのラストさえも虚構に思えてしまう。でも、現実を現実的に描くラストシーンだしね。冒頭のヒロインとラストのヒロインは、果たして同一人物なんだろうかな、って疑ってしまう。さて、どっちだ?
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